ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

アロエ属は現在使用されている二名式学名の創始者であるCarl von Linneにより、1753年に命名された由緒正しき属名です。しかし、アロエ属の歴史を辿ると、アロエ属だったものがアロエ属ではなくなったり、逆にアロエ属ではなかったものがアロエ属となったりと、アロエ属はかなりの変化を経験して来ました。ただし、全種類のアロエを調べたわけではありませんし、一時的にアロエ属だったものに関してはほとんど調べられておりません。しかし、それでも思いもよらぬ種類がアロエとされたり、アロエ属から分離したものの後に消失した属名の多さなど、その多様な有り様にめまいがするほどです。

先ずは、アロエ属と関係する属名の年表を示します。
1753年 Aloe L.
              Agave L.
1767年 Dracaena Vand. ex L. 
1786年 Catevala Medik.
              Kumara Medik.
1809年 Haworthia Duval
              Gasteria Duval
1811年 Lomatophyllum Willd.
              Rhipidodendrum Willd.
1813年 Phylloma Ker Gawl.
1821年 Pachidendron Haw.
1824年 Bowiea Haw.
1834年 Urginea Steinh.
1838年 Drakaina Raf.
1840年 Tulista Raf.
1866年 Busipho Salib.
1883年 Notosceptrum Benth.
1905年 Chamaealoe A.Berger
1908年 Chortolirion A.Berger
1933年 Leptaloe Stapf
1939年 Aloinella (A.Berger) Lemee
1947年 Astroloba Uitewaal
1956年 Guillauminiana A. Bertrand
1993年 Lemeea P.V.Heath
2013年 Aloidendron (A.Berger)
                         Klopper & Gideon F.Sm.
              Aloiampelos
                         Klopper & Gideon F.Sm.
              Haworthiopsis G.D.Rowley
2014年 Gonialoe (Baker) 
                          Boatwr. & J.C.Manning
              Aristaloe Boatwr. & J.C.Manning

アロエ属の分離と吸収にはいくつかのパターンがありますから、いくつかの種類を例に挙げて解説します。
①古典的なアロエ類
1753年にアロエ属は誕生しましたが、この時アロエ属はあれもこれもといった状態で、様々な特徴を持つ多様な種を含むグループでした。しかし、アロエ属があまりにも様々なグループを含んでいたため、1809年に広義のHaworthiaとGasteria、1947年にはAstrolobaが独立し、アロエ属から分離しました。これらは、形態的にも生態的にも異なり、しかもHaworthia、Gasteria、Astrolobaはそれぞれの属内において非常によくまとまったグループでした。後に遺伝子解析でも支持された、妥当性のある自然な分離と言えます。
また、2013年にはHaworthiaが、Haworthia(狭義)、Haworthiopsis、Tulistaに分割されました。

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Aloe herbacea→Haworthia herbacea

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Aloe viscosa→Haworthiopsis viscosa

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Aloe pumila→Tulista pumila

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Aloe carinata→Gasteria carinata

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Aloe foliolosa→Astroloba foliolosa

②遺伝子解析によるアロエ属の分解
2013年に広義のアロエ属からAloidendronとAloiampelosが分離しました。さらに、翌2014年にはGonialoeとAristaloeが分離しました。AristaloeやGonialoeはAstrolobaやTulistaに近縁で、Kumaraは狭義のHaworthiaと近縁です。狭義のアロエはAloiampelosとは近縁ですが、他の旧アロエ属とはそれほど近縁ではありませんでした。

┏━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━Gonialoe属
            ┃┃    ┗┫
            ┗┫        ┗━Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━Gasteria属

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Aloe broomii 

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Aloe plicatilis→Kumara plicatilis

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Aloe variegata→Gonialoe variegata

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Aloe aristata→Aristaloe aristata

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Aloe striatula→Aloiampelos striatula

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Aloe dichotoma→Aloidendron dichotomum

Lomatophyllum
Lomatophyllumは1811年に命名された昔からある属で、アロエ属に似た多肉植物です。一般的なアロエ属とは異なり、果肉のある果実をつけます。ただし、LomatophyllumにはDracaenaの一部が含まれていました。それらはやがてDracaenaとされ、本来のLomatophyllumのみとなりました。しかし、Lomatophyllumは種類が統合される傾向があり、例えばLomatophyllum purpureum=Lomatophyllum saundersii=Lomatophyllum rufocinctum=Lomatophyllum aloiflorum=Lomatophyllum marginatum=Lomatophyllum borbonicumとなっています。さらに、L. purpureumはDracaena marginata、Dracaena dentata、Dracaena foetidaなど、ドラセナ属とされることもありました。
しかし、Lomatophyllumは遺伝子解析の結果から、狭義のアロエ属に含まれてしまうことがわかりました。L. purpureumも現在ではAloe purpureaとされているようです。

④Chortolirion
一見して球根植物のような見た目の、Chortolirionも実はアロエ属に含まれることになりました。Lomatophyllumと同様に遺伝子解析の結果、狭義のアロエ属の一員となりました。Chortolirionは、初め広義のHaworthiaでしたがやがてChortolirionとなり、最終的にアロエ属となる経緯をたどりました。

⑤議論があったアロエ
アロエ属は一般的に赤・橙・黄色系統の花を咲かせます。しかし、Aloe albifloraは白い花を咲かせます。このことから、Aloe albifloraはアロエではない可能性があるとして、Guillauminiana albifloraという学名がつけられたことがあります。Guillauminianaは6種類あるとされました。しかし、Guillauminianaは現在認められておらず、今は存在しない属名です。Guillauminianaはアロエ属6種からなる小さなグループでした。

Aloe bowieaは、Chamaealoe africanaあるいはBowiea africanaと呼ばれたことがあります。現在ではアロエ属となり、Chamaealoeは存在しない属名です。しかし、Bowieaは蒼角殿Bowiea volubilisとして属名が残っています。ただし、気を付けなければならないのは、Bowiea africanaのBowieaは1824年にHaworthが命名した属名ですが、Bowiea volubilisのBowieaは1867年にHarv. ex Hook.f.の命名した属名ですから実は起源が異なるはずですが、何故か混同されているように見えます。
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Aloe bowiea
=Chamaealoe africana
=Bowiea africana


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Bowiea volubilis

⑥現存しない一時的な学名
アロエ属にかつて命名されていたCatevala、Pachidendron、Urginea、Drakaina、Busipho、Notosceptrum、Leptaloe、Aloinella、Lemeeaといった属名がありますが、どれも現在では使用されておりません。

女王錦Aloe parvulaは、Lemeea parvulaと命名されたこともあります。
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Aloe parvula=Lemeea parvula

Aloe alooidesは、初めはUrginea alooidesと命名された後にNotosceptrum alooidesとなり、最終的にアロエ属となりました。実はこのUrgineaは160種類程度を含んだかなり大きな属でした。しかし、現在このUrgineaはほとんどがDrimiaとなり、その他にもAloe、Albuca、Schizocarphus、Fusifilum、Austroneaなどを含んだ雑多なグループでした。NotosceptrumはAloeやKniphofiaからなる小さなグループでした。

Aloe myriacanthaは、初めはBowiea myriacanthaと命名された後にアロエ属となり、最終的にLeptaloe myriacanthaとされましたが、結局はアロエ属とされています。Leptaloeは10種類ほどのグループで、すべてアロエ属からなっています。

Aloe purpureumはLomatophyllum purpureumとされていたこと、あるいはDracaenaとする意見があったことを示しました。しかしA. purpureumは、さらにPhyllomaやDrakainaといった属名とされたこともあります。Phyllomaはアロエ属4種類からなる小さなグループでした。Drakainaというドラセナに似た属名は、Aloe purpureumとDracaena dracoの2種類からなる奇妙なグループでした。

Aloe haworthioidesは、Lemeea haworthioidesやAloinella haworthioidesと命名されたこともあります。AloinellaはA. haworthioidesのためだけに創設されたグループでした。
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Aloe haworthioides
=Lemeea haworthioides
=Aloinella haworthioides


Aloe feroxは、Pachidendron feroxやBushipho feroxと呼ばれたこともあります。Pachidendronはアロエ属5種類からなる小さなグループでした。BushiphoはA. feroxのためだけに創設されたグループでした。

Aloe humilisはCatevala humilisと命名されたことがあります。Catevalaは約60種類程度を含むグループで、アロエ属や広義のハウォルチアが混ざっていました。
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Aloe humilis=Catevala humilis

Aloe dichotomaはAloidendron dichotomumとなりアロエ属から分離しましたが、広義のアロエ属だった1811年にRhipidodendrum dichotomumとされたことがあります。Rhipidodendrumは現在のKumaraとA. dichotomumの3種類からなるグループでした。
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Aloidendron dichotomum
=Aloe dichotoma
=Rhipidodendrum dichotomum


⑦アロエとされたことがあるアガヴェ
Agave americana、つまりはあの巨大に育つことで有名なアオノリュウゼツランですが、実に不思議なことにAloe americanaと命名されたことがあります。
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アオノリュウゼツラン
Agave americana
=Aloe americana


⑧存在しないアロエ
詳細は不明ですが、「廃止」となったアロエも存在します。他のアロエなどの異名ですらなく、学名自体が廃止となったAloe asperaやAloe browniiといったものがあります。詳しい調べていませんが、廃止となった学名はこの他にもけっこうありそうです。
もしかしたら、記載情報から実際の植物にたどり着けない場合というのはまず第一に考えられます。古い記載では情報が曖昧で標本もなく、スケッチのみというパターンは実際に存在します。まあ、他にも理由はあるのかもしれません。


⑨交雑種
かつてはアロエ属であった自然交雑種も存在します。例えば、Aloe × bicarinataは現在、× Astrolista bicarinataとされています。× AstrolistaはAstroloba × Tulistaを示しています。
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× Astrolista bicarinata
=Aloe × bicarinata

 
のブログは多肉植物がメインですが、内容的には学名の来歴を追った部分が他サイトとの違いかなあと思っています。実のところ大した情報ではありませんが、そんなことでも続けていれば色々と見えてくるものがあります。例えば、ハウォルチアは昔アロエだったものが多いこととか、アロエは意外に現在無効な属名があることとか、そんなことです。これからも、論文を含め気になることが出てきましたら記事にする予定です。


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私はユーフォルビアをチマチマ集めたりしていますが、ユーフォルビア属と近縁とされるモナデニウム属にはあまり興味がありませんでした。というのも、ユーフォルビア属自体があまりにも多様で種類が多いため、モナデニウム属まで手が回らないためです。そのため、モナデニウムを調べたりもしないので、あまりイメージがありませんでした。しかし、2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文を紹介する記事を書いた時に、モナデニウム属がユーフォルビア属に含まれているということを書きました。私も論文を読んで初めて知ったのですが、その際に論文に出てくる旧モナデニウム属の種類を調べたところ、その多様な姿に驚かされました。

以前の記事はこちら。
しかし、その時の論文が初めてモナデニウム属がユーフォルビア属に含まれることを明らかにした論文であるかはわかりません。まだちゃんと読んでいないのですが、2006年のPeter Burynsらの『A New Subgeneric Classhfication for Euphorbia (Euphorbiaceae) in Southern Africa Based on ITS and psbA-trnH Sequence Data』において既に述べられているみたいです。他にも根拠論文はあるかもしれませんから、もう少し調べてみるつもりです。

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幹だけではなく、葉裏の葉脈にもトゲがあるのは面白く感じます。

以前、園芸店に鉢を買いに行った際、変わった多肉植物を見つけました。手に取ると、なんとモナデニウムで、ラベルには"Monadenium magnificum"とありました。私の古いイメージではモナデニウムはM. schubeiの様な姿を想定していたので、なにやら驚いた記憶があります。私にとっては初めてのモナデニウムですが、これは非常に面白い植物だと思いました。

2013年の『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』では、E. magnificaの遺伝子解析による分子系統は以下の通りです。近縁種はタンザニア原産です。

            ┏━E. magnifica
        ┏┫
        ┃┗━E. neoarborescens 2
    ┏┫
    ┃┗━━E. neoarborescens 1
┏┫
┃┗━━━E. spectabilis

┗━━━━E. neococcinea


E. magnificaは高さ1.5~2メートルくらいになるそうですから、旧モナデニウムの中ではかなり大型になります。一応は低木扱いとなるみたいです。塊根性。

さて、上の方で述べた通りモナデニウム属はユーフォルビア属に変更となりました。学名は1940年にMonadenium magnificum E.A.Bruceでしたが、2006年にはEuphorbia magnifica Burynsとなりました。良く見ると種小名の語尾も変更されています。ラテン語では、"-um"は単数形で"-a"は複数形らしいのですが、文法上のことでしょうから残念ながら私にはさっぱりわかりません。
しかし、モナデニウム属は個性的ですから、学術的にはユーフォルビア属でもやはり区別しておきたい思いがあります。ラベルには"Monadenium magnificum"の学名を記入しています。まあ、ユーフォルビア属に変更となったことを理解していればいいことだけですから、ラベルはわかりやすさ優先です。
しかし、学名は統合したり分離したりすることもありますから、元のラベルの表記は残しておかないと、後々訳がわからなくなるかもしれません。


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かつてのHaworthia sensu lato(広義のハウォルチア属)は2013年に分割され、Haworthia sensu stricto(狭義のハウォルチア属)、Haworthiopsis、Tulistaになりました。その中でもツリスタ属はたった4種類から構成されています。その4種類とはTulista marginata、Tulista pumila、Tulista kingiana、Tulista minorです。ただし、Tulista minorはTulista minimaと呼ばれることもあります。
ここからが本題です。私には以前から疑問に思っていたことがあります。それは、T. minorとT. minimaのどちらを選択するべきかということです。どうやら、近年ではT. minorで統一する流れのようですが、その根拠が今一つわからなかったのです。なぜならば、T. minorもT. minimaも、1789年にAloe margaritiferaの変種として、スコットランドのWilliam Aitonにより命名されました。本来ならば、先に命名された種小名が優先されますが、この場合は同時に命名されています。どちらを優先すべきなのでしょうか? なぜ、T. minorが認めているのでしょうか?
しかし、なんとその答えが書かれた論文を見つけました。是非ご紹介したいのですが、その前にT. minorとT. minimaの命名年表を下記に示します。


1789年 Aloe margaritifera var. minor Aiton
              Aloe margaritifera var. minima Aiton
1809年 Haworthia minor (Aiton) Duval
1812年 
Haworthia minima (Aiton) Haw.
1821年 Apicra minor (Aiton) Steud.
1829年 Aloe minor (Aiton) Schult. & Schult.f.
1891年 
Catevala minima (Aiton) Kuntze
1997年 
Haworthia pumila subsp. minima
                                     (Aiton) Halda
2014年 
Tulista minima
              (Aiton) Boatwr. & J.C.Manning

2018年 Tulista minor
              (Aiton) Gideon F.Sm. & Molteno

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Tulista minor

さて、今日ご紹介する論文は、Gideon F. Smith, Estrela Figueiredo & Steven Moltenoによる2018年の『A new combination in Tulista, T. minor (Alooideae, Asphodelaceae)』です。
1789年にAloe margaritifera var. minorとAloe margaritifera var. minimaを命名したAitonは"minor"と"minima"を別種と認識していました。しかし、どうやら同じ論文の中で命名されたようです。この場合、先に命名された学名を優先するという「先取権の原理」ではどちらを優先すべきか判断出来ません。フランスのHenri August Duvalが"minor"をハウォルチアとしたのは1809年、イギリスのAdrian Hardy Haworthが"minima"をハウォルチアとしたのは1812年ですから、ハウォルチアへの移行は3年の差があります。著者はこの事を重視しているようです。調べたところ、どちらかに正式な学名とすることを初めて公表した著者の意見が優先されるそうです。これは「第一校訂者の原理」と呼ばれます。"minor"の場合はDuvalが第一校訂者となります。よって、ツリスタ属に変更する場合でも、その基礎となる種小名は"minor"となります。

話をまとめます。著者らが主張する学名に使われる種小名"minor"は、1789年にAitonによりAloe margaritifera var. minor Aiton(※Basionym)と命名されました。1809年にDuvalによりHaworthia minor (Aiton) Duval(※Homotypic synonym)とされましたが、著者らはDuvalを第一校訂者として、H. minorを根拠とする
Tulista minor (Aiton) Gideon F.Sm. & Molteno, comb. nov.(※comb. nov.=所属が変更された)としました。ちなみに、他にも種小名"minor"を使用した異名(Homotypic synonym)として、1821年のApicra minor (Aiton) Steudel、1829年の Aloe minor (Aiton) Schult. & Schult.f.が知られています。
また、正統性がなく無効とされる異名(Heterotypic synonym)として、1789年の
Aloe margaritifera var. minima Aiton、 1812年のHaworthia minima (Aiton) Haworth、2014年のTulista minima (Aiton) Boatwright & J.C.Manningが知られています。

補記1 : 同じ著者らの2017年の論文では、ツリスタ属はT. opalinaを含め5種類としていました。しかし、今回ご紹介した2018年の論文ではツリスタ属は4種類とし、T. opalinaを認めるかは議論のあるところであるとしています。T. opalinaを認めるか否か、2017年から2018年の1年で情勢が変わったのかもしれませんね。

補記2 : "minor"は「ミノー」と読むことが一般的ですが、ラテン語の読み方では「ミノル」です。個人的な好みでラテン語読みにこだわっている関係上、「ミノル」と読ませていただきました。
そういえば、"minima"は「小さな」、"minor"は「より小さな」という意味です。初めに"minor"と"minima"を命名したAitonは、大小2つの個体を見て、大きい個体は他種より小さいから"minima"として、それより小さい個体を"minor"と命名したのでしょうかね? 名前のミステリーはまだ未解決かもしれません。



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個人的にツリスタ属が好みでチマチマ集めていますが、現在ツリスタ属は4種類なので全種類簡単に集まりました。あとは変種やフィールドナンバー付きを集めるくらいです。Haworthia pumilaとHaworthia marginataは、2013年にGordon Douglas RowleyによりTulista pumilaとTulista marginataとされました。しかしその後にGideon F.Sm & Moltenoにより2017年にはTulista kingiana、2018年にはTulista minorがツリスタ属に追加されました。そのため、海外のサイトではT. marginataやT. pumilaはツリスタ属としていても
、T. minorやT. kingianaはハウォルチア属としていることもあります。国内では残念ながらツリスタ属自体に対する認識がそもそもあまり無いのが現状で、4種類すべてがハウォルチア属としていることが多いように思われます。

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Tulista kingiana

さてそんな中、今年の7月初めにT.kingianaを入手したことにより全4種類が集まりましたが、その都度学名などの情報を調べて記事にしました。この時、学名の情報はイギリス王立植物園のデータベースを参考としましたが、その根拠は特に意識していませんでした。しかし、最近多肉植物の論文を漁っているため、キンギアナをツリスタ属とした論文を見つけました。早速読んでみたところ、何やら意外なことが書かれており、単純に属名の変更というどちらかと言えば地味な論文にしては面白い内容でしたのでご紹介します。

ご紹介する論文は2017年のGideon F. Smith, Estrela Figueiredo & Steven Moltenoによる『A new combination in Tulista, T. kingiana (Asphodeloideae, Xanthorrhoeaceae / Alooideae, Asphodelaceae)』です。早速簡単にご紹介しましょう。
2003年のTreulein et al.や2013年のGrace et al.、2014年のManning et al.によるアロエ類の系統発生研究により、Haworthia s.l.(sensu lato=広義の)は3分割されることが示されました。Haworthiaは、Haworthia s.s.(sensu stricto=狭義の)、Haworthiopsis G.D.Rowley、Tulista Rafinesqueの3グループが確立され広く受け入れられました。
このうち、Tulistaは5種類を含むと考えられています。つまり、T. marginata (Lamarck, 1783) G.D.Rowley, 2013、T. minima (Aiton, 1789) Boatwr. & J.C.Manning, 2014、T. opalina (Hayashi, 2001) Breuer, 2016、T. pumila (Linnaeus, 1753) G.D.Rowley, 2013です。しかし、5番目の種であるHaworthia kingiana Von Poellnitz, 1936については、ツリスタ属として命名はされていますが、その学名が有効ではないと言います。どういうことなのでしょうか?
2013年のG.D.Rowleyや2016年のBreuerの論文では、H. kingianaをツリスタ属としました。しかし、これらはVon Poellnitzの1936年の報告を引用してそれを基に命名しました。しかし、Von Poellnitzの1936年の報告は国際命名規約(ICN)に乗っ取ったものではありませんでした。つまり、G.D.RowleyやBreuerにより命名されたTulista kingianaは、引用元に誤りがあるため正式には認められないというのです。これは、ICNの第41.5条に基づいて有効ではないとされるそうです。
そこで著者はHaworthia kingianaが規約に乗っ取り正式に報告されたVon Poellnitz, 1937を引用して、Tulista kingiana (Poelln.) Gideon F.Sm. & Molteno, comb. nov.として新たに記載しました。
※comb.nov.=combination nova、他の所属になったことを示す。
学名の根拠となった元になった学名(Basionym)は、Haworthia kingiana Von Poellnitz, 1937で、Tulista kingiana (Poelln.) G.D.Rowley, 2013やTulista kingiana (Poelln.) Breuer, 2016は規約に従わない無効名です。

ここまでが論文の内容です。私はG.D.Rowleyが2013年にツリスタ属を復活させた時に、T. kingianaは含まれていなかったものだと勘違いしていましたが、実は命名自体はされていたわけです。しかし、このような経緯は学名を調べただけではわかりませんから、個人的には非常に面白い話でした。


補記 : 論文ではツリスタ属は5種類としていますが、現在学術的に認められているツリスタ属は4種類です。T. opalinaはT.minorの異名とされています。しかし、将来的にT. opalinaが認められる可能性はあります。
また、T. minimaは現在ではT. minorが正しい学名となっています。これについては個人的に前々から頭を悩ます問題でした。T. minorが正式な学名であることは知っていますが、その理由や根拠となると全く説明出来ないのです。そんな中、そこら辺について書かれた論文を見つけましたので、私が何にそんなに悩んでいたのかを含め明日ご紹介したいと思います。



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本日は2013年に発表された論文『Gymnocalycium mostii aggregate : Taxonomy in the northern part of its distribution area including newly described taxa』をご紹介します。著者はチェコの植物学者であるRadomír Řepka & Peter Kouteckyです。
論文の趣旨は、Gymnocalycium prochazkianum、Gymnocalycium simile、Gymnocalycium simplexの3種について、その形態や分布、ゲノムサイズの調査により、3種の関係性を考察しています。

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Gymnocalycium prochazkianum

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Gymnocalycium prochazkianum
                                    subsp. simile
            (=G. simile)


ここで、タイトルにあります"Gymnocalycium mostii aggregate"、つまりは「ギムノカリキウム・モスティイ集群」とは何かという話をしましょう。G. mostiiとはいわゆる「紅蛇丸」のことですが、現在G. mostiiには亜種や変種が認められておりません。つまりは、黒豹丸G. mostii var. kurtzianumも、ただのG. mostiiと同一視されています。さらには、G. bicolorやG. prochazkianum、G. simile(G. prochazkianum subsp. simile)、G. simplex(G. prochazkianum subsp. simplex)も、現在ではG. mostiiに集約されてしまっているのです。気を付けなければならないのは、紅蛇丸と言った場合はG. mostiiのことですが、G. mostiiと言った場合は紅蛇丸を示すとは限らないことです。単にG. mostiiと言った場合には、G. bicolorやG. prochazkianumなども含んだ学名だからです。ただ、その場合のG. mostiiはかなりの変異幅を持っていますから、「集群」という表現となっているのでしょう。しかし、研究者は論文でもG. prochazkianumやG. bicolorの学名を使用しています。やはり、不便なのでしょうか? 必ずしもG. mostiiとする統一見解があるわけではないのかもしれません。まあ、学名なんてそのうち変わるかもしれませんけどね。
※集群 : 亜属内の何らかの集合。

さて、内容に入る前にギムノカリキウム属について、簡単に解説します。2011年の論文でPablo H. Demaioはギムノカリキウム属を7つの亜属に分けました。その1つであるScabrosemineum亜属は共通する種子の特徴があるそうです。この特徴はG. mostiiグループにも見られますが、種子の色や葯やフィラメントの色の違いにより、G. mostiiグループは8つに分けられるとされます。
G. mostii sensu stricto
        ※狭義のG. mostii
G. mostii f. kurtzianum
G. mostii var. miradorense
G. mostii subsp. valnicekianus
G. bicolor nom.inval.
        ※nom.inval.=規約に従わない無効名
    =G. mostii subsp. bicolor
G. genseri nom.nud.
        ※nom.nud.=裸名
G. prochazkianum
    =G. mostii subsp. prochazkianum
G. bicolor var. simplex nom.prov.
       ※nom.prov.=正名がつくまで有効な学名

G. mostiiグループはアルゼンチンのコルドバ州とサンティアゴ・デル・エステロ州に分布します。
G. bicolor var. simplexは"Northern bicolor"とも呼ばれ、G. bicolor(s.str.)やG. prochazkianumとは形態が異なります。しかし、種子リストではG. prochazkianumとG. bicolor var. simplexの中間的な移行形態も見られるそうです。

さて、論文では形態的な比較もしており、例えば全体のサイズはprochazkianum<simile ≦simplex、稜の数はp
rochazkianum<simile <simplex、トゲの数はprochazkianum<simile<simplex、トゲの長さはprochazkianum<simile<simplex、果実のサイズはprochazkianum>simile >simplexなど、G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの中間的な特徴を示し、G. simileの交雑により誕生した可能性を示唆しています。ただし、種内の特徴の変動幅を見た場合、意外にも交雑を疑われるG. simileよりG. prochazkianumの方が変動幅が高いことがわかりました。
次にG. prochazkianumは太く長い貯蔵根があり、G. simileも似たような根を持つことがありますが、G. simplexはわずかに肥厚することはありますが根は分岐します。

自生地ではG. simplexは平らな球形から半球形で土壌に1/2ほど埋まりますが、古い個体は完全に地上に露出します。G. prochazkianumは古い個体でも最大3/4は土壌に埋まります。G. simileは自生地の集団により、土壌に埋まったり露出したりします。
また、種子の形状ではG. simileとG. simplexはほぼ同じなんだそうです。


ここで、ゲノムサイズの解析について解説します。どうやらフローサイトメトリーにより解析を行ったようです。フローサイトメトリーはフローサイトメーター(FACS)という機器を用います。これは細胞にレーザーを当てて、その特徴を分析する機器です。FACSが優れているのは、数千~数万という細胞を短時間で解析可能であることです。
このFACSを用いた解析では、G. prochazkianum、G. simile、G. simplexは、すべて二倍体であることがわかりました。Scabrosemineum亜属は基本的に二倍体ですが、四倍体も知られていたため確認したみたいです。これは異なる倍数体同士では交配しない可能性があるため、同じ二倍体であることが交雑可能性の否定的要素の除外として重要だったみたいですね。


分布域を比較すると、G. prochazkianum、G. simile、G. simplexのそれぞれ離れており、連続していません。3種の中ではG. prochazkianumが最南端に分布します。
①G. prochazkianumはアカシアが優勢である低木地帯に生えます。低木により遮光される環境に育つことがあります。土壌は瓦礫地で花崗岩と花崗岩の崩壊物からなり、非常に低栄養で強く乾燥します。G. prochazkianumはこの極端な環境によく適応しています。太く長い貯蔵根は環境への適応により発達したのかもしれませんね。
②G. simplexはG. prochazkianumよりも北に分布し、比較的大きな分布域を持ちます。花崗岩の崩壊による砂質の土壌に育ちます。G. simplexはあまり埋まらず、直射日光にさらされます。G. simplexはG. prochazkianumと同様に栄養素の乏しい土壌です。
③G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの生息域の間に分布し、生息域は繋がっておりません。石の多い斜面の低木地帯に生えるためG. prochazkianumに地質学的条件は似ています。岩石は花崗岩質で、花崗岩が崩壊して出来た砂質の土壌でも育ち、生態学的にはG. simplexに似ています。


ここまでの内容の結論としましては、G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの自然交雑種である可能性が高いということです。
考えたこととして、これはただの雑種ではないかもし知れないということです。通常は雑種を防ぐ生態的あるいは発生学的な防壁があり、近縁種が混ざって生えていても、交雑は起きません。もし雑種が出来ても不捻と言って、雑種には発芽可能な種子が出来ないことが多いようです。しかし、ギムノカリキウム属は簡単に雑種が出来てしまい、雑種でも種子を作り増えることが出来ます。どうも自然交雑がギムノカリキウム属の進化に深く関わっているように思えます。交雑しても地理学的な隔離があれば、独立種としての道筋を辿るのではないでしょうか。そもそも、ギムノカリキウム属は短期間に進化したらしく、遺伝子解析による分離がいまいちなグループです(Demaio, 2011)。自然交雑が進化の起爆剤となっているのかもしれません。


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ダシリリオンはそもそもあまり流通していませんが、最近では実生苗がまれに販売されることもあります。そんな中、もっとも流通しているDasylirion longissimumは、じつはDasylirion quadrangulatumであるという記事を最近書きました。そもそもが海外での混乱がそのまま日本に波及した形なのですが、国内でそのことが話題に挙がることはないみたいですので、気にはなっています。

私は先ずDasylirion longissimumという名札が付いたDasylirion quadrangulatumを入手した後、正しい名札が付いたD. quadrangulatumを入手したので、結局はD. quadrangulatumを2株入手しただけでした。残念。
しかし、基本的にD. longissimum(本当はD. quadrangulatum)以外のダシリリオンはまあ見ないわけです。五反田TOCで開催されたサボテン・多肉植物のビッグバザールで、明らかD. quadrangulatumではないダシリリオンを見つけたので購入しました。それが、ダシリリオン・ベルランディエリです。


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葉は青白くトゲがあります。葉の断面が平たいことに注意。

ベルランディエリは葉の長さは120cmになり、葉はワックス状で青くトゲは不規則につきます。花茎は3.5メートルになるそうです。マイナス14℃に耐えるそうですから、ある程度のサイズになれば完全戸外栽培も可能でしょう。ベルランディエリは非常に美しい葉色を持ちますから、これからの生長が楽しみです。

ベルランディエリの学名は1879年に命名されたDasylirion berlandieri S.Watsonです。S.Watsonはアメリカの植物学者であるSereno Watsonです。種小名はフランスの植物学者であるJean-Louis Berlandierに対する献名です。Berlandierは1943年にメキシコのeast of MonterreyではじめてDasylirion berlandieriを発見しました。

ダシリリオンについては以下の記事もご参考までに。

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以前、笹蟹丸と紅キリンの関係について記事にしました。

この記事では、笹蟹丸Euphorbia pulvinataと紅キリンEuphorbia aggregataは同種であり、E. aggregataという学名はE. pulvinataの異名であるというものでした。
これは、海外のサイトを色々探った時に出てきた情報です。園芸サイトだけではなく、学術的な植物のデータを収集しているような幾つかのサイトでも、やはり2種は同種であるとありました。最終的には、『GBIF』(Global Biodiversity Information Facility)という学術的な情報に基いて、学名を収集しているサイトの情報を確認しました。
しかし、『World Checklist of Vascular Plants』というイギリス王立植物園が主宰するサイトの情報においては、E. pulvinataとE. aggregataはそれぞれ別種とされています。このサイトの情報は、正式な学名と異名について、出されている学術論文を参考にして検討する学術雑誌を出しており、新しい情報があれば改定されたりします。GBIFもWorld Checklist of Vascular Plantsを根拠としていますから、GBIFは情報が古いのかもしれません。

DSC_1726
笹蟹丸
Euphorbia pulvinata Marloth, 1910

DSC_1528
紅キリン
Euphorbia aggregata A.Berger, 1907 publ. 1906


ここで、疑問が湧きます。では、E. pulvinataとE. aggregataが同種であるという情報はどこから来たのでしょうか? 調べたところ、2012年に南アフリカの植物学者であるPeter Vincent Bruynsによる『Nomenclature and typification of southern African species of Euphorbia』という論文から来ているようです。驚いたことに、実は既に読んだことがある論文でした。World Checklist of Vascular Plantsでもこの論文を根拠としているユーフォルビアもありますから、内容をチェックしたことがあったのです。この論文の内容は、南アフリカに分布するユーフォルビアの種類と学名の妥当性を検討するというものです。問題のE. aggregataは"除外された名前"とされています。一体どういう意味なのでしょうか?
この論文においてE. aggregataは、E. pulvinataやE. feroxと同種ではないかを確認する必要があるとあります。あるいは、E. aggregataはカルー東部の広い範囲に分布し、E. pulvinataやE. feroxとの中間体である懸念を指摘しています。果たしてこの擬義が如何にして解消されたのかは私にはわかりませんが、とにかくこの論文のE. aggregataに関する記述は認められていません。その根拠を探して論文を探してみましたが、残念ながら見つけられませんでした。様々なサイトではE. aggregataについて異名の疑いを示してはいるものの、現在ではE. aggregataを承認する形となっています。

