ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

さてさて、昨日に引き続き筑波実験植物園に行ってきた話です。いよいよ温室に到着しましたが、なんと地植えの多肉植物が温室前に沢山植えられているじゃないですか! まあ、ユッカとかアオノリュウゼツランはわかりますが、サボテンも地植えされているのは割と驚きでした。

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Yucca flaccida
先ずは満開のイトランがお出迎え。


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Agave americana
植物園にはつきものの巨大なアオノリュウゼツランです。なかなかのサイズでした。


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Hesperoyucca whipplei
ヘスペロユッカは知りませんでした。2種類しかない属のようですね。


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Agave striata
アガヴェも沢山ありました。私はあまり興味がないので、ふ~んと言った感じでしが。


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Dychia aff. ibiramensis
ディキアも屋外に地植えされていました。aff.がついていますから、イビラメンシスに類似した種類と言う意味です。こういう正体不明の未記載種は沢山あります。

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ちょうど開花していました。ディキアの花は初めて見ましたね。

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巨大なユッカらしき植物が開花中。ここいら辺は詳しくないので、ネームプレートがないため何だかよく分かりません。Y. rostrata?

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まさかの屋外に地植えされた金鯱。
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金鯱は2014年にKroenleinia属となりEchinocactusから分離されましたが、分子系統解析ではFerocactusです。またそのうち名前が変わるかも知れません。

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枯れた花茎ですが…
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屋根を突き破っています。

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Agave franzosini
ネットではA. franzosiniiと呼ばれがちで、「i」が余計ですね。現在はアオノリュウゼツランの変種、A. americana var. franzosiniとされています。


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Jacaranda mimosifolia
温室脇に置かれた鉢植えのジャカランダが開花していました。美しい花です。

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温室の入口の小スペースに置かれたイポメア。
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ちょうど開花していました。ヒルガオと言うかサツマイモの花ですね。

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Aloidendron dichotomum
ネームプレートはまだアロエ属のままでした。


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Adenia glauca
これぐらい太れば貫禄が出ますね。


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Euphorbia tirucalli
青珊瑚だのミルクブッシュだの呼ばれているティルカリですが、頭が重そうです。

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根本はだいぶ木質化していますね。

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Fouquieria splendens
メキシコの砂漠ではお馴染みのOcotilloです。

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幹はなかなか太らないみたいです。まあ、根本から叢生するタイプの灌木で、コーデックスではありませんからね。
温室はまだ入口です。明日からは本格的に温室に入ります。



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今年は積極的に植物園へ行こうと決めていたのですが、まったく行けていません。予定ではすでに3〜4の植物園に行っているはずなのですが…。3月4月は外の多肉植物置き場を整備したり、多肉植物を外に出したり、植え替えたりと、とにかく週末はバタバタしていていました。5月は公私ともに忙しく、多肉植物のイベントにも参加出来ませんでした。と言うことで、6月に入り身動きがとれるようになりましたから、ようやく植物園巡りを開始します。しかし、もう夏ですよ。困ったことに。真夏の温室は地獄ですから、ちょっと躊躇してしまいます。今回だって6月末ですから、まあ危険な暑さです。まあ、7月8月はないとして、また秋口に再開する予定です。

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と言うことでやって来ました。筑波実験植物園です。

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入館前に巨大なソテツ(Cycas revoluta)がお出迎え。高さは何メートルあるでしょうか?

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入館すると「つくば夏の洋蘭展」を開催していました。ギリギリ開催期間中でした。つくば洋蘭会の協力とのことです。

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Den. treacherianum
デンドロビウム・トレアケリアヌムは私の好きな蘭です。なかなか見かけないので嬉しいですね。
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しかし、これだけの群生株はお見事。

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Rl. dygbiana
こちらも面白い蘭です。ちなみに、洋蘭は属名が略されますから、Rl.はRhyncholaeliaの略です。しかし、見た瞬間にB. (Brassavola)だと思ったのに違うので混乱しましたが、
現在Rhyncholaeliaとなっているそうです。蘭を調べていたのはもう10年くらい前ですから、情報がいちいち古臭いわけですな。

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Rlc. King Harold
交配系のカトレアです。大輪で実に鮮やかです。見応えがあります。このように、洋蘭は複数属を交配して新品種を作り出すことが出来ますから、交配が非常に盛んです。ちなみに、Rlc.は並びから推測すると、Rhy. × L. × C.でしょうか?


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Ren. 20th WOC Singapore 2011
レナンテラは鮮烈な赤で大好きですが、品種とか交配についてはまったく分かりません。

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レナンテラのこの強烈な赤はあまりない感じがします。

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C. purpurata fma. flamea
プルプラタ系のカトレアです。面白い模様の入り方ですね。

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C. tenebrosa
何やらえらく色がくっきり分かれています。非常に面白いですね。


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Paph. bellatulum
コンパクトで可愛らしいパフィオです。3花揃って綺麗に咲いています。


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Bulb. frostii
花を見なくても分かるBulb.ですが、花も典型的な形です。かつては、Bulb.じゃなくてCirr.とすべきなんて言われたりもしましたが、結局はBulb.で落ち着いたみたいですね。

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Bulb.は腐ったような臭いのものもあり、ハエを呼びます。だから、地味な腐肉色です。

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Mcp. tibicinis
背の高い蘭で13本も花茎があることもあり迫力があります。

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すごい迫力。

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C. purpurata fma. carlea
こちらもプルプラタ系のカトレア。リップの淡い色合いが美しいですね。交配系の大きく派手な色合いで見栄えするものが主流ですが、原種はまた別の美しさがあります。


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Phrag. Andean Fire
フラグミペディウムは捻れた花弁が垂れるものが主流ですが、こういう可愛らしいタイプの方が好みです。


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C. Aloha Case
絶妙な色合いのカトレア。


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Den. secundum fma. album
デンドロビウムは種類も多く、姿も非常に多様で面白い蘭です。

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さて、洋蘭もたっぷり堪能しましたから、ようやく外に出ました。鬱蒼としていますが、とりあえず温室を目指します。
写真はトチノキですが、こんなに背が高いトチノキは初めて見ました。街路樹として植えられているトチノキと言うかマロニエは、環境が合わないのか葉が痛みがちであまり見た目がよろしくないですよね。


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セコイアの並木はあまりに巨大。メタセコイヤと交互に植えられて比較できる仕様です。
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この激しい幹肌が良いですね。

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端の方に誰も気が付かないような小さな池があったりします。
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なにやら、花が咲いていますね。何でしょうか?
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Echinodorus grandiflorus subsp. aureus
エキノドルスはアクアリウムに利用される水生植物です。アクアリウムで使われる植物の多くは水中葉と水上葉を持ちますから、このように育てることが出来ます。と言うより、水嵩が増した時とかに一時的に水中葉を展開する場合が多いので、アクアリウムでは割と無理矢理に水中葉を維持しているだけですよね。


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Sarracenia leucophylla
食虫植物のサラセニアも開花中でした。食虫植物は貧栄養の湿地に生える植物です。


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巨大なカナリーヤシ(Phoenix canariensis)の脇に温室があります。長くなったので今日はここまで。いよいよ明日は温室に入ります。


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今年の植え替えは今回で176鉢になりました。本日はフォウクィエリアを中心に植え替えました。しかし、フォウクィエリアは葉がないとなんだか分かりませんね。

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Fouquieria diguetii
ディグエティイは入手から5年目になりますが、なかなか育たず、幹もなかなか太くなりません。2020年1月にヨネヤマプランテイションにて購入。

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根は絡まるようでしたが、結構太くなりました。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ105にサイズアップしました。

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Fouquieria formosa
フォルモサは去年、倍以上に伸びました。2022年7月のビッグバザールにて購入。

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根はやや貧相。と言うか深植えし過ぎて根域が狭いみたいです。
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植え替え後。こちらもプレステラ90からプレステラ105にサイズアップしました。

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Fouquieria macdougalii
ディグエティイも去年は倍以上に伸びました。2021年11月にヨネヤマプランテイションにて購入。

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根が非常に強いですね。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ120に一気に鉢増ししました。幹も太ってきてこれからが楽しみです。

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Euphorbia balsamifera
バルサミフェラは不調です。まったく勢いがありません。根の状態が気になります。

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なんと、根が菌に侵されていました。フカフカしている部分を除くと、残った根はこんなものです。
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植え替え後。殺菌剤を撒きましたが、復活してくれるでしょうか。心配ですね。

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Euphorbia geroldii
トゲなし花キリンのゲロルディイです。寄せ植えなので狭そうですね。2024年5月に鶴仙園にて購入。

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根はよく張っていました。
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植え替え後。プレステラ120でも小さいので5号鉢に植えました。花が楽しみですね。


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岩場に生える植物は、乾燥や土壌の不足、それに伴う栄養素の欠乏など、大変厳しい環境に生きています。岩場は基本的に乾燥しますから、生える植物は多肉化するものも多く見られます。多肉植物の代表格であるサボテンも岩場に生えるものがあり、岩のわずかな割れ目に根を伸ばし、岩上に張り付くように生えます。このような生態が可能な理由は何なのでしょうか? 本日は、岩場に生えるMammillaria fraileanaに着目した、Blanca R. Lopez、Yoav Bashan、Macario Bacilioの2011年の論文、『Endophytic bacteria of Mammillaria fraileana, an endemic rock-colonizing cactus of the southern Sonora Desert』を見てみましょう。

先駆植物と内生細菌
Mammillaria fraileanaは、高さ10〜15cm、直径3cmになる細い円筒形のサボテンです。このサボテンはバハ・カリフォルニア半島南部の東海岸沿いの岩場でよく見られます。多くの個体は土壌がなくても岩の割れ目や岩の表面に生育します。
M. fraileanaが岩場に先駆的に定着するサボテンであると仮定するならば、窒素固定し岩を風化させることが出来る内生細菌を有しているはずです。内生細菌は、植物の根に住む細菌で、植物の生育を支えています。内生細菌は大気の窒素ガスを固定し、酸を放出して岩石を溶かします。このような内生細菌の窒素を固定し岩石を風化させる働きは、植物の生長と土壌形成を促進し、M. fraileanaのような先駆植物の定着を助けると考えられます。


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Mammillaria fraileana
2021年にマミラリアから分離され、Cochemiea fraileanaとなりました。


M. fraileanaの採取と内生細菌の確認
メキシコのバハ・カリフォルニア・スル州、La Paz市の北約2kmにある海岸平野に接する丘陵の尾根に生えるM. fraileanaを採取しました。気候は亜熱帯性で高温で乾燥しています。M. fraileanaが生える岩は、流紋デイサイトや流紋岩からなります。
採取したサボテンの根を消毒し、表面に付着した細菌を除去しました。根を観察すると内部に内生細菌が確認されました。また、種子の内部にも内生細菌が含まれていました。さらに、根から取り出した内生細菌を実生に接種することにより、実生の根に内生細菌の侵入を確認しました。

内生細菌の能力
窒素固定能力
根に含まれる窒素固定細菌は人工的に培養出来なかったため、切断された根の窒素固定能力を試験しました。培地成分を分析しM. fraileanaの根に含まれる内生細菌が窒素固定能力を持つことを確認しました。
リンの可溶化
根から取り出した内生細菌を難溶性の無機リンを含む培地に接種したところ、10の分離株のうち5株はリンを可溶化しました。
岩石の風化作用

粉砕した流紋デイサイトを含む培地に内生細菌を接種したところ、培地に含まれる岩石の小粒子が9%から403%に増加しました。これは岩石の風化を示しますが、培地の酸性化により起こると考えられます。接種1週間後の培地のpHは1.68〜1.86低下しました。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
乾燥した砂漠地帯の岩場と言う極限環境に生えるMammillaria fraileanaは、内生細菌との共生関係により環境に適応している可能性が示されました。岩場は栄養が不足しますが、窒素固定細菌の働きと、岩石を溶かして風化させリンを可溶化する細菌の働きにより栄養を確保しているのです。また、岩石の風化は土壌の形成を意味しますから、サボテンの生長とともに根域と土壌は増加することになります。岩場に生えるサボテンはただ乾燥に強いのではなく、微生物の力も借りて極限環境を生き抜いているのです。



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今年の植え替えは今回で171鉢になりました。流石にそろそろ植え替えも終えたいところです。

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Hawortiopsis resendeana
いわゆる「紫翠殿」です。H. resendeanaは、現在は九輪塔H. coarctata v. coarctataの異名となっています。2022年10月にタナベフラワーにて購入。

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株の根元の根は枯れて、新しい根が伸びていました。どうやら、古い根が前回の植え替えで取りきれなかった古い用土を抱え込んだまま、過湿になって枯れたようですね。
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植え替え後。古い根は駄目になっていたものの、生育自体は旺盛です。

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Hawortiopsis scabra var. starkiana
いわゆる「風車」のダルマ型です。一般的にはH. starkianaと呼ばれていますが、現在はスカブラの変種とされています。2022年3月に鶴仙園にて購入。
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根は非常に強いですね。
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植え替え後。ダルマ型だと「風車」具合がイマイチなので、普通のタイプも欲しいですね。

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H. fasciata DMC 05265
フィールドナンバーつきのファスキアタです。2022年3月に鶴仙園にて購入。

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根の勢いは大変なものです。
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植え替え後。国内ではファスキアタは割と貴重ですから、大事にしたいですね。

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Aloe somaliensis
ソマリエンシスは絶不調です。真夏は葉が枯れがちになりますが、この時期だと早すぎます。しかも、この激しい枯れ具合はヤバい気がします。2022年2月に鶴仙園にて購入。

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おっと、これは非常に不味い。根がまったくありません。別に過湿にした覚えはないのですが…
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植え替え後。と言うか植え付け後。根が出て復活してくれるでしょうか?

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Euphorbia magnifica
マグニフィカは末期です。冬の間に地際から枯れ始めました。Monadenium magnificumとされていましたが、モナデニウムがユーフォルビアに吸収されたため、今はユーフォルビア属です。2022年7月にシマムラ園芸にて購入。

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もうベコベコに凹んで、カスカスです。
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枯れ始めたのが真冬でしたから何も処置出来ませんでした。どういう訳か、枯れはここで止まり、なんと何本か根が出てきました。
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枯れてはいますが意外にも根の張りはよく、あまり根腐れ感はありません。一体何だったのかよく分かりません。
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植え付け後。枯れた部分をカットしました。葉も出かけていますから、意外と復活するかも知れません。


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最近の花キリンの様子です。本日は開花しているもののみ取り上げました。

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Euphorbia primulifolia
プリムリフォリアがいつの間にやら開花していました。プリムリフォリアは葉が大きく茂るため、葉が出てしまうと花が分からなくなります。学名は、葉がプリムラ(サクラソウ属)に似ているため、「プリムラ+葉」です。


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Euphorbia begardii
ベガルディイもよく咲いています。プリムリフォリアの変種とされてきましたが、ベガルディイは葉が小さく光沢があり葉脈が目立ちません。


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Euphorbia subapoda
プリムリフォリアに近縁と思われる花キリンのスバポダです。葉縁が少し波打ちます。

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Euphorbia decaryi
一般的にはEuphorbia francoisiiと呼ばれているデカリイが開花しています。まあ、冬の間もずっと咲いてはいましたが。ちなみに、一般的にE. decaryiと呼ばれている花キリンは、E. boiteauiとされています。


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Euphorbia crassicaulis
クラシカウリスも開花しています。デカリイ同様、咲き続けます。


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Euphorbia tulearensis
ツレアレンシスも周年開花するタイプの花キリンです。


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Euphorbia cylindrifolia
キリンドゥリフォリアもやはり周年開花します。


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Euphorbia delphinensis
デルフィネンシスは冬の間も開花していましたが、花はクリーム色でした。しかし、外に出したところ、花色にやや赤味が増してきました。


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今年の植え替えは今回で166鉢になりました。一昨年は約100鉢、去年は今頃の植え替えは136鉢で終了しましたから、毎年植え替える数が増えてしまっています。

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Gasteria bicolor
うっかり植え替え前の写真を撮り忘れました。ビコロルですが、G. obliquaの異名となっています。しかし、えらく縦長なタイプですね。ガステリアはこのように同種でも形が大きく異なる場合が良くあります。そのため、分類が非常に難しく、異なるタイプにいちいち名前をつけたため、後に大混乱を引き起こしました。

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根は悪くありませんが、非常に浅いですね。
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植え替え後。なかなか花が咲きません。ガステリアの花は好きなので楽しみにしています。

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Gasteria batesiana
こちらも植え替え前を撮り忘れました。回転しかかっているバテシアナです。2022年10月にタナベフラワーにて購入。

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根は非常に強いですね。
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植え替え後。こちらは花茎がでています。

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Gasteria carinata
カリナタも植え替え。非常に生長が早くよく開花します。2022年6月に鶴仙園にて購入。

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根は意外と浅いですね。
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植え替え後。よく育つのはいいのですが、葉が反り返るため、他の多肉植物と並べると邪魔になります。隙間なく鉢を並べたいのですけどね。

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Gasteria verrucosa
ヴェルコサも植え替えます。現在はG. carinata v. 
verrucosaとされているようです。2023年6月のビッグバザールにて購入。
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植え替え後。やや葉が薄いような気がしますね。置き場所を変えてみます。

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Haworthiopsis koelmaniorum
コエルマニオルムがようやく見られるくらいに育ちました。。2022年4月のビッグバザールにて購入。

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根はよく張っています。
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植え替え後。コエルマニオルムは均整がとれた美しい多肉植物で、私のお気に入りです。大事にしたいですね。


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サボテンや多肉植物も、自生地では周辺に住む人々の生活のために利用されていたりします。例えば、Bowieaのように薬用植物としての利用は一般的ですが、Euphorbia pulvinataのように多岐にわたる日常的な便利グッズとして日々の生活に溶け込んでいるものもあります。サボテンはその利用が活発で、ペヨーテやサン・ペドロの幻覚作用をシャーマニズムに利用したり、果実を収穫するだけではなく、枯れた柱サボテンの骨格を材として利用するなど様々な利用方法があります。このように、地域ごとに様々な植物を利用して人々は生活しているのです。本日はアフリカ大陸東岸のタンザニアにある、ザンジバル諸島の1つであるペンバ島におけるアロエの利用方法について見ていきましょう。参照とするのは、Salim Khamis Saidらの2023年の論文、『The uses and management of an endemic and endangered species of Aloe pembana in Pemba Island of Zanzibar』です。

ペンバ島のアロエ
ペンバ島(Pemba Island)は、タンザニア本土から役割56キロメートル離れており、40万人ほどの人口があります。ペンバ島にはAloe pembanaと言うペンバ島固有のアロエが自生しています。しかし、保全は行われておらず、絶滅する可能性があります。
海水面の上昇により海岸の侵食が激化し、A. pembanaの海岸沿いの岩場に生えるものが失われています。また、気候変動により降水量の減少や熱波、干ばつなどの異常現象が頻発し、A. pembanaを弱らせています。


人為的な問題
しかし、Aloe pembanaの最大の脅威は人間の活動です。それは、農業開拓や伝統医学のための採取であり、将来の世代のための保全は行われていないため、絶滅の危機に瀕しています。
調査では回答者の97%がA. pembanaを伝統医学に使用していると回答しました。

葉の利用
A. pembanaを外用薬あるいは内服薬として利用する場合、いくつかの調剤方法があります。
主な方法は、A. pembanaの葉を細く切り、煮込んでから冷まします。患者はこの汁を1日3回、伝統医の指示に従って飲みます。A. pembanaの葉は、煮込むか3時間以上水に浸しておく場合もありますが、煮ると苦みが軽減されると言われています。この処方では、マラリア、腹痛、月経、中絶、糖尿病、血圧、ヘルニア、便秘、インポテンツ、出産時の鎮痛などのために使用されます。
A. pembanaの葉を叩いたりすり潰したものを、患部に1日2回、これを1週間から3週間塗布すると、徐々に症状が緩和します。主に炎症の治療に使用されます。また、A. pembanaの葉の樹液を、そのままあるいはココナッツオイルと混ぜてボディーローションとして皮膚病の治療に用いることができます。


花の利用
A. pembanaの花は、コクシジウム症、ニューカッスル病、アスペルギルス症、さらには感染性の気管支炎などのニワトリの急性熱帯病の治療に使用されています。A.pembanaの花を水に浸し、その水をニワトリに飲ませます。

アロエとジェンダー
男女に共通したA. pembanaの利用目的は、腹痛、血圧、便秘、糖尿病、解毒、マラリア、皮膚病、腫れ、潰瘍の治療でした。また、男性はヘルニアやインポテンツ、女性は月経や出産時の痛みに対して使用されています。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
実に様々な用途にアロエが利用されていることが分かります。実際の薬としての有効性は分かりませんが、生活の中にこれだけ浸透しているからですから、ペンバ島民にとっては重要な植物であることは間違いありません。また、Aloe pembanaと言うより、アロエ自体の効能からして、いくつかの効能は期待できそうではあります。しかし、この手の野生植物の薬効については、あくまで薬草的なポジションですから、劇的な効果は期待すべきではありません。
さて、論文でも指摘されていましたが、葉を採取する時に古い下の葉から取ればまだ良いのですが、新しい葉も無選別に採取してしまっているため、植物へのダメージが強いようです。
Aloe pembanaは島の固有種であり、他に存在しない稀有なアロエです。現在の野放図な利用を続けていれば、やがて絶滅してしまうでしょう。これだけその利用が一般的なら、Bowieaや矢毒キリンのように家の周りで栽培して、必要量を賄う方が良さそうです。果たしてこの貴重なアロエは、将来的な絶滅を避けることが出来るのでしょうか? 


