ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

最近、多肉植物について書かれた学術論文を少しずつ記事にして紹介しています。残念ながら興味を覚える方は少ないようで、あまり受けは良くないみたいですが、懲りずに論文を探しては読んでいます。そんな中、パキポディウムの進化と分類について書かれた論文を見つけましたのでご紹介します。本日は2013年に発表された『Phylogeny of the plant genus Pachypodium (Apocynaceae)』という論文を簡単に解説させていただきます。

パキポディウム属はアフリカ南部とマダガスカルに分布します。この論文では21種類のパキポディウムを調べています。調べたのはリボソームDNAのITS領域と葉緑体DNAのtrn LF領域で、パキポディウム属の系統関係を調べる目的の研究です。
結論はパキポディウムは5つのグループにわかれていることが明らかになったということです。過去に花の構造や形態、分布等の情報からパキポディウム属の分類がなされてきましたが、この論文の解析結果とおおよそ一致していましたが、異なる部分もありました。

今までの分類体系では、まずマダガスカル産のNesopodium亜属とアフリカ大陸産のPachypodium亜属に分けられます。旧・分類体系を示します。この時、"Subgenus"は「亜属」、"Section"は「節」、"Series"は「列」と日本語では訳されるようです。

旧・分類体系
★Subgenus Nesopodium
1, Section Gymnopus
1-1, Series Romasa
    P. brevicaule subsp. brevicaule
    P. brevicaule subsp. leucoxantum
    P. rosulatum subsp. bemarahense
    P. rosulatum subsp. bicolor
    P. rosulatum subsp. cactipes
    P. rosulatum subsp. gracilius 
    P. rosulatum subsp. makayense 
    P. rosulatum subsp. rosulatum
1-2, Series Densiflora
    P. densiflorum
    P. eburneum
    P. horombense
    P. inopinatum
2, Section Leucopodium
2-1, Series Contorta
    P. decaryi
    P. rutenbergianum
    P. sofiense
2-2, Series Ternata
    P. geayi
    P. lamerei
    P. mikea
2-3, Series Pseudoternata
    P. ambongense
    P. menabeum
3, Section Porphyropodium
    P. baronii
    P. windsolii
★Subgenus Pachypodium
    P. bispinosum
    P. namaquanum
    P. saundersii
    P. succulentum

遺伝子解析の結果をまとめたものが、下の分子系統になります。まずは、Section Gymnopusを見てみます。ここからは、論文の解析結果を見ながら、私の個人的な考えをお示しします。というのも、論文では試験方式やデータの処理法方などが議論され、必ずしも分類体系の提唱はされていないからです。ですから、その結果を見た我々が解釈する必要があるのです。

分子系統
        ┏━Section Gymnopus①
    ┏┫
    ┃┗━Section Gymnopus②
┏┫
┃┗━━Section Porphyropodium

╋━━━Section Leucopodium

┣━━━Section African①

┗━━━Section African②

Section Gymnopus①の詳細を見ると、まず気がつくのはP. densiflorumのまとまりのなさです。P. densiflorumは8個体を見ていますが、分布域が広いのが特徴です。P. horombenseに遺伝的に近縁とみられるP. densiflorum6は、実際に採取された地点がP. horombenseの採取された地点に近い個体です。また、P. inopinatumに遺伝的に近縁とみられるP. densiflorum7やP. densiflorum8は、やはり採取地点が近い関係にあります。これをみる限り、本来のP. densiflorumはP. densiflorum1~5であって、P. densiflorum6はP. horombenseのdensiflorumタイプでP. densiflorum7やP. densiflorum8はP. inopinatumのdensiflorumタイプなのではないかと疑わせます。
次はP. brevicauleです。P. brevicaule subsp. brevicauleと白花種のP. brevicaule subsp. leucoxantumの遺伝的位置は近くありません。P. brevicaule subsp. brevicauleはP. densiflorum系統であり、P. brevicaule subsp. leucoxantumはP. inopinatum系統です。
次はP. rosulatum subsp. bicolorですが、他のP. rosulatum系とは乗っている枝が異なり、むしろP. densiflorumやP. brevicauleと近縁に見えます。P. rosulatum系統とするのは無理があるのではないでしょうか? 分布を見ると、P. rosulatum subsp. bicolorはマダガスカル中部で、どちらかと言えばp. densiflorumやP. brevicaule subsp. brevicauleに近く見えます。

Section Gymnopus①
        ┏━━━P. eburneum1
        ┃
        ┃┏━━P. eburneum2
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule1
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule2
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule3
        ┃┃
    ┏╋┫┏━P. densiflorum1
    ┃┃┃┃
    ┃┃┣╋━P. densiflorum2
    ┃┃┃┃
    ┃┃┃┗━P. densiflorum3
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━P. densiflorum4
    ┃┃┃
    ┃┃┗━━P. densiflorum5
    ┃┃
    ┃┃┏━━P. densiflorum6
    ┃┃┃
┏┫┗╋━━P. horombense1
┃┃    ┃
┃┃    ┣━━P. horombense2
┃┃    ┃
┃┃    ┗━━P. horombense3
┃┃
┃┃    ┏━━P. densiflorum7
┃┃    ┃
┃┃┏╋━━P. densiflorum8
┃┃┃┃
┫┣┫┗━━P. inopinatum
┃┃┃
┃┃┗━━━P. brevicaule subsp. leucoxantum
┃┃
┃┗━━━━P. rosulatum subsp. bicolor

┃┏━━━━P. rosulatum subsp. gracilius
┣┫
┃┗━━━━P. rosulatum subsp. gracilius

┣━━━━━P. rosulatum subsp. cactipes

┗━━━━━P. rosulatum subsp. makayense

次にSection Gymnopus②を見てみましょう。P. rosulatum subsp. rosulatumは5個体が非常によくまとまっています。分布はマダガスカル北部です。しかし、Section Gymnopus①のP. rosulatum subsp. makayenceやP. rosulatum subsp. gracilius、P. rosulatum subsp. cactipesはマダガスカル南部に分布し距離があると言えます。この、マダガスカル南部に分布するP. rosulatumの亜種たちは、P. rosulatum系統とするべきではなく、それぞれ独立種とする方が自然に思えます。
また、旧・分類体系のSeries RomasaやSeries Densiflora は、分子系統ではまったく意味をなさない分類となっています。なぜなら、P. rosulatum系がまとまりがないことや、P. brevicaule系はP. rosulatum系ではなくP. densiflorum系に近縁だからです。

Section Gymnopus②
┏━━━Section Gymnopus①

┃    ┏━P. rosulatum subsp. rosulatum1
┃┏┫
┫┃┗━P. rosulatum subsp. rosulatum2
┃┃
┃┣━━P. rosulatum subsp. rosulatum3
┃┃
┗╋━━P. rosulatum subsp. rosulatum4
    ┃
    ┣━━P. rosulatum subsp. rosulatum5
    ┃
    ┗━━P. rosulatum subsp. bemarahense

Section Porphyropodiumは、赤い花を咲かせるパキポディウムです。マダガスカル原産のパキポディウムは基本的に黄花ですから少し違います。外見上はSeries Gymnopusとは葉の形がまったく違います。ただし、Section GymnopusとSection Porphyropodiumは姉妹群です。マダガスカル原産のパキポディウムは、一応は遺伝的にアフリカ大陸産のパキポディウムと区別できることになります。
P. windsoriiはP. baroniiの変種とする考え方もありますが、この結果からだけでは近縁であることしかわかりません。

Section Porphyropodium
┏━━━Section Gymnopus

┫    ┏━P. baronii1
┃┏┫
┗┫┗━P. baronii2
    ┃
    ┃┏━P. windsorii1
    ┗┫
        ┗━P. windsorii2

Section Leucopodiumはどちらかと言えば、縦長に育つタイプです。P. lamereiは7個体を調べていますが、割とまとまっています。P. mikeaはP. lamereiと同じ枝に乗っていますが、P. lamereiとほぼ同種とすべきか、P. lamereiから進化した種類とすべきかはわかりません。とても近縁であることはわかります。
P. lamerei、P. mikea、P. menabeum、P. geayiは姉妹群です。P. lamerei、P. mikea、P. geayiはマダガスカル南部、P. menabeumはマダガスカル中部、P. ambongenseはマダガスカル北部に分布します。
旧・分類体系では、P. decaryi、P. rutenbergianum、P. sofienseはSeries Contrtaとされていますが、分子系統でもこれは支持されています。ただし、それ以外のSeriesは支持されません。P.rutenbergianumとP. sofienseはマダガスカル北部、P. decaryiはマダガスカル最北端に分布します。

Section Leucopodium
                ┏P. lamerei1
                ┃
                ┣P. lamerei2
                ┃
            ┏╋P. lamerei3
            ┃┃
            ┃┣P. lamerei4
            ┃┃
        ┏┫┗P. mikea
        ┃┃
        ┃┃┏P. lamerei5
        ┃┃┃
        ┃┗╋P. lamerei6
        ┃    ┃
    ┏┫    ┗P. lamerei7
    ┃┃
    ┃┃┏━P. menabeum1
    ┃┃┃
    ┃┣╋━P. menabeum2
    ┃┃┃
┏┫┃┗━P. menabeum3 
┃┃┃
┃┃┗━━P. geayi
┃┃
┫┗━━━P. ambongense

┃        ┏━P. decaryi1
┃    ┏┫
┃┏┫┗━P. decaryi2
┃┃┃
┗┫┗━━P. decaryi3
    ┃
    ┣━━━P. rutenbergianum
    ┃
    ┗━━━P. sofiense

Section Africanはアフリカ大陸産のパキポディウムです。
Section African①のP. bispinosumとP. succulentumは近縁で、分布も南アフリカ南部に重なります。P. namaquanumも近縁で、南アフリカとナミビアの国境付近とナミビアの一部に分布します。相対的にはSection African①に所属する種は分布も近いと言えます。
Section African②に所属するP. lealiiとP. saundersiiは分布域が大きく離れています。P. saundersiiは南アフリカ、ジンバブエ、モザンビークの国境付近に分布しますが、P. lealiiはナミビア北部、ボツワナ北部、ナミビアとアンゴラの国境付近に分布が点在します。P. lealiiは分布が点在していてそれぞれが離れていますから、もともとは広い分布域を持っており、徐々に分布が狭くなり残ったのが、現在の点在する分布なのでしょう。

Section African①
    ┏━P. bispinosum
┏┫
┫┗━P. succulentum

┗━━P. namaquanum

Section African②
┏━P. lealii

┗━P. saundersii


いかがだったでしょうか? 意外だった、あるいは実際に育てている実感として近いと思った方もおられるかもしれません。私自身、最新の科学の知見に詳しいわけではなく、勉強しながら論文を探しています。しかし、科学は最新の情報が、あっという間に古臭くなったりしますから、最新情報を追いかけるのは素人の私には難しい部分があります。この記事も、来年頃にはいつの話をしているのか、ずいぶんと古い知識を語っているなぁと評されるかもしれませんね。
それはそうと、実は論文はそのほとんどが一般に公開されており、誰でも読むことが出来ます。研究者は最新の論文を読んで情報を得ますから、科学の発展のためには直ぐに読めることは重要です。そして、科学者か論文を書いた時に、読んで参考とした論文名を最後に一覧の形で表記します。この時にどれだけ多くの論文で引用されたかが、論文の価値を決めます。引用されるということは、多くの研究者が読んで重要と認めた論文という意味ですからね。
しかし、残念ながら一部の論文は、というか一部の論文の掲載紙は有料です。買えばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、タイトルと数行の要約では本当に知りたい内容であるかわかりませんから、購入して読んでみて初めて要不用がわかるわけです。流石に手当たり次第とはいかないもので、手に入る論文だけですが、今後も懲りずに紹介出来ればと考えております。


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多肉植物は手持ちの維持だけで長く離れていたので知らなかったのですが、ここ何年か多肉ブームがあったようです。すでにブームの最盛期は過ぎたようですが、多肉人口自体は増えたようです。最近は現地球だけではなく実生苗も園芸店やイベントで沢山並ぶ様になりました。
昨年はパキポディウムの小苗をじわじわ集めたりしましたが、元より全種類集めようという意図はありません。昔入手した実生デンシフロラムを長く育てていましたから、パキポディウム自体に愛着があります。園芸店やイベントでパキポディウムの可愛らしい苗を見ると、ついつい買ってしまうのです。そんなこんなで、去年入手したのが「魔界玉」こと"Pachypodium makayense"です。
マカイエンセは国内ではそれほど流通していないようで、園芸店では見かけないパキポディウムです。私は五反田TOCのビッグバザールで入手しましたが、特に探していたわけではないにも関わらずたまたま目に入ったもので、なんとも非常に幸運でした。

DSC_1649

魔界玉はマダガスカル南部のTulear州のMakay山に分布します。
このMakay山から、"魔界"玉と命名されたのでしょう。

DSC_1650
トゲは赤味を帯びます。新しいトゲはより赤味が強いのですが、古いトゲの色が抜けただけなのかもしれません。強光で赤味が増したら面白いのですがね。まだ、よくわかりません。

DSC_1651

意外にもパキポディウムには毒があるようですが、パキポディウム属はキョウチクトウの仲間ですから、良く考えたら当たり前のことなのかもしれません。

魔界玉の学名は2004年にはじめて命名されましたから、かなり新しい種と言えます。この時は独立種と考えられ、Pachypodium makayense Lavranosとされました。しかし、同年にロスラツムの亜種、つまりはPachypodium rosulatum subsp. makayense (Lavranos) Lüthyとされ、これが現在の正式な学名です。
しかし、遺伝子解析の結果では、魔界玉はP. rosulatum subsp. rosulatumよりもP. densiflorumやP. brevicauleと近縁とされています。今後、パキポディウム属の分類は大きく変わる可能性があります。

多肉ブームで現地球が沢山輸入されましたが、最近では国内実生苗も沢山売られています。多肉植物に力を入れている園芸店では、P. succulentumやP. bispinosumあたりはカクタス長田さんの実生苗がミニ多肉としてあったりします。五反田TOCのビッグバザールでは、P. inopinatumが沢山あって驚きました。他にもP. makayenseや新種のP. enigmaticumまで実生苗が販売されていて驚きます。流石にP. saundersiiやP. windsoliiあたりは少ないものの、入手可能です。園芸店の入荷情報をチェックして、P. brevicalyx、P. brevicaule subsp. leucoxantumあたりは入手しました。何の気なしに園芸店を覗いて見つけたのは、P.
 eburneum、P. densiflorum、P. horombense、P. rosulatumあたりです。他にも縦長に育つタイプのパキポディウムは販売されていますが、いまいち食指が動きません。当分は手持ちの管理に専念することとします。
そういえば、パキポディウム属の分類を調べた面白い論文を見つけましたから、明日の記事にする予定です。



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Fouquieriaはかつて私の憧れだった植物です。私が学生の頃、当時の最新の園芸書に記載されたFouquieriaの写真、おそらくは現地球ですが、そのあまりの美しさに驚きました。しかし、当時は国内でFouquieriaは販売されておらず、今にして想えば海外のナーセリーから個人輸入するしかない時代でした。まだ学生だった私は個人輸入なんて思い付かず、写真を見て嘆息するに留まっていました。その後は園芸趣味から離れていたのですが、近年の多肉ブームでFouquieriaも園芸店やイベントでちらほら見かけるようになりました。私は育っていく過程や、育て方の試行錯誤が楽しい方なので苗が好ましいのですが、最近の多肉ブームではどうやら現地球が多かったみたいです。しかし、ここ2年ほどは国内実生苗も少しずつ手に入るようになりました。大変喜ばしいことです。
そんな中、一番最初に入手したFouquieriaの苗が、Fouquieria diguetiiです。
そういえば、Fouquieriaはフーキエリアとかフォーキエリアとか読み方は本やサイトによりまちまちですが、私の個人的な好みで、以降はラテン語読みで'Fouquieria"は「フォウクィエリア」、"diguetii"はディグエッティーではなく「ディグエティイ」でいかせていただきます。

ディグエティイはメキシコ原産のフォウクィエリアの仲間です。P
alo Adánと呼ばれ、バハ・カリフォルニア半島の南側やソノラ砂漠に自生する、乾燥地に生える灌木です。ディグエティイは赤い筒状の大変目立つ花を咲かせますが、ハチドリが蜜を吸いに来て受粉する鳥媒花ということです。

DSC_0044
購入時。

DSC_1645
最近のディグエティイ

DSC_1646

育て方は自分でも良くわかっていない部分があり、試行錯誤中です。
乾燥地の灌木なので、昨年は乾かし気味にしていましたが、葉が枯れてポロポロ落ちてしまいました。まあ、直ぐに新しい葉は出てきますが長持ちしません。新しい葉が出ては枯れるを繰り返しました。そんな状態ですから、ほとんど茎は伸びませんし太くもなりません。
そんなことがありましたから、今年は水やりをほぼ毎日行っています。ただし、暑すぎるせいかそれでも乾上がってしまうみたいで、育ちはいまいちでした。仕方がないので、ハウォルチアの遮光棚に置いたところ、綺麗な葉が出てきました。とは言うもののでやはり日照不足らしく、他のフォウクィエリアは枝が伸びるもののトゲが出ないので、これは徒長が疑われます。ディグエティイは枝は伸びていませんが、やはり日照不足なのかもしれません。
他の方はどうやっているのだろうと気になってフォウクィエリアを検索すると、なんと腰水栽培している人もいるようです。ちゃんと日に当てていれば徒長はしないようです。私は根腐れが怖くて出来ませんが。しかし、砂漠の植物だろうになぜこんなに乾燥に弱いのか不思議です。フォウクィエリアは乾燥地の植物の癖に根がやたらに繊細だったりするわけで、どうやって自生地で乾燥に耐えているのでしょうかね? どうにも不思議です。
対策となるかはわかりませんが、、乾きにくくするだけなら、普通の花木を鉢栽培するみたいに、大きい鉢に用土たっぷりで植えて乾きにくくしてしまえばいいだけのことかもしれません。

フォウクィエリア属は1823年に命名されたFouquieria formosaがはじめてですが、同じく1823年にBronnia spinosa、後のFouquieria fasciculataが命名されたいます。まあ、F. fasciculataは1819年にCantua fasciculataが最初の命名でした。
ディグエティイの学名は1925年に命名されたFouquieria diguetii (Tiegh.) I.M.Johnst.です。面白いことに、ディグエティイの初命名は1899年のBronnia diguetii Tiegh.Bronnia thiebautii Tiegh.です。同年に同じ命名者に命名されていますから、2種類あると考えられたのかもしれません。種小名は命名が早いものが受け継がれますが、"diguetii"と"thiebautii"は命名はおそらく同時ですが、なぜ"diguetii"が選ばれたのかはわかりません。また、1903年に命名されたFouquieria peninsularis Nashは、ディグエティイと同種とされ、現在は異名(シノニム)とされています。


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ザミア・フルフラケアZamia furfuraceaの花芽があがってきました。花芽が伸びはじめてから咲くまでを記事にしようと思っていましたが、中々咲かないのでまだ咲きませんが記事にします。

DSC_1557
フラッシュも一段落し、新葉が美しい季節です。良く見ると塊根の先端が膨らんでいます。まさか、また新芽かと思いきや…

DSC_1555
これは蕾ですね。小苗を入手してから10年以上育てていますが、初めてのことです。植え替えした方が生長が早いのは知っていますが、5年おきくらいのタイミングでしか植え替えをしないので生長は遅いでしょうけど。

DSC_1556
7月16日。まだまだ小さい。

DSC_1606
7月24日

DSC_1655
8月6日。だいぶ膨らんで、茎が伸びてきました。
しかし、茎はまだ伸びる感じですから、まだまだ咲きません。とは言うものの、交配相手がいないので咲いても種は取れませんけどね。

そういえば、ソテツと言えばクロマダラソテツシジミという名前の、ソテツの若葉を食害するシジミ蝶がいます。もともとは東南アジア原産でしたが、2007年くらいから関西でも定着したみたいです。しかし、温暖化の影響かいつの間にやら、最近では神奈川、東京、埼玉、千葉あたりでも発見されています。私の所有ソテツたちもいつかやられないか心配です。
しかし、昆虫マニアの人達がその蝶を探しているみたいですが、どうやらソテツとヤシの区別がついていないらしく、近所のソテツ(どう見てもヤシ)では見られないとか書いてありました。まあ、そりゃあヤシにはつかないでしょうね。興味がない人には同じようなものなのでしょうか?




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昔は今の様に多肉植物は沢山売られていませんでしたから、私もサボテンを集めたりしていました。枯らしたり引っ越したりして置き場がなかったりと、まあバタバタして今では極少数を維持するだけになりました。その後は公私で忙しく、永らく園芸店からも足が遠退いていました。しかし、最近知らない間に多肉ブームがあったらしく、図鑑でしか見たことがない珍しい多肉植物が売られるようになり、3年前くらいから多肉植物を再開したわけです。時代はベンケイソウ科やアガヴェ、コーデックスが流行りですが、サボテンも地味に今まで見なかった様な種類が売られていたりします。私もギムノカリキウムの平たく育つものは、見かけるとついつい購入してしまいます。
そんな中、園芸店ではまず見かけないギムノカリキウムをイベントで入手しました。それが、プロチャズキアナムです。個人的な話で申し訳ないのですが、私は学名はラテン語読みが好みなので、以降は「プロカズキアヌム」と記述させていただきます。

さて、プロカズキアヌムは1999年に発見されましたから、割と新しい種類です。いや、20年以上前だろうと思うかもしれませんが、サボテンの学名の命名自体は1753年から始まっていますから、まだ新種が見つかるということに驚きがあります。それはそうとして、プロカズキアヌムの学名は最初は1999年に命名されたGymnocalycium prochazkianum Šormaです。しかし、海外含めてプロカズキアヌムはあまり情報がありません。仕方がないので、プロカズキアヌムの原産地の情報を探すために、採取情報が記載されているフィールドナンバーを探してみました。そこで、プロカズキアヌムを命名したŠormaが採取したとおぼしき採取個体の情報を見つけました。

Field number: VS 141
Collector: Vladimír Šorma
Species: Gymnocalycium prochazkianum
Locality: Quilino, Cordoba, Argentina
Altitude: 600m


このVS141が1999年にプロカズキアヌムが命名された際の個体かもしれませんね。
ここで、一旦私の所有個体を紹介します。


DSC_1656
Gymnocalycium prochazkianum

DSC_1657
Gymnocalycium prochazkianum
                                         subsp. simile VoS1417

下の個体はプロカズキアヌム亜種シミレですが、フィールドナンバー付きです。ともに、白い粉をまとった暗い色合いで平たい特徴は同じです。
そういえば、プロカズキアヌムには亜種があり、2006年に命名されたGymnocalycium prochazkianum subsp. ivoi Halda & Milt、2013年に命名されたGymnocalycium prochazkianum subsp. simile 
ŘepkaGymnocalycium prochazkianum subsp. simplex Řepkaがあります。

私の所有するプロカズキアヌム亜種シミレのフィールドナンバーは"VoS1417"ですが、これが不思議と情報がありません。ただ、フィールドナンバーを収集して検索できるサイトはいくつかありますが、すべてのフィールドナンバーが登録されている訳ではありませんから、こういうこともあります。しかし、VoSナンバーは"VoS00-0001"の様な形式が通常な気がしますから、何かおかしな感じもします。よくよくVoSナンバーの一覧を調べてみたのですが、"VoS13-1417"を見つけました。

Field number: VOS 13-1417
Collector: Volker Schädlich
Species: Gymnocalycium prochazkianum
Locality: South of Orcosuni, Cordoba, Argentina
Altitude: 743m
Date: 2013

おそらくはこれが正式なフィールドナンバーでしょう。以前、私の入手した他のサボテンでもやはりこのようにフィールドナンバーは略されるものがありましたから、まぁまぁあることなのかもしれません。しかし、いざ情報を探す段となった時に、このように略されてしまうと困ってしまいますね。
ちなみに、フィールドナンバーのデータでは、亜種シミレという記載ではありません。どうしてでしょうか? これは、簡単な話で採取時点の学名が記載されるからです。採取されたのが2013年で、亜種シミレが命名されたのも2013年ですから、採取時点では亜種シミレという学名は存在しなかったのでしょう。こういうことは良くあることなので、注意が必要です。学名が変更になった場合でも、フィールドナンバーは採取時点の学名で登録されていますから、現在ではまったく異なる学名であることは珍しくありません。

さて、ここまでプロカズキアヌムについて調べてきましたが、実のところG. prochazkianumという学名は現在認められておりません。プロカズキアヌムは2002年にはGymnocalycium valnicekianum subsp. prochazkianum (Šorma) T.Hill & Amerh、2013年にはGymnocalycium mostii subsp. prochazkianum (ŠormaG.J.Charlesと紅蛇丸Gymnocalycium mostiiの亜種とする意見もありました。
しかし、現在ではプロカズキアヌムは紅蛇丸Gymnocalycium mostii (Gürke) Britton & Roseと同一種とされています。G. mostiiは現在は亜種や変種が認められておりません。ただし、明らかに特徴の異なるプロカズキアヌムが亜種や変種扱いされていないのは、不自然にも感じます。G. bicolorや黒豹玉G. mostii var. kurtzianumなども、G. mostiiに集約されている状態ですから、これから整理がされていく可能性はあるように思えます。


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4月に東京五反田TOCで開催された、春のサボテン・多肉植物のビッグバザールに行った際に、サピニーという名前のユーフォルビアの苗を入手しました。購入したブースの生産者さんは、大変状態の良い優れた苗を毎回持ってきてくれますから、ついつい私も毎回購入してしまいます。
さて、そんなサピニーですが、ネットで現在地してみても恐ろしいほど情報がありません。多少、販売情報はあるようですが、私の購入した苗と同サイズのサピニーが数倍の値段で売られていたりします。なんか怪しいですね。
あと、海外のネット上のフォーラムでは、サピニーは海外でも非常に珍しいみたいですね。中々ヨーロッパでも入手は困難なようです。
個人的に「サピニー」より「サピニイ」のほうがしっくりくるので、これより「サピニイ」表記で行きます。