DSC_1662
勇猛閣
Euphorbia ferox Marloth, 1913

それでも気になるのは、やはりその根拠です。Bruynsの論文の当該部分を否定するならば、当然ながら議論があるはずです。しかし、よくよく考えて見ると、Bruynsの"懸念"が何らかの根拠に基づいているのか、その考え方の妥当性自体に誤りがないのかはわかりません。そもそもこの懸念が議論に値するものであるのかどうかすらわかりません。単純に妥当性なしとされただけのことかもしれません。とはいえ、それも確証はないため気になっている部分ですから、今後も論文の調査は行っていくつもりです。



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本日はヴロキイという名前の南アフリカ原産のガステリアをご紹介します。
ヴロキイは東ケープ州のHankey郊外のKouga地方に自生します。自然保護区の岩肌に生えるために保護の必要はないそうです。標高1000-1500メートルの石英質砂岩地の、ミネラル分が少ない砂質の腐食土壌がたまった岩の割れ目や隙間に生えます。pH4.1という非常に強い酸性条件で育つようです。生息地にはSenecio crassulifolius、Crassula atropurpurea、Crassula ericoides subsp. tortuosa、Adromischus maculatusなどが生えるそうです。

DSC_1793
Gasteria vlokii

ヴロキイは1984年に南アフリカの植物学者であるJan Vlokが、Waboomsbergの1946メートルの岩肌で発見しました。高地の湿ったフィンボス(夏に乾燥する冬の降雨地域)ではじめて発見されたガステリアということで、驚きをもって受け止められました。
ヴロキイは南アフリカの植物学者であるErnst van Jaarsveldが1987年にGasteria vlokii van Jaarsv.と命名しました。vlokiiは発見者であるJan Vlokに対する献名です。

ガステリア属は南アフリカ原産ですが、種類ごとの分布が近いものは遺伝的にも近縁であることがわかりました。以下に示すのはガステリアの遺伝子解析の結果です。ヴロキイは南アフリカ南西部のガステリアと近縁です。


┏━━━━━━━━━━G. pillansii

┃    ┏━━━━━━━━G. vlokii
┃    ┃
┃┏┫    ┏━━━━━━G. koenii
┃┃┃┏┫
┫┃┃┃┗━━━━━━G. brachyphylla
┃┃┗┫
┃┃    ┃    ┏━━━━━G. thunbergii
┃┃    ┃┏┫
┃┃    ┃┃┗━━━━━G. carinata 
┃┃    ┗┫                      var. glabra
┗┫        ┃┏━━━━━G. retusa
    ┃        ┗┫
    ┃            ┃┏━━━━G. carinata
    ┃            ┗┫
    ┃                ┃┏━━━G. langebergensis
    ┃                ┗┫
    ┃                    ┗━━━G. disticha
    ┃
    ┃    ┏━━━━━━━G. bicolor                          
    ┃┏┫                                         
    ┃┃┗━━━━━━━G. rawlinsonii                 
    ┃┃                                             
    ┗┫┏━━━━━━━G. nitida 
        ┃┃
        ┃┃         ┏━━━━G. excelsa
        ┃┃     ┏┫
        ┃┃     ┃┗━━━━G. pulchra
        ┃┃     ┃
        ┃┃┏ ┫ ┏━━━━G. ellaphieae                         
        ┃┃┃ ┃ ┃ 
        ┃┃┃ ┃ ┃    ┏━━G. polita
        ┗┫┃ ┗ ┫┏┫
            ┃┃      ┃┃┃┏━G. acinacifolia
            ┃┃      ┃┃┗┫
            ┃┃      ┗┫    ┗━G. barbae
            ┃┃          ┃
            ┃┃          ┃┏━━G. armstrongii
            ┗┫          ┗┫
                ┃              ┃┏━G. glauca
                ┃              ┗┫
                ┃                  ┗━G. glomerata
                ┃
                ┃    ┏━━━━G. croucheri
                ┃┏┫
                ┃┃┗━━━━G. loedolffiae
                ┗┫
                    ┃┏━━━━G. tukhelensis
                    ┗┫
                        ┃┏━━━G. batesiana
                        ┗┫            var. batesiana
                            ┗━━━G. batesiana
                                            var. dolomitica


ヴロキイは花の形状からは、G. glauca、G. ellaphieae、G. nitidaと近縁とされてきましたが、遺伝子解析の結果からは支持されません。

世の中には多肉植物ブームなるものが、私が知らない間にあったらしいです。しかし、その時の一時の過熱はなくなったものの、どうも多肉人口が増えたせいか多肉植物自体は以前より今の方が色々入ってきているように思います。そんな中でも、何故かガステリアは見かけません。もちろん、臥牛や恐竜は見かけますけど、それ以外の種類、しかも原種となると中々厳しいところです。私もチマチマ集めてはいますが、ガステリアは現在8種類のみです。先日のビッグバザールでも、ガステリアはほぼありませんでした。しかし、ガステリアは非常に美しいので、もう少し流行って欲しいところですね。


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硬葉系ハウォルチアはハウォルチア属のHexangulares亜属とされてきました。しかし、硬葉系ハウォルチアは2013年にGordon Douglas Rowleyによりハウォルチオプシス属とツリスタ属として、ハウォルチア属から独立しました。しかし、そのハウォルチオプシス属内部をどう分類するのかという問題も出てきました。また、遺伝子解析結果からは、思いもよらぬ難問が提出されました。そこで、本日はハウォルチオプシス属の新しい分類を提案している、2016年に発表された論文『A synoptic review and new iofrageneric classification for the genus Haworthiopsis (Xanthorrhoeaceae : Asphodeloideae)』をご紹介いたします。著者は近年のアロエ類研究を先導する、南アフリカのSean D.Gildenhuys & Ronell R.Klopperです。

Haworthia henriquesiiが2019年にハウォルチオプシス属とされましたが、論文は2016年ですからHaworthiopsis henriquesiiを含まない18種類について述べられております。
問題はコエルマニオルム(H. koelmaniorum)の立ち位置です。コエルマニオルムは分布はリミフォリア(H. limifolia)に近いものの、形態的にはテセラタ節(H. granulata、H. tessellata、H. venosa、H. woolleyi)に近いようにも見えます。しかし、下に示した遺伝子解析による分子系統では、ハウォルチオプシス属はガステリア属と姉妹群ですが、コエルマニオルムはむしろガステリア属よりもハウォルチオプシス属と離れて見えます。

            ┏━━━━━Gasteria
            ┃
            ┃        ┏━━Haworthiopsis
            ┃        ┃     Section Trifariae
            ┃    ┏╋━━Haworthiopsis
            ┃    ┃┃     Section Haworthiopsis
            ┃┏┫┗━━Haworthiopsis
            ┃┃┃         Section Haworthiopsis
            ┣┫┗━━━Haworthiopsis
            ┃┃             Section Virescentes
        ┏┫┗━━━━Haworthiopsis
        ┃┃                 Section Haworthiopsis
        ┃┣━━━━━Haworthiopsis
        ┃┃                 Section Limifoliae
        ┃┣━━━━━Haworthiopsis
        ┃┃                 Section Tessellatae
        ┃┗━━━━━Haworthiopsis
    ┏┫                     Section Attenuatae
    ┃┣━━━━━━Haworthiopsis
    ┃┃                     Section koelmaniorum
    ┃┃┏━━━━━Tulista
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━━━━Aristaloe
┏┫┗┫
┃┃    ┣━━━━━Gonialoe
┃┃    ┃
┃┃    ┗━━━━━Astroloba
┃┃
┃┣━━━━━━━Aloe
┃┃
┫┗━━━━━━━Aloiampelos

┣━━━━━━━━Haworthia

┣━━━━━━━━Kumara

┗━━━━━━━━Aloidendron

ハウォルチオプシスを分割していますが、ガステリア属を含めて1つのグループを形成しています。同様にツリスタ属、アリスタロエ属、ゴニアロエ属、アストロロバ属を1つのグループとしています。要するに、①ハウォルチオプシス+ガステリア、②コエルマニオルム、③ツリスタ+アリスタロエ+ゴニアロエ+アストロロバという、3群に分けられるのです。ガステリア属は非常にまとまりのあるグループなので、独立した属とされています。このように、コエルマニオルムはハウォルチオプシスとすべきか微妙な立ち位置にいます。
さらに言うならば、Trifariae節、Haworthiopsis節、Virescentes節はまとまりがありますが、Limifoliae節、Tessellatae節、Attenuatae節は必ずしも単系統にはなっていません。ハウォルチオプシス属自体のまとまりのなさがうかがえます。
ただし、慎重にも論文ではさらに詳細な解析が必要であるとしています。完全決着などではなく、現時点においての評価ということなのでしょう。
では、論文におけるハウォルチオプシス属の分類と、私の各Sectionの解説を示します。

①Section Attenuatae
・H. attenuata
・白い結節(イボ)がつくタイプです。結節の大きさや密度、白さには個体差があります。
・アテヌアタは東ケープ州に分布します。
・日本では「十二の巻」という名前の白い結節があるハウォルチオプシスが昔から販売されており、これをファスキアタとすることが多いのですが、「十二の巻」はアテヌアタ系交配種です。最近、「特アルバ」の名前で販売されている結節が目立つタイプのハウォルチオプシスはアテヌアタです。同様に結節が細かくつき繋がらない「松の雪」はやはりアテヌアタです。このように、アテヌアタ系はよく見かけますが、ファスキアタは基本的に販売しておりません。たまに専門店に並ぶくらいです。ネットでは十二の巻をファスキアタの名前で販売されていることが多いので注意が必要です。

②Section Haworthiopsis
・H. coarctata, H. fasciata, H. glauca, H.longiana, H. reinwardtii
・白
い結節(イボ)がつくタイプです。結節の大きさや密度、白さには個体差があります。白い結節を持ちロゼットを作るファスキアタ、白い結節を持ち縦長に育つコアルクタタとレインワルドティイ、結節に白くならないか結節がないグラウカ、結節がない場合もあり葉が長くなるロンギアナからなります。
・Haworthiopsis節はすべて東ケープ州に分布します。
コアルクタタをレインワルドティイに含める考え方もあります。

③Section Limifolia
・H. limifolia
・遺伝子解析では独立して見えますが、他種との関係に対する解析が不十分とのことで暫定的にリミフォリア節を設定しています。
・リミフォリアはMpumalanga州とKuwaZulu-Natal州に分布します。

④Section koelmaniorum
・H. koelmaniorum
・コエルマニオルムはLimpopo州とMpumalanga州に分布します。Limpopo州に分布するハウォルチオプシスはコエルマニオルムのみです。

⑤Section Tessellata
・H. granulata, H. tessellata, H. venosa, H. woolleyi
・テセラタは北西州と自由州唯一のハウォルチオプシスです。テセラタは北ケープ州や西ケープ州、東ケープ州にも広く分布します。グラヌラタは北ケープ州と西ケープ州に分布します。ヴェノサは西ケープ州に固有です。ウォオレイは東ケープ州に固有です。
・Tessellata節は小型で窓のあるグループです。グラヌラタはヴェノサの亜種とされてきました。同様にウォオレイはヴェノサの亜種あるいは変種とされて来ましたから、販売苗のラベルではそのような表記が多いでしょう。

⑥Section Trifariae
・H. pungens, H. nigra, H. scabra, H. viscosa
・縦長に積み重なるタイプです。ヴィスコサやニグラは三方向に葉を出して積み重なります。プンゲンスは6あるいは3方向に積み重なります。スカブラはロゼットを形成します。
・プンゲンスは東ケープ州に固有です。スカブラとヴィスコサは東ケープ州と西ケープ州に分布します。ニグラは東ケープ州と西ケープ州、さらに北ケープ州にも分布します。

⑦Section Virescentes
・H. bruynsii, H. sordida
・Virescentes節は東ケープ州に固有です。
・ブルインシイは一見して軟葉系のHaworthia retusaに似ていますが類縁関係はなく、平行進化と考えられています。

ちなみに、ハウォルチオプシス全種類の変種や異名については下記の記事にありますので、ご参照して下さい。



さて、論文の内容につきまして簡単に解説してきましたが、実は私も読んでいてモヤモヤする内容でした。まず、Tessellatae節やLimifoliae節の関係がよく分からないことです。これはさらに詳しく解析をすればわかることでしょうから今後に期待します。次にHaworthiopsis節ですが、Trifariae節やVirescentes節と入れ子状になってしまっています。どうみても、単系統ではありません。結節があるなどの特徴から分けるのは間違いなのかもしれません。

2014年のJohn C. Manning & James S. Boatwrightの
A Molecular Phylogeny and Generic Classification of Asphodelaceae Subfamily Alooideae : A Final Resolution of the Prickly Issue of Polyphyly in the Alooids?』という論文では、12種類のハウォルチオプシスの遺伝子解析をしています。ここでもコエルマニオルムはハウォルチオプシスの中には収まっていないため、下記の分子系統には入っていません。この論文では、コエルマニオルムはツリスタ+アストロロバ+アリスタロエ+ゴニアロエと姉妹群とされ、むしろハウォルチオプシスからは近縁ではありません。

┏━━━━━━━Gasteria

┃                    ┏━H. reinwardtii
┃                ┏┫
┃                ┃┗━H. nigra
┃            ┏┫
┃            ┃┗━━H. coarctata
┃        ┏┫
┃        ┃┗━━━H. glauca
┃    ┏┫
┃    ┃┣━━━━H. bryunsii
┃    ┃┃  
┃┏┫┗━━━━H. sordida
┃┃┃
┃┃┃┏━━━━H. fasciata
╋┫┗┫
┃┃    ┗━━━━H. longiana
┃┃
┃┗━━━━━━H. limifolia

┃┏━━━━━━H. venosa
┗┫
    ┗━━━━━━H. attenuata

Haworthiopsis節は2つに別れます。ファスキアタとロンギアナは近縁です。残りのレインワルドティイ、コアルクタタ、グラウカは、Trifariae属のニグラと近縁です。他のTrifariae節はわかりません。Limifolia節はここでも独立しています。Tessellata節のヴェノサはアテヌアタと近縁に見えます。
ただし、この2つの論文は分離がいまいちだったり、調べた種類が少ないため、まだ確実なことは言えないでしょう。また、調べた遺伝子によっても、解析結果に若干の違いが出るようです。更なるデータの蓄積が必要でしょう。
というわけで、わかったようなわからないような結果です。はっきりしないのは残念です。しかし、コエルマニオルムはハウォルチオプシスとは近縁とは言えないという結果だけは共通します。将来、コエルマニオルムはハウォルチオプシスから独立するかもしれませんね。


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巨大な台風14号が日本列島を襲いましたが、予想に反して日本海を北上したため、関東地方は直撃を免れた模様です。しかし、これだけ距離が空いたのに中々の強風が吹きましたね。他の方のブログを拝見させていただくと、皆さん台風対策に余念がない様子で感心します。私はと言えば、情けのないことにサボテン・多肉植物のビッグバザールに行っただけで疲れはてて寝てしまい、ノーガードで台風を迎える羽目になりました。一応、多肉植物の棚はセメント・金属用接着剤で、コンクリートに固定していますから動かないはず…。まあ、ユーフォルビアの棚は園芸用ビニールを天井に張っただけなので飛んでいってしまうかもしれないとは思いましたが。
そんなことを言っている間に、なんとまた台風が直撃するという予報がありましたが、基本的に太平洋に進路をとったのでたいしたことはありませんでした。台風明けの多肉植物たちをご紹介します。

DSC_1781
フォウクィエリアたちは、他の多肉植物と比べて背が高くバランスが悪いので倒れる心配がありました。よりによって、端の方に置いていましたが、特に問題はありませんでした。

DSC_1783
台風の中、闘牛角Euphorbia schoenlandiiは開花しました。これでも、ユーフォルビアの中では大きめな花です。

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Aloe somaliensisは日焼けから回復して、本来の美しい葉を取り戻しました。来年は日焼けさせないように気を付けなければ。

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キリンドリフォリア系の花キリン類は皆元気です。葉色は赤くなっていますが、特に問題ありません。むしろ、変に遮光を強くすると、徒長する可能性が高いのでそちらの方が怖い。花キリン類は葉が日焼けして枯れ落ちても、強光に耐えられる新しい葉がすぐに生えてきますから、個人的には日焼けは怖くないのです。

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日々の多肉植物の様子を「多肉事情」などと称して度々記事にしていますが、ガステリアは生長が遅く見た目にあまり変化がないので登場しません。しかし、このGasteria carinataは若い個体なせいか、ぐんぐん伸びます。

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Euphorbia ×inconstantiaですが、根詰まりを起こしていたので植え替えました。しかし、根をやられていたので心配していましたが、残念ながら本体が枯れてしまいました。枝が生きていたので挿し木したのですが、どうやら生着したようです。

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フロリダザミアZamia integrifolia(異名:Z. floridana)は、日焼けで2枚しかない葉が枯れてしまい、小苗だしもうダメかと思いましたが、新しい葉が次々と出てきました。今年で3本目。他のソテツがフラッシュしていた時には、まったく動きがなかったのに不思議です。

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Euphorbia richardsiae
6月に鶴仙園さんで購入したミニ多肉ですが、もう既にミニ多肉のサイズではありません。しかし、リカルドシアエを検索すると、見た目が異なるものが数種類出て来ます。どれが正しいリカルドシアエなのかわかりません。それとも変異の幅に収まる話なのでしょうか?



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この3連休に鶴仙園西武池袋店で開催中の『FEHN』(FAR EAST HAWORTHIA NETWORK)に、昨日行って参りました。Plant's Workさんとのコラボで、沢山のハウォルチアが集まりました。

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こちらが最新のイベント情報です。

しかし、超巨大台風が去った後に、また直ぐに台風直撃の可能性とはひどい話です。しかも、多肉イベントの開催日に直撃予想とは、本当に台風許すまじといったところです。
さて、昨日は朝から怪しい天気でしたが、幸運にも午前中は雨に降られませんでした。開店する10時ちょいに池袋に到着しました。しかし、既に店内はかなりの混雑で、大変な賑わいでした。
宝石の様なピクタ系交配種がビッシリ並んでいたり、オリジナル交配系も様々です。ところどころ、フィールドナンバー付きの原種もあり、素晴らしい株を沢山見ることが出来ました。軟葉系はあまり詳しくありませんが、レース系も結構あったみたいです。
硬葉系ハウォルチアについては、見たことのないタイプがあり、n.n.(裸名)の名札が付いたものもありましたが、非常に気になりました。ニグラの大型タイプも目を引きました。他にも、フィールドナンバー付きのものもあって非常に面白かったです。

DSC_1777
H. venosa subsp. woolleyi
GM079 South of Kleinpoort 
Plant's Workさんのハウォルチアの購入品は、woolleyiです。名札では、ヴェノサ亜種 となっていますが、現在ではHaworthiopsis woolleyiが正式な学名です。woolleyiがハウォルチオプシスになり独立種とされたのは2013年と意外と最近の話です。
しかし、woolleyiははじめて見ましたから、入手出来たのは幸運でした。これだけでも来た甲斐がありました。

さて、じっくりとイベント株を見た後は、鶴仙園さんのハウォルチアを眺めます。以前来た時から大分期間が空きましたから、結構入れ替わっています。こちらも非常に面白いハウォルチアがありました。
DSC_1778
Haworthia marginata Just N. Ashtori
いわゆる、Tulista marginataですが、珍しいことに結節(イボ)がないタイプです。瑞鶴と呼ばれることもあります。こちらも販売しているのははじめて見ました。今回、ツリスタはTulista minor SwellensやTulista kingianaなど、思いの外ありましたね。

DSC_1779
Haworthia coarctata DMC06356
Farm Begelly, 12km S of Grahamstown IB5850
いわゆる九輪塔ですが、鷹の爪Haworthiopsis reinwardtiiの変種とする意見もあります。しかし、現在の正式な学名はHaworthiopsis coarctataです。

DSC_1780
Gymnocalycium ochoterenae v. cinereum 204B
久しぶりに来たのでサボテンも見ましたが、ついうっかり買ってしまいました。トゲが白い変種です。しかし、204Bとは何か?  おそらくはフィールドナンバーでしょうけど、前半が略されているのでなんだかわからないことになっています。これは調べるのが大変です。MAW 204bはOpuntia、ひねってKK 2046はRebutia…。これは困りましたね。

この他にも面白いハウォルチアは沢山あったのですが、今回は直前までイベントに気がつかなくて、資金も準備していなかったのでお安いものだけの購入です。まあ、秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールでは、ワンコインの多肉植物を買ったりしたので、やや余裕がありましたからね。色々と見られて楽しかったです。こういう多肉植物のイベントは楽しいものです。また、何かイベントがありましたら、記事にしたいと思っています。


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先日、五反田TOCで秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールが開催されました。私も参加して色々と珍しい多肉植物を見ることが出来て、非常に楽しい時間でした。しばらくは大人しくしているつもりでしたが、鶴仙園さんでイベントが行われるという情報を得てしまいました。なんでも、Plant's Workという山口県のハウォルチアで有名な生産者さんとコラボして、『FEHN』というハウォルチアのイベントを開催するというのです。
これは大人しくしている場合ではありません。目の保養を兼ねて、私もこれから朝イチで西武池袋9Fの鶴仙園へ行ってきます。

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鶴仙園さんのブログでイベントの告知をしています。詳細はこちらをどうぞ。

さて、告知だけではつまらないので、簡単にハウォルチアについて説明しましょう。
まずハウォルチアは「Haworthia」と書きますが、Haworthiaの命名者はフランスの植物学者であるHenri August Duvalですが、Haworthiaという属名はイギリスの植物学者・昆虫学者・甲殻類学者であるAdrian Hardy Haworthに対する献名です。読み方は「ハオルチア」、「ハオルシア」、「ハウォルチア」、「ハワーシア」など様々ですが、お好きな読み方でOKです。ちなみに私はハウォルチアが好みです。


そう言えば、ハウォルチアには軟葉系と硬葉系とがあります。軟葉系は名前の通りにさわった感じが柔らかいものが多く、透き通った「窓」と呼ばれる部分があるものと、柔らかい糸の様な「禾」(ノギ)があるレース系と呼ばれるものなどがあります。
硬葉系は名前の通り葉は非常に硬くカチカチです。「窓」を持つ種類もありますが、色はやや暗くざらざらした質感のものが多く渋い存在です。「結節」と呼ばれる白いイボを持つものもあります。
私の手持ちのハウォルチアを例として挙げます。
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軟葉系ハウォルチア(Haworthia)。
透き通った窓があります。


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軟葉系ハウォルチア(Haworthia)。
糸の様な禾があります。


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軟葉系ハウォルチア(Haworthia)。
短い禾と小さな窓が沢山あります。


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硬葉系ハウォルチア(Haworthiopsis)。
透き通った窓がありますが、葉は硬くカチカチです。

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硬葉系ハウォルチア(Haworthiopsis)。
暗い色合いとざらざらした質感です。


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硬葉系ハウォルチア(Tulista)。
白い結節に覆われます。


ちなみに、ハウォルチアは学術的に現在3分割されています。軟葉系ハウォルチアを「Haworthia」、硬葉系ハウォルチアは「Haworthiopsis」と「Tulista」に分けられました。ややこしいのは、単にハウォルチアと言った場合、軟葉系と硬葉系を含んだハウォルチ全体を呼ぶ「広義のハウォルチア」と、軟葉系ハウォルチアのみを示す「狭義のハウォルチア」の場合があることです。また、HaworthiopsisやTulistaも、売り場ではハウォルチアとして売られていますし、ラベルにもハウォルチア時代の古い名前で流通しています。
軟葉系と硬葉系はもともとは花が似ているから同じ仲間とされていたのですが、遺伝子解析の結果から兄弟ではなくて親戚くらいの関係に落ち着きました。血縁関係がないわけではありませんが、結局はただの他人のそら似だったみたいです。
これは、軟葉系ハウォルチアと硬葉系ハウォルチアが、虫に花粉を運んでもらうために進化した結果、花がたまたま似た形になったということです。これを収斂進化と呼びます。

イベントは2022年9月23日(金)~25日(日)の3連休の3日間です。本日が初日です。珍しいハウォルチアが沢山見られるでしょうから、興味がありましたら参加してみて下さい。もしかしたら、運命的な出会いがあるかもしれません。初心者歓迎とありますから、ハウォルチアを始める良い機会ですかね? Plant's Workの方も来られるみたいですから、色々と質問してみても良いかもしれません。
私もこれから支度をして池袋に向かいます。イベントの様子は明日記事にします。



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ポエルニッチア属は、かつてアストロロバ・ルブリフロラにつけられた旧・学名です。私もそのことについて何ら疑問を抱かなかったわけですが、アストロロバ属について調べていた際に衝撃的な論文を見つけてしまいました。Gideon F. Smithらが2018年に発表した『Proposal to conserve the name Astroloba against Poellnitzia (Asphodelaceae : Alooideae)』です。

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Astroloba rubriflora
          =Poellnitzia rubricflora

とりあえず、その内容に入る前に簡単にことの経緯を説明します。ルブリフロラは1920年にアピクラ属として命名されたアロエ類です。種小名はルブリフロラとヤコブセニアナ(ジャコブセニアナ)が命名されましたが、学名は先に命名された方が優先されますから、ルブリフロラが採用されます。下の年表はルブリフロラの学名の変遷を示したものです。現在では2000年に命名されたアストロロバ属の所属となっています。


1920年 Apicra rubriflora L.Bolus
1939年 Apicra jacobseniana Poelln.
1940年 Poellnitzia rubriflora

                    (L.Bolus) Uitewaal
1955年 Poellnitzia rubriflora
                          var. jacobseniana
                              (Poelln.) Uitewaal
1971年 Haworthia rubriflora
                                    (L.Bolus) Parr

1981年 Aloe rubriflora 
                             (L.Bolus) G.D.Rowley

2000年 Astroloba rubriflora (L.Bolus)
              Gideon F.Sm. & J.C.Manning
2013年 Tulista rubriflora
                             (L.Bolus) G.D.Rowley

さて、それではいったい何が問題かと言いますと、属名はアストロロバで良いのか? ということです。アピクラ属は現存しない属ですし、アロエやハウォルチアに関しては、遺伝子解析結果からも否定されています。Gordon Dougles Rowleyがルブリフロラを他のアストロロバと共にツリスタ属の所属としましたが、これは確かに遺伝子解析結果では近縁でしたが、アストロロバ属はまとまりのある群として独立させる意見が認められています。ここまでは問題ありません。
ポエルニッチア属は1940年にルブリフロラのためにオランダの植物学者であるAntonius Josephus Adrianus Uitewaalにより提唱されました。しかし、1947年に同じくUitewaalにより、アストロロバ属が提唱されました。Uitewaalはポエルニッチアとアストロロバを別属としました。アストロロバ属は白花で虫媒花ですが、ルブリフロラ(rubri=赤、flora=花)の名前の通り赤花で鳥媒花です。現在ではルブリフロラは鳥を引き付けるために特殊化したアストロロバと見なされています。しかし、その特殊性ゆえ、ルブリフロラをアストロロバから分離する考え方はいまだに健在のようです。しかし、遺伝子解析からはやはりアストロロバに含まれるという結果でした。
さて、次からが最大の問題です。良く考えたら、1940年に命名されたポエルニッチア属と1947年に命名されたアストロロバ属を比較した場合、ポエルニッチア属の方が早く命名されていますから、アストロロバ属は本来使用されるべき属名ではないというのです。つまりは、現在アストロロバ属とされている種はすべてポエルニッチア属とするのが正しいというわけです。私はポエルニッチア属はルブリフロラのためだけに創設されたため、ポエルニッチア属を基準とすべきとは考えませんでしたが、確かに言われてみればその通りです。何故そのことに気が付かなかったのか、私自身迂闊でした。では、今後はアストロロバ属を廃して、すべての旧・アストロロバをポエルニッチア属に移動させるべきなのでしょうか?

しかし、著者はこの考え方に否定的です。アストロロバ属は1947年の命名以降一貫して使用されてきましたし、非常にまとまりのあるグループです。論文をはじめとする世界的な文献においても定着しています。そのため、アストロロバ属をポエルニッチア属に置き換えることは、決して望ましいことではなく、命名学的な安定性の観点からも利益にはならないと述べています。やはり、ポエルニッチアという1種に対応する属名をすでに確立した学名であるアストロロバ属に対応させることは、不必要な混乱と不確実性を生じるとしています。
植物の学名はある程度は見直されており、チェックを受けています。最新のチェックでは、アストロロバ属は1995年の『World Checklist of Seed Plants』により承認されており、ポエルニッチア属は2011年の『World checklist of selected plant families published update Facilitated』によりアストロロバ属の同義語であるとしています。今後もこのように見直しは行われますから、著者の意見が認められるのか、それともアストロロバ属が消滅するのか、大変気になるところです。私も注視しついきたいと思っています。



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19日に五反田TOCで開催されました秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールの続きです。昨日は多肉植物の流行り廃りや季節による変化をレポートしましたが、本日は購入品をご紹介します。今回は高いものは買いませんでしたから、点数は多目です。その代わり小さい苗ばかりですけどね。まあ、私は苗を育てるのが楽しい口なので、逆に嬉しい限りです。
※名前はラベル表記のまま


先ずはいつもお馴染みのラフレシアリサーチさんのブースです。今回は海外ソテツ苗もありましたが、私にとってはややいいお値段でしたから、見るだけに納めました。Gymnocalycium prochazkianum subsp. simileの手持ちとは異なるフィールドナンバー違いがありましたが、今回はパスさせていただきました。代わりにフィールドナンバーつきのベルクティイを購入しました。今回は変わったユーフォルビアは特にないみたいです。あと、珍しいことに、ウチワサボテンの節をばらして売っていました。
ラフレシアリサーチさんは毎回おまけがありますが、今回はアガヴェ2種類とウチワサボテンの節から1つ選べます。ウチワサボテンは育つと手に負えなくなりますから、アガヴェ苗を選びました。しかし、前におまけでもいただいたアガヴェも育てていますが、集めるつもりがないのにアガヴェ・ブームの影響かアガヴェが増えていく謎…
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Gymnocalycium berchtii TOM 6/481
初めてのTOM(
Tomáš Kulhánek)ナンバー。白い粉をまとうタイプみたいです。アルゼンチンの小型種。

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Agave leopoldii
おまけの抜き苗。実は自然交雑ではないかと言われているそうです。その場合の学名は、Agave ×leopoldiiとなります。アガヴェは丈夫で育てやすくていいですね。手がかからなくて。

次はまたまたお馴染みのRuchiaさんのブースです。結構、メセン類も出ていました。それはそうと、毎回ニグラ買えばよかったと帰宅後嘆いていましたから、今回はニグラを買いました。しかし、4系統位のニグラがあり、非常に迷いました。今回はIB(Ingo Breuer)ナンバーが付いた株を選びました。割と詰まった形です。それと、パキポディオイデスとグイラウミニアナの実生苗が並んでましたが、手持ちにありますから買いませんでした。結構、良さげな苗でしたけどね。それから、意外にもギムノカリキウムが沢山ありました。バッテリーや新鳳頭、天平丸など美しい株がありましたが、今回は変わった聞き覚えのない種類を購入しました。あと、ネオポリテリア?かなんかがありましたが、欲しかったものの育て方がよく分からないので、今回はパスしました。
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Haworthia nigra IB12484
ニグラは現在はハウォルチオプシスとなっています。非常に葉が詰まって小型に見えます。帰宅中にひっくり返してしまったので、少し土を被ってしまいました。


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帰って良く見たら、変なところから子株がはみ出しています。

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Gymnocalycium pseudquehlianum
聞いたことがない名前です。言うほど「偽のquehlianum」(pseudo+quehlianum)には見えませんが。ギムノカリキウムではpseudoと言えば、Gymnocalycium pseudo-malacocarpusでしょうか? Gymnocalycium pseudo-malacocarpusのフィールドナンバーつきの個体では、似ているタイプもないわけではありませんが、よくわかりません。

お次は以前、Euphorbia subapodaの苗を購入したブースへ。今回も多彩な品揃えで、高額なコーデックスから小苗まで揃ってます。少し他とはラインナップが異なり、色々な多肉植物が混ざって並べています。Euphorbia aeruginosa、黄刺紅彩閣などもありました。
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ユーフォルビア グロボーサ
玉鱗宝Euphorbia globosaですが、あまり見ないユーフォルビアです。しかし、玉鱗宝は大型園芸店で何度か見ていますが、球状に育ちますが細長くなってしまった徒長苗ばかりでした。今回は徒長していないので購入しました。カタツムリ付き。

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花が咲いていますが、特徴的で変わった花です。

お次はハオルチアが沢山あるSucculent Connectionさん。流行りの大きな窓のある交配種は人気で、人だかりが出来ていました。私は人のいない端のほうで、ソルディダを見ていました。ソルディダは生長が遅いこともあり、基本的にかなり高額です。しかし、こちらのソルディダは小さな実生苗を選んで抜き苗にする売り方なせいか、かなりお安い感じでした。
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Haworthia sordida
準備された箸で抜きました。根の張りは良好です。現在はハウォルチオプシスです。


最後に大きなコーデックスを並べているブースです。そこら辺は私には縁がありませんが、床に多肉植物が入ったカゴが置いてあり、なんとユーフォルビアを安く販売していました。ワンコインとは中々太っ腹です。まあ、小さな苗ですけどね。
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ユーフォルビア・ペディラントイデス
Euphorbia pedilanthoidesという花キリンです。花は開かないタイプですから目立ちません。枝が細いためか、花が地味なためかはわかりませんが痩花キリンという名前もあるみたいです。


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ユーフォルビア・ラザフィンドラトシラエ
Euphorbia razafindratsiae。葉が縮れるタイプの花キリンです。種小名はもしかしたらマダガスカルで園芸農園を営む園芸家のAlfred 
Razafindratsiraに対する献名でしょうか? しかし、残念ながらこのE. razafindratsiaeは異名で、Euphorbia mangokyensisが正しい学名とされているようです。

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ユーフォルビア・アパリキアーナ
Euphorbia appariciana。見た瞬間、南米産のユーフォルビアであることがわかりました。独特の雰囲気があります。おそらくは、ユーフォルビア属New World Cladeのブラジリエンセス節なのでしょう。

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ユーフォルビア・ムランジーナ
Euphorbia mulanjeana。最近、ムランジーナという名前の巨大な塊根を持つユーフォルビアが急に販売されるようになりました。海外から大量に入ってきたのでしょうか? 


