ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

蘇鉄は「生きた化石」と呼ばれることもあるように、起源が古く原始的な特徴を残した植物です。分類的には基本的に風媒花である裸子植物の一員です。しかし、蘇鉄類に関しては虫媒も行われていることが複数種で報告されています。日本に自生する蘇鉄(Cycas revoluta)は、雄株と雌株が近くにあれば風媒でも受粉しますが、驚くべきことにゾウムシが受粉に関与することがわかりました。風媒と言ってもせいぜい2mとのことですから、風媒花としてはあまり意味がないように思われます。本来的に風媒花は広い範囲に大量の花粉をばらまくことに意味があるわけですから、蘇鉄の花粉は拡散能力が低く、飛散する花粉の量も大したことがないのでしょう。さらに、ゾウムシは蘇鉄の花(=Corne)に産卵し、ゾウムシの幼虫は蘇鉄を食べながら育ちます。蜜や花粉で花粉媒介者を呼ぶ被子植物とは異なり、未熟な虫媒です。この中途半端は風媒と未熟な虫媒は、蘇鉄が風媒から虫媒へ移行しようとした最初の植物の1つなのではないかと想像させます。

さて、このように、植物と花粉媒介者が互いになくてはならない関係を結ぶことを送粉共生と呼びます。本日は日本の蘇鉄だけではなく、海外の蘇鉄、フロリダソテツ(Zamia integrifolia)について、送粉共生の様子を見てみましょう。ご紹介するのは、Avi Simonらの2023年の論文、『Behavior and feeding of two beetle pollinators of Zamia integrifolia (Cycadales): Rhopalotria slossoni (Coleoptera: Belidae) and Pharaxanotha floridana (Coleoptera: Erotylidae)』です。

花粉媒介者と偽装受粉
Zamia integrifolia(以下、フロリダソテツ)はフロリダ唯一のソテツ類で、国際自然保護連合連合(IUCN)のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。フロリダソテツは雌雄異株で、雄株と雌株のCorneが別の個体に出来るため、花粉媒介者が必要です。
フロリダソテツは2種類の甲虫、Rhopalotria slossoni(ゾウムシの仲間)とPharaxanotha floridana(オオキノコムシの仲間)に受粉を依存しています。花粉媒介者は雄株のCorneを訪れ産卵し、幼虫は雄株のCorneを食べて育ちます。受粉が起きるには、花粉媒介者は雌株のCorneも訪れる必要がありますが、雌株のCorneの胚珠は食物や幼虫の餌としては意味がないと考えられてきました。そのため、これは偽装受粉(deceptive pollination)であるという仮説があります。


なぜ雌株のCorneは拒否されるのか?
雌株のCorneに対する拒否は、β-Nmethylamino-L-alanine(BMAA)に対する毒素への回避行動である可能性が示唆されていました。雄株のCorneの場合はBMAAは特殊な異形細胞に隔離されており、異形細胞は昆虫の胃をそのまま通過しますが、雌株のCorneでは発達中の異形細胞が破裂しBMAAが組織内に分散します。近年の研究では、BMAAは鱗翅目昆虫の摂食障害物質にはならない可能性も示唆されています。しかし、実際の野外調査では雌株のCorneは2種類の花粉媒介者である甲虫に忌避されます。

実験
雄株のCorneと雌株のCorneの鱗片を用意し、2種類の花粉媒介者の成虫を放ちました。
ゾウムシは雄株の鱗片でより長い時間を過ごしましたが、3Dプリンタで作製した偽の鱗片を用いた場合、雄株や雌株の鱗片との有意差はありませんでした。また、ゾウムシが鱗片を食べた量においては、雄株と雌株に有意差はありませんでした。しかし、雌株の鱗片を食べた方が、実験終了時(30時間)に生存している個体が多く見られました。
オオキノコムシの場合は、鱗片上で過ごす時間に差はありませんでした。しかし、オオキノコムシは雄株の鱗片より雌株の鱗片をより多く食べていました。オオキノコムシは柔組織ではなく、鱗片表面の細かい毛を食べていました。雌株の方が摂取量が多いのは、雌株の鱗片の方がより毛が多いためかも知れません。


結論
試験結果からはフロリダソテツの花粉媒介者は雌株のCorneを利用しないという仮説に疑問を投げかけます。ゾウムシは雌株より雄株のCorneに多くの時間を費やしており、野外の行動観察の結果を裏付けています。しかし、雄株のCorneと雌株のCorneの消費量に違いはなく、野外での観察結果からの予想と矛盾します。
ゾウムシの生存率やオオキノコムシの消費量を見ると、フロリダソテツの雌株のCorneを食べることに利点があるようにも考えられます。フロリダソテツの受粉が欺瞞のみで成立するという仮説に疑問を投げかけます。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
フロリダソテツは雌雄異株で花粉媒介者による受粉が必要であるということですが、これは送粉共生にあたるということでしょう。日本の蘇鉄と同じですね。しかし、釈然としないのは雌株のCorneではなく、雄株のCorneに産卵するのかということです。なぜなら、花粉媒介者が欺瞞により雄株のCorneに行き花粉が体に付着し、さらに雌株のCorneに行くことにより受粉が完了するという流れが良さそうに思えるからです。種子にならない花粉が詰まっているだけの雄株のCorneが食べられた方が、無駄がなくて良さそうな気もしますが、かと言って雌株のCorneが忌避されているため受粉の効率があまりにも悪い気もします。実験結論のやや曖昧な感じも含め、何やらモヤモヤしますね。さらに突っ込んだ研究が望まれます。



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じゃんじゃん植え替えをしていきます。植え替えていなかった購入品以外のものも植え替えて行きます。ちなみに、今回で今年の植え替えは46鉢になりました。

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Euphorbia curvirama
クルヴィラマは実によく生長していますが、流石にプレステラ90では窮屈に見えます。大きい鉢に植え替えます。ちなみに、2020年の2月にサカタのタネのガーデンセンター横浜(2023年に閉店)にて購入しました。
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上モノに比べると根は貧弱でしたが、弱っている感じはありません。深植えしていたので、根圏が狭かったのでしょう。
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植え替え後。プレステラ90でしたがプレステラ105に植えました。

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Euphorbia gottlebi
冬の間、終始咲き続けてくれたゴトゥレベイも植え替えます。ちなみに、2022年の夏にヨネヤマプランテイションにて購入しました。
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根は非常によく発達していますが、プレステラ120では窮屈そうです。
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植え替え後。プレステラ120では小さいし、縦長に育っていますからプレステラ150では持て余します。というわけで、EG-135Lに植えました。

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Cycas cairnsiana
オーストラリア原産の青い蘇鉄であるカイルンシアナは、2024年の秋のビッグバザールにて購入しましたが、まだ植え替えていませんでした。
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塊根が長く伸びています。まだ実生1年目といったところでしょうか。
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植え替え後。同じ鉢に縁までぱんぱんに用土を詰めました。蘇鉄は長い鉢が必要です。

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武勲丸
G. ochoterenae系と言われる武勲丸ですが、鉢がぱんぱんに硬くなっており根が張っていることが分かります。ちなみに、2022年のビッグバザールにて購入しました。

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根はやはりかなりの量でした。
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植え替え後。プレステラ90でしたがプレステラ105に植えました。

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Pachypodium windsorii
ウィンドゥソリィは新芽が出てきたところですが、植え替えます。ちなみに、2021年の冬のビッグバザールにて購入しました。
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根はすこぶる良いですね。
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植え替え後。根が多くプレステラ90では狭いため、プレステラ105に植えました。


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3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の記事の続きです。今回は研修展示館の1階の展示を見ていきます。

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Vanilla borneensis
念願のヴィニラの花です。あちこちの植物園でヴァニラを見ましたが、残念ながら花は見たことがありませんでした。蘭としては割りと地味な花ですが、ボルネエンシスは白い花茎が目立ちますね。

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よく見ると可憐な花ですね。

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Vanilla planifolia
もっとも一般的なヴァニラ。残念ながら花はありませんでしたが、沢山の果実がなっていました。黒く変色した果実は、強いヴァニラの香りを放っていました。


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様々な蘭が展示されています。

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チケイラン Lyparis bootanensis
ヒマラヤから東南アジア、日本まで広く分布する竹慧蘭です。花は咲き終わったようにも見えますが、小さな花が咲いています。
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不思議な形の花です。すでに受粉しているように見えますが、まだ花が付いているのでしょうか?

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Strongyleria pannea
非常に小さな花ですが、拡大すると密な毛に覆われていました。


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Phreatia vanoverberghii
蘭好きを名乗っておいて、お恥ずかしい話ながらフレティア属は知りませんでした。「lace orchid」と呼ばれるようで、非常に小さな白い花が密につきます。面白い蘭です。


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Bulbophyllum lemniscatoides
ブルボフィルムは非常に多様かつ印象的な風変わりな花を咲かせます。目立たない小さな花が房状に垂れ下がります。花からは長い毛が出ており、風が吹くと垂れ下がった花穂が揺れます。ブルボフィルムにはこのように風で動くものがあり、花粉媒介者のハエに対するアピールとされているそうです

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Bulbophyllum acuminatum
ブルボフィルムではメジャーな形態の花です。このタイプは、根元の花弁が風でぴょこぴょこ動いたり、毛の房がついていて風でチラチラ動いたりします。まあ、大抵は著しい異臭があり、冬に締め切った部屋にあると結構臭いです。

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Bulbophyllum sp.
これは一体どういう形の花なのか、よく分かりません。基本的な蘭の花の形状からすると、目立つ3枚は萼片でしょうか?よく見ると中央に小さなリップらしき構造があるようにも見えます。

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Kandelia candel
これは蘭ではなく、水生植物温室のマングローブです。水生植物温室は研修展示館とくっついていますからね。一応寄ったら咲いていました。メヒルギの花は初めて見ました。貴重な体験です。

研修展示館の展示はかなり多く、流石に撮りきれなかったため、撮影したのは極一部です。他の蘭展ではあまり見ることがないような珍しい蘭を沢山見ることが出来ました。さて、最後は熱帯資源温室に展示された蘭を見ましょう。


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さて、4月は植え替えに専念すると決めましたから、今回も植え替えをします。購入してからまだ植え替えをしていない多肉植物が残っていますから、そちらから片付けましょう。ちなみに、今回で今年の植え替えは41鉢となりました。

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Euphorbia sipolisii
Pencil-Stemのユーフォルビアですが、まだ植え替えていないため植え替えます。ちなみに、2024年の10月に開催された木更津C&Sフェアにて入手しました。
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根の状態は良さそうです。
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植え替え後。背が高いのでバランスをとってプレステラ105に植えました。

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Euphorbia biselegans
こちらも2024年の10月に開催された木更津C&Sフェアにて入手したものです。タンザニア原産の木質となる旧・モナデニウム。

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根は問題なさそうです。
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植え替え後。プレステラ105に植えました。

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H. attenuata var. radula MBB 6831
フィールドナンバーつきのアテヌアタ変種ラドゥラも植え替えます。3月にシマムラ園芸で開催された、JSS春の多肉市で入手したばかりのものです。
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これは非常に状態が良いですね。
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植え替え後。最初プレステラ75に植えるつもりでしたが、根が多いためプレステラ90に植えました。

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Agave stricta 'nana'
妙に色味が悪い矮性の吹上です。先日、横浜にあるヨネヤマプランテイションの多肉植物BIGフェアにて入手しました。

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根は見た目よりはしっかりとありました。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。日照不足か間延びした感じがしますから、締めて育てていきます。

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Euphorbia cylindrifolia
2023年の12月頃にキリンドゥリフォリアの枝をうっかり折ってしまいました。室内とは言え真冬なので、挿し木は諦めてそのまま鉢の中に置いておいたわけです。しかし、2024年の4月に植え替えたところ、置いていただけなのに根がしっかり張っていて驚きました。というわけで、あれから1年でどうなったか見てみましょう。
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しっかり塊根が出来ています。実生苗のように1つの大きな塊根は出来ませんが、塊根の生長はかなり早そうです。
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植え替え後。生長を見込んで、プレステラ90に植えました。挿し木苗の塊根の育ち方も気になりますね。


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さて、本日も3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の記事です。今回から研修展示館の展示を見ていきます。やはり、花のもっとも重要な役割である受粉のための、花粉媒介者との関係について取り上げられていました。

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これは、香りのある蘭で、嗅ぎ比べる企画です。カトレアのような甘い香りではなく、ややきつめの香りでした。

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Lycaste puntarenasensis
リカステは花弁が小さく萼片が大きい特徴的な花を咲かせます。リカステは交配系の大型花に見慣れているせいか、原種は逆に新鮮な感じがします。

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Miltoniopsis roezlii
ミルトニアではなくミルトニオプシスでした。ウェブ上では、黄色い花のロエズリィは変種xanthinaとされている雰囲気ですが、どうでしょうかね?

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Coelogyne cobbiana
これは、いかにもな旧・Dendrochilumですが、2021年にコエロギネ(セロジネ)に吸収されました。

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筑波実験植物園では、希少な蘭がこのように培養されて維持されています。ただのテーマパークではなく、研究施設としても重大な役割があるのです。

蘭もまた他の多くの顕花植物と同じように、花粉媒介者により受粉します。蘭に限らず、一般的には昆虫が多く、中でも花粉媒介者として汎用的なのは蜂でしょう。しかし、蜂だけではなく、蝶や蛾、ハエなどでも受粉するものもあります。さらに言えば、鳥やコウモリにより受粉する植物すらあります。蘭の多様な花粉媒介者を示す良い展示がありましたのでご紹介しましょう。
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Preptanthe rubens
こちらは、蝶により受粉するタイプの花です。このように長い距がある花は、蝶や蛾がメインターゲットです。距に溜まった蜜を吸えるのは、長い口吻を持つ鱗翅目の昆虫だけです。しかも、このように明るい色合いの花は基本的に昼咲性ですから、訪問するのは蝶ということになります。ただし、蜂は距に穴を開けて盗蜜しますが、反則技なので受粉には寄与しません。

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Dendrobium sp.
ニューギニア原産のデンドロビウム。

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鳥により受粉する鳥媒花です。鳥がクチバシを差し込める太さ長さの筒状の花です。鳥媒花の多くは赤やオレンジ色です。筒状で赤〜オレンジ系統の花を咲かせる多肉植物では、アフリカではアロエやガステリア、新大陸ではFouquieriaやCleistocactus、Oreocereus、Denmoza、Matucanaあたりも鳥媒花ですね。

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Bulbophyllum lobbii subsp. breviflorum
東南アジア原産の着生ラン。ブルボフィルムは赤褐色の花(腐肉色)が多く、腐敗したような異様な臭気を持つものが多くあります。これはハエを呼ぶためで、このような色合いの花は腐肉臭、あるいはキノコ臭を持ちます。巨大な花で有名なラフレシアやショクダイオオコンニャクも腐肉色で腐敗臭を持ちハエを呼びます。多肉植物では旧・ガガイモ科のStapeliaやBrachystelmaは強烈に臭います。


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Angraecum leonis
アングラエクム(アングレカム)は、非常に長い距を持つ白い花を咲かせます。長い距を持つ花の花粉媒介者は鱗翅目ですが、花色が白色や緑色、クリーム色の花の中には夜咲性のものがあります。この淡い色合いは、夜に咲くので花粉媒介者に色が認識されないため退化したのでしょう。つまりこれは、蝶ではなく蛾による蛾媒です。夜咲性の花は良い香りのものもあります。いつぞやの世界らん展日本大賞で、アングレカムの花の香りの香水が展示されていましたね。そういえば、Lophocereusの中には蛾媒のものがあるという記事を書いたことがあります。


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Dendrobium linawianum
中国、台湾原産のデンドロビウム。蜂により受粉します。蜂を花粉媒介者としていない花にも蜂は訪れ、蜜や花粉を集めます。日中に咲いている花なら何でも良いわけです。まあ一応、好みの花色はあるようですけどね。ただし、蜂は咲いていれば蜜がなくても花に来ますが、蜂がちゃんと花粉を媒介するとは限りません。花により適不適というものはありますからね。
そういえば、特にカトレアなどの蘭はリップの中央は濃い色合いですが、これを蜜標(nectar guide)と呼びます。花が花粉媒介者のために用意した、花の中心近くにある花蜜の目印です。


さて、つくば蘭展の企画展示はここまでです。あとは、研修展示館の1階の展示室の珍しい蘭の展示と、熱帯資源温室につくば洋蘭会の展示があります。というわけで、つくば蘭展の記事はまだまだ続きます。私のような蘭好きには堪らないイベントですね。


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性懲りもなく、またそぞろに植物園に行きたくなってしまいました。しかし、公私ともに忙しくそれどころではないので、4月は多肉植物を外に出したり植え替えしたりして大人しく過ごす予定です。というわけで、代わり映えなく本日も多肉植物をチマチマ植え替えます。ちなみに、今年の植え替えは本日で36鉢になりました。

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Euphorbia marsabitensis
あまり生長が見られないマルサビテンシスを植え替えます。ちなみに、2023年の秋に木更津C & Sフェアにて入手しました。
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あまりユーフォルビアらしさがないストレートな根でしたが、根はかなり充実しています。
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植え替え後。同じプレステラ90にそのまま植えました。今年はよく生長して欲しいものです。

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Euphorbia neorubella
ネオルベラは冬の間、長く開花していました。ユーフォルビア感がない見た目ですが、旧・モナデニウムです。Monadenium rubellumという名前の方が通りが良いかもしれませんね。ちなみに、2024年の10月にオザキフラワーパークで開催された「多肉大集合!」というイベントにて入手しました。

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塊根は非常によく発達していました。しかし、ピート主体の極めて水はけが悪い用土に植えられていました。冬の間によく腐らなかったものです。流水でよく洗い、用土を丁寧に取り除きました。
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植え替え後。塊根が大きいため、これから根が長く伸びると踏んで、EG-135Lに植えました。

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Aloe bowiea
ボウィエアは去年は地味な花を咲かせ、子株が2つ出来ました。ちなみに、ボウィエアは2020年の夏にコーナン港北インター店にて入手しました。

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根は特に問題はなさそうです。
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植え替え後。そのままプレステラ105に植えました。

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Euphorbia tulearensis
トゥレアレンシスも植え替えます。2020年の夏に鶴仙園にて入手しました。最近トゥレアレンシスはイベントでよく見かけますが、当時はそれほど流通していませんでしたね。