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植え替えばかりしていますが、よく見るといつの間にか花を咲かせていたりします。とは言え、本日はハウォルチアの花ですから、実に地味ではありますけど。

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Haworthia scabra v. scabra JDV 95/17
フィールドナンバーつきのスカブラです。どうやら葉が渦を巻くタイプのようです。あと2、3年したらもっとはっきりするでしょうね。

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絶賛開花中。
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花はこんな感じ。ちょっと珍しい花色に見えます。
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花弁の内側はやや紅色系で、外側は緑色ではなくて透き通っています。面白いですね。

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Gasteria nitida
ニティダは今年2本目の花茎が伸びてきました。1本目は拗れてしまい少ししか咲かなかったので、これは楽しみです。


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Zamia integrifolia
インテグリフォリアの新葉が美しいですね。去年はまさかのシャクトリムシに葉をやられました。


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Haworthia arachnoidea
アラクノイデアは冬の間に根腐れを起こしてしまい、草姿が乱れていますが平然と開花しています。雑草のような強さです。
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花は濃緑のラインが美しいですね。やや根元が膨らむようです。

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Haworthia mucronata v. mucronata JDV 90/111
フィールドナンバーつきのムクロナタですが、花茎が伸びてきました。しかし、ムクロナタはとにかく増えて仕方がありません。少し整理してスッキリさせたいですね。


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相変わらず植え替えばかりしています。今年の植え替えは今回で161鉢になりました。今月はもうこれと言った多肉植物のイベントはなさそうですから、しばらくはのんびりしましょう。

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Gymnocalycium bayrianum
バイリアヌムはあまり動きがないので少し心配です。2023年5月の木更津C & Sフェアにて購入。

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根は弱いですね。しかし、新しい根も出ていますから、今年は期待しましょう。
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植え替え後。

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Euphorbia sapinii
去年のサピニイはあまり葉が出ませんでした。2022年4月のビッグバザールにて購入。

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根はかなり太っていました。問題はなさそうです。
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植え替え後。鉢底についてしまいそうでしたから、少しだけ浅植えしました。

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Euphorbia submammillaris f. pfersdorfii
プフェルスドルフィイはホムセンで弱っていたものを救出したものです。2020年3月にコーナン港北インター店にて購入。

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根は勢いがあります。
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植え替え後。ホムセン時代に出来た樹皮は治りませんが、もっと育てば目立たなくなるでしょう。

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Fockea edulis
いわゆる「火星人」ですが、育ちが良いので植え替えます。

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塊根はよく太っています。明らかにプレステラ120では小さ過ぎます。
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植え替え後。6号鉢に植えました。蔓と根ばかり伸びて、地面から出した塊根はあまり育ちません。埋めておいた方が太るのが早いのかも知れませんが、まあ焦る必要もないのでこのままいきます。


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最近、Aloe bowieaと言うアロエを植え替えました。なので、A. bowieaについての記事を書いたりしました。


この論文ではA. bowieaを命名したHaworthは、南アフリカで植物を採取しキュー王立植物園に送ったJames Bowieの植物を記載したとありました。しかし、A. bowieaを採取したJames Bowieについての記述はそれだけでした。もとよりJames Bowieはキュー王立植物園が送り込んだ2人目のイギリス人プラントハンターでした。しかし、キュー王立植物園の派遣したプラントハンターと言えば初代のFrancis Massonが有名ですが、何故かJames Bowieについては言及されません。ですから、このJames Bowieの半生を振り返って見ましょう。参照とするのは、Gideon F. Smith & A. E. van Wykの1989年の論文、『Biological Notes on James Bowie and the Discovery of Aloe bowiea Schult. & Schult. (Alooideae: Asphodelaceae)』です。

2代目プラントハンター
Francis Massonは1772年よりキュー王立植物園のガーデナーとして働きはじめました。南アフリカへの派遣はJoseph BanksによりGeorge3世を説得して実現しました。Massonの忍耐力と熱意は誰にも負けないものでした。
James BowieはMassonの後継者として喜望峰に派遣されました。Massonが去ってから22年後のことです。Bowieはロンドンの種苗業者の息子でしたが、21歳近くになったBowieはキュー王立植物園に就職し、4年間ガーデナーとして働きました。1814年、Bowieと同僚のAllan Cunninghamは、植物の収集のためブラジルに派遣されました。その後、Bowieは喜望峰へ、Cunninghumはオーストラリアに派遣されることになったのです。


喜望峰へ
1816年9月28日、Bowieは「Mulgrave Castle」号に乗り、11月にTable湾に到着しました。到着から18ヶ月はケープタウン周辺の収集に専念しました。Bowieは主に園芸的な植物を栽培し、キュー王立植物園に送っていました。Bowieは1818年3月23日に南アフリカ内陸部への最初の収集旅行を開始します。この旅では西はケープタウンとCaledonから、東はKnysnaとPlettenberg湾までを探索し、海岸沿いのコースを通り、10ヶ月後にケープタウンに戻りました。Bowieは1819年1月14日にケープタウンに到着し、おそらくは3ヶ月ほどかけて収集した植物をキュー王立植物園に送るのに費やしました。

2回目の収集旅行
1819年4月9日、BowieはKnysnaに向かい、町の公証人であり開拓者でもあるGeorge Rexのもとに滞在しました。ちなみに、このRexはGeorge王子(後のGeorge3世)の嫡子であると言う根拠のない伝説があります。さて、RexはKnysnaで多くの博物学者を迎えています。BowieがMelkhoutkraalで採取した植物の1つに献名されており、Streptocarpus rexiiがあります。BowieはRexの同行により1820年1月22日にケープタウンに戻りました。

3回目の収集旅行
Bowieの3回目の旅は、Bushmans川、KowieとGrahamstownまで東に向かいました。時期的にはBowieが2回目の旅から戻ってすぐと考えられます。1820年3月9日にはKnysnaに来ていました。RexがケープタウンからKnysnaまで同行しました。約1年間続いた3回目の旅はさらに東へ向かいました。1821年1月15日にAlgoa湾から出航し、1月29日にはTable湾に到着し5月23日まで滞在しました。

4回目の収集旅行
1821年5月24日、Bowieはケープタウンから出航し、6月5日にAlgoa湾に到着しました。当時、あまり知られていなかった植民地の東部と南東部をより徹底的に探索し、North-East Cape州にまで進みColesberg付近で植物を採取しました。
Bowieは1822年6月1日から9月22日までRexと共にKnysnaに住み、やがて陸路でケープタウンに戻りました。

訃報
1820年6月19日、Bowieらを支援していたBanks卿が亡くなりました。その2年後、下院においてBowieのような収集家への支給額を半減させることが決定されました。これにより、CunninghumかBowieのどちらかを呼び戻すこととなりました。どうやら、Bowieの節制を怠る癖と、収集任務なや対する忍耐力の無さから、Bowieが呼び戻されることになりました。
1823年5月23日、アフリカ大陸部への4回目の航海から6ヶ月後、「Earl of Egremont」号に乗りケープタウンからイギリスに向け出航しました。St. Helenaで休憩した後、1823年8月15日にロンドンに到着しました。


帰還
Bowieはキュー王立植物園に雇われず、収集した植物標本を作る作業に費やしました。夜はパブでケープやブラジルでの冒険などを自慢したと言います。こうした飲酒のせいで、Bowieはアルコール中毒になってしまいました。イギリスで無為に4年間を過ごした後、自然史標本の収集家になるべく1827年4月に「Jessie」号で南アフリカに向かいました。

再び喜望峰へ
ケープタウンに移住してから約9年後の1836年までに、BowieはKloof StreetのCarl von Ludwig男爵のガーデナー兼収集家として雇われたようです。この契約は5年と続かず、1841年までに園芸指導や検査、集めた植物の販売でわずかな生計を立てていました。
Bowieは南アフリカに戻ってからの42年間、ケープで非生産的な生活を送りました。自然史標本の輸出をしていたVillet and Sonの事業を継ごうとして失敗し、ケープの植物園の学芸員になる希望も叶いませんでした。その後、ケープバルブの販売で生計を立てようとするも失敗し、苗床のための土地取得すら出来ませんでした。
晩年は健康状態が悪化し、慈善活動としてケープタウンのRalph H. Arderneの素晴らしい庭園の庭師として雇われました。James Bowieは1869年7月2日に亡くなり、ケープタウンに埋葬されました。Bowieが収集した標本は、今でも大英博物館とキュー王立植物園に保管されています。

最後に
以上が論文の簡単な要約となります。論文ではJames Bowieに献名された、Bowiea africana(=Aloe bowiea)の命名に関する議論が展開されますが、今回は割愛しました。
しかし、当時は移動手段も限られており、植物を収集するために僻地に入るプラント・ハンターは命懸けでした。東アジアで活躍した有名・無名のプラント・ハンターたちについて書かれた本を読んだことがありますが、病気で客死したり、中にはトラブルに巻き込まれて殺害されるケースもありました。大抵は道なき道をゆく冒険的なもので、時代的なものを加味すれば大変な辛苦があったでしょう。James Bowieの旅については分かりませんが、舗装された道路を何の苦労もなく自動車で移動したわけではないはずです。その苦労の結果はと言うと、正直あまり明るいものではありませんでした。しかし、Aloe bowieaの学名の中にBowieの名前は残っており、この名前はこれからも使われ続けます。さらに、Bowieの残した標本は貴重な資料として、将来行われる研究を支えるはずです。Bowieの後半生は無念であったかも知れませんが、その名前はいつまでも語られていくでしょう。


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今日は何となくアロエ特集です。小型のアロエが好みなので、コンパクトなものがほとんどです。

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Aloe saundersiae (Reynolds) Reynolds, 1947
シャープな葉のサウンデルシアエです。群生するタイプのようです。最初は1936年にLeptaloeとされたアロエです。湿った草地に生えるそうですが、家畜の踏みつけなどにより減少しているそうです。南アフリカ原産の絶滅危惧種。

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Aloe parvula A.Berger, 1908
女王錦と言う名前もあるパルヴラです。トゲがなくニクイボに覆われますが、何となくクモヒトデを連想させます。ちなみに、異名としてA. sempervivoides、さらにLemeeaとされたこともあります。マダガスカル原産。


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Aloe calcairophila Reynolds, 1960
アロエは子苗のうちは
二列性ですが、育つと回転し始めます。しかし、カルカイロフィラは二列性のまま育つ珍しいアロエです。しかし、せっかくの強いトゲは内向きで、あまり役にたっていなそうです。そう言えば、多肉植物のイベントでカルカイロフィラは最近では割と見かけますね。ちなみに、Guillauminiaとされたこともあります。マダガスカル原産。

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Aloe fragilis Lavranos & Roosli, 1994
美しい斑が入るフラギリスです。ワシントン条約の附属書Iに記載されており、国際取引が規制されています。マダガスカルの小型アロエ。


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Aloe bakeri Scotto Elliot, 1891
バケリはやや生気がありません。強光や暑さにあまり強くない印象です。バケリは野生絶滅種ですが、栽培された個体が維持されています。石材採取のために自生地が破壊されてしまいました。Guillauminiaとされたことがあります。ちなみに、1902年にA. bakeri Hook.f. ex Bakerと言う同名のアロエが記載されましたが、これはA. percrassaの異名となっています。マダガスカル原産の岩性種。


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Aloe florenceae Lavranos & T.A.McCoy, 2004
マダガスカル原産の高地性アロエですが、特別に夏に弱いと言うわけではないようです。青白く均整のとれた姿の美しいアロエです。花は黄色で甘い香りがあります。2004年に記載された割と新しいマダガスカル原産のアロエ。


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Aloe descoingsii Reynolds, 1958
デスコイングシイは最小のアロエと言われていますが、葉が短いだけで幅はありますから何やら寸詰まりに見えます。我が家のデスコイングシイは葉が枯れがちなんですよね。もっと湿っぽくするべきでしょうか。ちなみに、Guillauminiaとされたことがあります。


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Aloe albiflora Guillaumin, 1940
アロエには珍しく白い花を咲かせるアルビフロラです。「雪女王」の名前もあります。このように細長い葉を持つ小型アロエはいくつかありますが、アルビフロラは葉が立ち上がります。
ちなみに、Guillauminiaとされたことがあります。

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Aloe haworthioides Baker, 1887
有名な小型アロエのハウォルチオイデスです。葉の長さではなく1枚あたりの葉の質量では、アロエの中でも最小かも知れません。トゲはなく毛に覆われます。とても丈夫で育てやすい小型アロエです。乾季には完全に乾燥するらしく、かなり乾燥には強いみたいです。
ちなみに、AloinellaあるいはLemeeaとされたことがあります。

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Aloe thompsoniae Groenew., 1936
トンプソニアエはやや萎みがちかも知れません。高地の雲霧林に生えるため、湿気を好む可能性があります。トンプソニアエはトンプソン夫人により発見されたアロエです。極僅かにトゲがありますが、目立たずあまりアロエに見えません。南アフリカ原産。


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Aloe fleuretteana Rauh & Gerold, 2000
フレウレテアナの花茎が伸びて来ました。日を浴びて美しく色付いています。2000年に記載されたマダガスカル原産の小型アロエ。

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Aloe bergerii?
こちらは正体不明の謎のアロエです。A. bergeriiなる聞いたことがない名札がついていました。1番近いのは、多分Aloe bergerianaですけど、これは旧コルトリリオンですから明らかに違いますよね。外見的にはA. albifloraに少しだけ似ていますが、調べるとA. albifloraに似ているアロエとして、Aloe bellatulaが挙げられていました。まあ、私の謎アロエと割と似ています。A. bergeriiはA. bellatulaの誤記かも知れません。しかし、謎アロエは葉の上面が割と平らで溝がほとんど入らないように見えます。まあ、生育環境や個体差がありますから、ちょっと判断が難しいですね。あと、Aloe perrieriも似ています。さらに言えば、A. perrieriに似たAloe aff. perrierはかなりそっくりです。まあ、写真映りが良いだけと言う可能性もあります。とにかく、開花したらわかるかも知れませんね。長々と迷推理を展開してきましたが、結局は交配種かも知れませんから、このような札落ち品に名前をつけてヤフオクとかに流すのはご法度。どれほど詳しくてもシロウトの鑑定なんて当てになりませんからね。


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先日、東京流通センターで開催された6月のサボテン・多肉植物のビッグバザールでの購入品を早速植え替えました。そう言えば、今回のBBは出店数が50オーバーと言うとてつもない規模だったようです。

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Euphorbia suzannae-marnierae
スザンナエ-マルニエラエらしき花キリンです。外で撮影したら意外と明るい花色なので、アンボボンベンシスではないかも知れません。

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塊根はまだでき始めと言ったところ。
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植え替え後。鉢はそのまま利用しました。我が家の環境と水やり頻度に合わせた用土に替えました。

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Dasylirion serratifolium
ダシリリオンも植え替えます。鉢が小さいですね。

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用土が少ないので根はこんなものです。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。

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Aloe pseudoparvula
プセウドパルヴラは化粧砂の下が気になります。2004年に記載された割と新しく知られたアロエ。

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おっと、これはピートモス主体の排水性がない用土でした。気付かないで水やりしていると根腐れをおこしてしまいます。
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植え替え後。根を軽く洗ってピートを落としました。

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Euphorbia sepulta
おそらくは挿し木であろうセプルタの根はどうでしょうか? ソマリアものですから貧弱かも知れません。

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思ったよりしっかりしていますね。ギムノカリキオイデスより丈夫かも知れません。
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植え替え後。高地性のソマリアものですから、育て方に悩みます。接ぎ木が一般的なようですが…

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Haworthiopsis longiana
ロンギアナは割と大きいので、鉢が小さいかも知れません。
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根の張りは非常に良いですね。非常に強い感じがします。
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植え替え後。プレステラ105に植えました。

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Adenia kirkii
キルキイは芋感が強いですが、地下はどうなっているでしょうか?