さて、急な大雨で多肉植物をばらまいた話は昨日しましたが、赤玉植えで根が張っているものはいいのですが、水はけの良い軽い用土に植えられていたものは、全部衝撃で抜けました。いずれにせよ植え替えるつもりでしたし、何より抜き苗を植え付けないといけません。しかし、植え替え中にまたもや鉄砲雨が来て、中止せざるをえませんでした。来週何とかします。とりあえず、抜き苗だけでも植えられたので一安心です。購入した花キリンは一度抜けてしまっていますから、台風の突風でまた抜けそうなので室内に取り込みました。
というわけで、今回はいくつか安い苗を買いました。ハウォルチオプシスはあまりなかったので、次回に期待します。しかし、まあ思いがけずソルディダが入手出来たのはラッキーでした。無いだろう思っていた花キリンもあってこれは嬉しい誤算です。次回のビッグバザールはいつ開催されるのかはわかりませんが、いずれにせよ冬型メインでしょう。私の好みの多肉植物はあまりなさそうですが、見学がてら様子をレポートしたいですね。以上、2022年・秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールでした。



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待ちに待った秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールが昨日開催されました。いつも通り五反田TOCでの開催です。今どんな多肉植物が流行っているのか、レポートしたいと思います。

直近のビッグバザールの記事はこちら?

さて、私は流行りのアガヴェもエケベリアも買いませんが、一応は目的を設定しておきましょう。今回は厳選したいと考えていますから、せっかくですからビッグバザールでしか入手が難しいものがいいですね。私のメインであるユーフォルビアは、園芸店で流通している基本的な種類はだいたい入手したので、今回は未入手の安い実生苗以外は買わないことにしました。まあ、手持ちにないユーフォルビアは、大抵は高額なコーデックスですから無理して買う必要はないでしょう。ただ、最近は花キリンが面白く感じてはいます。まあ、ビッグバザールではあまり見た記憶がありませんが。買うとしたら、やはりツリスタとハウォルチオプシスとなります。特にツリスタは種類が少なくあまり販売していませんから、注意して探したいと思います。最近ではタイプ違いや、フィールドナンバーの付いた顔つきが異なりものも気になっています。ハウォルチオプシスの中でもあまりにも人気がない白い斑点が付くタイプ、つまりはH. fasciataやH. attenuata、H. reinwardtiiあたりはあるでしょうか? 

さて、昨日は台風の影響であいにくの雨模様と思いきや、大変良く晴れて朝から蒸し暑い1日でした。懸念された台風14号が開催日に直撃しなくて幸いでした。
そう言えば、前回は開催時間前に到着して、はじめて開場まで並びました。今までは昼前の遅い時間に行ってやや品薄感がありましたから、前回は早く行って並べたての沢山の多肉植物を見ることが出来ました。というわけで、今回も開場より早く到着しました。とは言え、9時少し前に着いたため、既にとんでもない人数が並んでいました。今回も熱気で汗を拭きながら開場を待ちます。雨が降ったせいで湿度が高く、今回は中々つらい感じでした。

さて、9時ちょうどに開場しました。全体をぐるりと回りましたが、やはりアガヴェが多いですね。
園芸店でもアガヴェを見かける事が多くなりましたし、ずいぶんと扱われる種類も増えました。調べると、アガヴェ中心の販売イベントが都内などでちょくちょく開催されている模様です。ここ2回のビッグバザールでもアガヴェ専門のブースがありました。今回は普段はアガヴェを持ってこないところも、ある程度は並べているくらいアガヴェが目立っていました。人だかりが出来ていてまったく入れないブースがあり、何かと思って裏からのぞいてみましたが、アガヴェ専門店でした。ビッグバザールのアガヴェ人気は今回が最高潮のような気がします。これからもしばらくはブームは続くのでしょうか? まあ、コーデックスも相変わらず山のようにありましたが…

エケベリアなどのベンケイソウ科は、もともとビッグバザールでは少数派ですが、今回もある程度はありました。しかし、やはり少数派です。専門店が出店するか否かにかかっている気がします。
エケベリアなどのベンケイソウ科植物のブームはずいぶんと長く続いてます。一時の過剰な多肉ブームは治まった様ですが、エケベリアの勢いは落ちませんね。アガヴェとエケベリアが圧倒的です。

秋らしさと言えば、リトープスなどのメセン類は今回沢山ありました。前回はなかったので、まだ暑い日が続きますが多肉植物はすでに秋仕様なんですね。非常に美しいのですが、基本的に放置栽培気味の私には育てられそうにありません。残念ながら見るだけです。

そう言えば、今回はギムノカリキウムはいつもよりありました。バッテリーはわりとにありましたね。まあ、3~4店ですが。サボテンではやはり相変わらずコピアポアが目立ちますが、今回はエリオシケなどのやや珍しいものもありました。流行っているのでしょうか?

ハウォルチアは相変わらず窓の大きい交配系は沢山ありました。結構人気があるようです。基本的に高額な硬葉系のソルディダがあちこちにあり、やや奇妙な光景でした。流行っては…いないと思います。大型の株は万単位のお値段ですが、今回初めて小さな苗があったので購入しました。全体的に硬葉系は非常に少なく、ツリスタとガステリアは壊滅的、アストロロバは皆無でした。残念。

ユーフォルビアはお目当てのブースにはありませんでした。しかし、高額の大型コーデックスを並べているブースで、何やらワンコインのユーフォルビア苗を床に並べていましたからいくつか購入しました。前回と同じく、パキポディオイデスや群星冠は割とありましたし、最近見かけるようになったグイラウミニアナもありました。あとは、蘇鉄キリンはちらほら見かけました。それ以外は高額な塊根ユーフォルビア位ですかね。

そんなこんなで、今回は安い値段のものを9点を購入しました。正味1時間ほどの滞在でした。いつもの様に2~3鉢をビニール袋に入れて縛り、それを紙袋に詰めて帰りました。しかし、最寄り駅から家への帰宅中にゲリラ豪雨に見舞われ、紙袋があっという間にふやけて購入した多肉植物を道路にぶちまいてしまいました。ビニール袋に入れて縛ってあったので、土をばらまかないで済みましたが、中はシェイクされてしまいました。台風の影響でしょうか?しかしその後、あっという間に雨は止み晴れ渡りました。まったくもっておかしな天気です。

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購入品。ユーフォルビア5、サボテン2、ハウォルチオプシス2、アガヴェ1でした。思いの外、ユーフォルビアがありました。珍しいこともあるものです。購入品については明日記事にします。



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ツリスタ属は2016年に認められた、割と新しい分類群です。遺伝子解析の結果からは、ツリスタ属はアストロロバ属やアロエ属から別れたアリスタロエ属・ゴニアロエ属と近縁である事がわかりました。さらに、ガステリア属やハウォルチオプシス属も近縁で、ここら辺も含めと私は好きでチマチマ集めています。そんな中でもツリスタ属は4種類と少なく、産地ごとの個体差が大きくコレクションする楽しみがあります。
本日は今年の五反田TOCで開催された春のサボテン・多肉植物のビッグバザールで入手したプミラの変種オウクワエについてです。


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Tulista pumila(ohkuwai) GM 602
Vrede, NW of Anysberg
非常にイボ(結節)が発達しているタイプです。プミラ系の最優美種です。ラベルにはohkuwaiとありますが、正確にはohkuwaeですね。


学名の後の"GM602"は採取情報がわかるフィールド・ナンバーというもので、「採取人+採取番号」の組み合わせからなっています。早速調べてみました。

Field number : GM 602
Collector : Gregorz Matuszewski
Species : Mammillaria meiacantha
Locality : Mexico, Coahuilauila
                          (Huachichil, 2050m)
Date : 2002

なんと、サボテンの情報が出て来てしまいました。ちなみに、"GM 602.1"と"GM 602.2"もありますが、やはり情報はサボテンでした。ただし、採取人のGregorz Matuszewskiは主に北米で活動しているみたいですから、南アフリカ原産のツリスタの採取人としては違和感があります。
とりあえず、"GM"と"Haworthia"で調べると新たな情報が出てきました。

Field number : GM 408
Collecter : J. Gerhard Marx
Species : Haworthia pumila
Locality : Western Cape, South Africa

もちろん、これは"GM 602"の情報ではありませんが、単に「GM」と言った場合にはGregorz Matuszewskiの場合とJ. Gerhard Marxの場合がある事がわかりました。残念ながら"GM 602"の情報は見つかりませんでした。まあ、単純に探し方が悪いだけという可能性もあります。しかし、そもそもフィールド・ナンバーを検索できるサイトは、フィールド・ナンバーを収集しているだけで、すべてのフィールド・ナンバーが登録されているわけではありません。普通に見つからないこともあります。
また、このフィールド・ナンバーからは、他の情報も読み取れます。植物の学名が"Haworthia pumila"となっていますね。当然ながら現在では"Tulista pumila"です。間違っているようにも思えますが、フィールド・ナンバーは採取時点での学名で登録されますから、これで問題ありません。むしろ、学名が変わる度に登録情報を訂正するのは、あまりにも大変です。


さて、では後半の"Vrede, NW of Anythberg"を調べてみましょう。Anythbergは南アフリカ南西部にある地名です。NWはNorth Westですから、Anythbergの町から北西部が採取地名です。北西部にはAnythberg国自然公園がありますが、Vredeは良くわかりません。

さて、ではGM 602を採取したJ. Gerhard Marxとは何者なのでしょうか? 調べてみると、どうやら南アフリカの芸術家とのことです。しかも、ハウォルチアのコレクターで、原産地に自生するハウォルチアの美しい図版を書いています。Gerhard Marxの作出した交配種もあるようです。また、Euphorbia suppressa MarxやEuphorbia audissoui Marxの命名者としても知られています。

さて、ツリスタ属ははじめて命名された時はアロエ属で、やがてハウォルチア属が創設されるとそちらに移り、最終的にツリスタ属となった経緯がありますから、学名(異名)は最低でも3つはあることになります。しかし、産地による個体差が激しいこともあり、それらを別種として命名したりしたこともあり、沢山の異名が付けられてきました。
先ずはプミラの来歴を見てみましょう。これは、変種を含んだプミラ全体の学名です。やはり、アロエ→ハウォルチア→ツリスタという経緯です。しかし、アピクラ属とする意見もありましたが、このアピクラ属は現在は存在しない属名です。また、Aloe arachnoidesの変種とする意見もありましたが、これは現在のHaworthia arachnoideaのことです。また、マキシマという種小名が出てきますが、プミラをマキシマと呼ぶことが結構あります。しかし、マキシマの初命名はプミラの命名の51年後です。学名は先に命名された種小名が優先されるルールですから、当然ながらマキシマは認められません。

1753年 Aloe pumila L.
1789年 Aloe arachnoides var. pumila (L.) Aiton
1804年 Aloe margaritifera var. maxima Haw.
1809年 Haworthia pumila (L.) Duval
              Haworthia maxima (Haw.) Duval
1821年 Apicra maxima (Haw.) Steud.
2013年 Tulista pumila (L.) G.D.Rowley

いよいよ、変種オウクワエの登場です。2016年にHaworthia sparsaとHaworthia ohkuwaeが、プミラの変種とされました。これにより、変種スパルサ、変種オウクワエ、変種プミラが誕生しました。変種プミラは変種スパルサと変種オウクワエが出来たことにより、その2変種と区別するために出来た名前です。これはプミラに限らず、変種が出来ると自動的に区別するための変種が出来る決まりとなっています。
先ずは基調種である変種プミラの来歴を見てみましょう。いや、先程プミラの学名は見たじゃないかと思われるかもしれませんが、3変種を含んだプミラ全体に対する学名でした。変種プミラは他の変種を含まないため、Tulista pumilaとTulista pumila var. pumilaは同じではないということです。変種プミラの異名は私が確認しただけで23もありました。さすがにすべて書くのも意味がなさそうですから、代表的な異名であるマルガリティフェラ系のみの来歴を見てみましょう。
1840年にはツリスタ属を提唱した
Constantine Samuel Rafinesqueの名前が見えます。この時、ツリスタ属は認められませんでしたが、2013年にGordon Dougles Rowleyがツリスタ属を復活させました。また、この他にも、semimargaritifera系、granata系、semiglabrata系、subalbicans系、papillosa系、corallina系が存在しました。

1753年 Aloe pumila var. margaritifera L.
1768年 Aloe margaritifera (L.) Burm.f.
1811年 Apicra margaritifera (L.) Willd.
1819年 Haworthia margaritifera (L.) Haw.
1840年 Tulista margaritifera (L.) Raf.
1891年 Catevala margaritifera (L.) Kuntze

変種スパルサと変種オウクワエの学名は、最初はハウォルチア属の独立種でしたが、やがてツリスタ属となりプミラの変種とされました。

2006年 Haworthia sparsa M.Hayashi
              Haworthia ohkuwae M.Hayashi
2016年 Tulista pumila var. sparsa
                             (M.Hayashi) Breuer
              Tulista pumila var. ohkuwae
                             (M.Hayashi) Breuer

そう言えば、入手時の名札には"Tulista ohkuwai"とありました。オウクワ"エ"ではなく、オウクワ"イ"です。ネットで検索しても、販売されているものはオウクワイが多いようです。これは、種小名が人名から来ていた場合、語尾が男性なら「-i」、女性なら「-ae」をつけるためです。しかし、人名の末尾が「-a」で終わる場合は、男女関係なく「-e」をつけることになっているため、"ohkuwai"は間違いで"ohkuwae"が正しい学名となります。



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私は多肉植物が好きで、色々育てたり調べたりしてブログに記事を書いたりしていますが、育てている多肉植物はそのほとんどがアフリカ原産です。アフリカ原産と言えば、多肉質のユーフォルビア(Euphorbia、オベサやホリダなど、ユーフォルビアは世界中に生えるが多肉植物は南アフリカとマダガスカルに多い)、パキポディウム(Pachypodium)、ハウォルチア(Haworthia, Haworthiopsis)、ガステリア(Gasteria)、アロエ(Aloe)、亀甲竜(Dioscorea elephantipes)、ボウィエア(Bowiea)などが私が育てている多肉植物です。その他にも、メセン(ConophytumやLithopsなど)、アデニア(Adenia)、オペルクリカリア(Operculicalya)、ガガイモ(Huerniaなど)、サンセベリア(Sansevieria)、クラッスラ(Curassula、アフリカ以外にも自生するが南アフリカに多い)など、アフリカは多肉植物の宝庫です。次いで多肉植物が多いのはアメリカ大陸です。サボテンは北米から南米まで分布しますし、アガヴェ(Agave)やフォウクィエリア(Fouquieria)、ディッキア(Dickia)、エケベリア(Echeveria)、シンニンギア(Sinningia、断崖の女王)もそうです。ということで、大抵の多肉植物はアフリカ大陸かアメリカ大陸原産ということになります。

しかし、多肉植物が生える砂漠や乾燥地帯は、アフリカや南北アメリカだけではありません。普段あまり意識されませんが、中央アジアには巨大な乾燥地帯と砂漠が存在します。中国北部の黄土地帯からモンゴルのゴビ砂漠、タリム盆地、タクラマカン砂漠からトルファン、さらにアラブ世界に至るシルクロード…、とてつもなく広大な乾燥地帯が広がっています。当然ながら乾燥地帯に適応した独特と植物も沢山自生しているわけです。ところが、何故か中央アジアの乾燥地帯の植物はあまり知られていません。私は興味がありましたから、少しずつ本を集めています。ということで、アジアの乾燥地帯の植物についての本の紹介と、アジアの乾燥地帯の植物についてのお話をさせていただきます。

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まず紹介するのは、2003年に研成社から出版された『砂漠化と戦う植物たち ━がんばる低木━』です。主に内蒙古など中国北部の乾燥地帯の植物について書かれています。アジアの乾燥地帯の植物は、サボテンの様に高度に多肉化した植物や、バオバブやパキポディウムの様な塊茎植物は基本的にはないようです。どちらかと言えビャクシン(柏槙)のような地面を這う針葉樹など、ブッシュ状となる低木が多いみたいです。
これは、個人的には色々な可能性があると考えました。アフリカやアメリカ大陸原産の多肉植物は、熱帯や亜熱帯、あるいは砂漠で進化した植物です。しかし、アジアの乾燥地帯の植物は温帯や亜寒帯の植物です。中国北部など緯度的には内蒙古は、日本で言えば東北地方から北海道あたりと同じですから、基本的に寒冷で多肉植物の生育する環境とは言えないでしょう。また、乾燥するとは言え、放置すれば草原となる程度の雨は降ったりします。むしろ、乾燥以外の部分が重要なのかもしれません。例えば、乾燥地帯のその多くはいわゆる土砂漠で、一般に黄土と言われている乾燥した黄色い土で覆われています。これが、嵐で巻き上げられて黄砂として降り注ぎます。本の表紙は「小葉錦鶏児」という低木が、根が1メートルも浮き上がってしまっても育つ様子を示しています。このように、地形が変わってしまうことがまず問題です。低く這うの植物が多いのは、低く表面積を広くとる植物は砂が押さえられて舞いにくくなりますし、這うタイプの樹木は根も縦よりも横方向に伸ばす傾向がありましたから、砂を大地に縛り付けることができているのでしょう。しかし、昔より砂嵐が増えているということです。実際に砂漠化した地域が拡大しているそうです。これは、自動車の走行により植物が踏みつけられ、しかもあちこちに轍が出来て、植物の生育が妨げられていることがあります。さらに、過放牧により砂漠化が進行していることも判明しています。

読んでいて私が気になった植物をご紹介します。先ずは、スナヤナギ(沙柳、Salix psammophila)です。スナヤナギは低木状の柳で、地面から放射状に叢生して茂みを作ります。若い株はまるでメキシコのocotillo(Fouquieria)の茂みのようです。次に四合木(Tetraena mongolica)というハマビシの仲間です。中国に1種類しかない仲間で非常に珍しい植物です。氷河期の遺存植物らしく、もはや環境に適応出来なくなっている可能性があります。高さ60センチメートル程の小さな茂みを作りますが、細い枝からは多肉質の小さな葉を出し、まるでCeraria namaquensisの様な枝振りで、Cerariaとは異なり低く育つ姿は非常に面白く見えます。


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次は1998年に中公新書から出版された『砂漠化防止への挑戦 緑の再生にかける夢』です。内蒙古の毛烏素砂漠で、砂漠の研究をしている研究者の記録です。砂漠の緑化は批判されることがあります。それは、元々あった砂漠という環境を破壊するからです。しかし、内蒙古では砂漠化は人為的に起きていますから、やはり人為的に砂漠化を防止しなければなりません。一度砂漠化してしまうと、土壌を大地に押さえつけていた植物が消えることにより、砂が舞って移動してしまい植物すら生えることが出来ない砂漠がどんどん広がってしまいます。人間の活動により砂漠化が起きて、その砂漠化により人間が住めなくなり、他の生物も住めなくなるわけですから、対策が必要です。
砂漠と一口に言っても様々な環境があります。流動砂丘は砂が常に動き回りますから育つ植物を選びます。
毛烏素砂漠では沙蒿というヨモギの仲間の植物が生えます。根が深く砂が移動してしまっても、根がむき出しになっても耐えられます。砂蒿が砂を固定すると、やがて他の植物も生えてきますが、そうなると沙蒿はお役御免でやがていなくなります。砂漠でも遷移がおきるわけです。砂が移動しなくなると、臭柏というビャクシンが生えてきます。地面を這うように、まさに砂地を覆うように放射状に枝を伸ばします。

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2007年に岩波ジュニア新書の『砂漠化ってなんだろう』です。ジュニア新書は児童向けというわけではなく高校生位を対象にしています。ある程度は持説が入ってくる岩波新書とは異なり、ジュニア新書は入門書ですからニュートラルなものが多いように思われます。本書も砂漠化の仕組みや砂漠植物の生態についての詳しい解説があります。また、塩害についての非常に詳しい解説もあります。
内蒙古ではまったく雨が降らないわけではないため、実験的に柵で家畜や車が入れない様にしただけで、猛烈な勢いで植物が生えてくるそうです。そういう意味において、砂漠化の拡大阻止は他の砂漠地域よりは簡単に出来そうです。ただし、中央アジアの乾燥地帯で厄介なのは、その塩分濃度の高さです。中央アジアは広くしかも盆地状なので、川があっても水が海まで到達しません。雨が降った時だけ出現する涸れ川(ワジ)が多いのですが、砂漠の塩分を溶かしながら流れ、やがて砂漠に消えます。このようなことが毎年続きますから、やがて川の終点に塩分が集積して塩の結晶が出来たりします。そのため、大なり小なりの耐塩性がないと、「青菜に塩」の如く萎れてしまい育ちません。

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次は研成社が1998年に出版された『シルクロードに生きる植物たち』です。近年、中国政府の人権侵害により大変な国際問題と化している新疆ウイグル自治区ですが、このかつてのシルクロードのど真ん中を植物学者が一周した記録となっております。

新疆の代表的な植物はギョリュウ(御柳、タマリクス、Tamarix chinensis)です。日本では江戸時代から知られており、高さ7メートル程になる樹木です。ギョリュウは非常に耐塩性が高く、塩腺という器官から塩分を排出出来ます。なんと、8%もの塩分を含む塩傷地でさえもギョリュウを栽培することに成功しているそうです。ギョリュウに限らず、新疆に生える植物は耐塩性が高いことが特徴と言えます。著者も塩が吹き出して白くなった大地に生える、多くの植物を観察しています。個人的に興味深いのはマオウ(麻黄、Ephedra)です。エフェドリンという成分を含み、麻黄湯などとして風邪のひき始めに使用したりします。マオウは一見して葉がなく、多肉質の棒状の茎を持つ緑色のブッシュです。実はマオウはソテツやイチョウと同じ裸子植物ですから、非常に古い時代に出現した植物の生き残りと言えます。一度、育ててみたい植物です。

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最後にトンボ出版より1996年に出版された中国天山の植物』です。フルカラーの贅沢な大型版の本で、天山山脈周辺の美しい風景を含む素晴らしい写真が満載です。天山山脈ですから高山植物の写真も沢山ありますが、天山山麓の塩生荒原や礫だらけのゴビ砂漠の砂漠植物も多く掲載されています。乾燥に耐えるために、葉を小さくあるいは完全に失った種が見られます。

美しい写真を見ていて、大変良いと感じたのはScorzonera muriculataです。高さ50センチメートル程度の多年草で、葉はほとんどなく、枝分かれしたトゲ状の緑色の枝が、非常に密に絡まる様子が美しい。実はキク科で黄色い小さなタンポポの様な花が咲き、やがて綿毛のついた種が出来ます。
次はLycium ruthenicum(黒果枸杞)というナス科の植物です。高さ20-150センチメートルの灌木で、白くトゲのある枝から多肉質の小さな葉を沢山出します。
次はIljinia regeliiは高さ50センチメートル程度のアカザ科の半灌木です。小さなソーセージ形の多肉質の葉を密に出す面白い植物です。
その他にも葉が退化した茎で光合成する多肉質の植物が沢山あります。アカザ科のAnabasis aphylla(無葉仮木賊)、Haloxylon ammodendronがなかなか面白い植物です。Anabasis aphyllaは高さ20センチメートル程度の半灌木です。茎は緑色の節があり非常に形良く叢生します。観賞価値が高そうな植物ですが、殺虫成分を含み食べると非常に毒性が高いと言います。Haloxylon ammodendronは高さ9メートルになる亜高木で、節のある細い茎が紐の様に伸びます。耐塩性が高く砂丘の固定を目的として植林されているそうです。

最後にAtraphaxis spinosaという高さ20-60センチメートルのタデ科の小灌木です。枝先には鋭いトゲがあり、丸く小さい多肉質の葉が茎に沢山出ます。カナボウノキの仲間(亜流木など)のミニチュアのようで面白い雰囲気です。

以上で中央アジアの乾燥地帯の植物についての話は終了します。しかし、以上で挙げさせていただいた植物はあまりに馴染みがないもので、ネットで検索しても画像が皆無というものが多いでしょう。ギョリュウやマオウは国内でも販売されていますが、それ以外は入手が不可能だと思われます。貴重な砂漠植物が盗掘されるようでは困りますから、輸入されないことは悪いことではありませんが、防砂を目的として苗を人工的に栽培されているものなどは、その園芸的な価値について一考しても良いのではないかと私は思いました。記事ではいくつかの中央アジアの乾燥地に生える多肉植物を少しご紹介しました。しかし、現在までほとんど知られおらず、一般向けの本も潤沢とは言いがたいと思います。昔から気にはなっている分野ですので、もう少し本を探ってみたいと思っています。




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中国天山の植物
建美, 清水
1996-03-20


Gymnocalycium esperanzaeは2011年に命名された、割と発見が新しいサボテンです。しかし、G. esperanzaeの命名者であるRadomír Řepkaが2012年に発表した『GYMNOCALYCIUM ESPERANZAE : A NOTHOSPECIES?』という論文では、交雑種の可能性があるという指摘をしています。

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Gymnocalycium esperanzae

論文では遺伝子解析をしていますが、その前にギムノカリキウムの分類について簡単に説明します。ギムノカリキウム属の分類は必ずしも統一見解があるわけではないようですが、ギムノカリキウム属全体の遺伝子を解析した2011年のPablo H.Demaioの論文『MOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENERIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF THE GENUS』によると、以下の様な分子系統となっているようです。ギムノカリキウム属は7亜属に分けられています。今まではギムノカリキウム属は種子の特徴から分類されてきましたが、遺伝子解析の結果と一致していました。ちなみに、このDemaioの論文はŘepkaも参照としています。

            ┏━━Subgenus Gymnocalycium
        ┏┫
    ┏┫┗━━Subgenus Trichomosemineum
    ┃┃
┏┫┗━━━Subgenus Macrosemineum
┃┃
┃┗━━━━Subgenus Scabrosemineum

┫┏━━━━Subgenus Muscosemineum
┣┫
┃┗━━━━Subgenus Pirisemineum

┗━━━━━Subgenus Microsemineum

さて、それでは『GYMNOCALYCIUM ESPERANZAE : A NOTHOSPECIES?』の内容に戻ります。種子の特徴からは、G. esperanzaeはScabrosemineum亜属とされます。Scabrosemineum亜属の種子は0.6-1mmと小さく褐色、植物はしばしば大型で根はnapiform(かぶら状)とされています。
しかし、著者はG. esperanzaeは、G. bodenbenderianumとG. castellanosiiの自然交雑種ではないかと推測しています。G. castellanosiiはScabrosemineum亜属ですが、G. bodenbenderianumはTrichomosemineum亜属であり、驚くべきことにあまり近縁ではありません。G. castellanosiiとG. bodenbenderianumは広い分布域を持ちますが、その分布が重なる点にG. esperanzaeが生じているようです。
しかし、自然交雑は植物の進化において一般的なこと(Ellstrand et al.2008)であり、環境に適応して種分化の機会を生み出す力である(Anderson 1949, Arnold 1997, Rieseberg 1995, 1997, Rieseberg & Carney 1998)とする意見が多いそうです。サボテン科の進化には、自然交雑による倍数体化(遺伝子が重複)が重要とされています(Friedrich 1974, Pinkava 2002, Machado 2008, Mottram 2008)。ですから、G. esperanzaeはただの雑種ではなく、新種が生まれつつあるのかも知れないということです。交雑自体は割と新しく起きた可能性があります。

では、実際の①G. castellanosii(subsp. armillatum)、②G. esperanzae、③G. bodenbenderianumの特徴を比較してみましょう。

種                   ①                ②                ③
根                   枝分かれ    かぶら状    かぶら状
中央の棘       1-3本           0本              0本
若い棘           黒                黒                 褐色
雄しべ           ピンク        淡い緑色     淡い緑色
種子の形       丸~卵形    丸~卵形     帽子形
種子の色       黒                黒                 褐色
種子の光沢   +                  +                   +++    
種子の表面   少し凸状    少し凸状     平ら
Elaiosome    -                -                  +

G. esperanzaeの種子の特徴はG. castellanosiiと似ていますから、Scabrosemineum亜属とされたわけですが、根や棘、雄しべの色はG. bodenbenderianumに似ています。しかし、遺伝子解析の結果ではG. bodenbenderianum、G. ochoterenae、quehlianum、G. intertextumなどのTrichomosemineum亜属と近縁であることがわかりました。
つまり、伝統的な種子の分類ではScabrosemineum亜属なのに、遺伝子的にはTrichomosemineum亜属であるということです。面白いですね。
ちなみに、Elaiosomeとは種子に付いている蟻を呼ぶための栄養分のことです。これはサボテンに限らず植物の種子に広く見られるもので、蟻がElaiosomeを目的に種子を巣に運び込みます。種子は土中に入ることにより発芽しやすくなります。
生態的にはG. bodenbenderianumは砂質の平野部の低木の陰に生えますが、G. castellanosiiは低い丘の荒い砂利状に生えます。G. esperanzaeは丘や山の尾根、岩や砂利質など、G. castellanosiiに近いということです。

以上でGymnocalycium esperanzaeについての論文紹介は終了です。種子の特徴からはScabrosemineum亜属ですが、遺伝的にはTrichomosemineum亜属というちぐはぐさからは、確かに交雑を疑いたくなります。しかし、遺伝子解析も2種類の遺伝子をみただけですから、交雑を調査するための解析はしていません。ですから、まだこの結論は確実とは言えないでしょう。まだ、議論すべき点は残っているように思われます。


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2021年に開催された冬のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、あまり見かけないギムノカリキウムを入手しました。ラベルには「Gymnocalycium esperanzae VoS 1791」とありました。どうやら輸入物ということですが、どう見ても実生苗ですから海外のファームで播種されたもののようです。あまり情報はないようですから、少し調べてみました。

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名札には「VoS 1791」とあります。これは、フィールド・ナンバーと言って、採取情報がわかります。調べてみましたが、"VoS"は採取人の名前の略で、この場合は「Volker Schädlich」の略です。VoSナンバーは略されがちですから、「VoS 1791」では調べても詳細はわからない可能性が高いので、Gymnocalycium esperanzaeのフィールド・ナンバーの一覧を見てみました。そしてヒットしたのが、"VoS 14-1791"です。

Field number: VOS 14-1791
Collector: Volker Schädlich
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: Corral de Isaac, La Rioja, Argentina
Altitude: 519m
Date: 2014


フィールド・ナンバーを調べると、採取人や採取地点などの情報がわかります。場合によっては、高度や採取年月日も記載されています。

次にGymnocalycium esperanzaeの学名を調べてみました。学名は2011年に命名されたGymnocalycium esperanzae Řepka & Kulhánekです。命名者は正確には、Radomír Řepka & Tomáš Kulhánekのことです。どうやら、論文の記載に際して"TOM 09-436/1"(=RER 434)というフィールド・ナンバーの個体を元にしたようです。早速、調べてみました。

Field number: TOM 436.1
Collector: Tomáš Kulhánek
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: W of Nuevo Esperanza, La Rioja, Argentina

エスペランザエという種小名は、"
Nuevo Esperanza"という地名から来ていることがわかります。

しかし、Gymnocalycium esperanzaeは産地によっては白い粉に覆われます。Gymnocalycium esperanzaeは生息域が狭い割に、個体差が大きいとされているようです。
このように色々と情報を漁っていたところ、エスペランザエに関する面白い論文を見つけました。その内容は明日、記事にする予定です。議論を呼ぶ内容で大変興味深いものです。



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昨日に続いて、ハウォルチオプシス属の学名と異名の紹介です。

⑭Haworthiopsis scabra
                (Haw.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia scabra Haw., 1819
→Aloe scabra (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala scabra (Haw.) Kuntze, 1891

変種スカブラ
Haworthiopsis scabra var. scabra

異名
Haworthia tuberculata Poelln., 1931
→Haworthia scabra var. tuberculata
                              (Poelln.) Halda, 1997
Haworthia scabra var. johanii M.Hayashi, 2001
→Haworthia johanii (M.Hayashi) Breuer, 2010
→Haworthiopsis scabra var. johanii
                                     (M.Hayashi) Breuer, 2016

変種モリシアエ
Haworthiopsis scabra var. morrisiae
                        (Poelln.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia morrisiae Poelln., 1937
→Haworthia scabra var. morrisiae
                   (Poelln.) G.D.Rowley, 2013