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根はかなり太く発達しています。
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植え替え後。トゥレアレンシスは枝の伸びは恐ろしく遅いのですが、よく開花し丈夫で育てやすい小型種です。

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Gymnocalycium ragonesei
国内実生感のあるラゴネセイです。2024年の11月に鶴仙園にて購入しましたが、植え替えはしていませんでした。

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根は問題なさそうです。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。


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3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の続きです。本日は教育棟の企画展示の残りを見ていきます。オーストラリアの地生ランとバケツランの奇妙な生態についての展示です。写真家の故・山口進氏の蘭と昆虫の関係を捉えた素晴らしい写真の展示もありました。

250320111733395
Corybas diemenicus
オーストラリアの地生ラン。1cm程度の小さな花を咲かせます。種小名の「diemenicus」は「タスマニアから来た」という意味で、タスマニアにも分布します。英名は「Stately helmet orchid」ですから、「壮麗なヘルメット蘭」という意味です。そういえば、コリバス属自体が「ヘルメット蘭」と呼ばれており、やはり皆こんな感じの花です。


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Diuris magnifica
スラリとした草姿が美しいオーストラリアの地生ラン。「large pansy orchid」の英名の通り、パンジー的な配色です。
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非常に装飾性が高い面白い花です。

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Caladenia attingens
不思議な形状の花を咲かせるオーストラリアの地生ラン。「mantis orchid」、つまり「カマキリ蘭」の意ですが、カマキリが腕を上げた姿に見えないこともありません。
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花の構造的に、花蜜があるのは①の奥ですから、昆虫は②の花弁に止まって奥に頭を突っ込むことになります。すると、③の先端にある花粉塊が昆虫の背中に付着する仕組みなのでしょう。

250320111939747
Pterostylis concinna
オーストラリアの地生ラン。風変わりな花ですが、筒状の花に昆虫が潜り込むことにより受粉する仕組みなのでしょう。


250320111956304
Caladenia flava
一見して蘭に見えませんが、よく見るとリップがあって、典型的な蘭の花であることが分かります。長い2枚の萼片が特徴的です。オーストラリアの地生ラン。


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Caladenia serotina
オーストラリアの地生ランで、「Christmas spider orchid」と呼ばれています。山火事の翌年によく咲くと言われていますが、山火事が起きやすいオーストラリアらしい生態です。複雑な形状の花ですが、C. attingensと同じ仕組みがあるようです。


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Caladenia varians
オーストラリアの地生ラン。花弁や萼片の先端が糸状に長く伸び、とても面白い形状です。


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Coryanthes macrocorys
いわゆる「バケツラン」と呼ばれる蘭で、特殊な形状の花が咲きます。名前の通り、リップがバケツのように水を溜めます。まさにバケツですが、この水は自身で分泌するそうです。本物を見たのは初めてです。
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花を訪れたハチが水の溜まったバケツ部分に落ちると、翅が濡れて飛び立つことが出来ず、さりとて内壁はつるつるしていて登れません。バケツランは脱出口を準備しており、その狭い通路を通過すると花粉がハチに付着します。非常に凝った仕組みですね。

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蘭を訪問するハチたち。

今回までが企画展示でした。故・山口進氏の素晴らしい写真は是非ご紹介したかったのですが、撮影禁止でしたので悪しからず。つくば蘭展は、熱帯資源植物温室や研修展示館にも展示があります。次回からは、研修展示館を見ていきましょう。


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妙に寒い日が続きましたが、しばらくは暖かい日が続くようです。多肉植物の植え替えは始まっていますが、室内の多肉植物を外に出すタイミングを見計らっています。ちなみに、今年の植え替えは31鉢目になりました。

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Gymnocalycium erinaceum WR 726B
エリナケウムが開花しています。花が終わったら植え替えをしましょう。


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Pachypodium brevicaule
恵比寿笑いが開花しました。咲いていたのになかなか撮影しなかったので、終わりかけだったようでさわったらポロリと花が落ちてしまいました。2022年に神代植物公園にて開催された多肉植物展にて購入しましたが、生長が早く植え替えは2回目です。

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鉢が歪んでおり割りときつそうでしたが、根は非常に充実しています。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ105に植え替えました。このままぐんぐん育って欲しいものです。

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Pachypodium rutenbergianum
2023年の3月にルームズ大正堂八王子店にて購入しましたが、根がカリカリに干からびたものを掴まされてしまいました。まあ、捨て値でしたし、根腐れではないため簡単に発根出来ますから、特に遺恨はありません。

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あれから2年経ちましたが、根は豊富でかなり太い根も発達しています。
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植え替え後。同じプレステラ105に植えました。ルテンベルギアヌムは縦にひょろひょろ伸びますが、枝を切り戻して枝分かれさせる予定です。枝がもう少し伸びてからですかね。ケヤキの盆栽の箒作りのような形を目指します。

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Pachypodium saundersii
いわゆる「白馬城」ですが、なかなか勢いがあります。ちなみに、2021の冬のBBで入手したものです。

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思ったより根が深いですね。深型のプレステラでも少し浅く感じます。
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植え替え後。今回はプレステラ120に植えましたが、その先は考えものです。急に鉢サイズを増すと、乾きにくくなるため腐りやすくもなります。丁度良い鉢は難しいものです。

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Pachypodium brevicalyx
ブレビカリクスも植え替え。かなり太っていますが、そろそろ根が詰まってくる頃合いです。生長も鈍ってきたので植え替えます。2021年の秋にヨネヤマプランテイションのイベントで入手したものです。
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根は非常に発達していました。
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植え替え後。同じプレステラ120に植えました。今年はよく生長して欲しいですね。

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Stephania pierrei
いわゆるS. erectaと呼ばれているステファニアです。2020年に東京ドームで開催された世界らん展日本大賞にて購入しましたが、芋を夏の直射日光に当ててしまい、萎びれて枯れてしまいました。しかし、芋が分球しており、地中に数mmの芋があったので、大事に育ててきました。
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抜いてみると驚きの芋の太り具合でした。
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植え替え後。明らかに鉢が小さいので、プレステラ105に植えました。微妙に芋を出しましたが、トラウマがあるので慎重に徐々に出していきます。


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日曜日に横浜にあるヨネヤマプランテイションで開催された、「多肉植物BIGフェア」に行ってきました。年に3回ほど開催されるイベントで、ここ3年ほどは欠かさず参加しています。普段通うには遠いのでイベントでしか行きませんが、思わず結構面白いものがあったりします。

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雨の予報もありましたが、雨には降られずに済みました。また、おそらく初日の土曜日は混雑したのかも知れませんが、日曜日はゆっくり見ることが出来ました。
今回のイベントは割りと珍品揃いでしたが、運悪く手持ちと被りまくってしまいました。これは残念。というより、市場に流通する前の先触れをいち早く入手しているからかも知れません。まあ、価格的にはかなりお求めやすくなっており、私は一番高い時に買ってしまっているわけで何とも言えないものがありますが仕方がありません。その時点で入手しないと、いつ入手出来るか分かりませんからね。
さて、最近は各種イベントでもサボテンの存在感が増していますが、今回はかなり良いラインナップでした。ミラクル兜やスーパー兜があり、ヒトデ型のものは欲しくなりました。また、Turbinicarpus alonsoiや昇竜丸(T. schmiedickeanus)、姫牡丹(Ariocarpus kotschoubeyanus  var. macdowellii)、菊水(Strombocactus disciformis)、帝冠(Obregonia denegrii)、晃山(Leuchtenbergia principis)、Ortegocactus macdougallii(2021年にCochemiea属となった)、綾波(Homalocephala texensis)など非常にバラエティがありましたね。
ユーフォルビアは豊富で、E. spanringiiやE. woodii、E. hedyotoidesなどの今まで見かけなかったあたりが、当たり前のように並んでいました。しかし、すべてBBで入手済みでしたから、今回はユーフォルビアは買いませんでした。
アガヴェは今回それほどでもなく、オテロイなどの苗があったくらいです。パキポディウム苗は沢山ありました。後はセンナやAloe zebrinaあたりが目についたでしょうか。あとは、カクタス長田苗が沢山ありましたが、ラインナップが少し変わったようです。

さて、購入品です。それほど気になるものはなかったのですが、記念に2株購入しました。

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Agave stricta 'nana'
一巡した時はなんだアガヴェかとスルーしましたが、よくよく考えるとこれは吹上の矮性品種であることを思い出しました。吹上は新属Echinoagaveへの分類が提案されていますから、気になっている存在です。

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羅星丸 Gymnocalycium bruchii
カクタス長田苗。非常に安いので購入。丁度、花の時期でした。可愛らしいトゲが痛くない小型ギムノです。

というわけで、今年もヨネヤマプランテイションのイベントに参加してきました。例年通り硅酸白土も購入し、まあまあ悪くないイベントでしたね。しかし、往復の電車賃と多肉植物の購入費用があまり変わらないという、何とも無駄が多い感じはあります。しかし、移動時間はかかりますが、乗り換え1回で駅前に店舗がありますから面倒くさくないという点は助かります。
今回は正直なところ疲労が溜まっており、今日行くか割りと悩みました。ですから、ついでにいつもは寄るコーナン港北インター店や、帰宅路にあるタナベフラワーやプロトリーフに寄るのは諦めました。というわけで、2025年初のヨネヤマプランテイションのイベントでした。



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ほぼ毎年、東京ドームで開催される世界らん展日本大賞に行っていました。しかし、プリズムホールでの開催になってからは、会場が狭く異常に混むため、今年は行きませんでした。しかし、たまたま2月に筑波実験植物園に行った折、つくば蘭展の開催を告げるポスターがありました。蘭と昆虫との関係についての展示があるようでしたから、これは見に行かないといけません。当ブログでは、普段から受粉生物学の記事を挙げていますからね。ということで、つくば蘭展の記事が始まります。
本日はヨーロッパの地生ランを取り上げます。ヨーロッパの蘭は展示会でも基本的に見かけないので、珍しいものを見ることが出来ました。特に花をメスのハチに擬態させて、オスのハチを呼び寄せるOphrys属の蘭は地味ですがとても面白い蘭です。


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蘭展の開催を告げるポスター

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入り口付近に早咲きの桜が咲いていました。この日はよく晴れて、暖かく行楽日和でした。

さて、まずは教育棟の展示から見ていきます。教育棟は小さいのですが、しっかりとした企画展示がありました。ただ、沢山の蘭を並べがちな一般的な蘭展とは異なります。やはり、教育や研究に重点を置いている筑波実験植物園ならではと言えるでしょう。


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Ophrys speculum
地中海沿岸に自生する球根性の地生ラン。オフリス属の蘭は花のリップがハチに擬態しています。雌のフェロモンまで再現しており、騙されて交尾をしにきたハチにより受粉する面白い生態を持ちます。ですから、「bee orchid」と言う呼び名も納得ですね。ちなみに、このような擬態をPouyannian擬態と呼ぶそうです。

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Ophrys tenthredinifera
やはり、地中海沿岸に自生するオフリス属の地生ランです。「Sawfly orchid」と呼ばれますが、ハバチとの関係が深いのでしょうか? 

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Ophrys fusca subsp. iricolor
こちらも地中海沿岸に自生する地生ラン。亜種イリコロルですが、意味的には「虹色の」だとか「多色の」ですが、あまりそんな感じはしませんね。

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Orchis italica
オルチス属、つまりは蘭属ですから、これは蘭につけられた最初期の属名かも知れませんね。しかも、種小名がイタリカですから、直球で「イタリアの蘭」となります。

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しかし、美しい花ですね。そういえば、イタリカのリップは人型をしていると言われ有名です。
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なんとなく人型。
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やはり、地生ランのようです。それはそうと、実に装飾的な葉ですね。

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Himantoglossum robertianum
花色はかなりバリエーションがあるようで、この個体は割りと地味なタイプのようです。球根は食べられると言いますが、どのような料理にして食べるのでしょうか?

さて、本日はヨーロッパというか地中海沿岸に自生する地生ランを見てきました。基本的にあまり見かけない蘭で、今までの蘭の展覧会でも見た記憶がありません。まあ、単純に地味なので目に入らなかった可能性もありますけどね。
Ophrys属の蘭はある程度限定された相手をターゲットにして、花を特殊化させた面白い花です。つまり、種により引き寄せるハチの種類が異なるのです。このように、花粉媒介者との関係を特殊化させた花は蘭に多く、花粉媒介者と1対1の関係になるまで特殊化したものもあります。蘭の美しい花は、花粉媒介者を引き寄せるために生まれました。ただ美しいだけではなく、その自然の生態のあり方も面白く、知ればより蘭を楽しむことが出来るでしょう。


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マダガスカルは多肉植物の宝庫で、固有種も多く種類も豊富です。花キリンはマダガスカル固有のユーフォルビアですし、ディディエレア科植物やアロエも固有種ばかりです。コーデックスも豊富で、オペルクリカリアやパキポディウムは日本でも非常に人気があります。しかし、残念ながらマダガスカルの多肉植物の多くは自生地の破壊とともに急激に失われています。
本日はマダガスカルの12種類の多肉植物について、その保全状況を調査したBako H. Ravaomanalinaらの2011年の論文、『Conservation status of some commercialized succulent species of Madagascar』をご紹介します。

多肉植物の宝庫・マダガスカル
マダガスカルの南部と南西部には多くの多肉植物が生息し、Didierea科-Euphorbiaが優勢ですが他にも様々な植物があります。生息する維管束植物の約90%は、固有種であり、その多くは希少種で、特定の狭い分布を持ちますが、植生の急速な破壊の影響によりIUCNレッドリストでは絶滅危惧種に分類されます。多肉植物はその多様性と魅力的な形から、例えばSenna meridionalisやOperculicarya属は盆栽(bonsai tree)として世界中の植物愛好家に人気があります。マダガスカルの多肉植物の国際取引は、市場の高い需要により深刻な脅威となっています。

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Operculicarya decaryi
筑波実験植物園にて。(2024年6月)

国際貿易需要植物
この研究には、国際貿易需要の高い12種類のマダガスカル固有種が選ばれました。
①Adenia firealavensis
②Adenia olaboensis
③Adenia subsessifolia
④Senna meridionalis
⑤Cyphostemma elephantopus
⑥Cyphostemma laza
⑦Cyphostemma montagnacii
⑧Operculicarya decaryi
⑨Operculicarya hyphaenoides
Operculicarya pachypus
⑪Zygosicyos pubescens
⑫Zygosicyos tripartitus

この12種類はすべて鑑賞用植物として利用されており、地元の村民が野生植物を採取し、採取人や仲買人に販売しています。その植物は地元の市場で商品化されるか、海外に輸出される前に輸送され、そのまま保管されるか業者の苗床に植えられます。採取人によると、村民はこれらの植物の鑑賞用としての価値を理解しておらず、日銭稼ぎに非常に安価で販売しているそうです。また、鑑賞用以外では、Operculicarya属は薬用植物としてや木炭としても利用されています。

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Cyphostemma laza
東京農業大学バイオリウムにて。(2025年1月)


個体数と再生数
単位面積あたりの個体数はO. pachypusがもっとも豊富でした。これは、伐採されても萌芽する能力が高いからです。O. decaryiも豊富で広く分布していました。C. elephantopusの個体数は少なく、生息地が居住地として開拓されたためです。落葉樹林に生えるC. lazaは成木が優勢で実生が少なく、新たな個体の加入に問題があります。
植物の再生能力は繁殖能力でもあります。最大の再生率はZ. pubescensの488%でした。調査した他の種の大部分は100%程度の再生率で、比較的良好でした。しかし、C. lazaで4%、C. elephantopusで19%、A. olaboensisで86%の再生率でした。これは、調査地周辺でかなりの生息地の劣化が起きているためです。


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Operculicarya pachypus
神代植物公園にて。(2023年5月)

希少植物の脅威
マダガスカルの乾燥林の主たる脅威は焼畑農業です。さらに、森林火災や過放牧は植物の再生の可能性を低下させ、残る自然林に負荷をかけています。さらに、採取された植物数と、政府が発行する収集許可証による最大数には大きな違いがあります。採取者は損傷した植物を補うためにより多くの植物を採取する傾向があり、政府による現地での管理は不十分です。
伐採や過剰な採取は、Ekodidaの落葉樹林の1カ所でのみ発見されたZ. pubescensにとって最大の脅威です。さらに、森林火災などによる人為的撹乱により生息地は大幅に減少しています。
Toliara南部のLa Table地域は深刻な撹乱を受けた地域です。調査対象のほとんどの種が分布していますが、木炭生産のための伐採など、広範囲の人為的撹乱により自然植生は大幅に減少しています。適切な地域保全政策が欠如していることが問題です。
O. decaryiやC. laza、A. olaboensisは広く分布しますが、伐採などの脅威には敏感です。A. firealavensisやZ. tripartitusは拠水林に分布しますが、このタイプの森林は急速に伐採が進んでおり、マダガスカル南部でもっとも危機に瀕している植生の1つです。


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Adenia olaboensis
東京農業大学バイオリウムにて。(2025年1月)


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
マダガスカルは固有の動植物の宝庫ですが、乱開発に歯止めがかからない状況です。分布が狭い小型アロエなどは、いくつかはすでに絶滅してしまっている可能性が指摘されているくらいです。しかし、調査もされずに消失する森林があることが残念でなりません。なぜなら、マダガスカルでは未だに新種が次々と発見されており、人知れず未知の新種が絶滅している可能性があるからです。
もどかしくはありますが、現地の人たちが炭焼きのために伐採したり、放牧のために森を焼き払うことを、我々は責めることは出来ません。なぜなら、現地の人たちは、その時を生きていくのに精一杯で、食べていくためには仕方のないことだからです。それが、将来の自身やその子供やその先の子孫の未来を食いつぶすものであってもです。
この論文は2011年ですから、書かれた時点からもう14年経ちます。状況は改善しないし悪化し続けているでしょう。果たして、有効な解決策はあるのでしょうか? 