DSC_1647
まだ小さい苗ですが、高さ1mほどになるそうです。

DSC_1648
トゲのある木質の茎がありますが、まだトゲは出ていません。

ネットでサピニイの画像を探していたら、ふと"猛毒三兄弟"こと、Euphorbia poissonii、Euphorbia venenifica、Euphorbia unispinaと似ている様な気がしました。そこで、分布を調べてみたら面白いことがわかりました。ポイソニイは西アフリカのギニア湾沿い、ユニスピナはギニア湾沿いから東に長くチャド・スーダンまでの西アフリカから東アフリカ、ベネニフィカは東アフリカ、サピニイは中央アフリカとなっています。分布が広いユニスピナ以外は、一部重なりながらも分布がアフリカの東部・中央部・西部にわかれているのが、分布域を拡げながら進化した様子が見受けられます。
ここで、2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文を見てみます。この論文では遺伝子を解析していますが、サピニイの分子系統は以外の通りです。

             ┏━━E. sudanica
         ┏┫
         ┃┗━━E. venenifica
     ┏┫
     ┃┗━━━E. unispina
 ┏┫
 ┃┗━━━━★E. sapinii
 ┫
 ┗━━━━━E. resinifera

ユーフォルビアの全種類を調べた訳ではありませんから、ポイソニイは入っていませんがおそらくは近縁でしょう。また、調べていないだけで、他にも近縁種があるかもしれません。
さて、一番根元にあるレシニフェラは普通の柱サボテン様の多肉ユーフォルビアで、サピニイやポイソニイには似ていませんね。もしかしたら、レシニフェラ(の祖先)からサピニイ(の祖先)が進化した時に、サピニイやポイソニイの様な形態に進化したのかもしれません。
しかし、不思議なこともあります。レシニフェラはモロッコ原産ですが、この仲間がモロッコからモーリタニアやマリに分布を拡げながら進化したとすると、モーリタニアからギニア湾を通って東アフリカに達するスダニカがレシニフェラに近縁な様にも思えます。しかし、レシニフェラに一番近縁なのは中央アフリカ原産のサピニイです。地理的にずいぶん離れています。どういうことなのでしょうか?
考えられるのは2つ。1つは、
マリにも分布するポイソニイがレシニフェラとサピニイの間を埋めている可能性です。もう1つは、レシニフェラ自体がサピニイの祖先と別れたときには、モロッコではない地域に分布しており、レシニフェラに進化した際にモロッコ原産となった場合です。この謎はすべての近縁種を調査してはじめてわかるのでしょう。今後の研究に期待。

サピニイの学名は1908年に命名されたEuphorbia sapinii De Wild.です。De Wild.はベルギーの植物学者・菌類学者の
Émile Auguste Joseph De Wildemanのことです。De Wildemanはコンゴの植物相の研究で知られています。サピニイの名前は中央アフリカで植物の収集をしていたフランスの植物学者である、Adolphe Sapinに因んで命名されました。



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ツリスタ属については割としつこく記事にしていますが、ついに全種類コンプリートしました。あまり販売されていないので、あちこち探し回ってようやくのことです。とはいっても、たったの4種類なんですけどね。結局、最後に入手したのがキンギアナでした。
ツリスタ属はハウォルチア属から分離したグループで、アロエ属から独立したGonialoe(千代田錦)やAristaloe(綾錦)、さらにAstrolobaと近縁です。

アロエ類の系統図
┏━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━Gonialoe属
            ┃┃    ┗┫
            ┗┫        ┗━★Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━Gasteria属

キンギアナは南アフリカ原産ですが、非常に稀な植物で絶滅危惧種に指定されています。キンギアナの分布はMossel湾付近の狭い範囲で、岩の多い丘や斜面あるいは草原に生えます。違法採取や過放牧、農地開発など生息地の破壊により減少しています。

DSC_1642
遮光強目なので、本来の明るい色は出ていません。今年は日差しが強すぎるため、加減が難しい感じがあります。

キンギアナの特徴はなんと言っても、その明るい葉色です。ツリスタ属は強光で赤くなる傾向がありますが、キンギアナは明るい黄緑色です。キンギアナはツリスタ属らしく大型になり、18cm位になるそうです。
キンギアナは「king」+「-iana」ですが、king=王ではありません。「-iana」は人名につける女性詞ですから、この場合はKing夫人に献名されたということです。

キンギアナの学名は2017年に命名されたTulista kingiana (Poelln.) Gideon F.Sm. & Moltenoです。キンギアナは初めて命名されたのは1937年のHaworthia kingiana Poelln.ですが、1997年にはプミラの変種とされHaworthia pumila var. kingiana (Poelln.) Haldaとする意見がありました。
また、2001年に命名されたHaworthia zenigata M.Hayashi、2016年にツリスタ属とされたTulista opalina var. zenigata (M.Hayashi) Breuerの系統も現在はキンギアナと同種とされているようです。



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フォリオロサは南アフリカ原産のアストロロバです。しかし、アストロロバ自体知らないという人もいるかもしれませんが、常にマイナーなグループでかつて流行したことすらないので仕方がないことなのでしょう。そんなアストロロバですが、存在自体は昔から知られています。アロエの仲間として、アロエ属、ハウォルチア属、ガステリア属、アストロロバ属がありますよというのが、昔から図鑑に載ってた情報です。近年、アロエ属が5属に、ハウォルチア属が3属に分裂しましたが、アストロロバ属は基本的に同じです。アストロロバ属の最近のトピックは、ポエルニッチア属とされることもあるルブリフロラが、遺伝子解析によりやっぱりアストロロバ属でしたということ位ですかね。
さて、個人的にはアストロロバは大いに気に入っているわけですけれど、園芸店ではまずお目にかかれないレア多肉です。とはいっても、輸入が規制されているだとか、国内で増やせないとか栽培が難しいとか、そういう理由ではなく単純に人気がないだけです。まさに、購入する人がいなければ販売されないという、市場経済の基本原理に則ってますね。残念ながら。
しかし、そんな中、イベントで偶然見つけたアストロロバであるフォリオロサを本日はご紹介します。

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フォリオロサは南アフリカの東ケープ州Nama Karooに分布するアストロロバです。ネットではフェリオサとかフォリオサとか呼ばれることもあるようです。また、「多宝塔」とか「奔竜」という名前もあるようですが、まったく使われていません。
フォリオロサはアストロロバの中では小型で、葉はとても小さくてヒモの様に細長く育ちます。私の株は名札にわざわざ"小型"と表記してあったくらいなので、フォリオロサの中でも特に小さいタイプなのでしょうか? これからが楽しみです。

フォリオロサの学名は1947年に命名されたAstroloba foliolosa (Haw.) Uitewaalです。古い時代に命名されたハウォルチアやガステリアなどのアロエ類は最初はアロエ属とされましたが、アストロロバも同様に最初はアロエ属でした。フォリオロサの学名の変遷を年表にしてみました。

1804年 Aloe foliolosa Haw.
1811年 Apicra foliolosa (Haw.) Willd.
1812年 Haworthia foliolosa (Haw.) Haw.
1947年 Astroloba foliolosa (Haw.) Uitewaal.
1987年 Astroloba spiralis subsp. foliolosa
                               (Haw.) L.E.Groen
2013年 Tulista foliolosa (Haw.) G.D.Rowley

様々な学名が提唱されましたが、現在学術的に認められているのは、Astroloba foliolosaです。2013年のG.D.Rowleyのツリスタ属とする意見は当てずっぽうではなく、アストロロバ属とツリスタ属が遺伝的に近縁であることからツリスタ属の範囲を広くとった訳ですが、そうなるとGonialoeやAristaloeもツリスタ属に含めなくてはいけなくなるため、やや大味な分け方になるような気もします。アストロロバ属は非常に良くまとまった分類群ですから、独立した群としたほうが自然だと私は思います。



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蒼角殿は不思議な球根植物です。緑色の巨大な球根から、モジャモジャした鞭の様な葉(正確には茎で葉はないらしい)と長い蔓を伸ばします。アフリカの自生地では蔓が岩場を這うように伸びるため、"climing onion"、つまり「登攀タマネギ」という愉快な名前で呼ばれているようです。

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分球しましたが、左は蔓が真夏なのに出ていますが、右は休眠中。冬型とされますが蔓は真夏に出たりもします。同じ環境で並べて育てていても、春~夏は何故か蔓が出たり出なかったりします。不思議ですね。

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DSC_1654
3つに別れたので、一つは独立させました。こちらも蔓が伸びてます。

DSC_0845
冬に目立たない緑の花が良く咲きます。

DSC_0992
結実。増やす予定もないので、採種はしませんでした。

ボウィエアは南アフリカの東ケープ州からリンポポ州、ジンバブエ、ザンビア、タンザニア、ウガンダ、ケニア、モザンビーク、マラウイ、アンゴラで確認されています。

蒼角殿の学名は1867年に命名されたBowiea volubilis Harv. ex Hook.f.です。
しかし、このBowiea属にはBowiea myriacantha(=Aloe myriacantha)やBowiea africana(=Aloe bowiea)など、現在ではアロエ属とされているグラスアロエを含んでいました。というより、Bowiea myriacanthaやBowiea africanaは1824年にHaworthにより命名されたものの、5年後の1829年にはアロエ属となり、一度は消滅したようです(Bowiea Haw.)。その後、1867年に蒼角殿の学名としてBowiea volubilisとして復活したわけです(Bowiea Harv. ex Hook.f.)。
今ではBowiea属は蒼角殿1種類のみですが、Bowiea属自体が蒼角殿のために創設された属です。そんな経緯のためか、1911年にOphiobostryx volubilis (Harv. ex Hook.f.) Skeels、1918年にSchizobasopsis volubilis (Harv. ex Hook.f.) J.F.Macbr.が提唱されましたが、現在では認められておりません。しかし、一度使われたBowiea 属を再利用していますから、属名を変更するのは割りと合理性があるような気もしますが…

そういえば、蒼角殿にはガリエペンシスとキリマンドスカリカという仲間がいます。ガリエペンシスは1983年にBowiea gariepensis van Jaarsv.と命名されましたが、1987年(publ 1988)にはBowiea volubilis subsp. gariepensis (van Jaarsv.) Bruryns.とされ現在ではこれが正式な学名です。ガリエペンシスは白花で蔓の色合いも異なり、別種に見えるのですがね。キリマンドスカリカは1934年にBowiea kilimandscharica Mildbr.と命名されましたが、現在ではBowiea volubilis var. volubilisと同種とされているようです。キリマンドスカリカは球根が小さいタイプです。
あと、大蒼角殿という名前も聞いたことがありますから調べて見ましたが、蒼角殿の大きいやつだとか、ガリエペンシスのことだとか色々言われているみたいです。どうやら、最近ではガリエペンシスを大蒼角殿の名前で販売しているようです。




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瑠璃晃は南アフリカ原産のユーフォルビアです。実際には「瑠璃晃」ではなくて、「スザンナエ」あるいは「ドラゴンボール」なんて名前で売られていたりします。瑠璃晃はトゲはなくイボが沢山ありますが、このイボは色々なタイプがあり、太さや密度、先端のとがり具合まで様々で多様性があります。
私もそんな瑠璃晃を育てていますが、鉢が窮屈になったので4月末に植え替えましたが、根が硬く長いため少し浮き上がった様な感じになってしまいました。仕方がないので、5月中頃に深い鉢に再度植え替えました。まあ、本来はこうもコロコロ植え替えないほうがいいわけで、生長に悪影響を与える可能性大です。しかし、我が家の瑠璃晃は意にも介さない風情です。強いですね。


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4月末。いかにも窮屈そうです。右はインターテクスツム。

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年の量がすごいです。

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実は少し浮いています。

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5月中頃に再度植え替え。

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現在の様子。

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強光を浴びて良い色合いになっています。

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そういえば、花は小さいものの結構派手に咲きます。

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開花後、一部の花柄が枯れないで残りましたが、何故か花柄の先端から子を吹いています。奇妙な増えかたですね。

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そして、再度植え替えてから1ヶ月半で鉢底から根がはみ出てきました。わざわざ縦長の鉢に植えたのに、根の生長がとても早いみたいです。

瑠璃晃と言えば、次々と子を吹いて群生するものです。しかし、我が家の瑠璃晃はほとんど子を吹かず、ほぼ単頭です。おそらくは強光と乾燥しすぎることが原因の様な気がします。しかし、面白いので子はある程度のサイズになったら外して、単頭でどこまで大きくなるか試してみるつもりです。現在、ちょうど直径6cmです。

瑠璃晃は1929年に命名されたEuphorbia susannae Marlothです。Marlothはドイツ語生まれで南アフリカで働いたHermann Wilhelm Rudolf Marlothのことです。海外のサイトを見ると、"suzannae"ではなくて"susannae"だから気を付けようみたいなことが書いてあったりします。海外では間違われやすいのでしょうか?



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最近、多肉植物栽培の大先輩とお知り合いになりまして、色々と教えていただいております。私自身はと言うと、ブログではあれやこれやと情報をひけらかしてはいますが、何せ経験が浅いもので表面的な知識ばかりで頭でっかちな部分がたぶんにあります。実際の経験豊かな先輩方にご指摘いただけると、私も非常に嬉しく勉強になります。そんな中、ラウリンソニーについて何か情報はありませんかというリクエストをいただきました。ラウリンソニーとは一体どのような植物なのでしょうか?

さて、ラウリンソニー、つまりG. rawlinsoniiはガステリア属の一種ですが、茎が長く伸びて一見してガステリアとは思えない非常に変わった姿をしています。私も図鑑で見たことはありますからその存在自体は知っていましたが、実際に見たことはありません。大型園芸店や即売会でも、まずお目にかかれないレア多肉です。
私自身、ガステリア属にかなりの興味がありますから、最近は色々と調べものをしています。そんな中、ガステリア属について書かれたいくつかの面白い論文を見つけました。そこでは、G. rawlinsoniiの立ち位置は中々面白いように思えます。

論文
2005年に出された『Taxonomy implication of genomic size for all species of the genus Gasteria Duval (Aloaceae) Plant Systematics and Evolution』という論文をまず紹介します。この論文は簡単に言うと、ガステリア属の核DNA(ゲノム)のサイズを測定しましたよというものです。種によってゲノムのサイズが異なり、面白いことにG. rawlinsoniiがもっとも小さく、次に内陸部に自生する13種がG. rawlinsoniiより大きく、さらに沿岸部に自生する5種、そして一番ゲノムサイズが大きいのはG. batesianaということです。著者はゲノムサイズが小さいG. rawlinsoniiがもっとも原始的で、そこから内陸部→沿岸部→北東部(G. batesiana)という風に分布を拡大しながら進化したのではないかと考えているようです。筆者の一人はvan Jaarsveldですが、この論文の前まではG. batesianaがもっとも原始的と考えていたそうです。
しかし、残念ながら2021年に出されたPhylogeny of the Southern African genus Gasteria duval (Asphodelaceae) based on Sanger and next generation sequencing data』という論文を読むと、2005年の論文の考察は否定されています。こちらの論文は遺伝子解析の結果ですから、より正確なはずです。2021年の論文では、西部に分布するG. pillansiiがもっとも原始的で、そこから東部に向かい最先端にいるのがG. batesianaということになりました。結果的にG. rawlinsoniiはG. bicolorともっとも近縁で、G. nitidaと合わせた3種類が非常に近いグループを形成しているそうです。
まあ、2005年の論文を最初に読んだ時に、ゲノムサイズにそれほど大きな差はない様に見えました。差はありますが、非常に僅差です。G. batesianaは他のガステリアと差ははっきりあるように見えましたが、その他は微妙なところです。これは、根拠のない憶測ですが、ガステリア属の分布拡大の最前線にいるG. batesianaは適応のためにゲノムが複雑となりサイズが巨大化し、逆にG. rawlinsoniiは環境適応が完了したのでいらないゲノムを捨てたのかもしれません。

自生地
G. rawlinsoniiは南アフリカの東ケープ州Baviaanskloof山とKouga山でのみ見られるそうです。標高300~700mのミネラルの少ない日陰の多い断崖に生えます。岩の割れ目に根を伸ばして、長い茎を下に垂らして育ちます。最大1~2m程度まで伸びるということです。
しかし、本当に切り立った崖に張りつくように育ち、採取もまったく不可能なため、今のところ絶滅の心配はないようです。海外のサイトでは「自然によって十分に保護されている」という面白い書かれ方をしていました。
そういえば、土壌は弱酸性で意外と腐植土が豊富と言われています。しかし、この弱酸性というのは曲者で、酸性土壌とは別物だったりします。何せ"弱"とありますから、ほぼ中性付近と考えた方が良いでしょう。変に酸性土壌にしようとすると、上手くいかないかもしれません。
G. rawlinsoniiの生える崖にはBulbine cremnophila、Cyrtanthus montanus、Cyrtanthus labiatus、Haworthia gracilis var. picturara、Haworthiopsis viscosa、Plectranthus verticillatus、Othonna lobata、Cotyledon tomentosa、Adromischus cristatus var. zeyheri、Delorperma esterhuyseniae、Albuca cremnophilaなどが見られるとのことです。
ガステリア属は葉挿しで増やせますが、ラウリンソニーは葉挿しがあまり上手くできないと良く言われます。まったく出来ないわけではないようですが、難しいようです。これは、断崖に生えるため、取れた葉が活着出来ないからではないかと言われているみたいです。


育て方の謎
G. rawlinsoniiは国内ではまったくと言っていいほど情報がないため、海外のサイトを色々と閲覧しましたが中々育て方について参考となりそうな記事は見つけられませんでした。
ただ、G. pillansiiは茎が長く育ちますが、根元の古い葉はやがて枯れ落ちます。しかし、どうやら下葉の残り具合は様々なようです。何が違うのでしょうか?
それから、G. rawlinsoniiの沢山の写真を見ていて気が付いたのですが、仕上がりが綺麗な株は地植えが多い様な気がします。ここに育成のヒントがあるのかもしれません。もしかしたらですが、地植えだと根詰まりや土壌の酸性化が起きないため生長が早く、下葉が落ちる前に長く伸長しているのかもしれません。生長が緩やかだと、長く伸びる前に下葉が古くなってしまいますからね。原因がこれらの場合、鉢植えでは植え替えをこまめに行えばある程度は解決出来そうです。
あと、意外にも葉はやたらに深い緑色であることに気が付きました。思ったより強く遮光しているのでしょうか?  あまり遮光すると貧弱に育ってしまうかもしれませんから、これはこれで中々加減が難しそうです。
そういえば、Aloidendron dichotomum(=Aloe dichotoma)では、遮光して水多目で育てると下葉があまり落ちないで育ちますが、無遮光で乾燥させて育てると下葉は直ぐに落ちて常に先端の方だけに葉があるようになります。これも似たような現象かもしれません。

二列生
今回、G. rawlinsoniiについて海外のサイトをあちこち閲覧していた時に、やたらと"葉はdistichousである"と書かれていました。最初何のことだろう?と思いましたが、日本語では「二列生」と訳すようです。意味は、葉が互い違いに出て、左右に並ぶことだそうです。「ガステリア属の幼若植物は二列生だが、成熟するとロゼットを形成する種が多い」の様に使えます。大変便利な言葉ですね。

学名
ラウリンソニーの学名は1976年に命名されたGasteria rawlinsonii Oberm.です。Oberm.は南アフリカの植物学者であるAnna Amelia Mauve (旧姓 Obermeyer)のことです。南アフリカとローデシア(ジンバブエ)で採取した4000以上の植物をカタログ化したことで知らています。


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最近、「アロエ・プリカティリス」の名前で、まったくトゲがなく青白いアロエを目にします。"乙姫の舞扇"の名前もありますが、その名前の通り、葉は旋回しないで左右にきれいに別れて並びます。国内では割りと珍しい多肉植物でしたが、最近では実生苗が出回っていて入手は容易になってきました。
プリカティリスは2013年にアロエ属から独立し、クマラ属Kumaraとなりました。クマラ属はKumara plicatilis(乙姫の舞扇)とKumara haemanthifolia(眉刷毛錦)の2種類のみからなる分類群です。プリカティリスがアロエから分離した経緯は以下の記事をご参照下さい。

DSC_1616
Kumara plicatilis

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"fun aloe"の名前の通り扇状。"plicatilis"も「折り畳むことが出来る」という意味ですから、扇の様な見た目から来ているみたいですね。

プリカティリスは南アフリカの西ケープ州のいくつかの山に自生し、幹は高さ3~5mになります。プリカティリスの自生地はFranschhoekとElandskloofの間の地域に限定され、17の個体群がそれぞれ10km以上離れて点在するそうです。プリカティリスは水はけの良い弱酸性の岩の多い斜面に生えます。
プリカティリスはフィンボス(南アフリカの灌木植生地域。地中海性気候で冬に雨が多い海岸から山岳までの地域)に生えますが、プリカティリス以外のアロエはほとんど生えません。例外はAloiampelos commixtaやKumara haemanthifoliaです。また、海外の松やアカシアが侵入しているそうですが、それほど増えておらず現状においては、問題になってはいないようです。プリカティリスの最大の脅威は園芸用の採取ですが、それほど盛んではないのか個体数の減少は見られていません。
フィンボスではどうやら山火事が起きるみたいですが、プリカティリスの幹は燃えにくいとされています。環境に対応しているということなのでしょう。

そういえば、プリカティリスは挿し木で増やせるらしいのですが、その事と関連して面白い報告があります。Werner Voigtが2009年に、Goudiniのプリカティリスがケープハイラックスという動物による食害を受けている事を報告しています。ハイラックスはプリカティリスの幹に登り、枝を噛み砕いて水分の豊富な中を食べるそうです。この時に地面に落ちた先端部分は直ぐに根付くそうです。

プリカティリスの花には蜂や甲虫などの昆虫、さらにはタイヨウチョウが蜜を吸いにきて受粉します。昆虫とタイヨウチョウという組み合わせは、アロエ属とクマラ属の共通点ですね。

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いつの間にやら根がはみ出していました。来年は植え替えしないといけませんね。

育てた感想としては、プリカティリスは非常に丈夫で、遮光しなくても日焼けしないし、乾燥にも恐ろしく強い植物だということです。調べたところ、pH5.5~6.5という酸性土壌で育つという情報もありました。普通、酸性土壌と言った場合でも実際は弱酸性のpH6.5から中性が普通ですから、ここまで酸性に耐えられることは珍しく感じます。しかし、私は何も考えないで、適当な用土で植えていて実際に育っているわけですから、そこまでうるさくはないのでしょう。

プリカティリスの学名は2013年に命名されたKumara plicatilis (L.) G.D.Rowleyです。プリカティリスがはじめて命名されたのは1753年に命名されたAloe disticha var. plicatilis L.でした。A. distichaは現在のGasteria distichaのことです。しかし、1768年にAloe plicatilis (L.) Burm.f.と独立しました。つまりは、クマラ属になるまで200年以上アロエ属だったわけです。
これはまったくの余談ですが、Aloe distichaと命名された多肉植物は3種類あります。一つ目は1753年のAloe disticha L.で現在のGasteria disticha (L.) Haw.、二つ目は1768年のAloe disticha Mill.で現在のAloe maculata All.、最後に1785年のAloe disticha Thunb.で現在のGasteria carinata var. thunbergii (N.E.Br.) van Jaarsv.です。混乱の元なので、一応記しておきました。
プリカティリスは異名が沢山ありますが、アロエ属とされた異名は1782年にAloe linguiformis L.f.、1784年にAloe tripetala Medik.、1785年にAloe lingua Thunb.、1796年にAloe flabelliformis Salisb.が命名されています。ここでもややこしいことに、Aloe linguiformis Mill.がGasteria distichaの異名だったり、Aloe linguiformis DCがGasteria carinataの異名だったり、Gasteria distichaやGasteria carinataがかつてはAloe linguaの別の変種扱いされてきたり、なんとも複雑な経緯を辿っています。
また、プリカティリスは現在は存在しないリピドデンドルム属とされたことがあります。1811年に命名されたRhipidodendrum distichum Willd.あるいは1821年に命名されたRhipidodendrum plicatile (L.) Haw.です。リピドデンドルム属はそもそもは、Rhipidodendrum dichotomumつまりはAloidendron dichotomum(=Aloe dichotoma)とプリカティリスのために創設された属名だったりします。



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最近、ガステリアが気になって仕方ありません。まったくもって、すっかり流行りから外れた感のあるガステリアですが、だからといってその美しさや素晴らしさが減衰したなんてことはありません。そんなこんなで、じわじわガステリアを集めはじめていますが、最近記事にするようになってからは、論文も少し読んだりしています。そんな論文ですが、中々面白いことが書いてあり、特にガステリア・ピランシーの立ち位置が意外と重要かもしれないと考えさせられました。
ガステリア・ピランシーは南アフリカ西部に分布する大型のガステリアです。しかし、遺伝子解析の結果から、ピランシーはガステリア属の中でも系統的には原始的とされています。


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ピランシーの苗。

2021年に出た『Phylogeny of the Southern African genus Gasteria duval (Asphodelaceae) based on Sanger and next generation sequencing data』という論文では、何とガステリア属29種の遺伝子を解析して、系統関係を推測しています。シークエンス解析という遺伝子の配列を読む技術があるのですが、その中でもサンガー法という方法があり、そのサンガー法と新しいシークエンス技術で解析した論文です。ここでは、細かい技術的な話や系統解析の議論は省略して、最終的な結論のみを示します。種と種の関係性と、進化の道筋を示した分子系統です。

南アフリカを大まかに北西部、南西部、南部、南東部、北西部に分けると、それぞれの産地のガステリアは遺伝的に近いことが分かりました。面白いのは、ガステリア属は南アフリカの北西部で生まれて、①→②→③→④→⑤と西から東へ分布を拡げながら東進して様々な種に別れたように見えるのです。この系統の根元にある①北西部産ガステリアとはGasteria pillansiiのことです。

ガステリア属の分子系統
┏━━━━①北西部産ガステリア
┃                    (G. pillansii)
┫┏━━━②南西部産ガステリア
┃┃
┗┫┏━━③南部産ガステリア
    ┃┃
    ┗┫┏━④南東部産ガステリア
        ┗┫
            ┗━⑤北東部産ガステリア