変種スタルキアナ
Haworthiopsis scabra var. starkiana
                       (Poelln.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia starkiana Poelln., 1933
→Haworthia scabra subsp. starkiana
                        (Poelln.) Halda, 1997
→Haworthia scabra var. starkiana
                 (Poelln.) M.B.Bayer, 1999

変種ラテガニアエ
Haworthiopsis lateganiae
                     (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia lateganiae Poelln., 1937
→Haworthia starkiana var. lateganiae
                 (Poelln.) M.B.Bayer, 1976
→Haworthia scabra var. lateganiae
                 (Poelln.) M.B.Bayer, 1999

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Haworthiopsis scabra

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Haworthiopsis scabra var. starkiana

⑮Haworthiopsis sordida
                  (Haw.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia sordida Haw., 1821
→Aloe sordida (Haw.)
              Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala sordida (Haw.) Kuntze, 1891
→Haworthia scabra var. sordida
                                    (Haw.) Halda, 1997
→Haworthia scabra subsp. sordida
                                    (Haw.) Halda, 1997

変種ソルディダ
Haworthiopsis sordida var. sordida
異名
Haworthia agavoides
                  Zantner & Poelln., 1938
→Haworthiopsis sordida var. agavoides
   (Zantner & Poelln.) Breuer, 2016

変種ラブラニ
Haworthiopsis sordida var. lavrani
                   (C.L.Scott) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia sordida var. lavrani
                                   C.L.Scott, 1981
→Haworthia scabra var. lavrani
                    (C.L.Scott) Halda, 1997
→Haworthia lavrani
              (C.L.Scott) Breuer, 2010

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Haworthiopsis sordida

⑯Haworthiopsis tessellata
                   (Haw.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia tessellata Haw., 1824
→Aloe tessellata
         (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala tessellata (Haw.) Kuntze, 1891
→Haworthia venosa subsp. tessellata
                                 (Haw.) M.B.Bayer, 1982
→Haworthia venosa var. tessellata
                                        (Haw.) Halda, 1997

変種テセラタ
Haworthiopsis tessellata var. tessellata

異名
Haworthia engleri Dinter, 1914
Haworthia parva Haw., 1824
→Aloe parva (Haw.)
               Schult. & Schult.f., 1829
Haworthia pseudotessellata Poelln., 1929
Haworthia pseudogranulata Poelln., 1937
Haworthia minutissima Poelln., 1939
Haworthia tessellata var. coriacea
                              Resende & Poelln., 1942
Haworthia coriacea
               (Resende & Poelln.) Breuer, 2010

変種クロウシイ
Haworthiopsis tessellata var. crousii
        (M.Hayashi) Gildenh. & Klopper,2016
異名
Haworthia crousii M.Hayashi, 2001


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Haworthiopsis tessellata

⑰Haworthiopsis venosa
               (Lam.) G.D.Rowley, 2013
異名
Aloe venosa lam., 1783
→Haworthia venosa (Lam.) Haw., 1821
→Catevala venosa (Lam.) Kuntze, 1891
Aloe recurva Haw., 1804
→Apicra recurva (Haw.) Willd., 1811
→Haworthia venosa subsp. recurva
                            (Haw.) M.B.Bayer, 1976
→Haworthia recurva (Willd.) Haw., 1812 
→Catevala recurva (Willd.) Kuntze, 1891
Aloe tricolor Haw., 1804
→Apicra tricolor (Haw.) Willd., 1811
Aloe anomala Haw., 1804
→Apicra anomala (Haw.) Willd., 1811
Haworthia distincta N.E.Br., 1876

⑱Haworthiopsis viscosa
         (L.) Gildenh. & Klopper, 2016

異名
Aloe viscosa L., 1753
→Apicra viscosa (L.) Willd., 1811
→Haworthia viscosa (L.) Haw., 1812
→Catevala viscosa (L.) Kuntze, 1891
→Tulista viscosa (L.) G.D.Rowley, 2013
Aloe triangularis Lam., 1783

変種ヴィスコサ
Haworthiopsis viscosa var. viscosa

異名
Aloe triangularis Medik., 1784
Aloe rigida Ker Gawl., 1810
Apicra tortuosa Willd. 1811
Aloe pseudotortuosa Salm-Dyck, 1817
Haworthia pseudotortuosa Haw., 1819
Haworthia asperiuscula Haw., 1819
→Aloe asperiuscula
              (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala asperiuscula
                        (Haw.) Kuntze, 1891

→Haworthia viscosa f. asperiuscula
                         (Haw.) Pilbeam, 1983
→Haworthiopsis viscosa
                        var. asperiuscula

                            (Haw.) Breuer, 2016
Haworthia concinna Haw., 1819
→Aloe concinna
            (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
Haworthia cordifolia Haw., 1819
→Aloe cordifolia
          (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala cordifolia (Haw.) Kuntze, 1891
Haworthia indurata Haw., 1821
→Aloe indurata
       (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
Haworthia torquata Haw., 1826 publ. 1827
→Aloe torquata 
       (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
Aloe subtortuosa
               Schult. & Schult.f., 1829
Haworthia tortuosa Sweet, 1830
Haworthia beanii G.G.Sm., 1944
→Aloe viscosa f. beanii
                        (G.G.Sm.) Pilbeam, 1983
→Haworthiopsis viscosa var. beanii
                           (G.G.Sm.) Breuer, 2016
Haworthia viscosa f. subobtusa
                          (Poelln.) Pilbeam, 1983
Haworthia viscosa subsp. derekii-clarkii
                                              Halda, 1998


変種ヴァリアビリス
Haworthiopsis viscosa var. variabilis
          (Breuer) Gildenh. & Klopper, 2016

異名
Haworthia viscosa var. variabilis
                                         Breuer, 2003
→Haworthia variabilis
                         (Breuer) Breuer, 2010
→Haworthiopsis variabilis
                          (Breuer) Zonn., 2014


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Haworthiopsis viscosa

⑲Haworthiopsis woolleyi
              (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia woolleyi Poelln., 1937
→Haworthia venosa subsp. woolleyi
                     (Poelln.) Halda, 1997
→Haworthiopsis venosa var. woolleyi
                    (Poelln.) Breuer, 2016

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Haworthiopsis woolleyi

以上がハウォルチオプシス属、全19種類です。異名が多いのは属名が変わったからだけではなく、同種に異なる学名がつけられたことが原因の1つです。それは、産地ごとの外見的な違いを別種と判断したこともあるのしょう。ただし、それが遺伝的に異なるとは限らず、環境が厳しいので育ちが悪いだけだったりもしますから、間違いも起こりやすくなります。また、記事を読んでいただけたならお分かりの様に、活発に命名されたのが1800年代と古いことがわかります。当然ながら現在と異なりネットで情報をやり取り出来ません。ですから、情報収集も不完全で遅くなります。例えば、イギリスの雑誌に発表された論文が、フランスやドイツ、アメリカに届くまでタイムラグがあります。しかも、紙の出版物ですから、世界中の学術誌をすべて収集は困難ですから、すべての論文を確認して命名することもまた困難となります。これらのことから、当時からあったであろう混乱が現在にまで及んでいたりします。非常に困った問題です。



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昨日に続いて、ハウォルチオプシス属の学名と異名の紹介です。

⑤Haworthiopsis glauca
              (Baker) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia glauca Baker, 1880
→Catevala glauca (Baker) Kuntze, 1891
→Haworthia reinwardtii var. glauca
                                   (Baker) Halda, 1997
→Haworthia reinwardtii subsp. glauca
                                   (Baker) Halda, 1997

変種グラウカ
Haworthiopsis glauca var. glauca
異名
Haworthia carrissoi Resende, 1941

変種ヘレイ
Haworthiopsis glauca var. herrei
                        (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia herrei Poelln., 1929

→Haworthia glauca var. herrei
                          (Poelln.) M.B.Bayer, 1976
→Haworthia reinwardtii var. herrei
                                 (Poelln.) Halda, 1997
Haworthia armstrongii Poelln., 1937
→Haworthia glauca f. armstrongii
                          (Poelln.) M.B.Bayer, 1976
Haworthia jacobseniana Poelln., 1937
→Haworthia glauca f. jacobseniana
                              (Poelln.) Pilbeam, 1983
Haworthia jonesiane Poelln., 1937
→Haworthia glauca f. jonesiane
                              (Poelln.) Pilbeam, 1983
Haworthia eiyae Poelln., 1937

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Haworthiopsis glauca var. herrei

⑥Haworthiopsis granulata
           (Marloth) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia granulata Marloth, 1912
→Haworthia venosa subsp. granulata
                     (Marloth) M.B.Bayer, 1976
→Haworthia scabra subsp. granulata
                             (Marloth) Halda, 1997

変種スコエマニイ
Haworthiopsis granulata var. schoemanii
                      (M.Hayashi) Breuer, 2016
異名
Haworthia schoemanii M.Hayashi, 2003

⑦Haworthiopsis henriquesii (Resende)
         Gideon F.Sm. & Vasco Silva, 2019

異名
Haworthia henriquesii Resende, 1941


⑧Haworthiopsis koelmaniorum
                        (Oberm. & D.S.Hardy)
                Boatwr. & J.C.Manning, 2014
異名
Haworthia koelmaniorum
                              Oberm. & D.S.Hardy, 1976
→Haworthia limifolia var. koelmaniorum
                (Oberm. & D.S.Hardy) Halda, 1997
→Tulista koelmaniorum
       (Oberm. & D.S.Hardy) G.D.Rowley, 2013

変種ムクムルトリイ
Haworthiopsis koelmaniorum
                   var. mucmurtryi
               (C.L.Scott) Gildenh. & Klopper, 2016

異名
Haworthia mucmurtryi C.L.Scott, 1984
→Haworthia koelmaniorum var. mucmurtryi
                (C.L.Scott) G.D.Rowley, 1999
→Tulista koelmaniorum var. mucmurtryi
                (C.L.Scott) G.D.Rowley, 2013
→Haworthiopsis mucmurtryi
                           (C.L.Scott) Zonn, 2014

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Haworthiopsis koelmaniorum

⑨Haworthiopsis limifolia
           (Marloth) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia limifolia Marloth, 1910


変種リミフォリア
Haworthiopsis limifolia var. limifolia

異名
Haworthia marlothiana Resende, 1940
Haworthia limifolia var. striata
                  Pilbeam, unknown publication
→Haworthiopsis limifolia var. striata
                               (Pilbeam) Breuer, 2016

変種ウボンボエンシス
Haworthiopsis limifolia var. ubomboensis
                           (I.Verd.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia ubomboensis I.Verd., 1941
Haworthia keithii
                  (G.G.Sm.) M.Hayashi, 2000

変種ギガンテア
Haworthiopsis limifolia var. gigantea
                (M.B.Bayer) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia limifolia var. gigantea
                                      M.B.Bayer, 1962
→Haworthia gigantea
               (M.B.Bayer) M.Hayashi, 2000

変種グラウコフィラ
Haworthiopsis limifolia var. glaucophylla
                            (M.B.Bayer) Breuer, 2010
異名
Haworthia limifolia var. glaucophylla
                                            M.B.Bayer, 2003
→Haworthia glaucophylla
                             (M.B.Bayer) Breuer, 2010

変種アルカナ
Haworthiopsis limifolia var. arcana
            (Gideon F.Sm. & N.R.Crouch)
                                 G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia limifolia var. arcana
           Gideon F.Sm. & N.R.Crouch, 2001
→Haworthia arcana
       (Gideon F.Sm. & N.R.Crouch)
                                     Breuer, 2013


⑩Haworthiopsis longiana
                 (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia longiana Poelln., 1937

→Haworthia pumila subsp. longiana
                                   (Poelln.) Halda, 1997

⑪Haworthiopsis nigra
                   (Haw.) G.D.Rowley, 2013
異名
Apicra nigra Haw., 1824
→Aloe nigra (Haw.)
               Schult. & Schult.f., 1829 
→Haworthia nigra (Haw.) Baker, 1880
→Catevala nigra (Haw.) Kuntze, 1891
→Haworthia venosa subsp. nigra
                                (Haw.) Halda, 1997
→Haworthia viscosa subsp. nigra
                                (Haw.) Halda, 1998

変種ニグラ
Haworthia nigra var. nigra
異名
Haworthia schmidtiana Poelln., 1929
→Haworthia schmidtiana
              var. elongata Poelln., 1938
→Haworthiopsis nigra var. elongata
                    (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
Haworthia ryneveldii Poelln., 1939
Haworthia nigra f. angustata
                         (Poelln.) Pilbeam, 1983

変種ディヴェルシフォリア
Haworthiopsis nigra var. diversifolia
                   (Poelln.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia diversifolia Poelln., 1937

DSC_1796
Haworthiopsis nigra

⑫Haworthiopsis pungens
                   (M.B.Bayer)
       Boatwr. & J.C.Manning, 2014
異名
Haworthia pungens M.B.Bayer, 1999
Tulista pungens (M.B.Bayer)
                           G.D.Rowley, 2013

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Haworthiopsis pungens

⑬Haworthiopsis reinwardtii
      (Salm-Dyck) G.D.Rowley, 2013
異名
Aloe reinwardtii Salm-Dyck, 1821
→Haworthia reinwardtii
                (Salm-Dyck) Haw., 1821
→Catevala reinwardtii
             (Salm-Dyck) Kuntze, 1891

変種レインワルドティイ
Haworthiopsis reinwardtii var. reinwardtii
異名
Haworthia reinwardtii var. zebrina
                                      G.G.Sm., 1944
→Haworthia reinwardtii f. zebrina
                 (G.G.Sm.) M.B.Bayer, 1977

変種ブレビクラ
Haworthiopsis reinwardtii var. brevicula
                       (G.G.Sm.) G.D.Rowley, 2013
異名
Haworthia reinwardtii var. brevicula
                                         G.G.Sm., 1944
→Haworthia brevicula
                         (G.G.Sm.) Breuer, 2010

品種オリバケア
Haworthiopsis reinwardtii f. oliviacea
            (G.G.Sm.) Gildenh. & Klopper, 2016
異名
Haworthia reinwardtii var. oliviacea
                                          G.G.Sm., 1944
→Haworthia reinwardtii f. oliviacea
                                       M.B.Bayer, 1976
→Haworthia oliviacea
                        (G.G.Sm.) Breuer, 2010
→Haworthiopsis reinwardtii var. oliviacea
                            (G.G.Sm.) Breuer, 2019

品種カルムネンシス
Haworthiopsis reinwardtii f. chalumnensis
        (G.G.Sm.) Gildenh. & Klopper, 2016
異名
Haworthia reinwardtii var. chalumnensis
                               G.G.Sm., 1943
→Haworthia reinwardtii f. chalumnensis
          (G.G.Sm.) M.B.Bayer, 1976

品種カフィルドリフテンシス
Haworthiopsis reinwardtii f. kaffirdriftensis
         (G.G.Sm.) Gildenh. & Klopper, 2016  
異名
Haworthia reinwardtii var. kaffirdriftensis
                               G.G.Sm., 1941
→Haworthia reinwardtii f. kaffirdriftensis
         (G.G.Sm.) M.B.Bayer, 1976

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Haworthiopsis reinwardtii f. kaffirdriftensis

本日はここまで。異名が非常に多いため、どうしても記事が長くなってしまいます。明日に続きます。


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多肉植物は沢山の種類があり、様々な分類群に所属します。そのため、多肉植物の種類は何種類あるのか、膨大過ぎてよく分かりません。しかし、1つのグループ=属レベルならば、調べることも可能です。
というわけで、私は今までオペルクリカリア属(Operculicarya)やダシリリオン属(Dasylirion)、フォウクィエリア属(Fouquieria)、アストロロバ属(Astroloba)について、果たして何種類あるのかを記事にしてきました。最近、ハウォルチオプシス属(Haworthiopsis)について書かれた論文を読んでいたところ、硬葉系ハウォルチアと呼ばれていたハウォルチオプシス属は18種類と書かれていました。その程度の種類なら調べられますし、論文が書かれた2016年から6年経って種類数は変わったのか興味があります。ということで、果たしてハウォルチオプシス属は何種類あるのかを、記事にしてみました。

先ずは、ハウォルチオプシス属が誕生するまでの経緯を見てみましょう。
スウェーデンのCarl von Linneによって現在使われる二名式学名というシステムが作られたのが、1753年のことでした。このときはハウォルチオプシス属はまだ存在せずに、最初はアロエ属でした。その後、1809年にフランスのHenri August Duvalによりハウォルチア属が創設され、ハウォルチオプシス属もハウォルチア属とされました。日本ではあくまで園芸上での話ですが、ハウォルチア属を軟葉系と硬葉系に分けています。軟葉系は現在のハウォルチア属で、硬葉系は現在のハウォルチオプシス属とツリスタ属に相当します。
ちなみに、1786年にドイツのFriedrich Kasimir Medikusにより創設されたカテバラ属、1811年にドイツのCarl Ludwig Willdenowにより創設されたアピクラ属という属もありましたが、アロエ属やハウォルチオプシス属の一部からなるグループでしたが、現在では存在しない属名です。
1840年にオスマン帝国生まれでアメリカで活動した
Constantine Samuel Rafinesqueがツリスタ属を提唱しましたが認められませんでした。しかし、2013年にイギリスのGordon Douglas Rowleyはハウォルチア属を解体し3属に分けました。解体されたハウォルチア属は、ハウォルチア属、ハウォルチオプシス属、ツリスタ属となり、忘れ去られていたツリスタ属は79年の年月を経てついに日の目を見ました。このとき、ツリスタ属にはアストロロバ属やハウォルチア属の一部も含まれていたので、ハウォルチオプシス属はツリスタ属とされた異名を持つ種類も存在します。現在ではツリスタ属は4種類まで減少し、含まれていたハウォルチア属はハウォルチオプシス属とされました。この時、ツリスタ属からハウォルチオプシス属への移動は、南アフリカのJames Boatwright & John C. Manningや、同じく南アフリカのSean D. Gildenhuys & Ronell R. Klopperによるものです。この南アフリカの研究者たちは、遺伝子解析という新しい武器により、次々と新しい見解を公表しており目が離せません。

ハウォルチオプシス属の経緯
1753年 Aloe L.
1786年 Catevala Medik.
1809年 Haworthia Duval
1811年 Apicra Willd.
1840年 Tulista Raf.
2013年 Haworthiopsis G.D.Rowley

それでは、いよいよハウォルチオプシス属の種類を見ていきます。最初に言ってしまうと、現在学術的に認められているハウォルチオプシス属は19種です。最新の情報では、Haworthia henriquesiiが2019年にハウォルチオプシス属とされました。これからも、ハウォルチオプシス属は増える可能性はあるのでしょうか?
また、異名もすべてを網羅できているのかは分かりませんが、できただけ盛り込みました。あと、変種に対する異名も調べました。異名が多い種類では、場合によっては異名で流通している種もあるでしょうから、自分の育てているハウォルチオプシスは正式な学名か見比べて見ると異なるかもしれません。また、学名は変更されてきた経緯からわかります通り不変のものではなく、常に見直され改定を受けるものです。この記事の一覧も、やがて古くなり通じなくなるのでしょう。


①Haworthiopsis attenuata
                     (Haw.) G.D.Rowley, 2013
異名
Aloe attenuata Haw., 1804
→Apicra attenuata (Haw.) Willd., 1811
→Haworthia attenuata (Haw.) Haw., 1812
→Catevala attenuata (Haw.) Kuntze, 1891
→Haworthiopsis attenuata (Haw.) 1997


変種アテヌアタ
Haworthiopsis attenuata var. attenuata

異名
Aloe redula Ker Gawl., 1807
Aloe subulata Salm-Dyck, 1822
→Haworthia subulata (Salm-Dyck) Baker, 1880
→Catevala subulata (Salm-Dyck) Kuntze, 1891
Haworthia clariperla Haw., 1827 publ. 1828
→Haworthia attenuata f. clariperla
                        (Haw.) M.B.Bayer, 1976
Aloe clariperla Schult. & Schult.f., 1829
Aloe subattenuata
        Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f., 1830
→Haworthia subattenuata
(
Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f.) Baker, 1880
→Catevala 
subattenuata
(Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f.) Kuntze, 1891
Haworthia tisleyi Baker, 1880
→Catevala tisleyi (Baker) Kuntze, 1891
Haworthia argyrostigma Baker, 1896
Haworthia britteniana Poelln., 1937
Haworthia attenuata f. caespitosa
                  (A.Berger) Pilbeam, 1983

変種グラブラタ
Haworthiopsis attenuata var. glabrata
                (Salm-Dyck) G.D.Rowley, 2015

異名
Aloe glabrata Salm-Dyck, 1834
→Haworthia glabrata
                       (Salm-Dyck) Baker, 1880
→Catevala glabrata (Salm-Dyck) Kuntze, 1891
→Haworthia attenuata var. glabrata
               (Salm-Dyck) M.B.Bayer, 2012
Aloe redula Jacq., 1804
→Apicra redula (Jacq.) Willd., 1811
→Haworthia redula (Jacq.) Haw., 1812
→Catevala redula (Jacq.) Kuntze, 1891
→Haworthia pumila subsp. redula
                                  (Jacq.) Halda, 1997
→Haworthia attenuata var. redula
                          (Jacq.) M.B.Bayer, 1999
→Haworthia attenuata var. redula
                         (Jacq.) G.D.Rowley, 2015
Aloe rugosa Salm-Dyck, 1834
→Haworthia rugosa (Salm-Dyck) Baker, 1880
→Catevala rugosa (Salm-Dyck) Kuntze, 1891

DSC_1547
Haworthiopsis attenuata

②Haworthiopsis bruynsii
          (M.B.Bayer) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia bruynsii M.B.Bayer, 1981
→Haworthia retusa var. bruynsii
                    (M.B.Bayer) Halda, 1997


③Haworthiopsis coarctata
                     (Haw.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia coarctata Haw., 1824
→Aloe coarctata
                     (Haw.) Schult. & Schult.f., 1829
→Catevala coarctata (Haw.) Kuntze, 1891
→Haworthia reinwardtii var. coarctata
                                           (Haw.) Halda, 1997
→Haworthia reinwardtii subsp. coarctata
                                           (Haw.) Halda, 1997
→Haworthiopsis reinwardtii var. coarctata
                                           (Haw.) Breuer, 2016

変種コアルクタタ
Haworthiopsis coarctata var. coarctata
異名
Haworthia greenii Baker, 1880
→Catevala greenii (Baker) Kuntze, 1891
→Haworthia coarctata var. greenii
                                  (Baker) M.B.Bayer, 1973
→Haworthia coarctata f. greenii
                                  (Baker) M.B.Bayer, 1999
→Haworthia reinwardtii var. greenii
                                          (Baker) Halda, 1997
→Haworthiopsis reinwardtii var. greenii
                                         (Baker) Breuer, 2016
Haworthia peacockii Baker, 1880
→Catevala peacockii (Baker) Kuntze, 1891
Haworthia chalwinii Marloth & A.Berger, 1906
→Haworthia coarctata f. chalwinii
               (Marloth & A.Berger) Pilbeam, 1983
Haworthia fallax Poelln., 1932
Apicra bicarinata Resende, 1937
Haworthia resendeana Poelln., 1938
→Haworthiopsis resendeana
                   (Poelln.) Gildenh. & Klopper, 2016
Haworthia fulva G.G.Sm., 1943
Haworthia baccata G.G.Sm., 1944
Haworthia musculina G.G.Sm., 1948
Haworthia coarctatoides
                                 Resende & Viveiros,1948
Haworthia coarctata f. conspicua
                        (Poelln.) Pilbeam, 1983 

変種テヌイス
Haworthiopsis coarctata var. tenuis
                        (G.G.Sm.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia reinwardtii var. tenuis
                                              G.G.Sm., 1948
Haworthia coarctata var. tenuis
                         (G.G.Sm.) M.B.Bayer, 1973
Haworthia tenuis (G.G.Sm.) Breuer, 2010
Haworthia reinwardtii var. tenuis
                                (G.G.Sm.) Breuer, 2016

変種アデライデンシス
Haworthiopsis coarctata var. adelaidensis
                           (Poelln.) G.D.Rowley, 2013

異名
Haworthia reinwardtii var. adelaidensis
                                                     Poelln., 1940
→Haworthia coarctata subsp. adelaidensis
                               (Poelln.) M.B.Bayer, 1973
→Haworthia coarctata f. bellula
                                (G.G.Sm.) Pilbeam, 1983
→Haworthia coarctata var. adelaidensis
                               (Poelln.) M.B.Bayer, 1999
→Haworthia adelaidensis
                                     (Poelln.) Breuer, 2010

DSC_1798
Haworthiopsis coarctata

④Haworthiopsis fasciata
                    (Willd.) G.D.Rowley, 2013

異名
Apicra fasciata Willd., 1811
→Haworthia fasciata (Willd.) Haw., 1821
→Aloe fasciata (Willd.)
     Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f., 1830
→Catevala fasciata (Willd.) Kuntze, 1891
→Haworthia pumila subsp. fasciata
                                      (Willd.) Halda, 1997

変種ファスキアタ
Haworthiopsis fasciata var. fasciata

異名
Aloe subfasciata
      Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f., 1830
→Haworthia subfasciata
(Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f.) Baker, 1880
→Catevala 
subfasciata
(Salm-Dyck ex Schult. & Schult.f.) Kuntze, 1891

変種ブロウニアナ
Haworthiopsis fasciata var. browniana
                (Poelln.) Gildenh. & Klopper, 2016

異名
Haworthia browniana Poelln., 1937
Haworthia fasciata f. browniana
                 (Poelln.) M.B.Bayer, 1976

DSC_1544
Haworthiopsis fasciata

どうやら記事が長過ぎるようで、文字入力時に変なタイムラグが発生するため記事を分割します。というわけで、続きます。しかし、異名が多い…



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逆鱗竜は南アフリカ原産の非常に丈夫なユーフォルビアです。ただし、引き締まった美しい姿を維持するのは中々困難なように思えます。
逆鱗竜はとにかく生長が早く、冬でも日中暖かいと生長を始めてしまいます。しかし、冬は日照が不足勝ちなので、節が伸びたようなだらしない姿になってしまいます。それだけならいいのですが、日照の多い真夏でも徒長してしまうので困っています。
一応、ホリダと同じように育てていますから、割と厳しめなはずなんですけどね。

DSC_1708
逆鱗竜の実生苗。こちらは真夏に徒長してしまいました。
幹の下部と比べて上部の鱗片が縦長になっています。無遮光で雨に当てない栽培ですが、週1回の水やりでもこうなってしまいました。それこそ、用土が完全に乾いたらではなく、限界まで水をやらない方がいいのかもしれません。


逆鱗竜の学名は1804年に命名されたEuphorbia clandestina Jacq.です。
分類学的には、ユーフォルビア属(Euphorbia)、アティマルス亜属(Subgenus Athymalus)、アンタカンタ節(Section Anthacanthae)、フロリスピナ亜節(Subsection Florispinae)、トレイシア列(Series Treisia)ということになります。トレイシア列と言えば、逆鱗竜
に良く似たE. bubalina(昭和キリン)、E. pubiplans、E. clava(式部)などが含まれます。

フロリスピナ亜節の分子系統(抜粋)
    ┏━━━━━━━━Series Meleuphorbia
    ┃
    ┃        ┏━━━━━E. pillansii
    ┃    ┏┫
    ┃    ┃┗━━━━━E. pseudoglobosa 2
    ┃┏┫
    ┃┃┃┏━━━━━E. pseudoglobosa 1
    ┃┃┗┫
    ┃┃    ┗━━━━━E. mammillaris 2
    ┃┃
    ┣┫    ┏━━━━━E. heptagona 2
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━━━E. heptagona 1
    ┃┣┫
┏┫┃┗━━━━━━E. susannae
┃┃┃
┃┃┃┏━━━━━━E. clandestina
┃┃┗┫
┃┃    ┗━━━━━━E. pubiglans
┃┃
┃┃┏━━━━━━━E. bubalina 2
┃┃┃
┃┣╋━━━━━━━E. bubalina 1
┃┃┃
┃┃┗━━━━━━━E. clava
┃┃
┃┗━━━━━━━━Series Rhizanthium

┗━━━━━━━━━Series Hystrix

メレウフォルビア列(Series Meleuphorbia)とされた、E. heptagona(紅彩閣)、E. susannae(瑠璃晃)、E. pillansii、E. pseudoglobosa(稚児キリン)も分子系統では近縁であるように見えます。とても不思議です。



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今年はとんでもない猛暑があり、しかもそれがあまりに急だったため、十分に日差しに慣れていない多肉植物たちは大なり小なりダメージがあったようにも思われます。しかし、ようやく9月に入り日差しも心持ち優しくなり、涼しい日も出てまいりました。多肉植物たちも立ち直り、またようやく生長を開始するものもあります。そんな9月の多肉植物たちをご紹介します。

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矢毒キリン Euphorbia virosa
今年初めて生長開始しました。矢毒キリンのゴツいトゲも、出始めは鮮烈に赤く美しいものです。


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スバポダ Euphorbia subapoda
スバポダは塊根性ですが、まだまだ貧弱なので埋めたまま太らせ中です。葉の勢いは大変良いので、これからが楽しみです。再来年、植え替え予定です。

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闘牛角 Euphorbia schoenlandii
花芽がちらほら出てきました。冬型と言われる闘牛角ですが、夏越しは上手くいった模様です。


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魔界玉 Pachypodium rosulatum
                             subsp. makayense
赤い幹肌が特徴の魔界玉ですが、葉が繁り過ぎて見えません。生育が盛んで嬉しい限りです。


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ブレビカリクス Pachypodium brvycalyx
ブレビカリクスは小苗にしては巨大な葉が出ています。まだ苗ですが、パキポディウムも種類によって違いが見えてきて面白いものです。


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エブルネウム Pachypodium eburneum
エブルネウムはどうにもシャキッとしない感じです。


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女王錦 Aloe parvula
女王錦は購入時、真っ赤で中々元に戻りませんでした。購入時、おそらくは相当の寒さに当てていたのではないでしょうか。現在では赤みは抜け、生長しています。


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インファウスタ Euphorbia infausta
Euphorbia meloformis系とされるユーフォルビアですが、赤い花が咲いています。

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ディオーン・スピロヌス Dioon spironus
大型ソテツのディオーン・スピロヌスですが、5月以来の再フラッシュです。生長が良いので、来年は植え替える予定です。


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ザミア・フルフラケア Zamia furfuracea
7月に花芽が出てきてからはや2ヶ月。花茎が伸びていますが、完成形はよく分かりません。


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そう言えば、いつも※欄で貴重なご意見を戴いている多肉植物の大先輩におすすめされていた炭化鶏糞を撒いてみました。どうにも、色が良くない多肉がいくつかあるので、炭化鶏糞にはかなり期待しています。焼いてあるため鶏糞特有の嫌な臭いもなく、カビが生えたりしないということです。

そう言えば、19日は祝日ですが、五反田TOCで秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールが開催されます。私もフィールドナンバー付きの変わり種がないか見に行く予定です。面白いヘンテコな多肉植物があればいいのですが、さて今回はどうでしょうか? 当日の会場の様子をレポートしますからお楽しみに。



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パキポディウムには沢山の種類がありますが、その中でもロスラツム系は亜種が沢山あり一大グループを形成します。そんなロスラツム系の中でも亜種グラキリウスが人気で、現地球が盛んに輸入されています。最近では亜種カクチペスの実生苗も大型園芸店では、まれに販売されるようになりました。多肉植物の即売会に行けば亜種マカイエンセも入手は可能です。しかし、ロスラツムそのものである亜種ロスラツムは何故か話題に挙がりません。不思議です。まあ、単に流行りではないというだけかもしれませんけど。まあ、そんなロスラツムを入手した事もあり、とにかくそんなロスラツムについて少し調べてみました。

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Pachypodium rosulatum subsp. rosulatum

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やや縦長に育ちます。
ロスラツムの学名は1882年に命名されたPachypodium rosulatum Bakerです。マダガスカルのパキポディウムでは、一番早くに命名されました。

ロスラツムには亜種があります。
①カクチペスは1895年にPachypodium cactipes K.Schum.と命名されましたが、2004年にはロスラツム亜種のPachypodium rosulatum subsp. cactipes (K.Schum.) Lüthyとなりました。
②マカイエンセは2004年にPachypodium makayense Lavranosと命名されましたが、同年にロスラツム亜種のPachypodium rosulatum subsp. makayense (Lavranos) Lüthyとされました。
③グラキリウスは1934年にPachypodium rosulatum var. gracilius H.Perrierと命名されましたが、1999年にはPachypodium gracilius (H.Perrier) Rapan.、2004年にはPachypodium rosulatum subsp. gracilius (H.Perrier) Lüthyとされました。
④ビカラーは1997年にPachypodium bicolor Lavranos & Rapanarivoと命名されましたが、2004年にPachypodium rosulatum subsp. bicolor (Lavranos & Rapanarivo) Lüthyとされました。
⑤ベマラヘンセは2004年に命名されたPachypodium rosulatum subsp. bemarahense Lüthy & Lavranosです。

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Pachypodium rosulatum subsp. cactipes

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Pachypodium rosulatum subsp. makayense

また、ロスラツム変種ドラケイは、1907年にPachypodium drakei Costantin & Bois、1972年(publ. 1973)にはPachypodium rosulatum var. drakei (Costantin & Bois) Margr.とされました。しかし、現在はロスラツムと同種とされています。
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Pachypodium rosulatum var. drakei

また、かつてロスラツムの変種とされたことがあるものの、現在では独立種とされているパキポディウムもあります。
ホロンベンセは1922-1923年(publ. 1924)にPachypodium horombense Poiss.と命名されましたが、1973年にPachypodium rosulatum var. horombense (Poiss.) G.D.Rowleyとする意見もありましたが、現在では認められておりません。
また、イノピナツムは1996年にPachypodium inopinatum Lavranosと命名されましたが、1998年にPachypodium rosulatum var. inopinatum (Lavranos) G.D.Rowleyとする意見もありましたが、現在では認められておりません。


パキポディウム属の分子系統(抜粋)
            ┏━━━P. ebruneum
            ┃
            ┃┏━━P. brevicaule subsp. brevicaule
        ┏╋┫
        ┃┃┗━━P. densiflorum
        ┃┃
        ┃┗━━━P. horombense
        ┃
    ┏┫┏━━━P. inopinatum
    ┃┣┫
    ┃┃┗━━━P. brevicaule subsp. leucoxantum
    ┃┃
    ┃┗━━━━P. rosulatum subsp. bicolor
┏┫
┃┃┏━━━━P. rosulatum subsp. gracilius
┃┣┫
┃┃┗━━━━P. rosulatum subsp. cactipes
┫┃
┃┗━━━━━P. rosulatum subsp. makayense

┃┏━━━━━P. rosulatum subsp. rosulatum
┗┫
    ┗━━━━━P. rosulatum subsp. bemarahense

上の分子系統はロスラツムの近縁種の部分を抜粋し、簡略化したものです。亜種ロスラツムに最も近縁なのは亜種ベマラヘンセです。他のロスラツム亜種は異なる枝にありやや離れます。亜種マカイエンセ、亜種カクチペス、あるいは亜種グラキリウスは、もしかしたら分岐の根元にあるのかも知れず、一概にロスラツム系ではないとは言えないのかもしれません。しかし、素人目には独立種とした方が自然に思えます。さらに、亜種ビカラーに至っては、見てお分かりの通りブレビカウレ(恵比寿笑い)やデンシフロラム(シバの女王の玉櫛)に近縁に見えます。
2004年にLüthyにより、5種のパキポディウムがロスラツムの亜種とされました。それから18年たちました。そろそろ見直す時期に来ているようにも思えますが、どうでしょうかね? 



