ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

ハウォルチアには柔葉系と硬葉系があるとされてきました。柔葉系ハウォルチアにはオブツーサなど、葉に透明な窓がある柔らかくみずみずしいタイプで、こちらはその可愛らしさからか大人気です。逆に硬葉系ハウォルチアは葉が非常に硬く透明の窓がないものも多く、地味でどちらかと言えばマニアックな存在でした。
ところが、2013年にイギリスの植物学者である
Gordon Douglas Rowleyが、ハウォルチア(Haworthia)から硬葉系ハウォルチアを分離しハウォルチオプシス(Haworthiopsis)としました。2014年には遺伝子解析によりRowleyの主張は正しいことが確認されました。遺伝子解析による分子系統によると、ハウォルチアとハウォルチオプシスは同じ"アロエ類"ではあるものの、それほど近いわけではないようです。硬葉系ハウォルチア=ハウォルチオプシスは、意外なことにむしろガステリアに近いことがわかりました。

アロエ類の系統図
┏━━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━━Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━━Gonialoe属
            ┗┫    ┗┫
                ┃        ┗━━Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━━Gasteria属


昔からある"十二の巻"
さて、上記の如く激変があったばかりのハウォルチオプシスですが、それで人気が出るわけでもなく、相変わらず目立たない存在です。そんなハウォルチオプシスの中でも昔から"十二の巻"はよく知られていす。今でも多肉植物の寄せ植えに入っていたりします。しかし、十二の巻はあまり上等と思われていないせいか、また丈夫なこともあり、室内に置かれて徒長している姿が多い様に思われます。十二の巻を単独でキレイに育てようとする人はあまりいない気がします。
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十二の巻

さて、ネットで軽く十二の巻を検索すると、Wikiにしろネット植物図鑑にしろ、あるいは個人ブログにおいても、だいたい同じ内容が書いてあります。曰く「十二の巻はHaworthia fasciata(ファスキアータ)」、そして「南アフリカのケープ州の原産」だそうです。ところが、これらは全て間違いです。実は何度かブログ内でそう主張してきたわけですが、そこは悲しいかな弱小ブログの悲しい性ゆえ世間に知れ渡ることはありませんでした。仕方がないので、主張を強化する多肉植物が増える度に、記事を繰り返し書くことになった次第です。

ファスキアタと比べてみよう!
多肉植物、特にハウォルチアは原産地で採取された個体の系統を維持・保存した株が存在します。その証がフィールドナンバーです。フィールドナンバーは、例えば、H. fasciataを購入したら、ラベルに「JAA1262」と表記してあったとしましょう。JAAはJean Andre Audissouという採取した人名の略で、1262はその採取人が採取した1262番(1262地点)の植物という意味です。フィールドナンバーの情報は調べることができます。JAA1262なら、「E. of Hankey, South Africa」という採取地点の情報と、「24/07/2009」という採取年月日が分かります。年月日はイギリス式なので、「日/月/年」ですね。このように、人為的に交配していない野生株が入手可能なのです。

さて、そういうわけで、「十二の巻」ではなくて「H. fasciata」の名前で購入した株をご紹介しましょう。まずは、鶴仙園で入手した「H. fasciata 
DMC05265」です。

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Haworthiopsis fasciata DMC05265
十二の巻と良く似ています。白いイボがまばらですが、これは個体差がありますから、見分け方にはなりません。むしろ、十二の巻はこの白いイボが目立つ様に選抜を受けてきたので、違うのは当然でしょう。では、並べて比べてみましょう。

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左が十二の巻で、右がファスキアタ
見分け方はあるのでしょうか?
実はあります。というより、海外ではファスキアタはあまり入手出来ないようで、ファスキアタと良く似ていて普及しているアテヌアタ(H. attenuata)との見分け方が、趣味家の間でも議論されているのです。
ファスキアタの最大の特徴は葉の内側です。ファスキアタの葉は内側に白いイボがありませんが、アテヌアタは葉の内側に白いイボがあります。実際に見てみましょう。

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ファスキアタの葉の内側には白いイボはありません。

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対して十二の巻は、葉の内側に白いイボがあります。
なるほど、これは分かりやすい違いです。ここで疑問がわきます。では、十二の巻とは何者なのでしょうか?

アテヌアタと比べてみよう!
ここまでの流れでお察しの通り、恐らくは十二の巻はアテヌアタ系統です。海外の話題でありました通り、ファスキアタと良く似ていて、葉の内側に白いイボがあるのは、つまりアテヌアタということになります。
アテヌアタと比べてみましょう。

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左は"特アルバ"の名前で売られているアテヌアタです。白いイボが強いアテヌアタの選抜個体です。

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葉の内側はやはり白いイボがあります。やはり、十二の巻はアテヌアタ系統のようです。

十二の巻は交配種?
十二の巻は特徴から見て、アテヌアタ系統です。しかし、長年ファスキアタとされてきました。純系のアテヌアタとして系統は維持されて来たのでしょうか? 近縁種と交配していないかは分かりませんが、市販されている十二の巻は、生産者さんにより結構違いがあります。株分けによるクローン株なら、そこまで違いは出ないはずですから、ある程度は交配されていてもおかしくはない気がします。もちろん、アテヌアタの異なるタイプの間で交配されてきた可能性もあります。しかし、由来がまったくわからないことだけは確かです。

付記
最近入手した株を付記として示しておきます。
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左はHaworthiopsis fasciata fa.vanstaadenensis
右はHaworthiopsis fasciata DMC05265

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やはり、ファスキアタの葉の内側には、白いイボはありません。

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左はHaworthiopsis attenuataの特アルバ
右は松の雪


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松の雪はHaworthiopsis attenuataの白いイボが繋がらずばらつくタイプ。イボは写真では見にくいですが、葉の内側にもつきます。


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梅雨明け後、急に炎天下となり遮光する前に、多肉たちはダメージ食らってしまいました。私は例年特に真夏でも遮光はしない主義なのですが、私のメイン多肉のユーフォルビアは、太く引き締まった姿に育って欲しいからです。しかし、今年は梅雨明けから太陽光がMAXだったせいか、多肉たちも対応出来なかったみたいです。平気なやつは平気なんですけどね。一応、不織布をかけました。いや、不織布なんて光の透過率が95%か97%あたりだったと思うので、遮光率は数%しかないので、焼石に水というかおまじないレベルですけどね。遮光ネットなんぞないので、緊急避難措置という奴です。ないよりはマシくらいなものですが。一応、あかん感じの奴はハウォルチアの棚に移動させました。そこまで鬼ではありませんから。

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Euphorbia cylindrifolia
暑さは平気なようで、花が咲きまくっています。

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Euphorbia tulearensis
ツアレンシスも元気。ノーダメージで花を咲かせまくっています。お高くて小さいのに意外と図太い奴なんです。

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アンボボンベンシスは葉を全てやられました。枝が一つで、葉が少なく中々生長しないのに、どうするのさといった感もありましたが、ここは移動させずに様子見しました。強光に耐える新葉が出てくることを期待しましたが、意外と早く回復中。

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花キリンは周年元気です。

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Euphorbia caput-medusae
本当に小さい枝がまだないタコものユーフォルビアでしたが、炎天下の中でも元気に枝を伸ばし始めました。

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Aloe somaliensis
ソマリエンシスはがっつり葉をやられました。葉色的にあまり強光は駄目だろうと予測しておくべくでした。アロエは大丈夫だろうという油断が招いた悲劇です。


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Aloe polyphylla
葉が巻いて外葉が枯れ始めました。ポリフィラは水多めがいいみたいですね。乾燥しすぎて、葉がペラペラです。

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Euphorbia phillipsioides
ソマリアものですが、意外に元気。仔を吹いて、新トゲは強くなっています。


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Euphorbia fruticosa
元気に開花中。花は砂糖菓子みたい。

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Euphorbia procumbence
真っ赤になりながらも元気。花芽が出ています。


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Euphorbia franaganii
孔雀丸は開花中ですが、枝はほぼなくなりました。


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Euphorbia inermis
九頭竜は大ダメージです。タコものユーフォルビアでも反応は様々。


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Euphorbia neohumbertii
葉色が危険信号を出しています。


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Euphorbia viguieri
上記のE. neohumbertiiに近い仲間ですが、こちらは元気一杯。


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Haworthiopsis koelmaniorum
軽い遮光下のハウォルチア棚にありますが、ヤバめな色合い。これ以上の強光は駄目かもしれません。


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Euphorbia colummaris
割りと危険なソマリアもの。とりあえずは大丈夫そうです。


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Euphorbia bupleulifolia
鉄甲丸は何故か花が咲き始めました。今年で2回目です。


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Operculicarya borealis
オペルクリカリアは小苗でも平気。


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Fouquieria colummaris
観峰玉の苗ですが、葉色が悪くなり日焼けしたと思いきや、なんとハダニでした。焦らせてくれます。しかし、先のビッグバザールでの購入時にはハダニはいなかったので、メイド・イン・我が家のダニなんでしょうかね? 発生源を探さないと無限湧きしかねません。


基本的にユーフォルビアやアロエは今まで遮光して来なかったので、ユーフォルビアがダメージ喰らっているのをみて、流石に慌てました。しかし、直ぐに対処出来ないあたりはいかにも素人ですね。これに反省してどうにかしなければ…
※素直に遮光ネットを張ればいいだけなんですけどね。




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去年の冬のTOCビッグバザールで購入した"闘牛角"を紹介します。南アフリカ原産のユーフォルビアで、枯れた枝が残り荒々しい風貌となります。野生株のその堂々とした姿は、まさに多肉ユーフォルビアの王様にふさわしい姿と言えます。
分類はトウダイグサ(ユーフォルビア)科トウダイグサ(ユーフォルビア)属リザンチウム亜属アンタカンタ節ですが、いわゆるタコものとかメデュソイドとか呼ばれる奴です。

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闘牛角

タコものユーフォルビアは一般的にやや遮光気味に育てた方が綺麗に仕上がります。あまり日照が強いと枝があまり伸びず、枝の寿命が短いことから枝の数も少なくなり何となくみすぼらしい見た目になり勝ちです。
しかし、闘牛角は枯れた枝が残り、トゲの様に見えるところが最大のポイントです。あまり枝が伸びると、枝が枯れた時にトゲに見えず荒々しい風貌を再現出来ません。枝が短いと鋭い尖った形となり、美しい闘牛角となります。
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購入時。細い枝がひょろひょろ伸びています。これでは、いいトゲになりません。

そういえば購入時、カイガラムシが付いていました。ミリ単位のサイズのなんかかさぶたみたいな奴です。特に殺虫剤は使わず、つまようじで毎週ちまちま除去しました。これがマミラリアとか本体に手が出せないタイプのサボテンだったらそんなことは出来ないでしょうけれど、大抵のユーフォルビアは形的に物理攻撃が有効だったりします。すぐにいなくなりました。簡単簡単。

闘牛角は多肉ユーフォルビアには珍しい冬型ということですから、耐寒性はまあまああるのかもしれませんが、多肉ユーフォルビアの定めとして冬の完全屋外栽培は難しいでしょう。逆に暑さには弱く真夏は水を切りたくなりますが、ユーフォルビアは完全断水すると根が弱るのである程度は水やりは必要です。

さて、闘牛角の学名は1904年(1904 Publ. 1905)に命名された、Euphorbia schoenlandii Paxです。Paxはドイツの植物学者であるFerdinand Albin Paxのことです。
そういえば、闘牛角には歓喜天というそっくりさんがいて、亜種あるいは変種と考える場合もあるそうですが、現在では別種とされています。歓喜天は枯れた枝が残らないなどの違いがあります。ちなみに、歓喜天の学名は1800年に命名されたEuphorbia fasciculata Thunb.ですが、実は闘牛角より100年以上も命名が早い大先輩だったりします。




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最近、ギムノカリキウムのうち、平べったく育つ瑞昌玉、竜頭、武勲丸、バッテリーといったあたりについて、情報をまとめて来ました。

G. quehlianumについて
G. ochoterenaeについて

今回は怪竜丸についてです。怪竜丸は昔から国内でも流通しているギムノカリキウムの一種です。ただし、その出自などは謎に包まれています。


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怪竜丸

快竜丸?怪竜丸?
ネットでは怪竜丸あるいは快竜丸の名前で売られていますが、混同されているパターンと、区別されているパターンがあります。
ここでは、まず「優型ギムノを守る会」という、1961~1978年にかけて存在した会の会誌を参照にしてみます。
「快」竜丸は戦前からG. bodenbenderianumの学名で栽培されてきましたが、肌も明るい色でトゲは立ち上がり、鳳頭に近い雰囲気があります。鉄冠という呼び方もあります。
「怪」竜丸は戦後にG. bodenbenderianumの学名で輸入されてきた個体に付けられた名前です。肌は暗くトゲは張り付くように付きます。会誌では快竜丸Bタイプ=怪竜丸ということです。
私の所有個体は「怪」竜丸の方ですね。


園芸名と学名の関係
輸入されてきた時は、G. bodenbenderianumでしたが、本やサイトにより異なる学名がついている事があります。
ギムノフォトプロムナードの記事によると、G. bodenbenderianumは守殿玉に当てられ、怪竜丸にはG. basiatrumが当てられています。欧州の種子販売リストでは、G. bodenbenderianumとG. basiatrumが業者により混在しているみたいです。

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守殿玉

しかし一番の問題は、怪竜丸が分類学上の種を示してはいないということです。輸入されたある特徴を持ったタイプに怪竜丸の名前がついただけで、ある種類全体についた名前ではないからです。
原種や亜種、変種にそれぞれ園芸名がつけられることは良くあることです。しかし、怪竜丸がG. basiatrumの1タイプであるとして、G. basiatrumという種全体を怪竜丸と呼ぶことは出来ないからです。なぜなら、G. basiatrumとして採取された個体が、全て怪竜丸の特徴を持っているわけではないからです。
あくまで、怪竜丸はG. basiatrumの1タイプについた名前でしかないということです。
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学名
怪竜丸の学名は2014年に命名されたG. basiatrum F.Berger, Amerh. & Sedlmeierで、守殿玉の学名は1929年に命名されたGymnocalycium bodenbenderianum (Hosseus ex A.Berger) A.Bergerです。
G. bodenbenderianumは異名が多く私が確認しただけで実に24もありました。有名どころのみを列挙してみます。

1959年 G. triacanthum Backeb
1962年 G. occultum Frick ex 
Schütz
    →1996年 G. stellatum subsp. occultum
                         Frick ex H.Till & W.Till

    →2008年 G. occultum
                   (Frick ex H.Till & W.Till) H.Till

1966年 G. kozelskyanum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. kozelskyanum
                         
Schütz ex H.Till & W.Till
1966年 G. moserianum Schütz
    →2008年 G. intertextum f. moserianum
                                                  J.G.Lamb.

1966年 G. asterium var. paucispinum Backeb.
    →1975年 G. stellatum var. paucispinum
                                 (Backeb.) R.Strong
    →1991年 G. riojense subsp. paucispinum
                           Backeb. ex 
H.Till & W.Till
    →2008年 G. paucispinum
                   (
Backeb. ex H.Till & W.Till) H.Till
1982年 G. piltziorum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. piltziorum 
                                  Schütz ex H.Till & W.Till
1991年 G. riojense Frick ex H.Till & W.Till

最後に
ここのところ、G. quehlianum、G. ochoterenae、G.bodenbenderianum、G. basiatrumといった、分類学的にも混乱している割りと似た連中についてまとめて来ました。あとは、G. ragoneseiくらいでしょうか。とりあえずは、この一連のシリーズも終了です。もし、新たに異なるタイプを入手しましたら、改めて記事にはするかもしれません。

そういえば、最近ではサボテンは多肉植物に押されぎみで、イベントではその主役の座を明け渡したように思われます。
しかし、サボテンは代表的な多肉植物で本来は多肉植物の1つなのに、「サボテン・多肉植物」という風にある種の特別扱いをされてきたわけで、さしずめサボテンは多肉植物の王様です。それは、サボテンは種類が多く、他の多肉植物と比べて日本に入ってきた時期が早かったため、広く普及したことなどがあげられます。
しかし、近年の多肉植物ブームでサボテンは大分影が薄くなったのは様々なサボテン以外の多肉植物も次々と日本に入ってきたことが理由でしょう。
とは言うものの、若い人も含めて明らかに多肉植物ファンは増えていますから、関連してサボテンに興味を持つ人もいるはずです。なんだかんだ言って、実の所ではサボテン人口も増えている様な気もします。
まあ、私は流行りどころに疎く、流行りに上手く乗れないので、不人気種ばかり追いかける羽目に陥り勝ちですけどね。



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土曜日にヨネヤマプランテイションのBIG即売会に行きましたが、5分で済ませて店を出て直ぐに横浜市営バスに飛び乗りました。その足でコーナン港北インター店へ向かうためです。
ここのコーナンはデカイ温室があり多肉植物の豊富さでは有名ですから、せっかく新羽まできたのですから、はしご酒ならぬはしご多肉、あるいは追い多肉です。さて、折本町なるバス停で降りて、ヤナセの横の道を進むと直ぐに温室が見えます。なんと10時ちょいに到着。ほぼ開店時間ですね。

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相変わらず多肉コーナーは広いのですが、ミニ多肉が非常に豊富です。しかし、そういう目立つ多肉の陰にある、何やら薄暗い一角にハウォルチアがありました。私が気になるのは、硬葉系ハウォルチアと呼ばれる連中です。ひっそりとレア多肉が並んでいて、しばし硬直していました。素晴らしいラインナップで、あれもこれも欲しくなってしまいますが、資金に難があり色々諦めました。残念…、とか言いつつもめちゃくちゃ買いましたけどね! 一点一点は安いのですが、沢山買ったので、金額はそれなりにいってしまいました。いやぁ、困った。
さて、なんだかんだで会計を済ませ、バスに飛び乗りました。ここでも滞在時間は10分くらいです。今日は午後に所用があったのでスピード勝負でした。


本日の購入品はこちら。
今回購入した硬葉系ハウォルチアは、全て今井カクタスさんの苗のようです。調べたところ木更津の生産者さんみたいですが、珍しい多肉を品質良く安価で販売しており好感が持てます。ぜひとも、御贔屓にしたいところです。
※例によって名前はラベル表記のママです。


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プミラ
プミラ(Tulista pumila)は産地により変異幅が大きく、私はこれで3株目。違いを楽しんでいます。

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ミニマ
ミニマと呼ばれることのほうが多いのですが、正確にはミノル(Tulista minor)です。私の所有株はSwellensという地域で採取された特殊個体なので、ノーマルなミノルは素直に嬉しいです。

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瑞閣
瑞閣とありますが、正確には瑞鶴ですね。いわゆるマルギナータ(Tulista marginata)です。まだ小さいので、葉が旋回する前でかわいいですね。個体や産地でイボの様子が異なりますから、将来が楽しみです。我が家のマルギナータと違うと面白いのですが、どうでしょう? まだわかりませんね。

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キンギアナム
キンギアナムではなくキンギアナです。しかし、キンギアナ(Tulista kingiana)ははじめて見ました。これで、ツリスタ属4種類コンプリートです。というか、今日1日で揃ってしまいました。今まで、目を皿の様にしてイベントで探し回っていた過去の自分の苦労は何だったのか…

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スカブラ
Haworthiopsis scabraです。硬葉系ハウォルチアのざらつきだとか、ソリッド感が好きです。


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松の雪
綺麗な名前ですが、いわゆるアテヌアタ(Haworthiopsis attenuata)のイボが繋がらず、細かく散るタイプの名称です。イボが繋がるタイプは"特アルバ"の名前でよく売ってますよね。

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プンゲンス
Haworthiopsis pungensです。ざらつかないタイプの硬葉系ハウォルチアは強光で黄色くなるものもあります。いい色です。


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ヘレイ
Haworthiopsis glauca var. herreiのことです。葉が長くシャープで美しい。実は鶴仙園でフィールドナンバー付きのヘレイをすでに入手しており、今回はタイプがだいぶ異なるので購入しました。ちょうど記事を書くところだったので、ジャストタイミングでした。

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ピランシー
割りと大型になるガステリア、Gasteria pillansiiです。まだ小苗ですから、今後の生長が楽しみです。


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グロメラータ
Gasteria glomerataです。なんか妙にかわいいので買ってしまった…


コーナン港北インター店は遠いので中々行けませんが、行くと何かしら珍しいものがあるので毎回楽しくもあります。
しかし、年甲斐もなくはしゃぎすぎましたね。ヨネヤマプランテイションのBIG即売会と合わせて買いすぎました。金ないです…

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私はどうにも情報収集が下手で、いつも多肉イベントに気が付かずいつの間にやら終わっていたなんてことがよくあります。大抵は多肉好きな方々のブログを見て、えぇ!やってたの?と毎回驚いて落ち込みます。次回の開催情報のパンフレットを記事に貼ってくれているブロガーさんもいて、自力で見つけられない私はありがたすぎて拝んでしまうレベルです。最近、インスタの告知だけとかあまり大々的に宣伝しない多肉イベントが多く、年間の多肉イベントをまとめたネット記事にも載らなかったりします。首都圏の多肉イベントについて、本当に開催を教えて欲しいのですよ。
まあ、私がなんだかんだで把握しているのは、TOCのビッグバザールくらいなもので、今年もいくつかの多肉イベントを心ならずもスルーしてしまいました。 しかし、今回は非常に珍しく気が付きました。7/9-7/10にザ・ガーデン本店ヨネヤマプランテイションで行われる多肉多肉のBIG即売会です。今月はイベントもないし、鶴仙園で散財する遊びをする予定でしたが中止して、昨日行って来ました。
そういえば、ヨネヤマプランテイションは3月にも多肉植物の即売会がありましたが、オトンナなど冬型が多かった様な印象でした。さて、今回はどうでしょうか?