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塊根が意外と発達しています。なんだか青首大根みたいですね。
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植え替え後。鉢が小さいのでプレステラ90に植えました。根が長いので、少し塊根を出しています。


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5月は忙しく多肉植物のイベントにはまったく行けませんでしたが、6月に入りようやく落ち着いてきました。と言うわけで、開催地が東京流通センターに変わって初のビッグバザールに参加してきました。
いつもと同じように開場後に到着しましたが、なんとまだ外に行列ができていました。今回は出店数も過去最高とのことですが、お客さんの入りも過去最大なのかも知れませんね。10時20分過ぎにセンタービルに入りました。会場を探すために彷徨うことはなかったのは良かったのですが、並ぶのは割とウンザリします。

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会場内は混雑していましたが、思ったほどではありませんでした。開場直後にしては余裕がありしたね。会場が広かったからかも知れません。全てを丹念に見るのは大変なので、1周目はまあ歩きながら流し見しました。それからは、結局はお馴染みのお店に行ってしまいました。まずは、X-PLANTSでユーフォルビアを物色し、お次もユーフォルビアを物色。店名を忘れましたが、過去に木更津C&FでFouquieria leonilaeを購入したことがあります。次に高見澤園芸で硬葉系ハウォルチアを購入し、最後はラフレシア・リサーチです。Operculicarya hyphaenoidesの実生の抜き苗が安かったのですが、ちょっとデカすぎました。もうちょい小さいうちから育てたいので購入せず。安くてお買い得でしたが…。また、小さなボレアリス苗もありましたが、最近はアデニアが気になるので、アデニアの実生苗を購入しました。
と言うわけで1時間もせずに退却しました。とは言え今回は割と安かったため、最近のBBでは珍しく沢山買ってしまいましたから大満足でした。

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ダシリリオン セラティフォリウム
Dasylirion serratifoliumですが、1838年に記載されたD. 
serratifolium (Karl. ex Schult. & Schult.f.) Zucc.と1872年に記載されたD. serratifolium Bakerがあります。後者はD. glaucophyllumの異名です。輸入種子は異名で流通していたり、近縁種が混同されがちです。葉の青白さはD. glaucophyllumに見えますが、もうちょっと育たないと分からなそうです。

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ユーフォルビア スザンナエマルニラエ
Euphorbia suzannae-marnieraeですが、どうでしょうね。国内に流通しているスザンナ-エマルニエラエは、基本的にアンボボンベンシスだと聞きましたが、この個体は葉が長めなのでそれっぽくあります。ただ、花の雰囲気がアンボボンベンシスなんですよね。以前もスザンナエ-マルニエラエ名義のアンボボンベンシスを買いましたから、なんだかアンボボンベンシスのタイプ違いを集めているだけのような気もしますが…。

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Euphorbia sepulta
ソマリアものです。国内では最近出てきましたが、割と高額でした。しかし、接ぎ木で出てきた子株を挿し木して増やしているのでしょう。ギムノカリキオイデスと同じパターンです。ギムノカリオイデスはなかなか値下がりしませんでしたが、セプルタはあっという間に価格が崩壊しましたね。まあ、人気が出なかったのでしょう。


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Aloe pseudoparula Clone D
ついにプセウドパルヴラを買ってしまいました。今日はアロエは無視するつもりでしたが、目に入ってしまったので仕方がありません。毎度、BBのとあるブースでプセウドパルヴラがあって気にはなっていたものの、結構なお値段でしたからついぞ買わないうちに、売れたのか見なくなりました。一期一会と諦めていましたが、ホムセンの名無しの交配アロエくらいの値段でしたから買っちゃったわけです。
しかし「クローンD」って何でしょうね? 家について名札を抜いてみたら、なんかそう書いてあったのですが。

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Haworthia longiana
2013年にHaworthiopsisとなった硬葉系ハウォルチアのロンギアナです。硬葉系ハウォルチアは19種類ありますが、手持ちはこれで16種類目になります。入手しやすい種類は大方入手しましたから、最近は変種やタイプ違いばかりでしたね。


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Adenia kirkii
まったくアデニアは詳しくないのですが、つい買ってしまいました。アデニアは葉が美しいので最近気になっています。残念ながら帰宅時の揺れで葉やツルをやられてしまいましたが、まあ大丈夫でしょう。

なにやら、いつも以上にはしゃいで沢山買ってしまいましたが楽しめました。今回の傾向はと言うとよく分かりません。出店が多すぎて私もよく把握出来ませんでした。しかし、まああれだけの物量でしたから、何でもあったかも知れませんね。と言うわけで、2024年6月のサボテン・多肉植物のビッグバザールでした。


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今年の植え替えは今回で151鉢になりました。そう言えば、明日はいよいよビッグバザールですね。五反田TOCビルではなく、東京流通センターで開催されます。寝ぼけて五反田に行かないように気を付けなければ。

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Euphorbia persistens
ペルシステンスは植え替える予定はなかったのですが、ウッカリして鉢をひっくり返してしまいました。慌てて植え替えました。
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植え替え後。ペルシステンスはE. clavigeraの異名となっていますが、特徴がやや異なるため園芸的には別種扱いされています。

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Euphorbia delfinensis
デルフィネンシスはどうにも窮屈そうです。水やりも面倒くさい感じです。2023年10月にタナベフラワーにて購入。

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根はミッシリと詰まっていました。
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植え替え後。5号鉢に植え替えましたが、ちょうど良いサイズですね。デルフィネンシスはクリーム色の目立たない小さな花を咲かせます。しかし、調べて出てくるデルフィネンシスの花色は赤色だったり黄色だったり、花のサイズも、大きかったり小さかったり、何が正解かよく分かりません。色々な種が混同されていそうですね。

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Euphorbia alluaudii
ちょっと日に当てすぎたアルアウディイです。2022年6月に鶴仙園にて購入。

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根は良さそうですが、何やら固まっていますね。
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植え替え後。去年は日に当てすぎたのか、生長はイマイチでした。今年は気を付けたいですね。

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Euphorbia clivicola
去年、菌核菌に感染してしまったクリヴィコラです。根が裂けて黒いつぶつぶ=菌核が出来ていました。根を根元まで切断するのが早いのですが、時期が悪く出来ませんでした。仕方がないので、冬の間は殺菌剤を繰り返し灌注していました。どうなっているでしょうか。

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根はきれいでした。根の裂けた傷跡はありましたが、菌核はなくなったようです。一応、根の先端を切断して死んだ部分を取り除いておきました。
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植え替え後。細根がないため吸水出来ずシワシワです。しばらくは経過観察ですかね。

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Euphorbia longetuberculosa
ロンゲツベルクロサはどういうわけか、冬の間に著しく生長しました。何やら妙に繊細な感じがするユーフォルビアです。2022年11月のビッグバザールにて購入。

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根は貧相ですね。しかし、弱っているわけではなさそうです。
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植え替え後。どうにもぐらつくので、やや深植えしました。

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Gymnocalycium berchtii TOM 6/481
フィールドナンバーつきのベルクティイです。埋もれるように育ちます。2022年9月にビッグバザールにて購入。

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根はよく張っています。塊根が出来ていますね。
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植え替え後。生長は緩やかですが根の状態が良いので安心しました。


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今年の植え替えは今回で145鉢になりました。今年の植え替えは大したことがないつもりでいましたが、思いの外多く中々終わりません。

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Euphorbia polygona
生長点が潰れたポリゴナです。子株がモリモリ出ています。2020年1月にシマムラ園芸にて購入。

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根は動きが鈍そうです。そろそろ子株は外して育てた方が良いかも知れませんね。
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植え替え後。少しづつ子株を外します。

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H. tuberculata v. subexpansa
現在はH. scabra v. scabraに含まれています。2024年5月に鶴仙園にて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。渋く実に美しい多肉植物です。

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Euphorbia anoplia
アノプリアは良く子を吹くため、如何にも窮屈そうです。現在、アノプリアやホリダは、すべてE. polygonaに含まれることになりました。アノプリアはトゲがなく小型の矮性タイプといった感じでしょうか。

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今回は子株はすべて外しました。
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アノプリアは子株が地下に出来るため、とんでもない形だったりします。
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植え替え後。スッキリしましたね。増やしても仕方がないので子株は廃棄と相成りました。

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新鳳頭
新鳳頭も植え替えます。2022年1月に鶴仙園にて購入。

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根はまあ悪くはないといった感じです。
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植え替え後。生長は非常に緩やかです。もうちょい頑張ってほしいですね。

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Gymnocalycium vatteri
近年よく見るタイプのバッテリーです。こちらも調子はイマイチでした。2020年11月に鶴仙園にて購入。

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根はまあまあ。
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植え替え後。

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H. attenuata RIB 0060
フィールドナンバーつきのアテヌアタです。開花中ですが植え替えます。2024年3月のJSS春の多肉市にて購入。

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根が非常に良いですね。同じブースで購入したものはみな根張りが素晴らしかったので、相当育て方が良いのでしょう。
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植え替え後。野生由来とは思えない非常に明るい色合いで、鑑賞価値が高いですね。


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久々ですが新刊案内です。植物関係ではありませんが、私個人の長年の疑問に答える良書が出版されたので記事にしたいと思います。それが、2024年4月に刊行された小林憲正 / 著、『生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか』(講談社ブルーバックス)です。これは簡単に言うならば、生命の起源と地球外生命体に関する本です。しかし、地球外生命体と言ってもオカルト的なものではありません。あくまでも、科学的な話です。

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さて、私が気になっていたのは、生命が誕生する確率の話でした。生命の誕生は恐ろしく低い確率であり、地球上の生命誕生は奇跡であるとよく言われていたものです。しかし、個人的にはおかしな話だと感じていました。なぜなら、生命誕生の確率と言ってはいるものの、それは実際には地球上で現在の生命が誕生する確率に過ぎないからです。同じように聞こえますが、生命の形は必ずしも地球型である必要はなく、構成成分などは異なっていても良いわけです。この議論の最大の問題は、我々が地球型生命しか知らないと言うことです。そのため、地球外生命体の話でも、何故か地球型の生命が地球外に存在するのかと言う、非常に狭く限定的な議論しか出来ません。しかし、本書では恐ろしく射程の広い議論が展開されております。

また、私が驚いたのは、アミノ酸生成の簡単さです。長らく原始地球を想定したアミノ酸生成は難しいと考えられていましたが、ミラーの放電実験によりアミノ酸の生成が可能であることが示されました。ところが、後にミラーの想定した原始大気は誤りであることが分かりました。ですから、振り出しに戻ったような気がしていました。しかし、ミラーの放電実験の後にも、様々な組成で原始大気からのアミノ酸生成実験は世界中で行われていたのです。その結果と言えば、様々な組成の混合気体でもアミノ酸はあっさりと合成されているのです。さらに、雷を想定した放電だけではなく、陽子線などの様々なエネルギーによってもアミノ酸が出来てしまうと言うのです。これは大変な驚きでした。思うに複数要因でアミノ酸は生成され、しかもその組成が変わってもアミノ酸は生成されうることが示されたのですから。

中心議題ではない部分ばかりをほじ繰り返してばかりで申し訳ないので、本書のキモについても少し述べさせていただきます。1つは化学進化の解説とRNAワールド仮説に対する疑問、そしてがらくたワールド仮説の提唱です。核酸とタンパク質のジレンマは、RNAが触媒作用を持つリボザイムの発見により解決したかに見えました。しかし、肝心のRNAの生成は困難であることが分かりました。著者は化学進化に着目します。アミノ酸生成により生体に使用されない大量のアミノ酸が生成されます。著者はこの「がらくた」を含んだ生成物の世界=がらくたワールドがアップデートされて生命に繋がったと考えています。この仮説は0→1でなはなく、中途段階を想定しています。著者はスペクトラムと表現していますね。

さて、長々とよく分からない感想をぐだぐだ述べて来ましたが、とにかく面白い本でした。私の感想以外の部分、例えば宇宙探査の話もありますし、生命の起源を巡る議論もあります。生命の始まりや地球外生命を考えるならば、逆に生命とはそもそも何者なのかを考えなければなりません。私は仮定の生命から生物を知ると言う逆説的な経験をしました。生物をより理解する契機として本書をお勧めします。


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6月に入りましたが、少し忙しさが和らいだ感があります。6月の主な多肉植物のイベントはビッグバザールぐらいなものでしょうか。木更津C&Sフェアはいけませんでしたから、BBは必ずいきます。しかし、今回からは東京流通センターでの開催です。会場はどんな感じなんでしょうかね?

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Cycas revoluta
ソテツの葉がぐんぐん伸びています。巻いていた葉が解ける様子が面白いですね。


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Zamia furfuracea
フルフラケアの葉が展開仲ですが、第二弾の葉が見えています。

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しかし、よく見ると花芽が見えています。まあ、相手がいないので種子は採れません。

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Euphorbia guillauminiana
グイラウミニアナも元気そうです。


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Euphorbia viguieri
ヴィグイエリが開花していますが、1つしか花がつかなかったのでショボくはあります。


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Euphorbia hedyotoides
ヘディオトイデスが、その名を冠したhedyotoides型分岐を始めました。
hedyotoides型分岐では短枝と長枝を交互に繰り返し出します。

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Euphorbia suzannae-marnirae(?)
E. suzannae-marniraeの名前で入手したユーフォルビアですが、国内ではE. ambovombensisらしき花キリンがスザンナエ-マルニラエの名前で流通しているらしいです。まあ、特徴的にアンボボンベンシスですよね。しかし、葉に厚みがあるタイプで、小さな苗なのによく開花します。


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Euphorbia ambovombensis
こちらのアンボボンベンシスはサイズの割にまったく開花しません。葉は薄いタイプです。


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Euphorbia gottlebei
ゴトレベイの特徴的な長い葉が出ています。花が楽しみです。


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Albuca bracteata
ブラクテアが開花中です。一般的には「子持ちオーニソガラム」と呼ばれている球根植物です。英名の「Sea Onion」から「海ネギ」と言う妙にダサい名前もあるようです。学名は、
Ornithogalum caudatumが一般的ですが、Ornithogalum longibracteatumを採用している場合もあります。しかし、正式にはOrnithogalum bracteatumが採用され、その後にアルブカ属に移動したため、現在はAlbuca bracteataとなっています。
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葉が茂りすぎて何だか分かりません。
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かき分けると、この通り球根が出てきます。子球が沢山出来ては外れて増えるため、一面球根だらけです。薄皮の下に子球が出来るため、「妊娠中の玉ねぎ」(Pregnant onion)とも呼ばれるようです。「子持ちオーニソガラム」も同じ発想でしょうね。

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Pachypodium densiflorum
今年は外に出すのが遅かったため、例年より開花が遅いですね。


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相変わらず忙しくバタバタしています。今日も植え替えの記事です。と言うより時間がなくてそれしか出来ません。とりあえず、今年の植え替えは今回で139鉢になりました。

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H. limifolia v. gideonii
ギデオニイの根の具合はどうでしょうか? このように化粧砂がある場合、化粧砂の下にどのような用土を用いているか分からないため、水やりの間隔も分かりません。2024年3月のビッグバザールにて購入。

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根の張りは良好です。割と排水の良い用土でした。
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植え替え後。根が良いので生長が良さそうです。v. limifoliaとの違いもよりはっきりするはずです。

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Euphorbia globosa
いわゆる玉鱗宝です。油断すると直ぐに徒長してしまうため、園芸店ではほぼ確実に徒長していますよね。我が家のグロボサは花ばかり咲いてしまい、なかなか新しい節が出ません。2022年9月のビッグバザールにて購入。

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地下に塊根が出来ていますね。
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植え替え後。飛び出しているのは花茎です。

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Euphorbia pseudoglobosa
他人が空似であるプセウドグロボサも植え替えます。プセウドグロボサは過湿にすると直ぐに根腐れしてしまいます。かつて、栽培棚の雨漏りで根腐れしてしまい、挿し木して何とか生き残りました。
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塊根はかなり発達していました。やや狭い感じもします。
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植え替え後。塊根を少し出しました。

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Haworthia tessellata 'mediate' IB 6776
フィールドナンバーつきの竜鱗ですが、見事に徒長してしまいました。室内で他の多肉植物の陰になっていたのになかなか気が付きませんでした。しまったなあ。2024年2月に鶴仙園にて購入。

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根は良さそうです。
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植え替え後。今後は締めていきます。

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H. scabra var. morrisiae VA 6451
モリシアエも植え替えます。2024年3月のJSS春の多肉市にて購入。

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根はまだ動いていません。
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植え替え後。撮影の設定を誤っておかしなことになりました。しかし、スカブラ系は外見的に多様性があります。面白いですね。


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アロエは種類が多く外見的にも非常に多様です。2010年代に遺伝子解析の結果から、樹木状のアロエであるアロイデンドロンやブッシュ状のアロエであるアロイアンペロス、二葉性アロエのクマラ、三葉性アロエのゴニアロエ、さらにアリスタロエがアロエ属から分離されました。しかし、それでもなお、アロエの多様性は失われておりません。特に小型アロエは非常に独特の形態のものがあり、あまりアロエには見えないものもあります。さて、そんな小型アロエの中でも、独特の進化を果たしたAloe bowieaについてのお話です。参照とするのは、Gideon F. Smithの1990年の論文、『Neotypification of Aloe bowiea (Aspbodelaceae: Alooideae)』です。タイプを巡る論考ですが、A. bowieaの経緯が分かる興味深い論文です。

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Aloe bowieb
一見してアロエには見えない小型のアロエです。強光は苦手でハウォルチアと並べて育てています。

Aloe bowieaの歴史
A. bowieaを初めて命名したのはHaworth(1824年)で、Bowiea africanaと命名されました。しかし、HaworthはB. africanaを記述した際(1824年、1827年)に、標本を引用しておらず、タイプ化されていません。その後、Schultes & Schultes(1829年)によりAloe bowieaと命名されました。さらに、Berger(1905年)は単系属であるChamaealoe africanaとしました。現在では、Aloe bowieaが正しく、B. africanaやC. africanaは異名とされています。

タイプ標本
ICBN(国際命名規約)によれば、科以下のすべての分類群には命名上のタイプが必要です。分類群を命名した著者(命名者)がホロタイプを指定しなかった場合、あるいは後に紛失や破損した場合はレクトタイプあるいはネオタイプを代わりに指定する必要があります。タイプは命名した資料の指定した標本や図版です。
しかし、Haworthの命名したBowiea africanaは、標本の引用や図解に対する記述はありません。さらに、Haworthの記述には、この種を確立した材料にも言及していません。そのため、この論文でAloe bowieaはネオタイプ化されます。

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根は根元が太くゴボウ根です。

資料探索
1700年代後半から1800年代前半にかけて、Adrian Hardy Haworth(1768-1833)はイギリスの多肉植物の第一人者でした。AloeやMesembryanthemumなどで沢山の新種を記載しました。Haworthが亡くなった時、チェルシーにあるコレクションには1000株あまりの多肉植物が栽培されていました。Rowley(1951)はHaworthのコレクションの一部は今日まで残っていると述べています。N.E. BrownとW.W. SaundersはHaworthのコレクションのクローンを多肉植物コレクターのJohn Thomas Batesなどに配布しました。Batesのコレクションは現在は科学的に管理されていますが、これらがHaworthの記述した植物であるかを証明出来ません。また、HaworthはオクスフォードのHenry Barron Fieldingに販売した植物標本についてもまとめられていますが、Fieldingは標本を研究に使用した後にそのほとんどを捨ててしまいました。このHaworth由来の標本はオクスフォード大学のFielding-Druce Herbariumに残っていますが、Aloe bowieaはありませんでした。また、Haworthは記載した植物を必ずしも標本としていたわけではないかも知れません。

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Aloe bowieaの花
アロエには珍しい白花です。大型のアロエの花は橙色系統で蜜を求めて花を訪れる鳥が受粉を担う鳥媒花です。しかし、小型アロエの中には白色や淡いクリーム色などの花を咲かせるものがあり、虫媒花である可能性があります。また、この雄しべが突き出す形状はアロエの中では特異的で、Section GraminialoeのSubsection Bowieaeと言うA. bowieaのみからなるグループに分けられています。


タイプを探す
Haworthはキュー王立植物園のW.T. Aitonの友人で、Haworthの記載した新種の多くはここに由来します。当時、喜望峰からJames Bowieが採取しキュー王立植物園に送った新種を受け取ったはずです。Bowiea africanaがキュー王立植物園に受け入れられた1822年に、エディンバラ王立植物園の若いガーデナーであるThomas Duncansonが、キュー王立植物園でまだ描かれていない植物画を描くことを目的とした画家に任命されました。1822年から1826年にかけて700点以上の植物画を描き、そのうち350点は多肉植物でした。Duncansonの植物画のうち、アロエ類の植物画は70枚以上あり、Bowiea africanaの絵を含んでいました。おそらくDuncansonにより「1822年に喜望峰でBowie氏から受け取った」と言うメモが添えられていました。
多くの場合、キュー王立植物園で受理された新種は記載される前に図版が描かれます。そのため、Haworthは記載前にDuncansonの描いたBowiea africanaの植物画を見た可能性があります。これらのことから、Duncansonの描いたBowiea africanaの植物画をAloe bowieaのネオタイプ(イコノタイプ)として指定します。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
古い時代に命名された植物は、タイプ標本が行方不明だったり、第二次世界大戦で焼失したり、類似種が混入していたり、今回のようにそもそも指定されていない場合もあります。タイプ標本が必要であると命名規約で決められましたが、それ以前のものにはタイプ標本があるかは分からないと言うことになりました。あまりに古いと、タイプ標本が指定されたのか否かから調べなくてはならない羽目になります。この論文もまずはタイプの指定の有無から調査され、タイプが指定されていないことが確認されました。そのため、著者は新たにタイプを指定しました。
しかし、考えてみれば、1753年のCarl von Linneから始まり、恐ろしいほどの種類の植物が記載されたわけで、タイプがあるか否か不明なものばかりでしょう。そのすべてを調査し、指定可能な古い資料が存在するかも調査し、それらをまとめて論文にして公表しなければなりません。非常に地道で時間がかかる作業です。このような論文は地味で退屈に思えますが、生物学的には重要です。私もこのような論文は毎度、頭が下がる思いでおり、積極的に記事にしています。今後も見つけ次第、記事にしていく予定でおります。


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いつの間にやら6月になってしまいましたが、まだ植え替えは続きます。今年の植え替えは今回で133鉢になりました。

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瑞昌玉
典型的な瑞昌玉ですが、トゲの根元に色が付かないタイプです。2021年12月の木更津Cactus & Succulentフェアにて購入。