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フォウクィエリアをぼちぼち集めています。まあ、あまり熱心に探しているわけではなくて、イベントなどで苗があったら買うかもしれないくらいの勢いです。私の好きなユーフォルビアやギムノカリキウム、ハウォルチオプシスといった面々が最優先ですから、まあ後回しですね。あと、何故か私は現地球が少し苦手です。完成された現地球より、苗から育てたいという気持ちがあるからかもしれません。苗は現地球の様な迫力はありませんが、大抵の植物は苗の頃は生長著しいので、日々生長して変化していく様子を見る楽しみがあります。そんな中で、数年前はフォウクィエリアと言えば立派な現地球が売られることが多かったように思われます。しかし、最近では苗も少しずつ見かけます。特にFouquieria digdtiiやFouquieria macdougaliiはある程度は量産されているようで、苗が園芸店にもまれにですが並ぶようになりました。


Fouquieria macdougaliiは一般的には、「マクドガリー」と呼ばれているようです。例によってうるさい事を言いますが、この読み方について少し調べて見ました。私はラテン語読みで「マクドウガリイ」と読みますが、語源にさかのぼる派もいるそうなので、語源も調べて見ました。まあ、見た感じから人名だろうと思いましたがやはりそうで、砂漠植物の研究者であるD.T.MacDougalに対する献名でした。"MacDougal"は「マクドウガル」あるいは「マクドゥーガル」と読むのが一般的らしいので、語源にこだわるなら「マクドウガリー・マクドウガリイ」あるいは「マクドゥーガリー・マクドゥーガリイ」となります。

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Fouquieria macdougalii
葉の形がFouquieria diguetiiと異なり矢じり型で、葉柄が長く伸びます。

マクドウガリイはメキシコのソノラ砂漠に自生します。岩の多い平原や斜面、丘の中腹、溶岩地、メサ(卓状大地)、砂地といった様々な種類の土壌に生えます。
Fouquieriaを現地では"ocotillo"と呼ぶことから、Fouquieria属を"ocotillo family"と称することもあります。マクドウガリイは"Tree ocotillo"と呼ばれ、砂漠の代表的な灌木の一つです。現地ではBursera confusa、Olneya tesota、Cercidium praecox、Cercidium microphyllum、Prosopis velutina 等とともに砂漠の植生の主要構成メンバーなんだそうです。自生地にはサボテンも生えており、Lophocereus schottii、Stenocereus thurberi、Stenocereus alamosensisが見られます。

マクドウガリイの学名は1903年に命名されたFouquieria macdougalii Nashです。Nashはアメリカの植物学者であるGeorge Valentine Nashのことで、ニューヨーク植物園のキュレーターでした。Nashはバハマ、南フロリダ、ハイチで植物の調査を行いました。

そう言えば、フォウクィエリアは真っ赤な非常に目立つ花を咲かせますが、ハチドリによって受粉するそうです。そこで、思い出したのは、南アフリカではガステリアがタイヨウチョウにより受粉するということです。北アメリカとアフリカと大きく離れた場所で、それぞれの土地で花の蜜を主要な餌とすると鳥がいて、それぞれの土地でその鳥に受粉を依存する多肉植物がいるという偶然に驚かされます。フォウクィエリアとガステリア、ハチドリとタイヨウチョウはまったく近縁ではないことも自然の妙を感じさせますね。


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近所の書店に行ったところ、サボテンについて書かれた新刊が出ていたので購入しました。この手の本は趣味家か生産者さんが書いたりしがちですが、珍しく本書は研究者が書いたサボテンの本です。どうも、現在日本ではサボテンの研究者は著者位しかいないみたいです。
それはそうとして、早速読んでみることにしました。もしかしたら、研究者の書いた本なんて難しくて読めないと思ってしまいますが、誰でもわかるように書かれた本です。これは経験上ですが、ベレ出版の出す本は分かりやすい代わりに毎度薄味な内容が多い感じがします。まあ、これはその分野に関して素人でも読めるように書かれていることは分かりますから、一概に悪いことではありません。しかし、本書はベレ出版にしては割りと内容も詰まっていて、しかも分かりやすいので良い塩梅だと思います。
内容に移りましょう。本書はサボテンの基礎をまんべんなく学ぶことが出来ます。過去に出ているサボテンの本では、サボテンが水を貯蔵する仕組みやトゲとは何かといったトピックについては書かれていましたが、それらはあくまで「説」であって、実際に確かめられたものではなかったようにも思われます。しかし、さすがは研究者だけあって、実証的な説明がなされています。
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例えば、サボテンのトゲは葉が由来と言われたりします。しかし、木の葉サボテンでは葉とトゲの両方出ます。また、サボテンの種類によっては棘座(アレオーレ)をスライスして顕微鏡で観察すると、小さな葉が隠されていたりするようです。では、サボテンのトゲとは一体何者なのでしょうか?
また、サボテンの乾燥に耐える仕組みについても、非常に様々なことが判明していることがわかりました。組織の配置や仮導管の仕組み、根が乾燥に耐えるための仕組みなど、知らなかったことだらけでした。
個人的にはCAM植物に関する話は、非常に興味深く読ませていただきました。サボテンはCAM植物と言われ、乾燥に適応した光合成システムを持っています。(※CAM植物については過去に記事にしましたから、お時間があればぜひ読んでみて下さい。)

CAM植物は二酸化炭素をリンゴ酸の形で貯蔵出来ますが、どうやらサボテンではそれだけではないみたいです。詳細は本を読んでいただくとして、このように最新の科学による話題は尽きません。
その他にも、サボテンの本場メキシコに行った話もあります。今でもメキシコはあまり治安がよろしくないと言われますけど、著者も中々怖い目にあっているようです。私はメキシコと言えば、チワワ砂漠だとかサン・ルイス・ポトシだとか、憧れの地名が浮かびますけど、実際に行くとなると躊躇してしまいますけどね。
さて、本書はサボテン好きでも知らないような最新の知見が満載です。私は砂漠植物学、ひいては広く植物学全体に興味がありますが、面白いことが沢山書いてあって大変ためになりました。サボテン好きならば読んで損は無いと思います。




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2013年に発表された『A molecular phylogeny and classification of the largely succulent and mainly African Euphorbia subg. Athymalus (Euphorbiaceae)』という論文の紹介の続きです。今日はアンタカンタ節の残り3亜節、メデュセア、ブセウデウフォルビウム、ダクティランテスを紹介します。メデュセア亜節はいわゆる「タコもの」で、ユーフォルビアの中でも特に変わった姿をしています。

Subgenus Athymalusの分子系統
            ┏━━★Section Anthacanthae
        ┏┫
        ┃┗━━Section Balsamis
        ┃
    ┏┫┏━━Section Somalica
    ┃┃┃
    ┃┗┫┏━Section Crotonoides
┏┫    ┗┫
┃┃        ┗━Section Lyciopsis
┃┃
┫┗━━━━Section Pseudacalypha

┗━━━━━Section Antso

Section Anthacanthaeの分子系統

    ┏━━★①Subsection Medusea
    ┃
┏┫┏━★②Subsection Pseudeuphorbium
┃┗┫
┫    ┗━★③Subsection Dactylanthes

┃┏━━Subsection Florispinae
┗┫
    ┗━━Subsection Platycephalae

①Subsection Medusea
分子系統を見て感じるのは、種数の割に分岐が少ないことです。これは、メデュセア亜節が最近分岐したからかもしれません。論文はアティマルス亜属のそれぞれ節の関係性、あるいはアンタカンタ節の中の亜節の関係性を見ることを目的としていますから、種ごとの分離はいまいちとなることもあります。例えるなら、大きい定規で測ってみるものの、目盛りが大きすぎて細かい部分は測れないようなものです。
メデュセア亜節は、その姿から「タコもの」とか「メデュソイド」などと呼ばれます。

E. namaquensisは南アフリカ原産の亜低木で
太い幹から短い枝が伸びて枯れて残ります。E. namibensisはナミビア原産で、「蛮童子」と呼ばれます。太い幹から多肉質の園芸を伸ばします。E. filiferaは南アフリカ原産で、「魔女の簪」と呼ばれます。太い幹から多肉質の枝を伸ばし、先端からは細長い葉を出します。E. caput-medusaeは南アフリカ原産で、「天荒竜」と呼ばれます。大型のタコもので、太く長い多肉質の枝を伸ばします。
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荒天竜 Euphorbia caput-medusae

E. restitutaは南アフリカ原産で、縦長に育ち細い多肉質の枝を伸ばします。E. fasciculataは南アフリカ原産で、「歓喜天」と呼ばれます。「闘牛角」と似ていますが、枯れ枝はやがて脱落します。E. schoenlandiiは南アフリカ原産で、「闘牛角」と呼ばれます。棍棒状に育ち、枯れた枝が長く残ります。
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闘牛角 Euphorbia schoenlandii

E. braunsiiは南アフリカ、ナミビア原産で、「仏面キリン」と呼ばれます。塊根から卵型の多肉質の枝が群生し、枯れた花柄が残ります。E. crassipesは南アフリカ原産で、「倶利伽羅玉」と呼ばれます。縦長に育つタコものです。E. deceptaは南アフリカ原産で、「緑鬼王」と呼ばれます。枝の短いタコものです。E. flanaganiiは南アフリカ原産で、「孔雀丸」と呼ばれます。細い多肉質の枝を伸ばす小型のタコものです。
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孔雀丸 Euphorbia flanaganii

E. hypogaeaは南アフリカ原産で、「螺髪竜」と呼ばれます。細長いイボに被われた縦長の多肉植物で、先端から葉を出します。E. procumbensは南アフリカ原産で、枝が長く伸びるタコものです。E. anbipolliniferaは南アフリカ原産で、小型のタコものです。E. breviramaは南アフリカ原産で、小型で枝が短いタコものです。E. haliiは南アフリカ原産で、縦長に育つ鱗片状の幹を持ちたす。葉は細長い鞭のようです。E. aridaは南アフリカ原産で、「白仏塔」と呼ばれます。タコものですが、下部が木質化して縦長に育ちます。E. davyiは南アフリカ原産で、「蛇鱗丸」と呼ばれます。小型のタコもので、塊根性です。E. esculentaは南アフリカ原産で、「閻魔キリン」と呼ばれます。太く枝を出す大型のタコものです。E. friedrichiaeは南アフリカ、ナミビア原産で、「白鬼塔」と呼ばれます。棍棒状の幹から尖った短い枝を伸ばし、枯れた後残ります。E. melanohydrataは南アフリカ、ナミビア原産で、「多宝塔」と呼ばれます。短い枝が密につきます。E. multicepsは南アフリカ原産で、「多頭キリン」と呼ばれます。本体が見えないほど丸い枝が密につきます。E. dregeanaは南アフリカ原産で、棒状で枝分かれしてブッシュ状となります。

                ┏━E. namaquensis 2
            ┏┫
            ┃┗━E. namibensis
        ┏┫
        ┃┗━━E. filiflora
    ┏┫
    ┃┗━━━E. caput-medusae 2
    ┃
    ┃┏━━━E. caput-medusae 1
┏╋┫
┃┃┗━━━E. restituta
┃┃
┃┃┏━━━E. fasciculata
┃┗┫
┃    ┗━━━E. schoenlandii

┃        ┏━━E. braunsii
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━E. crassipes 1
┃┏┫
┃┃┗━━━E. decepta 2
┃┃
┃┃┏━━━E. flanaganii
┣┫┃
┃┣╋━━━E. hypogaea 2
┃┃┃
┃┃┗━━━E. procumbens
┃┃
┃┗━━━━E. albipollinifera

┃┏━━━━E. brevirama
┣┫
┃┗━━━━E. crassipes 2

┃┏━━━━E. hallii
┣┫
┃┗━━━━E. namaquensis 1

┣━━━━━E. arida

┣━━━━━E. braunsii

┣━━━━━E. clavarioides

┣━━━━━E. davyi 2

┣━━━━━E. davyi 1

┣━━━━━E. esculenta

┣━━━━━E. friedrichiae

┣━━━━━E. hypogaea 1

┣━━━━━E. melanohydrata

┣━━━━━E. multiceps 2

┃┏━━━━E. multiceps 1
┗┫
    ┃┏━━━E. decepta 1
    ┗┫
        ┗━━━E. dregeana

②Subsection Pseudeuphorbia
③Subsection Dactylanthes

プセウデウフォルビア亜節は高度に多肉化した低木です。
E. celataは南アフリカ、ナミビア原産で、塊根性でわずかに地上に枝を出します。E. quadrataは南アフリカ、ナミビア原産で、やや幹が太る低木です。E. hamataは南アフリカ、ナミビア原産で、「鬼棲木」と呼ばれます。幹が太り、多肉質の枝を伸ばす低木です。E. pedemontanaは南アフリカ原産です。E. gariepinaは南アフリカ、ナミビア、アンゴラ原産で、「鬼ヶ島」と呼ばれます。多肉質の枝は枝分かれしてブッシュ状となります。E. indurescensはアンゴラ原産です。E. monteiroiは南アフリカ、ナミビア、アンゴラ、ジンバブエ、ボツワナ原産で、「柳葉キリン」と呼ばれ、棍棒状の幹を持ち細長い葉を出します。
E. lignosaは南アフリカ、アンゴラ、ナミビア原産で、多肉質の枝は叢生します。

ダクティランテス亜節は、塊根あるいは地下根茎です。
E. bruynsiiは南アフリカ原産です。E. patulaは南アフリカ原産で、短い多肉質の枝が密集します。E. polycephalaは南アフリカ原産で、塊根から多肉質の枝を伸ばします。E. globosaは南アフリカ原産で、球状の多肉質の枝を重ねます。E. wilmaniaeは南アフリカ原産で、現在ではE. patula subsp. wilmaniaeとされています。「海蜘蛛」と呼ばれることもあります。E. pseudotuberosaは南アフリカ、ボツワナ原産で、やや多肉質の葉を出します。E. trichadeniaは南アフリカ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナ、スワジランド、ジンバブエ原産で、塊根から葉を出します。
  
                ┏━━E. celata 1
            ┏┫
            ┃┗━━E. quadrata
        ┏┫
        ┃┃┏━━E. hamata 1
        ┃┗┫
        ┃    ┗━━E. pedemontana
        ┃
        ┃    ┏━━E. gariepina
        ┃    ┃
┏②┫┏╋━━E. indurescens
┃    ┃┃┃
┃    ┣┫┗━━E. monteiroi
┃    ┃┃
┃    ┃┗━━━E. lignosa
┃    ┃
┃    ┃┏━━━E. celata 2
┃    ┗┫
┃        ┗━━━E. hamata 2

┃                ┏━E. bruynsii
┃                ┃
┫            ┏╋━E. patula
┃            ┃┃
┃            ┃┗━E. polycephala
┃            ┃
┃        ┏╋━━E. globosa
┃        ┃┃
┃        ┃┣━━E. wilmaniae 1
┃    ┏┫┃
┃    ┃┃┗━━E. wilmaniae 2
┃    ┃┃
┗③┫┗━━━E. pseudotuberosa
        ┃
        ┗━━━━E. trichadenia


最近、ユーフォルビアの系統分類①~⑨という記事を書きましたが、情報が不足していました。その不満があった部分について、ユーフォルビアの系統分類⑩~⑫という形で追加で記事にすることが出来て、モヤモヤとしていた心残りが消えました。一安心です。しかし、また論文を見つけてしまったら記事にするかも知れないなんて考えていたら、なんと情報が少なかったカマエシケ亜属の系統分類について書かれた論文を見つけてしまいました。しかし、カマエシケ亜属は基本的に草本で多肉植物ではありません。世界中に分布しますが、主に雑草とされるものが多く、記事を書く私も楽しくありませんが、記事を読む方々もおそらくは楽しくはないでしょう。というわけで、カマエシケ亜属についての記事化は断念しました。
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日本の代表的なカマエシケ亜属のユーフォルビアであるコニシキソウ。コンクリートの隙間やひび割れから生えてくる、踏みつけに強い雑草。

多肉植物については、最近パキポディウム属とアロエ類(アロエ属、ハウォルチア属、ガステリア属等)、ユーフォルビア属の系統分類を調べた論文を紹介してきました。しかし、多肉植物はまだまだ沢山の種類があり所属する分類群も多岐にわたります。論文もそれぞれの分類群を調べたものがあります。もし、面白い論文を見つけましたら、また記事にしていきたいと思います。



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2013年に発表された『A molecular phylogeny and classification of the largely succulent and mainly African Euphorbia subg. Athymalus (Euphorbiaceae)』という論文紹介の続きです。今日は、アンタカンタ節についてですが、記事が長くなりすぎるため、2つに分けました。フロリスピナ亜節とプラティケファラ亜節についてですが、この2つは姉妹群である程度まとまったグループのようです。

Subgenus Athymalusの分子系統
            ┏━━★Section Anthacanthae
        ┏┫
        ┃┗━━Section Balsamis
        ┃
    ┏┫┏━━Section Somalica
    ┃┃┃
    ┃┗┫┏━Section Crotonoides
┏┫    ┗┫
┃┃        ┗━Section Lyciopsis
┃┃
┫┗━━━━Section Pseudacalypha

┗━━━━━Section Antso

Section Anthacanthaeの分子系統
    ┏━━Subsection Medusea
    ┃
┏┫┏━Subsection Pseudeuphorbium
┃┗┫
┫    ┗━Subsection Dactylanthes

┃┏━━★Subsection Florispinae
┗┫
    ┗━━★Subsection Platycephalae

Subsection Florispinaeの分子系統
Subsection Florispinaeは有名な多肉ユーフォルビアが沢山含まれます。ホリダや紅彩閣のようにトゲのあるもの、花柄が残りトゲのように見えるバリダ、トゲがなく高度に多肉化したオベサ、多肉化した茎から大きな葉を伸ばす鉄甲丸、塊根から多肉質の茎を出す稚子キリン、塊根から多肉質ではない葉を出すシレニフォリアなど形態は様々です。基本的には南アフリカ原産で、乾燥に耐えるために高度に多肉化しています。

E. pentagonaは「大王閣」と呼ばれ、南アフリカ原産です。トゲのあるサボテンのような多肉植物で、高さ3mになり叢生します。E. pulvinataは「笹蟹丸」と呼ばれ、レソト、スワジランド原産です。高さ1.5mの叢生してクッション状となります。紅キリンE. aggregataと笹蟹丸は同種とされる向きもありましたが、現在ではそれぞれ独立種とされているようです。
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笹蟹丸 Euphorbia pulvinata

E. meloformisは南アフリカ原産の、枯れた花柄が残りトゲのように見える球状の多肉植物です。E. meloformisの亜種あるいは変種として、有名なバリダはE. meloformisに吸収されました。ちなみに、「貴青玉」はE. meloformis系と言われる由来不明の交配種です。
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Euphorbia meloformis

E. cumulataは南アフリカ原産で、トゲのあるサボテンのような多肉植物で叢生します。E. mammillarisは「鱗宝」と呼ばれ、南アフリカ原産です。まばらにトゲのあるサボテンのような多肉植物で叢生します。ちなみに、鱗宝の白化個体を「白樺キリン(ミルクトロン)」と呼び、こちらの方がよく見かけます。
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白樺キリン(ミルクトロン) Euphorbia mammillaris cv.

E. obesa subsp. symmetricaは南アフリカの球状の多肉植物で、現在はオベサの亜種ではなくE. symmetricaとして独立しました。E. obesa subsp. obesaは南アフリカ原産の多肉植物です。この場合のsubsp. obesaはsubsp. symmetricaと区別するための名前ですが、subsp. symmetricaが亜種ではなくなった以上はsubsp. obesaも役目を終えました。現在はただのE. obesaです。
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Euphorbia obesa

E. feroxは「勇猛閣」あるいは「金碧塔」と呼ばれ、南アフリカ原産です。トゲのあるサボテンのような多肉植物ですが、トゲが強いことが特徴です。
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勇猛閣 Euphorbia ferox

E. jansenvillensisは南アフリカ原産で、トゲはありませんが、多肉質で叢生します。E. tubiglansと同種とされることもあるようです。E. polygonaは南アフリカ原産で、変種ホリダE. polygona var. horridaの方が有名です。大なり小なり白い粉に被われ、トゲのある太い幹を持つ多肉植物です。
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ホリダ Euphorbia polygona var. horrida

E. stellispinaは「群星冠」と呼ばれ、南アフリカ原産です。独特の先端が星形の花柄が特徴です。
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群星冠 Euphorbia stellispina

E. pillansiiは南アフリカ原産の多肉植物で、E. meloformis系交配種と呼ばれる「貴青玉」によく似ています。枯れた花柄が残りますが、先端で分岐します。E. pseudoglobosaは「稚児キリン」と呼ばれ、南アフリカ原産です。楕円を重ねたように育ち、塊根性です。
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稚児キリン Euphorbia pseudoglobosa

E. heptagonaは「紅彩閣」と呼ばれ、南アフリカ原産です。一般的にはE. enoplaと呼ばれていますが、E. heptagonaが正式な学名です。トゲがあり、叢生します。
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紅彩閣 Euphorbia heptagona

E. susannaeは「瑠璃晃」と呼ばれ、南アフリカ原産です。トゲはなく球状でやがて群生します。
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瑠璃晃 Euphorbia susannae

E. clandestineは「逆鱗竜」と呼ばれ、南アフリカ原産です。棍棒状のトゲのない多肉植物で、頂点から細長い葉を出します。E. pubiplans、E. bubalina(昭和キリン)、E. clava(式部)、E. multifolia、E. loricata(炉裡火)は共に南アフリカ原産で、逆鱗竜によく似ています。
DSC_0186
逆鱗竜 Euphorbia clandestine

E. bupleurifoliaは「鉄甲丸」と呼ばれ、南アフリカ原産です。鱗片状の多肉質の茎から葉を出します。
DSC_1532
鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia

E. tuberosaは「鬼縮」あるいは「羊玉」と呼ばれる塊根性植物で、南アフリカ原産です。E. sileniforiaは南アフリカの塊根植物で、細長い葉を出します。
DSC_0824
Euphorbia sileniforia

                                ┏━E. pentagona
                            ┏┫
                            ┃┗━E. pulvinata
                        ┏┫
                        ┃┗━━E. meloformis 1
                    ┏┫
                    ┃┣━━━E. cumulata
                ┏┫┃
                ┃┃┗━━━E. mammillaris 1
                ┃┃
                ┃┗━━━━E. meloformis 2
                ┃
                ┃┏━━━━E. obesa
                ┣┫                     subsp. obesa
                ┃┗━━━━E. obesa 
            ┏┫                          subsp. symmetrica
            ┃┗━━━━━E. ferox
        ┏┫
        ┃┗━━━━━━E. jansenvillensis 1
        ┃
    ┏┫        ┏━━━━E. polygona 2
    ┃┃    ┏┫
    ┃┃    ┃┗━━━━E. polygona 1
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━━━E. stellispina
    ┃┗┫
    ┃    ┗━━━━━━E. jansenvillensis 2
    ┃
    ┃        ┏━━━━━E. pillansii
    ┃    ┏┫
    ┃    ┃┗━━━━━E. pseudoglobosa 2
    ┃┏┫
    ┃┃┃┏━━━━━E. pseudoglobosa 1
    ┃┃┗┫
    ┃┃    ┗━━━━━E. mammillaris 2
    ┃┃
    ┣┫    ┏━━━━━E. heptagona 2
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━━━E. heptagona 1
    ┃┣┫
┏┫┃┗━━━━━━E. susannae
┃┃┃
┃┃┃┏━━━━━━E. clandestina
┃┃┗┫
┃┃    ┗━━━━━━E. pubiglans
┃┃
┃┃┏━━━━━━━E. bubalina 2
┃┃┃
┃┣╋━━━━━━━E. bubalina 1
┃┃┃
┃┃┗━━━━━━━E. clava
┃┃
┃┃    ┏━━━━━━E. tuberosa 2
┃┃┏┫
┃┃┃┗━━━━━━E. tuberosa 1
┫┗┫
┃    ┗━━━━━━━E. silenifolia

┃    ┏━━━━━━━E. multifolia
┃┏┫
┃┃┗━━━━━━━E. loricata 2
┣┫
┃┗━━━━━━━━E. loricata 1

┣━━━━━━━━━E. bupleurifolia

┗━━━━━━━━━E. oxystegia

系統の分岐を見ていると、思いもよらぬことがあります。例えば、勇猛閣E. ferox、大王閣E. pentagona、笹蟹丸E. pulvinataはトゲがあり叢生する生態の共通性から、近縁であることはわかります。しかし、やはり良く似た紅彩閣E. heptagonaとは特に近縁ではなく、E. obesaやE. meloformisの方が近縁という驚くべき結果でした。また、紅彩閣E. heptagonaは瑠璃晃E. susannaeと近縁というのも不思議ですね。

そう言えば、E. jansenvillensisは2個体を調べていて、それぞれの位置は離れているように見えます。しかし、良く見ると両個体とも分岐の根元にあり、実は近縁であることがわかります。これはむしろ図の配置とか書き方の問題です。
困惑するのは鱗宝E. mammillarisの立ち位置です。鱗宝も2個体を調べていますが、完全に異なる枝に乗っています。これは大変な驚きで、解析の分離が良くなかったという理由でなければ、鱗宝は2種類あることになります。

E. pillansiiはバリダというか、E. meloformis系交配種と言われる貴青玉に良く似ていますが、なんと稚児キリンと近縁とあります。共通点がないようにも思えますから、面白い結果です。


Subsection Platycephalaeの分子系統
半多肉植物で高さ9mまでの低木、あるいは塊根植物です。ボツワナとジンバブエから西アフリカとエチオピアまで、サハラ以南に分布します。
E. omarianaはエチオピア原産で、塊根性(?)です。E. platycephalaはマラウイ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産の塊根植物です。E. grantiiはブルンジ、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ、ザイール、ザンビア原産の樹木です。

    ┏━E. omariana
┏┫
┃┗━E. platycephala

┗━━E. grantii


そう言えば、フロリスピナ亜節は形態的に4グループに分けられてきました。E. multifolia、E. loricata、E. bupleurifolia、E. oxystegiaはSeries Hystrixとされてきましたが、分子系統でもまとまったグループです。塊根性のE. tuberosaとE. sileniforiaはSeries Rhizanthiumですが、分子系統でも近縁です。外見的に良く似たE. clandestine、E. bubalina、E. pubiplans、E. clavaはSeries Treisiaですが、特徴の異なる旧来はSeries MeleuphorbiaとされたE. heptagona、E. susannae、E. pillansii、E. pseudoglobosaも分子系統では近縁です。それ以外の種はSeries Meleuphorbiaですが、同じ枝に乗っており、ある程度まとまったグループです。
というわけで、旧分類はおおよそは正しいみたいですが、異なる部分も出て来ているようです。

本日はここまでです。明日はタコものと呼ばれるSubsection Meduseaを中心にご紹介します。



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私はユーフォルビアが好きでチマチマ集めていますが、とにかくユーフォルビアは種類が多く多様なので、今一つ掴み所がないような気がしていました。ではユーフォルビアとは何かと聞かれると、具体的な種類を挙げてみだり、毒があります位しか言えないことに気が付きました。そこで、最近ではユーフォルビアについた書かれた論文を少しずつ読んだりしています。
先週、というか8月22日から30日までの9日間に渡り、ユーフォルビアについての論文の長い紹介をしました。この時紹介したのは、2013年に発表された『
Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文でした。

ただし、この論文はユーフォルビア節(柱サボテン状のユーフォルビア)を中心としたものでしたから、園芸店でよく目にするホリダE. polygona var. horridaや瑠璃晃E. susannae、オベサE. obesa、孔雀丸E. flanaganiiなどのユーフォルビアについては、わずか4種類を調べただけでした。ですからこの部分、つまりはリザンチウム亜属について調べた論文を探していました。
それが、2013年に発表された『A molecular phylogeny and classification of the largely succulent and mainly African Euphorbia subg. Athymalus (Euphorbiaceae)』という論文です。調べているのは、Subgenus Athymalus、つまりアティマルス亜属です。この場合のSubgenus Athymalus=Subgenus Rhizanthiumのことです。学者によりAthymalusだったりRhizanthiumだったりしますが、この論文ではAthymalusを採用しています。
さて、今日からこの論文の内容を何回かに分けて紹介しようと思います。「ユーフォルビアの系統分類」はその⑨の続きとして、その⑩というナンバリングから開始したいと思います。

では、実際の論文の内容を見てみましょう。
Subgenus Athymalusは約150種で、ほとんどが多肉植物ですが樹木もあります。旧世界の乾燥地に限定して分布します。ほとんどがサハラ以南のアフリカ原産で、マカロネシアと西アフリカ、いくつかはアラビア半島、マダガスカル、23種はアフリカの角付近に固有、72種は南部アフリカ原産です。そのうち、60種は南アフリカの固有種ということです。この論文では、Subgenus Athymalusのうち88種類について、核リボソームITSと葉緑体のndhF領域を分析しました。

Subgenus Athymalusの分子系統
            ┏━━Section Anthacanthae
        ┏┫
        ┃┗━━★⑥Section Balsamis
        ┃
    ┏┫┏━━★⑤Section Somalica
    ┃┃┃
    ┃┗┫┏━★④Section Crotonoides
┏┫    ┗┫
┃┃        ┗━★③Section Lyciopsis
┃┃
┫┗━━━━★②Section Pseudacalypha

┗━━━━━★①Section Antso

一応、用語を説明しておきますが、"Subgenus"は「亜属」のことで、ユーフォルビア属はEsula亜属、Athymalus(=Rhizanthium)亜属、Chamaesyce亜属、Euphorbia亜属にわかれます。"Section"とは「節」をあらわしますが、属の下には亜属、節、亜節、列、亜列と小分類があります。「列」は"Series"ですが、今回の論文では出てきません。

系統図を見るとわかりますが、Section Antsoが根元にあります。Section Somalica、Section Crotonoides、Section Lyciopsisは一つのグループを形成します。Section Anthacanthaeは非常に多様で、5亜節からなります。本日はAnthacanthae節以外について解説させていただきます。