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ヨネヤマプランテイションのスタッフブログではカクタス長田さんの苗が沢山入っていますとありますが、ポスターを見るとコーデックスも豊富な感じがしてこれは期待してしまいますね。
カクタス長田さんの苗は園芸店でもお馴染みで、私がたまに行くシマムラ園芸でも沢山並べられています。ですから、ある種見慣れてはいますが、たまにラインナップをガラリと変えてくることがあり油断なりません。今回はどうでしょうか? 面白い多肉が入っていればいいのですが…

さて、ヨネヤマプランテイションへ私は電車で向かいます。ヨネヤマプランテイションは横浜市営地下鉄ブルーラインの新羽駅のすぐ近くですから、電車で行くには非常に便利です。
営業時間は9時半からということになっています。しかし、前回の即売会では9時半前に到着したものの、すでに開場しており、しかも入場制限がかかっていて入り口で少し並びました。ですから、今回は新羽駅に9時15分くらいに着くようにしました。あまり早く来て長く並ぶのも面倒なので、まあこれくらいがちょうどいい様な気がしますが、入場制限で5分くらい並びました。
入場すると、多肉コーナーは相変わらず激混みですが、私の大好物のユーフォルビアがターゲットです。ユーフォルビアのみを見るようにして、素早くお値段をチェックしました。図鑑を穴が空くほど見ているので、見た瞬間にそれ(ユーフォルビア)とわかります。その中で持っていない種類をゲットしたのです。まあ、焦らなくてもなくならないでしょうけど。しかし、次の予定がありますから、5分で選んで会計を済ませました。

今回の即売会は、やはり夏らしくコーデックスも沢山ありました。もはやお馴染みのパキポディウムに加えて、ドルステニアやアデニアあたりもありましたね。流行りのアガヴェ、オペルクリカリアの苗もありました。あとは珍しくタンクブロメリアがかつて見たことがないレベルで沢山並んでおり、これはファンにはたまらないでしょうね。パキポディウムは苗をじわじわ集めていますが、今回は完全に無視しました。じっくり見ている時間がないもので。
さて、問題のユーフォルビアですが、バリダやオベサは沢山ありましたが、出色なのはグイラミニアナですかね。沢山並んでいて、少し珍しい光景でした。最近よく見る群星冠もありました。しかし、面白いものも入手出来て概ね満足です。

さてさて、最後に購入品の紹介です。
※名前はラベルのママ表記しています。

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ゴットレベイ
Euphorbia gottlebeiです。葉が非常に細い花キリンです。有名種ですが園芸店でははじめて見ました。神代植物公園の大温室にゴッドレベイの大群生株があって見るだけでしたが、まさか入手出来るとは。
花キリン類は丈夫で、花も綺麗で良く咲くので、多肉植物ブームとは関係なく元より人気花木です。まあ、原種系は多肉ブームのおかげで流通しているわけですけどね。

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ユーフォルビア・クラビコーラ
妙な名前だと思い調べても中々出てこなかったのですが、どうやらEuphorbia clivicolaのようです。クラビコーラというよりクリビコラのほうが自然な気がします。まあ、"cola"を「コーラ」と読みたくなる気持ちはよく分かります。
外見的になんか大雑把な感じがしていいですね。実に多肉ユーフォルビアらしい。このサイズ感で何故か激安でしたが、育生時間考えたら儲けにならない気もしますが。まあ、余計なお世話かもしれませんがね。私は安く入手できて嬉しいからいいわけですけど。何ででしょうかね? 確かにいかにも人気が出ない雰囲気はしますが…


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フォーキエリア・フォルモーサ
Fouquieria formosaです。フォークィエリアは4種類育てていますから、これで5種類目です。フォークィエリア属は調べた限りでは11種類くらいあるみたいですけど、国内で入手出来るフォークィエリアはあと何種類ですかね? 別にコンプリートを目指していませんが、あれば気になって買っちゃいます。


私は昨日行って来ましたが、即売会は本日も絶賛開催中です。皆様もお手隙ならば、即売会を覗いてみては如何でしょうか? 面白い多肉が沢山見られることは請け合いです。



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先日の夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールで武勲丸を入手しました。武勲丸の学名はGymnocalycium ochoterenaeと言われています。しかし、ギムノカリキウム・バッテリーやインターテクスツムの学名もGymnocalycium ochoterenaeであると言われることがあります。どういうことなのでしょうか?
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武勲丸

先週、瑞昌玉の学名がGymnocalycium quehlianumかもしれないね、くらいの内容について記事にしました。そこで、G. quehlianumに近縁とされるG. ochoterenaeについても調べたわけで、ちょうど良く武勲丸を入手したこともあり記事にしてみました。

園芸名と学名の関係
武勲丸はギムノカリキウム属のサボテンです。しかし、ギムノカリキウムはギムノカリキウム属内の交雑が簡単にできることから、昔から趣味家の間でも交配が行われてきました。そのため、由来のわからない交配種が溢れ、どれが元々の交雑していない株かわからなくなるという悲劇が起こりました。これは、特に武勲丸、バッテリー、怪竜丸、瑞昌玉、竜頭あたりで顕著だったかのかもしれません。これらは、元々良く似ていて判別が難しい部類だからです。そのため、趣味家の集まりで各種の特徴を抽出して、その特徴を持つ系統の維持が行われました。これ自体は素晴らしい事なのですが、特徴を維持するために結果的に選抜が行われたとも言えます。本来、実生すると純系の株でも子株の特徴にはばらつきが出ます。ある程度の幅があるのが当たり前なのです。しかし、選抜が行われると園芸上好ましい特徴を持つ株以外は淘汰されるため、その種が本来持つ多様性を失わせてしまいます。とはいえ、この系統維持が行われなかったら、ギムノカリキウムは由来不明の交雑種ばかりになっていたかもしれませんから、感謝しなくてはなりません。

この選抜が行われてきた武勲丸たちは、現在学名がわからなくなっています。というのも、園芸名は輸入されてきたある特徴を持つ株に付けられ、しかも選抜されてきた結果だからです。原産地の野生株はかなりの変異幅があり、日本の選抜株と照合はなかなか難しいのです。そもそも、輸入されてきた現地球には学名が付けられてきているはずですが、実はそれも怪しいかもしれません。当時と現在では学名はかなり変わっていますから、業者によりあるいは時代により、様々な学名で呼ばれていた可能性があります。実際に現在の海外の有名種子業者の学名も業者によりまちまちで、同じ種を異なる学名で呼んでいるという事実があります。ただし、現状では武勲丸はオコテレナエ(G. ochoterenae)とされているようです。それがどれほど正しいかは、良くわかりません。
学名は1936年に命名されたGymnocalycium ochoterenae Backeb.です。

バッテリーとインターテクスツム
The World Checklist of Vascular Plants』によるとバッテリーとインターテクスツムは、やはりG. ochoterenaeとされています。ただし、Gymnocalycium quehlianumと同様にまだレビュー中とされているようです。G. ochoterenae全体としてはバッテリーやインターテクスツムは異名扱いですが、バッテリーやインターテクスツムの個別の詳細情報を見ると、未だに"Not Accepted"となっていないようです。まだ別種、あるいは亜種や変種扱いとされる目は残っているのかもしれません。

バッテリーは1950年に命名されGymnocalycium vatteri Buinigとされましたが、1993年にGymnocalycium ochoterenae subsp. vatteri (Buining) Papschとされ、これがAcceptされた名前です。

インターテクスツムは1987年に命名されGymnocalycium intertextum Backeb. ex H.Tillとされ、これがAcceptされた名前です。1993年にはGymnocalycium bodenbenderianum subsp. intertextum (Backeb. ex H.Till) H.Tillという学名もありますが、インターテクスツムはG. bodenbenderianum系ではなくG. ochoterenae系とされたので認められておりません。どうやら、インターテクスツムはかつてGymnocalycium sp. Hig.と呼ばれていたものらしいです。

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バッテリー
一本トゲのイボが目立たない古いタイプ。

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バッテリー
強刺でトゲは3本、平たく育ちイボが目立つ最近のタイプ。

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インターテクスツム

現状では武勲丸とバッテリー、インターテクスツムは同じG. ochoterenaeで、兄弟というかG. ochoterenaeの変異の幅に収まってしまうとされています。しかし、確実な証拠がない状態ですから、いつ変更となるかわかりませんし、その可能性は十二分にあります。場合によっては、近縁とされるG. quehlianumやG. bodenbenderianum、G. basiatrumあたりも交えて大幅に再編されることすら考えられます。
とりあえず、これでG. quehlianumとG. ochoterenaeについては解説しましたから、近日G. bodenbenderianumについても無駄に長い話をしようと思っております。



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ツリスタをご存知ですか?
ツリスタ属Tulistaは2013年にハウォルチアから分離されて出来ました。かつてはハウォルチアの中でも硬葉系ハウォルチアと呼ばれる仲間の一員でした。しかし、ツリスタ属自体が新しいこともあり、それほど浸透しておりません。今でもハウォルチアとして販売されています。そんな、ツリスタについて調べてみましたので、ご紹介します。

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Tulista minor 
      (Aiton) Gideon F.Sm. & Molteno
※swellens


ツリスタ収集中
そんなツリスタですが、ツリスタ属自体が有名ではないのと、ハウォルチア時代から元々人気があったわけではないので、ネット検索してもあまり情報はありません。「ツリスタ」で検索すると、まず釣りのゲームが出て来てしまうほどです。むしろ、"Tulista"で検索して海外のサイトを見た方が情報が出て来ます。
私はかつて硬葉系ハウォルチアと呼ばれていたハウォルチオプシスHaworthiopsisとツリスタTulistaは個人的に大好きで、じわじわ集めています。特に渋いツリスタはあまり販売していないこともあって、出会ったら優先的に購入するようにしています。
しかし、ツリスタは残念ながら大人気というわけではないので、入手が中々困難です。まあ、ネットで探せば入手可能でしょうが、私はあえてネットでの多肉植物の購入に制限をかけていて、イベントや園芸店で直接見て手にしたものだけを購入することにしています。これは、実際に見ないと品質がとかネット詐欺がとかではなく、ネット通販に手を出したら際限なく買ってしまいそうだからです。そうでなくても置き場が狭いのに、買うだけ買って育てられないでは困りますから。とはいえ、イベントで実物を手にとって見るのがとても楽しくて好きだからということも大事な理由ですけどね。

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Tulista marginata
                (Lam.) G.D.Rowley


ツリスタの復活
ツリスタは基本的にはじめに命名された時はアロエで、次はハウォルチアとされ、最後にツリスタという経緯をたどってきました。それぞれの属の創設年は以下の通りです。
1753年 Aloe L.
1809年 Haworthia Duval
1840年 Tulista Raf.
では、1840年にツリスタが誕生したのかというと、実のところ異なります。ツリスタ属の命名者であるRaf.は、オスマン帝国生まれでアメリカで活動し、独学で多くの動植物を命名したConstantine Samuel Rafinesqueのことです。しかし、Rafinesqueの業績は生前アカデミアで評価されませんでした。ですから、ツリスタ属は1840年に提唱されたものの、認められていなかったのです。この忘れ去られたツリスタを復活させたのが、ハウォルチオプシスをハウォルチアから独立させたGordon Dougles Rowleyです。Rowleyはサボテン・多肉植物を専門とする、イギリスの植物学者兼作家です。Rowleyは2013年にハウォルチアからハウォルチオプシスとツリスタを分けましたが、Rafinesqueが命名されたものの認められなかったツリスタを復活させました。
Rafinesqueがツリスタを命名した時に、どのような種を含んでいたのかはよくわかりませんが、Tulista margaritifera=Tulista pumilaは確認しています。ただ、Rowleyはツリスタ属をかなり幅広く採用したようで、旧アロエ属であるGonialoe3種とAristaloe1種、さらにHaworthiopsis(当時はHaworthia)7種、Astroloba7種を含んでいました。しかし、当時ツリスタとされたハウォルチオプシスのうち2種類と後に追加された2種類だけが、現在では正当なツリスタ属所属とされております。

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Tulista pumila var. ohkuwae
                       (M.Hayashi) Breuer


ツリスタの遺伝子解析
2014年に出た『A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae Subfamily Alooideae : A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?』という論文では、アロエやハウォルチアの遺伝子解析を行っています。論文によると、ツリスタ属はゴニアロエ属(千代田錦)、アリスタロエ属(綾錦)、アストロロバ属に近いとされています。G.D.Rowleyがツリスタ属にゴニアロエやアリスタロエ、アストロロバを入れたのは、それほど検討違いではなかったというか、どの範囲までがツリスタ属かというどこで線を引くかという問題に過ぎないのかもしれません。
この論文ではツリスタはまだハウォルチアとして扱われていますが、T. marginata、T. kingiana、T. pumilaはよくまとまったグループとなっています。ツリスタはハウォルチア(軟葉系ハウォルチア)とはそれほど遺伝的に近くはなく、Tulista + Gonialoe + Aristaloe + Astrolobaというグループと、Gasteria + Haworthiopsis(硬葉系ハウォルチア)のグループが姉妹群を形成しています。この論文自体、なかなか面白い内容なので、そのうち記事にしてご紹介できればと考えております。


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Tulista pumila
                 (L.) G.D.Rowley

ツリスタの学名
現在認められているツリスタ属に所属する種は、4種類です。命名が早い順に見ていきましょう。

プミラ Tulista pumila
プミラの学名は1753年に命名されたAloe pumila L.から始まります。最初はアロエ属とされました。まあ、しかしツリスタ、ハウォルチオプシス、アストロロバあたりは、属が創設されるまではアロエ属の所属されるのというのは良くある話です。アロエ属の創設が1753年ですから、プミラはアロエの創設メンバーでした。1789年には、Aloe arachnoides var. pumila (L.) Aitonという学名もありましたが、どの程度浸透して認められた学名であるかはわかりません。ちなみに、Aloe arachnoidesとは、現在のHaworthia arachnoideaのことです。
さらに、1809年にはHaworthia pumila (L.) Duvalとされました。アロエからハウォルチアに移動しましたが、なんと1809年はハウォルチア属の創設の年です。プミラはアロエ属に続いて、ハウォルチア属の創設メンバーでもあるわけです。
そして、2013年にはついにTulista pumila (L.) G.D.Rowleyと命名されました。お察しのように、プミラはツリスタ属でもその創設メンバーです。

ちなみに、プミラには2つの変種が認められております。2006年に命名されたHaworthia sparsa M.HayashiHaworthia ohkuwae M.Hayashiがあり、現在ではいずれもプミラの変種とされています。つまり、2016年に命名されたTulista pumila var. sparsa (M.Hayashi) BreuerTulista pumila var. ohkuwae (M.Hayashi) Breuerです。
 
プミラには異名が沢山あり、代表的なものとしてマルガリティフェラ系とセミグラブラタ系、セミマルガリティフェラ系があります。
マルガリティフェラ系は、1753年にAloe pumila var. margaritifera L.としてプミラの変種とされました。しかし、1768年にはAloe margaritifera (L.) Burm.f.とされ独立しましたが、1811年にApicra margaritifera (L.) Willd.、1819年にはHaworthia margaritifera (L.) Haw.、1840年にTulista margaritifera (L.) Raf.、1891年にはCatevala margaritifera (L.) Kuntzeとされましたが、現在ではプミラと同一種とされています。


②マルギナータ Tulista marginata
マルギナータの学名は1783年に命名されたAloe marginata Lam.から始まります。1891年にはCatevala marginata (Lam.) Kuntze、1938年にはHaworthia marginata (Lam.) Stern、そして最終的には2013年命名のTulista marginata (Lam.) G.D.Rowleyとなりました。

マルギナータには異名があり、代表的なものとしてアルビカンス系とヴィレスケンス系があります。アルビカンス系は、1804年のAloe albicans Haw.、1811年のApicra albicans (Haw.) Willd.、1812年のHaworthia albicans (Haw.) Haw.です。ヴィレスケンス系は1821年のHaworthia virescence Haw.、1829年のAloe virescence (Haw.) Schult. & Schult.f.です。


③ミノル(ミノー) Tulista minor
ミノルの学名は1789年に命名されたマルガリティフェラ(=プミラ)の3つの変種として始まりました。つまり、1789年に命名されたAloe margaritifera var. minor AitonAloe margaritifera var. minima AitonAloe margaritifera var. majorです。
ミノル系は1809年にはHaworthia minor (Aiton) Duval、1821年にはApicra minor (Aiton) Steud.1829年に命名されたAloe minor (Aiton) Schult. & Schult.f.、そして2018年にTulista minor (Aiton) Gideon F.Sm & Moltenoとされました。

実はミノル以外もしばらくは独立種として、ミノルと平行して学名は変遷しました。
ミニマは1812年にはHaworthia minima (Aiton) Haw.、1891年にはCatevala minima (Aiton) Kuntze
1997年にはHaworthia pumila subsp. minima (Aiton) Halda
2014年にはTulista minima (Aiton) Boatwr. & J.C.Manningとされました。
マイヨル(マジョール)は1809年には、Haworthia major (Aiton) Duvalとされたました。しかし、ミニマもマイヨルも、ミノルと同種であるとして異名となりました。

ミノルにはその他にも沢山異名がありますが、有名な所ではマキシマとオパリナがあります。
マキシマは1804年にAloe margaritifera var. maxima Haw.、1809年にはHaworthia maxima (Haw.) Duval、1821年にApicra maxima (Haw.) Steud.となりました。
オパリナは2001年にHaworthia opalina M.Hayashi、2016年にはTulista opalina (M.Hayashi) Breuerとなりました。

※ミノルとかマイヨルとか読み方に違和感があるかもしれませんが、学名はラテン語ですからラテン語読みしています。悪しからず。

④キンギアナ Tulista kingiana
キンギアナは1937年に命名されたHawortha kingiana Poelln.から始まりました。1997年にはプミラの変種とするHaworthia pumila var. kingiana (Poelln.) Halda、そして2017年にTulista kingiana (Poelln.) Gideon F.Sm & Moltenoとなりました。

ちなみに、2001年に命名されたHaworthia zenigata M.Hayashiは、2016年にTulista opalina var. zenigata (M.Hayashi) Breuerとされましたが、現在ではゼニガタはキンギアナに含まれると考えられているようです。

旧・ツリスタの構成員
2013年にG.D.Rowleyがツリスタ属を復活させた時、アストロロバやハウォルチオプシスも混じっていました。今ではツリスタの所属ではありませんが、その時の構成員を紹介します。
2013年 
Astroloba rubriflora, Astroloba bullulata, Astroloba congesta, Astroloba corrugata, Astroloba foliolosa, Astroloba herrei, Astroloba spiralis, Haworthiopsis koelmaniorum, Haworthiopsis pungens, Haworthiopsis viscosa, Aristaloe aristata
2014年 ゴニアロエを追加
Gonialoe variegata, Gonialoe dinteri, Gonialoe sladeniana


終わりに
いかがでしょうか。たった4種類のツリスタ属にもこれだけの歴史があるのです。それを沢山の研究者たちが、長い年月意見を戦わせてきたわけです。
ちなみに、学名の中でアピクラ属やカテバラ属という属名が出て来ますが、これらは現在は使用されない幻の学名です。学術史に埋もれた旧学名にも様々なドラマがあったのかもしれません。
地味で人気があるとは言えない多肉植物でも、調べると思う以上に色々なことがわかります。こういう多肉植物の楽しみかたもあるのです。ホームセンターや百均で買ったミニ多肉にも、長く複雑な研究史があるのかもしれません。皆さんも一つ調べてみてはいかがでしょうか?



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峨眉山は交配で生まれたとされている多肉ユーフォルビアです。一応、鉄甲丸 × 瑠璃晃と言われていますね。本当かなぁ?

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2020年1月、購入時。
"Euphorbia gabisan"というラベルはちょっと面白いですね。いや、それは学名ではなくて園芸名です。どちらかと言えば、普通に漢字で「峨眉山」と書いてくれた方がわかりやすい気もします。

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2021年12月、植え替えて室内へ。
だいぶ大きくなりました。2020年の春に一度植え替えたのですが、今年の11月に部屋に取り込む際に一回り大きい鉢に植え替えました。鉢からえらいはみ出たので、植え替えの時期ではないのに仕方なく…。
まあ、峨眉山は丈夫なので大丈夫でしょう。

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2022年6月。
もう鉢からはみ出してます。これは始末に終えない。これって無限に拡大していくパターンかな? そうしたら植え替えするほど元気になって、拡がるんじゃないかということに気がつきました。正直、スペースの問題もありますから、仔をある程度は整理して形を保つのも1つの手でしょう。
峨眉山は丈夫だから問題ないかもしれませんが、増えすぎた仔が鉢に蓋をする形になってしまい、根本が蒸れやすくなり腐る可能性も出てきます。昔、群生するタイプのマミラリアでかなりの大群生株に育てていて調子に乗っていたら、実際にこれをやらかしたことがあります。
そういえば仔は全部外し、中心の親株だけの単頭で大きくしようとしているブログを過去に見たことがあります。本来は群生するのが
峨眉山の特徴というか見所ですが、見せ所を自分で開拓するやり方は思いの外面白く感じました。見習って1つ仔を外して単頭栽培してみてもいいかもしれません。

そう言えば、私がよく見るLLIFLEという海外のサイトでは、峨眉山はEuphorbia cv.Cocklebur、あるいはEuphorbia ×japonicaと言われているようです。日本で作られた品種であることは海外でも知られているようで、日本が誇る代表的なユーフォルビア品種と言えます。
通称はCocklebur(オナモミ)、Pineapple(パイナップル)だそうです。まあ、わからないでもない感じがします。


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峨眉山の親疑惑① 鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia

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峨眉山の親疑惑② 瑠璃晃 Euphorbia susannae

一応、峨眉山は鉄甲丸と瑠璃晃の交配種と言われていますが、実際のところはわかりません。それが別に間違っているのと主張しているわけではなく、確かめる手段がないだけです。遺伝子を調べればわかりますが、ただの一園品種(しかもユーフォルビア)を調べてくれる研究者はいないでしょうから。
現在、入手できる峨眉山は仔をおろして増やされたものでしょう。その場合、ソメイヨシノが上野公園の1本の桜の枝を継ぎ木して増やしたように、流通している峨眉山はクローンかもしれません。なぜ、クローンで増やすかというと、交配するごとに微妙に遺伝子の混ざり具合が変わりますから、外見も1個体ごとに違いが出るからです。実際、見かける峨眉山はみな見た目は均一です。まあ、峨眉山の場合は実生しなくても簡単に増やせるから、という理由がクローンがメインである原因なのでしょう。例えば、パキポディウムの恵比寿大黒なんかは枝を挿し木というわけにもいきませんから実生するわけですが、個体ごとの多様性は大ですよね。まあ、パキポディウムは交配しなくても実生は見た目的にかなり差があるみたいですけどね。



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一般にオブツーサと呼ばれる、みずみずしいハウォルチアをよく見ます。しかし、クーペリだとかトルンカタとか呼ばれることもあります。学名も色々呼ばれています。ネットでもかなり混乱しているようですが、調べた私も調べるほど混乱してしまいます。

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私の育てている謎のハウォルチア。一般的にオブツーサと呼ばれています。おそらくはクーペリ系な様な気もしますが…

オブツーサはどうやら調べて見ると最低2つの系統があるようです。
1, cymbiformis系
この系統は1809年に命名されたHaworthia cymbiformis (Haw.) Duvalの系統です。1825年に命名されたHaworthia obtusa Haw.は現在では認められていない学名ですが、H. cymbiformisの変種として1880年にHaworthia cymbiformis var. obtusa (Haw.) Bakerとされました。これがオブツーサと呼ばれるものの正体です。