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本日も購入してから植え替えていないものを、優先的に植え替えていきます。ちなみに、今年の植え替えは今回で26鉢になりました。

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ハナズオウが咲いて、一足早く春を告げています。

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Adenia venenata
ヴェネナタは冬の間は葉がありませんでしたが、急激に生長しています。明らかに鉢が小さいので植え替えます。ちなみに、去年の11月に開催された、11月のサボテン・多肉植物のビッグバザールにて購入しました。

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根は鉢のサイズ通りでした。
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植え替え後。勢いが良いので、これからが楽しみです。

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H. scabra
結節が強いタイプのスカブラですが、新しい葉は拗れ気味です。根に問題があるかも知れません。ちなみに、去年の11月に鶴仙園で開催されたPlant's Workさんとのコラボイベントにて購入しました。

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根には問題はなさそうです。
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植え替え後。そのままの鉢に、新しい用土で植えました。購入後の環境変化か、冬の間の環境が合わなかったのかも知れません。しばらくは様子見します。

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H. scabra v. lateganiae
変種ラテガニアエですが、上と同じスカブラには見えません。風変わりな変種です。こちらも上のスカブラと同じイベントで購入しました。

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根の状態は良好です。
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植え替え後。そのままの鉢に植えました。

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H. venosa ssp. granulata
現在はH. granulataとして独立種とされるグラヌラタも植え替えます。ちなみに、上2つと同じイベントにて購入しました。

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根はやや枯れがちかも知れません。
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植え替え後。グラヌラタはあまり見かけない硬葉系ハウォルチアですから、大事にしたいですね。

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Commiphora mildbraedii
ミルドブラエディイはやや徒長気味かも知れません。そもそも、上に伸びる性質が強そうではありますが、早く外栽培したいものです。ちなみに、去年の10月にヨネヤマプランテイションで開催された、多肉植物BIGフェアにて購入しました。
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小さい鉢でしたが、根はかなり詰まっていました。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。

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Commiphora holtziana
ボルトジアナは植え替え前の写真を撮り忘れました。根は結構ありましたね。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。コミフォラは初挑戦なので、どのように育つのか楽しみですね。


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2月に行った筑波実験植物園の記事も本日で最後です。前回は熱帯雨林温室に入り上から見ていましたが、今回は階段を降りて1階を廻りました。

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湿潤なジャングルの林床といった雰囲気です。

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キョチク(巨竹) Dendrocalamus giganteus
高さ30m、直径30cmになる世界最大の竹。そういえば、夢の島熱帯植物館ではゾウタケ(ダイマチク)という和名でしたね。

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ジャワムカゴコンニャク
Amorphophallus oncophyllus

アンダマン諸島原産の珍しいコンニャク。ちょうど、実が出来たタイミングでした。
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この茎の模様の鮮烈さは目を引きます。

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ショクダイオオコンニャク
Amorphophallus titanum

ショクダイオオコンニャクがなかなか巨大に育っています。花に遭遇したことはありませんが、集合花としては世界最大の花を咲かせます。

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Macropiper latifolium
葉を見た瞬間、ピペル(コショウ属)かと思いましたが、マクロピペルでした。しかし、マクロピペル属はピペル属に吸収されたため、現在はPiper latifoliumとなっています。
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よく見ると果穂が出ていました。いかにもピペルらしい花です。

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Rhaphidophora cryptantha
ニューギニア原産の着生アロイドです。樹の幹に着生していますが、湿潤な熱帯では着生は一般的な生態様式です。熱帯の林床は暗いので日本のように藪にはなりにくく、アロイドなど耐陰性がある植物が優先します。林床より光が欲しい植物は、つるを伸ばして登攀したり着生したりして、より高い位置で育ちます。


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Angiopteris pruinosa
リュウビンタイの仲間。このような巨大なリュウビンタイは、熱帯資源温室ではナンヨウリュウビンタイ(A. evecta)、夢の島熱帯植物館ではホソバリュウビンタイ(A. palmiformis)を見ましたが、A. pruinosa初めて見ました。

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立派な塊根があります。

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シナマンサク Hamamelis mollis
丁度、シナマンサクが満開でした。寒いこの時期(※2月末)に咲く貴重な花です。

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つくば蘭展の開催を告げるポスターがありました。ポスターで初めてイベント開催を知りましたが、これは是非行きたいですね。ということで、つくば蘭展は最終日近くに見に行きました。次回からはつくば蘭展の記事をお送りします。


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今回は調子が悪そうなハウォルチアと、去年の秋以降に購入した鉢を植え替えます。あと、暖かくなってきましたから、少しずつ多肉植物たちを外に出して行く予定です。ちなみに、今年の植え替えは20鉢になります。

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Dendrobium lindleyi
非常に乾燥に強いデンドロビウムで、毎年律儀に開花してくれます。


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H. nigra IB 1284
いくつかの硬葉系ハウォルチアが不調です。特にこの小型タイプのニグラは脇芽も枯れてしまったので、どうやら根をやられているようです。
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抜くと根がすっかりありません。用土を見てみると、鉢の底の方はかたまっていました。一応は事前に簡単に微塵抜きはしていて、植え替え後に水を大量に流してさらに微塵を抜いていたつもりなのですが、どうも微塵抜きが不十分だったようです。今は目の粗い篩をかけているので、今後は大丈夫でしょう。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ75にスケールダウンしました。まあ、枯れることはないでしょう。しばらくは様子見します。

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H. viscosa
ヴィスコサも同じ状態です。こちらは、外置き場の不織布が風で煽られて、引っかかってスッポ抜けてしまいました。
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植え替え後。こちらもプレステラ75に植え替えました。

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カンディカンス
謎のハウォルチア、カンディカンスもヴィスコサと同様に根がありません。学名は学術的に意味がないH. angustifolia v. candicansらしいのですが、アングスティフォリアは軟葉系でまったく似ておらず、どう見ても硬葉系で一般的にも硬葉系として扱われています。おそらくは交配種なのでしょう。

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植え替え後。プレステラ90に植えました。

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Euphorbia mitrifolmis
ミトリフォルミスは今年の1月に開催された新年のサボテン・多肉植物のビッグバザールにて入手しましたが、まだ植え替えていませんでした。ソマリアものですから、乾きにくいこの用土は不安があります。

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根はちょびっとありましたが、繊細な感じがE. gymnocalycioidesに似ていて嫌な感じがします。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。育て方はよく分かりませんから、育てながら見極めるしかありません。ソマリアものでも、E. phillipsiaeのように丈夫だと良いのですがね。

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Commiphora pseudopaolii
初めてのコミフォラですが、去年の10月にヨネヤマプランテイションで開催された、多肉植物BIGフェアにて入手した3種類のうちの1つです。コミフォラはすべて生長を開始していますが、鉢が小さいので気になっていました。
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根は鉢のサイズにあった量でしたね。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。多肉植物というか乾燥地の灌木なので、水をじゃんじゃんやって育てます。しかし、プセウドパオリイはケニア、ソマリア原産と言いますから、高地性なんでしょうか?

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Adenia stylosa
スティロサは去年の11月に開催された、11月のサボテン・多肉植物のビッグバザールにて入手しました。良さげな鉢に植えられていたのですが、抜く時に割れてしまいました。残念。
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根の状態は良好です。結構根が長いため、深い鉢が必要です。プレステラでは深型でも深さが足りなさそうです。
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植え替え後。この前、シマムラ園芸で買ったEG-135Lに植えました。試しに買いましたが、早速役に立って良かったですね。


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2月に行った筑波実験植物園の続きです。いよいよ、本来の目的である熱帯雨林温室です。ちなみに2月の訪問記事は次で終わりで、3月末に行った筑波実験植物園のつくば蘭展の記事が新たに始まります。

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去年来た時には行けなかった熱帯雨林温室に向かいます。

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入り口は階段を登った2階になります。

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入ると直ぐにCymbidium tracyanumが満開でした。実にゴージャスな花です。

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2階から見下ろす風景は、まさに熱帯雨林です。

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Vanda coelurea
美しいヴァンダ・コエルレア(セルレア)。

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Coelogyne cobbiana
こういう蘭を見ると、反射的にDendrochilumを思い浮かべてしまいますが、Coelogyneです。というか、旧・Dendrochilumはいつの間にやらCoelogyneに吸収されてしまいました。

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旧・Dendrochilumは香りの強い蘭ですから、このような形の蘭が咲いていたら匂いを嗅いでみて下さい。

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Coelogyne glumacea
典型的な旧・Dendrochilum。こちらは小型種。
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ガラス越しに沢山の蘭が栽培されています。

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ヒスイカズラが一房だけ咲いていました。本格的なシーズンはこれからのようです。

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Myrmecophila grandiflora
巨大なバルブが目を引きます。種小名の通り、大きな花が咲きます。

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Myrmecodia tuberosa
ミルメコディアは有名なアリ植物です。アリを住まわすことにより、アリに害虫を撃退してもらったり、ゴミや死骸から養分を得ることが出来ます。
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蘭と同じように樹木に付着して育つ着生植物です。どうやら、ヘゴ付けされているようです。
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根元は膨らみ、内部は迷路状の空洞があります。よく見ると、アリが入るための穴が空いていますね。

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Tecomanthe dendrophilla
ニューギニアなどに生えるノウゼンカズラの仲間。手すりにつるが絡んで、沢山の花が咲いていました。


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早いもので、もう3月も終わってしまいます。一応、鉢や用土は揃えたので、植え替えは出来ますが、今年は忙しくてなかなか進みそうもありません。いや、それよりそろそろ多肉植物たちを外に出す必要がありますが、これがなかなか大変で時間がかかります。生長期に室内栽培はもったいないので、早いところどうにかしないと…。とまあ、色々ありますが、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Aloe fleuretteana
フレウレテアナが開花しました。
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小型のアロエに典型的な配色です。

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Euphorbia waringiae
春先の陽射しが思いのほか強く、窓際の多肉植物たちは少しダメージがあるみたいです。ワリンギアエも葉が焼けてしまい、葉を落としてしまいました。しかし、置き場所を変えたところ、新しい葉が出てきました。


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Euphorbia millotii
ミロティイも新葉を展開中です。

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Euphorbia crassicaulis
クラシカウリスは冬の間もちらほら開花していましたが、暖かくなってきたせいか花がだいぶ増えました。


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2月に行った筑波実験植物園の記事の続きです。相変わらずサバンナ温室を漂っていますが、それも今回までです。実は現在筑波実験植物園で開催中のつくば蘭展を先日見てきましたから、この2月の訪問時の記事が終わったら記事にします。ただし、まだ去年見れなかった熱帯雨林温室もありますから、2月の記事はまだ続きます。

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Aloe marlothii
巨大アロエのマルロティイです。「鬼切丸」の名前で苗がホームセンターなどでも売っていますが、このように巨大に育つと思っていない人も多いでしょうね。
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この貫禄はすごいですね。

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Aloe plicatilis
プリカティリスも花茎を伸ばしています。現在はアロエ属から分離され、Kumara plicatilisとなっています。我が家のプリカティリスは分岐すらしていないので、私が生きている間に花を見ることはないでしょう。プリカティリスについては何度か記事にしています。以下の記事をご参照までに。



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Euphorbia weberbaueri
ウェベルバウエリは奇妙なPencil-Stemのユーフォルビアです。我が家のウェベルバウエリは単頭ですが、このサイズになると分岐するようですね。マダガスカルではなくエクアドル、ペルーの原産。

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Euphorbia grandidens
グランディデンスは何故か植物園でよく見かけるユーフォルビアです。新宿御苑の温室では「スミダノユキ」の名前で小型個体、東京農業大学のバイオリウムでは「ダイシキリン(大歯麒麟)」の名前でやはり小型の個体を見ましたが、この個体は非常に立派ですね。本来は樹木状に育つ大型種で、見上げる高さになりますから、これでもまだ小さいですね。


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奇想天外 Welwitschia mirabilis
もっとも珍奇な植物の1つである奇想天外ですが、初めて開花を見ました。
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花は終わっていて鮮度はありません。しかし、貴重な体験です。
Welwitschiaは驚くべきことに裸子植物で、グネツム(Gnetum)と麻黄(Ephedra)と合わせてグネツム亜綱に属します。グネツム亜綱は針葉樹と姉妹群であり、蘇鉄やイチョウとは系統的には離れているのが、なんとも面白いですね。


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Euphorbia unispina
猛毒で知られるユニスピナが開花していました。
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花は小さく地味ですが、葉がなく白い枝の先にかたまってつくため目立ちますね。

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Bombax ceiba
キワタの仲間。
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奇妙な幹肌です。

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着生サボテンが沢山吊るされている通路を抜けると、熱帯資源温室です。

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Vanilla planifolia
これがヴァニラの実です。プラニフォリアは商業的に生産されるヴァニラで、品質も良いとのこと。
しかし、ヴァニラはタイミングが悪く、花を見たことがありません。割りとあちこちの植物園で見かけてはいるのですがね。

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蕾はあるのですが、本当にタイミングが悪いですね。まあ、つくば蘭展で見ることが出来ましたが。


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少し植え替えをします。去年の秋以降に購入して植え替えをしていないものを、まず優先的に植え替えていきます。使用している用土が異なるため、なるべく早く植え替えたいのです。用土や鉢が統一されていれば、乾き具合などの把握も容易になります。さらに、やはり根の状態を確認したいということもありますからね。ちなみに、今年は今回で14鉢を植え替えました。今年は何鉢植え替えることになるでしょうか?

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Euphorbia heterodoxa
冬の間は室内の窓際に置いていましたが、春先になり陽射しが強くなったせいか、日焼けしてしまいました。しばらくは、半日陰に置いて様子見していましたが、ようやく復活してきましたが、まだ一部色が抜けてしまっています。ちなみに、去年の10月末に横浜のヨネヤマプランテイションで開催された、「多肉植物BIGフェア」にて入手しました。
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根はよく張っていましたが、鉢が小さいように感じます。
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植え替え後。プレステラ90に植え替えました。ユーフォルビアの中でも割りと面白い花を咲かせますから、早く見てみたいものですね。

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白葉姫性吹上
吹上の葉が白い矮性品種。ポット植えなので、ちゃんとした鉢に植えてやりたいところです。ちなみに、今年の1月に開催された、「新年のサボテン・多肉植物のビッグバザール」にて入手しました。

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根は結構ありました。
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植え替え後。アガヴェは生育が良いため、大きめのプレステラ105に植えました。

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Agave albopilosa
アルボピロサは冬の間も生長していましたが、根の状態はどうでしょうか。ちなみに、去年の11月に開催された、「11月のサボテン・多肉植物のビッグバザール」にて入手しました。
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太い根はありますが、根の量は少ないですね。
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植え替え後。やはり大き目のプレステラ105に植えました。現在、新属Echinoagaveが提唱されていますが、アルボピロサや吹上も含まれています。これから、Agaveから独立するのは気になりますね。

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Adenia keramanthus
アデニアも植え替えます。これは根域がかなり狭そうですね。ちなみに、去年の10月に開催された、「木更津Cactus & Succulentフェア」にて入手しました。
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根はやはり鉢のサイズで制限されていたようです。
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植え替え後。背が高いためプレステラ90ではバランスが悪いので、プレステラ105に植えました。

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Euphorbia micracantha
「怒竜頭」なる名前もあるミクラカンタです。近年、E. stellataの亜種となりましたが、その妥当性はよく分かりません。しかし、塊根植物でこの鉢のサイズですから、塊根の育ち具合が気になりますね。ちなみに、今年の1月に開催された、「新年のサボテン・多肉植物のビッグバザール」にて入手しました。
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塊根はよく育っています。思ったより地下部が大きいですね。
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植え替え後。塊根の形が真っすぐではないため、大きめのプレステラ120に植えました。


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2月に行った筑波実験植物園の続きです。去年行った時に気が付かなかったことや、変わった部分、それと花を中心にお送りします。

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Macrozamia communis
巨大な葉を持つマクロザミアですが、コーンが出ていました。

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コーンもかなりのサイズになりそうです。
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よく見たら、地面にマクロザミアのサンゴ根が露出していました。蘇鉄と共生する藍藻が窒素固定を行っているのでしょう。

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Metrosideros excelsa
ニューギニアやオセアニアなどに自生するフトモモ科植物に典型的な花です。

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Pachypodium lealii subsp. saundersii
立派な「白馬城」です。現在はP. saundersiiとして独立しています。


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Euphorbia gottlebei
ゴトレベイが咲いていました。我が家のゴトレベイも冬の間はずっと開花していましたから、環境が良ければ周年開花するのかも知れません。

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Protea cynaroides
ヤマモガシ科の奇妙な花が咲いていました。プロテアと言えば、オーストラリアを思い浮かべますが、こちらは南アフリカ原産種です。

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Grevillea hookeriana
グレヴィレアの奇妙な花が開花していました。こちらもヤマモガシ科植物です。オーストラリア原産。

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一見して松柏のようにも見えます。

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Aloe excelsa
巨大なアロエが開花していました。
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最大倍率で撮影しても、なお遠いですね。脚立に登って近くで見てみたいものです。

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Adenia heterophylla
東南アジア〜オーストラリア原産のアデニア。灌木の木陰にいくつかありました。

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こちらも同じアデニアです。

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Stephania rotunda
アデニアと思いきやステファニアでした。同じつる植物で似たような塊根ですが、表面はひび割れます。チベット、ヒマラヤ地域からインドからタイ、ラオス、カンボジアまで広く分布します。


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日本多肉植物の会が主催する「JSS春の多肉市2025 in シマムラ園芸」が、3月23日にシマムラ園芸の第二ハウスで開催されました。去年の開催に続き、今年も開催されたので見に行って来ました。

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さて、会場について言われたのが、先行入場料が500円とのこと。9時〜10時までが先行入場らしいのですが、あと10分くらいで10時なので待ちました。流石にこの時間では先行入場する意味がありませんからね。しかし、この規模の業者メインではないイベントで、先行入場する意味が私にはよく分かりません。個数が限定されたレアものがあるわけでもないのに不思議です。

そんなこんなで、入場するものの、まあ当たり前ですが、それほど珍しいものがあるわけではなく、一般的な多肉植物のラインナップです。エケベリアはあちこちにあり、アガヴェ専門ブースもあり、ハウォルチアやサボテン、ビカクシダ、ユーフォルビア、メセン、ケープバルブ、ガステリアあたりでしょうかね。BBのように現地球やらのコーデックスが並ぶ風景はありません。ただし、他のイベントに比べると、あまり混雑しないので、割りと落ち着いてゆっくり見られるはかなりの利点です。同じ会場で開催されるアガヴェ系のイベントでは、身動きがとれないくらい混雑しますからね。あれには懲りたので、あのイベントはパスします。
さて、ぐるりと一周してみるものの、まあそれほど目を引くものはありませんでした。まあ、基本的には手持ちにあるものばかりでした。最終的には去年と同じブースで硬葉系ハウォルチアを購入しました。しかも、去年も買ったアテヌアタです。同じようなものばかり集めているような気もしますが、まあ好きなものは仕方がありません。
というわけで、購入品です。