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根の張りには問題はありませんが、ネジラミがいたので洗いました。
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植え替え後。この瑞昌玉はまだ萎んだままであまり膨らんでいません。

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瑞昌玉
こちらの瑞昌玉はホームセンターでよく見かけるタイプで、トゲがあまり湾曲せず肌に張り付きません。2021年1月にトマト園芸レイクタウン店で購入。

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根は微妙な感じでした。もっと伸びても良さそうなものですが。
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植え替え後。

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Euphorbia handiensis
ハンディエンシスは非常によく育ちました。枝も増え花も頻繁に咲きます。2022年11月のビッグバザールにて購入。

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鉢がパンパンに張っており、なかなか抜けませんでした。ご覧の通り太く絡まるような根がみっちり詰まっています。
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植え替え後。プレステラ90ではきついので、プレステラ120に鉢増ししました。

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Agave multifilifera
ムルティフィリフェラは根がはみ出してしまいました。オマケでいただいた小さな抜き苗でしたが、いよいよ特徴が出てきました。2022年9月のビッグバザールにて入手。

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根は非常に良好です。
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植え替え後。鉢増ししました。前回の植え替えでは、まだ小さいため葉がポロポロ取れてしまい難儀しましたが、今回はしっかりしていました。順調に育っているようで嬉しい限りです。

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H. reinwardtii f. chalmunensis
鷹の爪系のカルムネンシスも植え替えます。根元から何やら雑草が生えていますが…。2024年3月のJSS春の多肉市にて購入。

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根は問題なさそうです。飾り石も回収しました。
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脇に生えていた雑草(?)。球根がありますが何者でしょうか?
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植え替え後。飾り石も一応乗せてみました。化粧砂がないのであまり映えませんが。
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元の鉢に謎の球根も植えてみました。なんとなくネギっぽいので、ただのノビル(野蒜)かも知れませんが、まあ一応。


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5月は多肉植物もよく動く時期でした。色々と変化があり楽しい季節ですね。

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Stephania pierrei
ピエレイが開花しました。目立たない小さな花です。一般的にはS. erectaと呼ばれているステファニアです。


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Gasteria nitida
ニティダが初めて開花しました。
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残念ながら先端はこじれてしまっています。花穂が伸びている最中に室内から室外に移動させたのが良くなかったのでしょうか。

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Gasteria baylissiana
バイリシアナが満開です。

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ガステリアは面白い植物ですがイマイチ流行りませんね。

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Dioon spinulosum
スピヌロスムは葉が2枚同時に展開中です。

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Cycas revoluta
日本のソテツ、King Sagoもフラッシュを開始しています。小さな実生苗から40年育てていますが、鉢栽培なので生長は実にゆっくりしています。

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新しい若葉が美しいですね。ソテツシジミが来ないことを願っております。


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今日も植え替えの記事です。今年の植え替えは今回で128鉢になりました。今回はツリスタを中心に植え替えます。

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Tulista pumila var. ohkuwae GM 602
自分で名前を書いていて妙に思ったのですが、GM 602と言うフィールドナンバーに付けられた名前は、Haworthia pumila v. ohkuwai、あるいは
Haworthia pumila v. ohkuwaeのような気もします。フィールドナンバーが付けられた時には、プミラはまだツリスタ属ではなかったのではないでしょうか。変種オウクワエは変種オウクワイとされがちでしたから、そこも少し怪しく思います。これは、名前が変更されてもフィールドナンバーは記録された時の名前で表記されるべきだからです。まあ、GM 602の情報が見つけられないからこのようにグダグダ言ってるわけなんですけどね。2022年6月のビッグバザールにて購入。
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根はまあ普通でした。
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植え替え後。結節が立体的で非常に特異的なプミラです。大切に育てたいですね。

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Tulista kingiana
キンギアナがストレスカラーで真っ赤になっています。キンギアナはツリスタ属の中でもなかなか入手しにくい種類です。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根は動いています。
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植え替え後。生長は実に緩やかです。

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Tulista pumila
割と普通のタイプのプミラです。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根は割と良好です。
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植え替え後。プミラは大型になりますから、これからどう育つのか気になります。

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Haworthiopsis glauca var. herrei
変種ヘレイの葉が長いタイプです。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根には問題がありません。
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植え替え後。変種ヘレイはすでに3タイプ入手していますが、それぞれ個性的です。青白い美しい葉は共通していますから、見かけたらついつい買ってしまいます。

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Gasteria glauca
グラウカは入手してからまだ2枚しか葉が出ていませんが、非常に良い葉が出ていますね。2023年7月にコーナン港北インター店にて購入。
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根は浅く表面を這うようでした。
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植え替え後。海外のサイトではガステリアは浅鉢に植えると書いていたりしますが、確かにグラウカの根は浅鉢に適していそうです。

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Aloe triangularis
Haworthia triangularisの名前で入手しましたが、ある種の園芸名で、実際に命名されたのはAloe triangularisでした。これは、ハウォルチア属が出来る前はハウォルチアはすべてアロエ属だったからですが、その後ハウォルチアに属が移されませんでした。しかし、どう見てもアロエには見えないわけですが、その正体はと言うとHaworthiopsis viscosaとなります。結節がなく色の明るいタイプと言うことなのでしょう。2022年10月にタナベフラワーにて購入。

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根は強く暴れています。
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植え替え後。名前の通り三角形の均整のとれた硬葉系ハウォルチアです。


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一見して不毛にも思える崖地にも植物は生えています。かなり厳しい環境であることは想像されますが、意外にも崖に生える植物は世界中で見ることが出来ます。日本でも崖地にはシノブなどの着生性のシダ植物が沢山ついていることは珍しいことではありません。日本の環境だと多雨で湿度も高く、着生シダだけではなく、岩の亀裂や積み重なる苔を土台に様々な植物が生えてきます。海沿いの陽光を遮ることのない崖地にはツメレンゲOrostachys japonicaが生えますが、日本では崖地の乾燥に耐える多肉質な植物は稀と言えます。しかし、海外の乾燥した崖地にも多肉植物は沢山生えています。サボテンでも菊水Strombocactus disciformisなど崖にへばりつくように生えるものもあります。南アフリカではGasteriaなど崖地に生える植物は豊富です。
さて、本日は先ずは序論として、崖地に植物が生えると言うことは一体どういうことなのかを見ていきたいと思います。今回はIsaac Lichter Marckの2022年の論文、『Plant evolution on rock outcrops and cliff: contrasting patterns of diversification following edaphic specialization』を参照にしましょう。

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dadleya arizoniaca
ダドゥレヤは北米の代表的な崖地植物の1つです。

崖地の困難
植物が崖の裸岩上で育つためには、風の曝露、基質の垂直性、紫外線の増加、乾燥、土壌の水分の減少、土壌や主要栄養素の不足など、複数の課題を克服する必要があります。さらに、草食動物の増加、花粉媒介者の減少、菌根の欠如などの生物間の相互作用も生育を困難なものとしています。
裸岩への適応として考えられるのは、ストレスに強い葉(密生した毛、小さく蝋質な葉、葉が少ないなど)、狭葉性、自家和合性への移行、抗草食動物防御の強化などです。


特殊化する種子の散布
崖に生息する植物の多くは、種子散布が低下する選択を受けているようです。これは、種子散布性の喪失により、風で拡散する風散布種子や動物に付着して拡散する付着散布種子に適応しない乾燥した果実が残ります。分散性の低下の極端な例として、北アメリカ西部の岩石特化植物は異なる系統でも、果実が成熟すると花柄が後ろに曲がり、親植物の後ろの岸壁に付着するものがあります。分散性の低下は拡散された種子の生存率が低いことに起因するのかも知れません。

Trade offの関係
裸岩への適応は長い議論の末、その説明としてtrade-offが浮上しました。trade-offはある環境への適応が他の環境における生長にコストをかける場合に発生します。裸岩に生える植物の場合、裸岩における生存に有利な形質に投資したため、エネルギーコストが高く生長が遅いため、裸岩ではない環境では他の植物により排除されます。その間接的な証拠として、裸岩上に生える植物は極めてゆっくりと生長し、驚くほど長生きなものもあります。また、他の生息地では不利なタイプの特殊な根を持ちます。

多様性のパターン
過酷な環境への特化が他の過酷な環境に適応する可能性があることは昔から指摘されてきました。例えば、Daniel Axelrod(1972)はブラジルの大西洋熱帯雨林を訪れ、裸の砂岩の露頭にAcasiaやOpuntiaなどの砂漠特有の干ばつ耐性植物が生えているのを観察しました。この観察に基づいてAxelrodは、北米の砂漠植物相は密集した植生の中の乾燥した微小環境に適応した干ばつ耐性植物から派生したものであると提唱しました。

進化の罠仮説と進化の行き止まり仮説
種レベルの分子系統から、岩石特化植物は主に2つのパターンが示されています。一方では進化的に隔離された、一般的な環境に生える種に近い系統があります。例えば、monkeyflower(ハエドクソウ科)の中には、western great basin(Diplacus rupicola)とコロラド高原(Erythranthe eastwoodiae)で、それぞれ独自に進化した岩石特化植物があります。それらは、近隣に生える通常種に近縁です。これは、進化の罠(evolutionary traps)仮説と一致します。進化の罠仮説は、裸岩への適応には不可逆的な複雑な表現型の変化が必要であるため、その進化は不可逆的となってしまいます。さらに、このパターンは進化の行き止まり(dead-ends)仮説とも一致する可能性があります。岩石への特殊化は、長い時間スケールでは絶滅率が上がる危険な戦略であり、系統学的に孤立します。

群島種分化仮説と生態学的開放
他方では裸岩環境に限定された近縁種を含むものです。例としては南アフリカのマンネングサ類(ハマミズナ科)やPitcarnioid Bromeliads(パイナップル科)、北アメリカ西部のrock daisy、Holarctic温帯環境(temperate enviroment)のユキノシタ属(Saxifraga)が挙げられます。これは、群島種分化(archipelago speciation)仮説と一致します。海洋島の植物で見られる(生殖的隔離の)パターンで、地理的な岩の露頭の断片化により進化が促進されます。さらに、競合しない仮説として、生態学的開放(ecological releare)が考えられます。裸岩の固有の土壌の性質は、過酷な砂漠や冷温帯バイオームなどストレスの多い環境への生態学的移行のための強力な進化的な前触れになる可能性があります。ストレス耐性を得たことにより、競争が少ないため放散の機会が多い、他のストレス環境への移行が可能となるのです。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
本日は崖地に生える植物の基本的な生態のメカニズムをご紹介しました。後半の生態学的開放とは、個体数の増加を制限している要素から開放された場合、爆発的に個体数が増加するパターンを指します。例えばニホンオオカミの絶滅によりシカの個体数の増加に歯止めがかからないといった場合が一般的です。崖地の植物の場合は、崖地の過酷な環境に適応した結果として、その他の過酷な環境への進出が可能になるかも知れません。その他の過酷な環境は、その過酷さゆえ生態的に空白となっており競争が少ないか存在しません。そのため、その空白地に進出することができれば、一気に個体数を増やすことが出来るかも知れないのです。
ただし、あまりに特殊化した場合、後戻りは出来なくなり進化的に袋小路に陥る可能性もあります。栄養や水分などが豊富な植物の生育に適した環境は、激しい競争の世界です。素早い生長や効率的な繁殖戦略が必要となります。この競争に勝ち続けるためには、常に進化の最前線にいなくてはなりません。対して、崖地に適応した植物は、緩やかな生長や特殊化した繁殖戦略をとるため、激しい競争の世界ではあっという間に滅びてしまうでしょう。しかし、激しい競争の世界では、少しの環境の変化で優劣は簡単に入れ替わり、種の構成は猫の目のように変わるかも知れません。対する崖地の植物は、競争の少ない環境で安定したニッチを占めることが出来るのです。


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久々の最近の多肉植物の様子です。

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噴火竜 Euphorbia viguieri
初めての開花しました。


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赤城 Ferocactus macrodiscus
赤城が開花しましたが、たった1つだけです。勢いがありません。長らく植え替えていませんからね。なんだかんだで30年くらい育てていますから、我が家では付き合いの長いサボテンの1つです。まあ放置気味でしたが…

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Uncarina roeoesliana
ロエオエスリアナは調子が良さそうです。ウンカリナはでかい鉢で水をジャブジャブやって乾かないように育てています。


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パキポディウムたち。

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Pachypodium rutenbergianum
ルテンベルギアヌムもやっと葉が出てきました。パキポディウムでは一番最後でした。


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Euphorbia leistneri
レイストネリは植え替えの効果か、葉の勢いが良いですね。ナミビア原産の希少種。


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Euphorbia hofstaetteri
ホフスタエテリの新トゲは美しいですね。


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翠眉閣 Euphorbia quadranglaris
最近は「氷河」と言う名前で流通しているようです。奇しくも同じくユーフォルビアのハツユキソウも氷河と呼ばれているため、初めて
翠眉閣に「氷河」のラベルがついているのを見て混乱しました。しかし、長く花が咲いています。


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今日も植え替えの記事です。今年の植え替えは今回で122鉢になりました。

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Gasteria excelsa
エクケルサの生育は非常に緩慢です。しかし、これでも見違えるほど葉が大きくなりました。2022年4月にファーマーズ三郷店にて購入。

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根の状態は良さそうですが、非常に浅いですね。
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植え替え後。今後が楽しみなガステリアです。

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Gasteria glomerata
ダルマ型のグロメラタです。短くて丸い葉が面白いですね。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根の状態も良好です。
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植え替え後。こういうタイプのガステリアは、浅鉢で群生させた方が良いような気もします。

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Haworthiopsis pungens
プンゲンスは名前の通り鋭く尖った葉が特徴です。去年はあまり動きはありませんでした。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根は動いていますね。
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植え替え後。今年は動いてくれると嬉しいのですがね。

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Tulista minor
一般的にはT. minimaとされがちなミノルです。ツリスタは大型になりますが、ミノルはどうでしょうか? 今のところサイズは安定していますね。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。

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根は良さそうです。
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植え替え後。

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Aloiampelos  striatula var. caesia
頭が重くふらつくので植え替えます。アロエから独立したアロイアンペロスですが、どうやら寒さには非常に強いようです。2023年1月のビッグバザールにて購入。

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根は非常によく張っていました。
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植え替え後。バランスが悪いので思い切って6号鉢に植えました。


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26日に開催予定の木更津Cactus & Succulentフェアですが、何と仕事とバッティングしてしまい行けないことが確定しました。毎度、楽しみにしていましたからガッカリです。仕方がないので、昨日は休みをとって代わりに鶴仙園へ行ってきました。鶴仙園もしょっちゅう行けるわけではありませんから、これはこれで楽しみではあります。

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さて、午前中にサッと見てきましたが、温かくなりすっかり多肉植物の季節ですから、多肉植物も充実していました。エケベリアもかなり沢山ありましたし、嶺ファームのPOP UPイベントが終わった後ですがまだ沢山のパキポディウムの実生苗が並んでいました。ガステリアもかなりありましたが、残念ながら私の好みのものはありませんでした。例によっていつも少ない硬葉系ハウォルチアを物色しましたが、今回は輪を掛けて少なく、大変美しいフィールドナンバーつきのH. glauca v. herreiは過去に鶴仙園で購入したものと同じでしたから購入せず。ガステリアもエラフィエアエのフィールドナンバーつきも同様です。それでもやはり面白いものがあるのが鶴仙園です。今回は2鉢を購入。

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さて、ここからは購入品の話です。公式ブログにあったトゲなし花キリンのゲロルディイが気になっていましたが、入荷は結構前でしたからもうないかと思っていたらまだありましたね。

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E. トゲ無し花キリン ゲロルディー
Euphorbia geroldiiです。1994年の命名ですから割と新しいですね。「トゲ無し花キリン」とは言いますが、トゲがない花キリンは沢山あるので妙な感じがしますが、一般的にイメージする花キリンのトゲ無しバージョンと言う意味合いなのでしょう。

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ゲロルディイと言えばこの美しい花が特徴です。丸みがあって可愛らしいですね。

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H. tuberculata v. subexpansa
あまり聞き馴染みのないハウォルチアですが、現在はH. scabra v. scabraの異名とされています。v. scabraはこれで3タイプ目ですが、このタイプは大柄で結節も大きく個性的です。

と言うわけで鶴仙園へ行って参りました。なんだかんだで面白いものがあるのが鶴仙園の良いところです。5月は公私ともに忙しく、多肉植物のイベントはまったくいけませんでしたが、今回の鶴仙園は十分な慰めになりました。6月は少し落ち着くと良いのですがね。


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今日も植え替えです。今年の植え替えは今回で117鉢になりました。しかし、最近はイベントにも忙しくて行けないので、空いた時間にチョロっと行う植え替えの記事ばかりですね。サボテンの花も咲いているのですが、タイミングが合わず撮影出来ていません。論文も全然読んでいません。時間がまったく足りていませんね。

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Tulista marginata
ハオルチアから独立しツリスタ属となったマルギナタです。まだ旋回が始まっていないため、将来の形質は未知数な部分があります。去年は葉の根元の見えない部分にアブラムシが湧いたりしました。ダメージがあったのか生長は遅いですね。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。
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根は少ないもののよく動いています。今年の生長は期待できそうです。
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植え替え後。早くロゼットを作って、マルギナタらしい美しい姿を見せてほしいですね。

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Tulirta marginata
こちらは結節がないタイプのマルギナタです。まだ旋回が始まったばかりですから、それほどツリスタっぽさはありません。2022年9月に鶴仙園にて購入。
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根はまあ普通です。
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植え替え後。去年の生長は非常に良かったので、今年も期待しています。

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Gasteria ellaphieae
エラフィエアエは相変わらずお美しいですね。なんでガステリアが流行らないのか不思議です。2022年6月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。フィールドナンバーつきのエラフィエアエは開花しましたから、こちらもそろそろ咲いてほしいところです。

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Haworthiopsis scabra
ダルマ型のスカブラです。えらくずんぐりしています。2022年7月にコーナン港北インター店にて購入。
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根は動いてません。もうちょい根が張っても良さそうですけどね。
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植え替え後。スカブラは普及種なのにあまり見かけませんね。人気がないのかも知れません。しかし、このタイプは典型的なものではありませんから、他のタイプも集めたくなります。

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Euphorbia virosa
いわゆる矢毒キリンです。鉢が小さいので植え替えます。2020年2月に鶴仙園にて購入。

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根はよく張っていました。
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植え替え後。5号鉢に植え替ました。しかしきれいに育っていますね。


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変わった見た目をしているドラゴンフルーツの果実を見かけるようになったのは、いつ頃のことだったでしょうか。20年くらい前はかなり珍しい果物だったような気がします。いつでもどこでも販売しているわけではありませんが、今ではドラゴンフルーツ自体はすごい珍しいものではなくなりました。沖縄でも栽培されているみたいですし、あまり見かけないのはあくまで需要と供給の話だからなのでしょう。

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Hylocereus undatus(上)

さて、そんなドラゴンフルーツですが、これはいわゆるサボテンの実ですが、ドラゴンフルーツは我々趣味家にとっては馴染み深いサボテンだったりします。なぜなら、ドラゴンフルーツとはいわゆる「三角柱」と呼ばれているサボテンのことだからです。葉緑体がない緋牡丹を三角柱に接ぎ木したものを皆様も見かけたことがあるはずです。まあ、三角柱は永久台木にはならず、寒さに弱く腐るのであまり台木としては人気がないかも知れません。
本日は原産地であるメキシコにおける、三角柱=ドラゴンフルーツの受粉に関する研究をご紹介したいと思います。それは、A. Valiente-Banuetらの2007年の論文、『Pollination biology of the hemiepiphytic cactus Hylocereus undatus in the Tehuacan Valley, Mexico』です。早速、見ていきましょう。