2, cooperi系
この系統は1870年に命名されたHaworthia cooperi Bakerの系統です。クーペリの変種として1999年に命名されたHaworthia cooperi var. truncata (H.Jacobsen) M.B.Bayerがあり、これもオブツーサと呼ばれたりします。このトルンカタは1955年にはHaworthia obtusa f. truncata H.Jacobsenとされたのが始めですから、ややこしい話です。
また、最近オブツーサ様のハウォルチアを"ikra"と呼ぶことがありますが、これは2010年に命名されたHaworthia ikra Breuerです。これもトルンカタの異名とされています。


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Haworthia cooperi
クーペリの先端が丸くなったものがトルンカタ。


現在では認められていませんが、Haworthia obtusa f. truncata H.Jacobsenなる学名もあったくらいで、非常に混乱していることは間違いないようです。正直なところ見分けはつかないし、売られているオブツーサはcymbiformis系かcooperi系か、私にはわかりません。
私もハウォルチアは勉強中ですので、これ以上はよくわかりません。調べた分だけさらに混乱するばかりです。見分け方を知る詳しいことをご存知の方はいないでしょうか? 本当に教えていただきたいものです。


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最近、ハウォルチアが気になっていて、ハウォルチア、ハウォルチオプシス、ツリスタを集めてきました。そこから派生してアストロロバ、そしてついにはガステリアに手を出し始めたわけです。とは言うものの、ガステリアはそこいら辺で売っていないので実にもやもやしていました。そこで、池袋の鶴仙園に突撃して、ついにガステリア・カリナタを入手したわけです。
ガステリア・カリナタは南アフリカ原産のガステリアです。非常に多様性が大きく、外見は個体差があります。しかし、美しい…


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Gasteria carinata

アロエはまだ小さい苗では、葉がガステリアの様に左右に並びます。そしてある程度育つと、葉が旋回をはじめて、やがてロゼットを形成します。Gasteria carinataも若いうちは左右に葉が並びますが、ある程度大きくなると葉が旋回を始めます。私の入手個体は旋回を始めたばかりみたいです。ガステリアの葉は一般的に肉厚ながらも扁平形ですが、カリナタは成熟するとキールが出来て断面が三角形になります。

ガステリア・カリナタは原産地では灌木の陰に生えるということですので、強光線には耐性はなさそうです。
ガステリアの耐寒性は一般的にあまり高くないと言われますが、冬でも戸外で放置されているガステリアを見かけますから意外と耐寒性は高いような気もします。海外のサイトを見ると、アメリカのハーディネスゾーンであるUSDAゾーンは9b~11bということですので、最大マイナス3.9℃程度には耐えられるとされているようです。


カリナタの学名は1809年に命名されたGasteria carinata (Mill.) Duvalです。1768年にはAloe carinata Mill.でしたが、ガステリア属に移動しました。
詳細な情報がない学名として、Gasteria retusa (VanJaarsv.) VanJaarsv.があります。
変種は2つあり、1992年に命名されたGasteria carinata var. verrucosa (Mill.) VanJaarsv.は、Aloe verrucosaと呼ばれていたものです。日本では白青竜と呼ばれています。1998年に命名されたGasteria carinata var. thunbergii (N.E.Br.) VanJaarsv.は、かつてGasteria thunbergiiと呼ばれていたものです。

それはそうとして、Gasteria carinata var. carinataの異名は沢山というか40以上あるみたいですが、調べても経緯がわからない学名(異名)が多くて困惑しています。異名は非常に多いわりに、各々の関係性がいまいち掴めず情報も少ないとなると、中々調べるのも困難です。
一例ですが、Gasteria angulata (Haw.) DuvalGasteria angulata (Willd.) Haw.という2つの同じ名前の異名があったりします。最初の方はHaworthが命名したアングラタをDuvalがガステリア属としたという意味で、後ろの方はWilldenowが命名したアングラタをHaworthがガステリア属としたという意味でしょう。ややこしいというか、意味がわかりませんね。これの正解は、Aloe angulata Willd.Gasteria angulata
 (Willd.) Haw.Aloe lingua var. angulata Haw.Gasteria angulata (Haw.) Duvalということらしいです。これは非常に面倒臭いのでこれ以上は深入りしませんが、とてつもなく暇だという方は暇つぶしに調べてみてはいかがでしょうか。
それはそうとして、異名の多さは外見上の変異幅が広いということを示していると考えられます。カリナタは非常に美しいガステリアですから、様々なタイプをコレクションしてみても面白いかもしれませんね。



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アノプリア(Euphorbia anoplia)は、緑のジグザグ模様が特徴的なユーフォルビアです。
しかし、アノプリアは謎の多い植物でもあります。


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アノプリア

一般的には、Euphorbia anopliaと言われておりますが、Gbifで学名検索してみるとポリゴナの変種とあります。実はホリダがポリゴナの変種であるという論文が2014年に出て、多くの趣味家を驚かせました。しかし、私はポリゴナとホリダが同じ寄生植物に寄生されるなど共通点が多いので、それほどの驚きはありませんでした。
現在のポリゴナ系のアクセプトされた学名は11変種あります。しかし、残念ながら流通している様々なタイプのポリゴナやホリダの園芸品種が、どの変種にあたるのかはよくわかりません。あるいは、流通している品種はポリゴナやホリダの選抜品種あるいは交配系なのかもしれません。

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すごい勢いで仔吹きします。

ポリゴナの学名は1803年に命名されたEuphorbia polygona Haw.です。1860年にはホリダが命名されEuphorbia horrida Boiss.とされましたが、2014年にEuphorbia polygona var. horrida (Boiss.) D.H.Schnabelとなりました。同様にアノプリアは1923年にEuphorbia anoplia Stapfと命名されましたが、2013年にEuphorbia polygona var. anoplia (Stapf) D.H.Schnabelとされました。


アノプリアはポリゴナの兄弟みたいなものですね。と言うよりも、どちらかと言えばホリダに似ている気がします。
海外ではジグザグ模様からか、ジッパープラントなんて呼ばれているようです。南アフリカ原産と書かれていたり、タンザニア・ジッパープラントという名前からタンザニア原産だとか言われたりしております。
ただし、調べても栽培品しかないようで、自生地の写真はまったくありませんでした。

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仔を外して植え付けましたが、高さ2cmくらいで花が咲き仔を吹きます。すでに成熟しているということなのでしょうか。

アノプリアの形態をよくよく観察してみます。ホリダと比較して、全体に小型でトゲもほとんどなく、白粉もありません。これは、栽培品の中から出現した突然変異の矮性品種なのではないかということです。
学術標本も、野生株の標本もない様子です。現時点においては、ポリゴナ系(というよりホリダ)の品種なのだろうと私は考えております。


ホリダについての記事はこちら。


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 私のメイン多肉はユーフォルビアですから、やはりユーフォルビアばかり集めていますが、実はサボテンも少しずつ集めています。どうにも、ギムノカリキウムGymnocalyciumの扁平な連中がどうにも気になってしまうのです。とは言うものの、TOCのビッグバザール等のイベントにせよ園芸店にせよ、今やサボテンは少数派。今やエケベリアやコーデックス、アガヴェの天下です。ビッグバザールと言えど平べったいギムノカリキウムでは、やはり怪竜丸やバッテリーばかりで、それ以外には中々お目にかかる機会はありません。
そんな中、ルートを調べて園芸店を徒歩でハシゴするという、暇人特有のばかばかしい遊びをしていた時に、侘しい冬の園芸店のビニールハウスに"瑞昌丸"なる名札がついた謎のギムノカリキウムと出会ったのです。


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ラベルには"瑞昌丸"とありましたが、まあ瑞昌玉でしょう。サイズはまだ小さいため、最終的なトゲの強さはまだわかりません。ネットで瑞昌玉を探すと、たまにこのタイプが見つかります。
購入時は非常に弱トゲでしたが、新トゲは明らかに強くなっています。トゲはイボにあまり張り付かず、あまり瑞昌玉らしくありません。ただし、トゲの色は根本が赤く先端が白い典型的な配色。
肌は濃い緑色で、一般的に強光線に弱いとされる色です。実際、購入時に日焼けしてしまい、我が家の環境に慣れるまで1年かかりました。


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次に千葉のイベントでサボテン専門のブースがあり、典型的な瑞昌玉があったので購入しました。
トゲはあまり強くないのですが、太く短いトゲがイボに張り付くように生える典型的な瑞昌玉。ただし、トゲに赤みがないタイプ。肌は艶消し状で緑色は淡い。

学名の謎
さて、瑞昌玉の学名について一席ぶつつもりだったのですが、これが中々どうして難しいのです。そもそも、日本のギムノカリキウムの園芸名と学名がリンクしていないという問題があります。これはややこしいのですが、事の経緯を説明します。
ここでは、仮想のギムノカリキウムとしてAという学名があったとしましょう。このAは産地によりいくつものタイプがあったとしましょう。しかし、これは良くあることなのですが、それぞれのタイプの間の産地には中間的な特徴を持つ個体も存在します。この時に、ある1タイプが日本へ輸入されてきました。このタイプに瑞昌玉という園芸名がつけられました。大抵、Aのある特徴を見て"瑞昌玉"としますから、種子を採った時に園芸上好ましい特徴が出たものを選抜していきます。
しかし、現在地のAは必ずしも園芸上選抜された瑞昌玉とは特徴が一致しないわけです。つまり、瑞昌玉はAの一部ですが、Aの様々なタイプを瑞昌玉とは言えないのです。

さらに言うと、瑞昌玉はGymnocalycium stellatum var. kleinianumあるいはGymnocalycium quehlianum var. kleinianumと言われていますが、実際にはどの学名にあたるのかよく分からないというか、そうではないかと言われているだけなのかもしれません。
まあ、それだけで済めばいいのですが、実際には原産地の瑞昌玉と瑞昌玉と近しいとおぼしき仲間についての学名、G. stellatumG. quehlianumG. asteriumG. bodenbenderianumG. riojenseといったギムノカリキウムは皆良く似ており学術的にも混乱しています。

G. quehlianumに統一?
The World Checklist of Vascular Plants』 によると、1925年に命名されたGymnocalycium stellatum (Speg.) Speg.1957年に命名されたGymnocalycium asterium A.Cast.は、1926年に命名されたGymnocalycium quehlianum (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseusの異名としているようです。しかし、よく読むとレビュー中とあります。まだまだ議論があるようです。
そういえば、瑞昌玉だけではなく、竜頭や鳳頭、新鳳頭もG. quehlianumではないかと言われています。単純な個体差を園芸品種として固定したに過ぎないのでしょうか?

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竜頭

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鳳頭

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新鳳頭

論文
2011年に『MOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENETIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF THE GENUS』というギムノカリキウムの系統を調査した論文が出ました。その論文ではフィールドナンバー付きの原産地で採取された株を用いて遺伝子を解析していますが、瑞昌玉が所属すると考えられるTrichomosemineum亜属で示されているのはGymnocalycium quehlianumとGymnocalycium bodenbenderianumだけです。しかし、これは2種類しか調べていないというより、G. stellatumやG. asterium、G. riojenseを学名として認めずに2種に統合しているように思えます。まあ、それほど沢山の株を調べたわけではないようですが。
※論文ではGymnocalycium ochoterenaeが扱われておりませんが、ただ調べていないだけなのか、G. ochoterenaeを認めていない立場なのかはよくわかりません。

遺伝子解析と定規
一般的な話ですが、遺伝子解析する場合はすべての塩基配列を調べているわけではありません。大抵は数種類の遺伝子を解析します。目的によりますが、様々な植物で調べられていて実績がある遺伝子がチョイスされがちです。実は各遺伝子は同じスピードで変異しているわけではなく、変異速度は遺伝子ごとに異なります。例えば、重要な遺伝子ほど変異しにくくなります。これは葉・茎・根などの基本構造や代謝機能を司る遺伝子は、もし変異が入ってしまうと変異の種類によっては生育出来ないので、子孫に変異が伝わることがないからです。ただし、重要な遺伝子でも変異が入っても問題がない場合もありますが、いずれにせよ変異が入りにくい傾向があります。逆に変異が入りやすいのは、重複した遺伝子です。遺伝子のミスコピーにより同じ遺伝子が2つになることがあります。この場合、重複した遺伝子の片方があればその機能を果たすことができますから、もう一つは機能的にいらないので凄まじい勢いで変異が入ります。実はこれが新しい機能を持った新しい遺伝子の進化を引き起こすきっかけだったりします。
それぞれの遺伝子の変異速度は計算できますから、変異が早い遺伝子、変異が遅い遺伝子をある種の定規として目的により選択します。短期間に進化した、例えばここ1000万年で進化したグループに単位が大きい定規(変異の遅い遺伝子)で解析しても違いを捉えられないでしょうし、逆に何億年単位の進化を調べるのに短い定規(変異の早い遺伝子)で解析しても測定出来ません。
ですから、ギムノカリキウムの系統を調べた論文では、恐らくはギムノカリキウム属全体を調べるのに適した長さの遺伝子が定規としてチョイスされているはずです。しかし、進化の末端である、まさに今進化している種分化を見るためには、もっと短い定規が必要です。G. quehlianumの類縁種は急激に拡散して進化した、割りと新しい種と見なされています。つまり、現在は長い定規で計ったので、G. quehlianumとされる種の園芸上では区別されている個体差を判別出来ていないということになります。ですから、短い定規による測定が出来ていない以上、すべてがG. quehlianumとすることはまだ出来ないのです。もしかしたら、まだ細分化される可能性はありそうです。

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瑞昌玉の花

G. quehlianumの経緯
果たして瑞昌玉の学名がG. quehlianumにあたるのかどうかわかりませんが、今は一応そうであると仮定して学名の経緯を見てみます。しかし、G. quehlianumの学名はかなり混乱しており、実にややこしいことになっています。
1925年 Gymnocalycium stellatum
                                          (Speg.) Speg.

1926年 Gymnocalycium quehlianum
      (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseus

1957年 Gymnocalycium asterium A.Cast.
このうちG. quehlianumに集約されました。学名は命名が早いものが優先されますが、一見すると1925年に命名されたG. stellatumになりそうな気がします。しかし、G. quehlianumは1899年にEchinocactus quehlianum F.Haage ex H.Quehlとして命名され、1926年にギムノカリキウム属に移動しました。ですから、G. quehlianumが一番早い命名なので、これが正式な学名となっています。
ややこしいのはここからで、例えばG. occultum=G. stellatum subsp. occultum=G. bodenbenderianumだったり、G. stellatum var. zantnerinum=G. quehlianum var. zantnerinum=G. quehlianumだったりします。このように、G. quehlianum、G. stellatum、G. bodenbenderianum、G. asteriumあたりは、どれかがどれかの亜種や変種として捉えられて来た経緯があります。本当にややこしいのですね。

学術的にもまだレビュー中ですからまだはっきりしたことは言えません。しかし、中々こういうある種の"役に立たない(=産業利用しにくい=金にならない)"タイプの研究は中々進展しない傾向があります。ただの一趣味家に過ぎない私などからしたら、いつの日か研究が進み整理されることを願うしかありませんけどね。



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先日、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザール前に、うっかり鶴仙園で散財したわけですが、はじめてみたユーフォルビアを入手しました。その名も"E. リカルドシアエ"というマラウイ原産のユーフォルビアです。

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Euphorbia richardsiae

多肉ユーフォルビアは南アフリカからエチオピアまでのインド洋側に多いように見受けられます。花キリンはマダガスカル島原産ですが、多くの多肉ユーフォルビアは南アフリカ原産です。さらに、南アフリカ周辺の、モザンビーク、スワジランド、レソトあたりもまああります。
マラウイはモザンビーク、タンザニア、ザンビアに囲まれた内陸国家ですが、やはりインド洋側です。しかし、やはりマラウイはユーフォルビア原産国としては珍しい方です。

しかし、国内外含めてリカルドシアエはあまり情報がありません。あまり、育てている人がいないのかもしれませんね。まあ、レアというわけではないけれど、特に人気がありわけではないから売れないので生産者も作らないという、多肉ユーフォルビアにはよくあるパターンなのでしょう。ですから、レアでもないのにあまり手に入らないというこの手のユーフォルビアは、普及種以外の宿命として今後の一期一会を期待するしかありませんね。


リカルドシアエの学名は1977年に命名されたEuphorbia richardsiae L.C.Leachです。L.C.Leachはローデシアの植物分類学者のLeslie Charles "Larry" Leachのことです。



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バイオエンシス(Euphorbia baioensis)は、ある意味ではホリダなどよりサボテン感が強いユーフォルビアです。サボテンの金紐の仲間にも見えますが、ケニアに自生するユーフォルビアです。
バイオエンシスという名前ですが、流行りのバイオテクノロジーではなくて、バイオエンシスが初めて発見されたケニアのベイオ山(Mount Baio)から来ているようです。


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痩せた悲しい姿。
2020年2月に購入しましたが、ホームセンターで日を浴びることが出来ずに、随分と貧相になっていました。哀れに思い購入しましたが、根腐れはしていない様なので、植え替えて遮光せずに育ててきました。


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2020年11月、復活!
バイオエンシスは非常に丈夫ですので、上の9ヶ月後の写真を見ていただけるとわかりますが、簡単に復活しました。地面から仔も吹いてきましたので、上部はカットの後に挿し木して、姿を整えても良いかもしれません。

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2022年6月。仔が沢山吹いてきましたから、窮屈なので植え替えました。小さい鉢に植えていましたから、根詰まり気味で明らかに生長が鈍っていました。

バイオエンシスを簡単に調べてみると、あまり情報はありませんが、海外のサイトではUSDAゾーンが10b~11bとありました。10bで1.7~4.4℃ですから、耐霜性はないようですね。冬は室内栽培が無難です。
※USDAゾーンはアメリカで作物が育つ気温を示した温度マップです。非常に便利なので、観葉植物などの育成にも利用されています。


バイオエンシスの学名は1982年に命名された、Euphorbia baioensis S.Carterです。S.Carterはユーフォルビアとモナデニウムの専門家であるSusan Carter Holmesのことです。なんでも、国際ユーフォルビア協会(IES)の会長なんだそうです。



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先日、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールの購入品のその後についてのレポートです。サボテンや多肉植物は買っておしまいではありません。植え替えたり、自宅の環境に慣らしたりとやらなければならないことがあり、それが思いの外重要だったりします。



私は冬に多肉植物を購入した場合以外は、基本的に植え替えます。実際に育てていればなんとなく調子の良し悪しはわかってきますが、新参についてはよくわかりません。特に見えない根の状態は、とても分かりにくいので一番気になる部分です。多肉植物は根がやられても、乾燥に強いため葉は青々と繁っていたりします。葉が萎れてくる段階まで来ると、根だけではなく本体まで腐りが入ってしまい手遅れなんてこともあり得るのが怖いところです。

今回のビッグバザールの購入品の中で、植え替えた時に特に気になったのは、ギムノカリキオイデスとロベッキイ(ロベッチー)です。それは、抜き苗かと思うくらいカラカラに乾いていて、全く根が生長している雰囲気がないというか精気がないことです。ギムノカリキオイデスは挿し木苗のようですが、そもそも根が少なく根が張始めたばかりと言った感じです。ロベッキイは抜くとまだ双葉がついており、実生時に種子から生えてくる1本の短い根がパリパリに乾いた状態であるだけでした。まだ十分に根が張っていない時期ですから、本来は水をあまり切らさないように管理すべきだろうにと、不可解に思いましたけど。ユーフォルビアはサボテンとは異なり、根を長期間乾かしすぎると根にダメージがあり、根の生長が完全に止まります。それだけならいいのですが、一度根が止まると何年も止まったままになる場合があります。さらに、特に若い苗であるロベッキイは、今の暑い時期に遮光せずに育てた場合、根だけではなく株全体が干からびてしまう可能性があります。
この2鉢は本来はバリバリ日に当てて育てたいところですが、根が動いていないので、しばらく養生が必要です。ある種の発根管理です。しばらくはやや遮光して、乾かしすぎないように管理するだけです。日々の観察は欠かせませんが。

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ギムノカリキオイデス
Euphorbia gymnocalycioides
元気に見えますが、根はほとんどありません。


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ロベッキイ
Euphorbia robecchii
まだ根元に双葉がついています。

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植え替え後。

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養生中。あまり水を毎日じゃぶじゃぶやると、それも根腐れの原因となりますから、毎日観察して乾き具合をチェックしています。

次はフォークィエリアです。フォークィエリアは根が繊細で、特に苗のうちは乾燥に弱いみたいです。F. ochoterenaeは生長した葉が固そうなので、植え替え後に直射日光に当てています。私が育てているフォークィエリアのディグエッテイやマクドウガリイの隣に並べて置きました。植え替えたのでしばらくは水多目ですが、今のところ日焼けや葉が萎れる兆候はありません。
観峰玉(コルムナリス)の苗は葉も繊細で、いかにも弱そうです。直射日光を当てたら、葉がすぐにカリカリに乾いてしまいそうです。コーデックスらしく塊茎が発達するまでは、優しく育てた方がいいのかもしれません。植え替えのダメージがあるでしょうから、根が張るまではやや遮光して養生させます。

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Fouquieria ochoterenae
葉に厚みがありしっかりしていることに注意。


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観峰玉 Fouquieria columnaris
葉は柔らかく繊細。


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養生中。

次はラフレシアリサーチさんのおまけ苗を植え付けました。おまけは毎度、抜き苗です。
サボテンはユーフォルビアと違って、植え替えの時によく根を乾かしましょうとよく言われます。サボテンは太い根を切って細根を出させた方が良く育つと言いますけど、恐らくは根を切った断面や抜いた際に根に入った細かい傷から腐敗しやすいのでしょう。抜き苗はよく乾いていましたが、一応植え付けて一週間水やりはしないことにしました。しかし、おまけにするにはもったいないくらい美しいサボテンですね。


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Gymnocalycium damsii
            var. torulosum VoS03-040

お次はダシリリオン。ダシリリオンはどうやら雨に当てると腐りやすいようです。購入したクアドラングアツムは、健全に育てられていることがわかる非常に状態の良い苗でしたから、植え替え後は遮光なしで雨に当たらない場所に置きました。手持ちのダシリリオンである、ロンギシマムやベルランディエリと並んで元気そうです。

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Dasylirion quadrangulatum

残りのガステリアやハウォルチオプシスは遮光下で管理します。ここら辺はさすがに直射日光はNGでしょうね。
というわけで、ビッグバザールの後始末をしています。この時期の購入品は日焼けしやすく、栽培環境に馴染ませるのが難しいので、私も慎重にならざるを得ません。しばらくは最大限の注視をしていくつもりです。春・秋や室内管理の冬ならば、意外と購入品の管理は簡単なんですけどね。




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2022年、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールに行って来ました。昨日の続きです。