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H. attenuata v. radula MBB 6831
なんと、アテヌアタの変種ラドゥラです。初めて見ました。しかも、フィールドナンバーつき。繊細な結節が美しいですね。購入したのは、去年と同じくNiche plantsさんで、ロカリティ(採取地)データがついています。早速、QRコードを検索すると南アフリカの地図が出てきました。
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ふむふむ、Hankeyの辺りですね。しかし、このHankeyという地名はハウォルチアでは実によく出てくる名前です。

さて、今回の購入品はこれだけで、帰りにシマムラ園芸の店舗の方に寄っていきます。まあ、鉢が欲しかっただけですが。
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基本的には深型のプレステラ90が無くなりそうなので、補充したかっただけです。20個買いました。真ん中がプレステラ90ですが、左の新しく出た深型のプレステラ75があったので、20個ほど購入しました。今までは小型のハウォルチアもプレステラ90だったのですが、サイズ的にはこちらの方が合ってますよね。最後は右のEG-135Lです。試しに5個買いました。プレステラ180より深いので、塊根には良さそうです。高さは19.5cmとのこと。


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セダムやエケベリアを含むベンケイソウ科は、遺伝子を解析するとかなり入り組んだ様相を示し、旧・分類体系が通用しない可能性が出てきました。しかし、ベンケイソウ科は種類が多く、完全な系統分類を確定させることは恐ろしく困難でしょう。そんな中、新たに分離された新属も誕生しています。2016年に提唱されたChaloupkaea、2023年のJeronimoa、Chazaroa、Quetzalcoatliaといったベンケイソウ科の新属です。実は2023年の3属はすでに記事にしています。ということで、本日は残りのChaloupkaeaについて見ていきましょう。ちなみに、Chaloupkaeaは主にトルコに分布する小型のベンケイソウ科植物です。

新属・ジェロニモアについては以下の記事をどうぞ。

新属・チャザロア、ケツァルコアトリアについては以下の記事をどうぞ。

本日、参照とするのはJosef Niederleの2016年の論文、『Chaloupkaea (Crassulaceae)』です。非常に簡潔な内容、というかあまりにも説明がなく簡潔すぎるので、私の解説というか感想も併記します。まあ、私にも経緯がよくわからないため、理解出来ているのは怪しい気もしますが…


進化が完全な単系統ではなく、本質的に側系統的です。よって、't Hart(1995)が、Rosularia属の黄色い花を咲かせる小アジア種について、Prometheum属に組み換えた単系統的なアプローチを拒否します。Chrysanthae Eggli, 1988は、Sedum L.に属する分類群から分離されます。

(解説): この段落は非常に分かりにくい話です。理解出来る範囲ですと、1988年に提唱されたRosularia属内分類のSection Chrysanthae Eggliについて、独立属としますということです。さらに、このSectionのタイプであるRosularia chrysanthaについて、1995年に't HartがPrometheum chrysanthaとしましたが、著者はその提案を拒否しました。なぜなら、それは単系統的なアプローチであり、側系統的に理解すべきだからです。


よく引用されるRosularia chrysantha (Boiss.) Takht, 1953は出版されておらず、Rosularia chrysantha (Boiss. & Heldr.) Mulkidzhanjan, 1953を適切に引用する必要があります。第二に、有効な出版場所が参照に含まれていませんでした。よって、この組み合わせは命名規約に従っていません。1958年に発行されたTakhtadjianの出版物のみが有効です。

(解説): これは命名規約の話です。属名を変更する際は必ず最初に命名された名前と、命名された時の文献を引用する必要があります。その際に、異なる文献を引用してしまった場合、命名の変更は認められません。そもそも、Rosularia chrysanthaは初めて命名されたのは1849年で、Umbilicus chrysanthus Boiss. & Heldr.でした。1958年にRosularia chrysantha (Boiss. & Heldr.) Takht.とされました。Rosularia chrysantha (Boiss.) Takhtは誤りで、誤引用ということになります。ただ、1958年のTakhtadjianが有効という意味と、Mulkidzhanjanについてはよく分かりません。


Takhtajian(1958)によりRosularia chrysanthaと特定された植物は、無毛のロゼットと、細長い釣鐘型の黄色い花を持ちます。それは、Rosularia lipskyiだったかも知れません。EggilihoがRosularia aizoonを決定したのは、ありそうもないことのように思えます。

(解説): この段落の始めの文は、私には判断できかねますが、そのままの意味です。しかし、後半はよく分かりません。脈絡もなくRosularia aizoonが急に出てきたのも困りますが、命名者でもないEggilihoの決定とは何かが分かりません。しかし、調べるとRosularia aizoonは、1995年に't HartがPrometheum aizoon (Fenzl) 't Hartを提唱しましたが、これを発表した出版物の発行者がH. 't Hart & Eggliということでした。つまり、発表したのは't Hartですが、共同出版者のEggliが決定したのはありそうもないということでしょうか。ただし、それがなぜありそうもないのかは釈然とはしません。
しかし、よくよく見ると、「Takhtajian(1958)によりRosularia chrysanthaと特定された植物」をRosularia aizoonとしたことに、Section Chrysanthaeを提唱したEggliが賛成しないだろうという意味かも知れません。この場合はどうでしょうか。著者が疑うRosularia lipskyiは現在もRosulariaです。これは、果たしてSection Chrysanthaeを提唱したEggliが誤るだろうか?という疑問でしょうか。

最後に
以上が論文の内容です。
あまりに簡潔過ぎて、私にもイマイチよく意味が分からない部分がありました。また、これはチェコの論文で英語ではないため機械翻訳にかけただけですから、精度もなかなか怪しいところです。
この論文は新属を提唱していますが、何故かその旨を示す文章がありません。最後に新属による新しい組み合わせの一覧が示されるだけです。本当に簡略というか省エネ論文ですね。一応、新しい組み合わせの名前を示しておきましょう。


Chaloupkaea aizoon (Fenzl) Niederle, 2016
Basionym: Umbilicus aizoon Fenzl, 1842
≡Rosularia aizoon (Fenzl) A.Berger, 1930
≡Prometheum aizoon (Fenzl) 't Hart, 1995

https://inaturalist.lu/taxa/962952-Chaloupkaea-aizoon/browse_photos

Chaloupkaea bonorum-hominum (Niederle) Niederle, 2016
Basionym: Rosularia bonorum-hominum Niederle, 2015

Chaloupkaea chrysantha (Boiss. & Heldr.) Niederle. 2016
Basionym: Umbilicus chrysantha Boiss. & Heldr., 1849
≡Rosularia chrysantha (Boiss. & Heldr.) Takht., 1958
※Rosularia chrysantha (Boiss. & Heldr.) Takht., 1953, no basyonim ref.
≡Prometheum chrysanthum (Boiss. & Heldr.) 't Hart, 1995

https://mexico.inaturalist.org/taxa/962949-Chaloupkaea-chrysantha

Chaloupkaea gigantea (Eggli) Niederle, 2016
Basionym: Rosularia serpenticum (Wederm.) Muirhead var. gigantea Eggli, 1987
≡Prometheum serpenticum (Wederm.) 't Hart var. giganteum (Eggli) 't Hart, 1999
≡Rosularia gigantea (Eggli) Niederle, 2015

Chaloupkaea muratdaghensis (Kit Tan) Niederle, 2016
Basionym: Rosularia muratdaghensis Kit Tan, 1989
≡Prometheum muratdaghense (Kit Tan) 't Hart, 1999

Chaloupkaea pisidica (Niederle) Niederle, 2016
Basionym: Rosularia pisidica Niederle, 2015

Chaloupkaea rechingeri (C. -A. Jansson) Niederle, 2016
Basionym: Rosularia rechingeri C. -A. Jansson, 1966
≡Prometheum rechingeri (C. -A. Jansson) 't Hart, 1995

Chaloupkaea serpentinica (Werderm.) Niederle, 2016
Basionym: Umbilicus serpentinicus Werderm.,  1939
≡Rosularia serpentinica (Werderm.) Muirhead, 1972
≡Prometheum serpentinicum (Werderm.) 't Hart, 1995


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植え替えの準備をしなければいけませんが、うっかりしていてアレもコレも足りません。買いに行く時間もなさそうですから、割高ですがアマゾンで買ってしまいますかね。まあ、仕方がありません。というわけで、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia ramena
ラメナは葉はすべて落ちましたが、冬の間は花がずっと咲いていました。


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Euphorbia razafindratsira
なかなか生長が思わしくなかったラザフィンドゥラトゥシラですが、去年は良い生長具合でした。冬の間もちらほら開花していましたが、新葉も出てきましたね。


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H. tessellata IB 6776
非常に美しいフィールドナンバーつきのテセラタです。花茎の伸びがゆっくりで時間がかかりましたが、ようやく開花しました。
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花は強い緑色のラインが目を引きますね。

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鉄甲丸 Euphorbia bupleurifolia
鉄甲丸も新葉を展開中です。


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Commiphora pseudopaolii
プセウドパオリイの伸びがいいですね。しかし、どうにも形が悪いのが気になります。今年は植え替えをしますから、来年はバッサリ剪定することにしましょう。


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2月に行った筑波実験植物園の記事の続きです。前回に引き続きサバンナ温室で多肉植物を見ています。本日はサボテンがメインですね、

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刈穂玉 Ferocactus gracilis
言わずと知れた刈穂玉ですが、何か妙なものがくっついています。


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どうやら、このPilosocereus?の花殻のようですね。

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Sulcorebutia rauschii
最近、園芸店でも見かけるようになったスルコレブチアです。しかし、現在はスルコレブチアはウェインガルティアに吸収されたため、スルコレブチア属は消滅してしまいました。現在はWeingartia canigueraliiの1タイプという扱いのようです。


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赤鳳 Ferocactus stainesii
フェロカクタスの中でも、やや渋い存在の赤鳳です。良いサイズですね。なお、現在はF. pilosusとされているようです。


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Agave utahensis var. eborispina
最近人気のエボリスピナ。


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笹の雪 Agave victoriae-reginae
どうやら、新しく植えられたらしい、非常に美しい笹の雪です。このような美品を見てしまうと、ついつい欲しくなってしまいます。


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Euphorbia punicea
ジャマイカ・ポインセチアと呼ばれる樹木性のユーフォルビア。前回来た時には花はなかったので、花は初めて見ます。ジャマイカ原産。
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ポインセチア同様、赤く大きな苞が非常に目立ちます。かなりの量の蜜が出ているみたいですが、蜜源植物として重要かも知れません。花粉媒介者が気になりますね。

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サンゴアブラギリも開花中。

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Pseudobombax ellipticum
プセウドボムバクスが開花しています。見上げないとわからないため、何気なく歩いていると見過ごしてしまいそうです。
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花糸で構成された刷毛のような花です。

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ドラゴンフルーツ Hylocereus undatus
樹木状に見えますが、樹木に絡みついているだけです。ドラゴンフルーツは扱い的には登攀植物でいいのでしょうか? ちなみに、
HylocereusはSelenicereusに吸収されたため、ドラゴンフルーツの学名もSelenicereus undatusとなっています。


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3月も半ば過ぎて、多肉植物たちも生長が始まるものも出てきました。外に出してやりたいところですが、最低気温がまだ氷点下近くまで下がる日もあるようですからもう少しの我慢です。さて、本日も我が家の多肉植物たちの様子を少しご紹介しましょう。

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Pachypodium densiflorum
デンシフロルムが開花しました。

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まだ花茎は2本しか出ていません。これからが本番です。

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Euphorbia bongolavensis
ボンゴラベンシスは新しく新葉が展開中です。毎年、ボンゴラベンシスは冬の間はすべて葉が落ちますが、春を感じているのでしょう。


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Euphorbia ankarensis
アンカレンシスも開花しています。まあ、特徴的にはE. denisianaっぽいわけですが。


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Commiphora mildbraedii
コミフォラも葉を出しています。特にミルダブラエディイは枝もぐんぐん伸びて勢いがあります。


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2月に行った筑波実験植物園の続けです。今回からサバンナ温室に入ります。去年の6月以来のサバンナ温室ですから、開花していたり変わっている部分もあるでしょう。

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丁度、サボテンやアガヴェの入れ替えやら、ウチワサボテンの枝の整理をしていました。枯れたら新しく植えるというより、普通に入れ替わりがあるようです。

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大きなアガヴェが植えられるのか、抜かれたのか分かりません。

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松笠団扇 Tephrocactus articulatus var. inermis
現在、T. articulatus(武蔵野)には変種は存在しないということになっているようですから、武蔵野のトゲがほとんどない変種未満の変異幅という扱いなのかも知れません。


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Opuntia debreczyi
小型のウチワサボテンですが、新しく植えられたものでしょう。そういえば、O. debreczyiはO. fragilisとO. polyacanthaの交雑種と考えられているようで、現在はOpuntia × debreczyiという交雑を示す学名となっています。

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大丸盆 Opuntia robusta
生長しすぎて倒れた大丸盆ですが、以前来た時には下敷になっていたのがラベルがありませんでしたが、新しいラベルがありました。


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王冠竜 Ferocactus glaucescens
ちょっとピンボケ。王冠竜に蕾が出ています。


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アガヴェも花茎を伸ばしています。

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朱雲 Melocactus matanzanus
ちょっと日焼け気味のメロカクタス。


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獅子頭 Thelocactus lophothele
平べったく育った獅子頭。現在ではT. rinconensisにまとめられているようです。


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翠冠玉 Lophophora diffusa
翠冠玉はなかなか自生地風でいいですね。そういえば、烏羽玉(L. williamsii)は幻覚作用のあるメスカリンを含みますが、翠冠玉や銀冠玉(L. fricii)はメスカリンを含みません。銀冠玉を烏羽玉の変種とする考えもありましたが、メスカリン一つ取ってみても違いがあるわけです。


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玉翁 Mammillaria hahniana
玉翁が開花しています。マミラリアは花冠のように開花するので楽しいですね。しかし、マミラリアは夏の蒸れに弱く、個人的には苦手です。マミラリアは群生しますから余計に蒸れやすく、しかも白毛を美しく保つとなると、私には無理ですね。

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満月 Mammillaria candida var. rosea
満月も開花中。コンパクトに群生しておりかわいらしいですね。満月は変種ロゼアとされがちですが、現在はM. candida(雪白丸)のタイプ違い程度の扱いのようです。


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1月に東京農業大学のバイオリウムという温室で、コーンが出ている立派なZamia integrifoliaを見ました。改めてZ. integrifoliaを調べて見ると、2016年に再分類が提案されており、どうやら最近その考えが採用されたようです。記事にしましたので、以下のリンクをご参照下さい。


さて、Z. integrifoliaの情報をいろいろ漁っていたところ、蘇鉄を食害するシジミチョウに関する論文を見つけました。それは、Melissa R. L. Whitakerらの2020年の論文、『Localized overabundance of an otherwise rate butterfly threatens endangered cycads』です。日本でも蘇鉄を食害するクロマダラソテツシジミ (Chilades pandava、Luthrodes pandava)が北上し関東まで進出してきましたが、論文の主役はアタラマルバネシジミ (Eumaeus atala)です。

シジミチョウの消失と再生
Eumaeus atalaというシジミチョウは、南フロリダやバハマ諸島、キューバ原産で、幼虫はZamia属の蘇鉄を食べます。かつては、フロリダで「もっとも目立つ昆虫」と呼ばれるほど一般的でしたが、唯一の食樹であるZamia integrifoliaの過剰採取が原因で、1900年代初頭に急激に減少し1930年代には絶滅したと考えられてきました。しかし、1959年にマイアミ南部で小規模な個体群が発見されました。それ以来、草の根的な保護活動により、2001年以降はフロリダ州全体で300を超える個体群が記録されています。

E. atalaの激増の謎
フロリダ州にある研究施設であり保護庭園であるMontgomery Botanical Centerには、E. atalaの大規模で永続的な個体群が生息しています。ピークシーズンには49ヘクタールの敷地内に1日で300匹を超えるE. atalaの幼虫が見つかりました。E. atalaの希少性とフロリダ州全体での再導入の進展からすると、ここまで繁殖している理由を調査する必要があります。

モンゴメリー・ボタニカルセンター
Montgomery Botanical Centerでは1932年から蘇鉄が栽培されており、新たな種が追加され続けそのコレクションは豊富で、2020年には235種の蘇鉄を栽培しています。そのうち、55種のZamiaは2838本ありました。
センターのスタッフによると、E. atalaは常に敷地内に少数存在し、季節的な増減のサイクルがあります。しかし、過去約10年間でE. atalaは繰り返し大発生し、繁殖期はより長くより頻繁になっています。E. atalaの卵と幼虫は20種以上の蘇鉄から見つかりました。

E. atalaの幼虫は群れで蘇鉄の葉を食べ、生長の遅い蘇鉄に深刻なダメージを与え、大型の蘇鉄の葉を完全に枯らしてしまうこともあります。センターのスタッフは、Z. integrifoliaを毎日検査し、手作業で卵や幼虫、蛹を取り除いています。その他のZamiaからも定期的に取り除かれます。回収したE. atalaはフロリダの他の場所の教育機関や保護活動、研究者に送られます。2019年にはセンターで2000匹を超えるE. atalaが回収され、1週間で約4〜8時間もの採取作業が必要でした。

爆発的な増殖の謎
Montgomery Botanical CenterにおけるE. atalaの豊富さは、まず敷地内にある宿主植物の豊富さに起因します。2020年、センター内には431本のZ. integrifoliaがあります。不思議なのは、センターの周辺ではE. atalaを沢山見ることがないことです。センターの周辺の住宅や公共の庭園にはZ. integrifoliaはよく見られ、近くの道路の中央分離帯や公園などに大規模に植栽されているからです。Coral Gables公共事業局によると、センターから半径11km圏内の公共スペースには、少なくとも220本のZ. integrifoliaが植栽されています。センターから1km以内にあるFairchild Toropical Gardenには、201本のZ. integrifoliaが植栽されています。E. atalaはこれらの地域でも少数ながら見られますが、センターのように爆発的な増加は聞いたことがありません。よって、宿主植物の豊富さが唯一の要因ではないのかも知れません。