Hylocereus undatusとは?
メキシコ南部から中米北部に拡がるメソアメリカ文化では、サボテンが栽培されていました。メソアメリカ人が使用した118種類のサボテンのうち、約40種類は様々な程度で家畜化されており、現在でも先住民族により広く栽培されているものもあります。それらの中でも、半着生サボテンであるHylocereus undatusはその装飾的価値と食用となる果実のためにメキシコ全土で高く評価されています。H. undatusはメキシコ、西インド諸島、中米、南米北部の熱帯落葉樹林に自生します。また、カンボジア、コロンビア、エクアドル、グアテマラ、インドネシア、メキシコ、ニカラグア、ペルー、台湾、ベトナムで、果実生産のために栽培されており、近年ではオーストラリアやイスラエル、日本、ニュージーランド、フィリピン、スペイン、米国でも栽培されています。

Hylocereusの受粉生物学
H. undatusは作物としての重要性のため、園芸学的にあるいは生態生理学的に広く研究されています。HylocereusとSelenicereusの受粉生物学的研究のほとんどは、温室環境下で実施されています。それらの研究によると、花は夜行性で一晩だけ開花し、コウモリや大型のスズメガが訪れます。H. polyrhizusとH. costaricensisは自家不和合性であり、結実には他家受粉が必要です。過去の報告によると、H. undatusは自家受粉では自然と結実はせず、人工的に自家受粉させるとその結実率は50〜79.6%に低下します。ちなみに、他家受粉では100%結実します。一方、Selenicereus megalanthusは自家和合性があり、自然状態でも自家受粉し結実率は60〜73%、人工的に自家受粉させると結実率は100%でした。この2種類の受粉システムの違いは、自動自家受粉(自然状態での自家受粉)を妨げたり可能とする葯や柱頭の位置と形態の違いによるものでしょう。

実験方法
メキシコ中南部のTehuacan渓谷では、現地で「pitahaya」と呼ばれているH. undatusが広く栽培されており、地元の人々によると古くから栽培されてきた作物と言うことです。現在、pitahayaの果実の生産と商品化は重要な経済活動の一部です。pitahayaは茎の一部を樹木の根元に植えるだけで、家庭菜園で沢山の果実がとれます。この地域の果実生産は非常に効率的です。それは、地元の人々による植え付けによる遺伝的な影響のためか、単に自家不和合性があるためであるのかは不明です。
そこで、著者らはこの
Tehuacan渓谷で、果実における自家受粉の役割と、夜行性および昼行性の花粉媒介者の重要性を決定するために調査を実施しました。花を夜間だけあるいは日中だけ袋をかけ、花粉媒介者の訪問を制限しました。さらに、著者らの手による自家受粉させたものと、袋をかけず自由に受粉させたもの、常に袋をかけたものも試験しました。受粉した果実が成熟したら回収し、分析しました。

観察
調査地におけるH. undatusの花は約17時に開き始め、11時頃に閉じ始めました。分析した花のすべてから花蜜は検出されませんでした。花は長さ平均34.5cmで、花の先端部から蜜室までの長さは平均29.95cm、外径は平均13.6cmでした。
野外調査では3種類のコウモリが捕獲され、付着したH. undatusの花粉が調べられました。うち、2種類のコウモリは付着した花粉が豊富でした。日中にはミツバチの訪問が観察されましたが、夜間は昆虫は採取されませんでした。

結果
人工的に受粉させた自家受粉の場合は53.8%の結実率でしたが、常に袋がけした自家受粉の場合は100%の結実率でした。袋をかけない場合は100%結実しましたが、夜間だけ袋を外した場合は76.9%の結実率、日中だけ不安定を外した場合は46%の結実率でした。
人工的に受粉、あるいは袋がけした自家受粉で100%受粉したと言うことは、花粉媒介者がいなくても結実出来ると言うことです。これは、自家受粉では結実せず、人工的な自家受粉では結実率が下がるとしたWeiss et al. , 1994の結果とは異なります。イスラエルにおけるH. undatusの果実の商業生産に関する報告(1999, 2000)では、果実の生産には人工受粉が必要であるとしています。これらの違いはクローンの違いに起因する可能性があり、調査する価値があります。
Tehuacan渓谷のH. undatusの自家受粉する性質は、その商業生産にとっては重要です。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
この
Tehuacan渓谷のH. undatusの自家受粉する性質は、明らかにその果実の商業生産にとって福音となるでしょう。しかし、その性質の違い、おそらくはクローンの違いはですが、どのようにしてもたらされたのでしょうか。茎節を挿し木して増やすTehuacan渓谷の人々の長いH. undatus利用の過程で生まれたことは明らかかも知れませんが、あるいは選抜された過去が隠されているのかも知れませんね。
さて、
Tehuacan渓谷のクローンは自家受粉するため必ずしも花粉媒介者は必要ありませんが、一般的には人工受粉させるか花粉媒介者が必要です。今回の調査では夜間に花を訪れるコウモリが主たる花粉媒介者と比定されます。花蜜はないので花粉を食べに来ているのでしょう。また、H. undatusの花は夜間に開花しますが、明け方から11時位までは開いているため、ミツバチも訪れ受粉に寄与していることが分かります。果実の効率的な生産には自家受粉する性質は便利ですが、やはり他家受粉により多様な性質が現れることは、野生のH. undatusには必要なことでしょう。
最後に補足情報で終わりましょう。かつてドラゴンフルーツはHylocereus undatusなる学名で呼ばれておりましたが、近年Selenicereus undatusとなり、HylocereusはSelenicereusに吸収されてしまいました。これはHylocereusが遺伝的にSelenicereusと区別出来ないと言う研究成果に基づいています。



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相変わらず植え替えばかりしています。今年の植え替えは今回で112鉢になりました。まだまだ忙しく、土日に開催されていた北区グリーンフェスタやボタニカル横丁は断念しました。しかし、この忙しさはしばらく続きますから、イベントへの参加も難しいかも知れません。ちょうど週末に木更津Cactus & Succuletフェアが開催されますが、残念ながら不参加とあいなりました。6月のビッグバザールも参加出来るのかまだわかりませんが心配です。ビッグバザールも木更津C&Sも毎回行っていますから、流石に両方行けなくなるのは困りますね。

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Euphorbia squarrosa
いわゆる奇怪ヶ島です。入手した時は、まだ塊根が出来ていない小さな実生苗でした。塊根は出来ているでしょうか? 2023年3月のビッグバザールにて購入。

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塊根が出来ていました。根の状態も良好です。
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植え替え後。少しだけ塊根を出しました。

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Astproloba foliolosa
フォリオロサの全体的に小型のタイプです。これでも、だいぶ大きくなっています。2022年4月のビッグバザールにて購入。

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根は問題なし。
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植え替え後。フォリオロサはまっすぐ育たないことが悩みです。

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Agave × leopoldii
レオポルディイも植え替えます。繊維が少しですが出てきました。ちなみに、レオポルディイはA. filiferaとA. schidigeraの交雑種とされ、種小名はベルギー国王レオポルド2世に対する献名です。2022年9月のビッグバザールにてオマケで抜き苗をいただきました。

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根は非常に発達していました。
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植え替え後。プレステラ120に鉢増ししましたから、どんどん育ってほしいですね。育つと非常に美しいアガヴェです。

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Gasteria vlokii
ヴロキイはようやく葉が一周しました。2022年6月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は良さそうです。
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植え替え後。実はまだ花が咲いたことがないので、来春は期待しています。

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Gymnocalycium intertextum
生長著しいインターテクスツムです。学名的には武勲丸やバッテリーとともにG. ochoterenaeではないかと言われています。2021年3月に鶴仙園にて購入。
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細根がよく発達していますが、流石に切り詰めました。
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植え替え後。今年も順調に育ってほしいですね。


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今年の植え替えは今回で107鉢となりました。しかし、去年は強風で多肉植物置き場のビニールが破け、あちこち雨漏りしてしまい、一部の多肉植物は雨水を被ってしまいました。なかなか直さずにグズグズしていたため、徒長気味のものはおそらくそれが原因かなあと思っています。

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Euphorbia clandestina
いわゆる逆鱗竜です。親株は胴切りしたのですが、時期が悪かったのか腐れてしまいました。こいつらは、その子供です。逆鱗竜は自家受粉しますから、あちこちに種子をばらまいて、アチラコチラで生えてきます。そう言えば、冬の間に開花していましたから、また種子をアチラコチラにばらまいたのでしょう。親株は2020年3月にプロトリーフにて購入。

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根元に謎の花キリンらしき実生が生えていました。
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根は非常に良いですね。
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植え替え後。まとめてしまいました。謎の実生も一緒です。

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Euphorbia susannae
いわゆる瑠璃晃です。最近はこのような疣が太いタイプではなく、細く尖るタイプが主流のようです。2020年1月にシマムラ園芸にて購入。

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根は渦巻いています。
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植え替え後。少し間延び気味ですから、今年は締めて作りたいてですね。

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Euphorbia stellispina
いわゆる群星冠です、今年の冬は花が咲きませんでしたからトゲなしです。子株も育って非常に窮屈そうです。2020年3月にプロトリーフにて購入。
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根は非常によく発達していました。子株も根を張っています。
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植え替え後。プレステラ120に植えましたから、ゆとりが出来ましたね。

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Euphorbia officinarum
いわゆる大正キリンです。かなり厳しく育てたため、日焼けしてしまいましたが、去年は逆に徒長気味です。ちょうどいい感じを見つけるのは難しいですね。それはそうと、大正キリンの学名は長らくE. echinusとされていましたが、実はE. officinarumが正しいのだと言うことになりました。しかし、最近ではE. echinusはE. officinarum subsp. echinusとなっています。詳しく調べていないので、日本で大正キリンの名前で流通しているのは、ssp. officinarumなのかssp. echinusなのかはよく分かりません。少し調べてみます。2020年1月にオザキフラワーパークにて購入。

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根はパンパンに張っていました。
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植え替え後。そのまま植えました。

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Euphorbia robecchii
まだ双葉がついた状態で入手したロベキイですが、短い根が1本あるだけでした。入手してからあまり育った感じはしません。根の状態はどうでしょうか? 2022年6月のビッグバザールにて購入。
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根はよく育っていました。
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植え替え後。根が良いので今年の生長が期待出来ます。

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大型鬼胆丸
大型鬼胆丸は縮んでしまい、イマイチ生気がありません。心配です。Gymnocalycium gibbosum var. nigrumとも書かれていましたが、九紋竜の変種であるG. borthii var. brachypbtalumとされることもあるようです。2022年10月に鶴仙園にて購入。

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ネジラミがいましたが、根は思ったよりしっかり張っていました。少し厳しくし過ぎたのでしょうか。
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植え替え後。今年は試しに甘やかしてみます。


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植物は育てていると、稀に生長点が異常になる「帯化」が起きることがあります。これは石化とも呼ばれますが、サボテンでも綴化と呼ばれ珍重されています。さて、園芸的には帯化は肥料過多が原因なのではないかと言われているようですが、その実態はよく分かりません。帯化の直接の原因は生長点の異常ですが、その異常を引き起こす原因がよく分からないのです。以前、Gymnocalycium vatteriのトゲがアレオーレではない場所から出る突然変異の報告を読んだことがあります。その報告は写真がメインで、特に考察や原因の特定がないため、記事にはしませんでした。しかし、関連論文として、サボテンの生長の異常に関するものがあったため、今回ご紹介することにしました。それは、Vladimir A. Basiukの2013年の論文、『Teratopia in Cactaceae Family: The Effect to Temperature』です。

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Ferocactus wiskizenii forma cristata
『Saguaroland Bulletin』(1954)より。

生長異常を起こすサボテン
著者の約350株のサボテンコレクションを詳しく調べ、どのような種類の生長異常が見られたかを要約しました。著者のサボテンの育成環境は、アルミニウム温室です。場所は北緯18.55°(※1)、標高は約1500mですから日射量は強いことが分かります。温室は遮光率70%のネットにより、特に午後の強い日射から守られます。日中の気温は高く軽く40℃を超え、これは夏でも冬でも起こります。また、温室のサイズが小さいことに加え、動物からサボテンを保護するために、入口は閉じ続けなければなりませんでした。小さな2つの窓は換気にはほとんど意味がありません。

※1 ) 著者はメキシコの大学に所属しています。

化学的、あるいは物理的な異常を誘発する試みは行われず、殺虫剤や肥料の過度の使用は控えられました。以上のことから、著者はサボテンに起こる生育異常を引き起こしているのは、高温の影響ではないかと考えています。

Case 1 稜の変異
約4年前にAstrophytum myriostigmaに出た2つの花芽は開花せず、数ヶ月後に不規則な形の新芽に変わりました。約1cmほどになったタイミングで切り取り、Opuntia compressaに継ぎました。その形状は1つは「複隆」、もう1つは「Lotusland」として知られるものと同じです。
悪い条件で花芽が子株に変換されることは珍しくありませんが、このような複雑な形態になることはほとんどありません。


Case 2 花芽から子株へ
Gymnocalycium baldianumで花芽が子株に変換されました。子株には萼片がありますが、次第にトゲのあるアレオーレが発達します。やがて、子株から花を咲かせました。しかし、中には新たに花芽を付けるのではなく、生長点がそのまま花芽に変化したものもありました。この場合、子株と花芽は一体化しており、はっきりした境界はありません。これは、子株が花芽に回帰し誤りを正そうとした例かも知れません。やがて開花しましたが、柱頭や雄しべの形態には異常が見られました。開花後も子株と一体化した花は落ちずに残りました。

Case 3 モンスト
Copiapoa tenuissimaやCopiapoa lauiのモンスト(monstrose)は古くから知られており、広く商品化されています。これらは接ぎ木により容易に増やせますが、通常のサボテンからどのように出現するのか観察した栽培家は非常に少数です。著者はモンストが一般的ではないEriosyce esmeraldanaでモンストの発生を観察しました。この個体は種子から育てられ、約26年経ちます。すでに2つの子株を作りましたが、3つ目は大量の羊毛状の毛に覆われて分頭を繰り返すようになりました。

Case 4 双結節
著者の育てているAriocarpus retususは、18年前に直径15cmくらいで入手しました。2007年までは異常は見られませんでしたが、それ以降は結節(疣)が2つあるいは3つに分かれています。これは、やがて例外ではなく規則となりました。

Case 5 綴化
Rebutia heliosaやRebutia rauschii、Parodia haselbergiiは生長点が帯化し始めました。

最後に
論文を読んでいて意外に思ったのは、これらの変異が遺伝的な突然変異ではないということです。綴化は物理的な生長点の障害だろうと考えていましたが、複隆やモンストも遺伝的なものではないのです。もちろん、遺伝的な変異でも突然変異体は誕生する可能性はありますから、そのすべてがそうであるとは限らないでしょう。しかし、論文のケースを見るにつけ、おそらくこのような変異体は物理的な障害の方が発生しやすいはずです。さらに、サボテンは接ぎ木により容易に増やせますから、一度変異が発生したならば無限に増やすことが出来ます。と言うことは、このような変異体を交配に用い、新たな変異体を作出することは難しいかも知れませんね。今回の論文は瓢箪から駒のような感じでしたが、サボテンの理解において意外と重要な観察がなされているように感じます。私のような趣味家にとっても非常に関心がある内容でした。


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チマチマ植え替えを続けています。なんと今年の植え替えは今回で100鉢となりました。植え替えはまだしばらくは続きそうです。

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Gymnocalycium ragonesei
ラゴネセイはあまり根がない状態で入手しましたから、ちょっと様子が気になっています。2023年6月のビッグバザールにて購入。

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根は順調に伸びていました。しかし、ほとんど根がなかったくせにネジラミが沢山いましたね。
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植え替え後。ネジラミつきの古い鉢は捨てました。

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Euphorbia poissonii
去年のポイソニイは何故か動きがおかしく、生長点が曲がってしまいました。鶴仙園にて購入。

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根が少ないですね。不調の原因なのか、その結果なのかはよく分かりません。用土の排水性に問題はなさそうでした。
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植え替え後。復活してほしいですね。

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Haworthiopsis sordida
ソルディダは割と大型になる硬葉系ハウォルチアです。まだまだ小さいですが、抜き苗で入手した時から比べるとだいぶ貫禄が出てきました。2020年9月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。慌てずじっくり育てていきます。

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Gasteria nitida var. armstrongii GM 07c-5
臥牛っぽくない臥牛ですが、ちょっと元気がありません。2022年6月に鶴仙園にて購入。

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根はまあ悪くはありませんが、どうにも貧相な感じがします。
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植え替え後。元気を取り戻してほしいですね。


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いつの間にやら5月も折り返し地点ですが、未だにチマチマ多肉植物たちを外に出している途中です。鉢やら用土やらが足りないので、また買いに行かなければなりません。

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外の多肉植物置き場も徐々に充実してきました。

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Dioon spinulosum
スピヌロスムのフラッシュが始まりました。我が家ではZamia furfuraceaとZamia integrifoliaに続いて3種類目のフラッシュです。そう言えば、同じDioonのD. eduleはまだフラッシュしていませんね。


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Gasteria ellaphieae GM 300
エラフィエアエが開花しています。ガステリアは花が独特で可愛らしいですね。


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Haworthiopsis attenuata RIB 0060
フィールドナンバーつきのアテヌアタが開花しています。花茎は途中で2本に分岐しているのは少し珍しいですね。


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Gasteria baylissiana
バイリシアナが花茎を伸ばしています。これは楽しみです。


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松の雪 H. attenuata cv.
アテヌアタの結節が繋がらないタイプです。アテヌアタ系はファスキアタと比べると草姿が乱れがちになりがちですが、ようやく草姿がととのってきました。よく見ると新しい葉に斑が出てきました。実は斑入りだった模様です。まあ、地味斑ですけどね。

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鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia
鉄甲丸は新しい葉とともに花が咲いています。鉄甲丸の開花は不定期で年に何回も咲きます。


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Euphorbia rossii
ロシイが開花しています。生長が鈍ったので今年は植え替えました。これは幸先が良いですね。


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最近、埼玉ではコーナンが攻勢をかけているようで、新たに草加松原店がオープンしたと言うことです。早速行って参りましたが、実際には草加駅に用事があったのでついでに寄っただけだったりします。
さて、このコーナンはそこそこ大きく、コーナンPROとジョーシン電気がくっついています。今回は特別に目的もないのでまあお試しです。

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外観はこんな感じ。一階がホームセンターで、二階はペットショップと家電店となっています。

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多肉植物のコーナーはこの一角だけ。反対側にはエケベリアやセダムが並びます。

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サボテンもまあまあの品揃えです。Adenia glaucaや恵比寿笑いまであります。ホムセンではやや珍しいラインナップです。

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Euphorbia ambovombensisとEuphorbia cap-saintemariensisが並んでいます。私はこれらが出回り始めた頃にさらに小さな苗を高額で購入しましたが、今ではかなり育った株が安価で出回っているようです。

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ハウォルチアのコーナーもありました。せっかく来たのですから、記念に1つ買って帰りました。オープンしたばかりなので、ホームセンターの多肉植物にしては割と状態も良さそうだったので。

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H. limifolia v. stronifera
正しい学名はHaworthiopsis limifolia var. stoloniferaです。変種ストロニフェラは現在では変種リミフォリアに含まれます。しかし、現在は異名となっているものも含め、どのような違いが注目されてきたのか気になります。


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直ぐに植え替えしました。根はまだ動いていないようです。

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植え替え後。リミフォリアはこれで4変種を入手しましたが、変種リミフォリア以外は最近の入手です。今後の生長を見ながら、その違いについても見ていきたいですね。

この日は当て所もなくフラフラと見回りましたが、ちょっとした日用品だの詰替え用の洗剤など、たんまり買い込んでしまいました。今回は駅からバスだったので荷物の多さに難儀しました。
しかし、ホームセンターにしては多肉植物もまあまあ充実していたと思います。多少珍しいものも何気なく並んだりしますから、ホームセンターも侮れませんね。



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なかなか多肉植物をすべて外に出せずにいましたが、ほとんど外に出すことができました。今年のGWは仕事だったので、少しづつしか出来ませんでしたから無駄に時間がかかりましたね。それはそうと、今年の植え替えは今回で95鉢目となりました。