なんだかんだで、5店舗で10鉢+おまけ1を購入しました。置場所とか何も考えない大盤振る舞いです。名前はラベルの表記のまま示しました。
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さて、昨日の記事ではラフレシアリサーチさんでフォークィエリアを買ったというところまででした。その後は全体を広く見て回り、私のメイン多肉であるユーフォルビアを探しました。しかし、私の手持ちにないユーフォルビアはいやはやなんとも高額で、小指の先ほどのコーデックスが1万円を超えたりしていて中々手が出ません。
以前のビッグバザールでユーフォルビア・ギムノカリキオイデスを売っているブースがあり気にはなっていましたが、高額ゆえ断念していました。今回は出店していたら高額でも購入しようと決めていました。ギムノカリキオイデスは手持ちになく、割りとレアであまり見かけませんよね。そして、やはりギムノカリキオイデスは販売していたので、中々高額ですが購入しました。
帰ってすぐに植え替えたところ、ギムノカリキオイデスは挿し木株のようで弱々しい根がチョロりとあるだけでした。一緒に購入したロベッチーはなんと根元に双葉が付いている実生苗で、根はまだ未発達です。双方ともに根が動いていないので、しばらくは遮光下で乾かしすぎないように管理して、根を新しい根を生やす必要があります。今の時期の強光線に当てたらあっという間に干からびかねません。根が動いていないユーフォルビアは、特に小さいものは本当に干からびるんですよ。前に実際にやらかしましたから。

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Euphorbia gymnocalycioides

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Euphorbia robechchii(正確にはrobecchii)

お次は交配系ハウォルチアでお馴染みのRuchiaさんのブースへ。相変わらずフィールドナンバー付きのハウォルチアがあり心引かれますが、先ずはツリスタを見ます。以前、千葉のイベントでTulista pumilaを購入しましたが、恐らくその時と同じプミラがありました。これは、イボがあまり白くならないタイプでした。そして今回はプミラのイボが白いタイプもたあったので購入しました。
あと、Ruchiaさん関係では春のビッグバザールでDasylirion berlandieriを購入しましたが、Dasylirion quadrangulatumもあったのに購入しなかったことを後々になってから後悔しました。ダシリリオン自体あまり売っていませんから、その出会いは一期一会ですよね。ですから、今回D. quadrangulatumとまた再会できたので、購入させていただきました。
お次はH. fasciataです。一般的にファスキアタ=十二の巻と言われておりますが、これは間違いで十二の巻はアテヌアタ系の交配種らしく流通しているのは日本国内の話です。しかし、ネット含めファスキアタ=十二の巻という誤解がこれだけ広がってしまうと、H. fasciataという名札が付いていてもいまいち信用出来ません。というわけで、信頼出来る専門のRuchiaさんのH. fasciataも非常に安価で購入しました。本物のファスキアタはあまり手に入らないことを知っている人はあまりいないでしょうから、入手出来てラッキーでした。
一応、帰ってから植え替えしましたが、さすがに根の張りも実に良好で、素晴らしい状態でした。プロフェッショナルとはこのことだと感じましたね。


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Tulista pumila(ohkuwai) GM602
Vrede, NW of Anysberg

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Dasylirion quadrangulatum

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Haworthia fasciata fa.vanstaadenensis

次は前回のビッグバザールで、H. koelmaniorumとAstrolobaを購入したブースです。今回もアストロロバはありましたが、大変立派な3頭仕立ての大株でちと手が出ませんでした。ちなみに、今回のビッグバザールでアストロロバはこのブースでしか見ませんでした。
このブースにはサボテンも結構あり、前回はギムノカリキウムではバッテリーあたりでしたが、今回は武勲丸があったので購入しました。ハウォルチオプシスも豊富で髪を引かれる思いでしたが、予定していた軍資金が尽きたのでここまでとしました。
サボテンと言えばネジラミがつきもの。私も長い付き合いです。一応、万が一を考えて警戒して植え替えましたが、特に問題はありませんでした。これは肩透かし、いやいないに越したことはないんですけどね。

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ギムノカリキウム 武勲丸

最後に多肉植物やコーデックスを大量に栽培している、有名なブロガーさんの出しているブースを覗いてみました。ブログで沢山持っていくよとありましたから、これは一度見てみないとという気分でした。
ここは非常に安価でワンコイン投げ売り状態でした。そういえば、今回のビッグバザールで原種系ガステリアはほぼ壊滅的でしたが、なんと原種系ガステリアがあったので2鉢購入しました。G. ellaphieaeなどはガステリアらしい非常に美しい葉を持っており、これはいいものを手に入れました。最後に懐が痛まない良い買い物となりました。ちなみに、あまり見ないタイプのダイナミックで面白いオリジナル交配系ガステリアも沢山あったことも付記しておきます。
鉢から根がはみ出していたので、根詰まり気味と見て家に帰ってから植え替えましたが、ネジラミが蔓延っていました。普段園芸店で購入した場合など、まあよくあることなので最早お馴染みですから、慣れたもので対策は簡単です。鉢と土は廃棄し再利用は不可。根は流水でよく洗います。元の用土の赤玉の1粒足りとも残さずに丁寧に取り除きます。とにかく、物理的に落とすのが一番手っ取り早いので、手で直接根をごしごし洗います。目視で確認して、絶対に残さないようにします。サボテンなど根を切り詰められるものなら、それもまた一つの手です。効果があるか不明ですが、洗った根に殺虫剤をまんべんなく振りかけ、少し馴染ませます。あとは、植え付ける時に用土に浸透移行性殺虫剤のオルトラン顆粒を混ぜ混んでおくだけです。一応、この方法で今のところ防除出来ています。オルトランは直接は効きませんが、根から吸われて植物の水分自体が殺虫剤となるため、根に取りついて根を吸うネジラミには恐らくは効果ありでしょう。


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G. ellephieae(※正確にはG. ellaphieae)

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G. vlokii

以上で私の2022年の夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールは終了です。開場した9時から見て回り、10時ジャストに会場から出ました。いやはや、相変わらず会場は人の熱気で熱かったですね。汗を拭きながらでしたが、混雑にも関わらず今回は割りと落ち着いて見て回ることが出来ました。先に目的を設定したことがよかったのかどうかはわかりませんが、最近のビッグバザールと比較しても大変満足で充実したものであったと感じております。買えないにしろ、色々と珍しいものも見れましたし。何より、新型コロナでビッグバザールも中止となったり規模縮小したりと寂しい感じがしていましたが、未だ多肉ブームが健在であることが確かめられて嬉しくもありました。
今回はお馴染みのブース以外に、ブロガーさんのブースがあり面白いものが多かったので、次も色々変わったものを持ってきてくれたら嬉しいのですけどね。なんせ、ブロガーさんが出店していなければ、ガステリア入手ゼロになっていたでしょうから。
やはり、ビッグバザールを盛り上げるためには、プロの生産者さんだけではなく、サボテン・多肉植物好きな趣味家の方々も是非出店して欲しいですね。
ビッグバザールが終わったばかりですが、次のイベントが楽しみですね。




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下記横断幕押我歓喜的思有。
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今月は夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールがありますから、非常に楽しみにしていました。とか言いつつも、我慢出来ずに鶴仙園で散財する大失態を犯しました。貴重な軍資金が大分目減りしてしまい、落ち込みつつも、購入品は素晴らしかったので取り敢えずヨシ!

そういえば、春のビッグバザールではユーフォルビアをメインに漁りました。最近ではハウォルチアに浮気ばかりしていたので、原点回帰でユーフォルビアに集中したわけです。まあしかし、気にはなっていたものの園芸店では目にしないアストロロバを密かに狙っており、上手く入手に成功してほくそ笑んだりしましたが。
さて、今回のビッグバザールはなんと言っても夏。ユーフォルビアが躍動する季節です。さぞユーフォルビアに溢れているに違いない!と思いたいのですが、ユーフォルビアは地味で流行っていないので希望的観測はしない方が吉ですかね。一応は今現在の興味のある多肉植物の順位をつけてビッグバザールに望みました。過去のビッグバザールでは基本的に右往左往してしまい、大量の宝物の山に囲まれて中々考えがまとまりませんでした。その反省点を踏まえてです。

①ユーフォルビア Euphorbia
どんなにタイプでも可。タコもの、花キリン、コーデックス、柱状のものなんでもござれ。私のメインです。
②ガステリア Gasteria
今一番興味があり、代表種くらいは一通り揃えておきたいところ。しかし、臥牛とか交配系斑入り品種とかしか見たことがない気がします。取り敢えずは原種と考えていますが果たしてあるのかなぁ?
③ツリスタ Tulista
ここ2回のビッグバザールでツリスタはありませんでした。鶴仙園で2種類、千葉のイベントで1種類手に入れました。あとはTulista kingianaのみですが、Ruchiaさんが何気なく並べてたりしませんかね。
④アストロロバ Astroloba
もしあったらお財布と相談します。
⑤ギムノカリキウム Gymnocalycium
サボテンです。特に平べったく育つタイプが好みですが、最近のビッグバザールでは怪竜丸とバッテリーしか見ていない様な気もしますが。ラフレシアリサーチさんが面白い苗を持ってきてくれないかなぁ…
⑥ハウォルチオプシス Haworthiopsis
硬葉系ハウォルチアと呼ばれるやつです。フィールドナンバー付きの良さそうなものが、もしあれば考えます。
⑦ソテツ類
基本的にお高いので主に鑑賞のみですかね…

という前提を長々と語りましたが、TOCに8時40分頃に到着。基本的にビッグバザールは寝坊しがちなので、今日は早い方です。いつもスカスカのパレットを見て歯噛みしてきた口なので、今回はやる気満々です。
しかし、すごいですね。開場までビッグバザールの会場より広い部屋で並んで待ったわけなのですが、開場前に人でパンパンになりました。晴天極まる五反田駅から歩いてきたこともあり、人の熱気の蒸し暑さで汗が止まりませんでした。私はかなり後列だったので、8時から並んだ人も沢山いたのでしょう。

さて、夏のビッグバザールですが、意外と大型のコーデックスが多かったように見受けられます。手に取る人も多く、皆さん資金が潤沢なんでしょうね。うらやましい限りです。また、今流行りのアガヴェの専門ブースは人だかりが途切れず、人気の高さを実感しました。
私のメイン多肉であるユーフォルビアは、有名どころは大体持っていることもあり、持っていないのは高額なコーデックスばかりでしたね。ユーフォルビアのコーデックスは手の平サイズの小さいものが多いのですが、基本的にうん万円なんですよね。つらいです。お馴染みのユーフォルビアでは、パキポディオイデスと群星冠があちらこちらにありました。あとは、サピニーとスバポダがありましたが、以前に私が購入したのと同じブースでしたね。今までは高額なコーデックスは買わないで来たわけですが、そろそろ高額なコーデックス1点買いをする時期に来ているのかもしれません。
サボテンは過去2回のビッグバザールよりあった気がします。相変わらずコピアポアは沢山ありましたが、ギムノカリキウムは相変わらずあまりない感じでした。しかし、図鑑でしか見たことがない、超難物のナバホアが売っていて驚きました。

そんな夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールですが、9時開場と共に先ずはラフレシアリサーチさんに脇目も降らず突撃しました。変わったものが一番ありそうで、しかも1種類の点数が少なかったりするので時間との勝負です。お目当てのユーフォルビアは残念ながらでしたが、毎回全く異なる種類を並べるあたり感心しますね。
今回は珍しくフォークィエリアFouquieriaの苗が並べてあったので見てみました。私はF. diguetiiとF. macdougaliiは入手済みで、鶴仙園ではF. formosaがあったのですが購入には至りませんでした。今回、手前にはF. diguetiiやF. formosaがありほうほうと見ていたのですが、奥にF. columnaris、つまりは観峰玉の苗がありました。観峰玉の全くコーデックスらしさがない細い小苗は初めて見ました。あと、F. ochoterenaeがありました。これは根元から叢生して細長く伸びるタイプで、コーデックスとは言えませんが、図鑑で野生株しか見たことがない種類が売っていることに驚きました。
ということで、ビッグバザールの開幕早々に想定外のフォークィエリアを購入したわけです。特に観峰玉は2株しかありませんでしたから、一回りなんかした日には目敏い多肉ファンに見つかってあっという間に売れてしまうでしょうから。フォークィエリアは高額なので、はじめから諦めていましたが、ビッグバザールではこういうことがありますから、全くもって侮れません。
帰ってから植え替えましたが、フォークィエリアの根は繊細ですね。乾燥地の植物とは思えないくらいです。茎に比べて根が貧弱なので、夏は乾かしすぎないようにかなり気を付けないといけないでしょうね。

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Fouquieria columnaris

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Fouquieria ochoterenae

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Gymnocalycium damsii subsp. evea var. torulosum VoS03-040
いつも、ラフレシアリサーチさんはおまけがありますが、今回も色々ありました。ギムノがあったのでいただきましたが、どうもフィールドナンバー付きみたいです。なんかラッキーな気分。すぐに植え付けました。


話が無駄に長くなってしまいましたが、後半に続きます。


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以前、"エクセルサ"という名札が付いたガステリアを入手しました。最近、ガステリアに興味があったので購入しましたが、調べると正体が怪しいというかよくわからなくなってしまいました。「君の名は…」というか「なんだちみは?」といった感じです。

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4月に購入。

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6月。取り敢えず植え替えせずに肥料を追加して様子見していました。左側の新しい葉は大きく、急成長しています。

エクセルサ、つまりはGasteria excelsaですが、ネット検索かけて出てくる栽培品の画像は、アロエのように放射状に葉が出るガステリアらしくない姿です。うーん、なんか違いますね?
ただし、アロエにせよハウォルチアにせよ、小さな実生や仔吹きしたばかりでは、ガステリアのように左右に葉が重なる形状を取ります。生長してある程度大きくなると、葉が旋回しはじめます。これは葉が旋回するタイプのガステリアでも同様です。ですから、おかしくはないと言えばおかしくないわけです。特にエクセルサは大型種ですから、まだ数cmの私の株はまだまだと言えます。
じゃあ、いいかと言われるとまだ問題があります。エクセルサの葉は鋭く先端が尖り、葉の上面はへこみ盛り上がりません。しかし、私の所有株は葉の先端は鈍頭で丸みがあり、葉は上面も盛り上がります。
大きく育ったら変わるのでしょうか?
あるいは、エクセルサ系交配種だったりして。

さて、エクセルサは株が70cmを越える超大型種です。なんでも、Gasteria acinacifoliaという高さ1mになるガステリアの次に大きいそうです。そのG. acinacifoliaの説明に"幼若株は先端が鈍頭"(要約)とあり、若い個体の写真を見ると確かに先端が尖りません。G. acinacifoliaも生長すると葉の先端が尖りますから、若い時とは葉の形が異なるのです。これはいい事を知りました。早速、エクセルサの自生地の写真を探してみたところ、ありましたありました。いかにもなガステリア然として、葉の先端が丸い若い個体です。謎は全て解けた!かどうかはわかりませんが、将来立派な巨大ガステリアのエクセルサに育つ可能性が大きくなりました。私のちっこいエクセルサがエクセルサらしくなるなのに何年かかるかわかりませんが、生長を見守って行きたいと思います。年1回くらいは、生長の様子をアップする予定です。

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抜いたところガステリアらしく根は長く、状態にも問題なし。

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根が長いので深い鉢に植え替えしました。

エクセルサの学名は1880年に命名されたGasteria excelsa Bakerです。
個人的なお話で申し訳ないのですが、"excelsa"は「エクセルサ」とは読まない気がします。なんか「エクスケルサ」が個人的にはスッキリします。「エクセルサ」なら"exelsa"じゃないの?という疑問がありましてな…。まあ、本当にどうでもいい話なんですけどね。






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アデニア・グラウカ(Adenia glauca)は、トケイソウ科のコーデックスです。幻蝶カズラの園芸名があります。葉の形を蝶に見立てているのかもしれませんが、私にはヤモリの手の形に見えます。
アデニア・グラウカは南アフリカ原産で、枝はつる性となり長く伸びます。
私は500円玉くらいの小苗を入手して10年?くらいですが、塊茎の生長はゆっくりです。

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2020年11月。塊茎。これでもずいぶん大きくなってます。

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ツルはあまり伸びませんでした。

今までは室内栽培だったのですが、去年はよかれと思って外に出したら、塊茎が少し日焼けしてしまいました。そこで、玄関の窓の部分で育ててみました。

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2021年11月。夜に見るとおしゃれ

つるは真っ直ぐ育たず垂れてしまうので、つるが伸びるたびにテープでガラスに枝を接着しました。
結局、11月頃には、私の背丈を超す高さまで育ちました。
アデニアの仲間は寒さに大変弱いので、12月に玄関から自室に移動しました。つるが長過ぎて邪魔なので、大胆にカットしました。なんとなく、休眠すると思っていたのですが、新しいつるが伸びてきてしまいました。もう12月なので、そのうち生長は止まってしまうと思いますが…

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意外にも冬に新しいつるが出ました。

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2022年6月。玄関に移動しました。

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ツルを伸ばしたお陰か、塊茎が一回り大きくなった気がします。去年の日焼け跡はすっかり消えて、美しい緑色を取り戻しました。アデニア・グラウカはツルは徒長しても塊茎は徒長しないので、塊茎の日焼け防止とツルを伸ばすために軟光線で育てます。強光線だとツルもあまり伸びなかったりします。

アデニア・グラウカの学名は1892年に命名されたAdenia glauca Schinzです。異名として同じく1892年に命名されたModecca glauca Schinzがありますが、なぜ同じ年に同じ命名者によって別の属に命名されているのか不思議です。
 それぞれの属について調べてみると、Modecca Lam.は1797年、Adenia Forssk.は1775年に命名されているようです。正確にはわかりませんが、おそらくはModeccaとして命名されたものの、命名年の早いAdeniaが正当な属名となったため、Adeniaとして訂正されたのではないでしょうか。
ちなみにアデニア属はおおよそ100種類程度はある感じですね。1種類ずつ詳細を確認すれば正確な種数はわかりますが、さすがに手間がかかりすぎるため調べていません。
Schinzはスイスの植物学者・探検家であるHans Schinzのことです。Schinzは当時ドイツ領だった南西アフリカで調査と探検を行いました。
アデニア属の命名者であるForssk.は、フィンランドの探検家・東洋学者・博物学者である
Peter Forsskålのことです。なんでもForsskålはCarl von Linneの使徒なんだそうです。Forsskålはイエメンでの調査中、マラリアで亡くなったそうです。31歳のことでした。




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最近、というかここ数ヶ月、ハウォルチアを集めています。まあ実際にはハウォルチオプシスばかりですが。何故か好きなんですよね、硬葉系ハウォルチア。
そうなるとですね、ハウォルチアやアロエに近縁なアストロロバもなんだかんだで気になって来るわけです。しかし、気になってはじめて気付いたのですが、アストロロバはまず園芸店で見ないですね。ですから、2022年の春のサボテン・多肉植物のビッグバザールでは、アストロロバに注目して探してました。そんな中、見つけたのがアストロロバ・ハリーという名札が付いた多肉植物で、猛烈な勢いでゲットしました。結局、目を皿のようにして探して、アストロロバは3鉢しか見つけられませんでしたけど…


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"アストロロバ・ハリー"
大柄でダイナミックな感じのアストロロバです。
図鑑で見るハリーは白くてきれいですが、私の入手個体はすごく緑。


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今は植え替えて戸外栽培していますが、赤く色づいています。これは、日照が強い証拠です。やはり、ハウォルチアに近いので強光線にあまり強くないといわれますが、それでも日焼けしない限界まで日に当てています。しかし、よく日に当てていたらやや緑色が薄れてハリーらしい白みが出てきたようにも見えます。日照が足りていなかっただけなのでしょうか?