②南西部産ガステリア
┏━━━━━━G. vlokii

┫    ┏━━━━G. koenii
┃┏┫
┃┃┗━━━━G. brachyphylla
┗┫
    ┃    ┏━━━G. thunbergii
    ┃┏┫
    ┃┃┗━━━G. carinata 
    ┗┫                      var. glabra
        ┃
        ┃┏━━━G. retusa
        ┗┫
            ┃┏━━G. carinata
            ┗┫
                ┃┏━G. langebergensis
                ┗┫
                    ┗━G. disticha

③南部産ガステリア
④南東部産ガステリア
⑤北東部産ガステリア
    ┏━━━━━━━③G. bicolor                          
┏┫                                         
┃┗━━━━━━━③G. rawlinsonii                 
┃                                             
┫┏━━━━━━━③G. nitida 
┃┃
┃┃         ┏━━━━④G. excelsa
┃┃     ┏┫
┃┃     ┃┗━━━━④G. pulchra
┃┃     ┃
┃┃┏ ┫ ┏━━━━④G. ellaphieae                         
┃┃┃ ┃ ┃ 
┃┃┃ ┃ ┃    ┏━━④G. polita
┗┫┃ ┗ ┫┏┫
    ┃┃      ┃┃┃┏━④G. acinacifolia
    ┃┃      ┃┃┗┫
    ┃┃      ┗┫    ┗━④G. barbae
    ┃┃          ┃
    ┃┃          ┃┏━━④G. armstrongii
    ┗┫          ┗┫
        ┃              ┃┏━④G. glauca
        ┃              ┗┫
        ┃                  ┗━④G. glomerata
        ┃
        ┃    ┏━━━━⑤G. croucheri
        ┃┏┫
        ┃┃┗━━━━⑤G. loedolffiae
        ┗┫
            ┃┏━━━━⑤G. tukhelensis
            ┗┫
                ┃┏━━━⑤G. batesiana
                ┗┫                      var. batesiana
                    ┗━━━⑤G. batesiana
                                               var. dolomitica

論文の内容はここまでとして、ピランシーの自生地の情報を調べて見ました。
ピランシーは"Namaqua gasteria"の名前の通り、ナマクアランドに生えます。分布で言うと、南アフリカとナミビア最西端です。ピランシーはアフリカ西岸に生える唯一のガステリアで、また冬に雨季がある地域なんだそうです。夏は40℃に達します。
ピランシーはナマクアランドの海岸の断崖から標高1000mまで見られ、低木の下や岩陰に生えます。pHは6.8~7.8ですから、どちらかと言えば弱アルカリ性で育つと言えます。
自生地では、根元から子を吹いて約150個体が密集して1mほどの塊となるそうです。
Clanwilliamの南では、Diospyros ramulosa(柿の仲間)やMontinia caryophyllacea(乾燥地の低木)の陰にピランシーは生え、Lampranthus thermarum(マツバギクの仲間)やTylecodon paniculatus("阿房宮")、Tylecodon reticulatus("万物想")、Cotyledon orbiculata、Stapelia hirsuta、Prenia pallensがともに生えます。
Port Nolloth地域のOograbies山では、ピランシーはTylecodon racemosusやTylecodon similis、Tylecodon schaeferianus("群卵")、Haworthia arachnoidea、Crassula hemisphaerica("巴")、Crassula columella、Conophytum stephaniiなどが生える、世界有数の多肉植物の産地に生えます。しかし、これだけ分布域が広く、しかも個体数が多いためまったく保護の必要はないとのことです。


ピランシーの学名は1910年に命名されたGasteria pillansii Kensitです。Kensitは南アフリカの植物学者、分類学者のHarriet Margaret Louisa Bolusです。Kensitは旧姓で、一般にはL.Bolusの略名で知られているかもしれません。L.Bolusはアフリカ多肉植物協会の副会長や南アフリカ王立協会のフェローなど歴任し、大変な業績のある人物のようです。
また、ピランシーには1929年に命名されたGasteria neliana Poellnという異名があります。
ピランシーには変種があり、2007年に命名されたGasteria pillansii var. hallii van Jaarsv.と、1992年に命名されたGasteria pillansii var. ernesti-ruschii (Dinter & Poelln.) van Jaarsv.があります。var. ernesti-ruschiiは1938年に命名された時はGasteria ernesti-ruschii Dinter & van Jaarsv.でしたが、現在はピランシーの変種となりました。
G. pillansii var. halliiは、Port Nolloth近くのOograbies山、G. pillansii var. ernesti-ruschiiはナミビア極北から知られています。



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レイストネリはナミビアとアンゴラのごく狭い地域に自生するユーフォルビアです。見た目からして地味なためか、基本的に売っていませんし、ネットの情報も国内だとほぼありません。海外のサイトでは多少の情報はありますが、それでもあまりないようです。
海外のサイトの情報だと、ナミビア北西とアンゴラ南西のKunene川付近に自生するとあります。もう少し詳しい情報はないかと調べていたら、1998年に出た『Euphorbia leistneri (Euphorbiaceae), a new species from the Kaokoveld (Namibia)』というレイストネリについて書かれた論文を発見しました。著者はR.H.Archerとあります。レイストネリは1998年に命名されたEuphorbia leistneri R.H.Archerですから、この論文がレイストネリが命名され世界に知られた第一報ということになります。ということで、この論文を簡単に紹介していきたいと思います。

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Euphorbia leistneri

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徐々に木質化していきます。

南アフリカのプレトリア国立植物園にある低木状ユーフォルビアであるE. leistneriは、ナミビアのKaokoveld北部のEpupa滝の近くで1976年にO.A.Leistner博士により収集されました。ただし、これはE. monteiroi(柳葉キリン)と間違われていたようです。レイストネリの名前は発見者のLeistner博士に対する献名です。

レイストネリの特徴は、まばらに枝分かれする低木です。葉は時計回りに螺旋状に10~20枚で、緑色の楕円形で25~30mm × 70~90mm。茎は細かい赤みを帯びた淡い緑色、葉の付け根に色素沈着があります。現地では12月から1月に開花し4月に種子を採取したとあります。花の特徴は分類学上では大変重要なので長々と解説してありますが、ここでは割愛させていただきます。

Kaokoveldは人里離れた山岳地帯で、116種の固有種あるいは固有種に近い植物が生えています。レイストネリはKunene川のEpupa滝の近くの狭い地域に非常に稀です。1997年の調査では200平方メートルの狭いエリアでしか見つからず、地元の住民に聞いても他では見たことがないとのことです。論文ではKunene川の両岸の更なる調査が必要としています。


現在、Kunene川では水力発電計画により自生地が消滅する可能性があり、今後地球上から野生のレイストネリが失われてしまうかもしれません。大変悲しいことですが、役に立たない植物より地元の人々の生活を優先するのは仕方のないことです。特にそれを遠く離れた便利な生活を享受している先進国の人間が批判することほど、地元の人々からしたら傲慢かつこれ程お門違いな話はないでしょう。もし、どうにかしたいのであれば、現地に行って保護活動をして、現地の人々が発電所開発で享受出来たはずの恩恵を、別の手段で代替するしかありません。まあ、そんな人はいませんから、どうにもならないでしょうね。


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7月初めに新羽駅(横浜)近くにあるヨネヤマプランテイションで開催されたBIG多肉植物即売会で、ゴットレベイという原種花キリンを購入しました。モジャモジャと絡み付くような細長い葉と、鮮烈な赤い花で花キリンとしても非常に特徴的です。

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購入時。細長い葉と赤く花が特徴。

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植え替えましたが、ようやく新しいトゲが出てきました。雨に当てない無遮光栽培。

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神代植物公園の大温室のゴットレベイの大群生株。ここまで育てるのに、どれくらいの年数がかかっているのでしょうね。右側から塊根性のウリ植物Xerosicyosの蔓が伸びてきて絡み付いていますが、蔓を少しカットするか空いている方へ誘引してあげて欲しいですね。

そういえば、ゴットレベイは花キリンですから、やはりマダガスカルの原産です。野生株は園芸用に採取されておりますが、現在個体数は問題ないレベルのようです。
ゴットレベイの学名は1992年に命名されたEuphorbia gottlebei Rauhです。Rauhはドイツの生物学者、植物学者、作家のWerner Rauhです。Rauhはアナナス科と多肉植物の専門家で、アフリカや中南米へ毎年のように調査に訪れ、アナナスやマダガスカルの植物についての本を出版しています。


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臥牛と言えばガステリアの代表格です。ガステリア自体はあまり販売していませんが、臥牛の美しい品種はまだ見る方です。そんな臥牛の学名と言えば、Gasteria nitida var. armstrongiiとして知られています。しかし、最新の論文では臥牛はニチダの変種ではないとされています。どういうことなのでしょうか?

臥牛はニチダの変種であり、ネテオニーの可能性があると言わることもあります。ネテオニーとは日本語では幼形成熟ですが、例えば昔流行ったウーパールーパーなるサンショウウオがありましたが、あれは幼生のまま育って成熟したメキシコサラマンダーです。同様に、ニチダは幼体のうちは左右に葉が並びますが、育つと葉は旋回してアロエの様なロゼットを形成します。しかし、臥牛の葉は旋回しません。よって、臥牛はニチダの幼体のまま育ったものだと言うのです。
なぜ、その様に言われるのかは定かではありませんが、ニチダとアームストロンギイは分布域が重なり、Gamtoos river付近では混在するからかもしれません。

最新の遺伝的解析による分子系統を示します。2021年に出たPhylogeny of the Southern African genus Gasteria duval (Asphodelaceae) based on Sanger and next generation sequencing data』という論文です。
G. nitidaはG. rawlinsonii、G. bicolorと近縁とされます。しかし、アームストロンギイは必ずしもニチダに近縁ではないため、G. armstrongiiとして独立種とされています。そのG. armstrongiiは、G. glaucaやG. glomerataと近縁であり、G. polita、G. acinacifolia、G. barbaeと姉妹群を形成しています。


    ┏━━━━━━━G. bicolor                          
┏┫                                         
┃┗━━━━━━━G. rawlinsonii                 
┃                                             
┫┏━━━━━━━★G. nitida 
┃┃
┃┃         ┏━━━━G. excelsa
┃┃     ┏┫
┃┃     ┃┗━━━━G. pulchra
┃┃     ┃
┃┃┏ ┫ ┏━━━━G. ellaphieae                         
┃┃┃ ┃ ┃ 
┃┃┃ ┃ ┃    ┏━━G. polita
┗┫┃ ┗ ┫┏┫
    ┃┃      ┃┃┃┏━G. acinacifolia
    ┃┃      ┃┃┗┫
    ┃┃      ┗┫    ┗━G. barbae
    ┃┃          ┃
    ┃┃          ┃┏━━★G. armstrongii
    ┗┫          ┗┫
        ┃              ┃┏━G. glauca
        ┃              ┗┫
        ┃                  ┗━G. glomerata
        ┃
        ┃    ┏━━━━━G. croucheri
        ┃┏┫
        ┃┃┗━━━━━G. loedolffiae
        ┗┫
            ┃┏━━━━━G. tukhelensis
            ┗┫
                ┃┏━━━━G. batesiana
                ┗┫                     var. batesiana
                    ┗━━━━G. batesiana
                                             var. dolomitica

私が学名の根拠としている『The World checklist of Vascular Plants』によると、臥牛はGasteria nitida var. armstrongiiとなっています。しかし、その根拠は2003年の『Plants of Southern African  : an annotated checklist.』と『World Checklist of Seed Plants Database in Access G』によります。
しかし、これらは最新情報に改定を繰り返しますから、次の改定では学名が変わるかもしれませんね。
ニチダの学名は1817年に命名されたAloe nitida Salm-Dyckが最初ですが、1827年にはGasteria nitida (Salm-Dyck) Haw.となり、これが現在認められている学名です。1830ににはHaworthia nitida (Salm-Dyck) G.Donも提唱されましたが、認められておりません。
臥牛の学名は1912年に命名されたGasteria armstrongii 
Schönlandですが、1992年にはGasteria nitida var. armstrongii (Schönland) van Jaarsv.とされました。果たして最新の研究結果からG. armstrongiiが認められるのでしょうか。その場合、昔の学名に戻ることになりますね。

DSC_1614
Gasteria armstrongii GM07c-5
フィールドナンバー付き。典型的な臥牛ではありませんが、これはこれで個性的。


臥牛はJeffreys Bayと東ケープ州のGamtoos riverに分布します。臥牛はガステリアの自生地に多い崖地ではなく、小石が多い平坦あるいは丘陵地に自生するようです。自生地には、Pachypodium bispinosum、Boophone disticha、Bergeranthus glenensis、Euphorbia gorgonis、Freesia alba、Crassula tetragona subsp. acutifoliaが見られるとのことです。
しかし、臥牛は野生株は絶滅危惧IA類という最も高いレベルの危機に瀕しています。臥牛は平坦地に生えることから採取しやすく、園芸的に人気があるため盗掘の被害にあっているそうです。また、平坦地ということで、農業用地として開拓されてしまうことにより、自生地が失われています。人の生活圏と生息地が重ってしまうと、生息地が失われて危機に瀕するというのはよくある話ですが、多肉植物好きとしてはとても悲しく思います。





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フィリプシオイデスは、最近少しずつ国内でも販売されるようになってきた、ソマリア原産のユーフォルビアです。去年の冬にあった千葉のイベントで入手しましたが、購入時はトゲが弱くあまり特徴が分からない雰囲気でしたが、最近になってようやく良いトゲが出てきました。しかし、標高1300~1500mに生えるソマリアものですから、これからの暑い季節は苦手でしょうね。

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2021年12月。購入時。
蕾付きでしたが、全体的にトゲは弱いみたいです。


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花はとても小さいので、接写はこれが限界です。

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2022年7月。良いトゲが出てきました。子吹きもして、これからが楽しみです。

フィリプシオイデスの学名は1992年に命名されたEuphorbia phillipsioides S.Carterです。S.Carterはイギリスのユーフォルビア、モナデニウムを専門とする植物学者のSusan Carter Holmesです。Carterは国際ユーフォルビア協会(IES)の会長です。
そういえば、フィリプシオイデスの"-oides"は「~に似た、~の様な、~状の」という意味です。これは、「phillipsi + oides」、つまりEuphorbia phillipsiae(=Euphorbia golisana)に似ているという意味となります。フィリプシオイデスもフィリプシアエも同じソマリア原産で分布も同じです。フィリプシアエは1903年の命名ですが、どうやらフィリプシオイデスと混同され勝ちだったようです。それから89年後にようやく区別されました。

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Euphorbia phillipsiae
フィリプシアエのトゲは赤く、トゲが白いフィリプシオイデスとは異なります。しかし、トゲの形や生えかたは同じです。



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アロエ・ボウィエアは南アフリカ原産のアロエです。あまりアロエっぽさがない外見のボウィエアですが、記事を遡って調べてみたら、ちょうど2年前の今頃に入手したようです。入手した頃に一度記事にしておりますが、実際に栽培した所感を含め、改めて記事にしてみました。

かつてのボウィエアの記事はこちら。

アロエ・ボウィエアは一見して球根植物というか、最近流行りのケープバルブのように見えなくもありません。私もはじめて見た時に、根元はずんぐりして葉は先端が細長く伸びる姿を見て、まるでエアープランツ(Tillandsia)の様だと思いました。
それから2年間育てた結果わかったことは、強光や乾燥には耐えられるものの、そういう育て方では綺麗に育たないということです。どうもあまり強光に当てると細い葉先が枯れ混んで、アロエ・ボウィエアらしいアロエとしては風変わりな姿を観賞出来なくなります。去年はそれで失敗しましたから、今年はハウォルチアやガステリアと同じ棚で遮光気味に管理しております。葉は完全回復とはまだ言えませんが、大分良くなりつつあります。


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2022年1月。
葉先が枯れてしまいました。ボウィエアは細い葉が長く伸びるのが特徴なので、ややみすぼらしく見えます。


DSC_1607
2022年7月。
4月に外に出して、ハウォルチアやガステリアと並べて育ててきました。たった3ヶ月ですが、長い葉が伸びてきて少し見られるようになってきました。


アロエ・ボウィエアの学名は1829年に命名されたAloe bowiea Schult. & Schult.f.です。
最初に命名された学名はBowiea africana Haw.でした。ボウィエア属からアロエ属に移動する際、普通は種小名は引き継ぎますが、何故かAloe africanaにはなりませんでした。これは、1768年にAloe africana Mill.というアロエがすでに命名されていたからです。同じ名前は認められませんから、新たにbowieaという種小名がつけられたわけです。


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最近、ハウォルチオプシスやらアストロロバやら、いわゆるアロエ類に興味があります。詳しく知りたくなり、アロエ類についての論文を読んで紹介したりしました。

アロエ類と言えば当時ながらアロエ属とハウォルチア属、さらにはツリスタ属、アストロロバ属、ハウォルチオプシス属と手を広げてきました。そうなると、俄然ガステリア属にも興味が湧いてくるのは自然の摂理というものでしょう(?)。
さてそんな中、エラフィエアエというガステリアを入手しました。白点が密に入る、いかにもガステリアらしい美しい種類です。どのような植物なのでしょうか?

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Gasteria ellaphieae
エラフィエアエは画像の様に多肉質の平たい葉が左右に伸びていますが、生長すると葉が旋回してロゼットを形成するようです。これからの生長が楽しみです。


エラフィエアエの原産地は南アフリカの東ケープ州にあるKougaダム地域とのことです。私がおやっと思ったのは、先週記事にした「白雪姫」ことGasteria glomerataもやはりKougaダムと関係があるからです。そういえば、エラフィエアエの学名の命名は1991年のGasteria ellaphieae van Jaarsv.ですが、グロメラタもやはり1991年にvan Jaarsveldに命名されています。エラフィエアエ自体はvan JaarsveldがKouga地域でAloe pictifoliaを探していた時に偶然発見したようですが、この時にグロメラタも発見されたのかもしれませんね。
エラフィエアエもグロメラタと同様に、切り立った崖の斜面に生えるそうです。そして、やはりタイヨウチョウによって受粉されるというところも同様です。


グロメラタの記事はこちら。
何でも、エラフィエアエの自生地には竜城Haworthiopsis viscosaやHaworthia isabellaeが生えるということです。この様な自生地にともに生える植物の情報は興味深くもっと知りたいのですか、調べてもあまり出てこないのが現状です。いちいち論文で確認を取るのは中々手間がかかりますから難しいところです。(※古い論文は紙の出版物ですから、デジタル化されていません。ネットで探してもないことも良くあります)

しかし、ガステリア自体は昔から流通していますが、実際にはそれほど販売していませんね。要するに人気が今一つなのでしょう。ビッグバザールでも見かけたガステリアは流麗な斑入り品種、臥牛系交配種や選抜品種、あるいは恐竜ぐらいだったような気がします。ちなみに恐竜はピランシーのことだったり、ピランシー系交配種も恐竜と呼んだりもするらしく、あやふやすぎていまいち手が出せません。
ガステリアは日本でも長い歴史があり、ガステリア・ファンにより優れた品種が沢山作られてきました。しかし、私は何だかんだ言っても原種が好きなので、かつての流行にも乗れないでいます。原種はあまり入手出来ないでいますが、イベントなどでの一期一会を楽しみにしていますから、ネット販売品をかき集めたりはせず、ゆっくり集めていきたいと思っております。まあ、ネット販売品は明らかに名前が違っていたり、最近では徒長していたり腐りかけていたり、怪しげなものが多すぎることもありますけどね。いくつかの販売サイトは、記事を書くための情報収集としてサイトを見ようとしたらウイルスソフトが詐欺サイトと判断して警告を出してくる始末です。何とも困ったことです。



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以前、池袋の鶴仙園に行った降り、サボテンハウス(?)の端の方にミニ多肉があり、良く見るとユーフォルビアでした。中にEuphorbia richardsiaeがあり、これははじめて見ました。さらに"オンコクラーダ"なるユーフォルビアもあり、悩みつつも購入しました。
さて、かつてユーフォルビア属の分類を調べた事があり、こういう棒状のユーフォルビアは結構種類があり、どれも良く似ていることが分かりました。ですから、見分けがつかないのにコレクションするのもどうかという思いがあり、手を出してきませんでした。しかし、実際に育てて見ないとわからない部分もあると思い直して、購入に至りました。


DSC_1410
調べて見ると、ユーフォルビア・アルアウディイの亜種オンコクラダであることが分かりました。しかし、基本種のアルアウディイと亜種オンコクラダの違いは何かというといまいち分かりません。オンコクラダは枝が節毎に膨れるので、そこが違いなのでしょうか?
私の入手した株も良く日に当てて育てれば膨れるのでしょうか? まだ分かりません。

そういえば、オンコクラダはマダガスカル原産みたいです。ここで一つ思い付いたのは、このように棒状の形態に特殊化した多肉ユーフォルビアはマダガスカル島の固有なのではないかということです。例えば、花キリンの仲間、つまりユーフォルビア亜属ゴニオステマ節は基本的にマダガスカル原産の固有種です。オンコクラダの形態は類似種含めて、マダガスカル島で特殊化したものなのでしょうか。調べてみました。

ユーフォルビア属の分類の記事はこちら。

オンコクラダはユーフォルビア亜属デウテロカリィ節です。デウテロカリィ節はアルアウディイ、アルアウディイ亜種オンコクラダ、ケドロルム(E. cedrorum)があります。ケドロルムもマダガスカルの固有種です。なるほど、まさにマダガスカルで特殊化した様に見えます。しかし、棒状ユーフォルビアはデウテロカリィ節だけではありません。有名種はユーフォルビア亜属ティルカリ節に含まれます。

ティルカリ節と言えば、緑珊瑚=ミルクブッシュ(E. tirucalii)や形は異なりますが近縁のトナカイ角=銀角珊瑚(E. stenoclada)、硬葉キリン=ヘラサンゴ(E. xylophylloides)が有名です。ミルクブッシュは東アフリカ原産とも言われますが、生け垣などとして各地で植えられたため、世界中で野生化しており、必ずしも東アフリカ原産とは言えないようです。原産地不明とする方が良いでしょう。ヘラサンゴ、トナカイ角はマダガスカル原産です。他のティルカリ節であるE. analalavensis、E. arahaka、E. kamponii、E. enterophora、E. fiherensisはやはりマダガスカル原産です。しかし、E. gregariaは南アフリカ・ナミビア原産、ヘラサンゴに似たE. enterophoraはソコトラ島原産で、マダガスカル原産ではありません。各地で棒状に進化した可能性もありますが、マダガスカルで棒状に進化した後、各地に広がったとする方が自然です。もちろん、アフリカ大陸で棒状ユーフォルビアが誕生して、マダガスカル島に伝播して急激に種分化した可能性も存在します。

さて、外見が似ているからと言って近縁であるとは、必ずしも言えません。しかし、ともにほとんどがマダガスカル固有種であることから、デウテロカリィ節とティルカリ節は近縁である可能性は大でしょう。そういえば、ユーフォルビア亜属ブラジリエンセ節には夜光キリン(E. phosphorea)という棒状ユーフォルビアがあり、節の名前の如くブラジル原産です。さらに、ブラジリエンセ節には夜光キリンの他にも、E. attastomaやE. sipolisiiがありやはりブラジル原産です。しかし、外見上はデウテロカリィ節やティルカリ節とは、やや雰囲気が異なります。近縁関係は不明ですが、南米で特殊化したユーフォルビアかもしれません。


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生長を開始して先端が枝分かれしました。

アルアウディイのとオンコクラダの学名は1903年に命名されたEuphorbia alluaudii DrakeEuphorbia oncoclada Drakeとされました。しかし、オンコクラダは1976年にアルアウディイの亜種Euphorbia alluaudii subsp. oncoclada (Drake) F.Friedmann & Cremersとなりました。

そういえば、ミルクブッシュを緑珊瑚という風に、この手の棒状のユーフォルビアを◯◯珊瑚と呼んだりします。私は勝手に珊瑚系ユーフォルビアなんて呼んでいます。オンコクラダは私が入手したはじめての珊瑚系ユーフォルビアです。これからどう育つのか楽しみです。



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先週、Gasteria glomerataについての記事をまとめました。その記事のコメント欄で、Gasteria batesiana var. dolomiticaについてリクエストがありました。
調べてみますと中々面白いガステリアであることは分かりました。しかし、私自身はドロミチカを育てておりませんから、写真もないし記事としてはややつまらないのではと思いまして、ガステリアについて書かれた論文の軽い紹介も含め一つの記事とさせていただきます。

バテシアナとドロミチカ
さて、ドロミチカの基本情報の紹介です。しかし、ドロミチカはバテシアナの変種ですから、バテシアナについても解説します。そういえばバテシアナは「春鶯囀」なる名前がつけられていますね。
ここで一つ注意しなければならないことがあります。Gasteria batesianaは、Gasteria batesiana var. batesianaのことを言っている場合と、G. batesiana var. batesianaとG. batesiana var. dolomiticaを合わせた総称のことを言っている場合があります。学術的には単にGasteria batesianaと書いた場合は変種も全て含めた総称ですが、園芸的・あるいは趣味家がGasteria batesianaと書いた場合はvar. batesianaのことを言っています。ですから、園芸的には、春鶯囀=G. batesiana var. batesianaと、G. batesiana var. dolomiticaがあって区別しますが、var. batesianaは省略されて単にG. batesianaと表記されてしまいます。実にややこしいですね。
ですから、ここで言うバテシアナはvar. batesianaとvar. dolomiticaを合わせた解説と思って下さい。

分布域
バテシアナの分布はKwaZulu-Natal北部のTukhela (Tugela) riverの北部からLimpopo州のOlifants riverまでの内陸部の断崖の東側に自生します。実はバテシアナはガステリア属の中で最も北に自生する種であることが知られています。その中でもドロミチカはMpumalangaの切り立ったドロマイトの崖に自生しますが、ドロミチカはバテシアナの中でも自生地は最北端にあるとのことです。

ドロマイトについて
ここで一つドロマイトについて、考えたいことがあります。ドロマイトは苦灰石あるいは白雲石と呼ばれますが、苦灰石の苦(苦土)=マグネシウム、灰(石灰)=カルシウムを示しています。つまり、ドロマイトはマグネシウムとカルシウムを含んだ鉱物であるということです。ドロマイトはカルシウムを含むためアルカリ性ですが、このアルカリ性かつマグネシウムを含むという特徴はかなり重要なことに思えるのです。