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Euphorbia begardii
ベガルディイは沢山の花芽をふいています。しかし、そろそろ植え替え時ですから気にせず植え替えてしまいます。そう言えば、E. primulifolia v. begardiiの名前で入手しましたが、現在は独立種とされています。
2020年4月にファーマーズ三郷店にて購入。

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根は鉢にパンパンに詰まっていました。鉢が縦長なので、塊根が鉢の形に育ってしまいました。
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根の一部から葉が出ていたのですが、小さな塊根が出来ています。親から切り離すこともできそうです。
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植え替え後。前より塊根を少し出しましたが、今回は子株は外しませんでした。プレステラ120に植えましたから、根域は前よりだいぶ広いはずです。

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Euphorbia subapoda
スバポダは外見的にはあまり育っている雰囲気はありません。
2022年4月のビッグバザールにて購入。

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塊根はまあまあ育っていましたが、ネジラミがいたので根を洗いました。しかし、形が悪いですね。
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植え替え後。塊根を少し出しました。妙な形なので塊根の出し方に悩みます。

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怪魔玉
怪魔玉は長らく植え替えていないため、明らかに鉢とのバランスがおかしなことになっています。
2020年1月にコーナン港北インター店にて購入。

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用土はカチカチでだいぶ目減りしていますね。
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根は少ないですが、この状態で普通に育つのですから実に強健です。
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植え替え後。バランス的にはこのくらい必要ですよね。

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竜頭
竜頭も植え替えます。ちなみに、竜頭は鳳頭や瑞昌玉と同じくG. quehlianumとされているようです。
2021年1月に鶴仙園にて購入。

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思ったより根は少ないですね。育ちは悪くありませんでしたが…
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植え替え後。

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Gymnocalycium vatteri
バッテリーはどういうわけか日焼けしてしまいました。焼けたのは真夏ではなく秋口だったので、どうやら西日に当たってしまっていたようです。バッテリーは日照に弱いのにウッカリしていました。
ちなみに、バッテリーは現在ではG. ochoterenaeの一形態とされているようです。

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根の状態は悪くありません。しかし、根が絡まり古い固まった用土を抱え込んでしまい取れません。水はけが悪くなりそうなので根を洗いました。
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植え替え後。今年は気を付けます。

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Aloe humilis
フミリスもやや不調です。姿が乱れていますから、何かしらの悪いところがありそうです。
2020年2月に鶴仙園にて購入。

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根腐れ気味でした。赤玉土が砕けてしまい排水性が怪しい感じでしたね。しかし、新しい根が活発に動いていますからとりあえずは大丈夫です。
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植え替え後。植え替え前の用土はもともと排水性がイマイチなものでしたが、年数が経つと団粒構造がなくなり余計に過湿になるみたいです。特に百均の細長いプラ鉢との相性は今ひとつのようです。そんなこんなで、今はプレステラに順次切り替えています。


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かねてより、ベンケイソウ科植物の分類について幾度か記事にしてきました。遺伝子解析による分子系統の結果として分かったことは、形態と遺伝子の不一致でした。EcheveriaやGraptopetalumはSedumと分離することができません。ですから、将来的にはエケベリア属がセダム属に吸収されるか、あるいはセダム属が細分化されて新たに命名される可能性があります。さて、本日はベンケイソウ科の仲間であるクラッスラ属を中心とした分類について取り上げます。それは、Hengwa Dingらの2022年の論文、『Ten Plastomes of Crassula (Crassulaceae) and Phylogenetic Impactions』です。内容的には解析方法やゲノムの特徴、進化的な考察も含みますが、今回は分子系統のみを見てみましょう。

分子系統
ベンケイソウ科は大きく3亜科に分けられます。クラッスラ亜科はClade CrassulaからなりCrassulaのみを含みます。カランコエ亜科はClade Kalaochoeからなり、CotyledonとKalanchoeを含みます。センペルビブム亜科はClade Sempervivum、Clade Leucosedum、Clade Acre、Clade Aeonium、Clade Telephiumからなります。

      ┏━━Sempervivum亜科
  ┏┫
  ┃┗━━Kalanchoe亜科
  ┫
  ┗━━━Crassula亜科

クラッスラ亜科
クラッスラ亜科はクラッスラ属からなりますが、2つの亜属に分けられます。また、以下に示す名前は、論文で調べられた種類と言う意味で、以下のものしか含まないと言う意味ではありません。
ちなみに、Tillaeaはクラッスラ属に吸収された模様です。
Crassula亜属
C. alstonii、C. columella、C. dejecta、C. mesembrianthemopsis、C. tecta、C. mesembryanthoides、C. socialis、C. perforataからなります。
Disporocarpa亜属

C. volkensis、C. expansa ssp. fragilis、C. deltoideaからなります。

カランコエ亜科
カランコエ亜科はカランコエ属やコチレドン属からなります。一般的にAdromischusとTylecodonを含みます。

センペルビブム亜科
センペルビブム亜科は5つの分岐群(Clade)に分けられます。

  ┏━━━━Clade Telephium
  ┫
  ┃    ┏━━Clade Aeonium
  ┃┏┫
  ┃┃┃┏━Clade Acre
  ┃┃┗┫
  ┗┫    ┗━Clade Leucosedum
      ┃
      ┗━━━Clade Sempervivum

Clade Telephium
論文ではClade Telephiumは、Rhodiola+Phedimusのグループとそれ以外に分けています。論文ではRhodiolaは28種類、Phedimusは6種類と割と詳しく調べています。分子系統にオロスタキスが2箇所ありますが、①の方が本来のオロスタキスのようです。ここでは、O. minuta、O. japonica、O. fimbriataが調べられています。②の方はO. iwarenge f. magnaですが、論文ではSubsection Appendiculataと表記されていました。

      ┏━━━━Rhodiola
  ┏┫
  ┃┗━━━━Phedimus
  ┫
  ┃            ┏━Orostachys①
  ┃        ┏┫
  ┃        ┃┗━Meterostachys
  ┃    ┏┫
  ┃    ┃┃┏━Hylotelephium
  ┃┏┫┗┫
  ┃┃┃    ┗━Orostachys②
  ┃┃┃
  ┃┃┗━━━Sinocrassula
  ┗┫
      ┗━━━━Umbilicus


Clade Sempervivum
論文では調べられたのはS. tectorumだけです。ちなみに、Jovibarbaはセンペルビブム属に吸収された模様です。

Clade Aeonium
論文ではアエオニウム分岐群はAeoniumが9種類とMonanthesが4種類調べられています。アエオニウムとモナンテスはきれいに分離されているように見えます。しかし、Thibaud F. E. Messerschmidらの2020年の論文では、モナンテスは一部がAichrysonのグループに紛れ込んでいます。さらに、セダム属が数種類混入していました。

Clade Leucosedum
論文ではレウコセダム分岐群は、Rosularia alpestrisを調べただけのようです。レウコセダム分岐群はアクレ分岐群と共にセダム属の中心です。前述のThibaud F. E. Messerschmidらの2020年の論文では、セダム属にPrometheumが分離しがたい形で混入しています。ちなみに、Leucosedumはセダム属に吸収された模様です

Clade Acre
アクレ分岐群はアエオニウム分岐群と姉妹群で、レウコセダム分岐群とセンペルビブム分岐群と合わせて、1つのグループを形成します。アクレ分岐群はレウコセダム分岐群と同様にセダム属の中心ですが、論文ではPachyphytumやEcheveria、Graptopetalumがセダムに埋もれるように存在します。
★印がついたグループはセダム属を含んでいますが、レウコセダム分岐群やアエオニウム分岐群にもセダム属が含まれると言う事実は、エケベリア属やパキフィツム属、考え方次第ではアエオニウム属もすべてセダム属に含むべきではないかと言う疑念が浮かびます。もし、エケベリアやアエオニウムの名前を温存したいと考えるならば、セダム属を解体する必要があります。例えば、セダム②を本来のセダム属とし、セダム①やレウコセダム分岐群に含まれるセダム、アエオニウム分岐群に含まれるセダムはセダム属から分離させ、新たに新属とするか近縁属に属を移動する必要性があります。

  ┏━━━━━━Clade Sempervivum
  ┃
  ┫            ┏━━★Sedum①
  ┃        ┏┫
  ┃        ┃┃    ┏Graptopetalum
  ┃        ┃┃┏┫
  ┃    ┏┫┃┃┗Echeveria
  ┃    ┃┃┗┫
  ┃    ┃┃    ┗━Pachyphytum
  ┃    ┃┃
  ┃    ┃┗━━━★Sedum②
  ┃┏┫
  ┃┃┗━━━━★Clade Leucosedum
  ┗┫
      ┗━━━━━★Clade Aeonium


分類学の基本的な考え方として、以下のような3つのグループがあった場合、A、B、Cと言う3属に分けるか、A+BとCの2属に分けるか、A+B+Cで1つの属にまとめるか、いずれかになります。今回の件では、AとCがセダム属でBがエケベリア属となります。つまり、セダム属を解体するか、エケベリア属をセダム属に吸収させるかしか選択肢はないと言うことです。

      ┏━━A
  ┏┫
  ┃┗━━B
  ┫
  ┗━━━C

最後に
すでに過去の論文で、エケベリアの不安定な分類学上の位置やセダムの混乱について判明しています。ですから、今回取り上げた論文で再確認出来たことは、疑念を確証へ私の認識を変えることになりました。さて、ではなぜセダムやエケベリアは分子系統に従い再整理されないのでしょうか? しかし、そのためには変更するすべての種について、学名と異名、その記載論文、新しい名前などを列挙する必要があります。それには、セダム属が混入するベンケイソウ科の分類群についてすべて調べ、そのすべての名前を列挙する羽目になります。相当な大仕事になるでしょうから、なかなか難しいでしょう。現状のベンケイソウ科植物の分類は、喉に刺さった小骨の如く、どうにも収まりが悪く気になります。私の目の黒いうちに解決してくれると助かるのですが難しいですかね?


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さて、多肉植物を外に出しつつ植え替えもしています。今年の植え替えは今回で89鉢目になりました。

240505145710604
Euphorbia pseudocactus
購入してからしばらくはまったく動きがありませんでしたが、去年は急に生長が始まりました。2020年7月にヨネヤマプランテイションにて購入。
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根の状態は良好です。しかし、これは根詰まり一歩手前といった感じがします。
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植え替え後。流石に鉢増ししました。

240505145626606
Euphorbia appariciana
アパリキアナはあまり調子が上がらず、枝がイマイチ増えません。
2022年9月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は悪くありません。
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植え替え後。今年はよく生長してほしいものです。

240505173239730
Haworthia arachnoidea
アラクノイデアは思ったより育ったため、葉で蓋をした形となり、用土が乾きにくい状態です。用土の表面に藍藻が生えてますから、そうとうジメジメしているはずです。葉も生気がないので根腐れしている可能性があります。
2022年2月にシマムラ園芸にて購入。

240505173354643
案の定、根腐れしていました。しかし、新しい根が勢いよく伸びています。どうやら助かりそうです。あと、下の方の葉も腐っていたので取り除きました。
240505173641182
植え替え後。この鉢なら過湿にはならないでしょう。

240505145716889
Euphorbia imperatae cv.
ミリイから独立したインペラタエの斑入り品種です。植物用ライトを当てすぎて日焼け気味です。
2021年11月にヨネヤマプランテイションにて購入。

240505150431910
根は大変な勢いです。
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植え替え後。インペラタエもミリイと同じく一年中花を咲かせます。そろそろ枝を切りつめて、枝を増やしても良い頃合いかも知れません。枝が増えれば花も増えますからね。

240505171629610
Euphorbia polygona var. horrida
ホリダは去年は動きが鈍く、根詰まり気味かも知れません。そう言えば、ホリダはポリゴナの変種とされましたが、いつの間にやらすべてポリゴナの異名となってしまいました。なので、ホリダもゼブラホリダもアノプリアも今はすべてポリゴナです。妙な話ですね。
2020年1月にシマムラ園芸にて購入。

240505171931256
根の状態は良好ですが、やはり根詰まりをおこしていました。パンパンでしたね。
240505172411251
植え替え後。根域が狭いのでプレステラ120に植えました。


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蘇鉄(Cycas revoluta)は我々日本人にとっては馴染みが深い植物です。蘇鉄を蘇鉄と認識していない方もおられるかも知れませんが、実は宅地を歩けば何気なく蘇鉄が植えられていたりします。蘇鉄の仲間、いわゆるCycadは世界中に分布しますが、そのほとんどは非常に数が減少し絶滅危惧種となってしまっています。ですから、日本の蘇鉄が日常に溶け込む風景は世界的には珍しい光景と言えるでしょう。しかし、この日本各地に植えられた蘇鉄は移植されたもので、その起源は辿って行けば九州以南の暖地と言うことになります。蘇鉄の葉などをフラワーアレンジメントなどの素材として一般的に流通していますが、本来の自生地での利用はいかなるものなのでしょうか。私などは沖縄で蘇鉄の種子を救荒作物として利用したと言うことぐらいしか知りません。また、一般的に蘇鉄の種子は有毒ですから、アク抜きしないといけないことも分かります。しかし、その方法はどのようなものなのでしょうか。日本では縄文時代からドングリやテンナンショウの芋をアク抜きして食べていたようですが、何か関連はあるのでしょうか。
さて、以上のような疑問に衝き動かされて調べてみたところ、Takako Ankei(安渓貴子)の2023年に論文、『Traditional Methods of Cycad Detoxification in Amami and Okinawa: Historical origins of their biocultural diversity among the island』を見つけました。非常に興味深い内容ですから、少し内容を見てみましょう。

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Cycas revoluta

蘇鉄を食べた症例
1970年代に大学生だったSさんは、初めて西表島を訪れキャンプをしました。蘇鉄の赤い実が沢山なっていたのを見て、島の子供たちに「これ食べていい?」と尋ねたところ、子供たちは「はい!」と答えたそうです。Sさんは、蘇鉄の実を割って白い胚乳を炊飯器で炊いて、夕飯に食べました。炊いた蘇鉄の実は栗のような味がしたといいます。他の食べ物が乏しかったため、Sさんは蘇鉄の実を沢山食べました。真夜中、Sさんは激しい嘔吐に見舞われましたが、幸運にも自力で島の診療所までたどり着くことが出来ました。症状は入院が必要なほど重篤ではありませんでしたが、場合によっては致命的だったかも知れません。島の子供たちに悪意はなく、蘇鉄の実は解毒しないと食べられないと言うことを知らなかったのでしょう。
Sさんはこの事件にめげずに中学校の教師として西表島に永住しました。Sさんの貴重な経験が多くのことを教えてくれます。例えば、蘇鉄の実は煮沸してもその毒性は持続すること、蘇鉄の実の味はそれが有毒であることを教えてくれないこと、症状は摂取から数時間以内に発生することなどです。Sさんは嘔吐により、蘇鉄の実を吐き戻したことから命を救われました。
第2次世界大戦の最中、沖縄諸島では蘇鉄の毒性や解毒方法を知らない日本本土から来た兵士が、蘇鉄中毒で多くの死者を出したと言います。渡嘉敷島や竹富島でそのような事例を聞いたことがあります。

蘇鉄の有毒成分
蘇鉄の有毒成分は、cycasinと言う配糖体です。腸内の微生物の酵素によりcycasinから糖が取り除かれ、methylazoxymethanolと言う生成物が出来ます。methylazoxymethanolは容易に分解し、diazomethaneとホルムアルデヒドとなります。diazomethaneは不安定で、水と二酸化炭素、窒素を分解します。ホルムアルデヒドは摂取すると急性毒性を起こします。また、methylazoxymethanolとdiazomethaneには発ガン性があります。

遺伝的要素
前田芳之は奄美で長年に渡り蘇鉄の研究と販売に携わっていたプロの庭師です。彼が蘇鉄を束ねて出荷する際に、奄美の蘇鉄の葉は曲がりにくく、宮古や八重山など南方の蘇鉄は折れてしまいました。この記述を元に、Kyoda & Setoguchi(2010)は奄美と沖縄の蘇鉄の遺伝子解析を行いました。その結果、遺伝的に2つに分けられることが分かりました。また、台湾の蘇鉄(Cycas taitungensis)と比較するとC. revolutaは遺伝的多様性が低いことが明らかとなりました。これは、第四紀の間氷期に水位の上昇により水没がおきたため、遺伝的多様性が失われたボトルネック効果によるものであると推測されます。

解毒方法
蘇鉄のデンプンの大部分は幹や種子に蓄えられますが、蘇鉄は有毒なので解毒の必要があります。有毒成分のcycasinやホルムアルデヒドは水溶性で、diazomethaneは不安定で加熱すると揮発します。したがって、解毒の手順は、(a)水へのcycasinの滲出、(b)微生物による分解、(c)水への浸出および加熱によるcycasin、ホルムアルデヒド、diazomethaneの分解と除去となります。奄美と沖縄では3種類の蘇鉄の解毒方法があることが分かりました。

①タイプA: 浸出→加熱
②タイプB: 発酵→浸出→加熱
③タイプC: 浸出→発酵→加熱


解毒法: タイプA
この方法は種子の解毒方法です。果実には繊維がほとんどないため、幹よりも粉砕しやすいからです。
解毒の手順は、種子の硬い殻を半分に割り、1〜2日間天日干しします。デンプンは乾燥して縮み殻から取り外しやすくなります。細かく砕き水に浸して有毒成分を滲出させます。水が透明になるまで、水を数回取り替えます。沈殿したデンプンを集め、布袋に入れ水を切ります。天日干ししてから保管します。
また、種子を砕かずに乾燥させてから保存することも出来ます。保管中にカビが生えることが良くありますが、地域によっては気にしません。

解毒法: タイプB
この方法は幹の解毒方法です。幹は硬い繊維と粘着性物質(viscous material)で覆われます。
蘇鉄の幹を切って半日干しとし、真菌の生長を促します。水分が多すぎると細菌が繁殖してしまい解毒出来ません。麻袋や籠に藁やバナナの葉を入れ、蘇鉄を置き葉で蓋をします。温かい条件では3〜4日以内に発酵して発熱します。カビの繁殖と心地よい香りが成功した証です。中身を半日乾燥させ、一度蓋を開けてからまた閉めます。黒カビが生え発熱は止まります。手で割ることが出来るくらい柔らかいなるまで発酵を続けます。この状態で乾燥させて長期間保存することも出来ます。きれいな水で荒い、黒カビを取り除きます。杵を使い潰し、鍋やバケツに移します。網で繊維を漉し、上澄みが透明になるまで水を3回交換します。布袋に入れて水を切り、団子にして天日干しします。タイプBは一部の地域では蘇鉄の果実にも行われています。

解毒法: タイプC
琉球王国の傑出した政治家であった蔡温の農業マニュアルに記された方法で、詳細かつ複雑なプロセスを要します。
蘇鉄の幹の外側をこすり落とし、内側の白く薄い層を削り取り集めます。7〜8日乾燥させ水に浸します。毎日水は交換し、4日ほど経ったら取り出してよく洗い、バナナの葉を敷いて俵に入れ、ススキなどで覆います。3日ほど発酵させると表面に黄色がかった油のようなものが現れます。取り出して半日ほど陽光に当てるか、曇りの場合は風にさらします。再度、俵に戻し、この過程を繰り返しと、やがて完全に腐敗した状態となります。柔らかく簡単に壊せるようになったら、柔らかい部分を集めて煮て食べるか、乾燥させて保存するか、あるいはデンプンを回収します。


救荒作物としての蘇鉄
タイプCは沖縄本島とその近辺、さらに交易路沿いに見られました。蔡温はサツマイモなどが不作の場合、飢饉に対して蘇鉄のデンプンに頼るべく、庶民に対し蘇鉄を植えるように命じました。しかし、蘇鉄中毒の可能性が高まるため、タイプCの解毒法を公的に広めました。しかし、タイプCが採用されなかった地域もあります。理由としては、単純に味の好みに関するものや、良質な鉄刃の入手が難しかった与那国などでは、硬い幹を丁寧に削るタイプCは非常に手間がかかっため、タイプB が採用されたと考えられます。