なぜ増えたのか?
E. atalaの幼虫はZ. integrifolia以外の外来蘇鉄も食べるめ、宿主植物の多様性が影響している可能性があります。センターには2020年には55種のZamiaが栽培されており、フロリダ州のどの地域よりも多様性があります。種類の違いにより植物資源が一年中利用可能となるならば、継続的に繁殖出来るかも知れません。E. atalaの一齢幼虫は若くて柔らかい葉を必要とするため、若い葉に優先的に産卵します。ほとんどのZamiaが1年に1回しか葉を出さないことが、歴史的にE. atalaの繁殖周期の制約となってきた可能性がありますが、食草の多様性が高まれば新鮮な若い葉が周年利用可能になるかも知れません。
他の要因としては、成虫の蜜源やねぐら、気候変動、宿主植物の質の不均一性などが挙げられます。しかし、センター付近の家庭菜園や公共スペースには蜜源植物が豊富にあり、蜜源植物の制限が個体数の制約である可能性は低いと言えます。次に低温が与える影響はありますが、フロリダでは最低気温が上昇しています。しかし、センターだけではなく、それはフロリダ全体でも同じはずです。次に灌漑や施肥などは、植物の組織内の水分や栄養素、毒素の比率を変えてしまい、植物の栄養価に劇的な変化をもたらしている可能性があります。おそらく、センターのZamiaは栄養価が高く、化学的な防御力が低いと考えられます。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
植物の保護施設で希少なシジミチョウが大発生するという、不可思議な現象についての話でした。その原因は、単純に食草が豊富であるというだけでは片付けられないようです。しかし、希少なシジミチョウが希少な蘇鉄を食害しているわけで、単純な駆除が出来ないのは困りものです。とは言え、蘇鉄も希少なため、センターの役割からして、放置も出来ません。
さて、本題のシジミチョウの爆発的な増加は、センターに特有の現象です。その理由を考察していますが、はっきりしません。まず、食草の多様性による周年性が指摘されていますが、これはある意味ありうる話かも知れません。とは言え、蘇鉄の新葉の展開は種に限らず春先になるでしょうから、種の多様性はあまり関係がないような気がします。論文では新しい葉は1年に1回とありますが、生育環境が良ければ夏〜秋にかけて追加で新葉が出ることもあります。ですから、最後に指摘されている「灌漑や施肥」はいかにも影響がありそうですね。


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先日開催されたサボテン・多肉植物のビッグバザールの購入品がスッポ抜けたので植え替えをしました。1鉢だけというのもあれなんで、ついでに鉢が小さいものも植え替えました。去年の秋以降の購入品で、まだ植え替えていないものです。

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Euphorbia attastoma
先日、BBで購入したアタストマが帰宅時の振動でスッポ抜けました。根が少ないのもありますが、軽石の下の用土が軽いのも原因かも知れません。まあ、何れにせよ、急いで植え替えてしまいます。

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根が少ないですね。
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植え替え後。しばらくは根を育てるのに専念します。

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Euphorbia pteroneura
こちらはプテロネウラですが、やはり用土が同じなので植え替えてしまいます。

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根はアタストマよりありました。
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植え替え後。こちらもしばらくは養生します。

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Euphorbia cuneata var. pumilans
鉢が小さい上にこの細い茎ですから、乾燥でよく葉が落ちないものだと思っていました。
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しかし、抜いてみると、塊根がありました。なるほど、塊根があるから乾燥に耐えることが出来たわけですね。
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植え替え後。塊根は埋めて太らせていきます。

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Euphorbia cryptospinosa
クリプトスピノサも鉢が小さいので植え替え。
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根はなかなか発達していました。
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植え替え後。これからどう育つか楽しみです。

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Euphorbia alluaudii subsp. oncoclada
オンコクラダも植え替え。やはり、鉢が小さいですね。
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根はかなり多く問題ないようです。
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植え替え後。最近はPencil-Stemのユーフォルビアも入手しやすくて、いい時代になりました。


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2月に筑波実験植物園に行ってました。去年に続き2回目の訪問です。今回は温室に到着したところからです。まずは、サバンナ温室へ向かいます。

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手前の熱帯資源温室ではなく、奥にあるサバンナ温室から見ていきます。サバンナ温室は以前行っており前回来た時に詳しく見ましたから、今回は開花しているものなどを中心に見ていきます。まずは、温室前のドライガーデンから。

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笹の雪 Agave victoriae-reginae
美しい笹の雪。アガヴェ人気は強刺タイプが主導していますが、最近は笹の雪も苗が出回るようになりました。


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Agave lophantha
ロファンタと言えば派手な覆輪で有名ですが、あれは選抜品種なんでしょうね。こちらは、うっすらと中央に淡い中斑が入ります。


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Yucca carnerosana
名札がよく見えなかったのですが、カルネロサナでしょうか。

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Cyrtanthus mckenii
温室の入り口脇にいくつかの鉢植えが置いてあります。前に来た時とは違うため、花期に合わせて変更しているのでしょう。
それはそうと、昔の観葉植物の図鑑(山渓カラー名鑑・観葉植物、1991年)は海外の植物園などの写真が使われていて、国内ではまったく流通していない植物ばかりでした。キルタンツスも載っていましたが、最近では一般にも流通し玄関先に鉢植えが置かれていたりします。南アフリカ原産。


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Moraea polystachya
アフリカ南部に分布するアヤメ科植物。まだ咲き始めでアヤメ科植物らしい特徴的な花の形はまだ分かりませんが、もともとIris属だったくらいですから開けば実にアヤメ的な花です。


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Lachenalia bulbifera
いわゆるケープバルブになるのでしょうか?アルブカなどに近縁な仲間。


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Androcymbium ciliolatum
これは初めて見た植物です。知りませんでした。花束のようにみっしり詰まって咲いています。現在はコルチカム(イヌサフラン)属とされているようです。つまり、Colchicum capense ssp. ciliolatumです。南アフリカ原産。

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Mandragora officinarum
いわゆるマンドラゴラ。実は1753年にCarl von Linneが命名した由緒ある学名です。花は初めて見ました。イタリアやバルカン半島あたりの原産。

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えびす笑い Pachypodium brevicaule
ここからは、温室の入り口の小スペースの植物です。主に多肉植物の鉢植えがありました。
まずは恵比寿笑い。開花が始まっています。

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パキポディウムに典型的な花。

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Haworthia cooperi
「青雲の舞」と名札にありましたが、そんな名前があることを初めて知りました。

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開花中。そういえば、我が家のH. cooperiは屋外で開花していますね。

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雷神 Agave potatorum
雷神がコンパクトな形で非常に美しいですね。
入り口の小スペースの植物もここまで。次回から温室を本格的に見ていきます。


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本来ならば植え替えは4月からなのですが、トラブルがあったので急遽植え替えをします。購入時の鉢や用土に難があった2鉢と、根詰まりの2鉢を緊急植え替えです。現状、今のままでは困りそうなものだけです。

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Cycas debaoensis
デバオエンシスの葉がカリカリに枯れてしまいました。雪が降る前までは暖かかったので、乾きやすくて干からびてしまったようです。用土は保水力か高そうでむしろ排水に難がありそうでしたが、なんといっても鉢が小さいのが問題です。これはプラステラではなく、よく小さなハオルチアとか多肉植物の苗が植えてあるやつです。
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葉は枯れましたが、葉柄は生きてる雰囲気があります。
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というわけで、抜いてみましたが根は健全でした。種子はすでに取れています。
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サンゴ根もありました。
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植え替え後。蘇鉄はこれくらいの土量は必要でしょう。復活してくれるといいのですが…

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Ibervillea tenuisecta
イベルヴィレアも元気がありません。つるも枯れがちです。
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この細粒の鹿沼が、どういうわけかものすごく乾きやすくて困っています。
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地下はかなり発達していました。割りとマンドラゴラでしたね。しかし、抜いたところ揮発性の怪し気なニオイが…。要するにネジラミが満載でしたから、流水で洗いました。しかし、流石に水が冷た過ぎてつらくて、すべて取りきれたか不安です。一応は殺虫剤をかけましたが、効果があるのかは分かりません。
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植え替え後。少し塊根を出しました。古い鉢は捨てました。

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Uncarina roeoesliana
ロエオエスリアナは去年初めてロングポットに植え替えましたが、ポットがボコボコに歪んでしまいました。
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これはひどい。根の生長が予想より激しいみたいです。
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地上部分より地下の方が発達していました。1年でここまで育つとは驚きです。
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植え替え後。ロングポットでも長さが足りないので、根を少し出さざるを得ませんでした。妙にマンドラゴラ感がありますね。

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Operculicarya pachypus
パキプスはロングポットに植えて2年ですが、やはりボコボコに変形しています。

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嫌な予感はしていましたが、鉢から抜くことが出来ませんでした。仕方がないので、ポットをハサミで切り開いて何とか抜けました。
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塊根はエグい太さ。パワータンクとか言いますが、これは芋感が強いですね。
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鉢底で根が巻いてしまっています。しかし、塊根が巻いてしまう前で良かったのかも知れません。
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植え替え後。ロングポットはもう諦めて、Richellの7号鉢に植え替えました。根域はだいぶ広くなりましたね。
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塊根の分岐点まで露出させました。Richellの7号鉢でもあまり深さに余裕がないため、浅植えして鉢底までの長さを稼ぐ作戦です。塊根はツルツルしていてオペルクリカリアらしさがなくてダサい感じがしますが、年数が経てばたぶんどうにかなるでしょう。


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さあ、ビッグバザールです。昨日はしばらく続いた悪天が嘘のように晴れ渡りました。例によって10時過ぎにTOCビルに到着したものの、まだ待機列が解消されていませんでした。開場前はどれだけ並んでいたのか想像するだけで恐ろしいですね。しかし、会場に入ると身動きが取れないほどではなく、一部の人気店を除いてスムーズに見て回ることが出来ました。しかし、現在公私ともに忙しく、疲労が抜けず基本的にぼんやりしていました。ですから、あまり熱心にというほどではなかったです。
さて、内容的にはいつもと変わりません。アガヴェの専門店には人集りが出来ており、ハウォルチアの専門店も人気です。今回は時期的なものなのかエケベリアも割と見かけました。あと、サボテンも以前と比べるとあちこちにあり、サボテン人気も出てきているようです。個人的に好きな硬葉系ハウォルチアもあちこちにあり、一時期は壊滅状態だったガステリアも豊富でしたね。今回は最近気になっているアデニアはイマイチでしたから、花キリンを探しました。花キリンはかなり豊富でしたが、手持ちにあるものばかりでした。しかし、私が入手した頃と比べるとずいぶん安くなりましたね。さて、一回りした頃合いで、Pencil-Stemのユーフォルビアを見つけたので、2種類購入しました。E. sipolisiiやE. alluaudii ssp. oncocladaもありましたから、好きな人には堪らないでしょうな。

というわけで、本日の購入品です。今回は安く済みました。いつもは買いすぎなので、この位が丁度良い気がします。購入品はどちらも新大陸産のNew World Cladeで、より一般的なマダガスカル産のOld World CladeのSection TirucaliiやSection Deuterocaliiではありません。Pencil-Stemのユーフォルビアはまだ珍しい方ですが、最近見かけるようになってきましたから、流行り始めているのかも知れません。

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Euphorbia attastoma
Section Brasiliensesは、E. sipolisiiに続いて2種類目です。ブラジル原産。

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Euphorbia pteroneura
Section Euphorbiastrumは、E. weberbaueriに続いて2種類目。この仲間は基本的に木本が多いため、多肉植物は珍しい部類です。メキシコからグアテマラの原産。

今回はささやかですが、こんなところです。しかし、なかなか面白いものを入手出来ました。次のBBは5月ですが、その前の4月には木更津Cactus & Succulentフェアが開催されます。これからのイベントが楽しみですが、その前に今年の植え替えの準備をしないといけません。今年も大量の植え替えをしないとならないでしょう。まあ、ぼちぼち頑張ります。


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なんでこんなに忙しいんだという位、バタバタしています。とは言え、疲れただの時間がないだの騒いではいるものの、9日のビッグバザールには行くつもりです。また、3/16から3/23まで筑波実験植物園で「つくば蘭展」が開催されます。できるなら行きたいのですが、体力気力が保つか分かりません…。

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Adenia venenata
ヴェネナタの葉が生え揃いました。去年の11月のビッグバザールで入手しましたが、その頃は落葉した状態でした。

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Agave multifilifera
ムルティフィリフェラは繊維が出てきてそれっぽくなってきました。2020年4月のビッグバザールで入手しましたから、もう5年目になります。最初は小さな抜き苗でしたから、これでも育ったほうです。

購入時の様子は以下の記事をご参照下さい。



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Euphorbia flanaganii
いわゆる孔雀丸です。強光に当てると太く短い良い枝が出ますが、枝の寿命が短くなります。遮光して育てると間延びしますが枝の寿命が伸びるので、こちらの方が良いのかも知れません。


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Euphorbia aphylla
「糸キリン」という名前もあるようです。アフィラはカナリア諸島の原産ですが、海沿いに生えるため耐塩性が高いとされています。このような塩生植物は少なく、植物の2%程度しか存在しないようです。



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どういうわけか無闇に忙しく、連休中も遊びに行くどころではなかったのですが、隙を見て朝イチで筑波実験植物園へ行って参りました。しかし、時間がないため、わずか90分ほどの滞在で帰宅しました。筑波実験植物園には去年の6月に行きましたが、残念ながら熱帯雨林温室はタイムオーバーで見られませんでしたから、今回は熱帯雨林温室が目的です。その前に少し冬の園内を散策しました。

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つくば植物園という気安い名前もあります。

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巨大な蘇鉄と再会。

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植物画コンクールの展示がありました。
こちらは、ドラゴンフルーツ(Hylocereus undatus)。実は花が美しいサボテンです。枝と、花、果実、種子がわかる良い絵です。


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Alluaudia procera
プロケラの絵は珍しいですね。華はありませんが、実に奇妙な植物で目を引きます。


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Cereus hildmannianus(鬼面角)
小学生の部の国立科学博物館長賞受賞作。ゴツい枝から大輪の花を咲かせます。しかし、よく特徴を捉えていますね。

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冬の植物園は淋しい感じがします。

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梅が咲いていました。
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春まであと一歩です。

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テオシント
時期的に枯れていますがこれは重要な植物で、テオシントはトウモロコシの祖先と考えられている植物です。トウモロコシは日本ではスウィートコーンや爆裂種(ポップコーン)しか見ませんが、海外では甘くないトウモロコシが一般的です。トウモロコシは小麦や米よりも生産量が多い穀物ですが、その多くは家畜の飼料とされます。日本の畜産物は海外から輸入されたトウモロコシなどの飼料に依存しているため、それを考慮すると食糧自給率は非常に低くなります。

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「垣根」を展示しています。様々な樹種による垣根が延々と続いており、実際に垣根を作る時の参考になります。

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イスノキ Distylium racemosum
イスノキはムシコブ(虫癭)が必ず出来る面白い樹種です。


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侘しい枯れたひょうたん。

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Triticum aestivum
雑草に見えますが、普通小麦(パン小麦)です。

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圃場があり様々な野菜が育成展示されていました。

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ミツマタ
開花まであと一歩といったところ。樹皮の繊維が丈夫なため、お札に使われています。

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何やらピンのようなものが沢山幹に挿してあります。イタズラかと思いましたが、ナラ枯れの予防措置をしているとのこと。筑波実験植物園でも2021年にナラ枯れ現象が発生し、原因であるカシノナガキクイムシの穿入孔に薬剤を注入しているそうです。このピンはチェックのためのものでしょうか。

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鬱蒼とした林内を進みます。

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前回は行けなかった絶滅危惧植物温室です。

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しかし、残念ながらシーズンではないようで閑散としていました。

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Garanthus alpinus(上)とGaranthus woronowii(下)
ウォロノウィイが開花中でした。スノードロップの仲間。

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さて、そんなこんなで、ようやく温室に到着。まずは、サバンナ温室の多肉植物たちがどうなっているか見てみましょう。長くなったので本日はここまで。次回に続きます。


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フロリダの代表的な蘇鉄と言えば、Zamia floridaです。しかし、フロリダナは実はZamia integrifoliaで、フロリダナは異名であるという話をたびたびしてきました。


さて、最近フロリダナ改めインテグリフォリアの学名を確認したところ、なんとインテグリフォリアが5変種に再分類されていることに気が付きました。ということで、本日ご紹介するのはDaniel B. Wardの2016年の論文、『Key to the flora of Florida - 32, Zamia (Zamiaceae)』です。フロリダに分布するザミアを分類しています。

フロリダのザミア
現在、フロリダには2種類のザミアが分布しています。1つはZamia furfuraceaで、南フロリダでは玄関先や庭に植栽され、「Cardboard Palm」(段ボールヤシ)と呼ばれている外来種です。栽培個体ではないZ. furfuraceaは2000年頃に初めて確認されました。もう1つは様々な時期に複数の学名がつけられており、Zamia pumila、Zamia integrifolia、Zamia floridanaの名前があります。

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Zamia furfuracea

ザミアの歴史
ザミアは17世紀から認識され、17世紀末からオランダで、おそらくはヨーロッパの他の地域でも、栽培されてきました。現在の国際植物命名規約 (I.C.B.N)に基づく学名は、1762年にCarl von Linneにより命名されたZamia pumilaでした。しかし、von Linneのもとに標本はなく、ライデンとアムステルダムで栽培された植物に関する記憶とメモ、他の著者の記述しかありませんでした。von Linneは種自体については、「pumila」あるいは「矮性(dwarf.)」という説明しかしませんでしたが、von Linneがオランダにいた時に知っていた大きな蘇鉄と比較したことは間違いありません。その大きな蘇鉄をvon LinneはZamia frondibus pennatis(1937)と命名し、Linne filius(Linneの息子)はZamia furfuraceaと命名しました。
Z. pumilaという名前は、個人の解釈により様々に使われてきました。1908年にEckenwalderがZ. pumilaを「伝統的に知られている一般的な西インド諸島の蘇鉄」と定義しました。このことにより、西インド諸島の蘇鉄は単一の種ということになってしまいました。タイプはJan Commelijn(1697)の図版により、細長い卵形の先細りの小葉を持つ植物で、先端は鋭く葉縁には間隔の広い鋸歯があるとしています。
しかし、Commelijnの図版に対応する標本は稀で、北米の植物標本館(オンラインによる)では見つかりませんでした。イギリスのキューガーデンにはZ. pumilaと特定される古い標本がありますが、ライデン植物園からきたようです。この標本はCommelijnの図版と特徴がよく一致します。
Commelijnは「Insulae Hispaniolae」(ドミニカ共和国、ハイチ)からきたと述べています。しかし、現在西インド諸島からはそのような特徴の蘇鉄は知られていません。しかし、Eckenwalderによりタイプに指定されたCommelijnの図版は、既知の植物の形態学的な実在により確認されており、フロリダで知られているあらゆる植物とも異なるため、Zamia pumilaという名前は適用不可能です。