畑に野菜などを作る時に石灰を撒きますが、あれは酸性に傾きすぎた土をアルカリ性で中和するためです。別に土をアルカリ性にしているわけではありません。微生物の働きで酸が出来ます。さらに、植物の根からも酸が出ますから、土はやがて酸性が強くなり、植物の栽培に適さなくなります。ですから、石灰を撒くわけです。
ただし、水田に鉄分とケイ素補給のために撒く「ケイカル」を畑に撒くと、土は何年もアルカリ性になります。しかし、土がアルカリ性だと何故か作物の出来がいまいちとなり勝ちでした。その原因は、アルカリ性だとマグネシウムの吸収が悪くなるためと考えられています。

現在戦火に見舞われているウクライナは昔から優れた穀倉地帯として有名ですが、土壌はアルカリ性です。何故、作物が育つのでしょうか。それは土壌にマグネシウムが豊富に含まれているからです。日本の土壌はミネラルが余りありませんから、マグネシウムを畑に撒けばアルカリ性でも問題なく作物は育ちます。話をまとめると、土壌がアルカリ性だとマグネシウムの吸収を阻害するものの、マグネシウムが豊富なら問題はないということです。

よって、ドロマイトはアルカリ性ですが、マグネシウムを含むためドロミチカは生育できるのではないかということです。ドロミチカの栽培はアルカリ性にした方が良いかは分かりませんが、もし石灰を撒いてアルカリ性にするならば、マグネシウムもあった方が良いいと思います。やはり、ただの石灰ではなくマグネシウムが豊富な苦土石灰が良いのではないでしょうか? 苦土石灰は苦土=マグネシウム、石灰=カルシウムですが、これは苦灰石(ドロマイト)と同じですね。調べたところ、なんと苦土石灰はドロマイトを粒状に加工したものとのことです。苦土石灰を与えることが、ドロミチカの生育にプラスになるかもしれません。


保全状況
学術調査によるとバテシアナは自生地では非常に希な植物とのことです。しかし、現地ではバテシアナは薬用植物として利用されています。詳細は書かれていませんでしたが、ただの薬草ではなく呪術的な意味合いがあるようです。アフリカには呪術医(ウイッチドクター)がおり、未だに幅を利かせていますからね。まあ、それでもバテシアナは崖に生えますから、採取できない高さにあるものは無事とのことです。いずれにせよ、珍しい植物であることは間違いありません。

新しい論文
ガステリア属は見分けるべき特徴が少なく、皆良く似ているため、学者泣かせの植物です。生長に伴い葉の形が変わったりもしますから、その分類や系統関係の推測はさらに難しいものとなっています。
2021年に出た『Phylogeny of the Southern African genus Gasteria duval (Asphodelaceae) based on Sanger and next generation sequencing data』という論文では、何とガステリア属29種の遺伝子を解析して、系統関係を推測しています。ただし、この論文は100ページを超える大部なもので、まだ全てを読めてはいません。とりあえず、バテシアナについてのみ見てみると、以下の様な系統となっています。


        ┏━━G. batesiana
    ┏┫            var. dolomitica
    ┃┗━━G. batesiana
┏┫                var. batesiana
┃┗━━━G. tukhelensis

┃┏━━━G. croucheri
┗┫
    ┗━━━G. loedolffiae

この系統図を見た時に、おやっと思いました。南アフリカの東側のガステリアの分布と、分子系統がぴったり合っているからです。南アフリカのガステリアは東側では、G. loedolffiae→G. croucheri→G. tukhelensis→G. batesiana→G. batesiana var. dolomiticaという順番で北東に並ぶように分布します。どうやら、南アフリカの南端から東側にガステリア属が分布を拡げたようです。現在、その最先端がドロミチカと言えるのかもしれません。

鳥媒花
ガステリア属は鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花です。それは、ドロミチカも同様です。花粉を運ぶのは、蜜を吸いにくるタイヨウチョウです。ちなみに、タイヨウチョウは南アフリカに21種類いるそうです。

面白い増えかた
ドロミチカは葉先が土に触れると、なんと葉先から子を吹く性質があります。葉が反り返る形状からして、地面に葉先が触れる事が多いのかもしれません。根元からのみ子吹きするよりも、少し離れた場所に新しい株が定着すれば、分布を拡大するに当たって有利なのでしょう。

学名
バテシアナの学名は1955年に命名されたGasteria batesiana G.D.Rowleyです。ドロミチカは1999年に命名されたGasteria batesiana var. dolomitica van Jaarsv. & A.E.Wykです。命名者はともに南アフリカの植物学者であるErnst van JaarsveldとAbraham Erasmus van Wykです。 



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かつて硬葉系ハウォルチアと呼ばれていたハウォルチオプシス属は、そのほとんどの種が地味というか、大変渋い存在です。硬葉系の名の如く葉は非常に硬く、ほとんどの種は軟葉系ハウォルチアとは異なりオブツーサの様な美しい透明の窓はありません。葉にはイボがあるものが多くざらざらしており、暗い色彩だったりします。個人的には好きで、今後は軟葉系よりも硬葉系を集めたいと思っています。
しかし、ハウォルチオプシス属は軟葉系ハウォルチアと比べたら人気が今一つなせいか、入手しやすいとは言えない状況です。アテヌアタ交配種の"十二の巻"や、最近普及しているアテヌアタ(H. attenuata)の選抜品種である"特アルバ"は目にしますが、それ以外の種は普通の園芸店では難しいところです。"五重塔"(H. tortuosa)や"竜城"(H. viscosa)あたりは、もしかしたら目にすることはあるかもしれません。そんな中、"スカブラ"(H. scabra)は私もはじめて見掛けましたので驚きつつも購入しました。

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Haworthiopsis scabra
スカブラは実にハウォルチオプシスらしい存在です。細かいイボに覆われて葉の表面はざらつき、葉は尖りコンパクトなロゼットを形成します。地味ではありますが、非常に整った美しい多肉植物だと思います。

さて、スカブラの学名は2013年に命名されたHaworthiopsis scabra (Haw.) G.D.Rowleyです。最初に命名されたのは1819年のHaworthia scabra Haw.ですが、1829年にはAloe scabra (Haw.) Schult. & Schult.f.とされました。ハウォルチアは1809年にHaworthia Duvalが創設されるまでは、アロエ属であったことは珍しいことではなく良くあることです。しかし、ハウォルチア属として命名後にアロエ属とされるのはやや珍しく感じます。まあ、スカブラは質感的に小さいアロエっぽさがまったく無くはないのですが、これは当時のアロエ属の定義が異なっていただけでしょう。当然ながら現在スカブラはアロエではなくてハウォルチオプシスです。
さて、G.D.Rowleyが2013年にスカブラをハウォルチオプシス属とした時に、スカブラに3変種を認めました。つまり、Haworthiopsis scabra var. morrisiae (Poelln.) G.D.RowleyHaworthiopsis scabra var. lateganiae (Poelln.) G.D.RowleyHaworthiopsis scabra var. starkiana (Poelln.) G.D.Rowleyです。さらに、2016年にはHaworthiopsis scabra var. smitii (Poelln.) Gildenh. & Klopperが認められました。しかし、同じく2016年のHaworthiopsis scabra var. johanii (M.Hayashi) Breuerは異名とした認められておりません。まあ、今後変わるかもしれませんが。
それはそうとして、この変種たちの特徴はなんでしょうか? いまいち分かりません。スタルキアナは"風車"の名前で流通していましから分かります。風車はイボがなく肌がツルツルしているタイプです。よく日に当てると、黄色くなります。
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風車(ダルマ型)
Haworthiopsis scabra var. starkiana

変種スタルキアナ以外の変種については、ネット検索して出てきた画像が正しいのか良く分かりませんが、それが正しいとすると以下の通りです。
・変種ラテガニアエは葉が長くザラザラしない。
・変種スタルキアナは葉が短くザラザラしない。
・変種スミティイはイボはあるがツルツル。
・変種モリシアエは情報がなく良く分かりません。

変種のスタルキアナは"風車"と呼ばれますが、これは葉が螺旋状に渦巻くことに由来します。スタルキアナと同様、スカブラの葉もやや螺旋状に育ちます。その程度は個体差がありますが、それはスタルキアナも同様です。ネットでは"強螺旋"だとか、"トルネード型"なんて言われているみたいです。スカブラ系は個体差は大きいので、タイプの違いをコレクションすることも、また楽しいかもしれませんね。



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夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、Fouquieria ochoterenaeを入手しました。Fouquieriaはメキシコ原産の乾燥地に生える灌木です。

過去にフォークィエリアの種類についてまとめた記事はこちら。

何故かこのFouquieria ochoterenaeをオコチョロ(ocotillo)と勘違いしてしまっていました。一般的にオコチョロとはFouquieria splendensのことで、尾紅寵(おこちょう)とも呼びます。しかし、オコチョロで調べると、メキシコの砂漠に生えるFouquieriaの灌木をオコチョロと呼ぶという解説に行き当たりました。よくよく調べるとFouquieria自体が"ocotillo family"などと呼ばれていることが分かりました。要するに、地元ではFouquieriaの種を区別せずにまとめて"ocotillo"と呼んでいるらしいのです。
ですから、オコチョロ(ocotillo)とはFouquieria属の灌木の呼び名で、尾紅寵はFouquieria splendensの園芸名ということなのでしょう。
さて、どうもそういうことらしいので、我が家の"ocotillo family"を紹介します。


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Fouquieria ochoterenae
ビッグバザール購入品。生長は早いみたいです。

学名は1942年に命名されたFouquieria ochoterenae Mirandaです。

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Fouquieria formosa
今年の夏のヨネヤマプランテイションのイベント購入品。まだ、良く分かりませんが、葉質的には丈夫そうです。

学名は1823年に命名されたFouquieria formosa Kuntです。

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Fouquieria macdougalii
去年の秋のヨネヤマプランテイションのイベント購入品。丈夫みたいですが、育ちはいまいち。
学名は1903年に命名されたFouquieria macdougalii Nashです。1911年に命名されたFouquieria jaboncillo Loesは、現在はマクドウガリィと同種とされています。


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Fouquieria diguetii
2年前に入手しましたが、乾かしぎみにし過ぎて中々育ちません。
ディグエティイが最初に命名されたのは1899年で、Bronnia diguetii Tiegh.Bronnia thiebautii Tiegh.の2種類あるとされました。しかし、この2種は同種として、1925年のFouquieria diguetii (Tiegh.) I.M.Johnst.となりました。また、1903年に命名されたFouquieria peninsularis (Tiegh.) Nashは、現在は異名とされています。

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Fouquieria colummaris
観峰玉の苗。夏のビッグバザールで入手しました。葉ダニにやられて現在回復中。
観峰玉が最初に命名されたのは1863年のIdria colummaris Kelloggです。しかし、1885年にイドリア属からフォークィエリア属になり、Fouquieria colummaris (Kellogg) Kellogg ex Curranとなりました。1886年に命名されたFouquieria gigantea Orcuttは、現在は異名とされています。

フォークィエリアの育て方は、実のところ私にも良く分かっていない部分があります。実際のところ、ユーフォルビアと同じ管理をすると葉がポロポロ落ちてしまうので、どうやらあまり乾かしすぎない方が良いみたいです。さらに、私が育てているのは小さい苗ですから、ことさら乾燥には耐えられないのでしょう。しかし、それでも新しい葉は直ぐに出てきますから、丈夫ではあるみたいです。我が家の"ocotillo family"の中では古株のディグエティイはそんな経緯でここまできたものですから、あまり生長していません。今年から始めた新しい管理方法で上手く育ってくれればいいのですが…


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最近、ホームセンターなどで"インコンスタンチア"という多肉ユーフォルビアを売っていたりします。私もホームセンターで入手しました。外見上は紅彩閣とか勇猛閣に良く似ています。ネット上でも、あまり情報はないようです。
そんな折り、2012
年に発表された『Normenclature and typification of southern African species of Euphorbia Bothalia』という論文を読んでいたところ、蒼蛮閣が自然交雑種であるとあり、前にその事を記事にしました。そして、この論文にはインコンスタンチアについても記述がありましたので、ついでに記事にしてみました。

蒼蛮閣についての記事はこちら。

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インコンスタンチア
学名は一般的にEuphorbia inconstantiaとされています。論文によると、インコンスタンチアは紅彩閣とポリゴナの交雑種とされています。この論文を承けて『The World Checklist of Vascular Plants』において、インコンスタンチアの学名はEuphorbia ×inconstantiaとされるようです。自生地で自然におきた属内交雑種ですね。
さて、ではその交雑親を見てみましょう。


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紅彩閣 Euphorbia heptagona
紅彩閣の学名はヘプタゴナです。しかし、紅彩閣はE. enoplaとされることが多く、一般的にエノプラという名前で売られています。
エノプラの命名は1860年ですが、ヘプタゴナの命名は1753年です。命名は早い方が優先ですから、ヘプタゴナが正式な学名となり、エノプラは異名(シノニム)です。
ちなみに、紅キリンE. aggregataがエノプラの名前で売られることがあったみたいですが、あまり似ていません。

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紅キリン Euphorbia aggregata
紅キリンは関係ありません。

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ポリゴナ Euphorbia polygona
ホリダE. polygona var. horridaはよく売っていますが、ポリゴナはあまり見ませんね。現在ではホリダはポリゴナの変種とされています。
私のポリゴナは生長点が傷付いたため生長が止まりましたが、その代わりにやたらと仔吹きしています。

そう言われて見れば、インコンスタンチアのトゲは、形は紅彩閣ですが、ホリダのトゲの様に節くれだっています。自然交雑種というのも、割りと納得かもしれませんね。


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鶴仙園に行ったおり、非常に美しく蒼白いハウォルチアを入手しました。硬葉系ハウォルチアのヘレイです。さらに先日、横浜に行った際に大型ホームセンターで今井カクタスさんのヘレイがあったので入手しました。タイプは異なりますが、その美しさはやはり共通しています。
いったいどのような多肉植物なのでしょうか。少し調べても見ました。

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Haworthiopsis glauca var. herrei
整然として長く伸びる葉は、蒼白く非常に美しいものです。


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Haworthiopsis glauca var. herrei RIB0217
フィールドナンバー付きのヘレイ。葉は短くイボが目立つタイプ。野生株でも葉の形や長さは様々。葉の長い野生株もあります。

一般的な濃く深い緑色の植物は日陰に耐えられる性質があることが多く、それは逆に言うと強光にあまり強くない可能性があります。対して、淡い青白い色の植物は強光に強い可能性が高いのです。しかし、この場合、ヘレイはどうなんでしょうね? 硬葉系ハウォルチアは軟葉系ハウォルチアよりも、日照が強目な方が良い傾向がありますが、それでも真夏の直射日光には耐えられません。ヘレイは色的に硬葉系の中でも日照に強そうですがどうでしょうか。日照不足だと徒長するだけではなく、特徴である青白い色がきれいに出ないこともあります。青白い植物は強い光を当てれば当てるほど、太陽光線から身を守るためにワックス成分などを出して白くなります。しかし、これからの季節、ヘレイはどの程度まで日を当てるか悩みどころです。

耐寒性はどうでしょうか。とりあえず、海外のサイトでは、USDAゾーンは10a~11bとありますから、せいぜいマイナス1.1℃までしか耐えられないみたいです。あまり耐寒性は期待出来ませんね。とは言うものの、我が家のオブツーサや竜鱗は、マイナス5℃にも耐えますから、慣らせばいけるのかもしれません。

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花茎が思ったより長く伸びました。

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花はハウォルチアの仲間に典型的な緑線入り。

ヘレイの学名は2013年に命名されたHaworthiopsis glauca var. herrei (Poelln.) G.D.Rowleyです。最初に命名されたのは1929年のHaworthia herrei Poelln.ですが、1976年にはグラウカの変種Haworthia glauca var. herrei (Poelln.) M.B.Bayerとなり、最終的にハウォルチオプシスとなったわけです。
ヘレイの異名は沢山あります。
Poelln.が1937年にヘレイを複数種に分けています。つまり、Haworthia eiyae Poelln.Haworthia jacobseniana Poelln.Haworthia armstrongii Poelln.Haworthia jonesiae Poelln.です。当然ながら、現在これらは異名とされています。
そういえば、
 鷹の爪Haworthiopsis reinwardtii (Salm-Dyck) G.D.Rowleyの変種とする考え方もありました。1997年命名のHaworthia reinwardtii var. herrei (Poelln.) Haldaです。この時代はまだ鷹の爪はハウォルチオプシスではなくてハウォルチアでしたが。



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グロメラタは南アフリカ原産のガステリアです。色や模様、形にしろガステリアとしては全体的にのっぺりとしていますが、それが逆にガステリアとしては特徴的です。白っぽいからか「白雪姫」なる名前もあるようです。私は見かけた時に、あまりにもかわいらしいので衝動買いしてしまいました。

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グロメラタはというか、一般的にガステリアはやや遮光気味に育てます。それは、ガステリアの多くの種で見られる深く濃い緑色からも、強光に対する耐性のなさを予感させます。しかし、グロメラタはガステリアとしては異様に色白です。他のガステリアと比べてある程度は強い日照が必要なのではないかと、心配してしまいます。とりあえずは他のガステリアと並べて育てますが、しばらくは生育具合を注視していきたいと思います。

最近、Euphorbia clivicolaは自生地の環境破壊により絶滅が危惧されているという記事を書きました。多肉植物好きとしては、これは大変残念に思います。そんなこともあり、最近では自生地の状況が気になって仕方がありません。さて、グロメラタは果たしてどうなのでしょうか。
海外のサイトを見ていたら情報がありました。南アフリカのケープ州南東部にある、Kougaダムの一部であるKouga riverの下流に限定されるとのことです。しかし、グロメラタは標高500~700mの垂直な断崖に生えるため、自生地は人に脅かされる心配はないということです。アフリカでは多肉植物の自生地に人が住んでいますから、大なり小なり影響を受けており、こういう例は幸運な部類でしょうね。そういえば、かつてGasteria baylissianaの情報を調べたことがありますが、やはり似たような急峻地に生えるとありました。ガステリアは崖地に生えがちなのでしょうか? もう少し勉強する必要がありそうです。

そういえば、ガステリア属は鳥に受粉してもらうために、花が特殊化したということを最近論文を読んでいて知りました。グロメラタはタイヨウチョウが受粉を行うそうです。タイヨウチョウはメタリックな色彩が大変美しい小型の鳥ですが、花の蜜を吸うことに特化した鳥なんだそうです。


グロメラタの学名は1991年に命名されたGasteria glomerata van Jaarsv.です。van Jaarsv.は南アフリカの植物学者のErnest Jacobus van Jaarsveldのことです。


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はっきりしない梅雨明けの後、急な強光でユーフォルビアが日焼けしたりしましたが、元気なものは元気です。パキポディウムはまだ苗ばかりですが、動きが遅くて心配させられましたが、ようやく動き始めました。そんな、多肉たちの近況をレポートします。

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Euphorbia caput-medusae
枝なしの苗でしたが、はじめて枝が出たり花が咲いたり忙しい模様。


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Euphorbia sapinii
ずっと葉が一枚で心配していましたが、最近の猛暑でも平気そうでした。葉が寝てきたのでおやっ?と思いましたが、2枚目の葉が伸びてきたようです。よかった。


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Aloe spectabilis
去年の冬にあった千葉のイベントで、ラフレシアリサーチさんが配っていたおまけの抜き苗。冬の植え付けでしたが直ぐに根付きました。暖かくなって、いよいよ葉が旋回し始めました。まだ苗で小さいのですが、かなりの大型になる種のようです。


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Euphorbia primulifolia var. begardii
ずっと花が咲き続けています。たしか、5月中旬位から葉がない状態で咲きはじめて、葉が出ても咲きっぱなしです。


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Euphorbia leistneri
去年は前年の古い葉が落ちないで新葉も出なかったので心配でしたが、今年は新しい葉が次々と伸びて一安心しました。


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Euphorbia procumbens
地味に開花中。

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Dischidia vidalii
(=Dischidia pectinoides)
開かない花が沢山咲き続けてきましたが、勝手に結実したようです。

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Fouquieria colummaris
観峰玉の苗ですが、ハダニが出てすっかり葉をやられてしまいましたが、新しい葉が沢山出てきました。弱そうな雰囲気でしたが、意外と丈夫なのかも。


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Pachypodium enigmaticum
葉が中々出なくてやきもきしましたが、ようやく葉が出揃ってきました。


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Pachypodium makayense
脇芽ばかり伸びて上が坊主状態が続いたので、生長点をやられたのかと思いましたが、どうやら無事な様子。


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Pachypodium eburneum
去年はパキポディウムの苗を結構買いましたが、春先からの動きが悪くてもやもやし通りでした。エブルネウムもようやく動き始めました。


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Pachypodium rosulatum
ロスラツムは大変元気。

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Pachypodium breviacalyx
ブレビカリクスは動きは遅かったものの、葉が出てからは早いみたいです。


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Pachypodium horombense
ホロンベンセは葉の勢いがすごい。


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Pachypodium brevicaule subsp. leucoxantum
白花恵比須笑いは大分生長しましたが、葉の出はいまいち。今年は植え替えたので、今後の生長に期待。


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Pachypodium cactipes
太るばかりのカクチペスですが、今年の葉の伸びはいまいち。


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Pachypodium saundersii
白馬城はマダガスカル原産パキポディウムとも他の南アフリカ原産パキポディウムとも違った独特の雰囲気がありますね。動き始めてからは早いみたいです。


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Pachypodium succulentum
どうにも、鉢が変形するレベルで根詰まりをおこして葉が落ちてから、あまり良くない感じはあります。植え替えたので、まあこれからでしょう。


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Pachypodium windsolii
ウィンドソリィ(ウインゾリー)は動きも早く、生長も勢いがあります。それにしてはお高いのは何故なのか?


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Pachypodium rosulatum var. drakei
葉ばかり伸びますが、将来どのような形に育つのでしょうか?ちなみに、最近ではドラケイはロスラツムの変種ではなくて同種とされているようです。

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Pachypodium bispinosum
地下部分が太りすぎて根詰まりしていないか、やや心配です。


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Pachypodium brevicaule
神代植物公園の多肉植物展で入手した恵比須笑いですが、非常に元気です。


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Pachypodium densiflorum
デンシフロルム自体が丈夫なのとでかいこともあり、非常に元気です。花も春先からずっと咲き続けています。


そういえば、パキポディウムと言えば、マダガスカル原産の種をロスラツムにまとめる考え方もあるようです。よく言われるのは、グラキリウス、カクチペス、エブルネウム、マカイエンセ、イノピナツム、場合によってはブレビカウレあたりはロスラツムの変種扱いされたりします。しかし、現状ではロスラツム系は変種ではなくて亜種扱いが、どうも認められる傾向みたいです。分子系統を調べた論文もありますから、そのうち記事にしてみようかと考えています。


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先日、なにやら"クラビコーラ"なる名札が付いたユーフォルビアを入手しました。どうやら、"クラビコーラ"ではなく、クリビコラ(Euphorbia clivicola)が正しい名前のようです。原産地は南アフリカのKuwZulu-Natal、Northen Provinces、スワジランドの限られた地域だそうです。
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Euphorbia clivicola
入手時の写真ですが、園芸店で手に取った時に大きさの割りに安いなあとまず思いました。しかし
、少し調べると生長は遅いみたいですね。このサイズでも結構育てるのに結構時間がかかっていそうです。
帰宅してからまじまじと眺めると、のっぺりとしていて妙にメリハリがないというか、何だか雑な雰囲気でしたね。
どうやら、地下の大きい塊根から無数の枝を伸ばすタイプのようです。ネット検索で出てくる海外の株は、生育して沢山の枝が密集して広がり、まるで巨大なタコものユーフォルビアのようです。ちゃんと育てれば素晴らしいユーフォルビアになる可能性を秘めた種類のようです。

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地下がどうなっているのか気になって、植え替えがてら見てみることにしました。すると、根はかなり太く強い感じでした。まあ、根の量が多いので鉢はギチギチでした。
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植え替え後。右に置いた元の鉢がえらく小さく見えますね。根が太るタイプなので大きめの鉢に植えました。

クリビコラの学名は1951年に命名されたEuphorbia clivicola R.A.Dyerです。R.A.Dyerはイギリスの植物学者のTurner Thiselton Dyerのことです。Dyerは進化論で知られるチャールズ・ダーウィンと、植物分類で著名なジョージ・ベンサムの推薦でイギリス王立協会のフェローに選ばれたそうです。

最後に大変残念な情報です。
クリビコラの原産地の保全状況は非常に悪化しており、南アフリカでは絶滅危惧種に指定されています。1986年にパーシーファイフ自然保護区に1500個体ありましたが、1996年には165個体、2005年には58個体、最近の調査ではたったの10個体しか発見出来ませんでした。クリビコラはポロクワネ郊外の都市部にも自生しており、1986年には都市部に3000個体ありましたが、2005年には651個体だそうです。
自然保護区のクリビコラはアンテロープ(レイヨウ)の踏みつけや害虫、火災により減少しています。都市部のクリビコラは廃棄物の投棄やネズミの害によるものとされています。
クリビコラは多肉ユーフォルビアには珍しく雄株・雌株に分かれていない両性花だそうです。この場合、一株で種子が採れますから、生育が遅いとは言うものの繁殖は難しくないでしょう。ですから、増やすのは簡単ですから栽培品はいくらでも増やせます。しかし、栽培品と自生株は異なります。自生株は産地ごとに外見的ないし遺伝的な特徴が大なり小なり違いがあります。しかし、栽培品は産地を無視して育生されがちですから、栽培品を自然に還すことはよほど慎重でなければなりません。例えば、研究機関の栽培室で産地情報が正式に記載された系統が維持されているならば野生に還すこともできるかもしれませんが。
それと、意外にも原産地からの輸入株であっても、由来が確実とは言えないようです。自生地のナーセリーでは、園内に来る蜂などによって野生株(別種を含む)との交雑がおきているそうです。ましてや我々栽培家の育生株は、その多くは様々な産地由来の個体が交配されてきて、しかも園芸的価値が高い個体が選抜されてできたものです。野生株とはまったくの別ものでしょう。
クリビコラは野生株の園芸上の価値が高いわけではありません。ですから、盗掘による被害はないのでしょう。しかし、逆に価値がない植物は、悲しいかな中々保護対象にはなりません。自然保護区にあっても、保護活動の対象でなければ元通りにはなりません。保護活動には人も金もかかりますから、簡単には出来ません。例えば、クジラの保護活動なら億単位の寄付金が集まりますが、役に立たない地味なクリビコラの保護活動に寄付金を出す人はいませんからね。ゴリラの保護活動ですら資金が集まらず、ゴリラの研究者が観光客向けのゴリラ観察ツアーを開催して、そのお金でレンジャーを雇って保護活動しているくらいです。地味な植物となればなおのこと、その程度の資金さえ集められないでしょう。本当に難しい問題です。