奄美の場合
奄美は薩摩藩の支配する傀儡政権であり、サトウキビ栽培が強制されました。水田のほとんどがサトウキビ畑に変わり、年貢のあまりの厳しさから住民の約半数は土地を持たないヤンチュ(債務奴隷)に転落しました。平地はサトウキビ畑となったため、斜面にサツマイモが植えられました。ヤンチュの日々の糧は、不毛の土地に生える蘇鉄に限られていました。
しかし、沖縄では非常食としてしか食べられませんが、奄美では薩摩藩からの独立後も蘇鉄が日常的に食べられてきました。そのため、沖縄では解毒方法を知らない人々の間で急性中毒が度々起こりました。

最後に
ミクロネシアではCycas micronesicaが唯一の蘇鉄ですが、グアムの先住民族であるチャモロ族は食料源として蘇鉄を利用してきた長い歴史があります。しかし、長いスペイン支配が終わると、知事は有毒である蘇鉄を食べないように指示しました。その後、住民は蘇鉄を食べなくなり、開発や害虫の侵入によりグアムの蘇鉄は絶滅しました。対して、沖縄や奄美では蘇鉄林が残り、今でも蘇鉄は蘇鉄味噌などに加工され販売されています。この2つを比較すると、消費すると減少し、消費がなければ増加すると言うものではないことが分かります。これは、蘇鉄に対する関心の有無によるものなのでしょう。関心が薄れてしまえば、減少しても失われても興味を引くことがないからです。そのすべてを根こそぎ産業利用のために消費し尽くすのではない限り、蘇鉄に対しある程度の付き合いがあり関心を示すことが、沖縄や奄美の蘇鉄を守ってきたのかも知れませんね。

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だいぶ遅れましたが、ようやくハウォルチアやアロエ以外の多肉植物を外に出す準備が整いました。しかし、一度に運び出すのは大変なので全部出すには時間がかかります。さて、そんな多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Zamia furfuracea
フルフラケアは新芽が出ていましたから、早く外に出さないとと焦っていました。そう言えば、かつてはZ. pumilaの名前で流通していましたが、最近は正しい名前であるフルフラケアが使われるようになってきました。ちなみに、プミラは小葉が細長く先端が尖るため、判別は容易です。

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黄金の毛に包まれた美しい新芽。

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Zamia integrifolia
一般的にはZ. floridanaの名前で流通しているインテグリフォリアです。インテグリフォリアは若干疑義のある名前ですが、もしインテグリフォリアが使われないとしてもフロリダナよりも古くに命名された名前があるため、フロリダナが正式な学名とはなりません。こちらもフラッシュが始まりました。

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新芽の様子。幹はどうしても傾いてしまいます。

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Gymnocalycium erinaceum WR 726B
エリナケウムが開花しました。美しい花ですね。

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Gasteria ellaphieae GM 300
エラフィエアエも開花中です。

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エラフィエアエの花はそれほど胃袋型ではありませんでした。


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いよいよ今年の植え替えも終盤戦です。今年の植え替えは本日で84鉢目となりました。

240505143633749
Pachypodium succulentum
スクレンツム(サキュレンタム)は去年大き目の鉢に植えましたが、冬の間に葉が緑色のままポロポロ落ちて何やら不調です。触るとぐらつくため抜いてみます。
2021年10月に鶴仙園にて購入。

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根をやられていました。細根がありません。鉢が大きすぎて多湿になってしまったのでしょうか。太い根を切断してみましたが、本体まで腐ってはいないようです。
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植え替え後。鉢が大きすぎたと見て、プレステラ120に植えました。復活してほしいですね。

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Euphorbia mlanjeana
ムランジェアナは割と生長は良好です。
2022年9月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。同じ鉢に植えました。根が良いので、今年の生長も期待出来ます。

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Gymnocalycium prochazkianum
プロカズキアヌムは入手時に比べると、だいぶ育ったと言うかゴツくなりました。青白く美しいギムノカリキウムです。
2022年4月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は非常に良いですね。塊根が発達しています。
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植え替え後。そのまま植えました。

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Gymnocalycium prochazkianum ssp. simile VoS 1417
フィールドナンバーつきのプロカズキアヌム亜種シミレです。
2021年11月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は非常に良好です。やはり塊根が太くなりました。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ105に鉢増ししました。塊根が長く育ちすぎてしまいました。次回からは塊根を切らないと植えられないかも知れません。

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Euphorbia ferox
フェロックスも去年は勢いが落ちてしまいました。そろそろ植え替え時です。
2020年1月にコーナン港北インター店にて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。今年は勢いを取り戻してくれるはずです。


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最近は植え替え一辺倒でしたが、1ヶ月ぶりに我が家の多肉事情をご紹介します。春ですから多肉植物たちもよく動いています。

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Euphorbia waringiae
ワリンギアエが開花しました。冬の間も少し咲きましたが、花芽が一気に付いてきました。

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Euphorbia mahabobokensis
まるで枯れ木状態で入手したマハボボケンシスに葉がふきました。あっという間に葉が繁り驚きました。


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Adenia olaboensis
やはり枯れ木状態だったオラボエンシスも、非常に元気です。

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Fouquieria purpusii
プルプシイも葉がワサワサ生えてきました。Fouquieriaは種類によって割と葉の形が異なりますね。


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Euphorbia quadrangularis
クアドラングラリスがいつの間にやら開花していました。これは目立ちませんね。


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Tylecodon buccholzianus
冬の間は葉がなかったブクコルジアヌスですが、ジワジワ葉が出てきました。と言うか、この時期に葉が出るのは正解なのでしょうか?


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Euphorbia crassicaulis
クラシカウリスも花芽がアチコチから出てきています。


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Gasteria glomerata
グロメラタの花はそろそろおしまいの雰囲気です。



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一般的に「滝の白糸」と呼ばれているアガヴェがあります。葉縁から糸状の繊維を出す美しい植物で、国内でも昔から栽培されています。私はアガヴェは積極的に集めてはしていませんが、イベントに行った折にオマケでアガヴェの抜き苗をいただきました。名札には「Agave leopoldii」とありました。要するに「滝の白糸」です。調べてみると、Colin C. Walkerの2024年の記事、『Agave × leopoldii』を見つけました。Walkerは育てた植物についてよく記事にしていますが、自身の育てているレオポルディイが開花したため記事にしたようです。少し見てみましょう。

レオポルディイの命名
レオポルディイは1880年代半ば頃に、ロンドンのStamford HillにあるW. B. Kellock博士の自宅の庭で育てられ、キューの著名なビクトリアン・ガーデナーであるWilliam Watsonにより1893年に記載されました。名前は1893年に開催された王立園芸協会の展示会で、この植物を賞賛したベルギー国王レオポルド2世に敬意を表するために命名されました。

Agave princepsの謎
Drummond(1912)によると、Kellock氏はA. filiferaとA. princepsを交配して出来た植物であると信じていたと言います。しかし、Drummondはレオポルディイの開花した花を見て、その特徴からレオポルディイが雑種ではなく独特した種であるとし、Agave disceptataと命名しました。しかし、現在ではAgave ×leopoldiiの異名とされています。

レオポルディイの特徴
レオポルディイは、葉の縁から剥がれ落ちる繊維あるいは糸の生成を特徴とする糸状アガヴェ(filiferous agave)の1つです。これらのアガヴェは葉の縁に目立つ鋸歯を形成しません。レオポルディイは短く鋭い末端トゲを作ります。
糸状アガヴェの作る糸に対する満足するような説明はまだありません。他のアガヴェのような激しい鋸歯や末端トゲとは異なり、糸状アガヴェの繊維が草食動物の採食の妨げになる可能性は低いでしょう。


育ててみた
著者の育てているレオポルディイはかなり早く生長し、直径55cmのロゼットを形成しました。単一のロゼットを維持するために、脇芽は取り除きました。
著者の育てている糸状アガヴェの中でも、レオポルディイは最も細長い葉を持ちます。葉は繊維状で長さは45cmに達しますが、基部の幅はわずか1cmです。
著者の育てているレオポルディは、英国サボテン多肉植物協会グラスゴー支部の2つの展示会で、リュウゼツランの無制限鉢クラスで最優秀賞を受賞したと言うことです。


花の特徴
著者の育てたレオポルディイは、10年間の栽培を経て開花しました。Littaea亜属に典型的な枝分かれするない穂状の花です。花茎は高さがわずか1.35mでした。
花は2つか3つ、4つの房で咲き、最大6cmでした。花は花穂の基部から咲きはじめ、数十個の花が同時に開きます。若い花は淡い緑色で、やがて緑色が淡いピンク色に変わります。中央の縞模様はわずかに濃い緑色です。。古い花はくすんだピンク色で、中央の縞模様は濃い褐色です。
アガヴェは開花すると本体は枯れてしまいますが、長年に渡り沢山の子株を吹きました。


'Hammer Time'
Agave ×leopoldii 'Hammer Time'と言う斑入り品種があり、淡緑色の縁縞があると言うこと以外は典型的なレオポルディイに似ています。
この品種は、メキシコ旅行中にこの品種を発見したと言う、アメリカの著名な園芸家であるGray Hammerに因んで命名されました。しかし、レオポルディイはロンドンの庭園で作出された雑種であるため、メキシコに自生している植物と同じであるはずがありません。この植物は単に、Agave  'Hammer Time'とした方が適切です。


最後に
記事ではレオポルディイは、A. filiferaとA. princepsの雑種とありますが、現在はA. filiferaとA. schidigeraとの雑種とされているようです。しかし、このA. princepsと言うアガヴェが調べてもよく分かりません。由来が不明な学名でも、その旨が記されて一応名前は記載されていたりしますが、A. princepsは名前自体が見当たりません。困りましたね。
そう言えば、葉に覆輪が入るものは格別珍しいわけではありませんが、これはすべて
'Hammer Time'に相当するのでしょうか? Walkerによると'Hammer Time'はレオポルディイの斑入り品種か分からないとしています。単に'Hammer Time'が野生由来株と言う記録が誤りの可能性もあるような気もしますがどうでしょうか?

240321033228836
さて、我が家のレオポルディイはまだまだ小さく、その最大の特徴であるフィラメントがほとんど出ていません。見られるように育つまでは、かなりの年数が必要なのでしょう。


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終わりそうと言いながら植え替えはなかなか終わりません。今年の植え替えは、本日で79鉢となりました。しかし、ようやく外の多肉植物置き場の整備が進展しました。とは言え、どういうわけかGWも仕事なので、まだ多肉植物の大半を外に出せません。いやはや困りましたね。

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Gymnocalycium gibossum ssp. borthii
ギボスム亜種ボルティイですが、去年は何故か今ひとつでした。根の状態が気になります。
2021年1月に鶴仙園にて購入。

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根が駄目ですね。以前の植え替えでは、塊根が非常に太っていましたが、すっかり痩せてしまっています。本体に腐れは入っていないようですが心配です。
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植え替え後。しばらくは経過観察します。

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Euphorbia pulvinata
いわゆる笹蟹丸ですが、植物用ライトが強すぎて葉が焼けてしまいました。
笹蟹丸は自生地では様々な用途で利用される、生活の中に溶け込んだ植物です。
2020年1月にオザキフラワーパークにて購入。

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根は非常に良いですね。
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植え替え後。根に比べて生長は鈍い気がします。

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Euphorbia cooperi
いわゆる瑠璃塔です。鉢とのバランスが悪く見えますね。
2020年2月に鶴仙園にて購入。

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根は悪くありません。しかし、やはり狭そうではあります。
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植え替え後。大きいサイズの鉢がないので、同じ鉢に植えました。来年は鉢増しします。

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Euphorbia clivicola
原産地では希少なクリビコラですが、最近少し見かけるようになりました。
今年の2月に鶴仙園にて購入。

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意外にも複数株でした。
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植え替え後。

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Fouquieria ochoterenae
去年は非常によく生長したため、鉢が小さく見えます。しかし、オコテレナエはFouquieriaの中でも特に枝振りが荒いですね。
2022年6月のビッグバザールにて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。オコテレナエは灌木ですからいずれ切り戻しますが、タイミングが難しいですね。今年、もし倍くらい伸びたら考えます。


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近年、マミラリア属とその近縁属の遺伝子解析が行われ、マミラリア属とその近縁属は大幅な改訂と整理を受けることになりました。過去に記事にしていますから、詳細は以下のリンクをご参照下さい。

以前の記事の内容を簡単にまとめると、マミラリア属はまとまりがないグループで、まとまりのある単系統のマミラリア属以外のマミラリアは、オルテゴカクタスやネオロイディアと合わせてコケミエア(Cocphemiea)となりました。さらに、エスコバリアとエンケファロカルプス、さらにコリファンタの一部がペレキフォラに吸収されました。
さて、以上のようなマミラリアとその近縁属に近縁なグループとして、ラピカクタスやツルビニカルプス、エピテランサがあります。本日はこのあたりの最新の分類についての論文をご紹介しましょう。それは、Monserrat Vazquez-Sanchezらの2019年の論文、『Polyphyly of the iconic cactus genus Turbinicarpus (Cactaceae) and its generic circumscription』です。

ツルビニカルプスの歴史
①ツルビニカルプス
1937年にTurbinicarpusが新属として記載されました。Buxbaumによると、小型でほとんどが球形または円筒形、アレオーレは疣の先端にあり、短い筒を持つ白あるいはピンク色の花、そのほとんどが裸の果皮、先端が裂ける果実、1.0〜1.9mmで黒色で疣贅状の荒い種子を持つなどの特徴を上げました。

②ギムノカクタス
Turbinicarpusは1938年にBackebergにより分割され、その一部はGymnocactusとされました。BackebergはGymnocactusを、トゲが細かい、種子が軽い、疣が細かい、花はほとんどが紫色でそうでない場合はピンク色または白色であるとしました。Glass & Foster(1977)はTurbinicarpusとGymnocactusの違いに説得力はないと述べました。しかし、現在(2019年当時)でもGymnocactusは健在です。

③ラピカクタス
1942年にBuxbaum & Oehmeにより、GymnocactusからのRapicactusの分離が提案されました。Rapicactusはくびれのある太い根を持ちます。Luthy(2003)は、Rapicactusはその種子の形態に基づく必要があると主張しました。
2000年にMosco & ZanovelloによりTurbinicarpus mandragoraを分離することが提案されましたが採用されませんでした。しかし、Luthy(2001, 2002)による詳細な分類学的研究により、均一な分類群であることが示唆されました。Luthyによると、ガラス質の白っぽい針状のトゲ、種皮が部分的に凸型の「ドーム型または円錐形から乳首状」でありRapicarpusであるとしました。

④ノルマンボケア
1969年にKladiwa & Buxbaumは、Turbinicarpus valdezianusに因んでNormanbokeaと言う属名を提案しました。Bravo-Hollis & Sanchez-Mejarada(1991)は、NormanbokeaはThelocactusと密接な関係があると結論付けました。しかし、近年の分類学ではT. valdezianusはTurbinicarpusとされています。

⑤ブラヴォカクタスとカデニカルプス
1998年にDoweldは、Turbinicarpus horrispilusとTurbinicarpus pseudomacrocheleをそれぞれTurbinicarpusから分離するために、BravocactusとKadenicarpusを提案しました。しかし、後者は採用されていません。

⑥不安定なツルビニカルプス
Turbinicarpusの一部は、NeolloydiaやSclerocactusの一部として扱われたToumeya、およびPediocactusなど他属に移されました。

遺伝子解析
この論文では遺伝子解析による分子系統により、不安定なTurbinicarpusを分析しました。ツルビニカルプス属とされてきた種は大きく3つに分割出来ることが明らかとなりました。ここではツルビニカルプスと近縁属をA、B、Cの3グループに分けて見ていきます。

      ┏━━グループC
  ┏┫
  ┃┗━━グループB
  ┫
  ┗━━━グループA


グループA【Rapicactus・Acharagma】
Turbinicarpus beguinii、T. booleanus、T. mandragora、T. subterraneus、T. zaragozaeの5種類のツルビニカルプスは単系統で、Acharagmaと種子の特徴が共通する姉妹群です。この仲間はRapicactusとしてTurbinicarpusから分離されます。Rapicarpusは種子の微細な模様や、果実が側方で開裂し、果実の粘稠度、皮下組織の同心円状の晶洞の発生など、形態学的な共通点があります。また、このグループにはObregoniaやLophophoraが含まれます。
Buxbaum & Oehme(1942)はRapicactusとNeolloydiaを近縁としましたが、分子系統では支持されません。また、RapicactusにはPediocactusには関連していません


              ┏
━Lophophora
          ┏┫
          ┃┗━Obregonia
      ┏┫
      ┃┗━
━Acharagma
  ┏┫
  ┃┗━━━Turbinicarpus①
  ┫
  ┗━━━━グループB


グループB【Mammillaria・Cochemiea】
このグループにはTurbinicarpusは含まれないため、論文では解説されません。私が最新の情報に基づいて少し補足しましょう。
ここで解析されているCumariniaは、論文ではC. odorataと表記されていましたが、Coryphanthaから分離された種です。Neolloydia odorataとされたこともあります。MammillariaはM. lentaを解析しています。また、EscobariaはE. missouriensisとE. laredoi、PelecyphoraはP. aselliformis、NeolloydiaはN. conoideaが解析されています。しかし、現在ではEscobariaはPelecyphoraに吸収されました。OrtegocactusとNeolloydiaはCochemieaに吸収されました。ちなみに、ここでは登場しないEncephalocarpusもPeclecyphoraに吸収されています。

          ┏━━Cumarinia
      ┏┫
      ┃┗━━Mammillaria
      ┃
      ┃    ┏━Escobaria
  ┏┫┏┫
  ┃┃┃┗━Pelecyphora
  ┃┗┫
  ┃    ┗━━Ortegocactus
  ┫
  ┗━━━━Neolloydia


グループC【Turbinicarpus・Kadenicarpus】
Turbinicarpusは1936年にBackebergによりStrombocactusの亜属として命名されたことから始まりましたが、1937年にBuxbaum & Backebergにより独特した属Turbinicarpusとなり、T. schmedickeanusを属の基準種に指定しました。Turbinicarpusの基準種であるT. schmedickeanusは分子系統のTurbinicarpus③に含まれ、本来のTurbinicarpusはTurbinicarpus③で、Ariocarpusの姉妹群です。Turbinicarpus②には、T. horripilusとT. pseudomacrocheleからなります。Kadenicarpusに属する2種は、それぞれDoweldにより提案されたBravocactusとKadenicarpusのタイプです。このTurbinicarpus②をTurbinicarpusから分離し、Kadenicarpusを復活させました。Anderson(1986)は、形態学的特徴からKadenicarpusの2種をNeolloydiaに含めましたが、分子系統ではこの提案を支持しません。また、Kadenicarpusは、関係が深いとされたこともあるMammillariaやNeolloydia、Pediocactus、Thelocactusと近縁ではありません。
                  
              ┏━Turbinicarpus③
          ┏┫
          ┃┗━Ariocarpus
      ┏┫
      ┃┗━━Turbinicarpus②
  ┏┫
  ┃┗━━━Strombocactus
  ┫
  ┗━━━━Epithelantha


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
論文では各属の分岐した年代や、分岐した地理的な拡散を推察していますが、長くなるため割愛させていただきました。
さて、論文ではRapicactusやKadenicarpusの復活を提案していますが、現在(2024年5月)ではそれぞれ独立した属として認められています。近年のツルビニカルプスの仲間の分類をまとめると以下のようになっています。論文の書かれた2019年当時は健在だったGymnocactusもTurbinicarpusに吸収されました。

Gymnocactus→Turbinicarpus
Normanbokea→Turbinicarpus
Bravocactus→Kadenicarpus
Ortegocactus→Cochemiea
Neolloydia→
Cochemiea
Escobaria→Pelecyphora
Encephalocarpus→Pelecyphora