インテグリフォリアとフロリダナ
Z. pumilaのタイプがフロリダが起源ではないことは明らかですが、Zamia integrifoliaとZamia floridanaはフロリダの標本に基づいて分類されています。1789年に命名されたZ. integrifoliaはフロリダ半島で栽培された植物に基づき、1868年に命名されたZ. floridanaはフロリダ半島の西海岸で収集された標本に基づいています。この2つのタイプ標本は非常に似ているため、両者の間に違いを見いだせず、単一の種を示しているとされました。
フロリダの蘇鉄に使われる名前には論争があり、先取権の原理により命名がより早いZ. integrifoliaが優先されるように見えます。しかし、Z. integrifoliaはLinne filiusが既存の利用可能な名前であるZ. pumilaを同義語として引用したため、現代の規定においては誤りであると考えられました。命名規約は同義語として引用された古い名前が、新しい分類群に使用されるべきであった場合、新しい名前は不要であり不当と規定しています。さらに、発表時に違法であった名前は、特別な措置がない限りは後に合法とはならないと規定しています。
ただし、命名規約は常設の委員会に訴えることで、規則を無効とすることを許可しています。分類学者であるD. W. Stevenson & J. L. Reveal(2011)は、種子植物特別委員会に請願しZ. integrifoliaという名前を保存するように求めました。その正当性は、Z. integrifoliaはZ. floridanaより頻繁に使用されており、その名前を保存することにより安定性が確保出来るというものでした。委員会は請願を支持し、Z. integrifoliaが正しい名前となりました。


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Zamia integrifolia

インテグリフォリアの多様性
フロリダで観察されるZ. integrifolia sensu lato(広義のインテグリフォリア)には、分類学上の注目を集めるほどの多様性があります。J. K. Small(1933)は、フロリダの蘇鉄をZ. integrifolia sensu stricto(狭義のインテグリフォリア)、Z. angustifolia、Z. silvicola、Z. umbrosaの4種に分けました。
Z. angustifolia(1789)は正当な名前で、バハマ諸島や西インド諸島の蘇鉄に正しく適応されています。しかし、SmallはZ. integrifoliaをフロリダの蘇鉄に使用してしまいました。Z. angustifoliaのコーンは短く尖った頂端を持つ暗褐色から黒色のコーンを持ち、対するZ. integrifoliaは頂端か切形か鈍く赤褐色のコーンを持ちます。Smallはコーンを観察しないで識別したようです。Z. angustifoliaと識別出来る蘇鉄は、フロリダでは知られていません。

著者は観察結果から、形態学的変異は集団内では一貫していることを確信しました。中間種も見られますが、集団全体の大部分は、数個の明確に異なる形態型に割り当てることが出来ます。これらのグループは変種として認識されます。

①変種インテグリフォリア
Zamia integrifolia var. integrifolia
Z. integrifoliaの典型は、1789年にLinne filiusが使用したタイプに基づいているいます。使用した資料(生きた植物)は、26枚の小葉と雄花を持つ1枚の葉で表されています。小葉の幅は狭く約8mmで、一様にわずかにヘラ状です。この形状は広く普及しているフロリダのザミアでは稀です。
キューガーデンの植物の正確な起源は記録されていませんが、推測することは出来ます。入植者のAndrew Turnbullにより、1767年にザミアがCharlestonのアレクサンダー・ガーデンに、後にキューガーデンのAitonに寄贈されました。Turnbullに馴染み深いSt. Augustine近郊は長年に渡る撹乱により植生は痕跡もありません。しかし、New Smyrnaのすぐ西にあるTurnbullが農奴を使って藍を育てていた畑の近くには、薄い砂地の森がありザミアが現在も繁茂しています。この植物はZ. integrifolia var. integrifoliaのtopotype(同地基準標本)として役に立つかも知れません。

②変種ウンブロサ
Zamia integrifolia var. umbrosa
       (J. K. Small) D. B. Ward, comb. nov.

Zamia umbrosa(1921)はフロリダの蘇鉄に命名された正当な名前です。この名前は一般的に無視されるか、Z. integrifoliaの異名とされてきました。
植物のコレクターが、フロリダに2つのザミアが存在することに気がついたのは20世紀初頭でした。H. J. Webber(1901)によると、1つは「フロリダ半島南部」と記載されたZ. floridanaで、もう1つは「フロリダ半島中部、特に東海岸」のZ. pumilaでした。これらは小葉の幅で区別され、3〜7mmと8〜16mmでした。明らかにWebberの分類は、現在のZ. integrifoliaとZ. umbrosaを表しています。
S. J. Newell(1989)による葉の測定による研究では、フロリダのザミアは5つの集団があるとしています。Z. umbrosaの判別は、小葉の先端と突起にあります。突起は「teeth」(歯)または「callous bumps」(角質隆起)と呼ばれています。しかし、この「teeth」は、被子植物で見られる構造とは異なり、葉脈が突出した先端部です。葉脈が葉軸がから出て葉身に入ると、葉脈同士は接続しなくなり葉縁まで平行に続きます。

③変種ブロオメイ
Zamia integrifolia var. broomei
               D . B.  Ward, var. nov.

野生で時々見られるZ. integrifoliaは、より普及している典型的なタイプの半分程度の幅が狭い小葉が特徴です。このタイプは、フロリダ半島北西部のDixie、Gilchrist、Levy、Alachuaの各郡のSuwannee川下流域でよく見られます。幅の狭い小葉をまばらに生やすこのタイプは、栽培されることは稀です。

④変種フロリダナ
Zamia integrifolia var. floridana
    (A. DC.) D. B. Ward, comb. et stat. nov.
フロリダ半島西部ではvar. integrifoliaとは異なる特徴を持つ、おそらく生息地が異なるタイプが見つかりました。より大きな球果を持ち、長さ18cm、直径8cmに達します。このような球果を持つ個体群は、ネイティブ・アメリカンの作った貝塚でのみ発見されています。典型的なZ. integrifoliaが砂地に生えるのとは対照的です。
このタイプを収集したGilbert Hulseは1830年代初頭に、フロリダ半島西海岸のTampa湾の先端にあるFort Brookeに駐在していました。Fort Brookeは牡蠣などの殻からなる広大な貝塚がありました。HulseはJohn Torreyに送った植物について、「カキ殻のベットの上」で発見されたと述べています。
しかし、フロリダ湾岸沿いに巨大な貝塚を築いたCalusa族が、西インド諸島からフロリダでは見られない品種を持ち込んだ可能性を否定するのは困難です。Calusa族はフロリダと西インド諸島の間で交易を行っていました。

この大きな球果を持つタイプに新しい名前をつけるよりも、同じであるかは不明ですが、由来のわかる名前を残し変種floridanaとする方が望ましいと思われます。

⑤変種シルビコラ
Zamia integrifolia var. silvicola
  (J. K. Small) D. B. Ward, comb. et stat. nov.

Zamia silvicola (1926)は正当な名前ですが、フロリダの蘇鉄に適用されるかは不明です。Smallは正確な出典を明らかとせずにこの種を記述し、Eckenwalderはシトラス郡の「Spanish Mound」(現在のCrystal River考古学州立公園)のコレクションをホロタイプとして特定しました。しかし、Smallは「フロリダでもっとも丈夫なザミア」と述べ、それは長さ12〜17cmと比較的長く、10〜15mmと幅が広い小葉を持ちます。このSmallの説明に一致する植物は野生でも栽培下でも知られています。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
論文はフロリダ半島のザミアの判別を目的としています。フロリダにはインテグリフォリア=フロリダナとフルフラケアという2種類のザミアが見られます。フルフラケアはメキシコ原産で栽培品の逸出ですから、本来の野生のザミアはインテグリフォリア=フロリダナだけということになります。しかし、著者は観察から、フロリダのザミアがいくつかの変種に分けられると主張しています。しかし、外見的特徴や分布からの推察であり、将来的な分子系統解析による確認が望ましいような気がします。また、変種フロリダナが記載されましたが、必ずしも今までZ. floridanaと呼ばれてきたザミアを示しているとは限らないようです。


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さて、春めいた気温が続きましたが、なんと急に気温が下がり関東でも雪が降りましたね。しかし、そろそろ多肉植物たちの植え替えの準備をしなければなりません。今年もバタバタする羽目になりそうです。さて、そんなこんなで、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia splendens cv.
斑入り花キリンが開花しています。おそらく矮性品種でしょう。
旧・ミリイ系の花キリンは種の判別が難しくて、私自身未だに詳細がわかっていません。しかし、2021年の論文(Haevermans et. al., 2021)によると、E. miliiは葉の先端を切断したようなものに限定し、一般的に栽培される花キリンをE. splendensとしています。つまり、様々な花色の品種が作られている花キリンは、E. miliiではないということになります。ということで、私の育てているスプレンデンスは、実はミリイなのでしょうか?

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Euphorbia ambobombensis
アンボボンベンシスらしき花キリンが開花しました。
E. suzannae-marnierae名義の花キリンですが、おそらくはアンボボンベンシスです。E. suzannae-marnieraeで検索すると、国内ではアンボボンベンシスらしき花キリンが沢山出てきます。おそらく、スザンナエ・マルニエラエの名前で種子が流通しているのでしょう。

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Euphorbia suzannae-marnierae
こちらがおそらく正しいスザンナエ・マルニエラエ。葉の細さが違いますね。

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Euphorbia rossii
ロシイもいつの間にやら開花中。花はシャープですが目立ちません。葉がE. gottlebeiのように細長く、しかも塊根も出来る属性過多な花キリンです。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。バイオリウムの記事は、長々とひと月もかかってしまいましたが本日で最後となります。

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ベンチの周りにオペルクリカリアの鉢が配置されています。こちらは、Operculicarya decaryi。まあ、ただの砂漠の灌木です。そういえば、オペルクリカリアはマダガスカルの植物でしたね。

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Operculicarya pachypus
コーデックス・ブームを牽引してきたパキプスです。なかなか良いサイズです。

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幹は良い具合です。

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Uncarina leandrii
そういえば、ウンカリナもマダガスカルの植物でしたね。現在、野生のウンカリナの種子を散布しているのは飼われている牛で、本来の種子散布者が存在しません。おそらくですが、ウンカリナは踏み付け種子で、果実が足に絡みついて踏まれると種子が徐々に出てきくる仕組みです。ウンカリナと近縁のHarpagophyum (※ライオンゴロシ)はトゲだらけの果実を持ちますが、これはダチョウの足に絡みつくための構造です。では、本来の種子散布者はと言うと、まあ以下の記事を読んでみて下さい。

※ ) ライオンゴロシのトゲトゲの果実について、ライオンが踏んでしまい足の裏に刺さり、取るために咥えようとして口に刺さり、餌が食べられなくなり死亡するという説が流布していますが、ただの言い伝えでしょう。「ライオンゴロシは死んだライオンの血肉を糧に育つ」と続きますが、どう考えてもファンタジーですよね。


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Uncarina grandidieri
グランディディエリはずいぶんと塊茎が発達しています。そして、ウンカリナは2本分の枝が出やすいという特徴もバッチリです。

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幹肌の荒れ具合が面白いですね。カラカサタケみたいです。

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Uncarina roeoesliana
小型種とされるロエオエスリアナも巨大。我が家のロエオエスリアナは根が鉢を歪ませるほどですが、この小さな鉢で窮屈ではないのでしょうか?

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ワオキツネザルはマダガスカル原産の原猿類。清掃中のため、キツネザルの注意がそちらに向いてしまい、なかなかこちらを向いてくれませんでした。
そういえば、ワオキツネザルがマーキングする木には好みがあり、ウンカリナが一番良いとのこと。過去に記事にしていますから、以下のリンクからどうぞ。



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Pachypodium geayi
ゲアイが何やら沢山ありますね。

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Commiphora sp.
コミフォラの樹皮がめくれています。コミフォラは薄く剥がれる樹皮を持つ種類が結構あります。まあ、それ以外の特徴を加味しても、コミフォラの種の判別は植物学者でも難しい部類です。

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Adenia stylosa
我が家にもあるスティロサですが、幹が木質化して実に立派です。我が家のスティロサは、まだ幹が緑色なので将来こうなるのかと興味深く見ました。


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Aloe descoingsii
最小のアロエの1つとされるデスコイングシイです。花茎が伸びています。バイオリウムのデスコイングシイは、割りと大型のタイプのようですね。


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Decarya madagascariensis
「ジグザグの木」と呼ばれるデカリアですが、カナボウノキ科の植物です。面白いことに、DidiereaはAlluaudiaよりDecaryaの方が近縁だったりします。

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Aloe deltoidedonta
やはりマダガスカル原産のアロエ。ストレス・カラーで真っ赤で良い感じですね。


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Alluaudia humbertii
フンベルティイもこれだけ育つと、普通の灌木のようです。

ということで、東京農業大学のバイオリウムでした。バイオリウムの温室自体はそれほどの規模ではありませんが、そのほとんどが多肉植物なので、おそろしく濃密な体験でした。普通の植物園の多肉植物の展示は、ただの1コーナーに過ぎませんからね。さて、内容的にはマダガスカルの植物が豊富でした。やはり、マダガスカル原産のキツネザルがいるからでしょうか? まあ、これだけマダガスカル原産の多肉植物を一度に見ることはありませんから、マニアックではありますが私の満足度は最高レベルです。そもそも、マダガスカルに花キリンやアデニア、Pencil-Stemのユーフォルビアなど、私の好きな多肉植物の楽園です。しかし、残念ながら季節的に葉がないものも多く、花もあまり見られませんでした。暖かい時期に、再度訪れたいものです。


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なんとなくソテツ類の苗が気になったので、本日は我が家のソテツ苗をご紹介しましょう。我が家では苗じゃない蘇鉄は、Cycas revolutaとZamia furfuraceaだけで、あとは未熟な苗に過ぎません。蘇鉄は生長が遅いので、私が生きている間にコーンを見ることが出来るか分かりません。

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Zamia integrifolia
インテグリフォリアはずいぶんと葉が増えて、小葉の多い充実した葉が出ています。しかし、東京農業大学のバイオリウムで、分頭してコーンが沢山出ている充実した株を見ましたから、まだまだこれからですね。

バイオリウムのインテグリフォリアの記事は以下のリンクからどうぞ。



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葉は増えましたが、塊根はなかなか大きくなりません。そういえば、インテグリフォリアはZ. floridanaと呼ばれてきましたが、正しくはインテグリフォリアだったという話はたたびたびしています。しかし、なんと2016年にインテグリフォリアは5変種に分けられることになり、その1つがZ. integrifolia var. floridanaとなりました。つまりは、Z. floridanaはZ. integrifoliaの異名ではなく、Z. integrifolia var. floridanaの異名となったということです。詳細について調べていますからそのうち記事にします。お楽しみに

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Dioon edule
エドゥレは生長が遅いことで知られる蘇鉄です。入手してから3年目ですが、葉はかなり充実してきました。

エドゥレについては、過去に記事にしていますからそちらもどうぞ。入手時の初々しいエドゥレの画像もあります。


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Cycas cairnsiana
カイルンシアナはオーストラリア原産の青みがかる美しい蘇鉄です。まだ入手したばかりで植え替えもしていません。せっかく入手したので、そのうち詳しく調べてみます。

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Dioon spinulosum
スピヌロスムは割りと生長が早い蘇鉄です。とは言え、葉ばかり増えるのは他と同じ。非常に大型になる蘇鉄です。スピヌロスムの原産地を探検した100年以上前のレポートを記事にしたことがあります。以下のリンクからどうぞ。

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Cycas debaoensis
中国原産の希少蘇鉄であるデバオエンシスです。育つと3回羽状複葉となり、一見して蘇鉄には見えません。まあ、まだまだ小苗なので特徴ははっきりしませんが。デバオエンシスは詳しく調査されています。過去に記事にしていますからそちらもどうぞ。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。いよいよ終盤です。今回は私の好きな花キリンやアデニアがメインです。基本的にマダガスカルの雰囲気。

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Euphorbia beharensis var. guillemetii
E. guillemetiiとされたこともありましたが、現在ではE. beharensisの異名となっています。グイレメティイはベハレンシスよりトゲが短いようですが、それが種を分けるほどの特徴であるかは別問題です。マダガスカル原産。

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スマホが過熱してしまいカメラのシャッター速度が遅いので、ズレてしまいました。

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Euphorbia gottlebei
今回行ったバイオリウムの写真の中では、これがベストショットですかね。日の当たり具合もたまたまですが良くて、まるで海外の野生植物のグラビアのような写り具合です。名札の「Euphorbia gottelebei」は誤記。マダガスカル原産。


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Euphorbia fianarantsoae
これは見事なフィナラントゥソアエですね。我が家の個体はなぜかあまり綺麗に育ちません。マダガスカル原産。


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Adenia perrieri
巨大なペリエリ。ペリエリを検索するとよく壷形の植物がヒットしますが、実際にはこんな感じです。マダガスカル原産。


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緑の太鼓 Xerosicyos danguyi
緑の太鼓はつる植物ですが、枝は硬く直線的に伸びるため巻き付いたりせず、巻きひげもありません。乾燥地の塊根植物によくある地面に放射状につるを這わせるタイプと思っていました。しかし、これだけ木質化した幹が伸びるなら、葉を他の植物に引っ掛けて登攀するのかも知れません。マダガスカル原産のウリ科植物。