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2014年に出た『
A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae Subfamily Alooideae : A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?』という論文の紹介です。昨日は、アロエ属、ハウォルチア属、クマラ属について解説しました。今日はその続きです。

アストロロバ属とツリスタ属
アストロロバ属は硬葉系ハウォルチア=ハウォルチオプシスの縦長に変形したパターンに見えますから、ハウォルチオプシスの中から出てきたグループに思えます。同様にツリスタ属もハウォルチオプシスの中の1グループに思えます。しかし、実際にはアストロロバもツリスタもハウォルチオプシスとは近縁ではあるものの、ハウォルチオプシスと姉妹群を形成するのはガステリア属であり、アストロロバとツリスタは旧アロエ属のゴニアロエ属やアリスタロエ属と姉妹群を形成することが分かりました。
ガステリア属やアストロロバ属は非常によくまとまったグループです。対してゴニアロエ属やアリスタロエ属は、やや不確実とみられています。ポエルニッチア属をアストロロバ属に含めるという考え方と同様に、ゴニアロエ属とアリスタロエ属をツリスタ属に含めるべきであるという意見もあるようです。
アストロロバ属の花は特異的で、他グループと明らかに異なるます。さらに、ポエルニッチア属とされることもあるAstroloba rubrifloraは、アストロロバとしては特異的な花ですが、鳥媒花として特殊化したアストロロバとされます。
ハウォルチオプシス属は3つのグループがあるように見えます。コエルマニオルムは葉緑体と核の遺伝子解析結果が異なり、やや混乱した結果です。しかし、花の構造の類似性からハウォルチオプシス属に含めるとしています。


    ┏━━━━Gasteria
    ┃
┏╋━━━━Haworthiopsis①
┃┃
┃┗━━━━Haworthiopsis②

┫┏━━━━Haworthiopsis koelmaniorum
┃┃
┃┃        ┏━Tulista
┃┃    ┏┫
┗┫    ┃┗━Gonialoe
    ┃┏┫
    ┃┃┗━━Aristaloe
    ┗┫
        ┗━━━Astroloba

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Astroloba spiralis

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Haworthiopsis koelmaniorum

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Tulista kingiana

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Tulista minor(=Tulista minima)

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Gonialoe variegata(=Aloe variegata)

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Aristaloe aristata(=Aloe aristata)

ガステリア属
ガステリア属は非常にまとまりのあるグループです。花は赤系統で、まさにgaster=胃のような形の花が咲きます。ガステリア属の特異的な花は、受粉を鳥が行うために特化した形のようです。植物分類学では花の形態を指標としてきましたが、アロエ類の分類には使えないようです。アロエ属は鳥と昆虫が受粉しますが、ハウォルチア属は昆虫による受粉へ、ガステリア属は逆に昆虫媒花から鳥媒花に回帰したグループです。
ガステリア属は最近手をだし始めたばかりですが、手持ちのG. carinataやG. pillansiiは分子系統の根元にあり、あるいはやや原始的な種なのかもしれません。根元から先の分類は、一例に並んでいてあまり系統関係をみれていないようです。短期間に進化した可能性があります。

ガステリア属の分子系統
                ┏━Gasteria disticha
            ┏┫
            ┃┗━Gasteria polita
        ┏┫
        ┃┗━━Gasteria doreeniae
        ┃
        ┃┏━━Gasteria obliqua
        ┣┫
        ┃┗━━Gasteria rawlinsonii
        ┃
        ┃┏━━Gasteria glauca
        ┣┫
        ┃┗━━Gasteria glomerata
        ┃
        ┃┏━━Gasteria pulchra
        ┣┫
        ┃┗━━Gasteria tukhelensis
        ┃
        ┣━━━Gasteria acinacifolia
    ┏┫ 
    ┃┣━━━Gasteria nitida var. armstrongii
    ┃┃
    ┃┣━━━Gasteria batesiana
    ┃┃
    ┃┣━━━Gasteria ellaphieae
    ┃┃
┏┫┣━━━Gasteria excelsa
┃┃┃
┃┃┗━━━Gasteria vlokii
┃┃
┫┃┏━━━Gasteria carinata
┃┗┫
┃    ┗━━━Gasteria croucheri

┗━━━━━Gasteria pillansii


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Gasteria pillansii

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Gasteria glomerata

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Gasteria ellaphieae

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Gasteria vlokii

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Gasteria carinata

ハウォルチオプシス属
ハウォルチオプシス属はガステリア属の姉妹群です。葉緑体の遺伝子解析ではH. koelmaniorumはアストロロバ属やツリスタ属に近縁な様にみえますが、核の遺伝子解析ではH. venosaに近縁となっています。今後、さらに詳細な解析が必要でしょう。
白いイボを持つH. fasciataやH. attenuataから、白いイボを持ち縦長に伸びるH. reinwardtii(鷹の爪)やH. coarctata(九輪塔)が進化してきたのではないかと思っていましたが、必ずしもそうではないことが分かりました。それどころか、非常によく似たH. fasciataとH. attenuataは、葉緑体の遺伝子解析でも核の遺伝子解析でも、ハウォルチオプシス属の中ではそれほど近縁ではないことが分かりました。個人的には大変な驚きです。

ハウォルチオプシス属の分子系統
┏━━━━━━━Gasteria

┃                    ┏━Haworthiopsis reinwardtii
┃                ┏┫
┃                ┃┗━Haworthiopsis nigra
┃            ┏┫
┃            ┃┗━━Haworthiopsis coarctata
┃        ┏┫
┃        ┃┗━━━Haworthiopsis glauca
┃    ┏┫
┃    ┃┣━━━━Haworthiopsis bryunsii
┃    ┃┃  
┃┏┫┗━━━━Haworthiopsis sordida
┃┃┃
┃┃┃┏━━━━Haworthiopsis fasciata
╋┫┗┫
┃┃    ┗━━━━Haworthiopsis longiana
┃┃
┃┗━━━━━━Haworthiopsis limifolia

┃┏━━━━━━Haworthiopsis venosa
┗┫
    ┗━━━━━━Haworthiopsis attenuata


DSC_0837
Haworthiopsis reinwardtii f. kaffirdriftensis

DSC_0833
Haworthiopsis fasciata

DSC_1547
Haworthiopsis attenuata

最後に
ここまで長々とアロエ類の分類について、論文の内容を私の要らん感想を交えながら解説してきました。しかし、実を言えばこの論文が最終的な解答ではないのかもしれません。この論文では5つの遺伝子を調べていますが、遺伝子によっては種の系統関係が異なる結果となっています。遺伝子解析も万能ではありません。もっと沢山のデータを蓄積し、過去のデータとの整合性を高める努力が必要です。現在でも研究は進行しているのでしょうし、最新情報に更新され続けていくのでしょう。この論文も議論があるのでしょうし、再試験によるチェックも受けるでしょう。
しかし、種同士の関係性はまだしも、全体的な属同士の系統関係はほぼ判明したと言っても良いのではないでしょうか。部分的に怪しい部分はありますが、かつての分類体系に戻ることはないでのしょう。

さて、遺伝子解析によるアロエ・ハウォルチアの分類について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? いいや、こんなものは認めんという方もおられるかもしれませんが、一つの考え方として提示させていただきました。善かれ悪しかれ、興味を持っていただけたのでしたら誠に幸いです。
これからも、面白い論文を見つけましたら、ぼちぼち紹介していきたいと思います。




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かねてより、私のブログでことあるごとに、アロエ属やらハウォルチア属やらが再編されて、ゴニアロエ属だのクマラ属だのハウォルチオプシス属だのツリスタ属が分離して云々と聞かれてもいないのにうるさく書いてきました。しかし、いったい何の根拠があってそんなことを言っているのか疑問に思う方も、もしかしたらおられるかもしれません。まあ、どうでも良いと言われてしまいそうですが…

遺伝子を調べる
私がその根拠としているのは、2014年に出た『A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae Subfamily Alooideae : A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?』という論文です。適当に訳すと「ツルボラン科アロエ亜科の分子系統学と一般分類 : アロエ類における多系統の厄介な問題の最終的な解決?」といったところでしょうか。要するにアロエ類(アロエやハウォルチア、ガステリアなどの仲間の総称)の遺伝子を調べて、その近縁を解析しているわけです。

内容について見てみましょう。冒頭は解析した遺伝子について述べられています。遺伝子解析というと全ての遺伝子を調べる様に思えますが、実はそうではなくて特定の遺伝子の配列のみを調べるのです。この論文では、光合成に関わる葉緑体の4つの遺伝子と、細胞核の1つの遺伝子を解析しているようです。1つの遺伝子では不確実ですが、複数の遺伝子解析の結果が符合すれば確実性が増します。もしかしたら、調べる対象の得手不得手をカバーする目的もあるのかも知れません。


吸収された分類群
アロエ類は伝統的にアロエ属、ハウォルチア属、ガステリア属、アストロロバ属に分けられてきました。さらに、ロマトフィルム属とコルトリリオン属、さらにポエルニッチア属を認める考え方もあります。

1, ロマトフィルム Lomatophyllum
ロマトフィルムは1811年に命名されました。マダガスカル周囲の島嶼部に分布し、果実が多肉質であることでアロエから区別されました。調べた限りではロマトフィルム属とされたことがあるのは28種類でした。しかし、そのうち3種類はドラセナ(Dracaena)で、6種類は同一種とされています。現在ではアロエ属とされています。


2, コルトリリオン Chortolirion
コルトリリオンが最初に命名されたのは1908年です。コルトリリオンは一見して球根植物の様な外見をしています。花はハウォルチアに良く似ていて、19世紀に命名された種は、実際にハウォルチアとされました。
が確認したコルトリリオンは6種ですが、現在は全てアロエ属とされています。調べた限りではChortolirion angolenseはAloe welwitschii、Chortolirion subspicatumはAloe subspicata、Chortolirion latifoliumはAloe jeppeae、Chortolirion bergerianum=Chortolirion stenophyllum=Chortolirion tenuifoliumはAloe bergerianaとされているようです。

アロエの分子系統
ロマトフィルムやコルトリリオンは、アロエ属の中に組み込まれています。L. anivoranoensisのとなりにA. haworthioidesがありますが、となりに書いてあるから、より近縁というわけではありません。A. haworthioidesなどは兄弟姉妹みたいなもので、今はまだ誰が兄で誰が弟かは分かりません。さらに細かく調べれば、それも分かるかもしれません。アロエ属に絞って解析した論文があるかもしれませんから、見つけたらまた記事にします。
※アロエ属全種類を調べてはいません。
                        ┏ ━Aloe nubigena
                        ┃
                    ┏╋━Aloe kniphofioides
                    ┃┃
                    ┃┗━Aloe ecklonis
                    ┃
                    ┣━━Aloe fouriei
                    ┃
                    ┣━━Aloe challisii
                    ┃
                    ┣━━Aloe vossii
                    ┃
                ┏╋━━Aloe verecunda  
                ┃┃
                ┃┣━━Aloe ferox
                ┃┃
                ┃┣━━Aloe thraskii
                ┃┃
            ┏┫┣━━Aloe excelsa
            ┃┃┃
            ┃┃┣━━Aloe arborescens
            ┃┃┃
            ┃┃┗━━Aloe saundersii
            ┃┃
            ┃┗━━━Aloe petricola
            ┃
            ┃┏━━━Aloe reynoldsii
            ┃┃
            ┃┣━━━Aloe striata
            ┣┫
            ┃┣━━━Aloe kouebokkeveldensis
            ┃┃
            ┃┗━━━Aloe buhrii
            ┃
            ┃    ┏━━Aloe brevifolia
            ┃┏┫
            ┃┃┗━━Aloe lineata
            ┣┫
            ┃┗━━━Aloe chabaudii
            ┃
            ┃┏━━━Aloe succotrina
            ┃┃
        ┏╋┫┏━━Aloe glauca
        ┃┃┃┃
        ┃┃┗┫┏━Aloe microstigma
        ┃┃    ┗┫
        ┃┃        ┗━Aloe pictifolia
        ┃┃
        ┃┃┏━━━Aloe spicata
        ┃┣┫
        ┃┃┗━━━Aloe lutescent
        ┃┃
    ┏┫┣━━━━Lomatophyllum anivoranoensis
    ┃┃┃                  (=Aloe anivoranoensis)

    ┃┃┣━━━━Aloe haworthioides
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━Aloe comosa
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━Aloe rupestris
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━Aloe angelica
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━Aloe vryheidensis
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━Aloe hereroensis
    ┃┃┃
    ┃┃┗━━━━Aloe munchii
    ┃┃
┏┫┗━━━━━Chortolirion angolense
┃┃                                  (=Aloe angolense)

┃┃┏━━━━━Aloe chortolirioides
┃┃┃
┃┃┣━━━━━Aloe propagulifera
┃┃┃
┃┃┣━━━━━Aloe alooides
┃┃┃
┃┣╋━━━━━Aloe albida
┫┃┃
┃┃┣━━━━━Aloe perfoliata
┃┃┃
┃┃┣━━━━━Aloe dewinteri
┃┃┃
┃┃┗━━━━━Aloe arenicola
┃┃
┃┗━━━━━━Aloe melanacantha

┗━━━━━━━Aloe pearsonii

3, ポエルニッチア Poellnitzia
ポエルニッチアは最初に命名されたのは1940年です。ポエルニッチアはただ1種類のPoellnitzia rubrifloraがあり、赤系統の花を咲かせます。アストロロバに良く似ていますが、アストロロバはみな白花ですから、ルブリフロラ(rubri=赤い、flora=花)は特異的です。2000年にルブリフロラをアストロロバとする意見があり、現在ではルブリフロラはAstroloba rubrifloraが正式な学名です。しかし、未だにポエルニッチアを認める立場の研究者もいるそうです。
この論文ではルブリフロラはアストロロバに吸収されています。何でも、ルブリフロラは鳥が受粉を行っており、花はそれに合わせて変化したもののようです。

DSC_0982
Poellnitzia rubriflora
=Astroloba rubriflora


アストロロバの分子系統
アストロロバはポエルニッチアを含め、非常によくまとまったグループです。アストロロバはツリスタ+アリスタロエ+ゴニアロエと姉妹群を形成します。
    ┏━━━Gonialoe
    ┃
┏┫┏━━Tulista
┃┗┫
┃    ┗━━
Aristaloe
┃       
┫        ┏━Astroloba corrugata
┃    ┏┫
┃┏┫┗━Astroloba herrei
┃┃┃
┗┫┗━━Astroloba foliolosa
    ┃
    ┗━━━Poellnitzia rubriflora
                   (=Astroloba rubriflora)


分離した分類群
既存の分類群に吸収されたというか、元の鞘に戻ったものがいる一方、分離されたものもあります。先ずはアロエ属から分離した、アリスタロエ属、ゴニアロエ属、クマラ属、アロイアンペロス属、アロイデンドロン属です。さらに、ハウォルチア属から分離したハウォルチオプシス属とツリスタ属があります。
近縁関係でいうと、クマラ属とハウォルチア属、アストロロバ属とアリスタロエ属とゴニアロエ属とツリスタ属、ハウォルチオプシス属とガステリア属はそれぞれグループを形成しています。
私が思うに、アロエ類の進化は葉が柔らかいアロイデンドロン属からアロエ属までと、葉が硬いアストロロバ属からガステリア属があるという風に理解しています。アロエ属には葉が柔らかいものと硬いものとがあり、アロエ属から別れたグループ(アストロロバ、アリスタロエ、ゴニアロエ、ツリスタ、ハウォルチオプシス、ガステリア)の葉はみな硬いということに、進化的な意味があるような気がします。

アロエ類の系統図
┏━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━
Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━Gonialoe属
            ┃┃    ┗┫
            ┗┫        ┗━
Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━Gasteria属


クマラ属とハウォルチア属
クマラ属とハウォルチア属は近縁です。ここでいうハウォルチアは軟葉系ハウォルチアのことで、硬葉系ハウォルチアと呼ばれたハウォルチオプシス属とツリスタ属を含みません。クマラ属はかつてアロエ属でしたが、アロエ属とは系統的に離れています。クマラ属とハウォルチア属はともにイボやトゲがないグループです。
顕花植物の分類は基本的に花の構造により行われてきました。しかし、ハウォルチア型の花はハウォルチア属、ハウォルチオプシス属、コルトリリオン属(=アロエ属)で共通していますから、これらは系統的に近縁と考えられてきました。しかし、分子系統解析の結果から、ハウォルチア型の花はそれぞれ独立して進化したことが分かりました。花の蜜成分の含有量においても、異なるという報告もあり、花の類似は収斂進化の結果なのかもしれません。ハウォルチア型の花は昆虫媒花の結果として進化したようです。
クマラ属はKumara plicatilis(=Aloe plicatilis)とKumara haemanthifolia(=Aloe haemanthifolia)がありますが、この2種を比較するとやや離れています。とは言うものの、
他のアロエ属と比較した場合には近縁ですから、この2種がまとまったグループであることは間違いないのでしょう。もしかしたら、過去に2種の間を埋めるような絶滅種がいたのかもしれません。

ハウォルチア属の分子系統
                    ┏━Haworthia bayeri
                    ┃
                ┏╋━Haworthia cymbiformis
                ┃┃
                ┃┗━Haworthia cooperi
                ┃
                ┃┏━Haworthia semiviva
                ┃┃
            ┏┫┣━Haworthia mucronata
            ┃┃┃
            ┃┗╋━Haworthia lockwoodii
            ┃    ┃
        ┏┫    ┣━Haworthia arachnoidea
        ┃┃    ┃
        ┃┃    ┗━Haworthia decipiens
        ┃┃
        ┃┗━━━Haworthia marxii
        ┃
        ┃┏━━━Haworthia mirabilis
        ┃┃
        ┃┣━━━Haworthia herbacea
        ┃┃
        ┣╋━━━Haworthia reticulata
        ┃┃
        ┃┣━━━Haworthia retusa
        ┃┃
        ┃┣━━━Haworthia mutica
        ┃┃
        ┃┗━━━Haworthia maculata
        ┃
        ┃┏━━━Haworthia truncata
        ┃┃
        ┣╋━━━Haworthia zantneriana
        ┃┃
        ┃┣━━━Haworthia vlokii
        ┃┃
    ┏┫┗━━━Haworthia outeniquensis
    ┃┃
    ┃┃┏━━━Haworthia chloracantha
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━Haworthia pygmaea
    ┃┃┃
    ┃┣╋━━━Haworthia variegata
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━Haworthia floribunda
    ┃┃┃
    ┃┃┗━━━Haworthia emelyae
    ┃┃
    ┃┗━━━━Haworthia wittebergensis
    ┃
    ┗━━━━━Haworthia blackburniae


DSC_0889
Haworthia mucronata

DSC_0848
Haworthia herbacea

DSC_0767
Haworthia arachnoidea

DSC_1423
Haworthia cooperi

DSC_0621
Kumara plicatilis
=Aloe plicatilis


記事が長くなったので、2つに分けます。


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去る昨年の12月、"クラビラマ"なる名札の付いたユーフォルビアについて記事にしました。この時の記事は単純に育ってきたぞ、というだけの内容でしたが、その後わかったことがありましたから記事にしました。


事の経緯は、2020年の2月にふらふらと多肉植物に引き寄せられて、ガーデンセンター横浜に遊びにいった時の事です。何やら見慣れない多肉植物があったので購入しましたが、上述の如く"クラビラマ"という名前のユーフォルビアでした。
調べると、これはEuphorbia curviramaであり、"蒼蛮閣"なる名前もあることがわかりました。まあ、その時は、"クラビラマ"というよりは、"クルビラマ"だよなぁなんて思ったりしましたが。

DSC_1548
蒼蛮閣 

しかし、2012年に発表された『Normenclature and typification of southern African species of Euphorbia Bothalia』という論文を見ていたら、中々面白いことが書いてありました。何でも、クルビラマは属内交雑種と考えられているとあります。これは、誰かが交配してできた園芸品種ではなくて、原産地で自然と交雑が起きているということのようです。交雑の親は、Euphorbia caerulescensEuphorbia triangularisとされています。これを根拠として、『The World Checklist of Vascular Plants』は、クルビラマの学名をEuphorbia ×curvirama R.A.Dyerとしています。「×」は交配を示す記号です。

いやはや、知らないことばかりで困ってしまいますね。いや、私が無知なだけかもしれませんが、探すと新しい論文が沢山出ていて目が滑ります。これからも、ちまちま情報を集めて記事にしていきたいと考えております。




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ハウォルチアには柔葉系と硬葉系があるとされてきました。柔葉系ハウォルチアにはオブツーサなど、葉に透明な窓がある柔らかくみずみずしいタイプで、こちらはその可愛らしさからか大人気です。逆に硬葉系ハウォルチアは葉が非常に硬く透明の窓がないものも多く、地味でどちらかと言えばマニアックな存在でした。
ところが、2013年にイギリスの植物学者である
Gordon Douglas Rowleyが、ハウォルチア(Haworthia)から硬葉系ハウォルチアを分離しハウォルチオプシス(Haworthiopsis)としました。2014年には遺伝子解析によりRowleyの主張は正しいことが確認されました。遺伝子解析による分子系統によると、ハウォルチアとハウォルチオプシスは同じ"アロエ類"ではあるものの、それほど近いわけではないようです。硬葉系ハウォルチア=ハウォルチオプシスは、意外なことにむしろガステリアに近いことがわかりました。

アロエ類の系統図
┏━━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━━Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━━Gonialoe属
            ┗┫    ┗┫
                ┃        ┗━━Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━━Gasteria属


昔からある"十二の巻"
さて、上記の如く激変があったばかりのハウォルチオプシスですが、それで人気が出るわけでもなく、相変わらず目立たない存在です。そんなハウォルチオプシスの中でも昔から"十二の巻"はよく知られていす。今でも多肉植物の寄せ植えに入っていたりします。しかし、十二の巻はあまり上等と思われていないせいか、また丈夫なこともあり、室内に置かれて徒長している姿が多い様に思われます。十二の巻を単独でキレイに育てようとする人はあまりいない気がします。
DSC_1549
十二の巻

さて、ネットで軽く十二の巻を検索すると、Wikiにしろネット植物図鑑にしろ、あるいは個人ブログにおいても、だいたい同じ内容が書いてあります。曰く「十二の巻はHaworthia fasciata(ファスキアータ)」、そして「南アフリカのケープ州の原産」だそうです。ところが、これらは全て間違いです。実は何度かブログ内でそう主張してきたわけですが、そこは悲しいかな弱小ブログの悲しい性ゆえ世間に知れ渡ることはありませんでした。仕方がないので、主張を強化する多肉植物が増える度に、記事を繰り返し書くことになった次第です。

ファスキアタと比べてみよう!
多肉植物、特にハウォルチアは原産地で採取された個体の系統を維持・保存した株が存在します。その証がフィールドナンバーです。フィールドナンバーは、例えば、H. fasciataを購入したら、ラベルに「JAA1262」と表記してあったとしましょう。JAAはJean Andre Audissouという採取した人名の略で、1262はその採取人が採取した1262番(1262地点)の植物という意味です。フィールドナンバーの情報は調べることができます。JAA1262なら、「E. of Hankey, South Africa」という採取地点の情報と、「24/07/2009」という採取年月日が分かります。年月日はイギリス式なので、「日/月/年」ですね。このように、人為的に交配していない野生株が入手可能なのです。

さて、そういうわけで、「十二の巻」ではなくて「H. fasciata」の名前で購入した株をご紹介しましょう。まずは、鶴仙園で入手した「H. fasciata 
DMC05265」です。

DSC_1550
Haworthiopsis fasciata DMC05265
十二の巻と良く似ています。白いイボがまばらですが、これは個体差がありますから、見分け方にはなりません。むしろ、十二の巻はこの白いイボが目立つ様に選抜を受けてきたので、違うのは当然でしょう。では、並べて比べてみましょう。

DSC_1546
左が十二の巻で、右がファスキアタ
見分け方はあるのでしょうか?
実はあります。というより、海外ではファスキアタはあまり入手出来ないようで、ファスキアタと良く似ていて普及しているアテヌアタ(H. attenuata)との見分け方が、趣味家の間でも議論されているのです。
ファスキアタの最大の特徴は葉の内側です。ファスキアタの葉は内側に白いイボがありませんが、アテヌアタは葉の内側に白いイボがあります。実際に見てみましょう。

DSC_1552
ファスキアタの葉の内側には白いイボはありません。

DSC_1551
対して十二の巻は、葉の内側に白いイボがあります。
なるほど、これは分かりやすい違いです。ここで疑問がわきます。では、十二の巻とは何者なのでしょうか?