ちなみに、あまり聞き慣れないAcharagmaは以下の3種からなります。ご参考までに。

Acharagma aguirreanum
 =Escobaria 
aguirreana
 =Gymnocactus 
aguirreanus
 =Thelocactus 
aguirreanus

Acharagma galeanense
 =Escobaria roseanum
                  ssp. 
galeanensis
 =Acharagma 
roseanum
                  ssp. galeanense

Acharagma roseanum
 =Escobaria 
roseana
 =Gymnocactus 
roseanus
 =Neolloydia 
roseana
 =Thelocactus 
roseanus
 =Echinocactus 
roseanus
 =Acharagma huasteca


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未だに多肉植物たちを外に出せていません。それなのに植え替えだけは続きます。今年の植え替えは今回で74鉢となりました。

240428162014264
Euphorbia heptagona
明らかに鉢が小さいですね。植え替え時です。

まあ、いわゆる紅彩閣ですが、長らくE. enoplaと言う異名で流通していましたが、最近はE. heptagonaが使われるようになってきました。私も3年くらい前からこの誤りを指摘してきましたから、感慨深いものがあります。しかし、E. heptagonaを「紅偏閣」あるいは「彩光」と呼んで、まるで紅彩閣と別種であると勘違いさせるような販売サイトが多いことが気にかかります。
2022年1月に鶴仙園にて購入。

240428162855780
根の状態は良好。
240428170151760
植え替え後。プレステラ120に植えました。

240428162037138
Euphorbia grandialata
グランディアラタも鉢が小さいと言うより浅過ぎるでしょうか。しかし、このような幹に模様がついた柱状ユーフォルビアは似ているものが多く、おそらく10種類以上が混同されていますよね。この幹の模様は種を判別する決め手にはなりませんから、ribの数や厚み、トゲの生え方などを比較しなければなりません。
2022年3月にシマムラ園芸にて購入。

240428162901016
根の状態は良好です。
240428170128412
植え替え後。期待を込めてプレステラ120に植えました。

240428162124321
Euphorbia aggregata
いわゆる紅キリンですが、店頭では「エノプラ」の名前で販売されることもあります。
2020年12月にコーナン港北インター店にて購入。

240428162848125
根の状態は良好。
240428170137106
植え替え後。

240428162114018
Euphorbia alluaudii
マダガスカル原産のPencil-Stemのユーフォルビアです。ミニ多肉植物としてssp. onchocladaの名前で販売されています。ウェブ上の多肉植物の販売サイトでも同様の傾向なので、輸入種子の名前に誤りがあるのかも知れません。
2022年6月に鶴仙園にて購入。

240428162904306
去年は動きが悪かったものの、根の張りは思ったより良好です。
240428170124397
植え替え後。今年はもっと生長してほしいですね。

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Fouquieria columnaris
いわゆる観峰宝です。実生か挿し木かよく分かりません。購入時に植え替えたはずですが、よく覚えていないので確認してみます。
2022年6月のビッグバザールにて購入。

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去年は腰水栽培を試してみましたが、根の状態はすこぶる良好です。そして、根元がすぼまるこの形、Fouquieriaの実生ではお馴染みの形状です。しかし、ここから太り始めるようにも思えませんが…
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植え替え後。そう言えば、今だに観峰玉をIdria属としているサイトは結構あるみたいですね。


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最近、某匿名掲示板をダラダラ見ていたら、サボテンが霧から水分を得るという仮説に対して、かなり否定的な論調が見受けられました。しかし、実際に色素液をアレオーレに滴下してからサボテンを輪切りにすると、アレオーレから吸収された色素がサボテン内の維管束に拡がる様子が観察出来ます。砂漠は日中と夜間の寒暖差が激しいので、夜間に霧が発生しますから、いわゆる夜露を吸収することは理にかなった生態です。霧を吸収するなら、某匿名掲示板では地面に染み込んだ霧を根から吸収した方がいいと言うような書き込みもありましたが、露は表土を濡らすだけで深く染み込むほどの量はありません。サボテンは深く根を張るものが多く、日中高温になり乾燥しますから露が染み込むほど浅い場所に細根は張らないでしょう。とは言え、すべてのサボテンが露を頼りにしているわけではないようです。露をキャッチするのはトゲで、トゲは表面の微細構造により露をアレオーレに運びます。しかし、サボテンによってはトゲの微細構造が露を運ぶのに適しておらず、露を利用していないと考えられるものもあります。
さて、前置きが長くなりましたが、今日はトゲを介した吸水の話をしましょう。以前も記事にしましたが、今回は異なる種類のサボテンを対象とした論文です。

以前の記事です。ご参照までに。
本日はYahya S. Masrahiの2020年の論文、『Glochids microstructure and dew harvesting ability in Opuntia stricta (Cactaceae)』をご紹介します。

霧と露
霧と露は空気中の過剰な水蒸気から発生し、水滴として凝縮する浮遊水のもっとも顕著な発生源です。液滴が浮遊する場合を霧と呼びます。霧は空気が露点以下に冷却されて水滴が結露することにより形成されます。多くの乾燥地域や半乾燥地域では、霧と露がその時の気候条件に応じて一定量の水源となります。干ばつが深刻な年には、霧が年間降水量を超えることもあります。そのような厳しい環境では、霧や露が重要な役割を果たします。

疎水性と親水性
個体表面上での液滴形成にとって重要なのは、三相境界で形成される接触角です。ちなみに三相境界とは、液体と蒸気の境界面が固体表面と接する場所のことです。接触角が90°未満の場合は親水性で、これは濡れが発生し広い領域を液滴が覆います。一方、接触角が90°を超えると疎水性となり濡れ性は低くなります。疎水性表面上の液滴はより球形になる傾向があり、小さな領域しか固体表面に触れません。

霧を集めるサボテン
サボテンの中でトゲ(spine)や芒刺(glochid)で霧や露を集めることが知られている種類はほとんどありません。トゲや特に芒刺は表面の微細構造が大きく異なります。結露は気温、湿度、表面の微細構造により制御されるため、結露を集める能力はサボテンのトゲの微細構造次第です。現在までにトゲが水分を集めることが確認されたサボテンはわずか数種類しかありません。

実験
芒刺を持つOpuntia strictaと言うウチワサボテンを実験に使用しました。O. strictaには、長さ10〜25mmのトゲと、微細な毛状突起である芒刺があります。サンプルはサウジアラビアでは侵略的外来種であるO. strictaを野外で採取し使用しました。トゲは表面に目立った構造はなく、ほとんど無毛で露の収集能力を示しませんでした。
芒刺は電子顕微鏡で表面構造を調べました。また、夜霧を想定した人工的な霧がある環境で、トゲと芒刺がついたアレオーレを置き、顕微鏡で液滴の形成を観察しました。


芒刺の微細構造
芒刺はアレオーレに約80本あり、長さは約5mmでした。芒刺の表面は逆向きの扁平で先の尖った突起に覆われていました。突起の先端はほぼ滑らかで、基部には微細な溝があり表面は先端よりも粗くなっていました。芒刺の先端部の頂角は9.25°前後で鋭く、突起の先端部の頂角は41.5°前後で弱く扇形でした。

液滴形成の過程
人工的な霧の中で芒刺の表面に水滴が堆積し始めます。まず、芒刺の先端部にコアが形成され、小さな液滴が芒刺の基部に移動しながら、他の液滴と合体して大きな液滴を形成します。直径約130mm以上となった液滴は芒刺の基部へ移動し合体します。
液滴が表面上を移動している時、液滴の接触角が最大(膨張)になる前進接触角と、最小(収縮)となる後退接触をからなります。芒刺では76.25°前後の前進接触角と、52.5°前後の後退接触角が明らかとなりました。実験で使用した芒刺は垂直か半垂直でしたが、液滴の堆積は水平方向の芒刺でも発生します。

ラプラス圧力勾配
芒刺と芒刺の突起は9.25〜41.5°の円錐頂角を持ちますが、このような形態は表面にラプラス圧力勾配を生じます。この時、基部よりも先端部でより強いラプラス圧力を持ちます。この差は円錐の先端部小さな半径と高い曲率、円錐の基部の大きな半径と低い曲率により生じます。これはラプラスの定理で表すことができます。
円錐に沿った先端部から基部までの間の液滴のラプラス圧力勾配は、液滴の臨界サイズである約130mmに達した場合、液滴の自発的な移動を引き起こす駆動力の1つです。

Wenzel状態
芒刺は基部に向かうにつれ顕著な溝があります。この特徴は芒刺の突起にもあり、基部に向かうほど増加します。これがWenzel状態であるならば、芒刺と芒刺の突起の表面の「粗さ」が基部に向かうほど増大することにより、錐体構造の先端から基部に向かう液滴の移動に推進力が生まれる可能性があります。

表面エネルギー勾配
表面エネルギー勾配の原理では、水滴は低い表面エネルギー(濡れ性が低い)から高い表面エネルギー(濡れ性が高い)まで、濡れ性の勾配に沿って移動する傾向があります。サボテンのトゲと芒刺はクチクラと石細胞により防水性がありますが、芒刺の基部にある毛状突起(アレオーレの毛のようなもの)は湿潤性があります。吸湿性の毛状突起は湿潤性が高く、芒刺と芒刺の突起の先端部は表面エネルギーが低くなります。この表面エネルギー勾配も液滴の移動を引き起こす駆動力の1つであると考えられます。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
水滴がトゲを伝ってアレオーレに向かって流れ落ちるだけならば、あまり濡れ性は関係ないと思われる方もおられるでしょう。しかし、濡れ性が低いと言うことは、蓮の葉の上の水滴が弾かれて転がるように、トゲに水滴は付着しないと言うことです。濡れ性が低い場合は、水滴は単純に重力により落下しますから、トゲを伝ってではなく垂直方向への自由落下により地面に落ちてしまいます。逆に濡れ性が高い場合は、トゲに水滴が付着し、表面の勾配により水滴は移動します。この時、水滴は単純に重力により落下しているわけではありません。特に水滴が出来る最初のコアは非常に小さな粒子なのですから、勾配がなければただ表面に貼り付くだけで移動しないでしょう。水平方向の芒刺にも水滴の移動が起こるのは、重力よりも表面の微細構造による勾配の力が影響しているからです。
さて、このように芒刺とアレオーレを介した霧からの水分吸収は理屈の上からも、観察した結果からも明らかです。しかし、その吸水量がサボテンの生存や生長にどれだけ貢献しているのかは、実はよく分かりません。論文の中では霧からの吸水が確認されたのは数種類とありますが、これは数種類しかないのではなくて、数種類しか調査されていないと言うことです。例えば、サボテンの種類ごとの生息環境と、霧からの吸水能力の有無を沢山の種類で確認出来た場合、間接的に霧からの吸水が環境に適応した結果であるかを考察出来るかも知れません。また、アレオーレからの吸水の影響を、栽培されたサボテンで試験することも出来るでしょう。根からの吸水とアレオーレからの吸水は、吸水力や吸水量以外にも違いがある可能性もあります。もし、その違いがサボテンの生育に深い関係があるのなら、サボテンの栽培方法にも新たな工夫が出来るかも知れませんね。


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植え替えは続きますが、流石にそろそろ後半戦です。今年の植え替えは今回で69鉢目となります。最近は時間が取れず、休日の空いた時間にちょこちょこやっていますから、なかなか終わりません。

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Euphorbia gymnocalycioides
ギムノカリキオイデスは植物用ライトを当てすぎて、やや日焼け気味です。
2022年6月のビッグバザールにて購入。

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根は少ないですね。冬の管理が良くなかったのでしょう。
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植え替え後。弱っていますが、根は動いていますから、元気を取り戻してほしいところです。

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守殿玉
鉢を倒してしまい、用土がやや少ない状態です。Gymnocalycium stellatumだとかG. riojenseとか呼ばれていますが、今はG. boedenbenderianumらしいですね。そして、かつてG. boedenbenderianumとされてきた怪竜丸はG. basiatrumになっているらしいです。
2020年11月に鶴仙園にて購入。

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塊根がよく育っていますね。
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植え替え後。普及種ですが、独特の肌色を持つ美しいサボテンです。

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Uncarina roeoesliana
ロエオエスリアナに葉が出てきました。去年はコーデックスとしてではなく観葉植物として水切れしないよう育てました。しかし、プレステラではかなり頻繁に水やりしないとあっという間に乾ききってしまうため難儀しました。さてさて、根の状態はどうなっているでしょうか。
2020年3月に鶴仙園にて購入。

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塊根はよく育っていますが、根の先端が鉢底についてしまっています。
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植え替え後。ロングポットに植えました。これなら、どれだけ根が伸びても大丈夫でしょう。乾きにくくなるでしょうから、ウンカリナ向きですね。

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Fouquieria fasciculata
ファスキクラタはフォウクィエリアの中でも格別に丈夫でよく育ちます。性質が強いみたいです。
2023年3月のビッグバザールにて購入。

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去年は腰水栽培していましたが、ご覧の通り根の状態も良好です。枝は伸びましたが、幹はまだ太くなりません。
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植え替え後。生長が良いので鉢増ししました。

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Euphorbia pedilanthoides
ペディラントイデスは面白い特徴的な花を咲かせる花キリンです。1年目は根も弱くほとんど生長しませんでしたが、去年は少し生長しました。
2022年9月のビッグバザールにて購入。

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根はよく発達していますが、挿し木なので塊根は出来ません。
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植え替え後。去年は多少生長したので、幹が割れて来ています。根の勢いが良いので、今年の生長は期待出来ます。早く花を拝みたいものですね。


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ヒマワリの花は太陽の方向を向くと言われています。私の好きなギムノカリキウムの花は花茎が短く球体に貼り付くように咲きますから、花の向きなどは気にしたことはありませんでした。しかし、花はアレオーレから出ますが、すべての稜(rib)に万遍なく蕾がつくのでしょうか?
調べて見ると、柱サボテンに関してはいくつか論文が出ているようです。本日はその中でも割と有名な武倫柱(Pachycereus pringlei)の花の付き方を調査した、Clara Tinoco-Ojanguren & Francisco Molina-Freanerの2011年の論文、『Flower orientation in Pachycereus pringlei』をご紹介しましょう。

花のつく向き
柱サボテンの花は様々な位置で咲きます。花をつけるアレオーレは頂端や頂端下、あるいは側方にあります。また、Cephalium(※1)や疑似Cehalium(※2)を持つものもあります。Cephalocereus columna-trajaniでは、疑似Cephaliumは太陽の直射を避けています。しかし、温帯砂漠に生息する柱サボテンの中には、太陽に向かって花を咲かせるものもあります。Carnegiea giganteaなど頂端で開花する種では、花は東側あるいは南東の稜に形成されます。側方に花をつける主幹では、主に太陽の方角につきます。南米原産のTrichocereus chilensisでは花は北を向いています。
さて、このように柱サボテンでは花のつく位置に偏りがあります。Johnson(1924年)はC. giganteaの花は花の発育に適した温度になる時間が長い頂端の東側と南東側で発達すると主張しました。

※1 ) メロカクタスのように先端部に出来る羊毛と剛毛からなる構造。
※2 ) Pseudocephalium。CephalocereusやEspostoaに見られる茎の頂端付近にある毛状構造。

Pachycereus pringlei
Pachycereus pringleiはソノラ砂漠に固有の柱サボテンです。この地域で最大のサボテンで高さ15〜20mになり、稜(rib)は10〜15本で幹は直径1.5mに達します。成熟するまでは単幹で、成熟すると枝分かれし始めます。この種はバハ・カリフォルニアの大部分とカリフォルニア湾のほとんどの島に広く分布します。
P. pringleiの花芽は2月に出現し、3月下旬から6月上旬まで咲き続けます。花は主に幹の上部で咲きます。8.7〜10.2cmの白い花は日没直後に開花し、翌時の正午に閉じます。夜には花にコウモリが訪れ、日の出後出しは数種類の鳥やミツバチが訪れます。

測定結果
P. pringleiの花はその70〜77%が90度〜270度の方角に面した稜にありました。P. pringleiの花は主に東、南、西向きの稜につきました。東、南、西向きの稜は周辺温度より5〜8℃温度が上昇しましたが、北向きは周辺温度に近い温度でした。南向きの稜は日中の温度が25℃以上に保たれていました。
また、花の数は枝の長さと相関がありました。長さ1m未満の枝には花は咲かず、長さが1mを超える枝では、長さに依存して花がつきました、

考察
著者らは太陽光が二酸化炭素摂取と幹の温度に影響を与えたことが、P. pringleiの花のつき方の原因である可能性を指摘しています。北向きの稜の太陽光は制限される可能性が高く、炭素の増加は最小限となる可能性があります。柱サボテンでは、方角の異なる稜は炭素増加量に違いが発生することが知られています。よって、花を咲かせるためのアレオーレの誘導が炭水化物の蓄積に依存するならば、花を咲かせることを可能とするために十分な炭水化物を蓄積出来るのは北向き以外の方角の稜であると考えられます。Opuntia ficus-indicaでは、炭水化物の蓄積に加えて、温度周期が新しい器官の形成に影響を与えることが知られています。しかし、柱サボテンでは温度周期の影響は不明です。
また、人工照明を当てたり遮光処理をしたり、炭水化物の注入したりと、実験的に確認することも出来るかも知れません。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
花のつき方が日当たりと関係していると言う内容でした。しかし、この現象はすべてのサボテンで見られるわけではないようです。それでも、育てているサボテンの花のつき方と太陽光の向きについては、今後は気になってしうかも知れませんね。


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相変わらずハウォルチアやアロエ以外は外に出せていません。植え替えばかりやっています。植え替えも今回で64鉢目です。

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ゼブラホリダ
どうも去年は生長が今ひとつでした。雑草ばかり茂ってしまいます。
2020年1月にプロトリーフにて購入。

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細根が少ないですね。
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植え替え後。ホリダと言うかポリゴナは、以前は細かく変種に分かれていましたが、最近ホリダ系はすべてEuphorbia polygonaに統一されています。最近、南アフリカのユーフォルビアの学名が変更される傾向がありますが、どうやらP. V. Bruynsの2012年の論文を参照としているようです。この論文は私もよく参照としていますが、Bruynsは種をまとめる傾向があるため、種が統一されたり変種がなくなったります。

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白磁ホリダ
子株に取り囲まれています。
2020年2月にシマムラ園芸にて購入。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。群生しやすいタイプみたいですね。

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Dasylirion quadrangulatum(左)
Dasylirion 
longissimum(右)
まったく同じように見えますが、別名で入手したものです。しかし、実は同種だったりします。正しい名前はD. 
quadrangulatumなのですが、D. longissimumの名前で流通してしまっています。ややこしいことに、
D. 
quadrangulatum=D. longissimumなのではなく、独立したD. longissimumと言うダシリリオンが存在しているのです。これは海外でも同様で、2種が混同されたり、どの種類を指しているのか分からなくなったりと、長い混乱の歴史からの現状のようです。
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根の張りはすこぶる良好。鉢の形になっています。
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植え替え後。こちらはD. longissimum名義のダシリリオンです。プレステラ120に植えました。
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こちらはD. quadrangulatum名義のダシリリオンです。プレステラ105に植えました。しかし、並べて撮影すべきでした。分かりにくいですね。

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Fouquieria leonilae
雑草を育てているように見えますが、レオニラエです。
2023年1月のビッグバザールにて購入。

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根は貧者でした。まあ、雑草が良くないと言う部分もあるかも知れません。しかし、去年の生長は割と良好で、樹皮が割れています。
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植え替え後。雑草はなるべく取るようにします。

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Gymnocalycium esperanzae VoS 1791
エスペランザエ黒いトゲと暗い肌の怪し気な雰囲気のギムノカリキウムです。
2021年の11月のビッグバザールにて購入。

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入手した時は細いゴボウみたいな根が一本だけあって、先端から少し根が出ている感じでした。しかし、ご覧の通りの塊根が育ちました。論文では「かぶら状」と書かれていましたから、根を見るのを楽しみにしていました。
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植え替え後。塊根はどこまで太るでしょうか。将来が楽しみですね。


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