ここからが本題です。
実は"アストロロバ・ハリー"は調べても出てこない、学術的に認められていない学名です。よくよく調べてみると、学術的にはアストロロバ・スピラリスが正式な学名でした。しかし、スピラリスはどうやらバリエーションが豊富らしく見た目がかなり
異なります。系統ごとに、様々な学名がつけられてきた複雑な経緯があることがわかりました。


スピラリスの学名は1947年に命名されたAstroloba spiralis (L.) Uitewaalです。スピラリスの名前は最初は1753年に命名されたAloe spiralis L.でしたが、1809年にはHaworthia spiralis (L.) Duval、1880年のApicra spiralis (L.) Bakerとされ、1947年にアストロロバとなりました。2013年にはTulista spiralis (L.) G.D.Rowleyとする意見もありましたが現在は認められていません。
また、スピラリスの最初の命名者はL.、つまりはCarl von Linneです。しかし、同じ学名をつけた学者もいましたが、当然ながら認められていません。1804年に命名された
Aloe spiralis Haw.、1811年に命名されたApicra spiralis Willd.です。

スピラリス系だけではなく、スピレラ系の学名(異名)もあります。1812年に命名されたHaworthia spirella Haw.、1817年のAloe spirella (Haw.) Salm-Dyck、1819年のApicra spirella Willd. ex. Haw.があります。しかし、スピレラ系は古い学名で、アストロロバとしては提唱されていません。それ以前にスピラリス系に統一されました。スピレラはスピラリスと外見的にはほぼ同一です。

ペンタゴナ系もあります。1804年に命名された
Aloe pentagona Haw.、1811年に命名されたApicra pentagona (Haw.) Willd.、1812年に命名されたHaworthia pentagona (Haw.) Haw.、1947年に命名されたAstroloba pentagona (Haw.) Uitewaalの系統です。
ちなみに、私の入手した"ハリー"は、
Astroloba hallii nom. nud.です。この"nom. nud."は「裸名」と言われ、学術的に認められていない正当に発表や記載がなされていない、いわゆるなんちゃって学名、というか学名ではなく「学名風」なだけのあだ名みたいなものらしいです。アストロロバ・ハリーはペンタゴナ系と同一とされているようです。他にも、1783年に命名されたAloe cylindracea Lam.はペンタゴナのことらしいです。
ペンタゴナは大型で、一見してスピラリスとは似ていません。また、ハリーはペンタゴナの白みが強い個体につけられた園芸名みたいなものなのかもしれません。ペンタゴナとハリーは色意外はよく似ています。

最後にグウェネアナ=インブリカタ系。1971年に命名されたHaworthia gweneana Parrの系統です。グウェネアナは1804年に命名されたAloe imbricata Haw.の系統と同一とされます。インブリカタは1811年にはApicra imbricata (Haw.) Willd.、1812年にはHaworthia imbricata (Haw.) Haw.となりました。しかし、このグウェネアナ=インブリカタ系は現在では学術的に認められず、使用されていない学名です。

さて、Astroloba spiralisの学名の変遷を見てきましたが、図鑑ではどう扱われているのでしょうか。

まずはグランカクタスのオーナーである佐藤勉さんの「世界の多肉植物3070種」から。この本ではAstroloba halliiとAstroloba spiralisが記載されています。ハリーは大型で白みがあり、スピラリスは細長くスッキリして縦長で緑色です。


お次は今年出版された、「決定版 多肉植物図鑑」。こちらは、サボテン・多肉植物のビッグバザールでお馴染みのJ.A.C.S.A代表の小林浩さんが監修しています。こちらの本では、Astroloba spirellaとAstroloba halliiが記載されています。スピレラは縦長でAstroloba spiralisと同じように見えます。対するハリーはやはり大型で白みが強いものです。ちなみに、スピレラは学術的に記載されたのはHaworthia spirellaなので、アストロロバとして正式に記載されたことはありません。ですから、もしアストロロバとするならば、Astroloba spirella nom. nud.とするべきかもしれません。

まあ、このようにAstroloba spiralisについては、やや混乱が見られます。まとめてみましょう。
外見的特徴から見た場合、Astroloba spiralisAstroloba pentagona系があります。スピラリス系は細長く縦長に育ち、淡い緑色ですスピレラも同じ系統です。
Astroloba pentagona系は大型です。ハリーはペンタゴナの色が白みがかるタイプを表す俗称で、ペンタゴナの変異幅の中に含まれるものでしょう。しかし、ハリーにしろペンタゴナにしろ、学術的にはスピラリスと同一種とされます
では、外見上の違いをどう表現すればいいのでしょうか。これは、実際に外見的特徴は異なりますから、趣味家や生産者、販売店があくまで園芸上の区分として、スピラリス、ペンタゴナ、ハリーとタイプごとに呼称する分には問題はないでしょう。逆にタイプごとに区分けされないと、あまりに大雑把で混乱してしまうでしょう。
本質的な疑問として、外見が異なりにもかかわらず、同種とするのは何故かという疑問が湧きます。しかし、ハウォルチアにせよハウォルチオプシスやガステリアでも、産地や採取された個体ごとの外見上の違いはかなり大きいものです。それこそ別種に見えるものも、多く存在します。ですから、外見上の違いだけを問題とするわけにはいかないのです。それこそ、亜種subsp.や変種var.、最低でも品種cv.(正式には使われない)で分けてくれたほうが、わかりやすくて良いのですがね。現在、そのようにはなっていないことは残念なことです。誰か情熱的な研究者が研究してくれたら嬉しいのですが…

以上、長々と語ってきたわけですが、これらはあくまで現在の研究レベルを示したに過ぎません。今後、研究の進展によりガラリと分類が変わる可能性もあるのです。しかし、それもまた一つの楽しみです。これからの分類のあり方に注視して行きたいものです。

※購入時のラベルには"アストロロバ・ハリー"とカタカナ表記でした。私はこれをAstroloba halliiと判断したわけですが、まさかAstroloba herreiを"ハリー"って読んだなんてことないですよね?
というのも、A. spiralisとA. herreiは似ていてよく混同されるとか、葉で見分け方はあるが不確実だとか、割りと不穏な事が書いてあります。
最終的な見分け方は花だそうです。A. spiralisの花はスリムでシワがより、A. herreiの花は膨らんだように丸みがあります。というわけで花が咲けばわかるので、不安なので早く花咲かないかなぁ。




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ダシリリオン属 Dasylirionは、キジカクシ科のスズラン亜科の植物です。トックリランやノリナ、サンスベリアに近い仲間です。
生長すると太いソテツの様な渋い幹から、細長い葉が沢山伸びて独特の姿となります。

そんなダシリリオンですが、たまたまダシリリオンの一種であるロンギシマムを入手しました。

ダシリリオン自体が一般的ではありませんが、ロンギシマムはその中でもまだ流通しているほうです。他の種類は入手できないだろうと思っていたのですが、春のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、ダシリリオンを2種類見かけて仰天しました。
そこで、ダシリリオンは何種類あるのかを調べてみました。以前、ダシリリオン・ロンギシマムを入手したときに調べた限りでは11種類を確認しましたが、詳しく調べると学術的に認められているダシリリオンは26種類ありました。まあ、議論はありますし、今後変更はあるかもしれませんが。
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Dasylirion longissimum

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Dasylirion berlandieri

ダシリリオン属は1838年に、ドイツの植物学者であるJoseph Gerhard Zuccariniが創設しました。この時に、はじめてダシリリオン属とされたのはYucca serratifoliaでした。Yucca serratifoliaの学名は1830年の命名ですから、命名後わずか8年でユッカ属ではないとZuccariniは気が付いたということになります。
正式な学名だけではなく、異名や旧名も併記していきます。

1, Dasylirion acrotrichum (Schielde) Zucc., 1843
アクロトリクムは異名が多いようです。このアクロトリクムという種小名は、1829年に命名されたYucca acrotricha Schieldeから来ているようです。さらには、1840年にはRoulinia acrotricha (Schielde) Brongn.とする意見もあったようです。
さらに、1840年に命名されたRoulinia gracilis Brongn.は、1845年にはDasylirion gracile (Brongn.) Zucc.とされましたが、現在ではアクロトリクムと同種であるとして認められていません。1880年にはBarbacenia gracilis (Brongn.) Bakerとする意見もありました。
さらに、1911年に命名されたDasylirion robustum Gorl. ex Trel.は、やはりアクロトリクムと同種とされています。

2, Dasylirion berlandieri S.Watson, 1879

3, Dasylirion bromeliifolium Lem., 1846

4, Dasylirion cedrosanum Trel., 1911
1911年に命名されたDasylirion palmeri Trel.は、ケドゥロサヌムと同種とされています。

5, Dasylirion durangense Trel., 1911
D. wheeleriの変種であるとする意見もあります。1991年に命名されたDasylirion wheeleri var. durangense (Trel.) Laferr.ですが、現在では独立種とされています。

6, Dasylirion filiforme, 1895
フィリフォルメはあまり情報がありません。やや不確実かもしれません。
 
7, Dasylirion gentryi Bogler, 1998

8, Dasylirion glaucophyllum Hook., 1858
異名として、1872年に命名されたDasylirion glaucum Carriere、1872年に命名されたDasylirion serratifolium Baker、1889年に命名されたBonapartea glauca (Carriere) W.Watsonがあります。

9, Dasylirion juncaefolium hort. ex W.Watson, 1889

10, Dasylirion leiophyllum Engelm. ex Trel., 1911
異名として、1943年に命名されたDasylirion heteracanthium I.M.Johnst、Dasylirion stewartii I.M.Johnstがあります。


11, Dasylirion longissimum Lem., 1856

12, Dasylirion longistylum J.F.Macbr., 1918

13, Dasylirion lucidum Rose, 1906

14, Dasylirion micropterum Villarreal,A.E.Estrada & Encina, 2016

15, Dasylirion miquihuanense Bogler, 1998

16, Dasylirion occidentalis Bogler ex Hochstatter, 2011

17, Dasylirion palaciosii Rzed., 1955

18, Dasylirion parryanum Trel., 1911
1879年に命名されたDasylirion acrotrichum var. parryanum (Trel.) Boglerから独立しました。

19, Dasylirion quadrangulatum S.Watson, 1879
異名として、1906年に命名されたDasylirion juncifolium Rehneltがあります。

20, Dasylirion sereke Bogler, 1998

21, Dasylirion serratifolium (Karw. ex Schult & Schult.f.) Zucc., 1838
1830年に命名されたYucca serratifolia Karw. ex Schult. & Schult.f.という旧名があります。また、1840年に命名されたRoulinia serratifolia (Karw. ex Schult. & Schult.f.) Brongn.がありますが認められていません。

22, Dasylirion simplex Trel., 1911

23, Dasylirion texanum Scheele, 1850

24, Dasylirion treleasei (Bogler) Hochstatter, 2011
1998年に命名されたDasylirion longissimum var. treleasei Bogler から独立しました。

25, Dasylirion viridiflorum Graessner, 1937

26, Dasylirion wheeleri S.Watson ex Rothr., 1878






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墨キリン(Euphorbia canariensis)は、多肉ユーフォルビアでは珍しいスペインのカナリア諸島原産。
多肉ユーフォルビアは南アフリカ、マダガスカル原産のものが多く、それ以外だとモザンビーク、タンザニア、ケニア、ソマリア、エチオピアとインド洋側の原産が基本で、大西洋側はあまりありません。モロッコ原産の大正キリン(Euphorbia officinarum=Euphorbia echinus)と墨キリンは普及種ですが、多肉ユーフォルビアの分布域では珍しいと言えます。


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2020年2月、購入。
初めて行った鶴仙園(池袋店)で購入しました。ホムセン多肉に慣れていたので、冬でも完全に管理されて状態の良い株ばかりで驚いた記憶があります。


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2021年12月。
2年近く育てて上の様に、整然と真っ直ぐ伸びました。暖かいと冬でも生長します。しかし、鉢が小さいなぁ…


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冬に出た新しいトゲ
11月に室内に取り込みましたが、12月になっても生長して新しいトゲが出来ています。アメリカのハーディネス・ゾーンであるUSDAゾーン は9~12らしいので、要するにマイナス6.9℃まで耐えられるはずですが、冒険はしない主義なので私は冬は室内です。過去に様々な多肉植物で手痛い失敗をしてきたもので…

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鉢が小さすぎてバランスが悪いので、2022年5月初めに植え替えました。今までは左の鉢に植えてあったわけで、よくもまあ倒れなかったこと。次の植え替えではバランスを考えて、重い焼き鉢である朱泥鉢ですかね。

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美しい新トゲ。渋い肌色との調和が見所。

墨キリンの学名は1753年に命名されたEuphorbia canariensis L.です。L.はスウェーデンの博物学者・生物学者・植物学者のCarl von Linneのことです。現在の二名式学名は1753年にリンネが「Species Plantarum」を出版し提唱しました。ですから、その1753年に命名されたユーフォルビア属、そして墨キリンは実に由緒正しき学名なのです。
ちなみに1788年に命名された
Euphorbia tribulioides Lam.がありますが、現在学術的には認められていません。また、1838年に命名されたTorfasadis canariensis (L.) Raf.、1882年に命名されたTithymalus canariensis (L.) H.Karst.も知られていますが、現在は存在しない属名です。

原産地では高さ3~4m、分岐して150本をこえる枝を出すそうですが、栽培状態だとどうなんでしょうか? 今のところ枝分かれする気配はありませんが…
墨キリンはカナリア諸島の溶岩の斜面に生えるだけあって、乾燥に強い上、なんと耐塩性があるそうです。なんでも、カナリア諸島では墨キリンを乾燥させて薪にしていたと言いますが、有毒のユーフォルビア燃やして大丈夫なんですかね?
そういえば、テレビでカナリア諸島について放映してましたけど、日本の遠洋マグロ漁船がカナリア諸島までいくそうです。日本の漁師たちも、巨大な墨キリンが斜面に生える不思議な光景を見てるんでしょうね。うらやましい限りです。観光地としても有名らしいので、一度行ってみたいものですね。



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昨日の続きです。
ハウォルチアとガステリアについて。まあ、ガステリアは勉強中であまり手持ちはないのですが…

③ハウォルチア属 Haworthia
ハウォルチア属は1809年に命名された
Haworthia Duvalです。Duvalはフランスの植物学者のHenri August Duvalのことです。Duvalはハウォルチアとガステリアの創設者です。ハウォルチアはイギリスの植物学者・昆虫学者・甲殻類学者のAdrian Hardy Haworthに対する献名です。
ハウォルチア属から分かれた属は以下の通り。

1809年 Haworthia Duval
1840年 
Tulista Raf.
2013年 Haworthiopsis G.D.Rowley

Raf.はオスマン帝国生まれでアメリカで活動した独学で多くの動植物を命名したConstantine Samuel Rafinesqueのことです。ハウォルチオプシスを命名したG.D.Rowleyはサボテン・多肉植物を専門とする、イギリスの植物学者で作家であるGordon Dougles Rowleyです。Rowleyは2013年にハウォルチアからハウォルチオプシスとツリスタを分けましたが、Rafinesqueが命名されたものの認められなかったツリスタを復活させました。

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Haworthia arachnoidea (L.) Duval

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Tulista pumila (L.) G.D.Rowley

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Haworthiopsis tessellata
           
    (Haw.) G.D.Rowley


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Tulista marginata (Lam.) G.D.Rowley

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Haworthiopsis viscosa 
               (L.) Gildenh. & Klopper

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Haworthiopsis fasciata
          (Willd.) G.D.Rowley DMC05265


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Haworthiopsis scabra var. starkiana
               
(Poelln.) G.D.Rowley

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Haworthia herbacea (Mill.) Stern

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Haworthiopsis koelmaniorum
       
(
Oberm. & D.S.Hardy) Boatwr. & J.C.Manning

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Haworthiopsis glauca var. herrei RIB0217

④ガステリア属 Gasteria
ガステリア属は1809年に命名された
Gasteria Duvalです。ガステリアはギリシャ語の胃Gasterに由来しますが、ガステリアの花の形が胃の様に見えるからです。

1809年 Gasteria Duval

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ガステリアの胃の様な形の花

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Gasteria baylissiana Rauh

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Gasteria carinata (Mill.) Duval

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Gasteria nitida
      var. armstrongii 
(Schönland) van Jaarsv.
                                                     GM07c-5

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狗奴子キリン、あるいは巌流島と呼ばれている多肉ユーフォルビアですが、あまり使われていない名前です。学名から来ている「クンチー」の名前のほうが一般的かもしれません。ちなみに「狗奴子」は「くなこ」読むみたいですが、意味はよくわかりません。魏志倭人伝に出てくる「狗奴国」から来ているような気もしますが、じゃあなんで狗奴国にちなんだのかと言われると、さすがに返答に窮しますけど。
地上は多肉質の枝が沢山出ますが、地下には太く白い根があります。鑑賞のために根が見える様に、少し浅植えして育てられます。
クンチーは南アフリカ、モザンビーク、スワジランド原産です。


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2020年1月、購入時の写真。枝は少な目。
某横浜の温室持ちの大型ホムセンで購入。あそこの古い多肉は死にかけばっかりで、ネジラミとカイガラムシが蔓延してます。当時は物珍しさに通ってましたが、今にして思うと我ながらアホでしたね。
あと、そこで買った珍しいアロエがアロエダニに感染していたようで、育てていたアロエにも感染して20種類くらいお亡くなりになるという恐怖体験があったので、行かなくなりました。まあ、今はどうなっているかわかりませんが…


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2022年2月、だいぶ枝が増えました。購入時に同じ鉢に植え替えてます。

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大根のような太い根が出ます。

クンチーを育てている人のブログを見ると、強光に当てると真っ赤になるとあります。しかし、私の育てているクンチーは、真夏に遮光しないで育てても、ほとんど赤くなりません。何故かは良くわかりません。
また、乾かし気味で締めて育てていますから、枝の伸びは良くありません。しかし、根の伸びは良いので根詰まり気味です。今年は植え替えしなくちゃ…、ということで2年振りに引っこ抜いて見ました。

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2022年5月。
塊根がえらく太ってました。地上部分はあまり伸びないのに、すごいですね。特に右の1本は鉢底に当たって曲がってしまいました。
枝が伸びないのに塊根が太るのは、もしかしたら冬でも植物用ライトを当てて、ミニ扇風機で強制的に乾かしているせいかもしれません。光合成の養分が全て塊根に行ったのでしょうか。


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植え替え後。縦長の鉢に植えたのですが、そのうちまた鉢底に塊根が当たりそうなので、塊根を出しました。塊根をカットする人もいるみたいですが、心情的に切りたくない…

クンチーの育て方は無遮光で雨に当てないで、週1回の水やりだけ。他にはなにもしません。いやあ、楽チンでいいですね。
と言いたい所ですが、逆にクンチーが、というよりは多肉ユーフォルビアは冬の管理の方が重要です。サボテンなどは断水することにより、耐寒性が大幅にアップしますが、多肉ユーフォルビアは断水すると根をやられてしまいます。私も経験があるのですが、枯れはしませんがほぼ生長が止まり新根も伸びずという状態になります。ですから、ユーフォルビアは断水で耐寒性アップ作戦はあまり期待できません。2週間に1回は水をやりたいところですが、冬は室内とはいえ気温は低く、空気の流れがないので中々鉢の水分が乾きません。特に塊根性の多肉植物は長期間の低温多湿で腐りやすくなります。ですから、私はミニ扇風機をタイマーに接続して、1日8時間くらい風を当てています。この場合、水やりから数日で鉢が乾きますから、根腐れのリスクは大幅に減らすことが可能です。

学名はEuphorbia knuthii Paxです。1904年にPax、つまりはFerdinand Albin Paxが命名しました。Paxはドイツの植物学者で、エングラーの分類体系で著名なHeinrich Gustav Adolf Engleと植物分類学に関する研究書を執筆しています。


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私のメイン多肉植物であるユーフォルビアについて、その学名の命名者を調べてみたりしました。多肉ユーフォルビアと同様に、ハウォルチアやアロエの仲間はアフリカ原産なので、命名者も古いものは重なる部分があります。
そこで、最近気になって集めているアロエ類についても、学名の命名者を調べて見ようということになりました。ここで言うアロエ類とは、アロエ属Aloe・ハウォルチア属Haworthia・ガステリア属Gasteria・アストロロバ属Astrolobaのことです。これらは遺伝子解析の結果から、近縁なグループと認められました。
さらに言うと、アロエ属Aloeとハウォルチア属Haworthiaは細分化されて、それぞれの属の近縁性も再編されています。アロエ属Aloeは、アロエ属Aloe、アロイデンドロン属Aloidendron、アロイアンペロス属Aloiampelos、ゴニアロエ属Gonialoe、アリスタロエ属Aristaloe、クマラ属Kumaraに分けられました。ハウォルチア属Haworthiaも、ハウォルチア属Haworthiaとハウォルチオプシス属Haworthiopsis、さらにツリスタ属Tulistaに分けられました。よって、これにガステリア属Gasteriaとアストロロバ属Astrolobaを含めた11属がアロエ類のメンバーということになります。

アロエ類の系統図
┏Aloidendron属
┃    ┏Kumara属
┃┏┃
┗┃┗Haworthia属
    ┃┏Aloiampelos属
    ┗┃┏Aloe属
        ┗┃    ┏Astroloba属
            ┃┏┃┏  Aristaloe属
            ┃┃┗┃┏Gonialoe属
            ┗┃    ┗┃
                ┃        ┗Tulista属
                ┃┏Haworthiopsis属
                ┗┃
                    ┗Gasteria属


①アロエ属 Aloe
アロエ属は1753年に命名された
Aloe L.です。LはスウェーデンのCarl von Linneのことです。現在の二名式学名は1753年にリンネが「Species Plantarum」を出版し提唱しました。ですから、その1753年に命名されたアロエ属は実に由緒正しき属名と言えます。
アロエ属から分かれた属の命名年と命名者は以下の通り。クマラ属Kumaraだけ命名が古いのですが、これはアロエ属が解体された時に、過去に命名されて認められなかった属であるクマラ属Kumaraを引っ張り出してきたからです。

1753年 Aloe L.
1786年 
Kumara Medik.
2013年 Aloidendron (A.Berger)
                       Klopper & Gideon F.Sm.

              Aloiampelos
                       Klopper & Gideon F.Sm.
2014年 Gonialoe (Baker) 
                        Boatwr. & J.C.Manning

              Aristaloe Boatwr. & J.C.Manning

新しく別れた属に所属する種は、すべて新しく命名され直されました。ですから、命名者もそれぞれの属の創設者になっているため、単純でやや面白みがありません。

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Aloe arborescens Mill.

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Gonialoe variegata
          (L.) Boatwr. & J.C.Manning


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Aloiampelos striatula 
        (Haw.) Klopper & Gideon F.Sm. 

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Aloidendron dichotomum
          (Masson) Klopper & Gideon F.Sm.


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Kumara pulicatilis (L.) G.D.Rowley

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Aloe parvula (A.Berger) P.V.Heath

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Aloe polyphylla Pillans

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Aristaloe aristata
         (Haw.) Boatwr. & J.C.Manning


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Aloe erinacea D.S.Hardy

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Aloe humilis (L.) Mill. 