アテヌアタと比べてみよう!
ここまでの流れでお察しの通り、恐らくは十二の巻はアテヌアタ系統です。海外の話題でありました通り、ファスキアタと良く似ていて、葉の内側に白いイボがあるのは、つまりアテヌアタということになります。
アテヌアタと比べてみましょう。

DSC_1541
左は"特アルバ"の名前で売られているアテヌアタです。白いイボが強いアテヌアタの選抜個体です。

DSC_1542
葉の内側はやはり白いイボがあります。やはり、十二の巻はアテヌアタ系統のようです。

十二の巻は交配種?
十二の巻は特徴から見て、アテヌアタ系統です。しかし、長年ファスキアタとされてきました。純系のアテヌアタとして系統は維持されて来たのでしょうか? 近縁種と交配していないかは分かりませんが、市販されている十二の巻は、生産者さんにより結構違いがあります。株分けによるクローン株なら、そこまで違いは出ないはずですから、ある程度は交配されていてもおかしくはない気がします。もちろん、アテヌアタの異なるタイプの間で交配されてきた可能性もあります。しかし、由来がまったくわからないことだけは確かです。

付記
最近入手した株を付記として示しておきます。
DSC_1544
左はHaworthiopsis fasciata fa.vanstaadenensis
右はHaworthiopsis fasciata DMC05265

DSC_1545
やはり、ファスキアタの葉の内側には、白いイボはありません。

DSC_1547
左はHaworthiopsis attenuataの特アルバ
右は松の雪


DSC_1511
松の雪はHaworthiopsis attenuataの白いイボが繋がらずばらつくタイプ。イボは写真では見にくいですが、葉の内側にもつきます。


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梅雨明け後、急に炎天下となり遮光する前に、多肉たちはダメージ食らってしまいました。私は例年特に真夏でも遮光はしない主義なのですが、私のメイン多肉のユーフォルビアは、太く引き締まった姿に育って欲しいからです。しかし、今年は梅雨明けから太陽光がMAXだったせいか、多肉たちも対応出来なかったみたいです。平気なやつは平気なんですけどね。一応、不織布をかけました。いや、不織布なんて光の透過率が95%か97%あたりだったと思うので、遮光率は数%しかないので、焼石に水というかおまじないレベルですけどね。遮光ネットなんぞないので、緊急避難措置という奴です。ないよりはマシくらいなものですが。一応、あかん感じの奴はハウォルチアの棚に移動させました。そこまで鬼ではありませんから。

DSC_1476
Euphorbia cylindrifolia
暑さは平気なようで、花が咲きまくっています。

DSC_1475
Euphorbia tulearensis
ツアレンシスも元気。ノーダメージで花を咲かせまくっています。お高くて小さいのに意外と図太い奴なんです。

DSC_1518
アンボボンベンシスは葉を全てやられました。枝が一つで、葉が少なく中々生長しないのに、どうするのさといった感もありましたが、ここは移動させずに様子見しました。強光に耐える新葉が出てくることを期待しましたが、意外と早く回復中。

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花キリンは周年元気です。

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Euphorbia caput-medusae
本当に小さい枝がまだないタコものユーフォルビアでしたが、炎天下の中でも元気に枝を伸ばし始めました。

DSC_1531
Aloe somaliensis
ソマリエンシスはがっつり葉をやられました。葉色的にあまり強光は駄目だろうと予測しておくべくでした。アロエは大丈夫だろうという油断が招いた悲劇です。


DSC_1474
Aloe polyphylla
葉が巻いて外葉が枯れ始めました。ポリフィラは水多めがいいみたいですね。乾燥しすぎて、葉がペラペラです。

DSC_1473
Euphorbia phillipsioides
ソマリアものですが、意外に元気。仔を吹いて、新トゲは強くなっています。


DSC_1465
Euphorbia fruticosa
元気に開花中。花は砂糖菓子みたい。

DSC_1521
Euphorbia procumbence
真っ赤になりながらも元気。花芽が出ています。


DSC_1534
Euphorbia franaganii
孔雀丸は開花中ですが、枝はほぼなくなりました。


DSC_1535
Euphorbia inermis
九頭竜は大ダメージです。タコものユーフォルビアでも反応は様々。


DSC_1523
Euphorbia neohumbertii
葉色が危険信号を出しています。


DSC_1524
Euphorbia viguieri
上記のE. neohumbertiiに近い仲間ですが、こちらは元気一杯。


DSC_1525
Haworthiopsis koelmaniorum
軽い遮光下のハウォルチア棚にありますが、ヤバめな色合い。これ以上の強光は駄目かもしれません。


DSC_1527
Euphorbia colummaris
割りと危険なソマリアもの。とりあえずは大丈夫そうです。


DSC_1532
Euphorbia bupleulifolia
鉄甲丸は何故か花が咲き始めました。今年で2回目です。


DSC_1533
Operculicarya borealis
オペルクリカリアは小苗でも平気。


DSC_1526
Fouquieria colummaris
観峰玉の苗ですが、葉色が悪くなり日焼けしたと思いきや、なんとハダニでした。焦らせてくれます。しかし、先のビッグバザールでの購入時にはハダニはいなかったので、メイド・イン・我が家のダニなんでしょうかね? 発生源を探さないと無限湧きしかねません。


基本的にユーフォルビアやアロエは今まで遮光して来なかったので、ユーフォルビアがダメージ喰らっているのをみて、流石に慌てました。しかし、直ぐに対処出来ないあたりはいかにも素人ですね。これに反省してどうにかしなければ…
※素直に遮光ネットを張ればいいだけなんですけどね。




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去年の冬のTOCビッグバザールで購入した"闘牛角"を紹介します。南アフリカ原産のユーフォルビアで、枯れた枝が残り荒々しい風貌となります。野生株のその堂々とした姿は、まさに多肉ユーフォルビアの王様にふさわしい姿と言えます。
分類はトウダイグサ(ユーフォルビア)科トウダイグサ(ユーフォルビア)属リザンチウム亜属アンタカンタ節ですが、いわゆるタコものとかメデュソイドとか呼ばれる奴です。

DSC_1470
闘牛角

タコものユーフォルビアは一般的にやや遮光気味に育てた方が綺麗に仕上がります。あまり日照が強いと枝があまり伸びず、枝の寿命が短いことから枝の数も少なくなり何となくみすぼらしい見た目になり勝ちです。
しかし、闘牛角は枯れた枝が残り、トゲの様に見えるところが最大のポイントです。あまり枝が伸びると、枝が枯れた時にトゲに見えず荒々しい風貌を再現出来ません。枝が短いと鋭い尖った形となり、美しい闘牛角となります。
DSC_0593
購入時。細い枝がひょろひょろ伸びています。これでは、いいトゲになりません。

そういえば購入時、カイガラムシが付いていました。ミリ単位のサイズのなんかかさぶたみたいな奴です。特に殺虫剤は使わず、つまようじで毎週ちまちま除去しました。これがマミラリアとか本体に手が出せないタイプのサボテンだったらそんなことは出来ないでしょうけれど、大抵のユーフォルビアは形的に物理攻撃が有効だったりします。すぐにいなくなりました。簡単簡単。

闘牛角は多肉ユーフォルビアには珍しい冬型ということですから、耐寒性はまあまああるのかもしれませんが、多肉ユーフォルビアの定めとして冬の完全屋外栽培は難しいでしょう。逆に暑さには弱く真夏は水を切りたくなりますが、ユーフォルビアは完全断水すると根が弱るのである程度は水やりは必要です。

さて、闘牛角の学名は1904年(1904 Publ. 1905)に命名された、Euphorbia schoenlandii Paxです。Paxはドイツの植物学者であるFerdinand Albin Paxのことです。
そういえば、闘牛角には歓喜天というそっくりさんがいて、亜種あるいは変種と考える場合もあるそうですが、現在では別種とされています。歓喜天は枯れた枝が残らないなどの違いがあります。ちなみに、歓喜天の学名は1800年に命名されたEuphorbia fasciculata Thunb.ですが、実は闘牛角より100年以上も命名が早い大先輩だったりします。




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最近、ギムノカリキウムのうち、平べったく育つ瑞昌玉、竜頭、武勲丸、バッテリーといったあたりについて、情報をまとめて来ました。

G. quehlianumについて
G. ochoterenaeについて

今回は怪竜丸についてです。怪竜丸は昔から国内でも流通しているギムノカリキウムの一種です。ただし、その出自などは謎に包まれています。


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怪竜丸

快竜丸?怪竜丸?
ネットでは怪竜丸あるいは快竜丸の名前で売られていますが、混同されているパターンと、区別されているパターンがあります。
ここでは、まず「優型ギムノを守る会」という、1961~1978年にかけて存在した会の会誌を参照にしてみます。
「快」竜丸は戦前からG. bodenbenderianumの学名で栽培されてきましたが、肌も明るい色でトゲは立ち上がり、鳳頭に近い雰囲気があります。鉄冠という呼び方もあります。
「怪」竜丸は戦後にG. bodenbenderianumの学名で輸入されてきた個体に付けられた名前です。肌は暗くトゲは張り付くように付きます。会誌では快竜丸Bタイプ=怪竜丸ということです。
私の所有個体は「怪」竜丸の方ですね。


園芸名と学名の関係
輸入されてきた時は、G. bodenbenderianumでしたが、本やサイトにより異なる学名がついている事があります。
ギムノフォトプロムナードの記事によると、G. bodenbenderianumは守殿玉に当てられ、怪竜丸にはG. basiatrumが当てられています。欧州の種子販売リストでは、G. bodenbenderianumとG. basiatrumが業者により混在しているみたいです。

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守殿玉

しかし一番の問題は、怪竜丸が分類学上の種を示してはいないということです。輸入されたある特徴を持ったタイプに怪竜丸の名前がついただけで、ある種類全体についた名前ではないからです。
原種や亜種、変種にそれぞれ園芸名がつけられることは良くあることです。しかし、怪竜丸がG. basiatrumの1タイプであるとして、G. basiatrumという種全体を怪竜丸と呼ぶことは出来ないからです。なぜなら、G. basiatrumとして採取された個体が、全て怪竜丸の特徴を持っているわけではないからです。
あくまで、怪竜丸はG. basiatrumの1タイプについた名前でしかないということです。
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学名
怪竜丸の学名は2014年に命名されたG. basiatrum F.Berger, Amerh. & Sedlmeierで、守殿玉の学名は1929年に命名されたGymnocalycium bodenbenderianum (Hosseus ex A.Berger) A.Bergerです。
G. bodenbenderianumは異名が多く私が確認しただけで実に24もありました。有名どころのみを列挙してみます。

1959年 G. triacanthum Backeb
1962年 G. occultum Frick ex 
Schütz
    →1996年 G. stellatum subsp. occultum
                         Frick ex H.Till & W.Till

    →2008年 G. occultum
                   (Frick ex H.Till & W.Till) H.Till

1966年 G. kozelskyanum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. kozelskyanum
                         
Schütz ex H.Till & W.Till
1966年 G. moserianum Schütz
    →2008年 G. intertextum f. moserianum
                                                  J.G.Lamb.

1966年 G. asterium var. paucispinum Backeb.
    →1975年 G. stellatum var. paucispinum
                                 (Backeb.) R.Strong
    →1991年 G. riojense subsp. paucispinum
                           Backeb. ex 
H.Till & W.Till
    →2008年 G. paucispinum
                   (
Backeb. ex H.Till & W.Till) H.Till
1982年 G. piltziorum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. piltziorum 
                                  Schütz ex H.Till & W.Till
1991年 G. riojense Frick ex H.Till & W.Till

最後に
ここのところ、G. quehlianum、G. ochoterenae、G.bodenbenderianum、G. basiatrumといった、分類学的にも混乱している割りと似た連中についてまとめて来ました。あとは、G. ragoneseiくらいでしょうか。とりあえずは、この一連のシリーズも終了です。もし、新たに異なるタイプを入手しましたら、改めて記事にはするかもしれません。

そういえば、最近ではサボテンは多肉植物に押されぎみで、イベントではその主役の座を明け渡したように思われます。
しかし、サボテンは代表的な多肉植物で本来は多肉植物の1つなのに、「サボテン・多肉植物」という風にある種の特別扱いをされてきたわけで、さしずめサボテンは多肉植物の王様です。それは、サボテンは種類が多く、他の多肉植物と比べて日本に入ってきた時期が早かったため、広く普及したことなどがあげられます。
しかし、近年の多肉植物ブームでサボテンは大分影が薄くなったのは様々なサボテン以外の多肉植物も次々と日本に入ってきたことが理由でしょう。
とは言うものの、若い人も含めて明らかに多肉植物ファンは増えていますから、関連してサボテンに興味を持つ人もいるはずです。なんだかんだ言って、実の所ではサボテン人口も増えている様な気もします。
まあ、私は流行りどころに疎く、流行りに上手く乗れないので、不人気種ばかり追いかける羽目に陥り勝ちですけどね。



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土曜日にヨネヤマプランテイションのBIG即売会に行きましたが、5分で済ませて店を出て直ぐに横浜市営バスに飛び乗りました。その足でコーナン港北インター店へ向かうためです。
ここのコーナンはデカイ温室があり多肉植物の豊富さでは有名ですから、せっかく新羽まできたのですから、はしご酒ならぬはしご多肉、あるいは追い多肉です。さて、折本町なるバス停で降りて、ヤナセの横の道を進むと直ぐに温室が見えます。なんと10時ちょいに到着。ほぼ開店時間ですね。

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相変わらず多肉コーナーは広いのですが、ミニ多肉が非常に豊富です。しかし、そういう目立つ多肉の陰にある、何やら薄暗い一角にハウォルチアがありました。私が気になるのは、硬葉系ハウォルチアと呼ばれる連中です。ひっそりとレア多肉が並んでいて、しばし硬直していました。素晴らしいラインナップで、あれもこれも欲しくなってしまいますが、資金に難があり色々諦めました。残念…、とか言いつつもめちゃくちゃ買いましたけどね! 一点一点は安いのですが、沢山買ったので、金額はそれなりにいってしまいました。いやぁ、困った。
さて、なんだかんだで会計を済ませ、バスに飛び乗りました。ここでも滞在時間は10分くらいです。今日は午後に所用があったのでスピード勝負でした。


本日の購入品はこちら。
今回購入した硬葉系ハウォルチアは、全て今井カクタスさんの苗のようです。調べたところ木更津の生産者さんみたいですが、珍しい多肉を品質良く安価で販売しており好感が持てます。ぜひとも、御贔屓にしたいところです。
※例によって名前はラベル表記のママです。


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プミラ
プミラ(Tulista pumila)は産地により変異幅が大きく、私はこれで3株目。違いを楽しんでいます。

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ミニマ
ミニマと呼ばれることのほうが多いのですが、正確にはミノル(Tulista minor)です。私の所有株はSwellensという地域で採取された特殊個体なので、ノーマルなミノルは素直に嬉しいです。

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瑞閣
瑞閣とありますが、正確には瑞鶴ですね。いわゆるマルギナータ(Tulista marginata)です。まだ小さいので、葉が旋回する前でかわいいですね。個体や産地でイボの様子が異なりますから、将来が楽しみです。我が家のマルギナータと違うと面白いのですが、どうでしょう? まだわかりませんね。

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キンギアナム
キンギアナムではなくキンギアナです。しかし、キンギアナ(Tulista kingiana)ははじめて見ました。これで、ツリスタ属4種類コンプリートです。というか、今日1日で揃ってしまいました。今まで、目を皿の様にしてイベントで探し回っていた過去の自分の苦労は何だったのか…

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スカブラ
Haworthiopsis scabraです。硬葉系ハウォルチアのざらつきだとか、ソリッド感が好きです。


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松の雪
綺麗な名前ですが、いわゆるアテヌアタ(Haworthiopsis attenuata)のイボが繋がらず、細かく散るタイプの名称です。イボが繋がるタイプは"特アルバ"の名前でよく売ってますよね。

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プンゲンス
Haworthiopsis pungensです。ざらつかないタイプの硬葉系ハウォルチアは強光で黄色くなるものもあります。いい色です。


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ヘレイ
Haworthiopsis glauca var. herreiのことです。葉が長くシャープで美しい。実は鶴仙園でフィールドナンバー付きのヘレイをすでに入手しており、今回はタイプがだいぶ異なるので購入しました。ちょうど記事を書くところだったので、ジャストタイミングでした。

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ピランシー
割りと大型になるガステリア、Gasteria pillansiiです。まだ小苗ですから、今後の生長が楽しみです。


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グロメラータ
Gasteria glomerataです。なんか妙にかわいいので買ってしまった…


コーナン港北インター店は遠いので中々行けませんが、行くと何かしら珍しいものがあるので毎回楽しくもあります。
しかし、年甲斐もなくはしゃぎすぎましたね。ヨネヤマプランテイションのBIG即売会と合わせて買いすぎました。金ないです…

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私はどうにも情報収集が下手で、いつも多肉イベントに気が付かずいつの間にやら終わっていたなんてことがよくあります。大抵は多肉好きな方々のブログを見て、えぇ!やってたの?と毎回驚いて落ち込みます。次回の開催情報のパンフレットを記事に貼ってくれているブロガーさんもいて、自力で見つけられない私はありがたすぎて拝んでしまうレベルです。最近、インスタの告知だけとかあまり大々的に宣伝しない多肉イベントが多く、年間の多肉イベントをまとめたネット記事にも載らなかったりします。首都圏の多肉イベントについて、本当に開催を教えて欲しいのですよ。
まあ、私がなんだかんだで把握しているのは、TOCのビッグバザールくらいなもので、今年もいくつかの多肉イベントを心ならずもスルーしてしまいました。 しかし、今回は非常に珍しく気が付きました。7/9-7/10にザ・ガーデン本店ヨネヤマプランテイションで行われる多肉多肉のBIG即売会です。今月はイベントもないし、鶴仙園で散財する遊びをする予定でしたが中止して、昨日行って来ました。
そういえば、ヨネヤマプランテイションは3月にも多肉植物の即売会がありましたが、オトンナなど冬型が多かった様な印象でした。さて、今回はどうでしょうか?

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ヨネヤマプランテイションのスタッフブログではカクタス長田さんの苗が沢山入っていますとありますが、ポスターを見るとコーデックスも豊富な感じがしてこれは期待してしまいますね。
カクタス長田さんの苗は園芸店でもお馴染みで、私がたまに行くシマムラ園芸でも沢山並べられています。ですから、ある種見慣れてはいますが、たまにラインナップをガラリと変えてくることがあり油断なりません。今回はどうでしょうか? 面白い多肉が入っていればいいのですが…

さて、ヨネヤマプランテイションへ私は電車で向かいます。ヨネヤマプランテイションは横浜市営地下鉄ブルーラインの新羽駅のすぐ近くですから、電車で行くには非常に便利です。
営業時間は9時半からということになっています。しかし、前回の即売会では9時半前に到着したものの、すでに開場しており、しかも入場制限がかかっていて入り口で少し並びました。ですから、今回は新羽駅に9時15分くらいに着くようにしました。あまり早く来て長く並ぶのも面倒なので、まあこれくらいがちょうどいい様な気がしますが、入場制限で5分くらい並びました。
入場すると、多肉コーナーは相変わらず激混みですが、私の大好物のユーフォルビアがターゲットです。ユーフォルビアのみを見るようにして、素早くお値段をチェックしました。図鑑を穴が空くほど見ているので、見た瞬間にそれ(ユーフォルビア)とわかります。その中で持っていない種類をゲットしたのです。まあ、焦らなくてもなくならないでしょうけど。しかし、次の予定がありますから、5分で選んで会計を済ませました。

今回の即売会は、やはり夏らしくコーデックスも沢山ありました。もはやお馴染みのパキポディウムに加えて、ドルステニアやアデニアあたりもありましたね。流行りのアガヴェ、オペルクリカリアの苗もありました。あとは珍しくタンクブロメリアがかつて見たことがないレベルで沢山並んでおり、これはファンにはたまらないでしょうね。パキポディウムは苗をじわじわ集めていますが、今回は完全に無視しました。じっくり見ている時間がないもので。
さて、問題のユーフォルビアですが、バリダやオベサは沢山ありましたが、出色なのはグイラミニアナですかね。沢山並んでいて、少し珍しい光景でした。最近よく見る群星冠もありました。しかし、面白いものも入手出来て概ね満足です。

さてさて、最後に購入品の紹介です。
※名前はラベルのママ表記しています。

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ゴットレベイ
Euphorbia gottlebeiです。葉が非常に細い花キリンです。有名種ですが園芸店でははじめて見ました。神代植物公園の大温室にゴッドレベイの大群生株があって見るだけでしたが、まさか入手出来るとは。
花キリン類は丈夫で、花も綺麗で良く咲くので、多肉植物ブームとは関係なく元より人気花木です。まあ、原種系は多肉ブームのおかげで流通しているわけですけどね。

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ユーフォルビア・クラビコーラ
妙な名前だと思い調べても中々出てこなかったのですが、どうやらEuphorbia clivicolaのようです。クラビコーラというよりクリビコラのほうが自然な気がします。まあ、"cola"を「コーラ」と読みたくなる気持ちはよく分かります。
外見的になんか大雑把な感じがしていいですね。実に多肉ユーフォルビアらしい。このサイズ感で何故か激安でしたが、育生時間考えたら儲けにならない気もしますが。まあ、余計なお世話かもしれませんがね。私は安く入手できて嬉しいからいいわけですけど。何ででしょうかね? 確かにいかにも人気が出ない雰囲気はしますが…


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フォーキエリア・フォルモーサ
Fouquieria formosaです。フォークィエリアは4種類育てていますから、これで5種類目です。フォークィエリア属は調べた限りでは11種類くらいあるみたいですけど、国内で入手出来るフォークィエリアはあと何種類ですかね? 別にコンプリートを目指していませんが、あれば気になって買っちゃいます。


私は昨日行って来ましたが、即売会は本日も絶賛開催中です。皆様もお手隙ならば、即売会を覗いてみては如何でしょうか? 面白い多肉が沢山見られることは請け合いです。



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先日の夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールで武勲丸を入手しました。武勲丸の学名はGymnocalycium ochoterenaeと言われています。しかし、ギムノカリキウム・バッテリーやインターテクスツムの学名もGymnocalycium ochoterenaeであると言われることがあります。どういうことなのでしょうか?
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武勲丸

先週、瑞昌玉の学名がGymnocalycium quehlianumかもしれないね、くらいの内容について記事にしました。そこで、G. quehlianumに近縁とされるG. ochoterenaeについても調べたわけで、ちょうど良く武勲丸を入手したこともあり記事にしてみました。

園芸名と学名の関係
武勲丸はギムノカリキウム属のサボテンです。しかし、ギムノカリキウムはギムノカリキウム属内の交雑が簡単にできることから、昔から趣味家の間でも交配が行われてきました。そのため、由来のわからない交配種が溢れ、どれが元々の交雑していない株かわからなくなるという悲劇が起こりました。これは、特に武勲丸、バッテリー、怪竜丸、瑞昌玉、竜頭あたりで顕著だったかのかもしれません。これらは、元々良く似ていて判別が難しい部類だからです。そのため、趣味家の集まりで各種の特徴を抽出して、その特徴を持つ系統の維持が行われました。これ自体は素晴らしい事なのですが、特徴を維持するために結果的に選抜が行われたとも言えます。本来、実生すると純系の株でも子株の特徴にはばらつきが出ます。ある程度の幅があるのが当たり前なのです。しかし、選抜が行われると園芸上好ましい特徴を持つ株以外は淘汰されるため、その種が本来持つ多様性を失わせてしまいます。とはいえ、この系統維持が行われなかったら、ギムノカリキウムは由来不明の交雑種ばかりになっていたかもしれませんから、感謝しなくてはなりません。

この選抜が行われてきた武勲丸たちは、現在学名がわからなくなっています。というのも、園芸名は輸入されてきたある特徴を持つ株に付けられ、しかも選抜されてきた結果だからです。原産地の野生株はかなりの変異幅があり、日本の選抜株と照合はなかなか難しいのです。そもそも、輸入されてきた現地球には学名が付けられてきているはずですが、実はそれも怪しいかもしれません。当時と現在では学名はかなり変わっていますから、業者によりあるいは時代により、様々な学名で呼ばれていた可能性があります。実際に現在の海外の有名種子業者の学名も業者によりまちまちで、同じ種を異なる学名で呼んでいるという事実があります。ただし、現状では武勲丸はオコテレナエ(G. ochoterenae)とされているようです。それがどれほど正しいかは、良くわかりません。
学名は1936年に命名されたGymnocalycium ochoterenae Backeb.です。

バッテリーとインターテクスツム
The World Checklist of Vascular Plants』によるとバッテリーとインターテクスツムは、やはりG. ochoterenaeとされています。ただし、Gymnocalycium quehlianumと同様にまだレビュー中とされているようです。G. ochoterenae全体としてはバッテリーやインターテクスツムは異名扱いですが、バッテリーやインターテクスツムの個別の詳細情報を見ると、未だに"Not Accepted"となっていないようです。まだ別種、あるいは亜種や変種扱いとされる目は残っているのかもしれません。

バッテリーは1950年に命名されGymnocalycium vatteri Buinigとされましたが、1993年にGymnocalycium ochoterenae subsp. vatteri (Buining) Papschとされ、これがAcceptされた名前です。

インターテクスツムは1987年に命名されGymnocalycium intertextum Backeb. ex H.Tillとされ、これがAcceptされた名前です。1993年にはGymnocalycium bodenbenderianum subsp. intertextum (Backeb. ex H.Till) H.Tillという学名もありますが、インターテクスツムはG. bodenbenderianum系ではなくG. ochoterenae系とされたので認められておりません。どうやら、インターテクスツムはかつてGymnocalycium sp. Hig.と呼ばれていたものらしいです。

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バッテリー
一本トゲのイボが目立たない古いタイプ。

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バッテリー
強刺でトゲは3本、平たく育ちイボが目立つ最近のタイプ。

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インターテクスツム

現状では武勲丸とバッテリー、インターテクスツムは同じG. ochoterenaeで、兄弟というかG. ochoterenaeの変異の幅に収まってしまうとされています。しかし、確実な証拠がない状態ですから、いつ変更となるかわかりませんし、その可能性は十二分にあります。場合によっては、近縁とされるG. quehlianumやG. bodenbenderianum、G. basiatrumあたりも交えて大幅に再編されることすら考えられます。
とりあえず、これでG. quehlianumとG. ochoterenaeについては解説しましたから、近日G. bodenbenderianumについても無駄に長い話をしようと思っております。



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ツリスタをご存知ですか?
ツリスタ属Tulistaは2013年にハウォルチアから分離されて出来ました。かつてはハウォルチアの中でも硬葉系ハウォルチアと呼ばれる仲間の一員でした。しかし、ツリスタ属自体が新しいこともあり、それほど浸透しておりません。今でもハウォルチアとして販売されています。そんな、ツリスタについて調べてみましたので、ご紹介します。

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Tulista minor 
      (Aiton) Gideon F.Sm. & Molteno
※swellens