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Euphorbia stenoclada
「トナカイ角」と呼ばれるマダガスカルのユーフォルビア。一見して違う植物に見えますが…

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葉を見れば一目瞭然。実はマダガスカルのPencil-Stemのユーフォルビアで、Section Tirucalliに属しミルクブッシュに近縁です。
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松柏のような荒れた幹肌。

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Cyphostemma laza
ブドウ科の塊茎植物。巨大に育っています。やはりマダガスカル原産。


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Xerophyta dasylirioides
あまり聞き慣れない植物ですが、なんとタコノキ目の植物とのこと。マダガスカルの乾燥地に生えるようです。美しい花を咲かせる植物とのことで、いつか見てみたいものです。


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Adenia olaboensis
アデニアはつる植物が多いのですが、オラボエンシスは割りと樹木性が強いタイプです。我が家のオラボエンシスは、まだほとんど木質化していない小苗です。しかし、時期的に塊根植物は葉がないものが多く、見分けがつけにくいですね。マダガスカル原産。


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Aloe cyrtophylla
キルトフィラが赤くなっています。日を当てると赤くなるタイプのアロエは、寒さも相まってこの時期は一番美しい季節です。名札の「Aloe cytophylla」は誤記でしょう。マダガスカル原産。


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Adenia digitata
ディギタタはアフリカ大陸に広く分布するアデニアです。塊根を見た限りではつる性が高そうです。



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今年の1月に東京農業大学のバイオリウムという施設に行って参りました。沢山の植物が見られましたが、何気なくリプサリスが開花していました。リプサリスは小型の着生サボテンですが、その小さな花を見た時に花粉媒介者が気になりました。たぶん虫媒花、まあ蜜蜂だろうとは思いました。しかし、所詮は私の憶測などは意味がありませんから、調べてみることにしました。
というわけで、本日はリプサリスの花粉媒介者を調べたCristiane Martins & Leandro Freitasの2018年の論文、『Functional specialization and phenotypic generalization in the pollination system of an epiphytic cactus』をご紹介しましょう。その前に簡単に用語を解説しておきます。生態学にはジェネラリストとスペシャリストという概念があります。植物の受粉に関する場合なら、ジェネラリストは様々な花粉媒介者の訪問を受けて受粉する植物や、様々な種類の花を訪問する花粉媒介者を指します。スペシャリストは特定の花粉媒介者に対して特殊化した花を持つ植物や、特定の植物に特化した花粉媒介者がそれにあたります。


ジェネラリストはスペシャリストに向かうか?
受粉システムがスペシャリストに向かう傾向があるという見解がありますが、ジェネラリストが一般的であるという研究から異議を唱えられてきました。植物と花粉媒介者の相互作用は、植物と花粉媒介者の一対一の関係による絶対的スペシャリストという極端の場合から、特定の花粉媒介者に依存しない条件的ジェネラリストまで勾配があるという理解に至っております。

サボテンの受粉生物学と着生サボテン
サボテン科には約1500種が含まれ、その花序や受粉システムも多岐に渡ります。サボテンの受粉には、蜂や蝶、蛾、コウモリ、ハチドリなど、様々な動物と関係を結んでいます。サボテン科のほとんどは他家受粉であり、有性生殖のために花粉媒介者に依存しています。
「サボテン」と聞くと砂漠や半乾燥地帯の柱サボテンを思い浮かべますが、新熱帯の湿潤林では着生サボテンが重要な構成要素となっています。着生サボテンはサボテン科の約10%を占め、ヒロケレウス連(Hylocereeae)とリプサリス連(Rhipsalideae)に限定されています。着生サボテンの受粉生物学に関する知識は乏しく、逸話的な報告や、Weberocereus tunillaのコウモリによる受粉(Tschapka et.al. 1999)に限られています。

リプサリスについて
リプサリスは37種から構成され、86%がブラジルの固有種です。リプサリスには3つの亜属、Rhipsalis、Erytrorhipsalis、Calamorhipsalisからなります。Rhipsalis neves-armondiiはブラジルの太平洋岸森林に生息するCalamorhipsalis亜属の着生種で、花はリプサリスで最大ですが長さ2cm未満です。果実は紫色の液果で様々な鳥を引き寄せます。

R. neves-armondiiの調査
この研究は、2014年の3月と4月に、ブラジル南東部のSerra dos Orgaos国立公園(PARNASO)の大西洋岸森林の標高約1000mの残存地において実施されました。PARNASOはリプサリスの多様性がもっとも高く少なくとも18種類が確認されている大西洋岸森林の中にあります。気候は熱帯性中温帯で、夏は穏やかで、冬の乾季は短いものです。R. neves-armondiiの開花は雨季の終わりの3月と4月におこり、周囲で確認された10種類のリプサリスのうちこの時期に咲いたのはR. neves-armondiiだけでした。

Rhipsalis neves-armondiiの花(外部リンク、rhipsalis.com)
https://www.rhipsalis.com/species/neves-armondii.htm

花粉媒介者
R. neves-armondiiの花を訪れたのは主に蜂で、3科14種の蜂が確認されました。R. neves-armondiiの花にはアンドレニアエ科、ミツバチ科、ハナバチ科の蜂が訪花したため、ジェネラリストによる受粉システムが示唆されます。R. neves-armondiiの花の表現型は花粉や蜜に容易にアクセス出来るため、様々な花粉媒介者が収集可能であると考えた場合はジェネラリストとして分類されます。しかし、その訪問頻度はそれを裏付けているわけではありません。柱頭と葯に触れたのは3種類の在来性の小型ハチとセイヨウミツバチ(Apis millifera)のみで、その訪問頻度の高さから少数種類のハチに依存しており、生態的、機能的に特殊化を伴う受粉システムを示しています。花の資源にアクセスするための障壁がないことが、ジェネラリストとしての指標ではない可能性を示唆しています。

自家受粉
花にネットをかけて花粉媒介者から断絶したり、人工的に自家受粉させたりしましたが、R. neves-armondiiは自家不稔性で絶対的他家受粉でした。人工的な自家受粉による種子は、無視できるほど少ないものでした。ネットをかけた自発的な自家受粉では種子は出来ませんでした。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
自家受粉しないための仕組みとして、例えば雄蕊と雌蕊の高さが違う(雌雄離熟)、雄蕊より雌蕊の成熟時期が異なる(雌雄異熟)、雄花と雌花がある(雌雄異花)など様々な段階があります。しかし、R. neves-armondiiの花は雄蕊も雌花も短く、両性花であり、雌雄同熟です。非常に単純な形態の花ですから、形態学的な自家受粉の回避ではないようです。内部に何かしらの仕組みがあるのでしょう。

メインのジェネラリストとスペシャリストの話はわかりにくいのですが、この場合は絶対的ではないためどうしても相対的な説明になってしまうからでしょう。絶対的なスペシャリストでは、花の形状が特殊化し特定の花粉媒介者しか訪問出来ません。対するR. neves-armondiiの花はあまりにも一般的な形状です。サイズや日中に開花することから、蜂をターゲットにしていることは分かりやすい話です。ただし、一般的な形状であるからこそ、受粉に関与しない、あるいは非効率的な花粉媒介者も訪問することになります。論文を読む限りは、絶対的ではないもののスペシャリストの傾向はあるようですが、特殊化していないがゆえにスペシャリストであることがマスクされてしまっているのかも知れませんね。


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三連休はなんだかんだで忙しく、あちこち行きたかったのですがどうにも無理でした。仕方がないので、空いた時間に筑波実験植物園に90分ほど滞在するという弾丸ツアーを開催しました。まあ疲れたわけですが、そのうち記事にします。さて、本日も我が家の多肉植物たちをご紹介しましょう。

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Euphorbia geroldii
ゲロルディイが満開です。去年の暖かい時期にはこんなに咲きませんでしたが、なぜかこの寒い最中に咲いています。

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ゲロルディイの花は大きく形も良いですね。

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Fouquieria splendens
スプレンデンスは去年は暖かい時期にイマイチで、休眠がちでした。しかし、冬の間はフォウクィエリアで一番調子が良さそうです。

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Euphorbia moratii
葉が茂り過ぎて何だかよくわからないのは、周年そうです。以前は水やりが困難でしたが、今はプラステラ120に植え替えてので余裕です。

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Gonialoe sladeniana
スラデニアナは冬の間も新しい葉が出ています。肉厚で良い葉ですね。


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相変わらず今年の1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。本日はソーセージノキや海外の珍しい蘇鉄、花キリンなどを見ていきます。

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ソーセージノキ Kigelia pinnata
ソーセージノキは新宿御苑でも見ましたが、こちらの方が巨大です。重さ5〜10kgにもなる巨大なソーセージのような形の実をつけます。そういえば、新宿御苑のソーセージノキはK. africanaでしたが、こちらはK. pinnataです。調べてみると、Kigelia属はK. africanaの1種類からなる単型属で、亜種としてssp. africanaとssp. moosaがあるそうです。K. pinnataはssp. africanaの異名とのことです。

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白いコルク層が発達した太く立派な幹。まだ特徴的な果実を見たことがありませんが、このサイズなら流石に結実するでしょう。いつか見てみたいものです。

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オオバシダソテツ Stangeria eriopus
一見して大型のシダに見えますが、南アフリカ原産の蘇鉄の仲間。ラベルでは種小名が「eryopus」となっていましたが、これはただの誤記でしょう。学名は現在では話者がいないラテン語が中心だったりしますから、スペルミスは仕方がありません。私もよく間違っています。
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コーンが出ていました。日本で蘇鉄といえば、日本の蘇鉄を含むCycasや、最近流通しているZamiaやDioonが少しあるくらいです。スタンゲリアは非常に珍しいですね。

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こちらは別個体のS. eriopus。蘇鉄の中でも、小葉に中央脈と平行脈があるのはスタンゲリアだけの特徴です。
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こちらもコーンが出ていました。スタンゲリアはS. eriopusの1種類からなる単型属です。

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Sansevieria perrotii var. katana
一見してVandaかと思いましたが、なんとサンセヴィエリア(サンスベリア、サンセベリア)とのことです。一般的に流通しているサンセヴィエリアは地下茎や匍匐茎ですが、このように茎が立ち上がる種は東アフリカに多いそうです。
それはそうと、サンセヴィエリアは遺伝的にはドラカエナ(ドラセナ)に含まれることが明らかとされており、S. perrotiiも2018年にDracaena perrotiiとされているようです。

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Euphorbia cylindrifolia
キリンドゥリフォリアがえらい茂りようです。いったいどういう形なのかよくわかりません。

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こちらもキリンドゥリフォリアですが、塊根が見えますね。

250118115303559
Euphorbia cap-saintemariensis
カプサイシンテマリエンシスも枝が長く伸びています。こちらも塊根性の花キリンです。

250118115311889
Euphorbia francoisii(E. decaryi)
フランコイシイは異名で、デカリイが正しい名前です。名札にも()で表記がありました。


250118115322689
Euphorbia decaryi
こちらは旧・デカリイでしょうか? 要するにE. boiteaui。


250118115331803
Euphorbia decaryi var. spirosticha(E. spirosticha)
スピロスティカは茂り過ぎて何だかわからない状態です。


250118115340092
Euphorbia decaryi var. durispina
ドゥリスピナも葉しか見えませんね。ドゥリスピナは由来不明の植物として、E. decaryi var. durispinaの名前で園芸市場に流通していましたが、後に自生株と思われる個体が発見され2021年に論文になり新種として発表されました。私が当該論文を記事にした2023年当時はまだ正式に新種として記載されていませんでしたが、新たに確認したところ「Euphorbia durispina Haev. & Hett., 2021」として記載されました。つまりは、「The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025」が更新されていたわけです。何が変わったのか確かめるのが楽しみですね。


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もう、2月も後半で日も長くなってきましたが、寒波が来ているそうで今が寒さの底かも知れません。3月になれば三寒四温で徐々に暖かくなりますから、多肉植物たちももう少しの辛抱です。では、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

250220051035287
Haworthia beanii IB 284
ベアニイはH. viscosa v. viscosaの異名となっていますが、非常に大型です。一般的に連想するヴィスコサとはあまりにもかけ離れた姿に驚きます。

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Euphorbia silenifolia
一応、難物とされているらしいシレニフォリアです。入手よりすでに5年経ちますが、外見的な変化が乏しいですね。根があまり強くない気がしますが、上手く管理していれば一年中葉を出します。


250220051210013
Euphorbia begardii
E. purimulifolia var. begardiiとして購入しましたが、2021年に独立種となりました。ベガルディイはほとんど葉がありませんが、秋の終わり頃に早々と落葉したE. purimulifoliaと比べると保った方です。


250220051302564
Haworthia chloracantha var. denticulifera
クロラカンタ変種デンティクリフェラは非常に元気です。クロラカンタ系は、軟葉系ハウォルチアの中では硬葉系ハウォルチアや小型アロエに似た風格があります。あまり見かけませんが集めたくなりますね。


250220051421303
Haworthia chloracantha var. subglauca RIB 0099
こちらもクロラカンタ系の変種スブグラウカ。フィールドナンバーつきで、特有のワイルドさが非常に良いですね。


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本日も1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。写真を撮りまくったせいでスマホが加熱してしまい、シャッター速度が落ちてブレるはズレるは、終いには強制シャットダウンする始末です。シャッター速度が遅いので、何も写っていない写真が沢山ありました。せっかく行ったのにもったいない話です。本日は一番奥の蘇鉄の鉢植えを中心に見ていきましょう。

250118114319858
Haworthiopsis reinwardtiiでしょうか。ワイルドな仕上がりです。

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Haworthia tortuosa
トルトゥオサは実は由来のよくわからない植物で、H. viscosa系の交配種が疑われていますが、それも確かな話ではありません。明らかに硬葉系ハウォルチアの交配種ということで、現在の学名はHaworthiopsis × tortuosaとなっているようです。


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Poellnitzia rubriflora
ポエルニトゥズィア(ポエルニッチア)は、特殊化したアストロロバです。結節がなく白い粉を吹き、花は赤く鳥媒花と、ことごとくアストロロバらしさがありませんが、遺伝的には明らかなアストロロバです。特徴の違いからポエルニトゥズィアとされてきましたが、現在はAstroloba rubrifloraとなっています。


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Haworthiopsis viscosa
3方向に揃った典型的なヴィスコサです。しかし、よく育っていますね。


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Gasteria excelsa
シャッター速度が落ちているせいで、撮影位置がズレてしまいました。ガステリアは思いのほか大型になるものもあります。エクケルサも大型種ですね。しかし、ガステリアは生長が遅く、見られるようになるまでにかなりの時間がかかります。我が家のエクケルサはプレステラ90のサイズで、まだ2列性のままです。

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亀甲竜(Dioscorea elephantpes)もなかなか立派。丸みがあり膨らんだ形が、少し珍しいですね。

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リクガメがいたので、亀甲竜の下に写真を置いておきます。

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Macrozamia miquelii
ラベルには「ホソバオニザミア」とありました。オーストラリア原産の蘇鉄。細長い小葉と暗い葉色が美しいですね。


250118114544514
Zamia floridana
ザミアの中では普及種のフロリダナです。小型種ですが、分頭して立派な株ですね。ちなみに、フロリダナの名前で流通していますが、現在はZ. integrifoliaが正しい学名です。そこら辺はかなり込み入った事情がありますから、以下の過去記事をご参照下さい。




250118114549411
コーンが出ています。

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Ceratozamia hildae
笹のようなメキシコ原産の蘇鉄。「bamboo cycad」という名前は正に見た目通り。ラベルには「pollination 99」、「planted 00」とありましたから、1999年に受粉して2000年に出来た種子を播種したということでしょうか。つまりは今年で25歳の個体です。違法採取により自生地では減少しているかなりの希少種のようですから、実生で繁殖する努力は重要なことです。

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塊茎はこんな感じ。
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笹の葉のような葉。

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Dioon merolaeでしょうか? ラベルがほぼ消えかけていて少しあやふやです。ディオーンはメキシコ原産の蘇鉄です。

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Cycas apoa
ラベルには「ニューギニアソテツ」とありましたが、ニューギニア島の固有種です。

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幹はなかなか立派です。

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葉はすらりとしていて涼し気ですね。

バイオリウムももう終盤です。後はキツネザルの飼育スペースの前だけです。しかし、残念なことにキツネザルの飼育スペースは清掃中で、キツネザルはあまり見れませんでした。ということで続きます。


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植物は程度の差はあれど、そのほとんどが有毒です。なぜならば、植物は動けないため、昆虫やカビなどの外敵と戦うために有毒な化学物質を作るからです。そのため、野生の植物は苦味や渋味が強いことが一般的です。一部の植物は幻覚作用を持ち、大麻やケシ、コカノキなどが知られています。そして、それらの植物は宗教的儀式などで古代から使用されてきました。この幻覚作用をもたらす物質もまた、害虫に対するものであるとされるものがあります。
さて、前置きが長くなりましたが、本日は幻覚作用で有名なペヨーテ(Lophophnra williamsii)、日本では烏羽玉の名前で知られるサボテンの話題です。参照とするのは、S. Sreeremyaの2019年の論文、『Spineless Cactus as Hallucinogen』です。難解さがまったくない割りと気軽な内容ですから、さらっと読んでましょう。

ペヨーテとは?
Lophophora williamsiiは「peyote」あるいは「peyotl」として知られるサボテンの1種で、メキシコ中部から米国のテキサス北部の砂漠に自生します。伝統的な利用は古く、5700年以上に渡りインフルエンザや関節痛、歯痛、腸疾患、糖尿病、蛇やサソリの毒、皮膚病、失明、神経衰弱、ヒステリー、喘息の治療に広く利用されてきました。ペヨーテはメスカリンの幻覚作用により、ネイティブ・アメリカン教会の儀式でも使用されています。