②アストロロバ属 Astroloba
アストロロバ属は1947年に命名された
Astroloba Uitewaalです。Uitewaalはオランダの植物学者である、Adrian Joseph Antoon Uitewaalのことです。アストロロバ自体がアロエだったりハウォルチアだったりハウォルチオプシスだったりしたため、基本的にはアストロロバ属創設者のUitewaalが命名者となっています。

1947年 Astroloba Uitewaal

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Astroloba rubriflora
       (L.Bolus) Gideon F.Sm. & J.C.Manning


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Astroloba spiralis (L.) Uitewaal

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Astroloba foliolosa (Haw.) Uitewaal


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ユーフォルビアは傷付いたりすると、白い乳液をだします。この乳液は毒性があるので気を付けましょうというのは、ユーフォルビア栽培の基本情報です。
そんなユーフォルビアの中でも、その毒性が高いことで有名な2種類を紹介します。

①矢毒キリン
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2020年2月、鶴仙園にて購入。

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2020年5月。美しい新トゲ。

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大分生長しました。

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矢毒キリン Euphorbia virosa

矢毒キリンは、アンゴラ、ナミビア、南アフリカ原産で、アフリカのサン族が矢じりに塗って狩りをしたと言われております。だから矢毒キリンという名前なわけですが、ただ本当に矢毒に使われたのかどうかは、いまいちわかりません。毒性が強いのは本当のようです。
八大竜王という名前もあるそうですが、なぜ八大竜王なのかよくわかりませんが。

野生動物は基本的に矢毒キリンを食べないそうですが、クロサイだけは食べるらしいです。すごいなクロサイ。また、矢毒キリンの花の蜜を求めて蜂がよく来るそうで、その蜂蜜は当然ながら毒があり、口にすると口内や喉が焼ける様に痛むらしいです。まあ、日本でも蜂が野生のトリカブトの蜜を集めて…、なんてこともあるそうですから、さもありなんですね。
英語名はPoison Tree(毒の木)、あるいはPoisonous spurge(有毒のトウダイグサ)。割りと直球な名前で面白いですが、やはり海外でも毒性の高さは有名なんですね。

矢毒キリンの育て方は、かなり簡単。遮光しないで乾かしぎみに管理するだけです。雨には当てない方がいいかもしれません。柱状のユーフォルビアは生長が早いものが多いですが、矢毒キリンの生長は相対的にゆっくり。耐寒性はよくわかりません。私は戸外栽培する勇気がないので、冬は室内です。まあ、多肉ユーフォルビアは基本的に寒さに弱いので、冬は室内に取り込んだ方が安全でしょうね。

矢毒キリンの学名は1799年に命名されたEuphorbia virosa Willd.です。Willd.はドイツの植物学者・薬剤師・植物分類学者であるCarl Ludwig Willdenowのことです。Willdenowは植物地理学の創始者とされ、フンボルト海流やフンボルトペンギンでお馴染みのFriedrich von Humboldtの師なんだそうです。

②ポイゾニィ
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2021年10月、鶴仙園にて購入。

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2022年6月。
冬の間に葉は少しずつ落ちて、ついには坊主に。外に出しても動きがなかったのですが、ようやく新葉が出てきました。


ユーフォルビア・ポイゾニィは、ギニア~ナイジェリアまでの熱帯西アフリカが原産で、分布は不規則で局所的なんだとか。また、名前はpoison(毒)から来ている様に思えますが、植物学者のポアソン(Henri Louis Poisson)にちなんでつけられたということです。
ポイゾニィはユーフォルビアでも最強クラスの毒性を持つことで有名です。非常によく似たユニスピナ(Euphorbia unispina)、ベネニフィカ(Euphorbia venenifica)と合わせて、猛毒三兄弟と言われているとかいないとか。

その毒性にも関わらずアフリカでは有用植物として利用されており、乳液を集めて農薬として農家が使用するとか、家畜を囲む生け垣として利用するらしいです。毒性があって食べられないからこそ、生け垣になるというのも面白いですね。さらに、乳液を薬として利用するという話もありますが、猛毒なのに一体全体どうやって使っているのか気になります。
海外のWikiには、シナプス(神経の受容体)に結合して激しい痛みをもたらすとか、シナプスと乳液の成分が結合してシナプスが死滅するとか物騒なことが書いてありました。薬として利用するには、命懸けの様な気もしますが…
しかし、これだけ人に利用されているのなら、今の分布は本来の自然分布ではないかもしれませんね。ギニア湾沿いの国々に広く分布しておりますが、人から人へ伝播したのかも知れません。アフリカには遊牧民もいますから伝播も速そうです。さらに、あそこら辺は昔から交易も盛んな地域でしたから、文化の伝達もスムーズでしょう。

英語名はCandle Plant(ロウソクの植物)、Cylindrial Euphorbia(円筒状のユーフォルビア)。写真では茎はまだ短くて分かりにくいですが、白い木質の茎が特徴です。英語名もそれにちなんだものでしょう。

ポイゾニィの育て方はまだよくわかりませんが、まあ普通の多肉ユーフォルビアの育て方で行きます。私は基本的にユーフォルビアは無遮光栽培していますから、矢毒キリンに準ずることにします。

ポイゾニィの学名は1902年に命名されたEuphorbia poissonii Paxです。Paxはドイツの植物学者であるFerdinand Albin Paxのことです。

終わりに
そういえば、矢毒キリンもポイゾニィも鶴仙園(池袋の方)で購入しました。鶴仙園のブログを見て、ユーフォルビアが入荷したら休みの日に朝イチで買いに行きました。ユーフォルビアは大人気多肉ではないので、そんなに早く売れないとは思いつつ売れてしまわないか気が気じゃない感じでした。まあ、鶴仙園は回転が早いから油断するとあっという間に売れてしまうのが怖いところ。しかし、多肉植物の中でもユーフォルビアは、特に一期一会感が強いのでゲットできたことは実にラッキーでした。

ユーフォルビアの乳液は有毒なので、扱いにはやや気を付ける必要がありますが、基本的には乳液が付いたらすぐに洗い流すだとか、園芸用の手袋するだとかするだけで問題ありません。基本的に即効性の毒ではないし、乳液の付いた手で目をこすったり、傷口に乳液がついたりしなければ大丈夫。それほど神経質になる必要はありません。
しかし、矢毒キリンやポイゾニィは特に毒性が高いので、注意が必要でしょう。例えば紅彩閣なんかはトゲが柔らかいので、少し触れただけで乳液が出て始末に終えませんが。まあ、矢毒キリンはトゲも硬く基本的には乳液が出る場面には遭遇しないでしょうけど。もし、胴切りして丈を詰めるとかするならば、大量の乳液が出ますから、乳液が飛び散って目に入るといけませんから眼鏡やゴーグルをした方が安心です。
ポイゾニィは多肉質の葉がいずれ落ちますから、割りばしで回収するなどして、直接触れない様にします。私自身の経験では、多肉植物を移動したりしていると、他のユーフォルビアのトゲにポイゾニィの葉が触れて、傷がついて乳液が出ることがあるため要注意です。

こんな、脅す様な事を散々いっておいてなんですが、ユーフォルビア流行らないかなぁ。流行れば珍しい種類も入手しやすくなるんですけどね。実際、園芸店でも隅に追いやられ勝ちなので…


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ユーフォルビア・オベサは南アフリカ原産の、多肉植物です。サボテンのようでサボテンではない植物として有名です。最近では硬貨サイズの苗が園芸店に並ぶようになりました。

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Euphorbia obesa
オベサは若い内はやや扁平な球形ですが、やがて縦長に育ちます。このように木質化したオベサをオールドオベサと呼ぶらしいのですが、これは基本的にただの老化現象です。若い株の方のオベサの方がオベサらしさがあって美しいものですが、オールドオベサも貫禄があって良いものです。
ただし、あまり小さい内に老化現象が起きている株は、生長が鈍くなっている証拠ですから、根詰まりが起きているかもしれません。


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オベサはいかにもユーフォルビアらしい、目立たない緑色の花を条件が良ければ一年中咲かせます。しかし、多肉ユーフォルビアは、その多くの種類が雌雄異株なので通常は種は出来ません。オベサも同様で雌雄が揃っていないと種子は出来ません。ただし、オベサは非常に種子が大きいため、発芽率が良く、しかも生長が早く丈夫なので簡単に増やすことが出来ます。ですから、売っている1~2cmのオベサが数千円で売られているのは、さすがに高価過ぎるのではないかと思いますが…

オベサは非常に丈夫で、ある程度のサイズになれば氷点下にも耐えられます。しかし、オベサの冬の戸外栽培の最大の問題は水やりです。
多肉ユーフォルビアは冬でもある程度は水をやる必要があります。完全に断水すると根の動きが完全に止まってしまい、その後何年も生長しなくなったりします。だから、冬季に室内に取り込んで生長が止まった多肉ユーフォルビアでも、最低でも2週間に1回は水をあげます。
しかし、オベサは縦長になるくらい大きくなると鉢が大きくなりますから、なかなか乾きにくくなります。この冬の低温と多湿はオベサだけではなく、多肉ユーフォルビアに共通の弱点です。
私が育てていた初代のオベサは、これで根腐れを起こして枯れてしまいました。今のオベサは2代目ですが、苗のうちは冬は室内管理、ある程度大きくなってきたら冬でも霜除け程度としていました。しかし、さすがにこのサイズになると、そろそろ危ないので去年の冬は室内管理に戻しました。鉢の水分が無くなり乾ききったら、水をやるという管理方法です。部屋の温度によりますが、私の部屋では月に2~3回の水やりでした。

オベサの学名は1903年に命名されたEuphorbia obesa Hook.f.です。Hook.f.はイギリスの植物学者であるSir Joseph Dalton Hookerのことです。Hookerは南極やインドなどで調査を行い、植物標本を収集しました。進化論で知られるダーウィンの友人として知られており、資料の整理や情報提供をしたとされています。元々は自然選択説に対して批判的でしたが、ダーウィンが進化論を発表した時には、アカデミアで最初にダーウィンの自然選択説を支持したということです。
オベサには他に異名があり、1799年に命名されたEuphorbia cucumerina Willd.が知られています。また、オベサとは別種、あるいはオベサの亜種とされることもあるシンメトリカは、1941年にEuphorbia symmetrica A.C.White, R.A.Dyer & B.Sloaneと命名されました。1998年にはEuphorbia obesa subsp. symmetrica (A.C.White, R.A.Dyer & B.Sloane) G.D.Rowleyとする意見もありましたが、現在ではシンメトリカはオベサの品種とされているようです。

ここで一つ疑問が湧きます。学名にはルールがあり、先に命名された名前に優先権があります。命名された年はEuphorbia obesa1903年Euphorbia cucumerina1799年ですから、オベサの正式な学名はククメリナであるはずです。しかし、「The Warld Checklist of Vascular Plants」によると、正式な学名はEuphorbia obesaとされ、Euphorbia cucumerinaは異名と表記されています。これは一体どういうことなんでしょうか?
「A morphology based taxonomy revision of Euphorbia polygona species complex」(2013)によると、E. cucumerinaはドイツの植物学者であるCarl Ludwig Willdenowが、1781年12月から1784年6月までの2回の南アフリカ旅行中で作成されたメモとイラストのみで説明されました。E. cucumerinaは現在でも有効な種として引用されますが、結局のところその正体は不明です。Euphorbia cucumerinaとして採取あるいは撮影された個体は皆無で、記録は曖昧でスケッチから推測しか出来ません。要するによく分からないということです。一応は、Euphorbia obesaあるいはEuphorbia stellispinaのよく伸長した株ではないかという推測はされますが、それ以上のことは言えません。
ですから、その様な曖昧な情報だけで正式な学名とすることは出来ません。しかも、本当にE. obesaを指し示しているかすら怪しいとなると、命名が早くても正式な学名として採用するわけにはいかないというのは、正しいでしょう。
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Euphorbia stellispina
トゲは出たり出なかったりするので、トゲがないとオベサに似た雰囲気になるかもしれません。


さて、オベサについて少し調べて見ましたが、思いの外面白い情報がありました。オベサの様に珍しくもない、一般的なユーフォルビアであってもエピソードが満載となると、ユーフォルビアの収集と栽培も俄然楽しくなります。これからも、ユーフォルビアを楽しんでいきたいものです。


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マダガスカル原産のアロエ・ハウォルチオイデス(Aloe haworthioides)の花が咲きました。
ハウォルチオイデスは小型で華奢、トゲもなくて毛に覆われていて、アロエと言うよりも一見してハウォルチア(Haworthia, ハオルシア)と勘違いしそうになりますが、立派なアロエの仲間です。
2020年に購入。


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小さくて分かりにくいですが、一応咲いています

前から気にはなっていたのですが、ネット販売されているハウォルチオイデスにはアロエ・デスコイングシィ(Aloe descoingsii)との交配種が混在している様です。交配種は葉の幅が広く多肉で、アロエ感が強いのですぐに分かります。
交配種であると表示して販売するならまだしも、交配種をハウォルチオイデスとして販売するのは大問題です。偽物を掴まされない様に気を付けたいものです。


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Aloe haworthioides

ハウォルチオイデスは非常に丈夫で、弱々しい見た目に反して乾燥にも強いアロエです。マダガスカルでは完全に雨が降らない乾期がある地域に分布しますから、乾燥に強いのも納得です。逆にあまり頻繁に水をやると根腐れの原因にもなりますから、気を付けなければなりません。
ハウォルチアとは異なりそこはやはりアロエ、遮光なしの強光線にも耐えます。
ハウォルチオイデスはあまり耐霜性がないようですから、冬は室内栽培です。
ハウォルチオイデスは、根本から仔を次々と吹きます。あまり混むようなら株分けするか、面積のある鉢に植え替えします。


ハウォルチオイデスの学名は1887年に命名された、Aloe haworthioides Bakerです。
一見してアロエに見えないこともあり、アロエ属ではないという考え方もあります。1939年に命名されたAloinella haworthioides (Baker)  Lemee、1993年に命名されたLemeea haworthioides (Baker) P.V.Heathがありますが、現在学術的に認められている学名ではありません。
よって、ハウォルチオイデスは命名されて130年以上たった今もアロエ属の一員です。


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日本産のソテツがフラッシュしました。Zamia furfuraceaとDioon spinulosumに続いてのフラッシュです。しかし、海外産のソテツの方が早いとは…。


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5月28日。
フラッシュ開始。

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2022年6月4日
一気に新芽が伸びてきました。

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2022年6月12日
柔らかく美しい新葉。


日本産のソテツは九州が北限ですが、雪が降ることもある地域でも鑑賞用に植栽されます。ソテツの仲間は熱帯~亜熱帯気候に多いため、温帯域にも自生する日本のソテツはソテツの仲間でもトップクラスの耐寒性を持つと言えます。

ソテツの学名は1782年に命名されたCycas revoluta Thunb.です。thunbはスウェーデンのCarl Peter Thunbergのことです。ThunbergはCarl von Linneの弟子で、鎖国期の日本に滞在したことで有名です。
ソテツの異名は、1867年に命名されたCycas inermis Oudem.、1900年に命名されたCycas miquelii Warb.、1998年に命名されたEpicycas miquelii (Warb.) de Laub.が知られています。

過去に書いたソテツの記事はこちら。

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蘇鉄のすべて
栄 喜久元


海外ではコーデックスとして扱われている植物が、日本ではコーデックスとして扱われていなかったりします。その代表例がミラビリス・ヤラパです。

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ミラビリス・ヤラパ Mirabilis jalapa

ミラビリス・ヤラパとは何かというと、ただのオシロイバナのことです。実は地下に大きな塊根ができるため、海外ではコーデックスとして鑑賞されます。私は「世界の多肉植物3070種」の記載を見てはじめて知りました。日本ではあちこちに生えていて、勝手に増える帰化雑草ですから、わざわざ栽培するというのはなんとも不思議な気がします。原産地は熱帯アメリカのようですが、世界中の熱帯から温帯域に広がっています。
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しかし、こんなものでも売れるみたいですね。ネットでは、"ミラビリス・ヤラパ"の名前で1~2万円で売られていたりして驚きます。そこら辺に生えている大型のオシロイバナを掘り起こして売れば、大儲け出来そうですか…。まあ、実際のところ、オシロイバナの生長は早いので数年で見られる塊根になります。乾燥地の植物でもありませんし、多肉植物ではないので、普通の観葉植物とか野菜の土に植えて、肥料と水をドシドシやればぐんぐん巨大化します。根の生長が激しいので、毎年植え替えたほうが早く育ちます。私は丈夫なのをいいことに、何年も植え替えせずに、根詰まりで腐らせたりしましたが…

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オシロイバナは日本では一年草扱いです。しかし、道路脇にかなり繁って大きく育っているオシロイバナを見ますが、これは冬を越している様な気がします。もちろん葉や茎は冬に枯れますが、地下の塊根は枯れない株もあるのでしょう。やはり、種からではあれほどの急成長は難しいのではないでしょうか。とは言え、鉢に植えたオシロイバナを外で冬越しさせるのは、かなりリスキーです。地面に埋まっている方が、寒さの影響を受けにくくなります。
しかし、一般的に 鉢植えよりも地植えの方が育ちが良く、塊根の太りも良好です。また、塊根は亀甲竜の様に埋まっている方が早く大きくなるため、塊根が小さい内は地面に埋めて育てるのが良いでしょう。安全策を採るならば、冬は掘り起こして鉢に植えて室内管理した方がいいかもしれません。もちろん、最初から鉢植えで育てても良いのです。この場合、生長は遅くなりますが、オシロイバナは塊根の生長が早いので、鉢植えでも見られるようになります。私も鉢植えで、ゆっくり育てています。

そういえば、オシロイバナはMirabilis属ですが、この「ミラビリス」とは、「素晴らしい」という意味となります。「ミラビリス」は種小名で良くみますね。ネットで検索すると良くヒットするのは、Phyllanthus mirabilisみたいですが、一番有名なのはWelwitschia mirabilisでしょうか。まあ、意味が「素晴らしい」ですから、植物に限らず、様々な動植物の学名で使用されています。私はEchinarachnius mirabilisという学名のウニの仲間(スカシカシパン)の化石を思い出したりしました。
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Welwitschia mirabilis

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Echinarachnius mirabilis

オシロイバナの学名は、1753年に命名されたMirabilis jalapa L.です。異名は沢山あって、どうやら50以上ありそうです。基本的には属名の変更があったり、種を分けようとしたみたいですが、現在ではすべて認められておりません。代表的な異名をあげてみます。
カール・フォン・リンネの命名した正式学名Mirabilis jalapaは上記のように1753年ですが、1759年にやはりリンネがMirabilis dichotoma L.という学名を命名しています。これは、オシロイバナにも複数種あると考えたのでしょう。現在は認められていませんが、このMirabilis dichotomaは受け継がれます。1766年に命名されたJalapa dichotoma (L.) Crantzや、1802年に命名されたNyctago dichotoma (L.) D.C.です。Jalapa属やNyctago属は現在使用されていない属名ですが、Nyctago属はMirabilis jalapaから来ている1805年に命名されたNyctago jalapa (L.) D.C.や、Mirabilis属からきたとおぼしき1805年命名のNyctago mirabilis A.St.-Hil.が知られています。他にもMirabilis属やJalapa属として命名された学名は沢山ありますが割愛します。変わったところでは、1840年に命名されたTrimista leavigata Raf.がありますが、Trimista属もまた現存しない属名です。

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最近、何かと急用が入り勝ちで、鶴仙園へ行っていません。本当に久しぶりの鶴仙園で、3月に行ったきりでしたから、非常に楽しみにしていました。
今月は26日にTOCで行われる夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールがありますから、軍資金に手をつけたくないのですが、我慢出来ませんでした。今年は鶴仙園でハウォルチアの仲間を買い漁ってきました。しかし、暖かくなってきましたから、そろそろ夏型や春・秋型の多肉植物やコーデックスが増えてきているでしょうか?
相変わらずハウォルチアの仲間が気になっているわけですが、やはり原点回帰で私のメイン多肉植物のユーフォルビアが最大の目的です。次点でGymnocalyciumやアロエ、ガステリアですかね。まあ、そんな事を言いつつも、ハウォルチアやらハウォルチオプシスを買い漁って呆然としかねませんが…

今までもそうですが、鶴仙園(池袋のほう)は朝イチで行ってきましたが、今回も同様です。
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さて、到着しましたがパキポディウムやらコーデックスも増えて、もう夏が来ているのを感じました。ユーフォルビアはまあまあありましたが、やはりユーフォルビアは地味な存在で、片隅に置かれる感じはいつも通りですが…。それはともかく、大型のユーフォルビアのコーデックスはお高いのでスルー。千円未満のミニ多肉がありましたが、一目で種類が判別出来たので、鑑定眼が上がった気がします。ミニ多肉ではお馴染みのEuphorbia aeurginosaやEuphorbia knobliiなどはありましたが、珍しいことにEuphorbia fruticosaがありました。言うほどレアではありませんが、人気が出る様なタイプではないのであまり売っていません。すでにここら辺は持っていますから買いませんでしたが、初めて見たユーフォルビアがありましたから買いました。
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我が家のEuphorbia aeruginosa

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我が家のEuphorbia knoblii

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我が家のEuphorbia fruticosa

さて、意外と目についたのはガステリアです。サボテン室(?)の入り口のいい場所に結構な数のガステリア、ほとんどが臥牛の選抜品種と臥牛の交配種ですが固めて並べてありました。
ハウォルチアやアストロロバを集め始めると、やはりガステリアも気になります。ついつい、買ってしまいましたが…。
そんなこんなで結局のところはガステリアとハウォルチオプシスというアロエ類(アロエとハウォルチア、ガステリアなどは近縁で同じグループ)ばかり買ってしまいました。まあ、珍しいものばかり入手できましたから、満足のいく久しぶりの鶴仙園でした。

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袋を縛って持参した紙袋に入れます。こうすれば、土がこぼれたり、ひっくり返ったりという悲劇を防ぐことが出来ます。

本日の購入品はこちら。名前はラベルの表記のまま。

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G. carinata
非常に美しいガステリア。臥牛以外の系統のガステリアはあまり人気がありませんが、美しく鑑賞価値が高いのでもう少し流行ってもいいと思うのですがね。だからあまり売ってないという悪循環…

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臥牛 GM07c-5
なんと臥牛Gasteria nitida var. armstrongiiの野生株です。はじめて見ました。栽培品の臥牛の特徴であるざらついた肌とは異なり、滑らかな肌です。この様に野生株は外見的にも個体差があります。栽培品は好まれる特徴を選抜して交配していますから、野生株と異なることは別に珍しいことではありません。ちなみに、まだ小さい苗ですが、同サイズの選抜系臥牛の倍のお値段でした。

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Haworthiopsis glauca var. herrei RIB0217
美しい青みがかった色合いのハウォルチオプシス。フィールドナンバー付き。ついつい買ってしまう…

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オンコクラーダ
現在、Euphorbia alluaudii subsp. oncocladaとされているユーフォルビア。今まで注目していなかったため、このタイプのユーフォルビアは持っていませんでした。しかし、このタイプのユーフォルビアは種類が沢山ありますが、どれも非常に似ています。ほとんど区別がつきません。今後、集めるかは微妙なところです。

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E. リカルドシアエ
Euphorbia richardsiae。
はじめて見ました。調べてみたらマラウイ原産とのこと。多肉ユーフォルビアは南アフリカとマダガスカル原産が多いので、それ意外の産地は珍しく感じてしまいます。とはいえ、多肉ユーフォルビアはアフリカ大陸のインド洋側が分布の中心ですよね。

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植物は葉緑体を持ち光合成をします。光合成は植物の基本的なエネルギー獲得システムであり、植物の緑色や赤色は葉緑体に含まれる光合成色素の色が現れたものです。そんな植物の中でも、乾燥地に生える多肉植物は、特別な光合成システムを獲得しています。簡単に解説して行きます。
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光合成の基本システムとC3植物
まず、光合成を簡単に説明します。水と光エネルギーからNADPに水素をつけてNADPHとする光化学系Iと、ADPにリン酸をつけてATPとする光化学系IIがあり、副産物としてできる酸素を放出します。この、光と水からNADPHとATPを作る反応を明反応と言います。さらに、NADPHとATPのエネルギーを用いて、二酸化炭素をカルビン・ベンソン回路に取り込んで、ブドウ糖を合成する反応を暗反応と言います。この時に光が必要なのは明反応で、暗反応は明反応で作られたNADPHとATPがあれば光がなくても作動します。これが光合成の基本ですが、二酸化炭素がカルビン・ベンソン回路に入ると3個の炭素からなる物質に変換されることから、このシステムで光合成する植物をC3植物と言います。日本に生える植物の多くはC3植物です。
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呼吸
注意が必要なのは、光合成で作られたブドウ糖はそのままではエネルギーにはならないということです。ブドウ糖は呼吸により最終的にATPに変換されます。ATPは植物でも動物でも共通のエネルギー源です。ブドウ糖を解糖系によってピルビン酸に変換し、アセチルCoAとなりクエン酸回路に入ってNADとFADに水素が渡されて、NADHとFADHとなります。この時に副産物として二酸化炭素が出来ます。水素伝達系によりNADHやFADHの水素が水と酸素と反応して、大量のATPが合成されます。
動物の呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を出しますが、これはATPを合成するために呼吸していることになります。