ツリスタ収集中
そんなツリスタですが、ツリスタ属自体が有名ではないのと、ハウォルチア時代から元々人気があったわけではないので、ネット検索してもあまり情報はありません。「ツリスタ」で検索すると、まず釣りのゲームが出て来てしまうほどです。むしろ、"Tulista"で検索して海外のサイトを見た方が情報が出て来ます。
私はかつて硬葉系ハウォルチアと呼ばれていたハウォルチオプシスHaworthiopsisとツリスタTulistaは個人的に大好きで、じわじわ集めています。特に渋いツリスタはあまり販売していないこともあって、出会ったら優先的に購入するようにしています。
しかし、ツリスタは残念ながら大人気というわけではないので、入手が中々困難です。まあ、ネットで探せば入手可能でしょうが、私はあえてネットでの多肉植物の購入に制限をかけていて、イベントや園芸店で直接見て手にしたものだけを購入することにしています。これは、実際に見ないと品質がとかネット詐欺がとかではなく、ネット通販に手を出したら際限なく買ってしまいそうだからです。そうでなくても置き場が狭いのに、買うだけ買って育てられないでは困りますから。とはいえ、イベントで実物を手にとって見るのがとても楽しくて好きだからということも大事な理由ですけどね。

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Tulista marginata
                (Lam.) G.D.Rowley


ツリスタの復活
ツリスタは基本的にはじめに命名された時はアロエで、次はハウォルチアとされ、最後にツリスタという経緯をたどってきました。それぞれの属の創設年は以下の通りです。
1753年 Aloe L.
1809年 Haworthia Duval
1840年 Tulista Raf.
では、1840年にツリスタが誕生したのかというと、実のところ異なります。ツリスタ属の命名者であるRaf.は、オスマン帝国生まれでアメリカで活動し、独学で多くの動植物を命名したConstantine Samuel Rafinesqueのことです。しかし、Rafinesqueの業績は生前アカデミアで評価されませんでした。ですから、ツリスタ属は1840年に提唱されたものの、認められていなかったのです。この忘れ去られたツリスタを復活させたのが、ハウォルチオプシスをハウォルチアから独立させたGordon Dougles Rowleyです。Rowleyはサボテン・多肉植物を専門とする、イギリスの植物学者兼作家です。Rowleyは2013年にハウォルチアからハウォルチオプシスとツリスタを分けましたが、Rafinesqueが命名されたものの認められなかったツリスタを復活させました。
Rafinesqueがツリスタを命名した時に、どのような種を含んでいたのかはよくわかりませんが、Tulista margaritifera=Tulista pumilaは確認しています。ただ、Rowleyはツリスタ属をかなり幅広く採用したようで、旧アロエ属であるGonialoe3種とAristaloe1種、さらにHaworthiopsis(当時はHaworthia)7種、Astroloba7種を含んでいました。しかし、当時ツリスタとされたハウォルチオプシスのうち2種類と後に追加された2種類だけが、現在では正当なツリスタ属所属とされております。

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Tulista pumila var. ohkuwae
                       (M.Hayashi) Breuer


ツリスタの遺伝子解析
2014年に出た『A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae Subfamily Alooideae : A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?』という論文では、アロエやハウォルチアの遺伝子解析を行っています。論文によると、ツリスタ属はゴニアロエ属(千代田錦)、アリスタロエ属(綾錦)、アストロロバ属に近いとされています。G.D.Rowleyがツリスタ属にゴニアロエやアリスタロエ、アストロロバを入れたのは、それほど検討違いではなかったというか、どの範囲までがツリスタ属かというどこで線を引くかという問題に過ぎないのかもしれません。
この論文ではツリスタはまだハウォルチアとして扱われていますが、T. marginata、T. kingiana、T. pumilaはよくまとまったグループとなっています。ツリスタはハウォルチア(軟葉系ハウォルチア)とはそれほど遺伝的に近くはなく、Tulista + Gonialoe + Aristaloe + Astrolobaというグループと、Gasteria + Haworthiopsis(硬葉系ハウォルチア)のグループが姉妹群を形成しています。この論文自体、なかなか面白い内容なので、そのうち記事にしてご紹介できればと考えております。


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Tulista pumila
                 (L.) G.D.Rowley

ツリスタの学名
現在認められているツリスタ属に所属する種は、4種類です。命名が早い順に見ていきましょう。

プミラ Tulista pumila
プミラの学名は1753年に命名されたAloe pumila L.から始まります。最初はアロエ属とされました。まあ、しかしツリスタ、ハウォルチオプシス、アストロロバあたりは、属が創設されるまではアロエ属の所属されるのというのは良くある話です。アロエ属の創設が1753年ですから、プミラはアロエの創設メンバーでした。1789年には、Aloe arachnoides var. pumila (L.) Aitonという学名もありましたが、どの程度浸透して認められた学名であるかはわかりません。ちなみに、Aloe arachnoidesとは、現在のHaworthia arachnoideaのことです。
さらに、1809年にはHaworthia pumila (L.) Duvalとされました。アロエからハウォルチアに移動しましたが、なんと1809年はハウォルチア属の創設の年です。プミラはアロエ属に続いて、ハウォルチア属の創設メンバーでもあるわけです。
そして、2013年にはついにTulista pumila (L.) G.D.Rowleyと命名されました。お察しのように、プミラはツリスタ属でもその創設メンバーです。

ちなみに、プミラには2つの変種が認められております。2006年に命名されたHaworthia sparsa M.HayashiHaworthia ohkuwae M.Hayashiがあり、現在ではいずれもプミラの変種とされています。つまり、2016年に命名されたTulista pumila var. sparsa (M.Hayashi) BreuerTulista pumila var. ohkuwae (M.Hayashi) Breuerです。
 
プミラには異名が沢山あり、代表的なものとしてマルガリティフェラ系とセミグラブラタ系、セミマルガリティフェラ系があります。
マルガリティフェラ系は、1753年にAloe pumila var. margaritifera L.としてプミラの変種とされました。しかし、1768年にはAloe margaritifera (L.) Burm.f.とされ独立しましたが、1811年にApicra margaritifera (L.) Willd.、1819年にはHaworthia margaritifera (L.) Haw.、1840年にTulista margaritifera (L.) Raf.、1891年にはCatevala margaritifera (L.) Kuntzeとされましたが、現在ではプミラと同一種とされています。


②マルギナータ Tulista marginata
マルギナータの学名は1783年に命名されたAloe marginata Lam.から始まります。1891年にはCatevala marginata (Lam.) Kuntze、1938年にはHaworthia marginata (Lam.) Stern、そして最終的には2013年命名のTulista marginata (Lam.) G.D.Rowleyとなりました。

マルギナータには異名があり、代表的なものとしてアルビカンス系とヴィレスケンス系があります。アルビカンス系は、1804年のAloe albicans Haw.、1811年のApicra albicans (Haw.) Willd.、1812年のHaworthia albicans (Haw.) Haw.です。ヴィレスケンス系は1821年のHaworthia virescence Haw.、1829年のAloe virescence (Haw.) Schult. & Schult.f.です。


③ミノル(ミノー) Tulista minor
ミノルの学名は1789年に命名されたマルガリティフェラ(=プミラ)の3つの変種として始まりました。つまり、1789年に命名されたAloe margaritifera var. minor AitonAloe margaritifera var. minima AitonAloe margaritifera var. majorです。
ミノル系は1809年にはHaworthia minor (Aiton) Duval、1821年にはApicra minor (Aiton) Steud.1829年に命名されたAloe minor (Aiton) Schult. & Schult.f.、そして2018年にTulista minor (Aiton) Gideon F.Sm & Moltenoとされました。

実はミノル以外もしばらくは独立種として、ミノルと平行して学名は変遷しました。
ミニマは1812年にはHaworthia minima (Aiton) Haw.、1891年にはCatevala minima (Aiton) Kuntze
1997年にはHaworthia pumila subsp. minima (Aiton) Halda
2014年にはTulista minima (Aiton) Boatwr. & J.C.Manningとされました。
マイヨル(マジョール)は1809年には、Haworthia major (Aiton) Duvalとされたました。しかし、ミニマもマイヨルも、ミノルと同種であるとして異名となりました。

ミノルにはその他にも沢山異名がありますが、有名な所ではマキシマとオパリナがあります。
マキシマは1804年にAloe margaritifera var. maxima Haw.、1809年にはHaworthia maxima (Haw.) Duval、1821年にApicra maxima (Haw.) Steud.となりました。
オパリナは2001年にHaworthia opalina M.Hayashi、2016年にはTulista opalina (M.Hayashi) Breuerとなりました。

※ミノルとかマイヨルとか読み方に違和感があるかもしれませんが、学名はラテン語ですからラテン語読みしています。悪しからず。

④キンギアナ Tulista kingiana
キンギアナは1937年に命名されたHawortha kingiana Poelln.から始まりました。1997年にはプミラの変種とするHaworthia pumila var. kingiana (Poelln.) Halda、そして2017年にTulista kingiana (Poelln.) Gideon F.Sm & Moltenoとなりました。

ちなみに、2001年に命名されたHaworthia zenigata M.Hayashiは、2016年にTulista opalina var. zenigata (M.Hayashi) Breuerとされましたが、現在ではゼニガタはキンギアナに含まれると考えられているようです。

旧・ツリスタの構成員
2013年にG.D.Rowleyがツリスタ属を復活させた時、アストロロバやハウォルチオプシスも混じっていました。今ではツリスタの所属ではありませんが、その時の構成員を紹介します。
2013年 
Astroloba rubriflora, Astroloba bullulata, Astroloba congesta, Astroloba corrugata, Astroloba foliolosa, Astroloba herrei, Astroloba spiralis, Haworthiopsis koelmaniorum, Haworthiopsis pungens, Haworthiopsis viscosa, Aristaloe aristata
2014年 ゴニアロエを追加
Gonialoe variegata, Gonialoe dinteri, Gonialoe sladeniana


終わりに
いかがでしょうか。たった4種類のツリスタ属にもこれだけの歴史があるのです。それを沢山の研究者たちが、長い年月意見を戦わせてきたわけです。
ちなみに、学名の中でアピクラ属やカテバラ属という属名が出て来ますが、これらは現在は使用されない幻の学名です。学術史に埋もれた旧学名にも様々なドラマがあったのかもしれません。
地味で人気があるとは言えない多肉植物でも、調べると思う以上に色々なことがわかります。こういう多肉植物の楽しみかたもあるのです。ホームセンターや百均で買ったミニ多肉にも、長く複雑な研究史があるのかもしれません。皆さんも一つ調べてみてはいかがでしょうか?



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峨眉山は交配で生まれたとされている多肉ユーフォルビアです。一応、鉄甲丸 × 瑠璃晃と言われていますね。本当かなぁ?

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2020年1月、購入時。
"Euphorbia gabisan"というラベルはちょっと面白いですね。いや、それは学名ではなくて園芸名です。どちらかと言えば、普通に漢字で「峨眉山」と書いてくれた方がわかりやすい気もします。

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2021年12月、植え替えて室内へ。
だいぶ大きくなりました。2020年の春に一度植え替えたのですが、今年の11月に部屋に取り込む際に一回り大きい鉢に植え替えました。鉢からえらいはみ出たので、植え替えの時期ではないのに仕方なく…。
まあ、峨眉山は丈夫なので大丈夫でしょう。

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2022年6月。
もう鉢からはみ出してます。これは始末に終えない。これって無限に拡大していくパターンかな? そうしたら植え替えするほど元気になって、拡がるんじゃないかということに気がつきました。正直、スペースの問題もありますから、仔をある程度は整理して形を保つのも1つの手でしょう。
峨眉山は丈夫だから問題ないかもしれませんが、増えすぎた仔が鉢に蓋をする形になってしまい、根本が蒸れやすくなり腐る可能性も出てきます。昔、群生するタイプのマミラリアでかなりの大群生株に育てていて調子に乗っていたら、実際にこれをやらかしたことがあります。
そういえば仔は全部外し、中心の親株だけの単頭で大きくしようとしているブログを過去に見たことがあります。本来は群生するのが
峨眉山の特徴というか見所ですが、見せ所を自分で開拓するやり方は思いの外面白く感じました。見習って1つ仔を外して単頭栽培してみてもいいかもしれません。

そう言えば、私がよく見るLLIFLEという海外のサイトでは、峨眉山はEuphorbia cv.Cocklebur、あるいはEuphorbia ×japonicaと言われているようです。日本で作られた品種であることは海外でも知られているようで、日本が誇る代表的なユーフォルビア品種と言えます。
通称はCocklebur(オナモミ)、Pineapple(パイナップル)だそうです。まあ、わからないでもない感じがします。


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峨眉山の親疑惑① 鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia

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峨眉山の親疑惑② 瑠璃晃 Euphorbia susannae

一応、峨眉山は鉄甲丸と瑠璃晃の交配種と言われていますが、実際のところはわかりません。それが別に間違っているのと主張しているわけではなく、確かめる手段がないだけです。遺伝子を調べればわかりますが、ただの一園品種(しかもユーフォルビア)を調べてくれる研究者はいないでしょうから。
現在、入手できる峨眉山は仔をおろして増やされたものでしょう。その場合、ソメイヨシノが上野公園の1本の桜の枝を継ぎ木して増やしたように、流通している峨眉山はクローンかもしれません。なぜ、クローンで増やすかというと、交配するごとに微妙に遺伝子の混ざり具合が変わりますから、外見も1個体ごとに違いが出るからです。実際、見かける峨眉山はみな見た目は均一です。まあ、峨眉山の場合は実生しなくても簡単に増やせるから、という理由がクローンがメインである原因なのでしょう。例えば、パキポディウムの恵比寿大黒なんかは枝を挿し木というわけにもいきませんから実生するわけですが、個体ごとの多様性は大ですよね。まあ、パキポディウムは交配しなくても実生は見た目的にかなり差があるみたいですけどね。



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一般にオブツーサと呼ばれる、みずみずしいハウォルチアをよく見ます。しかし、クーペリだとかトルンカタとか呼ばれることもあります。学名も色々呼ばれています。ネットでもかなり混乱しているようですが、調べた私も調べるほど混乱してしまいます。

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私の育てている謎のハウォルチア。一般的にオブツーサと呼ばれています。おそらくはクーペリ系な様な気もしますが…

オブツーサはどうやら調べて見ると最低2つの系統があるようです。
1, cymbiformis系
この系統は1809年に命名されたHaworthia cymbiformis (Haw.) Duvalの系統です。1825年に命名されたHaworthia obtusa Haw.は現在では認められていない学名ですが、H. cymbiformisの変種として1880年にHaworthia cymbiformis var. obtusa (Haw.) Bakerとされました。これがオブツーサと呼ばれるものの正体です。

2, cooperi系
この系統は1870年に命名されたHaworthia cooperi Bakerの系統です。クーペリの変種として1999年に命名されたHaworthia cooperi var. truncata (H.Jacobsen) M.B.Bayerがあり、これもオブツーサと呼ばれたりします。このトルンカタは1955年にはHaworthia obtusa f. truncata H.Jacobsenとされたのが始めですから、ややこしい話です。
また、最近オブツーサ様のハウォルチアを"ikra"と呼ぶことがありますが、これは2010年に命名されたHaworthia ikra Breuerです。これもトルンカタの異名とされています。


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Haworthia cooperi
クーペリの先端が丸くなったものがトルンカタ。


現在では認められていませんが、Haworthia obtusa f. truncata H.Jacobsenなる学名もあったくらいで、非常に混乱していることは間違いないようです。正直なところ見分けはつかないし、売られているオブツーサはcymbiformis系かcooperi系か、私にはわかりません。
私もハウォルチアは勉強中ですので、これ以上はよくわかりません。調べた分だけさらに混乱するばかりです。見分け方を知る詳しいことをご存知の方はいないでしょうか? 本当に教えていただきたいものです。


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最近、ハウォルチアが気になっていて、ハウォルチア、ハウォルチオプシス、ツリスタを集めてきました。そこから派生してアストロロバ、そしてついにはガステリアに手を出し始めたわけです。とは言うものの、ガステリアはそこいら辺で売っていないので実にもやもやしていました。そこで、池袋の鶴仙園に突撃して、ついにガステリア・カリナタを入手したわけです。
ガステリア・カリナタは南アフリカ原産のガステリアです。非常に多様性が大きく、外見は個体差があります。しかし、美しい…


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Gasteria carinata

アロエはまだ小さい苗では、葉がガステリアの様に左右に並びます。そしてある程度育つと、葉が旋回をはじめて、やがてロゼットを形成します。Gasteria carinataも若いうちは左右に葉が並びますが、ある程度大きくなると葉が旋回を始めます。私の入手個体は旋回を始めたばかりみたいです。ガステリアの葉は一般的に肉厚ながらも扁平形ですが、カリナタは成熟するとキールが出来て断面が三角形になります。

ガステリア・カリナタは原産地では灌木の陰に生えるということですので、強光線には耐性はなさそうです。
ガステリアの耐寒性は一般的にあまり高くないと言われますが、冬でも戸外で放置されているガステリアを見かけますから意外と耐寒性は高いような気もします。海外のサイトを見ると、アメリカのハーディネスゾーンであるUSDAゾーンは9b~11bということですので、最大マイナス3.9℃程度には耐えられるとされているようです。


カリナタの学名は1809年に命名されたGasteria carinata (Mill.) Duvalです。1768年にはAloe carinata Mill.でしたが、ガステリア属に移動しました。
詳細な情報がない学名として、Gasteria retusa (VanJaarsv.) VanJaarsv.があります。
変種は2つあり、1992年に命名されたGasteria carinata var. verrucosa (Mill.) VanJaarsv.は、Aloe verrucosaと呼ばれていたものです。日本では白青竜と呼ばれています。1998年に命名されたGasteria carinata var. thunbergii (N.E.Br.) VanJaarsv.は、かつてGasteria thunbergiiと呼ばれていたものです。

それはそうとして、Gasteria carinata var. carinataの異名は沢山というか40以上あるみたいですが、調べても経緯がわからない学名(異名)が多くて困惑しています。異名は非常に多いわりに、各々の関係性がいまいち掴めず情報も少ないとなると、中々調べるのも困難です。
一例ですが、Gasteria angulata (Haw.) DuvalGasteria angulata (Willd.) Haw.という2つの同じ名前の異名があったりします。最初の方はHaworthが命名したアングラタをDuvalがガステリア属としたという意味で、後ろの方はWilldenowが命名したアングラタをHaworthがガステリア属としたという意味でしょう。ややこしいというか、意味がわかりませんね。これの正解は、Aloe angulata Willd.Gasteria angulata
 (Willd.) Haw.Aloe lingua var. angulata Haw.Gasteria angulata (Haw.) Duvalということらしいです。これは非常に面倒臭いのでこれ以上は深入りしませんが、とてつもなく暇だという方は暇つぶしに調べてみてはいかがでしょうか。
それはそうとして、異名の多さは外見上の変異幅が広いということを示していると考えられます。カリナタは非常に美しいガステリアですから、様々なタイプをコレクションしてみても面白いかもしれませんね。



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アノプリア(Euphorbia anoplia)は、緑のジグザグ模様が特徴的なユーフォルビアです。
しかし、アノプリアは謎の多い植物でもあります。


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アノプリア

一般的には、Euphorbia anopliaと言われておりますが、Gbifで学名検索してみるとポリゴナの変種とあります。実はホリダがポリゴナの変種であるという論文が2014年に出て、多くの趣味家を驚かせました。しかし、私はポリゴナとホリダが同じ寄生植物に寄生されるなど共通点が多いので、それほどの驚きはありませんでした。
現在のポリゴナ系のアクセプトされた学名は11変種あります。しかし、残念ながら流通している様々なタイプのポリゴナやホリダの園芸品種が、どの変種にあたるのかはよくわかりません。あるいは、流通している品種はポリゴナやホリダの選抜品種あるいは交配系なのかもしれません。

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すごい勢いで仔吹きします。

ポリゴナの学名は1803年に命名されたEuphorbia polygona Haw.です。1860年にはホリダが命名されEuphorbia horrida Boiss.とされましたが、2014年にEuphorbia polygona var. horrida (Boiss.) D.H.Schnabelとなりました。同様にアノプリアは1923年にEuphorbia anoplia Stapfと命名されましたが、2013年にEuphorbia polygona var. anoplia (Stapf) D.H.Schnabelとされました。


アノプリアはポリゴナの兄弟みたいなものですね。と言うよりも、どちらかと言えばホリダに似ている気がします。
海外ではジグザグ模様からか、ジッパープラントなんて呼ばれているようです。南アフリカ原産と書かれていたり、タンザニア・ジッパープラントという名前からタンザニア原産だとか言われたりしております。
ただし、調べても栽培品しかないようで、自生地の写真はまったくありませんでした。

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仔を外して植え付けましたが、高さ2cmくらいで花が咲き仔を吹きます。すでに成熟しているということなのでしょうか。

アノプリアの形態をよくよく観察してみます。ホリダと比較して、全体に小型でトゲもほとんどなく、白粉もありません。これは、栽培品の中から出現した突然変異の矮性品種なのではないかということです。
学術標本も、野生株の標本もない様子です。現時点においては、ポリゴナ系(というよりホリダ)の品種なのだろうと私は考えております。


ホリダについての記事はこちら。


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 私のメイン多肉はユーフォルビアですから、やはりユーフォルビアばかり集めていますが、実はサボテンも少しずつ集めています。どうにも、ギムノカリキウムGymnocalyciumの扁平な連中がどうにも気になってしまうのです。とは言うものの、TOCのビッグバザール等のイベントにせよ園芸店にせよ、今やサボテンは少数派。今やエケベリアやコーデックス、アガヴェの天下です。ビッグバザールと言えど平べったいギムノカリキウムでは、やはり怪竜丸やバッテリーばかりで、それ以外には中々お目にかかる機会はありません。
そんな中、ルートを調べて園芸店を徒歩でハシゴするという、暇人特有のばかばかしい遊びをしていた時に、侘しい冬の園芸店のビニールハウスに"瑞昌丸"なる名札がついた謎のギムノカリキウムと出会ったのです。


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ラベルには"瑞昌丸"とありましたが、まあ瑞昌玉でしょう。サイズはまだ小さいため、最終的なトゲの強さはまだわかりません。ネットで瑞昌玉を探すと、たまにこのタイプが見つかります。
購入時は非常に弱トゲでしたが、新トゲは明らかに強くなっています。トゲはイボにあまり張り付かず、あまり瑞昌玉らしくありません。ただし、トゲの色は根本が赤く先端が白い典型的な配色。
肌は濃い緑色で、一般的に強光線に弱いとされる色です。実際、購入時に日焼けしてしまい、我が家の環境に慣れるまで1年かかりました。


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次に千葉のイベントでサボテン専門のブースがあり、典型的な瑞昌玉があったので購入しました。
トゲはあまり強くないのですが、太く短いトゲがイボに張り付くように生える典型的な瑞昌玉。ただし、トゲに赤みがないタイプ。肌は艶消し状で緑色は淡い。

学名の謎
さて、瑞昌玉の学名について一席ぶつつもりだったのですが、これが中々どうして難しいのです。そもそも、日本のギムノカリキウムの園芸名と学名がリンクしていないという問題があります。これはややこしいのですが、事の経緯を説明します。
ここでは、仮想のギムノカリキウムとしてAという学名があったとしましょう。このAは産地によりいくつものタイプがあったとしましょう。しかし、これは良くあることなのですが、それぞれのタイプの間の産地には中間的な特徴を持つ個体も存在します。この時に、ある1タイプが日本へ輸入されてきました。このタイプに瑞昌玉という園芸名がつけられました。大抵、Aのある特徴を見て"瑞昌玉"としますから、種子を採った時に園芸上好ましい特徴が出たものを選抜していきます。
しかし、現在地のAは必ずしも園芸上選抜された瑞昌玉とは特徴が一致しないわけです。つまり、瑞昌玉はAの一部ですが、Aの様々なタイプを瑞昌玉とは言えないのです。

さらに言うと、瑞昌玉はGymnocalycium stellatum var. kleinianumあるいはGymnocalycium quehlianum var. kleinianumと言われていますが、実際にはどの学名にあたるのかよく分からないというか、そうではないかと言われているだけなのかもしれません。
まあ、それだけで済めばいいのですが、実際には原産地の瑞昌玉と瑞昌玉と近しいとおぼしき仲間についての学名、G. stellatumG. quehlianumG. asteriumG. bodenbenderianumG. riojenseといったギムノカリキウムは皆良く似ており学術的にも混乱しています。

G. quehlianumに統一?
The World Checklist of Vascular Plants』 によると、1925年に命名されたGymnocalycium stellatum (Speg.) Speg.1957年に命名されたGymnocalycium asterium A.Cast.は、1926年に命名されたGymnocalycium quehlianum (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseusの異名としているようです。しかし、よく読むとレビュー中とあります。まだまだ議論があるようです。
そういえば、瑞昌玉だけではなく、竜頭や鳳頭、新鳳頭もG. quehlianumではないかと言われています。単純な個体差を園芸品種として固定したに過ぎないのでしょうか?

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竜頭

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鳳頭

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新鳳頭

論文
2011年に『MOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENETIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF THE GENUS』というギムノカリキウムの系統を調査した論文が出ました。その論文ではフィールドナンバー付きの原産地で採取された株を用いて遺伝子を解析していますが、瑞昌玉が所属すると考えられるTrichomosemineum亜属で示されているのはGymnocalycium quehlianumとGymnocalycium bodenbenderianumだけです。しかし、これは2種類しか調べていないというより、G. stellatumやG. asterium、G. riojenseを学名として認めずに2種に統合しているように思えます。まあ、それほど沢山の株を調べたわけではないようですが。
※論文ではGymnocalycium ochoterenaeが扱われておりませんが、ただ調べていないだけなのか、G. ochoterenaeを認めていない立場なのかはよくわかりません。

遺伝子解析と定規
一般的な話ですが、遺伝子解析する場合はすべての塩基配列を調べているわけではありません。大抵は数種類の遺伝子を解析します。目的によりますが、様々な植物で調べられていて実績がある遺伝子がチョイスされがちです。実は各遺伝子は同じスピードで変異しているわけではなく、変異速度は遺伝子ごとに異なります。例えば、重要な遺伝子ほど変異しにくくなります。これは葉・茎・根などの基本構造や代謝機能を司る遺伝子は、もし変異が入ってしまうと変異の種類によっては生育出来ないので、子孫に変異が伝わることがないからです。ただし、重要な遺伝子でも変異が入っても問題がない場合もありますが、いずれにせよ変異が入りにくい傾向があります。逆に変異が入りやすいのは、重複した遺伝子です。遺伝子のミスコピーにより同じ遺伝子が2つになることがあります。この場合、重複した遺伝子の片方があればその機能を果たすことができますから、もう一つは機能的にいらないので凄まじい勢いで変異が入ります。実はこれが新しい機能を持った新しい遺伝子の進化を引き起こすきっかけだったりします。
それぞれの遺伝子の変異速度は計算できますから、変異が早い遺伝子、変異が遅い遺伝子をある種の定規として目的により選択します。短期間に進化した、例えばここ1000万年で進化したグループに単位が大きい定規(変異の遅い遺伝子)で解析しても違いを捉えられないでしょうし、逆に何億年単位の進化を調べるのに短い定規(変異の早い遺伝子)で解析しても測定出来ません。
ですから、ギムノカリキウムの系統を調べた論文では、恐らくはギムノカリキウム属全体を調べるのに適した長さの遺伝子が定規としてチョイスされているはずです。しかし、進化の末端である、まさに今進化している種分化を見るためには、もっと短い定規が必要です。G. quehlianumの類縁種は急激に拡散して進化した、割りと新しい種と見なされています。つまり、現在は長い定規で計ったので、G. quehlianumとされる種の園芸上では区別されている個体差を判別出来ていないということになります。ですから、短い定規による測定が出来ていない以上、すべてがG. quehlianumとすることはまだ出来ないのです。もしかしたら、まだ細分化される可能性はありそうです。

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瑞昌玉の花

G. quehlianumの経緯
果たして瑞昌玉の学名がG. quehlianumにあたるのかどうかわかりませんが、今は一応そうであると仮定して学名の経緯を見てみます。しかし、G. quehlianumの学名はかなり混乱しており、実にややこしいことになっています。
1925年 Gymnocalycium stellatum
                                          (Speg.) Speg.