            ┏━━━━━Section Anthacanthae
            ┃
            ┃                ┏E. larica
            ┃            ┏┫
            ┃            ┃┗E. masirahensis
        ┏┫        ┏┫
        ┃┃        ┃┗━E. rubrisemminalis
        ┃┃    ┏┫
        ┃┃    ┃┃┏━E. balsamifera
        ┃┃    ┃┗┫            subsp. adenensis
        ┃┗⑥┫    ┗━E. balsamifera
        ┃        ┃                    subsp. balsamifera
        ┃        ┗━━━E. meuleniana
        ┃
    ┏┫            ┏━━E. hamaderoensis
    ┃┃            ┃
    ┃┃        ┏╋━━E. marie-cladieae
    ┃┃        ┃┃
    ┃┃┏⑤┫┗━━E. socotrana
    ┃┃┃    ┃
    ┃┃┃    ┗━━━E. scheffleri
    ┃┃┃
    ┃┃┃            ┏━E. benthamii
    ┃┗┫        ┏┫
    ┃    ┃        ┃┗━E. crotonoides
    ┃    ┃┏④┫
    ┃    ┃┃    ┣━━E. caperonioides
    ┃    ┃┃    ┃
    ┃    ┃┃    ┗━━E. insarmentosa
    ┃    ┃┃
    ┃    ┗┫        ┏━E. cuneata
    ┃        ┃    ┏┫
    ┃        ┃    ┃┗━E. smithii
┏┫        ┃    ┃
┃┃        ┗③┫┏━E. bongensis
┃┃                ┃┃
┃┃                ┗╋━E. matabelensis
┃┃                    ┃
┃┃                    ┗━E. oatesii
┃┃
┃┃            ┏━━━E. acalyphoides
┫┃        ┏┫
┃┃        ┃┗━━━E. species
┃┃    ┏┫
┃┃    ┃┗━━━━E. hadramautica
┃┗②┫
┃        ┗━━━━━E. longituberculosa

┗━━━━━━①━E. antso


①Section Antso
E. antsoはマダガスカル原産の、半多肉質の樹木です。高さ4-15mとなり、時にわずかに塊茎状となります。

②Section Pseudocalypha
Section Pseudocalyphaはほとんどの種が北東アフリカとアラビア半島原産です。多肉植物を含みます。
E. acalyphoidesはアンゴラ、チャド、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、タンザニア、イエメンの原産です。一年草または亜低木ということです。E. speciesは何のことを言っているのか良くわかりません。"species"はそのまま「種」という意味ですから種小名としては違和感があります。E. hadramauticaはエチオピア、オマーン、ソマリア、ソマリア、イエメンの原産です。ケニアには移入された可能性があります。多肉質の亜低木で、多肉質の幹から波打つ葉を出し、まるでドルステニアのようです。E. longituberculosaは、確かにその名前で流通していますが、『World Checklist of Vascular Plants』ではヒットしません。おそらくは、E. longetuberculosaのことを言っているものと推測します。E. longetuberculosaはジブチ、エチオピア、ケニア、オマーン、ソマリア、イエメンの原産です。多肉質の茎から枝分かれする細い枝を伸ばします。

③Section Lyciopsis
Section Lyciopsisは高さ0.1-5mの低木が多く、北東アフリカとアラビア半島に分布します。
E. cuneataはベナン、チャド、ジブチ、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、ギニア、モザンビーク、ナイジェリア、オマーン、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、タンザニア、トーゴ、イエメンの原産です。細い幹の樹木ですが、塊根があります。E. smithiiはオマーン原産の樹木です。E. bongensisはケニア、ルワンダ、スーダン、タンザニア、ウガンダ、ザンビアの原産の塊根植物です。E. matabelensisはアンゴラ、ボツワナ、ケニア、マラウイ、モザンビーク、ソマリア、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産の樹木です。E. oatesiiはザンビア、ジンバブエ原産の塊根植物です。

④Section Crotonoides
Section Crotonoidesは高さ0.5-1.5mの一年草で、茎はたまに木質またはわずかに多肉質です。東アフリカ原産です。
E. benthamiiはアンゴラ、マラウイ、ナミビア、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産の一年草です。E. crotonoidesはアンゴラ、ボツワナ、エチオピア、ケニア、マラウイ、モザンビークナミビア、南アフリカ、スーダン、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産の一年草です。E. caperonioidesとE. insarmentosaはナミビア原産ですが、情報がありません。

⑤Section Somalica
0.2-8mの樹木で、東アフリカ原産です。
E. hamaderoensisはソコトラ原産ですが、情報がありません。E. marie-cladieaeはソコトラ原産の樹木です。E. socotranaはソコトラ原産の樹木です。E. scheffleriはエチオピア、ケニア、タンザニア、原産の樹木です。ソマリアでは移入された可能性があります。

⑥Section Balsamis
E. laricaはイラン、オマーン、イエメンの原産で、多肉質の棒状の茎を持つ植物(Pencil-stem)で、枝分かれして叢生します。E. masirahensisは調べたところ、現在ではE. laricaと同種とされているようです。E. rubrisemminalisはイエメンの亜低木で、Pencil-stemとされています。E. balsamifera subsp. adenensisは現在では、E. adenensisとして独立しました。オマーン、サウジアラビア、ソコトラ、ソマリア、スーダン、イエメン原産の半多肉植物です。幹が太る。E. balsamifera subsp. balsamiferaはカナリア諸島、モロッコ、西サハラ原産で幹が太る。E. meulenianaはイエメン原産の低木です。E. laricaとE. rubrisemminalisは良く似たPencil-stemですが、非常に系統的に近縁です。葉は非常に小さいのですが、葉の大きいE. balsamiferaやE. meulenianaから進化した可能性があります。

前の論文では園芸店で見る有名種がなかったことから、今回の論文はそこを紹介すると言っておきながら、今日の内容はどうにもそぐわない感じになってしまいました。しかし、切のいいところでまとめようとすると、どうしてもこうなってしまいます。どうか、ご容赦の程を。
明日はオベサやホリダ、バリダ、笹蟹丸などのお馴染みのユーフォルビアが登場します。



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あれは確か2020年のことだったと思いますが、園芸店でたまたま火星人を見かけました。「火星人」とは塊根植物の名前で、本当に火星人が出没したわけではありません。私が見た火星人は、水で膨らむタイプの種まきポットに植えられていて、3cmくらいの鉢に植えられていました。火星人自体はそれほど珍しくありませんが、火星人は巨大に育ちますから、塊根が1cmくらいの小苗は初めてだったので購入しました。まあ、ワンコインだったこともありますが…
まあ、とにかく種まきポットは水はけ等もろもろ良くないので、直ぐに植え替えました。しかし、何故か大量のネジラミが蔓延っており辟易しました。

DSC_0809
今年、植え替えましたが、これは植え替え前。何故か斜めに傾いてます。

DSC_0811
根詰まりの度合いが激しく、鉢を破壊しないと抜くことが出来ませんでした。抜く時に塊根を痛めて乳液が出てしまいました。しかし、塊根が太るのが早い。
あと、ネジラミは根絶していました。


DSC_1707
現在の様子。蔓が暴れていますが、あまり勢いはありません。もう少し遮光強めにした方がいいのでしょうか?

DSC_1706
しかし、火星人の画像を検索すると、塊根の形が縦長に育ったものと、丸く育ったものとがあります。この違いは何が原因でしょうか? 良くわかりません。

火星人はかつてはガガイモ科とされていましたが、現在はキョウチクトウ科に吸収されました。科以下については良くわかりません。NCBI Taxonomy browserでは、Asclepiadoidead、Asclepiadeae、Fockeeaeとされているみたいです。これは、果たしてガガイモ亜科、ガガイモ連、フォッケア(フォクケア)亜連でいいのでしょうか? いまいち自信がありません…
ちなみに、FockeeaeはFockea属とCibirhiza属からなります。

火星人の学名は1895年に命名されたFockea edulis (Thunb.) K.Schum.です。K.Schum.はドイツの植物学者でサボテンの研究で知られるKarl Moritz Schumannのことです。サボテン同好学会(後のドイツ・サボテン学会)の会長でした。
Fockea属とされるまでの経過は以外の通りです。

1794年 Pergularia edulis Thunb.
1819年 Echites edulis (Thunb.) Thunb.
1842年 Chymocormus edulis (Thunb.) Harv.
1895年 Fockea edulis (Thunb.) K.Schum.


ちなみに、火星人には他にも異名があります。
1838年 Brachystelma macrorrhizum E.Mey.
1844年 Fockea cylindrica R.A.Dyer
1933年 Fockea glabra Decne.


Fockea属は1839年に創設されました。Chymocormus属も提唱されましたが、わずか3年差で早く命名されたFockea属が正式な属名となりました。
1839年 Fockea Endl.
1842年 Chymocormus Harv.
かつてFockea属と命名された種は18種類あるとされていたみたいですが、どんどん種が統合されて現在では6種類になりました。F. edulisは南アフリカ原産ですが、ほかの5種は南アフリカからケニアやタンザニアなどのアフリカ大陸東側に分布します。

一応、Fockea属の全種類の命名年と学名のリストを示します。
1839年 Fockea capensis Endl.
1893年 Fockea angustifolia K.Schum.
              Fockea multiflora K.Schum.
1895年 Fockea edulis (Thunb.) K.Schum.
1908年 Fockea comaru (E.Mey.) N.E.Br.
1916年 Fockea sinuata (E.Mey.) Druce




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スペクタビリスは非常に大型になるアロエです。しかし、スペクタビリスは昔から他のアロエと混同されてきました。その経緯について調べましたので、ひとつ記事とさせていただきます。2010年のKlopper & Gideon F.Sm.『Asphodelaceae : Alooideae : Reinstatement of Aloe spectabilis Reynolds』と、2021年のColin C.Walker『Aloe spectabilis - a splend South African species』というスペクタビリスについてのレビューを参照にして、ことの経緯を見てみましょう。

著名な植物学者であるAlwin Bergerは、1908年に権威のあるアロエについてのモノグラフを出版しました。これは、数十年にわたりアロエの分類の標準的な作品でした。Bergerはスペクタビリスを、Aloe ferox Mill.に含めました。しかし、1937年にGilbert Westacott Reynoldsはスペクタビリスを識別し、Bergerの見解は間違いであること、そして新種としました。つまり、Aloe spectabilis Reynoldsです。

それからなんと63年後の2000年にGlen & D.S.Hardyは、スペクタビリスをAloe marlothiiと同種であるとしました。確かにスペクタビリスはマルロシイによく似ており、分布も類似します。スペクタビリスはこのまま吸収されて消えてしまうのでしょうか?

しかし、2010年にRonell R. Klopper & Gideon F. Smithが『アロエ・スペクタビリスの復活』と称して、Aloe marlothiiとAloe spectabilisの特徴を比較しています。Klopper & Gideon F.Sm.と言えば、Aloianpelos属やAloidendron属を創設した研究者ですね。スペクタビリスとマルロシイの特徴を比較すると以下のようになります。

Aloe marlothii
花序 : 斜めから水平、30-50cm、20-30本
花柄の色 : 緑色から赤褐色
内側の花被片の頂点 : 淡~深紫色
フィラメントの伸長部 : 淡~深紫色

Aloe spectabilis
花序 : ほぼ直立、25cm前後、10-14本
花柄の色 : 暗褐色からほぼ黒色
内側の花被片の頂点 : くすんだ光沢のある黒色
フィラメントの伸長部 : オレンジ色

 花が咲かないと、マルロシイとスペクタビリスは区別出来ないと言われていますが、確かに花の特徴が決め手なようです。

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昨年の12月に千葉で開催された木更津Cactus & Succulentフェアで、例によってラフレシア・リサーチさんで激安のAloe pegleraeを購入した際、おまけでいただいたAloe spectabilisの抜き苗です。アロエを買っておまけでアロエを貰うというのも、何やら不思議な感じがします。
直ぐ
に植え付けましたが非常に丈夫で、真冬に植えたにも関わらずあっという間に根が張ったことには驚きました

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2022年8月。葉が旋回を始めました。アロエは若い時は葉は二列性(左右に葉が並ぶ)ですが、生長すると葉はぐるぐる回りながら生えます。

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トゲはかなり強いみたいです。そういえば、マルロシイは「鬼切丸」と呼ばれますが、スペクタビリスは「鬼王錦」という名前もあるそうです。サボテンでは名前に「錦」とついた場合は斑入り品種を指しますが、アロエでは斑入り品種のことではなく、斑入り品種ではなくても普通に「○○錦」という名前がつきます。

スペクタビリスは巨大アロエで、高さ5mに達します。幹は木質となりますが、有名な巨大アロエであるAloidendron属とは異なり、枝分かれせず単幹で葉は巨大になり頭でっかちな見た目になります。花は枝分かれして巨大で、鳥や昆虫の蜜源として重要です。
スペクタビリスはKwaZulu-Natalの固有種です。冬は氷点下まで下がる可能性があるそうです。面白いことに、1900年に自由州の農場にスペクタビリスが3本植えられたそうですが、現在では3万本以上に増えてしまったそうです。

今回の記事に出てくる3種類のアロエの学名と記載年について一応記しておきます。
1768年 Aloe ferox Mill.
1905年 Aloe marlothii A.Berger
1937年 Aloe spectabilis Reynolds



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ボルシーはアルゼンチン原産のギムノカリキウムの一種です。現在では九紋竜Gymnocalycium gibbosumの亜種とされているようです。

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Gymnocalycium gibbosum subsp. borthii

九紋竜の学名は1844年に命名されたGymnocalycium gibbosum (Haw.) Pfeif. ex Mittlerです。しかし、この種小名gibbosumが最初に命名されたのは1816年のことです。gibbosum系の学名は以外の様な経過をたどりました。
1816年 Cactus gibbosum Haw.
1826年 Cereus gibbosum (Haw.) Sweet
1828年 Echinocactus gibbosum (Haw.) DC.
1844年 Gymnocalycium gibbosum
                                       (Haw.) Pfeif. & Mittler


G. gibbosumには沢山の異名がありますが、現在は認められておりません。あまりに異名が多いので、亜種、変種、品種を除いたリストを以下に示します。
1828年 Cereus reductus DC.
1830年 Echinocactus nobilis Haw.
1837年 Echinocactus mackieanus Hook.
1850年 Echinocactus leucodictyus Salm-Dyck
1925年 Gymnocalycium brachypetalum Speg.
              Gymnocalycium chubutense (Speg.) Speg.
1931年 Echinocactus brachypetalum
                                          (Speg.) Werderm.            
1995年 Gymnocalycium mackieanum
                   (Hook.) Metzing, Mereg. & R. Kiesling
2006年 Gymnocalycium dubniorum Halda & Milt

さて、次にボルシーの学名は2005年に命名されたGymnocalycium gibbosum subsp. borthii (Kloop ex T.Hill) G.J.Charlesです。初めて命名されたのは、1987年のGymnocalycium borthii Kloop ex T.Hillですが、上記の如く2005年にG. gibbosumの亜種とされました。



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シャボテン新図鑑
shabomaniac!
2022-05-22

ギラウミニアナはマダガスカル原産の花キリンの仲間です。花は地味で花キリン感は薄いのですが、木質の幹からトゲが出るあたりはいかにも花キリンです。私は入手してからまだ2年ですが、いまだに育て方に迷いがあります。ネットの情報では、ギラウミニアナの育て方と言いながら多肉植物の基本的な育て方が記載されており、ギラウウミニアナの育て方ではないように見受けられます。

そういえば、私は"guillauminiana"を「グイラウミニアナ」とラテン語読みしてしまいますが、なんで「ギラウミニアナ」と呼ばれているのでしょう? この種小名はフランスの植物学者であるAndré Louis Joseph Edmond Armand Guillauminに対する献名ですが、このGuillauminはフランス語ではおそらく「ギヨマン」と読むみたいですから、名前の読みかたならば「ギヨマニアナ」ですね。まあ、読み方なんて本来はどうでもいい話ですから、なんと読んでも一緒なんですけどね。以降、個人的なこだわりで、例によってラテン語読みのグイラウミニアナでいかせていただきます。

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2020年3月。園芸店で冬を越した苗で、根鉢が崩れて用土が半分くらいしかない状態でした。しかし、大特価の半額お値引き品という札に釣られて、ついつい購入してしまいました。今にして思えば危険な賭けでした。グイラウミニアナは寒さに弱いと聞きますから、そのままお亡くなりになる可能性も大でしたからね。

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2020年6月。購入時、すぐに植え替えましたが、それからわずか3ヶ月で開花しました。葉色も良く順調です。

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2022年8月。2年経って枝分かれしていますが、葉色の薄さが気になります。今年は異常な暑さで日差しが強すぎて多肉たちにもダメージがありましたが、おそらくはグイラウミニアナもその影響があったのでしょう。

DSC_1703
ただし、水やりについては良くわかりません。花キリンはやや水多めの方がいいような気もしますが、グイラウミニアナはどうでしょうか? 枝のつまった形の良いグイラウミニアナにするためには、あまりじゃぶじゃぶ水やりしない方がいいような気もしますが…

そういえば、グイラウミニアナは花キリンEuphorbia miliiの仲間と言われています。2013年にユーフォルビア属の遺伝子解析したPhylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文では、花キリン類はゴニアステマ節に分類されています。そこでは20種類ほど花キリン類を調べているようですが、残念ながらグイラウミニアナは調べていません。一応の証拠が欲しいので、マダガスカルのユーフォルビアを調べた2014年の『Insights on the Evolution of Plant Succulence from a Remarkable in Madagascar (Euphorbia)』という論文では、グイラウミニアナは噴火竜Euphorbia viguieriと近縁とあります。むしろ、近縁に見えるEuphorbia milii系とはそれほど近縁ではないようです。面白いですね。しかし、いずれにせよグイラウミニアナは花キリン類=ゴニオステマ節であることは間違いないと言えます。

グイラウミニアナの学名は1942年に命名されたEuphorbia guillauminiana Boiteauです。Boiteauはフランスの植物学者であるPierre Louis Boiteauのことです。Boiteauはマダガスカルのハンセン病療養所で働いていましたが、やがて現地語を学んだことにより、現地の伝統医療を知り薬草を研究しました。やがて、かつてマダガスカルに存在したメリナ王国の女王の親類の植物学者であるAlbert Rakoto Ratsimamangaと協力し、マダガスカルの薬草の研究所であるIMRAを設立しました。Boiteauは戦乱によりフランスに帰国しましたが、IMRAは現在も活動しているそうです。



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4月に五反田TOCであったビッグバザールでは、ユーフォルビアを中心に色々買いました。ラフレシア・リサーチさんで、白雲巒岳とコルムナリスという割と珍しいユーフォルビアを入手することが出来ました。ラフレシア・リサーチさんは毎度おまけをくれますが、この時はアガヴェの抜き苗でした。アガヴェは初めてでしたから、育て方もわかりません。とりあえず鉢に植え込んでみましたが、それから4ヶ月でまあまあ育ってきました。

DSC_0946
2022年4月。抜き苗。小さ過ぎて、まったく特徴が出ていません。アガヴェと言われなければわからない位です。

DSC_1704
2022年8月。だいぶ育ちました。ユーフォルビアとまったく同じ育て方をしていたというか、放置気味でしたが特に問題はなかったみたいです。

DSC_1705
全体的に蒼味がかり、中に白い筋が入っています。ムルチフィリフェラの特徴が出てきました。育つと白いフィラメントが美しい種類のようですが、あと何年かかることやら…

ムルチフィリフェラの学名は1972年に命名されたAgave multifilifera Gentryです。1992年には「乱れ雪」ことAgave filiferaの亜種とする意見、つまりAgave filifera subsp. multifilifera (Gentry) B. Ullrichもありましたが、現在では認められておりません。しかし、Agave filiferaが命名されたのは1834年ですから、ムルチフィリフェラの発見は新しい部類ですね。

そういえば、学名のmultifiliferaはラテン語で、"multi-"が「多数の」、"filifera"は「糸を持った」という意味ですから、フィラメントを沢山持っている特徴から来ているようです。一方のAgave filiferaは、ただのfiliferaですから「糸を持った」となりますが、ムルチフィリフェラの方がフィラメントが多いのでしょうか? サイズによってもフィラメントの多さは異なるように見受けられますから、実際に育ててみないとわからないかもしれません。

ムルチフィリフェラはあまり大きくならないようで、高さ30~45cmくらいみたいです。マイナス18℃くらいまでは耐えられるという情報もありますが、苗のころは何やら危険な感じがしますから冬は室内で安全策をとりたいと思います。
ムルチフィリフェラはメキシコのソノラ砂漠と、アメリカのアリゾナ州Paparito山脈の標高1000-2200mに生えると言います。寒さに強いのも、なんとなくわかる気がします。




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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日に引き続きOld World Clade II②の、Section Euphorbiaを解説します。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━★Old World Clade II②

Old World Clade II②の分子系統
                    ┏━★Section Euphorbia VI
                ┏┫
                ┃┗━★Section Euphorbia V
            ┏┫
            ┃┗━━━Section Euphorbia IV
        ┏┫
        ┃┗━━━━Section Euphorbia III
    ┏┫
    ┃┗━━━━━Section Euphorbia II (アジア原産種)
┏┫
┃┗━━━━━━Section Euphorbia I

┗━━━━━━━Section Monadenium

Old World Clade II②
Section Euphorbia V
Section Euphorbia Vはアフリカ大陸東側の南部に分布するグループです。基本的には根元から叢生する柱サボテン状の多肉植物で、トゲがあり幹は多肉質です。
E. ledieniiは「蛮鬼閣」と呼ばれることもあり、南アフリカ原産です。E. curiviramaは「蒼蛮閣」と呼ばれ、南アフリカ原産です。実はE. curiviramaは自然交雑種とされていて、学名はEuphorbia ×curiviramaと表記します。交雑親は、Euphorbia caerulercens × Euphorbia triangularisとされているようで、系統的に近い種同士で交雑がおきたことがわかります。E. caerulercensは南アフリカ原産ですが、ガイアナに移入されているとのことです。E. triangularisは「大纏」と呼ばれ、南アフリカ、モザンビーク、スワジランド原産です。E. keithiiはモザンビーク、スワジランド原産です。E. perangustaは南アフリカ原産です。E. limpopoanaは南アフリカ、ジンバブエ、モザンビーク、ボツワナ原産です。E. avasmontanaは「角キリン」あるいは「婆羅門閣」と呼ばれ、南アフリカ、ナミビア原産です。E. ammakは「大戟閣」と呼ばれ、サウジアラビア、イエメン原産です。分布がE. ammakだけ離れていますが、系統的にも他の種とは距離があります。昨日解説したSection EuphorbiaIVのE. fruticosaなどアラビア半島原産のユーフォルビアと近縁なのかもしれません。


    ┏━━━━━━Section Euphorbia VI
    ┃
    ┃                ┏━E. ledienii
    ┃            ┏┫
    ┃            ┃┗━E. curvirama
    ┃        ┏┫
    ┃        ┃┗━━E. caerulercens 1
┏┫    ┏┫
┃┃    ┃┃┏━━E. triangularis
┃┃    ┃┗┫
┃┃┏┫    ┗━━E. caerulercens 2
┃┃┃┃
┃┃┃┗━━━━E. keithii
┃┗┫
┫    ┃    ┏━━━E. perangusta
┃    ┃┏┫
┃    ┃┃┗━━━E. limpopoana
┃    ┗┫
┃        ┗━━━━E. avasmontana

┗━━━━━━━E. ammak

Section Euphorbia VI
Section Euphorbia VIはアフリカ東側から南部原産。柱サボテン状で、根元から叢生するタイプが多いようです。
E. grandicornisは「キリン冠」と呼ばれ、南アフリカ、モザンビーク、スワジランド原産です。E. pseudocactusは「春駒」と呼ばれ、南アフリカ原産です。E. breviarticulataはエチオピア、ケニア、ソマリア、スーダン、タンザニア、ウガンダ原産です。E. pseudoburuanaはケニア、タンザニア原産です。E. bougheyiはモザンビーク原産です。E. busseiはケニア、タンザニア原産です。E. brevitortaはケニア原産です。E. lividifloraはマラウイ、モザンビーク、タンザニア、ジンバブエ原産です。E. cooperiは「瑠璃塔」と呼ばれ、ボツワナ、南アフリカ、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ原産です。E. groenewaldiiは南アフリカ、モザンビーク原産で塊根性です。E. enormisは南アフリカ原産で塊根性です。E. cactusはエリトリア、エチオピア、オマーン、サウジアラビア、スーダン、イエメン原産です。E. fractiflexaはサウジアラビア、イエメン原産ですが、スーダンは移入の可能性があります。E. longispinaはエチオピア、ソマリア原産です。E. エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニア原産ですが、ジブチは移入の可能性があります。

                           
                                    ┏━E. grandicornis 2
                                ┏┫
                                ┃┗━E. pseudocactus
                            ┏┫
                            ┃┗━━E. grandicornis 1
                        ┏┫
                        ┃┗━━━E. breviarticulata
                    ┏┫
                    ┃┗━━━━E. pseudoburuana
                    ┃
                    ┃        ┏━━E. bougheyi
                ┏┫    ┏┫
                ┃┃    ┃┗━━E. bussei 1
                ┃┃┏┫
                ┃┃┃┗━━━E. brevitorta
            ┏┫┗┫
            ┃┃    ┗━━━━E. bussei 2
            ┃┃
        ┏┫┗━━━━━━E. lividiflora
        ┃┃
        ┃┗━━━━━━━E. cooperi
    ┏┫
    ┃┃┏━━━━━━━E. groenewaldii
    ┃┗┫
┏┫    ┗━━━━━━━E. enormis
┃┃
┃┃┏━━━━━━━━E. cactus
┃┗┫
┫    ┗━━━━━━━━E. fractiflexa

┃┏━━━━━━━━━E. longispina
┗┫
    ┗━━━━━━━━━E. robecchii

以上でPhylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介は終了となります。なんと9日間に渡り長々と論文の内容を紹介し続けた記事でした。また、論文に出てくる学名を検索して、原産地などを調べるのは思った以上に時間がかかり、記事を書くのも中々に疲れました。とりあえずは書き終わってほっとしていますが、まだ気掛かりはあります。それは、初日に紹介したリザンチウム亜属です。リザンチウム亜属は、オベサやホリダなど園芸店でよく見かけるユーフォルビアの大半が含まれます。しかし、論文ではたった4種類を調べたに過ぎないのです。この論文のメインがユーフォルビア亜属なので仕方がないでしょう。しかし、タコものユーフォルビアや鉄甲丸、瑠璃晃など有名なユーフォルビアが出てこないことは、流石に不満があります。ですから、リザンチウム亜属について調べたところ、割とあっさり論文が見つかりました。しかし、記事にするにはそれなりに労力がいりますから、少し間を空けます。解説を挟むのに、色々と調べる時間も必要ですからね。という訳でそのうち続きを記事にしようと思います。



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2013年発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日に引き続きOld World Clade II②の、Section Euphorbiaについて解説します。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━★Old World Clade II②

Old World Clade II②の分子系統
                    ┏━Section Euphorbia VI
                ┏┫
                ┃┗━Section Euphorbia V
            ┏┫
            ┃┗━★Section Euphorbia IV
        ┏┫
        ┃┗━━★Section Euphorbia III
    ┏┫
    ┃┗━━━Section Euphorbia II (アジア原産種)
┏┫
┃┗━━━━Section Euphorbia I

┗━━━━━Section Monadenium

Old World Clade II②
Section Euphorbia III
Section Euphorbia IIIは、○、■、◇の3つに分けて解説します。

○このグループは、基本的に塊根から多肉質でトゲのある枝を伸ばすタイプです。
E. stellataは「飛竜」の名前で知られ、国内でもそこそこ流通しています。南アフリカ原産で、枝は平たい形です。E. micracanthaは「怒竜頭」と呼ばれ、南アフリカ原産です。E. persistentifoliaはザンビア、ジンバブエ原産です。E. griseolaは「龍尾閣」と呼ばれ、ボツワナ、マラウイ、モザンビーク、ザンビア、ザイール、ジンバブエに広く分布します。柱サボテン状で、枝分かれしてブッシュを作ります。E. deciduaは「蓬莱島」と呼ばれ、マラウイ、タンザニア、ザンビア、ザイール、ジンバブエ原産です。E. fanshaweiはザンビア原産です。

■このグループは、柱サボテン状で巨大に育ちます。幹は木質化し、盛んに枝分かれしてします。
E. ingensは「沖天閣」の名前で知られ、高さ12mになります。アンゴラ、ボツワナ、ブルンジ、エリトリア、エチオピア、ケニア、南アフリカ、マラウイ、モザンビーク、ルワンダ、ソマリア、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ザイール、ジンバブエに広く分布します。E. abyssinicaは「巒岳」の名前で知られ、高さ9mになります。ジブチ、エリトリア、エチオピア、ソマリア、スーダン原産。

◇このグループは、柱サボテン状ですが先端付近に大きな葉をつけ、枝は分岐します。
E. desmondiiはカメルーン、チャド、ガーナ、ニジェール、ナイジェリア原産です。E. drupiferaは高さ12-22mになるそうです。ベナン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、ガボン、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、リベリア、ニジェール、ナイジェリア、シエラレオネ、トーゴ、ウガンダに広く分布します。


            ┏━━━━━Section Euphorbia V, VI
        ┏┫
        ┃┗━━━━━Section Euphorbia IV
        ┃
        ┃                ┏━○E. micracantha
        ┃            ┏┫
        ┃            ┃┗━○E. stellata
    ┏┫        ┏┫
    ┃┃        ┃┗━━○E. persistentifolia
    ┃┃    ┏┫
    ┃┃    ┃┗━━━○E. griseola
    ┃┃┏┫
┏┫┃┃┗━━━━○E. decidua
┃┃┗┫
┃┃    ┗━━━━━○E. fanshawei
┃┃
┃┃┏━━━━━━■E. ingens
┃┗┫
┫    ┗━━━━━━■E. abyssinica

┃    ┏━━━━━━◇E. desmondii
┃┏┫
┃┃┗━━━━━━◇E. drupifera 2
┗┫
    ┗━━━━━━━◇E. drupifera 1

Section Euphorbia IV
Section Euphorbia IVは、◎、▲、▽、●の4つに分けて解説します。
◎このグループは、根元から分岐して小さい多肉質のブッシュを作ります。
E. clivicolaは南アフリカ、スワジランド原産です。短い太い枝を沢山伸ばします。E. lenewtoniiは、タンザニア原産です。E. ambroseaeはマラウイ、モザンビーク原産で、細長く伸びます。あまり情報がないようです。E. cuprispinaはケニア原産で、細い枝が枝分かれします。E. parciramulosaはサウジアラビア、イエメン原産で、アラビア半島に進出した種類です。太い柱サボテン状で叢生します。大型。

▲このグループは柱サボテン状です。E. heterospinaはケニア、ウガンダ原産で、高さ3.5mになります。E. heterochromaはケニア、タンザニア原産で、細長く伸びて分岐します。高さ2mになるそうです。E. elegantissimaはタンザニア原産で細長く伸びます。

▽このグループは、木質の幹から大きな葉を頂点につけます。あまり枝分かれはしません。
E. sudanicaはトゲのある幹を持ちます。ブルキナファソ、チャド、ギニア、コートジボワール、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、スーダン、トーゴに広く分布します。E. venenificaはトゲのない幹を持ちます。チャド、スーダン、エチオピア、エジプト原産で、高さ2-5mになるそうです。E. unispinaはトゲのある幹を持ち、高さ3mになります。ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、チャド、コンゴ、ガーナ、コートジボワール、マリ、ナイジェリア、スーダン、トーゴ原産です。E. sapiniiはトゲのある幹を持ちます。カメルーン、中央アフリカ、チャド、ガボン、ザイール原産です。E. resiniferaは「白角キリン」と呼ばれ。モロッコ原産です。高さ2mのクッション状で、葉のありません。柱サボテン状です。

●このグループは、トゲがあり柱サボテン状ですが、それほど大きくなりません。
E. fruticosaはサウジアラビア、イエメン原産で、高さ70cmになります。E. seibanicaはイエメン原産です。E. classeniiはケニア原産で、細長く60-90cmほどになります。


                    ┏━━━◎E. clivicola
                ┏┫
                ┃┗━━━◎E. lenewtonii
            ┏┫
            ┃┗━━━━◎E. ambroseae
        ┏┫
        ┃┃┏━━━━◎E. cuprispina
        ┃┗┫
        ┃    ┗━━━━◎E. parciramulosa
        ┃
        ┃            ┏━━▲E. heterospina 1
    ┏┫        ┏┫
    ┃┃        ┃┗━━▲E. heterochroma 1
    ┃┃    ┏┫
    ┃┃    ┃┗━━━▲E. heterospina 2
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━━▲E. elegantissima
    ┃┗┫
    ┃    ┗━━━━━▲E. heterochroma 2
    ┃
┏┫                    ┏━▽E. sudanica 3
┃┃                ┏┫
┃┃                ┃┗━▽E. venenifica
┃┃            ┏┫
┃┃            ┃┗━━▽E. sudanica 1
┃┃        ┏┫
┃┃        ┃┗━━━▽E. sudanica 2
┃┃    ┏┫
┫┃    ┃┗━━━━▽E. unispina
┃┃┏┫
┃┃┃┗━━━━━▽E. sapinii
┃┗┫
┃    ┗━━━━━━▽E. resinifera

┃    ┏━━━━━━●E. fruticosa
┃┏┫
┃┃┗━━━━━━●E. seibanica
┗┫
    ┗━━━━━━━●E. classenii

本日はここまでです。明日はいよいよこの長い論文紹介のラストです。Section Euphorbia V, VIはよく市販されている柱サボテン状のユーフォルビアが沢山含まれています。



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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はOld World Clade II②の、Section Monadeniumについて解説しました。本日はSection Euphorbia、つまりはユーフォルビア列となります。Section Euphorbiaはその多くがアフリカ大陸産ですが、アジアにも分布します。この論文はこのSection Euphorbiaについては割と細かく調べていますから、扱われる種類が多いため、便宜的に6分割して解説します。ただし、この分割方法は私が記事を書くための都合上のものですから、学術的に意味があるものではありません。
本日はSection Monadeniumとの分岐点に近い、Section Euphorbia IとSection Euphorbia IIについて解説します。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━★Old World Clade II②