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気孔と乾燥
光合成をする時の酸素の放出や二酸化炭素の取り込みは、葉の表面にある気孔と呼ばれる開閉する穴で行われます。しかし、乾燥地に生えることが多い多肉植物は、二酸化炭素を取り込むために頻繁に気孔を開くと、水分まで失われてしまいます。これを防ぐために、C3植物とは異なるシステムを進化させたものもあります。それは、C4植物とCAM植物です。
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C4植物
C4植物は、取り込んだ二酸化炭素を炭素が4つの物質に変換するC4回路があります。そのC4回路からカルビン・ベンソン回路に炭素が渡されて、最終的にブドウ糖を合成します。C4回路は低濃度の二酸化炭素でも働き、二酸化炭素を濃縮します。そのため、高温・乾燥時に気孔を閉じたまま、二酸化炭素不足にならないで光合成を効率的に行うことが出来ます。
では、C4植物はC3植物よりも有利なのではないかと考えてしまいますが、必ずしもそうとは言えません。C4植物は二酸化炭素を固定するのにC3植物よりも多くのエネルギーが必要なため、日本の様な温帯域ではC3植物の方が有利でしょう。特に太陽光が届きにくい林床などの日陰~半日陰の環境では、C4植物は圧倒的に不利です。あくまでも、C4植物は高温や乾燥に適応した方法なのです。
C4植物は必ずしも多肉植物ではありませんが、イネ科、カヤツリグサ科、アカザ科、トウダイグサ科(Euphorbia)やヒユ科、キク科(Othonna、Senecio)が代表格です。しかし、トウダイグサ科はC3、C4、CAM植物を含むなど、必ず分類群ごとに別れているわけではないので注意が必要です。
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CAM植物
CAM植物はサボテン科やパイナップル科(Tillandsia、Dyckia)で見られる乾燥に耐性を持つ植物に特有の光合成の方式です。ベンケイソウ科(Adromischus、Aeonium、Curassula、Dudleya、Echeveria、Sedum、Sempervivum)で典型的に見られるためベンケイソウ型有機酸代謝といわれ、頭文字をとってCAM(Curassulacean Acid Metabolism)植物と呼びます。また、CAM植物はマダガスカル島の植物に多いと言われているそうです。
基本的にCAM植物はC4植物と同じで、二酸化炭素をC4回路に取り込みます。CAM植物では日中は気孔を閉じて、気温が下がる夜間に気孔を開きます。そして、二酸化炭素をC4回路に取り込んで、リンゴ酸を合成します。このリンゴ酸は液胞に貯蔵されます。夜間も乾燥する場合は気孔を閉じて、呼吸により出された二酸化炭素を使ってリンゴ酸を合成します。最後は貯蔵されたリンゴ酸の炭素を用いてカルビン・ベンソン回路が働きます。
ちなみに、多肉植物の葉が分厚く水分を溜め込んでいるのは、リンゴ酸を液胞に貯蔵するためでもあるわけですが、あまり知られていない様に思われます。
この様にCAM植物はC4植物よりも水分の損失が少なく、乾燥への耐性が強いと言えます。しかし、最大光合成速度は小さく、CAM植物の生長は遅いとされます。ただし、ベンケイソウ科植物は、あまり乾燥していない場合にはC3植物の様に、直接カルビン・ベンソン回路に二酸化炭素を供給することもあり、必ずしも生長が遅いとは限りません。
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おわりに
光合成は寄生性や腐生性のもの意外のほとんどの植物にとって、その生の根幹を司るものです。ですから、光合成のシステムは植物好きならば知っていて当然とは言いませんが、知っておいてもいいのではないでしょうか。例えば光合成を促進するために、一日中光を当てていれば、それだけ植物は良く育つのかというと、そうは上手くいきません。もう、お分かりですよね?
植物についてそのメカニズムまで知ることは、意外と植物栽培に有用だったりします。例えば葉や根、茎の役目は何か、知ることはとても重要です。根毛は水分や栄養の吸収のためにありますが、太い根は水分や栄養の吸収には、まったく関係がないことはご存知ですか? ではなんのためにあるのでしょうか? こんなこと一つとっても、植え替え時の根の扱いが変わります。皆さんも植物学を学んでみてはいかがでしょうか。


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すっかり暖かく、というよりは暑くなってきました。しかし、早朝は少し肌寒い感じがしたりして、こういう寒暖の差がある時に多肉植物はよく生長します。ようやく室内から出した多肉植物が戸外に馴化して、植え替えた多肉植物も落ち着いてきた頃合いです。そんな多肉植物の具合をレポートしてみます。

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Pachypodium densiflorum
デンシフロラムは3月末から、断続的に開花が続いています。枝が30本以上あって、花が一斉に咲かないため花期は長くなります。


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Haworthiopsis koelmaniorum
かつての軟質系ハウォルチア、つまりは現在のハウォルチアは柔らかい光線で育てた方が綺麗に育てられるだけではなく、強光線では日焼けの心配があります。逆にかつて硬質系ハウォルチアと呼ばれていたハウォルチオプシスは、強光線に耐えるものが多い様に思われます。しかし、そんなハウォルチオプシスの中でも、コエルマニオルムは強光線に弱く敏感に反応します。私の所有株も直射日光に当てないで、西日が当たらない条件ですが、それでも真っ赤に色づいています。おそらくは日が強すぎるのですが、早く慣れてほしいものです。

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Euphorbia knobelii
閃光閣の名前を持つクノベリイですが、面白い実がなりました。ユーフォルビアではよくみる3つの種子が入っていますが、花茎が長く何故か曲がり、しかもユーフォルビアには珍しく実が赤く色づいています。最大の疑問は、通常ユーフォルビアは雌雄異株ですが、見ての通り花粉の跡がありますから、どうやら雌雄同株のようです。まれにそういうこともあると聞きますが、実際に見るのは初めてです。


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Euphorbia leistneri
2年前に出た葉が落ちないで、葉が古くなって白くなってきたのに、新しい葉が出ないので心配していました。去年の12月に、2年ぶりに古い葉が落ちたので、今年の5月に植え替えして様子を見ていましたが、新しい葉が2年ぶりに出てきました。


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Euphorbia poissonii
猛毒で有名なポイゾニイですが、新しい葉が出てきました。出始めの葉はとても美しいものです。


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睡蓮も咲いていました。

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Euphorbia glandialata
購入時はほぼ根がない挿し木苗でしたから、割りと心配していました。枝が出てきて一安心です。


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Pachypodium horombense
さすがにホロンベンセは葉が出てきてから、あっという間に葉が増えました。去年の秋に購入したばかりなのですが、生長は早そうです。

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Pachypodium windsorii
古い葉が1枚だけ残った状態で越冬しましたが、新葉が出るのはパキポディウムの中でも早いほうでした。まだまだ小さい苗なので、これから楽しみです。

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チビ花キリンはマダガスカル原産のユーフォルビアです。ユーフォルビア・デカリーの名前で売られていることが多いようです。
以前書いた生長記録の記事はこちら。
チビ花キリンは本来は塊根を持つコーデックスとされていますが、売られているチビ花キリンには塊根はありません。これは、売られているチビ花キリンは挿し木で増やされたものだからです。一般的にコーデックスは種から育てた実生株のみ生じるとされています。ですから、挿し木株のチビ花キリンには塊根は出来ないというのは当たり前の話です。
しかし、最近植え替えしたところ、面白いことがわかったので色々考えてみました。

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かなり繁っています。

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抜いてみると、太いうどんの様な節くれだった根が渦を巻くようにパンパンに詰まっていました。
しかし、このうどん根は茎から直接出ていて、本来の根とは生えかたが違います。うどん根からはあまり細い根は出ないので、栄養や水分を吸収する能力は低い様な気がします。しかも、うどん根の先から葉が出てきます。思ったのですが、うどん根は根ではなくて、根茎なのでは? ということです。基本的にこれ以上は太くならないので、生やしておく意味はありません。うどん根はバッサリ取り除きました。

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うどん根を除去した跡。うどん根は地上の茎から出て、地中に潜っていることがわかります。
うどん根を除去してから気がついたのですが、地下に塊根が出来ています。まだ小さいのですが、うどん根とは明らかに別物です。


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取り除いたうどん根。これを植えれば簡単に増やせます。

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植え替え後。
大分すっきりしました。塊根を大きくしていきます。

以上のことから、挿し木でも塊根は出来ます。とは言うものの、実生とは異なりパキポディウムの様な丸い塊根にはならないでしょう。しかし、丈夫で生長が良いので、数年で見られる塊根が見られる様な気がします。思ったより根の太りかたは良いようですから、楽しみですね。

チビ花キリンの学名は1934年に命名された、Euphorbia decaryi Guillauminです。Guillauminはフランスの植物学者である
André Louis Joseph Edmond Armand Guillauminのことです。そういえば、Euphorbia guillauminianaは、フランスの植物学者であるPierre Louis BoiteauがGuillauminに対する献名として命名しました。

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我が家のソテツでは、ザミア・フルフラケアが今年初のフラッシュを開始しています。そして、ザミア・フルフラケアに続いて、ディオーン・スピヌロスムがフラッシュを開始しました。

ディオーン・スピヌロスムはメキシコ原産のソテツの一種です。Giant dioonという英語名が示す様に、最大10mを越える高さとなる世界最大のソテツです。日本でも最近はたまに園芸店で販売していたりします。同じくメキシコ原産のザミアフルフラケアやザミア・インテグリフォリアが流通しつつあり、もしかしたらソテツ・ブームが来つつあるのかもしれません。

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2021年9月
購入時。葉は光沢がありますが、新しい葉は白い粉で保護されています。

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白い粉がとれた光沢のある葉。

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2022年5月22日
フラッシュが始まりました。
右下の丸いものは種子。

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2022年5月28日
ゆっくり展開中。
小葉の数は15枚位ありそうです。

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2022年6月4日

しかし、ディオーン・スピヌロスムは情報が少なく、しかも情報の質が良くないですね。
例えばディオーン・スピヌロスムで検索すると、モルッカソテツとか書いてあります。では、逆にモルッカソテツで検索すると、ディオーン・スピヌロスムがそこそこヒットします。しかし、モルッカソテツのモルッカは、インドネシアのモルッカ諸島のことですから、メキシコ原産のディオーン・スピヌロスムとは関係がありません。東南アジアのソテツ類をナンヨウソテツとかモルッカソテツと呼んだことから、それがやがて海外産のソテツの総称として使われて、いつの間にかディオーン・スピヌロスムを示すという勘違いが一般化したのではないでしょうか。

育て方は良くわかりません。販売サイトの言うところの"レースのカーテンごし"であるとか、"霧吹きで葉水"という、植物種に関係なくまったく同じ文言だったりする育て方は、まったく信用出来ません。
では、原産地の情報を見てみましょう。調べてみると、熱帯雨林だが石灰岩地の崖や岩の丘陵地帯に自生するとあります。ようするに礫地に生えるわけで、排水が良い土壌が良さそうです。しかし、熱帯雨林に生えますから、水を好むような気もします。水捌けの良い用土で植えて、極端に乾かしすぎない様に、といったところでしょうか?

原産地の写真を見ていると、大概はジャングルの中に生えており、他の樹木の陰になっている雰囲気があります。しかし、写真だけではでは、はっきりとはわかりません。崖に生えるものは強光線を浴びている可能性もあります。実際の日照条件はどうでしょうか。
一般的に広葉樹は、深い色合いの葉を持つ植物は日陰向きで、明るい葉色なら明るい場所に生えるという傾向があります。ディオーン・スピヌロスムは濃い緑色の葉を持ちますから、直射日光に当てない方がいい様な気もします。しかし、日本のソテツ(Cycas revoluta)などは、やはり崖地に自生しており強光線に耐えますが、葉は深い緑色です。ソテツは裸子植物ですから、広葉樹の傾向は当てはまらないのかもしれません。
次にディオーン・スピヌロスムの新しい葉は、白い粉に被われています。こうしたものは強い日照に耐えるためであったりします。ディオーン・スピヌロスムもそうなのでしょうか。まだ弱い新葉を保護するためのものであることは間違いありません。
ちなみに、温暖地の庭に植栽されたディオーン・スピヌロスムは、特に日よけもなく周囲に何もない芝地で育てられていたりします。日照を好むのかどうかとか、最適条件は何かはわかりませんが、強光線に耐性があることは間違いないようです。実際に私も遮光はしていません。

耐寒性については、これまた難しいところです。マイナス5℃までと書いてあるサイトもあり、結構耐寒性はありそうです。私が育てているディオーン・スピヌロスムは、明らかに苗なので、耐寒性は期待出来ないでしょう。植物は基本的に大なり小なり大型の方が耐寒性が上がります。逆に苗は耐寒性がなくてすぐにやられてしまいがちです。
海外のサイトの情報ではアメリカのhardiness zoneが書いてありました。hardiness zoneは農作物の育つ気温を地図上に落としこんだものですが、非常に便利なので観葉植物を育てる時の指標としても盛んに使われています。アメリカのhardiness zoneであるUSDA zoneよると、ディオーン・スピヌロスムは9B~11とのことです。9Bはマイナス3.9℃からマイナス1.1℃ですから、耐霜性はありそうです。しかし、私の住む地域はマイナス5℃以下になりますから、なかなか厳しいかもしれません。いずれにせよ、冬は家の中に取り込みます。

ディオーン・スピヌロスムの学名は1883年に命名された、Dioon spinulosum Dyer ex Eichlerです。
Dyerはイギリスの植物学者であるSir William Turner Thiselton Dyerのことで、キュー王立植物園の3代目の園長です。Eichlerはドイツの植物学者であるAugust Wilhelm Eichlerのことで、裸子植物と被子植物、単子葉と双子葉をわけたことで知られています。"ex"が付きますが、この場合はDyerが命名したものの正式に発表されていないだとか、命名の要件を満たしていないだとか何らかの事情があったのでしょう。そこで、Eichlerが正式に発表したということになります。


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私のメインとしてそだてている多肉植物のユーフォルビア属は、1753年にCarl von Linneが命名しました。つまりは、Euphorbia L.です。
現在の二名式学名は1753年にリンネが「Species Plantarum」を出版し提唱しました。ですから、その1753年に命名されたユーフォルビア属は実に由緒正しき属名と言えます。

多肉ユーフォルビアは、その多くが南アフリカやマダガスカル原産ですから、調査する学者も割りと決まった人が多いと思います。育てているユーフォルビアを調べていると、同じ名前を目にします。多肉ユーフォルビアを命名した代表的な学者を挙げてみます。あと、私が育てているユーフォルビアの学名も記してみました。

①L.
スウェーデンのCarl von Linne。
E. mammillaris、E. caput-medusae、E. officinarum、E. canariensis、E. heptagonaなど。

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Euphorbia mammillaris L.

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Euphorbia officinarum L.
(=Euphorbia echinus Hook.f. & Coss.)


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Euphorbia canariensis L.

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Euphorbia heptagona L.
(=Euphorbia enopla Boiss)


②A.Berger
ドイツのAlwin Berger。
E. submamillaris、E. cooperi、E. pseudocactusなど。
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Euphorbia cooperi N.E.Br. ex A.Berger

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Euphorbia submamillaris (A.Berger) A.Berger

③Boiteau
フランスのPierre Louis Boiteau。
E. neohumbertii、E. pachypodioides、E. guillauminianaなど。
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Euphorbia pachypodioides Boiteau

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Euphorbia neohumbertii Boiteau

④Rauh.
ドイツのWerner Rauh。
E. bongolavensis、E. tulearensis、E. ambovombensis、E. cylindrifolia、E. rossii
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Euphorbia cylindrifolia Marn.Lap. & Rauh

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Euphorbia tulearensis (Rauh) Rauh

⑤R.A.Dyer
南アフリカのRobert Allen Dyer。
E. tortirama、E. grandialata、E. inconstantia、E. curviramaなど。
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Euphorbia glandialata R.A.Dyer

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Euphorbia curvirama R.A.Dyer

⑥Marloth
ドイツのHermann Wilhelm Rudolf Marloth。
E. pseudoglobosa、E. ferox、E. pulvinata、E. susannaeなど。
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Euphorbia susannae Marloth

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Euphorbia ferox Marloth

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Euphorbia pulvinata Marloth

⑦N.E.Br.
イギリスのNicholaus Edward Brown。
E. phillipsiae、E. franaganii、E. clavigeraなど。
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Euphorbia franaganii N.E.Br.

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Euphorbia phillipsiae N.E.Br.

⑧S.Carter
イギリスのSusan Carter Holmes。
E. makallensis、E. phillipsioides、E. baioensisなど。
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Euphorbia makallensis S.Carter

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Euphorbia baioensis S.Carter

⑨Willd.
ドイツのCarl Ludwig Willdenow。調べていたら良く出てくる名前ですが、異名や旧名の命名者として出てくる名前です。
E. stellata、E. virosaなど。
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Euphorbia stellata Willd.

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Euphorbia virosa Willd.

⑩Pax
ドイツのFerdinand Albin Pax。
E. knuthii、E. schoenlandii、E. poissoniiなど。
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Euphorbia knuthii Pax

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Euphorbia poissonii Pax

⑪その他にも、Mill.、Haw.、Boiss、L.C.Leach、Sweetは、やはりWilld.と同じく旧名・異名として、良く見る名前です。
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Euphorbia inermis Mill.

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Euphorbia stellispina Haw.

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Euphorbia polyacantha Boiss

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Euphorbia debilispina L.C.Leach

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Euphorbia silenifolia Sweet


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今年は多肉植物の植え替えを一度にやってしまおうということで、100鉢以上をちまちま植え替えしてきました。とはいっても、植え替えるのは2年以上植え替えていない鉢と、窮屈そうな鉢のみですが…。しかし、ようやく今日でそれも終了です。
一鉢二鉢の植え替えは基本的に記事にしていませんが、一度に沢山植え替えた時は記事にしています。

2/27にハウォルチアの仲間を中心に、35鉢を植え替えました。
5/9にユーフォルビアを中心に、23鉢を植え替えました。
5/18にユーフォルビアを中心に、37鉢を植え替えしました。
まあ、そんなこんなで今日で終了。本日の植え替えは以下の通り。

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千代田錦 Gonialoe variegata(左)
綾錦系交配種 Aristaloe aristata cv.(右)


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千代田錦は購入から1年とたっていないので、我が家の厳しい環境に慣れていないでしょうから、まあこれからでしょう。根には問題ないようです。仔が吹いていますが、まだ外しません。
綾錦系交配種は真夏でも無遮光で、冬はマイナス5℃以下の環境を数年耐え抜いただけあって、顔つきが違います。根の状態も非常に良く、仔を沢山吹いていました。


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植え替え後。
同じ鉢に新しい用土で植えました。綾錦は大きめで根が出ていた仔を2つ外しました。


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白磁ホリダ Euphorbia polygona var. horrida(左奥)
バリタ Euphorbia valida(右奥)
紅青玉 Euphorbia meloformis cv.
                        × Euphorbia aggregata(左手前)
貴青玉 Euphorbia meloformis cv.(右手前)

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植え替え後。
すべていままでよりも大きめの鉢に植え替えました。根は非常に良い感じでした。白磁ホリダは仔をすべて外しました。単頭でどっしりとした株を目指します。

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Euphorbia opuntioides(左)
Euphorbia makallensis(中央)
Euphorbia pseudocactus
                   cv. 'lyttoniana'(右)


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植え替え後。最後の鉢です。
生育が今一つの連中。マカレンシスは単純な根詰まりなので、回復は容易でしょう。オプンチオイデスも根が動き始めているので、おそらくは大丈夫です。生育環境の変化で、動きが止まっていただけかもしれません。'リトニアナ'は根の生育が完全に止まっていました。どうにも動きそうにないので、太い根は切断して発根を促します。さらに、半分に胴切りして挿し木しました。動いてくれないかなあ…

以上で今年の多肉植物の植え替えはすべて終了です。しかし、全体的に大きめの鉢に植え替えましたから、冬の室内スペースが足りそうにありません。今のうちに策を高じる必要があります。
そんなことを言いつつも、ビッグバザールや鶴仙園にも行きますから、まだまだ増えてしまいそうです。困った困った。



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怪魔玉は交配により生まれたユーフォルビアです。丈夫で育てやすいおすすめの入門種です。

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2020年1月
ホームセンターで購入。


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2022年5月
2年たって大分大きくなりました。根元の細い部分が購入時の太さですから、かなり太くなりました。


怪魔玉は鉄甲丸(Euphorbia bupleurifolia)と鱗宝(Euphorbia mammillaris)の交配種と言われていますが、峨眉山と鉄甲丸(Euphorbia bupleurifolia)の交配種とされることもあります。峨眉山は鉄甲丸(Euphorbia bupleurifolia)と瑠璃晃(Euphorbia susannae)の交配種とされています。しかし、これらはそう言われているだけで、本当にそうかはわかりません。何せ確認の方法がありませんからね。
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鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia

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峨眉山

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瑠璃晃 Euphorbia susannae

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鱗宝の斑入り品種の白樺キリン
Euphorbia mammillaris cv. Variegata

そういえば、怪魔玉には蘇鉄キリンというそっくりさんがあります。蘇鉄キリンは怪魔玉と鉄甲丸の交配種と言われています。
蘇鉄キリンと怪魔玉の違うは、葉の付け根が赤いとかなる葉の大きさが違うとか言われますが、育てかた次第な部分が大です。あと、どうやら蘇鉄キリンにしろ怪魔玉にしろ数系統ある様子ですから、これらの見分け方も正しいかはわかりません。そうなると、もはや見分ける必要がないような気もします。

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数年前から育てている蘇鉄キリンらしきユーフォルビア。


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サキュレンタムPachypodium succulentumは南アフリカ原産のパキポディウムです。天馬空という名前もあります。
パキポディウムはマダガスカル原産の種類が多く、デンシフロルムPachypodium densiflorum、恵比寿笑いPachypodium brevicaule、ロスラツムPachypodium rosulatum、グラキリウスPachypodium graciliusなど有名種はだいたいそうです。マダガスカル原産ではない、南アフリカなどアフリカ南部原産の種類はサキュレンタム、ビスピノスムPachypodium bispinosum、光堂Pachypodium namaquanum、白馬城Pachypodium saundersii、レアリィイPachypodium lealiiなどがあります。この中ではサキュレンタムに近いのは、遺伝子解析の結果ではビスピノスムです。
マダガスカル原産種のパキポディウムは枝は太く、花が咲くと3つに別れます。しかし、サキュレンタムやビスピノスムは細い枝がヒョロヒョロ伸びます。


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2021年10月
購入時。すぐに植え替えました。


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2022年2月
購入から4ヶ月後。葉が緑色のまま、パラパラ落ちるのでとても心配になりました。根腐れの恐れもありました。

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2022年5月
かなり心配していたのですが、根の状態を確認するために4月に植え替えました。良く見ると、鉢がひし形にゆがんでいました。抜いてみたところ、塊根が巨大化しており、鉢底に当たっていました。どうも、鉢がゆがんでいたのは、塊根が大きくなりすぎていたようです。葉が緑色のまま落ちたのは、それが原因のような気もします。大きい鉢に植え替えて、塊根も少し出しました。しかし、秋から冬の間にこんなに生長するとは想定外です。生長著しいので、来年も植え替える必要があるかもしれません。近縁種のP. bispinosumも育てていますが、こうなっていないか心配です。