1926年 Gymnocalycium quehlianum
      (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseus

1957年 Gymnocalycium asterium A.Cast.
このうちG. quehlianumに集約されました。学名は命名が早いものが優先されますが、一見すると1925年に命名されたG. stellatumになりそうな気がします。しかし、G. quehlianumは1899年にEchinocactus quehlianum F.Haage ex H.Quehlとして命名され、1926年にギムノカリキウム属に移動しました。ですから、G. quehlianumが一番早い命名なので、これが正式な学名となっています。
ややこしいのはここからで、例えばG. occultum=G. stellatum subsp. occultum=G. bodenbenderianumだったり、G. stellatum var. zantnerinum=G. quehlianum var. zantnerinum=G. quehlianumだったりします。このように、G. quehlianum、G. stellatum、G. bodenbenderianum、G. asteriumあたりは、どれかがどれかの亜種や変種として捉えられて来た経緯があります。本当にややこしいのですね。

学術的にもまだレビュー中ですからまだはっきりしたことは言えません。しかし、中々こういうある種の"役に立たない(=産業利用しにくい=金にならない)"タイプの研究は中々進展しない傾向があります。ただの一趣味家に過ぎない私などからしたら、いつの日か研究が進み整理されることを願うしかありませんけどね。



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先日、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザール前に、うっかり鶴仙園で散財したわけですが、はじめてみたユーフォルビアを入手しました。その名も"E. リカルドシアエ"というマラウイ原産のユーフォルビアです。

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Euphorbia richardsiae

多肉ユーフォルビアは南アフリカからエチオピアまでのインド洋側に多いように見受けられます。花キリンはマダガスカル島原産ですが、多くの多肉ユーフォルビアは南アフリカ原産です。さらに、南アフリカ周辺の、モザンビーク、スワジランド、レソトあたりもまああります。
マラウイはモザンビーク、タンザニア、ザンビアに囲まれた内陸国家ですが、やはりインド洋側です。しかし、やはりマラウイはユーフォルビア原産国としては珍しい方です。

しかし、国内外含めてリカルドシアエはあまり情報がありません。あまり、育てている人がいないのかもしれませんね。まあ、レアというわけではないけれど、特に人気がありわけではないから売れないので生産者も作らないという、多肉ユーフォルビアにはよくあるパターンなのでしょう。ですから、レアでもないのにあまり手に入らないというこの手のユーフォルビアは、普及種以外の宿命として今後の一期一会を期待するしかありませんね。


リカルドシアエの学名は1977年に命名されたEuphorbia richardsiae L.C.Leachです。L.C.Leachはローデシアの植物分類学者のLeslie Charles "Larry" Leachのことです。



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バイオエンシス(Euphorbia baioensis)は、ある意味ではホリダなどよりサボテン感が強いユーフォルビアです。サボテンの金紐の仲間にも見えますが、ケニアに自生するユーフォルビアです。
バイオエンシスという名前ですが、流行りのバイオテクノロジーではなくて、バイオエンシスが初めて発見されたケニアのベイオ山(Mount Baio)から来ているようです。


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痩せた悲しい姿。
2020年2月に購入しましたが、ホームセンターで日を浴びることが出来ずに、随分と貧相になっていました。哀れに思い購入しましたが、根腐れはしていない様なので、植え替えて遮光せずに育ててきました。


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2020年11月、復活!
バイオエンシスは非常に丈夫ですので、上の9ヶ月後の写真を見ていただけるとわかりますが、簡単に復活しました。地面から仔も吹いてきましたので、上部はカットの後に挿し木して、姿を整えても良いかもしれません。

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2022年6月。仔が沢山吹いてきましたから、窮屈なので植え替えました。小さい鉢に植えていましたから、根詰まり気味で明らかに生長が鈍っていました。

バイオエンシスを簡単に調べてみると、あまり情報はありませんが、海外のサイトではUSDAゾーンが10b~11bとありました。10bで1.7~4.4℃ですから、耐霜性はないようですね。冬は室内栽培が無難です。
※USDAゾーンはアメリカで作物が育つ気温を示した温度マップです。非常に便利なので、観葉植物などの育成にも利用されています。


バイオエンシスの学名は1982年に命名された、Euphorbia baioensis S.Carterです。S.Carterはユーフォルビアとモナデニウムの専門家であるSusan Carter Holmesのことです。なんでも、国際ユーフォルビア協会(IES)の会長なんだそうです。



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先日、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールの購入品のその後についてのレポートです。サボテンや多肉植物は買っておしまいではありません。植え替えたり、自宅の環境に慣らしたりとやらなければならないことがあり、それが思いの外重要だったりします。



私は冬に多肉植物を購入した場合以外は、基本的に植え替えます。実際に育てていればなんとなく調子の良し悪しはわかってきますが、新参についてはよくわかりません。特に見えない根の状態は、とても分かりにくいので一番気になる部分です。多肉植物は根がやられても、乾燥に強いため葉は青々と繁っていたりします。葉が萎れてくる段階まで来ると、根だけではなく本体まで腐りが入ってしまい手遅れなんてこともあり得るのが怖いところです。

今回のビッグバザールの購入品の中で、植え替えた時に特に気になったのは、ギムノカリキオイデスとロベッキイ(ロベッチー)です。それは、抜き苗かと思うくらいカラカラに乾いていて、全く根が生長している雰囲気がないというか精気がないことです。ギムノカリキオイデスは挿し木苗のようですが、そもそも根が少なく根が張始めたばかりと言った感じです。ロベッキイは抜くとまだ双葉がついており、実生時に種子から生えてくる1本の短い根がパリパリに乾いた状態であるだけでした。まだ十分に根が張っていない時期ですから、本来は水をあまり切らさないように管理すべきだろうにと、不可解に思いましたけど。ユーフォルビアはサボテンとは異なり、根を長期間乾かしすぎると根にダメージがあり、根の生長が完全に止まります。それだけならいいのですが、一度根が止まると何年も止まったままになる場合があります。さらに、特に若い苗であるロベッキイは、今の暑い時期に遮光せずに育てた場合、根だけではなく株全体が干からびてしまう可能性があります。
この2鉢は本来はバリバリ日に当てて育てたいところですが、根が動いていないので、しばらく養生が必要です。ある種の発根管理です。しばらくはやや遮光して、乾かしすぎないように管理するだけです。日々の観察は欠かせませんが。

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ギムノカリキオイデス
Euphorbia gymnocalycioides
元気に見えますが、根はほとんどありません。


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ロベッキイ
Euphorbia robecchii
まだ根元に双葉がついています。

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植え替え後。

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養生中。あまり水を毎日じゃぶじゃぶやると、それも根腐れの原因となりますから、毎日観察して乾き具合をチェックしています。

次はフォークィエリアです。フォークィエリアは根が繊細で、特に苗のうちは乾燥に弱いみたいです。F. ochoterenaeは生長した葉が固そうなので、植え替え後に直射日光に当てています。私が育てているフォークィエリアのディグエッテイやマクドウガリイの隣に並べて置きました。植え替えたのでしばらくは水多目ですが、今のところ日焼けや葉が萎れる兆候はありません。
観峰玉(コルムナリス)の苗は葉も繊細で、いかにも弱そうです。直射日光を当てたら、葉がすぐにカリカリに乾いてしまいそうです。コーデックスらしく塊茎が発達するまでは、優しく育てた方がいいのかもしれません。植え替えのダメージがあるでしょうから、根が張るまではやや遮光して養生させます。

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Fouquieria ochoterenae
葉に厚みがありしっかりしていることに注意。


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観峰玉 Fouquieria columnaris
葉は柔らかく繊細。


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養生中。

次はラフレシアリサーチさんのおまけ苗を植え付けました。おまけは毎度、抜き苗です。
サボテンはユーフォルビアと違って、植え替えの時によく根を乾かしましょうとよく言われます。サボテンは太い根を切って細根を出させた方が良く育つと言いますけど、恐らくは根を切った断面や抜いた際に根に入った細かい傷から腐敗しやすいのでしょう。抜き苗はよく乾いていましたが、一応植え付けて一週間水やりはしないことにしました。しかし、おまけにするにはもったいないくらい美しいサボテンですね。


DSC_1484
Gymnocalycium damsii
            var. torulosum VoS03-040

お次はダシリリオン。ダシリリオンはどうやら雨に当てると腐りやすいようです。購入したクアドラングアツムは、健全に育てられていることがわかる非常に状態の良い苗でしたから、植え替え後は遮光なしで雨に当たらない場所に置きました。手持ちのダシリリオンである、ロンギシマムやベルランディエリと並んで元気そうです。

DSC_1487
Dasylirion quadrangulatum

残りのガステリアやハウォルチオプシスは遮光下で管理します。ここら辺はさすがに直射日光はNGでしょうね。
というわけで、ビッグバザールの後始末をしています。この時期の購入品は日焼けしやすく、栽培環境に馴染ませるのが難しいので、私も慎重にならざるを得ません。しばらくは最大限の注視をしていくつもりです。春・秋や室内管理の冬ならば、意外と購入品の管理は簡単なんですけどね。




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2022年、五反田TOCで開催された夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールに行って来ました。昨日の続きです。

なんだかんだで、5店舗で10鉢+おまけ1を購入しました。置場所とか何も考えない大盤振る舞いです。名前はラベルの表記のまま示しました。
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さて、昨日の記事ではラフレシアリサーチさんでフォークィエリアを買ったというところまででした。その後は全体を広く見て回り、私のメイン多肉であるユーフォルビアを探しました。しかし、私の手持ちにないユーフォルビアはいやはやなんとも高額で、小指の先ほどのコーデックスが1万円を超えたりしていて中々手が出ません。
以前のビッグバザールでユーフォルビア・ギムノカリキオイデスを売っているブースがあり気にはなっていましたが、高額ゆえ断念していました。今回は出店していたら高額でも購入しようと決めていました。ギムノカリキオイデスは手持ちになく、割りとレアであまり見かけませんよね。そして、やはりギムノカリキオイデスは販売していたので、中々高額ですが購入しました。
帰ってすぐに植え替えたところ、ギムノカリキオイデスは挿し木株のようで弱々しい根がチョロりとあるだけでした。一緒に購入したロベッチーはなんと根元に双葉が付いている実生苗で、根はまだ未発達です。双方ともに根が動いていないので、しばらくは遮光下で乾かしすぎないように管理して、根を新しい根を生やす必要があります。今の時期の強光線に当てたらあっという間に干からびかねません。根が動いていないユーフォルビアは、特に小さいものは本当に干からびるんですよ。前に実際にやらかしましたから。

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Euphorbia gymnocalycioides

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Euphorbia robechchii(正確にはrobecchii)

お次は交配系ハウォルチアでお馴染みのRuchiaさんのブースへ。相変わらずフィールドナンバー付きのハウォルチアがあり心引かれますが、先ずはツリスタを見ます。以前、千葉のイベントでTulista pumilaを購入しましたが、恐らくその時と同じプミラがありました。これは、イボがあまり白くならないタイプでした。そして今回はプミラのイボが白いタイプもたあったので購入しました。
あと、Ruchiaさん関係では春のビッグバザールでDasylirion berlandieriを購入しましたが、Dasylirion quadrangulatumもあったのに購入しなかったことを後々になってから後悔しました。ダシリリオン自体あまり売っていませんから、その出会いは一期一会ですよね。ですから、今回D. quadrangulatumとまた再会できたので、購入させていただきました。
お次はH. fasciataです。一般的にファスキアタ=十二の巻と言われておりますが、これは間違いで十二の巻はアテヌアタ系の交配種らしく流通しているのは日本国内の話です。しかし、ネット含めファスキアタ=十二の巻という誤解がこれだけ広がってしまうと、H. fasciataという名札が付いていてもいまいち信用出来ません。というわけで、信頼出来る専門のRuchiaさんのH. fasciataも非常に安価で購入しました。本物のファスキアタはあまり手に入らないことを知っている人はあまりいないでしょうから、入手出来てラッキーでした。
一応、帰ってから植え替えしましたが、さすがに根の張りも実に良好で、素晴らしい状態でした。プロフェッショナルとはこのことだと感じましたね。


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Tulista pumila(ohkuwai) GM602
Vrede, NW of Anysberg

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Dasylirion quadrangulatum

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Haworthia fasciata fa.vanstaadenensis

次は前回のビッグバザールで、H. koelmaniorumとAstrolobaを購入したブースです。今回もアストロロバはありましたが、大変立派な3頭仕立ての大株でちと手が出ませんでした。ちなみに、今回のビッグバザールでアストロロバはこのブースでしか見ませんでした。
このブースにはサボテンも結構あり、前回はギムノカリキウムではバッテリーあたりでしたが、今回は武勲丸があったので購入しました。ハウォルチオプシスも豊富で髪を引かれる思いでしたが、予定していた軍資金が尽きたのでここまでとしました。
サボテンと言えばネジラミがつきもの。私も長い付き合いです。一応、万が一を考えて警戒して植え替えましたが、特に問題はありませんでした。これは肩透かし、いやいないに越したことはないんですけどね。

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ギムノカリキウム 武勲丸

最後に多肉植物やコーデックスを大量に栽培している、有名なブロガーさんの出しているブースを覗いてみました。ブログで沢山持っていくよとありましたから、これは一度見てみないとという気分でした。
ここは非常に安価でワンコイン投げ売り状態でした。そういえば、今回のビッグバザールで原種系ガステリアはほぼ壊滅的でしたが、なんと原種系ガステリアがあったので2鉢購入しました。G. ellaphieaeなどはガステリアらしい非常に美しい葉を持っており、これはいいものを手に入れました。最後に懐が痛まない良い買い物となりました。ちなみに、あまり見ないタイプのダイナミックで面白いオリジナル交配系ガステリアも沢山あったことも付記しておきます。
鉢から根がはみ出していたので、根詰まり気味と見て家に帰ってから植え替えましたが、ネジラミが蔓延っていました。普段園芸店で購入した場合など、まあよくあることなので最早お馴染みですから、慣れたもので対策は簡単です。鉢と土は廃棄し再利用は不可。根は流水でよく洗います。元の用土の赤玉の1粒足りとも残さずに丁寧に取り除きます。とにかく、物理的に落とすのが一番手っ取り早いので、手で直接根をごしごし洗います。目視で確認して、絶対に残さないようにします。サボテンなど根を切り詰められるものなら、それもまた一つの手です。効果があるか不明ですが、洗った根に殺虫剤をまんべんなく振りかけ、少し馴染ませます。あとは、植え付ける時に用土に浸透移行性殺虫剤のオルトラン顆粒を混ぜ混んでおくだけです。一応、この方法で今のところ防除出来ています。オルトランは直接は効きませんが、根から吸われて植物の水分自体が殺虫剤となるため、根に取りついて根を吸うネジラミには恐らくは効果ありでしょう。


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G. ellephieae(※正確にはG. ellaphieae)

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G. vlokii

以上で私の2022年の夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールは終了です。開場した9時から見て回り、10時ジャストに会場から出ました。いやはや、相変わらず会場は人の熱気で熱かったですね。汗を拭きながらでしたが、混雑にも関わらず今回は割りと落ち着いて見て回ることが出来ました。先に目的を設定したことがよかったのかどうかはわかりませんが、最近のビッグバザールと比較しても大変満足で充実したものであったと感じております。買えないにしろ、色々と珍しいものも見れましたし。何より、新型コロナでビッグバザールも中止となったり規模縮小したりと寂しい感じがしていましたが、未だ多肉ブームが健在であることが確かめられて嬉しくもありました。
今回はお馴染みのブース以外に、ブロガーさんのブースがあり面白いものが多かったので、次も色々変わったものを持ってきてくれたら嬉しいのですけどね。なんせ、ブロガーさんが出店していなければ、ガステリア入手ゼロになっていたでしょうから。
やはり、ビッグバザールを盛り上げるためには、プロの生産者さんだけではなく、サボテン・多肉植物好きな趣味家の方々も是非出店して欲しいですね。
ビッグバザールが終わったばかりですが、次のイベントが楽しみですね。




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今月は夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールがありますから、非常に楽しみにしていました。とか言いつつも、我慢出来ずに鶴仙園で散財する大失態を犯しました。貴重な軍資金が大分目減りしてしまい、落ち込みつつも、購入品は素晴らしかったので取り敢えずヨシ!

そういえば、春のビッグバザールではユーフォルビアをメインに漁りました。最近ではハウォルチアに浮気ばかりしていたので、原点回帰でユーフォルビアに集中したわけです。まあしかし、気にはなっていたものの園芸店では目にしないアストロロバを密かに狙っており、上手く入手に成功してほくそ笑んだりしましたが。
さて、今回のビッグバザールはなんと言っても夏。ユーフォルビアが躍動する季節です。さぞユーフォルビアに溢れているに違いない!と思いたいのですが、ユーフォルビアは地味で流行っていないので希望的観測はしない方が吉ですかね。一応は今現在の興味のある多肉植物の順位をつけてビッグバザールに望みました。過去のビッグバザールでは基本的に右往左往してしまい、大量の宝物の山に囲まれて中々考えがまとまりませんでした。その反省点を踏まえてです。

①ユーフォルビア Euphorbia
どんなにタイプでも可。タコもの、花キリン、コーデックス、柱状のものなんでもござれ。私のメインです。
②ガステリア Gasteria
今一番興味があり、代表種くらいは一通り揃えておきたいところ。しかし、臥牛とか交配系斑入り品種とかしか見たことがない気がします。取り敢えずは原種と考えていますが果たしてあるのかなぁ?
③ツリスタ Tulista
ここ2回のビッグバザールでツリスタはありませんでした。鶴仙園で2種類、千葉のイベントで1種類手に入れました。あとはTulista kingianaのみですが、Ruchiaさんが何気なく並べてたりしませんかね。
④アストロロバ Astroloba
もしあったらお財布と相談します。
⑤ギムノカリキウム Gymnocalycium
サボテンです。特に平べったく育つタイプが好みですが、最近のビッグバザールでは怪竜丸とバッテリーしか見ていない様な気もしますが。ラフレシアリサーチさんが面白い苗を持ってきてくれないかなぁ…
⑥ハウォルチオプシス Haworthiopsis
硬葉系ハウォルチアと呼ばれるやつです。フィールドナンバー付きの良さそうなものが、もしあれば考えます。
⑦ソテツ類
基本的にお高いので主に鑑賞のみですかね…

という前提を長々と語りましたが、TOCに8時40分頃に到着。基本的にビッグバザールは寝坊しがちなので、今日は早い方です。いつもスカスカのパレットを見て歯噛みしてきた口なので、今回はやる気満々です。
しかし、すごいですね。開場までビッグバザールの会場より広い部屋で並んで待ったわけなのですが、開場前に人でパンパンになりました。晴天極まる五反田駅から歩いてきたこともあり、人の熱気の蒸し暑さで汗が止まりませんでした。私はかなり後列だったので、8時から並んだ人も沢山いたのでしょう。

さて、夏のビッグバザールですが、意外と大型のコーデックスが多かったように見受けられます。手に取る人も多く、皆さん資金が潤沢なんでしょうね。うらやましい限りです。また、今流行りのアガヴェの専門ブースは人だかりが途切れず、人気の高さを実感しました。
私のメイン多肉であるユーフォルビアは、有名どころは大体持っていることもあり、持っていないのは高額なコーデックスばかりでしたね。ユーフォルビアのコーデックスは手の平サイズの小さいものが多いのですが、基本的にうん万円なんですよね。つらいです。お馴染みのユーフォルビアでは、パキポディオイデスと群星冠があちらこちらにありました。あとは、サピニーとスバポダがありましたが、以前に私が購入したのと同じブースでしたね。今までは高額なコーデックスは買わないで来たわけですが、そろそろ高額なコーデックス1点買いをする時期に来ているのかもしれません。
サボテンは過去2回のビッグバザールよりあった気がします。相変わらずコピアポアは沢山ありましたが、ギムノカリキウムは相変わらずあまりない感じでした。しかし、図鑑でしか見たことがない、超難物のナバホアが売っていて驚きました。

そんな夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールですが、9時開場と共に先ずはラフレシアリサーチさんに脇目も降らず突撃しました。変わったものが一番ありそうで、しかも1種類の点数が少なかったりするので時間との勝負です。お目当てのユーフォルビアは残念ながらでしたが、毎回全く異なる種類を並べるあたり感心しますね。
今回は珍しくフォークィエリアFouquieriaの苗が並べてあったので見てみました。私はF. diguetiiとF. macdougaliiは入手済みで、鶴仙園ではF. formosaがあったのですが購入には至りませんでした。今回、手前にはF. diguetiiやF. formosaがありほうほうと見ていたのですが、奥にF. columnaris、つまりは観峰玉の苗がありました。観峰玉の全くコーデックスらしさがない細い小苗は初めて見ました。あと、F. ochoterenaeがありました。これは根元から叢生して細長く伸びるタイプで、コーデックスとは言えませんが、図鑑で野生株しか見たことがない種類が売っていることに驚きました。
ということで、ビッグバザールの開幕早々に想定外のフォークィエリアを購入したわけです。特に観峰玉は2株しかありませんでしたから、一回りなんかした日には目敏い多肉ファンに見つかってあっという間に売れてしまうでしょうから。フォークィエリアは高額なので、はじめから諦めていましたが、ビッグバザールではこういうことがありますから、全くもって侮れません。
帰ってから植え替えましたが、フォークィエリアの根は繊細ですね。乾燥地の植物とは思えないくらいです。茎に比べて根が貧弱なので、夏は乾かしすぎないようにかなり気を付けないといけないでしょうね。

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Fouquieria columnaris

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Fouquieria ochoterenae

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Gymnocalycium damsii subsp. evea var. torulosum VoS03-040
いつも、ラフレシアリサーチさんはおまけがありますが、今回も色々ありました。ギムノがあったのでいただきましたが、どうもフィールドナンバー付きみたいです。なんかラッキーな気分。すぐに植え付けました。


話が無駄に長くなってしまいましたが、後半に続きます。


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以前、"エクセルサ"という名札が付いたガステリアを入手しました。最近、ガステリアに興味があったので購入しましたが、調べると正体が怪しいというかよくわからなくなってしまいました。「君の名は…」というか「なんだちみは?」といった感じです。

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4月に購入。

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6月。取り敢えず植え替えせずに肥料を追加して様子見していました。左側の新しい葉は大きく、急成長しています。

エクセルサ、つまりはGasteria excelsaですが、ネット検索かけて出てくる栽培品の画像は、アロエのように放射状に葉が出るガステリアらしくない姿です。うーん、なんか違いますね?
ただし、アロエにせよハウォルチアにせよ、小さな実生や仔吹きしたばかりでは、ガステリアのように左右に葉が重なる形状を取ります。生長してある程度大きくなると、葉が旋回しはじめます。これは葉が旋回するタイプのガステリアでも同様です。ですから、おかしくはないと言えばおかしくないわけです。特にエクセルサは大型種ですから、まだ数cmの私の株はまだまだと言えます。
じゃあ、いいかと言われるとまだ問題があります。エクセルサの葉は鋭く先端が尖り、葉の上面はへこみ盛り上がりません。しかし、私の所有株は葉の先端は鈍頭で丸みがあり、葉は上面も盛り上がります。
大きく育ったら変わるのでしょうか?
あるいは、エクセルサ系交配種だったりして。

さて、エクセルサは株が70cmを越える超大型種です。なんでも、Gasteria acinacifoliaという高さ1mになるガステリアの次に大きいそうです。そのG. acinacifoliaの説明に"幼若株は先端が鈍頭"(要約)とあり、若い個体の写真を見ると確かに先端が尖りません。G. acinacifoliaも生長すると葉の先端が尖りますから、若い時とは葉の形が異なるのです。これはいい事を知りました。早速、エクセルサの自生地の写真を探してみたところ、ありましたありました。いかにもなガステリア然として、葉の先端が丸い若い個体です。謎は全て解けた!かどうかはわかりませんが、将来立派な巨大ガステリアのエクセルサに育つ可能性が大きくなりました。私のちっこいエクセルサがエクセルサらしくなるなのに何年かかるかわかりませんが、生長を見守って行きたいと思います。年1回くらいは、生長の様子をアップする予定です。

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抜いたところガステリアらしく根は長く、状態にも問題なし。

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根が長いので深い鉢に植え替えしました。

エクセルサの学名は1880年に命名されたGasteria excelsa Bakerです。
個人的なお話で申し訳ないのですが、"excelsa"は「エクセルサ」とは読まない気がします。なんか「エクスケルサ」が個人的にはスッキリします。「エクセルサ」なら"exelsa"じゃないの?という疑問がありましてな…。まあ、本当にどうでもいい話なんですけどね。






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