Old World Clade II②の分子系統
                    ┏━Section Euphorbia VI
                ┏┫
                ┃┗━Section Euphorbia V
            ┏┫
            ┃┗━━Section Euphorbia IV
        ┏┫
        ┃┗━━━Section Euphorbia III
    ┏┫
    ┃┗━━━━━★Section Euphorbia II
    ┃                             (アジア原産種)
┏┫
┃┗━━━━━━★Section Euphorbia I

┗━━━━━━━Section Monadenium

Old World Clade II②
Section Euphorbia I
Section Euphorbia Iは基本的にはアフリカ大陸産です。2つのグループに分けられる様に見えますから、●と◇に分けて解説します。

●このグループはアフリカ南部の原産です。外見は若いうちは柱サボテンのように見えますが、やがて幹は木質化して多肉質の枝を沢山伸ばします。自生地ではかなり大型になるものもあります。
E. evansiiは南アフリカ、スワジランド原産です。E. grandidensは南アフリカ、モザンビーク原産で、「隅田の雪」と呼ばれます。E. ramipressaはマダガスカル原産で、枝は平たく多肉質です。E. tanaensisはケニア原産で、高さ30mになるそうです。「タナガワトウダイグサ」と呼ばれることもあります。E. confinalisはスワジランド原産で、亜種のE. confinalis subsp. rhodesiacaは「白雲巒岳」の名前で知られています。E. tetragonaは南アフリカ原産で、E. trigonaとは別種です。

◇このグループはアジア系の原産です。
E. abdelkuriはソコトラ島原産で、トゲのない柱状の多肉植物です。E. laceiはアジア原産で、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、マレーシアに分布します。インドでは本来の自生地ではない移入種として分布します。

        ┏━━━━Section Euphorbia III, IV, V, VI
    ┏┫
    ┃┗━━━━Section Euphorbia II
    ┃
    ┃            ┏━●E. evansii
    ┃        ┏┫
┏┫        ┃┗━●E. grandidens
┃┃    ┏┫
┃┃    ┃┗━━●E. ramipressa
┃┃┏┫
┃┃┃┃┏━━●E. tanaensis
┃┃┃┗┫
┃┗┫    ┗━━●E. confinalis
┫    ┃
┃    ┃┏━━━●E. sekukuniensis
┃    ┗┫
┃        ┗━━━●E. tetragona

┃┏━━━━━◇E. abdelkuri
┗┫
    ┗━━━━━◇E. lacei

Section Euphorbia II
Section Euphorbia IIは基本的にはアジア産です。2つのグループに分けられる様に見えますから、◎と▲に分けて解説します。

◎このグループは、若いうちはモナデニウムに似ています。葉は多肉質ではなく、多肉質の太ったトゲのない幹を持ちます。
E. nivuliaはバングラデシュ、インド、ミャンマー、パキスタン、スリランカに分布します。E. neriifoliaはインド、イラン、ミャンマー、パキスタン、ベトナムに分布します。中国やインドネシア、東南アジアの島嶼部などに移入されているようです。「キリン角」とも呼ばれます。この、E. nivuliaとE. neriifoliaは分子系統が入り交じっています。解析の精度が低いせいなのか、遺伝的に交雑しているのか、隠蔽種があるのかはわかりません。
E. caducifoliaはインド、パキスタン原産です。根元より分岐して巨体なブッシュ状になります。多肉質の茎にはトゲがあり、葉は目立ちません。E. tekeはアフリカ大陸産で、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、スーダン、タンザニア、ウガンダ、ザイールに広く分布します。

▲このグループは、一見して柱サボテン様のトゲのあるタイプです。葉は目立ちません。
E. antiquorumはインド、バングラデシュ、カンボジア。マレーシア、パキスタン、スリランカ、タイ、ベトナムに広く分布します。E. lacteaはスリランカ原産ですが、移入種としてカリブ海地域やハワイ、南アジア、太平洋島嶼部などに広く見られます。綴化した斑入りのE. lacteaが継木されて「マハラジャ」などの名前でよく売られています。E. vajraveluiはインド原産です。


                    ┏━◎E. nivulia 2
                ┏┫
                ┃┗━◎E. neriifolia 1
            ┏┫
            ┃┗━━◎E. nivulia 1
        ┏┫
        ┃┗━━━◎E. nivulia 3
    ┏┫
    ┃┗━━━━◎E. neriifolia 2
┏┫
┃┃┏━━━━◎E. caducifolia
┃┗┫
┃    ┗━━━━◎E. teke

┃            ┏━━▲E. sp. 16
┫        ┏┫
┃        ┃┗━━▲E. sp. 15
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━━▲E. antiquorum 1
┃┏┫
┃┃┃┏━━━▲E. antiquorum 2
┗┫┗┫
    ┃    ┗━━━▲E. lactea
    ┃
    ┗━━━━━▲E. vajravelui

今日解説したのは、Section Euphorbiaの分子系統の根元にある2グループですが、アフリカ原産種とアジア原産種があります。どのように分布を拡大して進化したのでしょうか? その道筋を考えてみたいと思います。
Section EuphorbiaはSection Monadeniumと姉妹群ですが、Section MonadeniumもSection Euphorbia Iもアフリカ原産ですから、Section Euphorbiaはアフリカ大陸が起源で間違いないでしょう。Section Monadeniumの多くは、ケニアを中心としたアフリカ大陸東岸のインド洋側です。Section Euphorbia Iの◇印は最初に分岐したグループですが、E. abdelkuriはアラビア半島沖のソコトラ島、つまりはインド洋側の分布ですから、Section Monadeniumとの共通祖先がいたケニア付近から北上した様に見えます。同じく◇印のE. laceiは本格的に熱帯アジアに進出しています。この◇印のグループが、Section Euphorbia IIのアジア進出の契機なのでしょうか? 
あるいは、Section Euphorbia IIはアジア原産ですが、◎印のE. tekeのみがアフリカ原産ですから、そこから来ている可能性もあります。

さて、本日はここまでです。明日はSection Euphorbiaの続きです。



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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はOld World Clade II①の残り、Section Denisophorbia、Section Deuterocalli、Section Rubellaeについて解説しました。本日はSection Monadeniumについてです。
Section Monadeniumは、かつてはユーフォルビア属に近縁なモナデニウム属として独立していましたが、ユーフォルビア属に吸収されました。しかし、それでもSection Monadeniumはまとまった群として存在します。
とはいえ、現在でもモナデニウムはユーフォルビア属ではなく、モナデニウム名義で販売されていますから、論文の内容は我々趣味家には縁のない話かもしれません。むしろ、モナデニウムがユーフォルビアとして販売された場合、それはそれでややこしいので、販売名はモナデニウム名義でいて欲しいと思ってしまいます。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━★Old World Clade II②

Old World Clade IIの分子系統
    ┏━Section Euphorbia(Old World Clade II②)

┫┗━★Section Monadenium(Old World Clade II②)

┗━━Old World Clade II①

Old World Clade II② 
Section Monadeniumは主にアフリカ大陸産で、東アフリカのケニアを中心にタンザニア、エチオピアに多いようです。
ここで注意が必要なのは、モナデニウム属がユーフォルビア属へ移動した際、名前が変更になった種が多いことです。ですから、モナデニウムを育てていても、どれがどれやらわからないもかもしれません。残念ながら、論文ではモナデニウム属時代の学名は併記しておりません。ですから、解説部分で旧・学名も示します。


Section Monadeniumの分子系統
┏━━━━Section Euphorbia

┫    ┏━★Section Monadenium I 
┃┏┫
┗┫┗━★Section Monadenium II
    ┃
    ┗━━★Section Monadenium III

①Section Monadenium I
Section Monadenium Iは一見して最低4グループあります。○、▲、◎、■の記号でグループ分けしました。

○モナデニウムに特有の緑色の太った多肉質を持ち、茎の頂点に大きな葉を出すタイプが多いようです。E. rhizophora以外はこういうタイプです。
E. kimberleyana(=Monadenium kimberleyanum)はあまり情報はありません。E. lugardiae(=Monadenium lugardiae)はボツワナ、ザンビア、モザンビーク、スワジランド、南アフリカ原産。E. schubei(=Monadenium schubei)はタンザニア原産です。E. guentheri(=Monadenium guentheri)はケニア原産です。E. heteropoda(=Monadenium heteropodum)はあまり情報がありません。E. rhizophora(=Monadenium rhizophorum)はケニア原産で、塊根性で多肉質の茎を伸ばします。E. succulenta(=Monadenium succulentum)はケニア、タンザニア、ウガンダ原産です。

▲このグループはすべて塊根性です。
E. neomontana(=Monadenium montanum)はケニア、タンザニア原産です。E. neostolonifera(E. stoloniferum)はケニア原産です。E. neorubellae(=Monadenium rubellum)はケニア原産です。E. invenusta(=Monadenium invenustum)はケニア原産です。E. pseudolaevis(Monadenium laeve)はタンザニア、マラウイ原産です。

◎このグループのうち3種類はモナデニウム特有のタイプで系統的にも近縁です。他の3種類は緑色の棒状の多肉植物と塊根植物です。
E. pseudostellata(=Monadenium stellatum)はソマリア原産で、
緑色の太った多肉質を持ち、茎の頂点に大きな葉を出します。E. bisellenbeckii(=Monadenium ellenbeckii)はエチオピア、ケニア原産で、緑色の太った多肉質を持ち、茎の頂点に大きな葉を出します。E. neoreflexa(=Monadenium reflexum)はエチオピア、ケニア原産で、緑色の太った多肉質を持ち、茎の頂点に大きな葉を出します。
E. lindenii(=Monadenium lindenii)はソマリア原産で、棒状の多肉質の茎を持ちます。E. major(=Monadenium majus、=Monadenium erubescens)はエチオピア、ソマリア原産で、塊根性の多肉植物です。E. neovirgata(=Monadenium virgatum)はケニア原産で、棒状の多肉質の茎を持ちます。


■一番根元はE. pseudotrinervis(=Monadenium trinerve)はケニア原産の塊根のある多肉植物です。

                        ┏━○E. kimberleyana
                    ┏┫
                    ┃┗━○E. lugardiae
                ┏┫
                ┃┗━━○E. schubei
            ┏┫
            ┃┃┏━━○E. guentheri
            ┃┗┫
        ┏┫    ┗━━○E. heteropoda
        ┃┃
        ┃┃┏━━━○E. rhizophora
        ┃┗┫
        ┃    ┗━━━○E. succulenta
        ┃
        ┃        ┏━━▲E. neomontana
    ┏┫    ┏┫
    ┃┃    ┃┗━━▲E. neostolonifera
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━▲E. neorubella
    ┃┗┫
    ┃    ┃┏━━━▲E. invenusta
    ┃    ┗┫
    ┃        ┗━━━▲E. pseudolaevis
    ┃
┏┫        ┏━━━◎E. pseudostellata
┃┃    ┏┫
┃┃    ┃┗━━━◎E. bisellenbeckii
┃┃┏┫
┃┃┃┗━━━━◎E. neoreflexa
┃┃┃
┃┗┫    ┏━━━◎E. lindenii
┫    ┃┏┫
┃    ┃┃┗━━━◎E. major
┃    ┗┫
┃        ┗━━━━◎E. neovirgata

┃┏━━━━━━■E. pseudotrinervis
┗┫
    ┗━━━━━━■E. sp. 13

②Section Monadenium II
Section Monadenium IIは2つのグループがあるように見えます。◇、●の記号でグループ分けしました。

◇このグループは多肉植物ではない低木が多いようです。旧・モナデニウム属だけではなく、旧・Synadenium属も入ります。
E. bicompacta(=Synadenium compactum)はエチオピア、ケニア、エリトリア、ルワンダ原産の低木です。E. pseudomollis(=Synadenium molle)はケニア、タンザニア原産の低木です。E. umbellata(=Synadenium umbellatum、=Synadenium grantii)はスーダン、ブルンジ、タンザニア原産の低木です。E. neospinescensはトゲのあるコーデックスで、一見してパキポディウムのようです。E. neogossweileri(=Monadenium gossweileri、=Endadenium gossweileri)はアンゴラ原産の低木です。

●このグループはタンザニア原産でトゲのあるグループです。
E. magnifica(=Monadenium magnificum)はタンザニア原産で、トゲのある緑色の幹を持ちます。E. spectabilis(=Monadenium spectabile)はタンザニア原産で、トゲのある緑色の幹を持ちます。E. neococcinea(=Monadenium coccineum)はタンザニア原産で塊根性です。

                ┏━━◇E. bicompacta
            ┏┫
            ┃┗━━◇E. pseudomollis
        ┏┫
        ┃┗━━◇E. umbellata
    ┏┫
    ┃┃┏━━◇E. torrei
    ┃┗┫
┏┫    ┗━━◇E. neospinescens
┃┃
┃┗━━━━◇E. neogossweileri

┃            ┏━●E. neoarborescens 2
┃        ┏┫
┫        ┃┗━●E. magnifica
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━●E. neoarborescens 1
┃┏┫
┃┃┗━━━●E. spectabilis
┗┫
    ┗━━━━●E. neococcinea

③Section Monadenium III
E. neogracilis(=Monadenium gracile)はタンザニア原産で塊根性です。

Section Monadeniumは以上です。しかし、ユーフォルビア属は多様ですが、モナデニウムはSection Monadenium内でも様々な姿をとります。大変面白いグループです。
さて、明日はついにSection Euphorbiaです。本論文はSection Euphorbiaを中心に調べていますから、割と種数が多くなっています。




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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はOld World Clade IIのSection Goniostemaについて解説しました。本日はSection Denisophorbia、Section Deuterocalli、Section Rubellaeについてです。Section DenisophorbiaとSection Deuterocalliは花キリン類Section Goniostemaから出てきたグループですが、Section RubellaeはOld World Clade II全体の根元にあるグループです。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━★Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━Old World Clade II②

Old World Clade IIの分子系統
    ┏━━━━━Old World Clade II②
    ┃
    ┃            ┏━★Section Denisophorbia
    ┃        ┏┫ 
┏┫        ┃┗━★Section Deuterocalli
┃┃    ┏┫
┃┃┏┫┗━━Section Goniostema I
┃┃┃┃
┫┗┫┗━━━Section Goniostema II
┃    ┃
┃    ┗━━━━Section Goniostema III

┗━━━━━━★Section Rubellae

Old World Clade II①
①Section Denisophorbia
②Section Deuterocalli
・Section Denisophorbia
E. hedyotoidesは太い塊根から細いトゲのない枝を伸ばします。葉は細長い。あとは、すべて未記載種のようです。

・Section Deuterocalli
Section Deuterocalliは緑色の棒状の多肉質な枝を伸ばすタイプで、この論文ではE. famatamboay、E. alluaudii、E. cedrorumを調べています。
今回、論文を読みながら色々調べたのですが、ユーフォルビア属はSection Deuterocalliのようなタイプの多肉植物が、あちこちのグループで現れるということです。以前、私はE. alluaudiiなどのマダガスカル原産の種とE. phosphorea(夜光キリン)のような南米原産の種は形状は似ていても分布が異なり、また外見的特徴も異なるように見えましたから、別グループなのではないかと考察しましたが、どうやら正解だったようです。E. phosphoreaはNew World Cladeですから、Old World Clade IIのE. alluaudiiとはまったく近縁ではありません。
さらに、どちらかと言えばSection Deuterocalliによく似た同じマダガスカル原産のE. tirucalli(ミルクブッシュ)はOld World Clade Iですから、やはりそれほど近縁ではありませんでした。私は近縁と考えていましたが、どうも他人のそら似だったようです。他にも、あちこちのグループで類似の形態が見受けられます。これは、ユーフォルビア属が多肉植物化するときに、進化しやすい方向性なのでしょう。


            ┏━E. sp. 14
        ┏┫
    ┏┫┗━E. sp. 11
    ┃┃
    ┃┗━━E. hedyotoides
┏┫
┃┃    ┏━E. sp. 9
┃┃┏┫
┃┗┫┗━E. sp. 10
┃    ┃
┫    ┗━E. sp. 8

┃    ┏━E. famatamboay
┃┏┫
┗┫┗━E. alluaudii
    ┃
    ┗━━E. cedrorum

③Section Rubellae
Section Rubellaeは、E. rubellaとE. brunelliiを調べています。E. rubellaやE. brunelliiは太い塊根からトゲのない短い枝が出ます。葉は頂点にのみつきます。E. rubellaはエチオピア原産で、E. brunelliiはエチオピア、ケニア、スーダン、ウガンダ原産です。

本日はここまでです。明日はSection Monadeniumについて解説させていただきます。



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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はOld World Clade Iについて解説しました。本日はOld World Clade IIについて解説しますが、論文で扱われている種類が多いため分割します。本日はSection Goniostemaについてです。Section Goniostemaとは、いわゆる花キリンの仲間です。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus Esula

┫┏━━━━━Subgenus Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━★Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━Old World Clade II②


Old World Clade IIの分子系統
    ┏━━━━━Old World Clade II②
    ┃
    ┃            ┏━Section Denisophorbia
    ┃        ┏┫ 
┏┫        ┃┗━Section Deuterocalli
┃┃    ┏┫
┃┃┏┫┗━━★Section Goniostema I
┃┃┃┃
┫┗┫┗━━━★Section Goniostema II
┃    ┃
┃    ┗━━━━★Section Goniostema III

┗━━━━━━Section Rubellae

Old World Clade II①
Section Goniostemaは花キリンの仲間です。花を観賞するために販売される花キリンE. milii系の品種はよく見かけますが、他の花キリンの仲間である噴火竜E. viguieriや筒葉チビ花キリンE. cylindrifoliaとの関係はどうなっているのか以前から気になっていました。

①Section Goniostema I
・E. viguieri系
E. viguieriは他の花キリン類とは離れた位置にあります。E. viguieriは「噴火竜」と呼ばれ、強いトゲがあり大きな葉は頂点にのみつきます。一見似ているE. neohumbertiiや
E. caproniiとは、それほど近縁ではありません。

・E. milii系
E. milii系の枝は、8種類が調べられました。E. miliiとよく似たE. lophogonaは、見た目通りE. miliiに近縁です。E. miliiは「花キリン」、E. lophogonaは「摩利支天」と呼ばれます。ともに、目立つ花を咲かせます。lophogonaのトゲは弱く突起物のようなものです。E. croizatiiはE. milii系の花を咲かせますが、トゲは非常に強いようです。E. didiereoidesはトゲは強く見た目はE. milii系ですが、花は小さく集合しややE. viguieriのようです。E. pedilanthoidesは塊根性でトゲのある細い枝からやや細長い葉を出します。花は小さくあまり開かないので、E. viguieriによく似ています。E. caproniiは一見してE. viguieriに似た強いトゲと大きな葉を持ちますが、枝は長く伸びてよく分岐します。花は集合しますが、苞はE. miliiほどではありませんが開いてやや目立ちます。E. horombensisは一見してE. miliiを大型にしたような姿です。苞も丸みがありよく目立ちます。

※ちなみに、"aff." という表記が見られますが、これは「特定の種あるいは亜種に類似するが、重要な分類形質の一部が明らかに一致しないことから、未記載種の可能性が高い場合に属名と種小名の間に挿入する用語」とのことです。今回は私に"aff."を判定する能力がないため、"aff."がついた種の解説は割愛させていただきます。

・E. tulearensis系
系統の根元にあるE. beharensisは塊根性で、トゲのある枝を長く伸ばします。かなり特殊な葉の出し方をします。E. tulearensisは塊根性でトゲはなく、縮れた葉を持ちます。E. ambovombensisやE. decaryiによく似ていますが、系統的には姉妹群ではあるものの、意外にも同じ枝に乗っていません。E. rossiiはトゲのある枝から非常に細長い葉を出します。苞は大きく目立ち、一見してE. milii系に見えますが、E. tulearensisに近縁です。E. capsaintemariensisは塊根性で、縮れた葉を出します。

・E. cylindrifolia系
E. cylindrifolia系は塊根性でトゲはありません。E. cylindrifolia以外は葉が縮れます。


        ┏━━━━━━━━Section Denisophorbia
    ┏┫
    ┃┗━━━━━━━━Section Deuterocalli
┏┫
┃┗━━━━━━━━━E. viguieri

┃                                ┏━E. aff. retrospina
┃                            ┏┫
┃                            ┃┗━E. horombensis
┃                        ┏┫
┃                        ┃┗━━E. capuronii
┃                    ┏┫
┃                    ┃┗━━━E. sp. 17
┃                ┏┫
┫                ┃┗━━━━E. aff. mahafalensis
┃            ┏┫
┃            ┃┗━━━━━E. pedilanthoides
┃        ┏┫
┃        ┃┗━━━━━━E. didiereoides
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━━━━━━E. croizatii
┃┏┫
┃┃┃┏━━━━━━━E. lophogona
┃┃┗┫
┃┃    ┗━━━━━━━E. milii
┃┃
┃┃            ┏━━━━━E. capsaintemariensis 1
┗┫        ┏┫
    ┃        ┃┗━━━━━E. capsaintemariensis 2
    ┃    ┏┫
    ┃    ┃┃┏━━━━━E. rossii
    ┃    ┃┗┫
    ┃┏┫    ┗━━━━━E. tulearensis
    ┃┃┃
    ┃┃┗━━━━━━━E. beharensis
    ┃┃
    ┗┫        ┏━━━━━E. ambovombensis
        ┃    ┏┫
        ┃    ┃┗━━━━━E. decaryi
        ┃┏┫
        ┃┃┗━━━━━━E. cylindrifolia
        ┗┫
            ┗━━━━━━━E. francoisii

②Section Goniostema II
③Section Goniostema III

・Section Goniostema II
Section Goniostema IIはトゲのない群です。E. geroldiiは「トゲナシハナキリン」と呼ばれ、E. milii以上に丸みがある目立つ苞があります。E. alfrediiは太い幹から大きな葉を出します。

・Section Goniostema III
Section Goniostema IIIは太い幹に強いトゲがあり、葉は頂点にのみつきます。E. neohumbertiiは「噴炎竜」と呼ばれ、E. viguieriと対のように見られますが、それほど近縁ではありません。E. iharanaeはE. neohumbertiiによく似ています。


            ┏━Section Denisophorbia
        ┏┫
        ┃┗━Section Deuterocalli
    ┏┫
    ┃┗━━Section Goniostema①
┏┫
┃┃┏━━E. geroldii
┃┗┫
┃    ┗━━E. alfredii

┃    ┏━━E. neohumbertii 1
┃┏┫
┃┃┗━━E. neohumbertii 2
┗┫
    ┗━━━E. iharanae

そういえば、Euphorbia guillauminhanaはこの論文では調べていないようですが、花の形状や枝振りからすると、おそらくはE. miliiに近いのでしょう。また、地ムグリ花キリンE. primulifoliaの仲間はどうでしょうか? まだわからない部分があります。Section Goniostemaについて、詳細を調べた論文があるかもしれませんから、そのうち調べてみようかと思います。
明日はOld World Clade IIの内、Section MonadeniumとSection Euphorbia以外のその他のグループについて解説します。



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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はPacific CladeとNew World Cladeについて解説しました。本日はOld World Clade Iについて解説します。ちなみに、Old World Clade Iはマダガスカル原産で、幹が棒状の多肉植物であるSection Tirucalli、未記載種が多く低木のSection Pervilleanae、他にSection Pachysanthaeからなります。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus. Esula

┫┏━━━━━Subgenus. Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus. Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━★Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━Old World Clade II②

Old World Clade I
Old World Clade Iはすべてマダガスカル原産です。

    ┏━Section Tirucalli
┏┫
┫┗━Section Pervilleanae

┗━━Section Pachysanthae

①Section Pachysanthae
Section PachysanthaeはSection TirucalliやSection Pervilleanaeの根元にある分類群です。
E. mandraviokyは木本で幹は太りコーデックスのようになります。


②Section Pervilleanae
未記載種が多いようです。E. intisyは茎は棒状の多肉植物ですが、それ以外の種は樹木で光沢のある葉を持ち、一見してユーフォルビアに見えません。

                ┏━E. sp. 12
            ┏┫
            ┃┗━E. sp. 6
        ┏┫
        ┃┗━━E. sp. 5
    ┏┫
    ┃┃┏━━E. sp. 3
    ┃┗┫
    ┃    ┗━━E. sp. 4
┏┫
┃┃    ┏━━E. sp. 2
┃┃┏┫
┃┗┫┗━━E. randrianjohanyi
┃    ┃
┃    ┗━━━E. tetraptera

┃        ┏━━E. sp. 7
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━E. pervilleana
┃┏┫
┗┫┗━━━E. rauhii
    ┃
    ┗━━━━E. intisy

③Section Tirucalli
Section Tirucalliは基本的に多肉質の棒状の植物です。E. tirucalli(ミルクブッシュ、緑サンゴ)、E. xylophylloides(硬葉キリン、ヘラサンゴ)、E. stenoclada(トナカイ角)など有名種は入手しやすい種類です。
E. arahakaは4つの株を見ていますが、E. arahaka 4はやや遺伝的に離れています。それ以外にも、全体的に分離が甘いように見えます。


                            ┏━E. arahaka 4
                        ┏┫
                        ┃┗━E. kamponii
                    ┏┫
                    ┃┗━━E. stenoclada 1
                ┏┫
                ┃┗━━━E. tirucalli
            ┏┫
            ┃┗━━━━E. decorsei
            ┃
            ┃            ┏━E. enterophora 2
            ┃        ┏┫
            ┃        ┃┗━E. arahaka 3
        ┏┫    ┏┫
        ┃┃    ┃┗━━E. arahaka 1
        ┃┃┏┫
        ┃┃┃┗━━━E. arahaka 2
    ┏┫┗┫
    ┃┃    ┗━━━━E. xylophylloides 2
    ┃┃
    ┃┃┏━━━━━E. xylophylloides 1
    ┃┗┫
┏┫    ┗━━━━━E. enterophora 1
┃┃
┃┃    ┏━━━━━E. fiherenensis 1
┃┃┏┫
┃┃┃┗━━━━━E. fiherenensis 2
┃┗┫
┫    ┗━━━━━━E. stenoclada 2

┃        ┏━━━━━E. arbuscula
┃    ┏┫
┃    ┃┗━━━━━E. damarana
┃┏┫
┃┃┗━━━━━━E. dhofarensis
┗┫
    ┗━━━━━━━E. gummifera

ユーフォルビア属の分類体系は、まだまだ続きます。明日はOld World Clade IIのSection Goniostemaについてです。いわゆる花キリンの仲間となります。



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2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文の紹介です。昨日はSubgenus. Esula、Subgenus. Rhizanthium、Subgenus. Chamaesyceについて解説しました。本日はPacific CladeとNew World Cladeについて解説します。ちなみに、Pacific Clade(太平洋分岐群)はオセアニアを中心とした島嶼部に、New World Clade(新世界分岐群)はアメリカ大陸の原産です。

ユーフォルビア属の分子系統
┏━━━━━━Subgenus. Esula

┫┏━━━━━Subgenus. Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━Subgenus. Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━★Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━★New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━Old World Clade II②

Pacific Clade
Section Pacificae
Pacific Cladeはオーストラリアからハワイに12種類が分布します。Pacific CladeはNew World Cladeの根元にありますから、Pacific Cladeの分布する太平洋の島嶼部からアメリカ大陸へ分布を拡げたことが推測されます。


この論文で解析されたPacific Cladeは5種類です。
・E. haeleeleanaはハワイ原産で、高さ13mに達する木本です。
・E. boophthonaはオーストラリア原産で、立ち上がりやや多肉質の茎を持ちます。
・E. plumerioidesはビスマルク諸島、フィジー、ジャワ、小スンダ諸島、ニューギニア、フィリピン、クイーンズランド、ソロモン諸島、スラウェシ、オーストラリアと広く分布します。細い木質の茎からプルメリアに似た葉を出します。
・E. steveniiはオーストラリア原産で、やや立ち上がり分岐する多肉質の茎に小さな葉を持ちます。
・E. sarcostemmoidesはオーストラリア原産で、叢生してやや多肉質な茎を持ちます。


            ┏━E. haeleeleana
        ┏┫
        ┃┗━E. boophthona
    ┏┫
    ┃┗━━E. plumerioides
┏┫
┃┗━━━E. stevenii

┗━━━━E. sarcostemmoides

New World Clade
New World Cladeはアメリカ大陸産のユーフォルビアです。遺伝子解析の結果では種の分離能があまり良くないということですが、これはNew World Cladeが短期間に進化した可能性を示しています。
New World Cladeはあまり有名な種類は少なく、Section Brasiliensesの夜光キリンなど、流通しているのは極一部です。

                        ┏━Section Brasilienses
                    ┏┫
                    ┃┗━Section Stachydium
                ┏┫
                ┃┗━━Section Crepidaria
                ┃
            ┏┫┏━━Section Nummulariopsis
            ┃┗┫
        ┏┫    ┗━━Section Portulacastrum
        ┃┃
        ┃┗━━━━Section Calyculatae
    ┏┫
    ┃┃    ┏━━━Section Euphorbiastrum
    ┃┃┏┫
    ┃┗┫┗━━━Section Mesophyllae
┏┫    ┃
┃┃    ┗━━━━Section Lactifluae
┃┃
┫┃┏━━━━━Section Cubanthus
┃┗┫
┃    ┗━━━━━Section Tanquahuete

┗━━━━━━━Pacific Clade

①Section Brasilienses
Section BrasiliensesとSection Stachydiumは近縁で、ともに中米・南米に分布します。しかし、Section Stachydiumは草本ですが、Section Brasiliensesは多肉植物です。
E. attastomaとE. phosphoreaの分離が出来ていません。急激に分化した場合など解析の精度が落ちる可能性もあります。ただし、隠蔽種と言って外見上では同じでも、遺伝的には差がある場合もありますから、さらなる詳細な研究が望まれます。

・E. attastomaはブラジル原産で、棒状の多肉植物。
・E. phosphoreaは「夜光キリン」と呼ばれ、現在地では菌の作用で発光すると言われます。ブラジル原産で棒状の多肉植物。
・E. sipolisiiはブラジル原産で、棒状の多肉植物です。枝は角ばる。


                ┏━E. attastoma1
            ┏┫
            ┃┗━E. phosphorea1
        ┏┫
        ┃┗━━E. sipolisii
    ┏┫
    ┃┃┏━━E. phosphorea2
    ┃┗┫
┏┫    ┗━━E. attastoma2
┃┃
┫┗━━━━Section Stachydium

┗━━━━━Section Crepidaria

②Section Stachydium
Section Brasiliensesと姉妹群を形成し、ともに中・南米原産です。基本的に草本で、多肉植物ではありません。

・E. heterodoxaはブラジル原産の草本。
・E. lagunillarumはブラジル原産の草本。
・E. comosaはアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、ベネズエラ原産の草本。


    ┏━━━Section Brasilienses
    ┃        
┏┫    ┏━E. heterodoxa
┃┃┏┫
┃┗┫┗━E. lagunillarum
┫    ┃
┃    ┗━━E. comosa

┗━━━━Section Crepidaria

③Section Crepidaria
Section Crepidariaは基本的に北米原産で、木本が多いのですが、一部多肉質となるものもあります。多肉質の茎を持つ種は、あまり高度に多肉化せずにブッシュ状となります。

・E. cymbiferaはメキシコ原産の棒状の多肉植物です。
・E. lomeliiはメキシコ原産の棒状の多肉植物です。
・E. bracteataはメキシコ原産の多肉植物です。
・E. calcarataはメキシコ原産の木本です。
・E. finkiiはメキシコ原産ですが、情報がありません。
・E. personataはコスタリカ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア原産で、細長い棒状の植物です。論文では"Pencil-stem"と表現されています。
・E. tithymaloidesはフロリダ、メキシコから熱帯アメリカの原産で、2m前後の低木です。庭木として植栽されます。


    ┏━━━━━Section Brasilienses
┏┫
┃┗━━━━━Section Stachydium

┃                ┏━E. cymbifera
┃            ┏┫
┃            ┃┗━E. lomelii
┃        ┏┫
┫        ┃┗━━E. bracteata
┃    ┏┫
┃    ┃┃┏━━E. colligata
┃    ┃┗┫
┃┏┫    ┗━━E. calcarata
┃┃┃
┗┫┗━━━━E. finkii
    ┃
    ┃┏━━━━E. personata
    ┗┫
        ┗━━━━E. tithymaloides

④Section Nummulariopsis
⑤Section Portulacastrum
⑥Section Calyculatae

Section Nummulariopsisは分岐の基部は北米原産ですが、その大半が中・南米原産です。基本的に草本のようです。Section PortulacastrumはここではE. germainiiのみですが、中・南米原産の草本です。Section CalyculataeはここではE. xylopodaとE. calyculataを解析していますが、北米原産の木本です。
Section Calyculataeが分岐の基部にありますから、北米から分化が始まったような気もします。しかし、分布を拡大しながら種分化した場合、元の地域で絶滅が起きた可能性もあります。そうなると、群のもともとの起源地域はわからないということになります。Section Nummulariopsisの起源地域は北米で中・南米へ分布を拡大したように思えます。しかし、Section Portulacastrumは中・南米原産ですから難しいところです。あるいはアメリカ大陸を縦横無尽に南北に分布を拡大してきたのかもしれません。


Section Nummulariopsis
・E. caespitosaはアルゼンチン、ウルグアイ原産の草本。
・E. portulacoidesはアルゼンチン、ボリビア、チリ、ウルグアイ原産の草本です。
・E. elquiensisはチリ原産。
・E. elodesはブラジル原産の草本です。
・E. peperomioidesはブラジル原産の草本です。
・E. thinophilaはチリ原産の塊根性植物です。
・E. papillosaはアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ原産の草本です。
・E. telephioidesはフロリダ原産の草本です。
・E. rosescensはフロリダ原産の草本です。

Section Portulacastrum
・E. germainiiはチリ原産。一見してスベリヒユPortulaca様の多肉質の草本。

Section Calyculatae
・E. calyculataはメキシコ原産の木本。
・E. xylopodaはメキシコ原産の木本。


            ┏Section Brasilienses
        ┏┫
        ┃┗Section Stachydium
    ┏┫
    ┃┗Section Crepidaria
    ┃
    ┃                                    ┏━E. caespitosa
    ┃                                ┏┫
    ┃                                ┃┗━E. portulacoides 1
    ┃                            ┏┫
    ┃                            ┃┗━━E. portulacoides 2
    ┃                        ┏┫
    ┃                        ┃┗━━━E. portulacoides 4
    ┃                        ┃
    ┃                    ┏┫    ┏━━E. portulacoides 3
    ┃                    ┃┃┏┫
    ┃                    ┃┗┫┗━━E. sp. 1
    ┃                    ┃    ┃
    ┃                ┏┫    ┗━━━E. elquiensis
    ┃                ┃┃
    ┃                ┃┃┏━━━━E. elodes
    ┃            ┏┫┗┫
    ┃            ┃┃    ┗━━━━E. peperomioides
    ┃            ┃┃
    ┃        ┏┫┗━━━━━━E. thinophila
    ┃        ┃┃
    ┃    ┏┫┗━━━━━━━E. papillosa
┏┫    ┃┃
┃┃┏┫┗━━━━━━━━E. telephioides
┃┃┃┃
┃┗┫┗━━━━━━━━━E. rosescens
┃    ┃
┫    ┗━━━━━━━━━━E. germainii
┃                  (Section Portulacastrum)

┃┏━━━━━━━━━━━E. xylopoda
┃┃              (Section Calyculatae)
┗┫
    ┗━━━━━━━━━━━E. calyculata
                      (Section Calyculatae)

⑦Section Euphorbiastrum
⑧Section Mesophyllae
⑨Section Lactifluae

Section Euphorbiastrum、Section Mesophyllae、Section Lactifluaeは近縁です。基本的に中・南米原産で低木が多いようです。

Section Euphorbiastrum
・E. pteroneuraはメキシコからグアテマラ原産で、「破魔の矢」あるいは「旋風キリン」と呼ばれています。幹は棒状で分岐する多肉植物です。
・E. hoffmannianaはコスタリカ原産の木本?です。
・E. dussiiはカリブ海のウィンドワード諸島原産。
・E. weberbaueriはエクアドル、ペルー原産の、分岐する棒状の多肉植物。
・E. laurifoliaはコロンビア、ボリビアのアンデス山脈原産の木本です。

Section Mesophyllae
・E. sinclairianaはボリビア、ブラジル、ケイマン諸島、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、プエルトリコ原産の木本?