サキュレンタムの学名が最初に命名された時はパキポディウムではありませんでした。1782年に命名されたEchites succulentus L.fil.です。ちなみにパキポディウム属は1830年の創設で、この時にPachypodium succulentum (L.fil.) Sweetとされました。これが、現在学術的に認められている正式な学名です。同じく1830年にBelonites succulentus (L.fil.) E.Mey.も命名されましたが、認められておりせん。また、Pachypodium succulentum Steud.も知られていますが、こちらは由来がよく分からない学名で、当然ながら認められていない学名です。
サキュレンタムにはその他にも、沢山の異名があります。命名から早い順に、1830年に命名されたPachypodium tuberosum Lindl.、1837年に命名されたPachypodium tomentosum G.Don、1840年に命名されたEchites tuberosus Haw. ex SteudBarleria rigida Spreng. ex Schultdl.、1932年に命名されたPachypodium griquense L.BolusPachypodium jasminiflorum L.Bolusが知られています。



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地むぐり花キリン(プリムリフォリア)の変種ベガルディイは、マダガスカル原産のユーフォルビアです。プリムリフォリアはいわゆるプリムラ、つまりサクラソウ属Primulaのような葉という意味です。プリムリフォリアは白花ですが、変種ベガルディイの花はピンク色です。

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2020年4月、ファーマーズガーデン三郷店で購入。地下の塊根はほとんど太っていませんでした。

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2022年5月。塊根は非常に太り巨大化していました。

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Euphorbia primulifolia var. begardii
咲き始めの花は色が薄い。

ベガルディイの学名は1984年に命名された、Euphorbia primulifolia var. begardii Cremersです。また、プリムリフォリアは1881年に命名されたEuphorbia primulifolia Bakerです。Cremersはフランスの植物学者である、George Cremersのことです。


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ソテツの仲間は、一年に1~2回しか新芽を出しません。場合によっては新芽が出ない年もあると聞きます。ですから、ソテツが新芽を吹く今の時期は、ソテツファンにとっては最も喜ばしいのです。そこで、ソテツ業界ではソテツが新芽を吹くことを、"フラッシュ"と呼んで祝福するのです。
私の育てているソテツの中ではザミア・フルフラケアが、今年で一番早い初フラッシュが始まりました。


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4月30日。美しい黄金の毛に覆われた新芽。

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5月15日。ゆっくり展開中。

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ザミア・プミラZamia pumilaとザミア・フルフラケアZamia furfuraceaはよく混同されますが、国内で流通しているのはフルフラケアです。残念ながら、国内ではフルフラケアはプミラという誤った名札付きで売られることがほとんどです。海外の園芸サイトではプミラとフルフラケアの混同はほとんどないので、日本国内特有の事情のようです。古い園芸図鑑を見ると、いくつかの図鑑ではフルフラケアの同じ写真が使われていて、解説にプミラと書かれているため、国内の混乱の原因はこれが元なのではと疑っています。

フルフラケアの葉は幅が広く先端は鈍角で、葉は厚みがあり黄色から褐色の毛が生えています。プミラの葉は細長く先端は尖りますから見分けは簡単です。
実際の自生地の写真を見てみれば一目瞭然です。
こちらはメキシコで撮影されたフルフラケア。
https://www.gbif.org/ja/occurrence/3760045938
こちらはプエルトリコで撮影されたプミラ。
https://www.gbif.org/occurrence/3759066079
まったく似ていないのに、なんで混同されているのかわかりません。とても不思議です。
ちなみに下の写真は、神代植物公園のザミア・フルフラケアという名札付きのソテツ。
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Zamia furfuracea(神代植物公園の大温室)

ちなみに、図鑑やサイトなどに小葉の枚数が書いてありますが、これは昔のいい加減な図鑑からの引用なので種類の判別には使えません。だいたい似た感じなので、伝言ゲーム方式で伝えられてきた秘伝情報みたいなものなのでしょう。
実際に育ててみればわかりますが、ソテツは大きくなると葉が長くなり、小葉も増えていきます。育てていれば、確実に言われているより小葉の枚数を越えます。これは、プミラにもフルフラケアにも言えることです。何でも実際にやってみないとわからないことって、この情報化社会でもまだまだあるみたいですね。

そういえば、最近良く見るザミア・フロリダーナZamia floridanaも実は異名で、ザミア・インテグリフォリアZamia integrifoliaが正式な学名だったりします。いったいどういったことなんでしょうね。いい加減な感じがして、嫌になります。


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姫キリンは学名をEuphorbia submamillarisとされるユーフォルビアです。一般的に自然に自生しない園芸品種あるいは交配種とされます。しかし、それは本当なのでしょうか? 

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姫キリン Euphorbia submamillaris

姫キリンの学名は1907年(publ. 1906)に命名された、Euphorbia submamillaris (A.Berger) A.Bergerです。これは、最初は1902年に命名されたEuphorbia cereiformis var. submamillaris A.Bergerでしたが、ケレイフォルミスの変種から独立して別種とされたわけです。

ここで、タイプ標本を見てみましょう。タイプ標本とは新たに学名をつけるための学術論文で使用された標本で、その種の学名の基準となる標本です。姫キリンの場合、イギリスのキュー王立植物園所蔵の標本がタイプ標本です。情報を見ると、South Africa, La Mortolaとあります。なんと普通に南アフリカで採取されているのです。ニューヨーク植物園の標本も、やはり南アフリカで採取されています。
自生地の写真は残念ながらなかったのですが、鱗宝Euphorbia mammillarisを調べていたときに、面白い写真を発見しました。以下のサイトのページを見てください。
https://www.gbif.org/occurrence/2860168244
これは姫キリンの写真ではないでしょうか? 明らかに、マミラリスとは特徴が異なります。
これは、2020年に南アフリカのSandra Falangaという研究者が、西ケープのWalvis street, De Bakko, Mossel Bayで撮影した生態写真です。マミラリス画像の中に紛れていました。撮影者が間違って同定したのでしょうか。まあ、マミラリスの変異の幅に過ぎないかもしれませんが…
以上のことから、姫キリンは南アフリカ原産のユーフォルビアであり、園芸品種や交配種ではないと私は考えています。いかがでしょうか?


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ミルクトロンと呼ばれる白いユーフォルビアを、最近よく見ます。白樺キリンとも呼ばれますが、いったい何者なのでしょうか。

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白樺キリン(ミルクトロン)
Euphorbia mammillaris cv. Variegata

白樺キリンは鱗宝の突然変異で生まれた斑入りの白化個体といわれています。鱗宝の学名はEuphorbia mammillarisです。ですから、白樺キリンはEuphorbia mammillaris cv.  Variegataとなります。cv.はcultivarの略ですが、学名では栽培品種を意味します。cv.は交配種の意味と書かれていることもありますが、これは間違いです。栽培品種は栽培していると現れる突然変異です。具体的には、斑入りになったり、花の色がかわったり、トゲが無くなったりします。ようするに、突然変異個体を固定した園芸品種ということです。また、野生状態で発見された突然変異はcv.ではないので注意が必要です。Variegataは斑入り品種のことです。見た目に反してアルビノではなく、内部には葉緑体があります。

白樺キリンを調べていたら、白樺キリンや鱗宝はEuphorbia mammillarisではなく、Euphorbia fimbriataであるというネットの記事を発見しました。マミラリスとフィンブリアタは分枝、トゲ、太さが異なり、混同されがちとあります。Euphorbia fimbriataで検索すると、海外のサイトでもマミラリスとは別種としてフィンブリアタが紹介されています。そこで、詳しく調べて見ることにしました。
調べた結果すぐにわかったこととして、Euphorbia fimbriataは現在学術的に認められている学名ではないということです。認められているのはEuphorbia mammillarisです。
しかし、別種とされていたという情報はどこから来たのでしょう。海外のサイトでは、Euphorbia fimbriata Scop.と書かれています。わざわざ学名を命名した発表者のScop.を表記したのには意味があります。実はEuphorbia fimbriata B.Heyne ex Rothという学名があるためです。同じ学名は存在し得ないので、どちらかが間違いです。さらに詳しく調べて見ました。

まず、Euphorbia fimbriata Scop.からです。どうもこちらは、Euphorbia nyikae var. neovolkensiiの異名とされることもあるようです。ニカエはタンザニアあたりに自生する柱状のユーフォルビアです。鱗宝・白樺キリンとは似ても似つかない姿の、高さ20mに達する大型種です。ではなぜニカエの異名が鱗宝・白樺キリンの学名とされたのでしょうか。ここら辺の詳しい事情はわかりません。しかし、どうやら学術的にも混乱しているようです。Euphorbia fimbriata Scop.で調べると、フランスの国立自然史博物館やイギリスのキュー王立植物園の所蔵標本では、標本の外見はニカエではなくマミラリスでした。さらに調べると、学術的にもマミラリスをフィンブリアタと呼ぶこともあったようです。フィンブリアタがニカエの異名という方が、どうやら何らかの誤記載なのではないでしょうか。まあ、いずれにせよ、Euphorbia fimbriataは現在では使われていない学名であるということです。
ちなみに、Euphorbia fimbriata B.Heyne ex Rothは、Euphorbia laciniataの異名です。ラキニアタはインド原産の草本で、多肉植物ではありません。ですから、Euphorbia fimbriataなる学名は存在しないのです。

さて、鱗宝・白樺キリンの学名がEuphorbia fimbriataではなく、Euphorbia mammillarisであることがわかりましたので、学名についてさらに調べて見ました。白樺キリンの原種である鱗宝の学名は、1753年に命名されたEuphorbia mammillaris L.です。マミラリスにはその他にも沢山の異名があります。
異名は1788年に命名されたEuphorbia fimbriata Scop.、1803年に命名されたEuphorbia enneagona Haw.、1814年に命名されたEuphorbia erosa Willd.、1902年に命名されたEuphorbia mammillaris var. submammillaris A.Berger、1932年に命名されたEuphorbia platymammillaris Croizat、1933年に命名されたEuphorbia latimammillaris Croizat、1940年に命名されたEuphorbia scopoliana Steud.が知られています。これだけ異名がある理由はわかりませんが、想像は出来ます。生息地の写真を見ると、マミラリスはかなり変異の幅が大きく、別種のように見える個体があります。ですから、この大きく個体差が複数の命名につながったのではないでしょうか。


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緑の太鼓(Green drum)はマダガスカル原産のツル植物です。葉が多肉質でコインの様な形をしており、Silver Dollar PlantとかDollar vineなどと呼ばれています。
ツルが増えて鉢が明らかに小さいので、植え替えました。


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ツルが暴れています。鉢が小さいのでバランスが悪く、風が吹くと鉢ごと転がってしまいます。

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抜くと根が回っていました。

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朱泥鉢に植え替えました。プラ鉢より重いので、多少は倒れにくいはず。

そういえば、緑の太鼓はウリ科植物です。ウリ科の多肉植物といえば、大きな塊根を持つGerrardantus やIbervilleaなどがあります。ここいらへんも好きなのですが、あえて買わないことにしています。なぜなら、緑の太鼓のツルは垂れ下がるだけなので場所を取りませんが、GerrardantusやIbervilleaはツルが長く伸びて絡まりつくので、それなりの置場所が必要だからです。残念ながらそんなスペースはありません。

緑の太鼓の分類は、ウリ科Cucurbitaceae、ザノニア亜科Zanonioideae、ザノニア族Zanonieaeです。
ザノニア族にはGerrardantusやZygosicyosも含まれます。ザノニア族は基本的にツル植物です。
ザノニア族は5属が含まれます。XerosicyosとZygosicyosはマダガスカル原産、Gerrardantusは南アフリカや熱帯アフリカ原産です。Zanoniaはインドからニューギニア原産でアジア域に分布します。Siolmatraは南米原産です。


緑の太鼓の学名は1939年に命名された、Xerosicyos danguyi Humbertです。Humbertはフランスの植物学者であるHenri Jean Humbertのことです。


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引き続きユーフォルビアの植え替え。
サボテンも植え替え。


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白樺キリン Euphorbia mammillaris cv.(左奥)
鯨髭キリン Euphorbia polyacantha(右奥)
Euphorbia debilispina(左手前)
Euphorbia polygona(右手前)

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デビリスピナは意外にも塊根状。

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植え替え後。全体的に根張りが良かったので大きめの鉢に植え替えました。

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噴火竜 Euphorbia viguieri(左奥)
噴炎竜 Euphorbia neohumbertii(左手前)
閃紅閣 Euphorbia furticosa var. inermis(右奥)
緑仏塔 Euphorbia tuberculata(右手前)

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植え替え後。噴火竜は非常に根が張っていました。閃紅閣は根張りもいいのと、仔株が大きくなってきたので広めの鉢に植え替えました。緑仏塔は枝がイマイチ少なくて気になっていたのですが、根には問題はないようでしたが…

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Fouquieria diguetii(左)
Operculicarya borealis(中央)
Fouquieria macdougalii(右)

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植え替え後。フォウクィエリアは乾きすぎるせいか葉がポロポロ落ちてしまうので、深い鉢に植え替えました。オペルクリカリアは塊根が思いの他長いので、深い鉢に植え替えました。ディグエッティイの鉢から出てきた逆鱗竜も独立させました。

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竜頭 Gymnocalycium quehulianum(左奥)
Gymnocalycium esperanzae(中央奥)
守殿玉 Gymnocalycium bodenbenderianum(右奥)
Gymnocalycium prochazkianum subsp. simile(左手前)
Gymnocalycium prochazkianum(左手前)
瑞昌玉 Gymnocalycium stellatum(右手前)


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植え替え後。

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プロチャズキアヌム亜種シミレやエスペランザエは、長い塊根があるので深い鉢に植え替えました。

本日の植え替えはこれで終了。しかし、まだ終わっていません。まあ、あと数鉢ですが。


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ユーフォルビアの植え替えの続き。以前の植え替えから2年以上たつものは、すべて植え替えます。

しかし、鉢が足りなくなったので、急いでシマムラ園芸に安いプラ鉢を買いに走りました。

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数年で駄目になりそうなペラペラの鉢ですが、安いので使い捨てします。私が育てている多肉植物は苗が多いので、植え替えで鉢のサイズを変えたりすることが多いため、使い捨ては非常に便利。使用済みの鉢は使い回しすると病原菌が心配なので、洗ったり消毒したり面倒ですからね。

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Euphorbia inermis(左)
Euphorbia primulifolia var. begardii(中央)
Aloidendron dichotomum(右)


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プリムリフォリア変種ベガルディイの塊根は巨大化。2年前に植え替えた時は、こんなに太っていませんでした。

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アロイデンドロンは根がかなり貧弱でした。葉は問題ありませんが、少し心配です。九頭竜(イネルミス)の根張りは良いみたいです。プリムリフォリア変種ベガルディイもいい感じです。すべて元の鉢に植え替えましたが、プリムリフォリアのベガルディイは以前より塊根を出して植え替えました。塊根の太りかたが非常に良いので将来が楽しみです。

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Euphorbia guillauminiana(左)
Euphorbia bongolavensis(中央)
Euphorbia inconstantia(右)


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植え替え後。ボンゴラベンシスは乾燥地に生えるとはいえ多肉植物ではないので、大きい鉢に植え替えました。水多目でいこうと思います。グイラウミニアナ(ギウラミニアナ)も根張りは良好で、明らかに根詰まり気味でしたから大きい鉢に植え替えました。インコンスタンチアはやや根腐れ気味でした。鉢が膨らんでいたので、完全に根詰まりだったのでしょう。

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Euphorbia susannae(左奥)
Euphorbia submamillaris(右奥)
Euphorbia submamillaris f. pfersdorfii(手前)


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瑠璃晃(スサンナエ)は植え替えしたのですが、思いの他根が多く、少し鉢が小さい様な感じでした。なので、深い鉢に再度植え替えました。サブマミラリスとプフェルスドルフィイは叢生するので、大き目の鉢に植え替えました。

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Euphorbia ferox(左奥)
Euphorbia officinarum(右奥)
Euphorbia aggregata(左手前、紅キリン)
Euphorbia pulvinata(右手前、笹蟹丸)


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植え替え後。叢生するので広めの鉢に植え替え。大正キリン(オフィキナルム)は根がパンパンに張っており、鉢から中々抜けませんでした。根鉢を崩すのも大変でしたから、数回り大きな鉢に植え替えました。

なんと、まだ植え替えは終わりません。続きます。

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今年は多肉植物の植え替えラッシュで、すでに90鉢以上の植え替えをしています。正直、疲れましたがまだ植え替えなければならない鉢が沢山あります。まあ、やれるときにやっておいた方が後々楽になることはわかっていますし、植え替えなくて枯れたりして後悔しても取り返しがつきませんからね。
インカのめざめ(ジャガイモ)やカキツバタの花を見ながら、今日も植え替えに勤しみます。


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インカのめざめ

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カキツバタ

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Euphorbia stellispina(左)
Euphorbia polygona var. horrida(中央)
Euphorbia polygona cv.(右、ゼブラホリダ)


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Euphorbia clandestina。いわゆる逆鱗竜ですが、自家受粉で種が出来てあちこちに飛んで、勝手に生えてきます。群星冠(ステリスピナ)の鉢に生えてきました。

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植え替え後。鉢のサイズはちょうどいいのでそのまま。生長も順調で、根にも問題なし。これ程嬉しいことはありません。逆鱗竜は独立させました。

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Uncarina roeoesliana(左1)
Euphorbia silenifolia(左2)
Euphorbia pseudoglobosa(左3)
Euphorbia bupleurifolia(左4)

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塊根が太ってきました。

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植え替え後。
冬型のシレニフォリアは根をやられていないのか心配していましたが、思いの他根張りが良くて安心しました。いつも葉がない鉄甲竜(ブプレウリフォリア)も根はパンパンでした。ウンカリーナも塊根は太っていましたが、深い鉢に植え替えました。プセウドグロボサは塊根が大きくなりすぎて、根が狭い感じでしたから、やはり深い鉢に植え替えました。

まだまだ終わりません。

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稚児キリンは南アフリカ原産のユーフォルビアです。玉鱗宝Euphorbia globosaと似ているので、pseudoglobosaという学名です。pseudo-とは、「偽の」という意味です。

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Euphorbia pseudoglobosa

稚児キリンの様なくびれを重ねて育つタイプのユーフォルビアは、非常に徒長しやすくきれいに育てることは難しいと言えます。
ユーフォルビアは寒さに弱いので、室内に取り込みます。サボテンなどは水をやらないことにより、耐寒性が上がります。ですから、ユーフォルビアもと考えてしまいますが、一般的に多肉ユーフォルビアは、完全に水を切ると根がやられてしまいがちです。そこで、冬でも最低、2週間に1回は水やりしたほうがよいといわれています。
しかし、問題は日中部屋が暖かくなったりすると、生長をはじめてしまいということです。冬の日照は弱いので、どうしても徒長してしまいます。冬は気温が低く室内は空気の動きも少ないので、水やりをするとなかなか鉢の水分が蒸発せず、ずっと湿りっぱなしとなることも徒長の原因です。
私は冬は植物用ライトを当てて、日中は扇風機で風を当てています。この方法だと3~4日で鉢は乾きますし、写真の様に徒長しません。

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塊根が出来ます。挿し木苗でも塊根が形成されます。

稚児キリンの学名は1929年に命名された、Euphorbia pseudoglobosa Marlothです。異名として、1931年に命名されたEuphorbia frickiana N.E.Br.、1935年に命名されたEuphorbia juglans Comptonがあります。


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カンガルーポケットはマレーシアからオーストラリア原産のツル植物です。葉は多肉質で乾燥に耐性があります。乾燥への耐性は、着生植物の特徴です。着生植物は樹木の幹に根で張り付いて育ちます。注意が必要なのは、着生植物は寄生しているわけではないので、樹木から栄養を貰っているわけではないことです。
じゃあなんで着生するのかというと、これは熱帯林に適応するためです。熱帯林は数十メートルの高い木がひしめき合って生えています。そのため、熱帯林の中は非常に暗く、日中でも日が差しません。日本の森林では、下生えで笹なんかが生えていますが、熱帯林は下生えがなく雑草すら生えることが出来ないのです。樹木の幹に着生すれば、地面と異なり日を浴びることが出来るのです。ですから、熱帯林の草本は着生植物が非常に多いのが特徴です。
着生植物は沢山あります。例えばランの仲間、胡蝶蘭をはじめとした洋ランのほとんどの種類は着生植物です。ラン科の約15000種のほとんどが着生植物です。他にもパイナップル科の植物、例えばチランドシアやフリーセア、ネオレゲリアなどが着生植物として有名です。また、熱帯林に生えるリプサリスや孔雀サボテンなどのサボテンも着生植物です。熱帯林ではオオタニワタリやビカクシダなど着生シダも多く見られます。


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やや多肉質の葉を持つ。

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中が中空の大きな袋状の葉も持ちます。袋の中には根が生えています。

ネットでカンガルーポケットを検索したところ、気になる記述が割と目につきました。それは、中空の袋を"貯水嚢"と呼んで、水を貯めるとかいい加減なことが書いてあることです。カンガルーポケットの袋に水を貯める機能はありません。育てている人も、水が溜まっている所を見たことはないはずなんですけどね。不思議です。
この袋の機能は、アリに巣を提供するためのものです。アリが袋の中に巣を作って、アリの出す老廃物から袋内の根で栄養を吸収します。また、アリは巣を守るために、カンガルーポケットの葉を食べる毛虫などの昆虫を攻撃します。熱帯林の着生植物では割とアリと共生するアリ植物は普通に見られます。
カンガルーポケットはアリ植物ですが、日本のアリは入りませんから、そこは安心です。


カンガルーポケットはフクロカズラという名前もあります。海外ではKangaroo pouch、Bladder vineなどの呼び方があります。ポケットではなくポーチですが、やはり袋状の葉からきた名前です。Bladder vineは膀胱のツタという意味ですが、ラグビーボールが豚の膀胱から出来ていた様に、膀胱は生活に利用されてきたことから付いた名前でしょう。日本人にはぴんとこないでしょうけど。

カンガルーポケットの学名は1886年に命名された、Dischidia vidalii Becc.です。学名はペクチノイデスと呼ばれ勝ちですか、これは1912年に命名されたDischidia pectinoides H.Pearsonから来ていますが、こちらは異名で正式に認められている学名ではありません。

そういえば、Dischidiaはガガイモ科とされて来ましたが、遺伝子解析による最新の分類体系であるAPG分類体系では、ガガイモ科はキョウチクトウ科となりました。ですから、現在Dischidiaはキョウチクトウ科に分類されます。


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