Section Lactifluae
・E. lactifluaeはチリ原産の灌木。



                         ┏━E. pteroneura
                     ┏┫
                     ┃┗━E. hoffmanniana
                 ┏┫
                 ┃┗━━E. dussii
             ┏┫
             ┃┗━━━E. weberbaueri
         ┏┫
         ┃┗━━━━E. cestrifolia
     ┏┫
     ┃┗━━━━━E. laurifolia
┏ ┫
┃ ┗━━━━━━E. sinclairiana

┗━━━━━━━E. lactiflua

⑩Section Cubanthus
⑪Section Tanquahuete

Section Cubanthusはカリブ海地域の島嶼部に分布します。Section Tanquahueteは北米原産ですが、Section Cubanthusとは木本であることは共通します。

Section Cubanthus
・E. umbelliformisはキューバ、ドミニカ共和国、ハイチ原産。
・E. gymnonotaはバハマ原産の木本。
・E. puniceaはジャマイカ原産の木本。「ジャマイカ・ポインセチア」の名前で知られる。
・E. cubensisはキューバ原産。
・E. podocarpifoliaはキューバ原産の木本。赤い目立つ花を咲かせる。
・E. helenaeはキューバ原産の木本。赤い目立つ花を咲かせる。
・E. muniziiはキューバ原産。

Section Tanquahuete
・E. tanquahueteはメキシコ原産の、高さ10mになる。


            ┏━E. umbelliformis
        ┏┫
        ┃┗━E. gymnonota
    ┏┫
    ┃┃┏━E. punicea
    ┃┗┫
    ┃    ┗━E. cubensis
┏┫
┃┃    ┏━E. podocarpifolia
┃┃┏┫
┃┗┫┗━E. helenae
┫    ┃
┃    ┗━━E. munizii

┗━━━━E. tanquahuete

明日は、続けてOld World Clade Iについて解説します。


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いまいち人気はありませんが、私はユーフォルビアが好きでチマチマ集めています。しかし、ユーフォルビアは非常に多様で、一見して同じユーフォルビアに見えない種類が含まれています。ユーフォルビアとはどのような植物なのでしょうか?

ユーフォルビアは日本にも生えている雑草だったり、メキシコのポインセチア、南米では大木、アフリカではサボテンの様な多肉植物、マダガスカルの花キリン、ヨーロッパの観賞用のカラーリーフ、もちろんアジアやオーストラリアにも自生しています。つまりは世界中に広く分布しています。
そして、その生態も様々です。ユーフォルビアは乾燥地に生えるものが多いのですが、アジアやヨーロッパに自生するものは多肉植物ではなくその多くは草本です。乾燥に対応して水分を蓄えるために多肉質になった種でも、サボテンのように茎が太ったものだけではなく、塊根が発達したもの、塊根からサボテンのような多肉質の茎を伸ばすものもあります。とにかく、ユーフォルビアはあらゆる可能性を追及した様な植物です。
考えて見ると、例えばサボテンも様々な形態です。木のようなモクキリン、森林サボテン、ウチワサボテン、ハシラサボテン、さらにはAstrophytum caput-medusaeやAriocarpusの様な特殊化したものもあります。しかし、これらは同じサボテン科ですが、所属する属は別々です。しかも、ハシラサボテンと言っても沢山の属にわかれています。では、ユーフォルビアと言えば、なんと1属、ユーフォルビア属だけで成立しているのです。形がどれだけ異なっても、やはりユーフォルビア属の一部です。とても不思議に思います。
ただし、ユーフォルビア属はCyathiumという特徴的なカップ状の花が共通します。この構造は発生学的には花と花序の中間と見なされるそうです。難しいのは、この花の構造とユーフォルビア属内の分類がうまくリンクせず、曖昧であるということです。


私は最近、多肉植物の論文を探して紹介する記事を書いています。そこで、ユーフォルビアについても論文を探してみました。しかし、ユーフォルビア属は巨大な分類群で、しかも世界中に分布し形態も様々なので、調べると沢山の論文がヒットします。あまりに多いので、逆に目当ての内容の論文を探すのに難儀する位です。
そんなこんなで見つけたのが、2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文です。この論文を紹介しますが、なんと言っても約2000種を含むと言われるユーフォルビア属そのものを解析したものですから、その内容も盛りだくさんです。とてもではないですが、一つの記事に収まらりません。というわけですので、いくつかに分割して記事にしようかと思います。

ついでに述べておきますが、以前「ユーフォルビア属の分類」と称して、3つの記事を書いたことがあります。しかし、この記事はNCBI(アメリカ国立生物工学情報センター)のTaxonomy browserに集積されたデータを吸いだしただけで、特に根拠を示しておりませんでした。ですから、その根拠を示すとともに、私の解説も適宜しながら進めさせていただきます。


さて、まずは序文ではこの論文がユーフォルビア661種を調べたものであること、核リボソームの遺伝子であるITSと葉緑体の遺伝子であるmatK、ndhFを解析したことが述べられております。本論から外れるので、テクニカルな話は割愛させていただきます。ここでは、とりあえず見取図的な大まかな分子系統をお示しします。本日は、Subgenus. Esula、Subgenus. Rhizanthium、Subgenus. Chamaesyceを解説します。

┏━━━━━━★Subgenus. Esula

┫┏━━━━━★Subgenus. Rhizanthium
┃┃
┃┃┏━━━━★Subgenus. Chamaesyce
┗┫┃
    ┃┃    ┏━━Pacific Clade
    ┗┫┏┫
        ┃┃┗━━New World Clade
        ┗┫
            ┃┏━━Old World Clade I
            ┗┫
                ┃┏━Old World Clade II①
                ┗┫
                    ┗━Old World Clade II②


エスラ亜属 Subgenus. Esula
エスラ亜属は約480種を含みます。

ユーフォルビアとは日本語でトウダイグサと呼びます。つまりは、ユーフォルビア属=トウダイグサ属なのです。この、トウダイグサは「灯台草」ではなくて「燈台草」です。この場合の「燈台」とは、背の高い台に油を注いだ皿を置いて、明かりを灯す器具のことを示します。時代劇でよく見かけるやつです。このトウダイグサの命名のきっかけは、トウダイグサE. helioscopiaから来ています。トウダイグサは本州以南の日当たりの良い荒れ地や畑地に生える二年草です。椀状の苞葉から黄色い花が出る形状を燈台に見立てているということです。トウダイグサ属の命名に関わる「トウダイグサ」はエスラ亜属に属します。

そういえば、最近園芸店で良く見かける草花として販売されるユーフォルビアは大抵エスラ亜属です。栽培されるのは主にヨーロッパ原産種で、花壇に植栽される花、あるいはカラーリーフで、多肉植物ではありません。有名な種類は、E. cyparissias、E. polychroma、E. myrsinites、E. amygdaloides、E. characiasなどがあります。

この論文では、4種類のエスラ亜属を解析しています。ずいぶん数が少ないのですが、これは各分類群の位置関係を調べるためですから、仕方がないことです。また、エスラ亜属はまとまりのある分類群ですから、沢山調べる必要性はないのかもしれません。
簡単に種の解説をします。
・E. orthocladeはマダガスカルの草本?のようですが、詳細はよくわかりません。
・E. aphyllaは「糸キリン」の名前で知られる棒状の茎を持つ多肉植物で、カナリア諸島原産です。海岸にも生えることから、耐塩性があります。
・E. helioscopiaは燈台草のことです。雑草。
・E. hirsutaは地中海沿岸に生える草本です。地中海沿岸とは必ずしもヨーロッパだけを示すわけではありませんから、トルコや北アフリカにも広く分布します。

        ┏━E. orthoclade
    ┏┫
┏┫┗━E. aphylla
┃┃
┫┗━━E. helioscopia

┗━━━E. hirsuta

リザンチウム亜属 Subgenus. Rhizanthium
リザンチウム亜属は、園芸店でお馴染みの多肉ユーフォルビアを沢山含んでいます。ホリダ、オベサ、タコものとも呼ばれるMedusoid、その他コーデックスもあります。約200種類あると言われています。この論文ではたった4種類を調べただけですから、今後リザンチウム亜属の詳細を調べた論文をもし見つけたら今後記事にしたいと思います。

代表的な種は、サボテンに似たホリダE. polygona var. horrida、勇猛閣E. ferox、紅彩閣E. hepatogona、オベサE. obesa、バリタE. meloformis subsp. valida、笹蟹丸E. pulvinata、瑠璃晃E. susannaeなど、あるいはタコものとも言われる孔雀丸E. flanaganii、闘牛角E. schoenlandii、閻魔キリンE. esculenta、荒天竜E. caput-medusae、E. deceptaなど、さらにはコーデックスの鉄甲丸E. bupleurifolia、E. tricadenia、E. silenifolia、鬼笑いE. ecklonii、鬼縮E. tuberosaなどが知られています。他にも玉鱗宝E. globosa、式部E. clava、逆鱗竜E. clandestina、昭和キリンE. bubalina、鬼棲木E. hamata、柳葉キリンE. monteiroi、E. loricata、E. multifolia、E. gariepina、E. lignosa、E. cuaneta、E. bongensis、E. longituberculosa、E. balsamifera、E. socotrana、E. platycephalaがあります。

この論文で扱われたリザンチウム亜属は4種類です。簡単に種の解説をします。
・E. gariepinaは「鬼ヶ島」と呼ばれることもある、アンゴラやナミビア、南アフリカ原産の叢生する多肉植物です。
・E. bongensisは南スーダンからザンビア原産の塊根性の多肉植物です。
・E. hadramauticaはアラビア半島南部、エチオピア、ソマリア原産の、棍棒状の幹から縮れた葉を出す多肉植物です。
・E. horridaは南アフリカ原産のサボテンのような多肉植物です。ホリダは現在ではE. polygona var. horridaとされています。

        ┏━E. gariepina
    ┏┫
    ┃┗━E. bongensis
┏┫
┫┗━━E. hadramautica

┗━━━E. horrida

カマエシケ亜属 Subgenus. Chamaesyce
カマエシケ亜属は約600種を含みます。ニシキソウの仲間で世界中に自生します。日本ではコニシキソウE. maculataやその近縁種が雑草として良く見られますが、ポインセチアE. pulcherrimaもカマエシケ亜属です。他にはカラーリーフとして栽培されるE. cotinifolia、花壇に植えられるハツユキソウE. marginataが有名です。

この論文で扱われたカマエシケ亜属は7種類です。簡単に種の解説をします。
・E. tannensisはオーストラリアやニューカレドニア、バヌアツ原産です。詳細は不明。
・E. planticolaはオーストラリア原産詳細は不明。
・E. aequorisは南アフリカ原産で、叢生して分岐する棒状の多肉植物です。
・E. spineaは「魔針殿」とも呼ばれる南アフリカとナミビア原産の多肉植物で、叢生して先端が尖ります。
・E. cotinifoliaはメキシコから熱帯アメリカ原産で、観葉植物として育てられる低木。多肉植物ではありません。
・E. guiengolaはメキシコ原産で、花を目的に栽培されます。茎はやや多肉質かもしれません。
・E. plagianthaはマダガスカル原産の木本。松のような細長い葉を伸ばします。

        ┏━E. tannensis
    ┏┫
    ┃┗━E. planticola
┏┫
┃┃┏━E. aequoris
┃┗┫
┫    ┗━E. spinea

┃    ┏━E. cotinifolia
┃┏┫
┗┫┗━E. guiengola
    ┃
    ┗━━E. plagiantha

本日はここまでです。明日はPacific CladeとNew World Cladeを解説します。


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人は見たいものしか見ないとは、なるほど上手いことを言ったものです。私は割とアクティブに園芸店を巡ってきましたが、今まであまりダシリリオンを目にしたことはありませんでした。しかしある時、園芸店の入荷情報をチェックしていたら、ダシリリオンが入荷したというお知らせがありました。調べて見ると中々面白い植物のようです。早速、購入しましたが、それから1年と立たずにダシリリオンをさらに2種類見かけて購入するに至りました。ここでふと思ったわけです。今まで行った園芸店で、本当にダシリリオンは売っていなかったのだろうかと。興味のある多肉植物はそれなりに詳しく目がいきますが、知らない多肉植物は目に入っても素通りしていただけなのではないかと。一度、ダシリリオンに興味を持ち入手していますから、私のダシリリオンに対する感度が上がっただけかもしれません。見ているがその実は見えていなかった、そんな気がして少し気恥ずかしくなります。

DSC_1691
Dasylirion longissimum名義のダシリリオン。
シマムラ園芸で購入。

DSC_1695
Dasylirion quadrangulatum名義のダシリリオン。
五反田TOCのビッグバザールで購入。Ruchiaさんの販売している実生苗。
ともに、古い葉が少し枯れ混んだので、まだ小さな内は乾かし過ぎないようにした方がよさそうです。
まだ何者かわからない苗ですが、太い幹を持つコーデックスになります。それまでに何十年かかるかわかりませんが…


ここで気になる情報に気付きました。 国内の販売サイトでM's plantsというアガヴェなどの多肉専門店の解説では、Dasylirion longissimumの名前で販売されているダシリリオンは、実はDasylirion quadrangulatumであるというのです。具体的にはD. longissimumはトゲがあり、D. quadrangulatumにはトゲがないということです。その専門店も種子に記載された名前で販売していますが、こういう風に言われていますよという情報を教えてくれているわけです。
私の所有するダシリリオンも、間違いなのでしょうか?
しかし、国内ではまったく情報がありません。海外ではどうなのでしょう。

海外の情報を探ってみましたが、日本国内とは異なりこの問題は話題となっているようです。海外でも混乱しているみたいです。というよりも、海外で混乱状態なので、海外の種子を購入している日本国内でも同じ混乱が連鎖的に起きているといった方が正しいようです。
海外の趣味家のフォーラムでは、世界中の多肉植物ファンが盛んにやり取りをしています。そのフォーラムの中で、D. quadrangulatumの葉にはトゲがなく断面は四角形で、D. longissimumの葉にはトゲがあり断面は四角形ではないとしています。また、D. longissimumは灰色がかるという表現をされていますが、これは青白いということでしょう。

そもそも、D. quadrangulatumとD. longissimumはどうやら混同されてきたようです。海外の"LLIFLE"というサイトでは、2001年にColin WalkerがD. longissimumとD. quadrangulatumは同種であるとしたとあります。しかし、別種であるという意見もあり、論争があったようです。今でもD. longissimumとD. quadrangulatumは同種であると書いてあるサイトがあるのは、このことが原因なのでしょう。ただし、それぞれの分布域は重ならないともあります。


また、アリゾナ大学のHPを見ていたら、D. quadrangulatumはトゲがないため、植栽に向くとありました。やはり、ここでも国内の情報とは逆になっています。

"World Flora Online"というサイトでは、それぞれの詳細情報が記述されていました。
まずは、D. quadrangulatumですが、葉の基部はスプーン型で耳状のフラップがあり、葉は80~90cmくらいでトゲはないが、葉縁は細かい鋸歯状とのことです。断面は基部では菱形で先端では正方形です。葉に光沢はないそうです。
対するD. longissimumは、葉の基部はスプーン型ですが耳状のフラップはありません。葉は80~140cmくらいで、葉の基部にはトゲがあり、やはり葉縁には弱い鋸歯があります。葉は時々光沢があるそうです。


情報を色々探っていくと、どうやらその元となった論文があるみたいです。1998年に発表されたのは、アメリカの植物学者であるDavid J BoglerによるThree new species of Dasylirion (Nolinaceae) from Mexico and a clarification of the D. longissimum complex』という論文です。混乱するD. quadrangulatumとD. longissimumを再定義しているらしいのですが、有料の学術雑誌なので内容はまったくわかりません。非常に残念です。しかし、2017年に発表された『La Familia Nolinaceae en el. estado de Nuevo Leon』という論文では、1998年の論文も資料の1つとして参照としながら、D. quadrangulatumとD. longissimumのややこしい事情も解説しています。しかし、この論文はスペイン語で書かれているため、まったく読めませんでした。仕方ないので機械翻訳しましたが、専門用語が多いせいか翻訳がうまく行かなくて割とめちゃくちゃな文章でしたので、解読には大変難儀しました。

ここからは論文の内容を抜粋して紹介します。ただし、論文では色々省略して論旨だけを淡々と書いているせいかわかりにくいので、私が情報を少し足しています。
フランスの植物学者であるCharles Antoine Lemaileは1856年にD. longissimumを命名しましたが、地域情報や標本なしの栽培植物に基づいているらしく、命名に問題があるようです。さらに、アメリカの植物学者であるSereno Watsonは、1879年にD. quadrangulatumを記述しており、これは不思議なことにLemaileのD. longissimumの記述に良く適合します。
イングランドの植物学者であるSir Joseph Dalton Hookerは、1900年にD. longissimumとD. quadrangulatumの両種を認識しており、詳細な説明とイラストを残しています。また、アメリカの植物学者であるWilliam Treleaseは、1911年にD. longissimum Nomen Confusem、つまりは「混同名」を宣言しました。
しかし、アメリカの植物学者であるDavid J Boglerは1994年にD. longissimumは2種類あることを資料と個体群からレビューしました。そこで、D. quadrangulatumを種として復元し、混同名をD. longissimumに宣言して、Querétaro、Hidalgo、San Luis Potosiの個体群を新種のD. treleaseiと命名しました。しかし、1998年にBoglerはD. treleaseiを破棄し、D. longissimumを復元しました。

というわけで、D. longissimumとD. quadrangulatumは別種であり、それぞれの学名は有効なものとなっております。

さて、それでは私の入手個体はどうなのでしょうか? D. longissimum名義でも実際に販売され普及しているのはD. quadrangulatumであるというのは、ヨーロッパ、アメリカ、日本においても実情は同じです。シマムラ園芸で購入したD. longissimumはD. quadrangulatumの可能性が高そうです。輸入種子がそうなっている以上は、そのままの名前で売るならそうなるでしょう。
では、RuchiaさんのD. quadrangulatumは、逆にD. longissimumなのでしょうか? しかし、外見的特徴ではD. longissimumらしさはありません。まだ幼弱な小苗ですから、特徴が出ていない可能性もありますが、現状ではD. quadrangulatumの名札通りな気もします。しかし、そうなるとRuchiaさんはD. quadrangulatumをちゃんと認識出来ていることになります。すごいですね。

しかし、なんと言ってもまだ苗ですから、まだまだこれからです。5年10年と育てて、じっくり観察していきたいと思います。


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パキポディウム・サウンデルシイはモザンビーク、ジンバブエ、南アフリカ、スワジランドに分布するパキポディウム属の一種です。「白馬城」という名前の方が有名かもしれませんが、パキポディウムの中ではあまり流通していない種類です。やはり、パキポディウム属と言えばマダガスカル原産種がメインで、アフリカ大陸産のパキポディウムは人気はいまいちかもしれません。まあ、アフリカ大陸産でも、P. succulentumやP. bispinosumは最近園芸店でも実生苗を見かけるようになってきましたが、白馬城は残念ながら見かけませんね。私は昨年冬に五反田TOCで開催されたビッグバザールで偶然入手しました。別にパキポディウムを買いに行ったわけではないのですが、たまたまパキポディウムの苗が沢山あったのでついつい買ってしまいました。

DSC_1686
細かいトゲが枝に出る

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トゲは2本セットで長く伸びる。

白馬城の学名は1892年に命名されたPachypodium saundersii N.E.Br.です。1973年のにはPachypodium lealii subsp. saundersii (N.E.Br.) G.D.Rowley、つまりレアリイの亜種とする意見もありましたが、現在では認められておりません。ただし、レアリイと白馬城が近縁であることは、遺伝子解析の結果から正しいとされています。

他のアフリカ大陸産のパキポディウムであるP. succulentumやP. bispinosumとはトゲの付きかたが異なり、むしろマダガスカル原産パキポディウムに近く見えます。ただし、他のアフリカ大陸産と枝の出方は似ています。もしかしたら、南アフリカ南部産パキポディウムとマダガスカル原産パキポディウムをつなぐ存在なのかもしれませんね。



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ウンカリナ・ロエオエスリアナはマダガスカル原産の塊根植物で、一般に「ウンカリーナ・ルーズリアナ」の名前で流通しているみたいです。国内でロエオエスリアナはウンカリナ属唯一の普及種となっています。
 
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ロエオエスリアナは最大2mほどになるそうですが、我が家の個体はまだ高さ10cm位の苗です。

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塊根は地下で育ちますが、鉢底に着いてしまうと良くないので長い鉢に植え替えました。

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葉は矢じり型でビロードの様な毛に被われます。

ロエオエスリアナはマダガスカル南西部、Tolanaro地区ToliaraあるいはAnosyの2箇所の極狭い地域に自生します。海抜100~500mの石灰岩地に生える熱帯性の低木です。
生息地は狭い様ですが、観賞用に普及しており、簡単に増やすことが出来ます。種子の発芽率はあまり高くないようですが、種子は容易に得られるとのことです。

ロエオエスリアナは乾燥地の植物ですが、乾かしぎみにして育てると葉が直ぐに落ちてしまいます。乾かさないで、多肉植物として育てない方が良く育ちます。早く育てようと思えば、温かい季節だけ地植えすると良いそうです。冬は寒さに弱いので、抜き取ってそのまま植えないで新聞紙などでくるんで暖かいところに置いておけばいいそうです。私は早く育てたいとは思わないので、鉢栽培でゆっくり育てていきます。

ロエオエスリアナの学名は1996年に命名されたUncarina roeoesliana Rauhです。Rauhは国際的に著名なドイツの生物学者、植物学者、作家のWerner Rauhのことです。Rauhは毎年のようにアフリカや中南米を調査し、マダガスカルの多肉のについての著作があります。

私は"Uncarina roeoesliana"を「ロエオエスリアナ」とラテン語読みしますが、一般には「ルーズリアナ」という名前で流通しています。"roeoesli"はどう考えても「ルーズリ」とは読まないわけで、何やら不思議です。また、"roseoesliana"と誤記されているのを見たことがありますから、そこから「ローゼリアナ」→「ルーズリアナ」と変化した可能性もあります。
ちなみに、実はこの"roeoesliana"は、スイスの植物学者でマダガスカルのパキポディウム属の研究で知られる
Walter Röösliに対する献名です。ですから、この"ösli"を「ルーズリ」と読んだのかもしれません。ただし、この"ö"は"o"とはまったく別のものでOとEの中間、一般には「エー」と発音します。ですから、"ösli"は「レーズリ」が正しいので、人名の発音によるのならば「レーズリアナ」とすべきでしょう。

ここで一つ、基本的にどうでもよくて、かつ大変つまらない話をします。学名の読み方は学者でも色々です。おそらくは学会単位で派閥があり、動物系学会では英語読み、植物系学会ではラテン語読みします。正直なことを言ってしまうと、学名は生物界の情報を収集・整理・分類するためのもので、基本的に書き文字の表記のためのものです。ですから、そもそも読み方の正解はないわけで、その正統性の主張なんてずいぶんと馬鹿らしいと思ってしまいます。
私個人はラテン語読みが好みです。これは、基本的な法則がわかっていれば誰でも読むことが出来るからです。例えば、人名や地名から来ている学名は由来する元々の名前に遡って発音したくなりますが、実際のところは由来がわからなかったり、著名人ならいざ知らずあまり有名ではない学者やアマチュアの発見者に対する献名、18世紀とか古い時代の人名の発音など、発音が不明なケースは非常に多いのです。さらに、アフリカや南米などの地名の読み方、あるいは現地の人の呼び方から来ていたりする場合は、まったく読み方がわからないパターンもあります。ですから、それらを元の意味を考慮せずに読めるラテン語読みは非常に便利です。

さて、最大の問題は英語読みでしょう。英語ではない学名を英語読みするというのは、そもそも意味がわかりませんが、動物系学者は使用しています。しかし、基本的に学会に関係する学者しか読み方がわからない慣習みたいなものですから、英語読みは我々アマチュアには縁のないものです。閉じた学術世界でのみ通じる暗号なので、一般には知る方法もありません。その様なものを我々アマチュアは使う必要性は特にないように思えます。
個人的には、科学とは法則性を見つけ出し、そこから導きだされた原理・原則にのっとるものですから、ただの慣習を科学とは呼ばないのでは?という疑問があります。

しかし、既に述べましたように、学名の読み方なんてどうでもいいことです。各人が読みたいように読めばいいのです。私はラテン語読みしますが、それも所詮はただの好みの問題に過ぎません。もちろん、英語読みが好みならそれも大いに結構。ですから、他人様に対して、ラテン語読みしなさいとは口が裂けても言えません。実はということでもありませんが、園芸店や生産者さんで我々が多肉植物を購入した時に、挿してある名札に学名をカタカナで書いてあったりしますが、ある意味これが一番普及している読み方となります。まあ、別にこれでいい気もしますが。何より普及していますから、他の人に一番通じやすい読み方ですからね。私のように面倒なことをぐちゃぐちゃ考えるのも、大概間抜けな話かもしれません。


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プンゲンスは南アフリカ原産の硬葉系ハウォルチアです。この場合、"pungens"とは「突き刺す」という意味ですが、その名の通り葉の先端は鋭く尖ります。

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硬葉系なので、葉はとても硬い。

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若い時はHaworthiopsis viscosaの様に、積み重なります。生長とともにねじれていきます。

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やがてぐるぐる回りながら、螺旋状に育ちます。
5列あるいは3列といわれますが、この個体は3列が旋回しているようです。


プンゲンスは南アフリカの東ケープ州、LangkloofとJoubertinaのフィンボス(地中海性気候の灌木地帯で、冬に雨が降る)の岩の多い斜面に自生します。
自生地のプンゲンスはよく日を浴びて黄色くなっていますね。葉の先端は赤みを帯びてくるようです。


プンゲンスの学名は、はじめて命名されたのは1999年と、ハウォルチア系では意外と新しく発見された種類みたいです。最初はHaworthia pungens M.B.Bayerとされ、ハウォルチアとされました。2014年にはHaworthiopsis pungens (M.B.Bayer) Boatwr. & J.C.Manningとされました。これが、現在学術的に認められている学名です。ハウォルチオプシス属は2013年の命名されたHaworthiopsis G.D.Rowleyですから、ハウォルチオプシス属が出来てから結構早いですね。
2013年にはTulista pungens (M.B.Bayer) G.D.Rowleyも提唱されましたが、現在認められておりません。




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7月は急激に暑くなり、多肉もダメージを受けたものがちらほらありました。しかし、ダメージを受けたものも致命的ではなかったので、皆さん鋭意回復中です。
8月に入り強光にも慣れたのか、休眠中のもの以外は元気です。暑い中でも育っているのは、夏型をはじめ耐暑性があるのでしょうか?


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ちょうどリコリスが咲き始めました。葉がない状態で、いきなり花だけ咲くのである種異様な感じがします。

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Aloe somaliensis
7月にダメージを受けましたが、現在は回復して美しい葉色です。古い葉は斑が甘いので、わりと遮光強めの環境で育てられた様な気がします。新しい葉はもう少し、日照に強いと嬉しいのですが…


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孔雀丸 Euphorbia flanaganii
枝が枯れて坊主になりましたが、短期間で枝が生え揃いました。しかし、強光下では枝があまり伸びませんね。


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Dischidia vidalii(=Dischidia pectinoides)
実がはじけ、種が飛散しています。綿毛が付いているようで、台風で吹き飛んでしまいました。

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Euphorbia phillipsiae
ソマリアものですが暑い最中、なぜかトゲが出ています。


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勇猛閣 Euphorbia ferox
こちらは大変元気で、新トゲを出し続けています。強光が大好き。


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貴青玉錦 Euphorbia meloformis cv.
見た目に反して大変丈夫。遮光無しでも日焼けもなし。


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Euphorbia meloformis subsp. valida
花茎が暴れています。元気があって大変よろしい。


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Euphorbia polygona var. horrida
良いトゲが出ています。この個体は3本トゲ。なぜか、3本のトゲは一気に生え揃うことはなく、時間差で出ます。

というわけで、8月の多肉事情でした。
しかし、こうも暑いと、雑草取りすら辛くて作業が捗りません。最近は引きこもりがちなので、早く涼しくなって欲しいものです。


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アロエ・ペグレラエは南アフリカ原産のアロエです。葉の枚数が増えると、葉が内側に巻いた様な独特の非常に美しい姿となります。

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昨年の冬、千葉のイベントで入手しました。アロエ苗が投げ売りされていたので、せっかくだから一鉢購入。
右下の葉は二列生(葉が左右に並ぶ)の痕跡があります。まだ若い個体です。


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2022年8月の姿。だいぶ葉の枚数が増えてきました。生長は遅いと言われますが、苗の頃は早いみたいです。

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まだ、葉が少ないので、ペグレラエらしさはありません。

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トゲは強いので注意が必要です。

ペグレラエは南アフリカのNorth West州のMagaliesbergとWitwatersbergに分布します。斜面に生えるらしいです。自生地では、Aloe marlothiiやAloe davyanaと自然交雑が起きているようです。
野生の株は非常に美しく生長が遅いため、違法採取が行われており、また開発に伴う環境破壊により急速に個体数を減らしています。絶滅危惧種に指定されており、Witwatersrand国立植物園では絶滅危惧植物プログラムの優先事項として、ペグレラエの保護活動が行われているそうです。
日本国内ではペグレラエは、実生苗がある程度は販売されているみたいですから、入手困難とまではいかないでしょう。しかし、違法採取かも知れない現地球には手を出さないことも重要です。

ペグレラエの学名は1904年に命名されたAloe peglerae 
Schönlandです。ペグレラエの名前は植物学者・自然学者のAlice Marguerite Peglerに対する献名です。Schönlandはドイツ出身のSelmar Schönlandのことです。かのPole Evansが始めた南アフリカの植物調査で主導的役割を果たしました。ちなみに、南アフリカ科学振興協会の創設メンバーとのことです。
また、Schönlandは、Euphorbia schoenlandiiやBrachystelma schonlandianumなどの植物に献名されています。


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