※ネイティブ・アメリカン教会(アメリカ先住民教会)とペヨーテの関係については以下の過去記事をご参照下さい。

その利用
ペヨーテは米国では宗教的目的以外では禁止されていますが、英国では生体、あるいは乾燥した植物が合法的に販売されています。主に生、あるいは乾燥した植物をカプセルやお茶として摂取されます。ペヨーテの摂取でほとんどの使用者が経験するのは、幻覚、意識と知覚の変化、「呼吸圧」や筋肉の緊張などの身体的反応、苦味による吐き気や嘔吐です。
使用方法を詳しく見てみましょう。根から切り離された「ボタン」(peyote button)を乾燥させます。ボタンは噛むか、水に浸して液体を摂取することもできます。ボタンは粉末に挽いて、大麻やタバコなどの葉と一緒に吸うこともあります。
成分のメスカリンは、粉末や錠剤、カプセル、あるいは液体として経口摂取されます。使用者は300〜600mg(ボタン3〜6個分)を摂取します。効果は投与後、1〜3時間以内に現れ、10〜12時間で徐々に消えていきます。
メスカリンはサイズ、環境、来期感、性格、薬物使用歴により、使用者間で異なる知覚、認知、感情を生み出します。メスカリンの唯一の長期的効果は、妄想性統合失調症に類似した長期精神病状態です。

身体的影響
①しびれ、緊張、不安、反射神経の急速化、筋肉の痙攣と脱力、運動協調障害、めまい、震え、瞳孔の拡大。
②血圧と心拍数の上昇。
③激しい吐き気と暴力。
④食欲不振。
⑤体温の上昇と発汗。
⑥悪寒と発汗。

心理的影響
①鮮明な心象とぼやけた歪んた視界。
②共感覚。音楽を見たり、色を聞いたりする。
③空間と時間の知覚の変化。
④喜び、高揚感、パニック、極度の不安、恐怖。
⑤身体感覚の歪み。体が重く感じたり、無重力感がある。
⑥感覚の強調。より明るい色彩、より鮮明な視覚、増強された聴覚、際立つ味覚。
⑦集中や注意力の維持。集中や思考の困難。
⑧現実感の喪失、過去の経験と現在の融合。
⑨些細な考えや経験、物への執着。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
過去の情報をまとめた非常に読みやすい論文でした。ペヨーテを摂取した時の詳しい状態が述べられています。ペヨーテの使用による副作用や後遺症についてはよくわかっていません。これは副作用や後遺症が少ないからではなく、一般的に流通しているドラッグより流通量や患者数が少なく、研究されることも稀だからでしょう。大抵の向精神薬は何らかの副作用や後遺症がありますから、ペヨーテもまた何かしらの副作用や後遺症があるはずです。ネイティブ・アメリカン教会もペヨーテを使用していますが、使い方も慣れているでしょうし、麻薬中毒患者のように常習していない儀式的な使用だからそれほどの問題は起きないのかも知れません。使い方を誤れば怖いのは、ペヨーテもその他のドラッグと同じです。以下の過去記事では、ペヨーテにより急性中毒により救急搬送された例を取り上げています。



日本ではペヨーテの成分であるメスカリンは違法ですが、植物自体は違法ではありません。園芸目的で一般的に栽培されています。いくら栽培されているとは言え、大量生産されているわくではありませんから、継続的な摂取は非常に困難でしょう。まあ、日本で危険をおかしてまでペヨーテを摂取しようとする人はいないでしょう。


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2月もいつの間にやら、半ばを過ぎてしまいました。相変わらず忙しく、記事を書く時間がなかなかとれません。気になるイベントもないので、本来はあちこち行きたいところですが難しいですね。ということで、本日も我が家の多肉植物を少しご紹介しましょう。

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Euphorbia neorubella
ネオルベラが開花しました。Monadenium rubellum名義で流通しているユーフォルビアです。モナデニウム属がユーフォルビア属に吸収されたため、現在モナデニウムはすべてユーフォルビアとなりました。しかし、旧・モナデニウムはSection Monadeniumとしてまとまりのあるグループとされています。

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小さいのですが紅色でかわいらしい花です。

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Pachypodium brevicaule
いわゆる「恵比寿笑い」と呼ばれるパキポディウムです。かなり育ちましたが、何より塊茎の厚みが増しました。
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これは花芽でしょうかね? まだわかりません。

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Haworthiopsis koelmaniorum
コエルマニオルムが開花しています。

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緑色が強い花です。

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Adenia karamanthus
カラマントゥスはアデニアの中でも特に元気です。冬の間にずいぶんと葉が増えました。


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Aloe pseudoparvula
プセウドパルブラは去年の6月のBBで入手しましたが、冬まで短い期間に大変充実しました。非常に美しいアロエです。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った時の記事です。ようやく折り返し地点まで来ましたが、なんと温室に入ってから2時間近く経過しています。見るべきものが多すぎて、なかなか進めません。

250118113827938
右手にホリダと言うか、Euphorbia polygona系の鉢植えなどユーフォルビアが並んでいました。ここが突き当たりで、右に曲がります。

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Euphorbia grandidens
ダイシキリン(大歯麒麟)と呼ばれる南アフリカ・モザンビーク原産のユーフォルビア。高さ10mほどの樹木状になります。新宿御苑でも見ましたが、「スミダノユキ」とありました。まあ、和名というより園芸名みたいなものなのでしょう。


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Euphorbia ingens
チュウテンカク(沖天閣)と呼ばれる大型のユーフォルビア。アフリカ中央部〜南部に広く分布します。今まで見たチュウテンカクの中では最大クラスです。


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面白い花が開花していました。おそらくVeltheimiaという球根植物。少しアロエの花に似ていますね。

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Aloe ramosissima
2013年にアロエ属から分離しアロイデンドロン属となりました。現在の学名は、Aloidendron ramosissimumです。アロイデンドロンは樹木状に育つ巨大なアロイ類です。ラモシシムムは低い位置から分岐が始まるアロイデンドロンども珍しいタイプです。そういえば、近年少し苗が流通し始めているようです。今まで見た中では、筑波実験植物園の個体がなかなか見応えのあるサイズでした。


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Aloe graminicola
エチオピア、ケニア原産のアロエ。現在はA. lateritia v. graminicolaとされているようです。しかし、A. lateritiaを検索すると斑が縞状に入るアロエが出てきますが、A. lateritia v. graminicolaだと検索結果が不安定でよくわかりません。

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Aloe striata
慈光錦とも呼ばれる南アフリカ原産のアロエ。そういえば、ミニ多肉植物として苗が一時期流通していたことがありましたね。


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Haworthia truncata
いわゆる玉扇と呼ばれる有名なハウォルチア。石がゴロゴロしているような場所では、隠蔽効果があります。窓のあるハウォルチアは、窓だけ地上に露出させて、葉のほとんどが地中に埋まります。


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Haworthia maughanii
万象も同じ雰囲気の展示。現在は、H. truncata v. 
maughaniiとされているようです。よって、玉扇はH. truncata v. truncataを指します。

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Haworthia picta
派手なピクタも白い石の中では目立ちませんね。そういえば、ピクタはH. emelyae v. emelyaeの異名扱いになっていますね。

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十二の巻 Haworthia attenuata
十二の巻をアテヌアタとしているのは珍しいことですが、正しい理解だと思います。伝統的に十二の巻=ファスキアタとされてしまっており、筑波実験植物園や新宿御苑でも十二の巻をファスキアタとしていました。ただし、十二の巻はアテヌアタにしては葉に丸みが強く、整った草姿はアテヌアタらしくはありません。結局、十二の巻は由来不明の交配種なのでしょう。


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Haworthia attenuata
こちらはアテヌアタらしいアテヌアタ。


250118114256417
Aloe humilis
一般的に流通しているフミリスは結節が過剰ですが、おそらく選抜品種なのでしょう。しかし、このフミリスはあまりにも結節が少なく、フミリスらしくはありません。



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寒い最中で雪が降るだとか寒波がくると言われていますが、室内の多肉植物の一部は早くも春を感じているようです。本日はそんな我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

250211233947292
Pachypodium densiflorum
デンシフロルムの花茎が伸びてきました。今年は例年より早く感じます。


250211234129786
H. tessellata IB 6776
テセラタも花茎を伸ばし始めました。テセラタより早くコエルマニオルムはすでに咲きそうなのですが、咲いたらまた記事にします。


250211234230214
Euphorbia micracantha
怒竜頭と呼ばれる塊根性ユーフォルビアも、枝をグングン伸ばしています。ミクラカンタは2022年に飛竜(E. stellata)の亜種である、E. stellata subsp. micracanthaとされています。飛竜とは枝が扁平か角柱かという違いがあります。

250211234746293
Euphorbia phillipsioides
フィリプシオイデスが開花しています。フィリプシオイデスは咲き始めたらかなり長い期間咲き続けます。


250212000007742
Euphorbia geroldii
トゲなし花キリンのゲロルディイも開花し始めました。日照不足か花色は優れませんが、ゲロルディイの花は大きく美しいので嬉しく感じます。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。バイオリウムの植物は半分以上が多肉植物ですが、すでに多肉植物ゾーンに入っています。本日はディディエレア科やアロエ、ユーフォルビアなどマダガスカルの固有種が集められている場所でした。

250118112831091
Euphorbia leucodendron
レウコデンドロンはE. alluaudiiと同種とされます。マダガスカルのPencil-StemのユーフォルビアはSection Tirucalliが多いのですが、E. alluaudiiはSection Deuterocalliです。E. hedyotoidesを含むSection Denisophorbiaや花キリンの仲間であるSection Goniostemaの姉妹群です。

250118113037563
Alluaudia humbertii
アルアウディアはマダガスカルの乾燥地帯に生えるトゲだらけの灌木です。フンベルティイは初めて見ました。枝が繊細ですね。


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Didierea trollii
アルアウディアと同じディディエレア科のディディエレアです。トロリイは太い枝が特徴的ですね。筑波実験植物園でも見ました。

250118113122912
Euphorbia xylophylloides
いわゆるヘラサンゴと呼ばれる奇妙なユーフォルビア。こちらはSection Tirucalliです。


250118113341489
Aloe vaombe
マダガスカル原産の巨大アロエ。高さ5mほどになるそうです。


250118113444324
Aloe deltoideodonta var. ruffingiana
変種ルフィンギアナは、現在は亜種esomonyensisとされているようです。


250118113722087
Alluaudia comosa
コモサはなかなか良い太さです。

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トゲはかなり強いですね。

250118113756737
Dracaena draco
いわゆるリュウケツジュ。まだまだ幼樹です。マカロネシアに生える威容は温室では再現は難しいようです。なかなか枝分かれしないようで、筑波実験植物園のリュウケツジュは巨大でしたが、まったく迫力はありませんでしたね。


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Encephalartos trispinulosus
ミツトゲオニソテツと呼ばれるエンケファラルトス。青白い葉が美しい蘇鉄です。
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幹は丸くてかわいらしいですね。

バイオリウムの温室の通路の突き当たりまで来ました。あとは、一番奥とベンチのあるキツネザルの飼育スペースの正面が残るのみです。


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サボテンの中でも小型で着生するリプサリスは特殊な存在です。サボテンは基本的に南北アメリカ大陸の原産ですが、リプサリスはそれすら逸脱していますから、サボテンの進化や生態を考える上でも面白い存在です。
さて、今年の1月に東京農業大学のバイオリウムに行った際、リプサリスやハティオラが吊り鉢で吊るされていました。しかし、皆よく似ており、一見しただけでその分類が厄介なことは容易に察せられます。さらに言うならば、リプサリスの進化や近縁属との関係が気になります。ということで、リプサリスについて少し調べて見ました。本日はその分類について見ていきましょう。参照とするのは、Alice Calventeらの2011年の論文、『Molecular phylogeny of tribe Rhipsalideae (Cactaceae) and taxonomic implications for Schlumbergera and Hatiora』です。リプサリスとその近縁属を遺伝子解析による分子系統を示しています。

250118111220652
Rhipsalis

リプサリスの旧分類
サボテン亜科内の分類は長年にわたり大幅な変更がなされており、リプサリス連(Rhipsalideae)にも影響を及ぼしています。リプサリス連とヒロケレウス連(Hylocereeae)には絶対着生サボテンが含まれるため、密接に関係していると考えられてきました。そのため、リプサリス連だったいくつかの属がヒロケレウス連の属に統合されたため、属レベルの分類に不確実性が生じてしまいました。いくつかの属はその分類をめぐり議論となっています。ここで、過去の代表的なリプサリスの分類を見ていきます。

①Britton and Rose(1923)
すべての着生サボテンを、玉サボテンや柱サボテンとともにケレウス族(Cereeae)としました。リプサリス亜族(Rhipsalidanae)にはErythrorhipsalis、Rhipsalidopsis、Pfeiffera、Acanthorhipsalis、Pseudorhipsalis、Lepismium、Hatiora、Rhipsalisが含まれ、エピフィルム亜族(Epiphyllanae)にはZygocactus、Epighyllanthus、Schlumbergera、Epiphyllum、Disocactus、Chiapasia、Eccremocactus、Nopalxochia、Wittiaが含まれます。

②Buxbaum(1970)
リプサリスの仲間を、NyctocerinaeやHylocereina、Epiphyllinae、Disocactinaeと共にヒロケレウス族(Hylocereeae)に配置しました。リプサリス亜族をPfeifferae(Pfeiffera、Acanthorhipsalis)、Schlumbergerae(Erythrorhipsalis、Hatiora、Rhipsalidopsis、Schlumbergera、Zygocactus)、Rhipsales(Rhipsalis、Lepismium)に分割しました。

③Barthlott and Taylor(1995)
Rhipsalis属(Rhipsalis亜属、Erythrorhipsalis亜属、Calamorhipsalis亜属、Epallagogonium亜属、Phyllarthrorhipsalis亜属)、Hatiora属(Hatiora亜属、Rhipsalidopsis亜属)、Schlumbergera属、Lepismium属(Lepismium亜属、Pfeiffera亜属、Ophiorhipsalis亜属、Acanthorhipsalis亜属、Lymanbensonia亜属、Houlletia亜属)からなります。


④Doweld(2001)
Rhipsalidanaeを2つの亜族で分けます。

RhipsalidinaeはNothorhipsalis(=Houlletia)、Lepismium、Erythrorhipsalis、Rhipsalis(Calamorhipsalis亜属、Phyllarthrorhipsalis亜属、Cereorhipsalis亜属、Rhipsalis亜属)、Hatioraからなります。
RhipsalidopsidinaeはEpiphyllanthus、Rhipsalidopsis、Epiphyllopsis、Rhipsaphyllopsisからかなります。
さらに、Barthlott and Taylor(1995)によりRhipsalideaeに分類されていたいくつかの仲間をHylocereeaeに移動し、3亜属に分けました。それは、Pfeifferinae(Pfeiffra、Acanthorhipsalis、Lymanbensonia)、Schlumbergerinae(Schlumbergera、Schlumbergopsis、Pseudozygocactus、Schlumbergeranthus、Schlumberphyllum、Schlumsocactus)、Hylorhipsalidinae(Ophiorhipsalis、Hylorhipsalis)です。

⑤Huntら(2006)
Barthlott and Taylor(1995)と同じ分類を採用しましたが、Lepismium亜属のPfeiffraやAcanthorhipsalis、Lymanbensonia、さらにはHoulletiaの一部をRhipsalideaeから除外しました。

⑥Nyffeler(2002)
サボテン科全体の分子系統(Nyffeler, 2002)では、RhipsalideaeとHylocereeaeは分けられることが示唆されました。この枠組みは。Hylocereeaeの近縁種として出現したPfeiffra(Acanthorhipsalisを含む)を除き、Barthlott and Taylor(1995)によるRhipsalideaeの構成を裏付けています。

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Hatiora

分子系統による分類
分子系統による分類では、Rhipsalideaeの単系統性が裏付けられました。また、これらの属分類はHuntら(2006)の分類と概ね一致しています。違いは側系統が示唆されていたHatioraとSchlumbergeraです。かつてRhipsalidopsisに含まれていたHatiora①はSchlumbergeraに移され(※1)、HatioraはHatiora②の3種類に縮小されます。
 
━━Calymmanthium substerile

┣━━━Pfeiffra

┃  ┏Hatiora①
┃    ┏┫
┃ 
┃┗Schlumbergera
┫    
   
┃    ┣━Hatiora②

┃┏┫
┃┗━Lepismium
┗┫
 ┗━━Rhipsalis

※1 ) ハティオラ①(H. rosea、H. gaertneri)は現在ではRhipsalidopsisに相当します。スクラムベルゲラにはHatiora epiphylloidesが含まれますが、現在ではSchlumbergera luteaとされています。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
リプサリスやハティオラ、スクラムベルゲラ(シュルンベルゲラ)、レピスミウムの遺伝子解析を分子系統しました。この論文以前は外見的特徴による分類であり、分子系統もサボテン科全体の分類を明らかとするためのものでした。各属の関係性が明らかとなっただけではなく、リプサリスの属内分類も明らかとしています。
リプサリスは主に5群からなるようです。分子系統の根元にある起源的な「floccosa group」は、R. dissimilis、R. floccosa、R. trigonaからなります。次に分岐したのはCalamorhipsalis亜属で、R. puniceodiscus、R. neves-armondiiからなります。次に3つの群に分岐しています。1つはR. paradoxa、2つ目はErythrorhipsalis亜属でR. cereuscula、R. pulchra、R. pilocarpa、R. clavataからなります。3つ目は「Core Rhipsalis」でR. lindbergiana、R. olivifera、R. crispata、R. micrantha、R. elliptica、R. russellii、R. cereoides、R. pachyptera、R. teres、R.

baccifera、R. mesembryanthemoidesからなります。とはいえ、全種類を解析したわけではないでしょう。属内分類はまだすべてが明らかになったとは言えないかも知れませんね。


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一部の多肉植物は外に出しっぱなしです。しばらく水を切っていましたが、2ヶ月ぶりくらいに水をやりました。というわけで、屋外の多肉植物の様子を見てみます。

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オブツーサも水を切っているため、痩せて透明感がありませんね。しかし、非常に丈夫なため、霜が降りた程度ではびくともしません。

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ソテツキリンの葉は紅葉していますが、まだ枯れていません。ソテツキリンは耐寒性が強いので、氷点下でも平気です。

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Euphorbia antisyphilitica
いわゆるキャンデリラソウと呼ばれる、北米の乾燥地に生えるユーフォルビアです。USDAゾーンを確認するとマイナス9度まで耐えられるようですから、今年は屋外での越冬を試してみました。現状、割りと平気そうです。


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Haworthia cooperi
少し混みすぎている感じはありますが、こちらも元気。

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株分けした個体は根詰まりしていないせいか、非常に元気。
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なんと開花中でした。

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ハウォルチアやガステリアは屋外で放置していますが、見たところダメージはなさそうです。春まであと一歩、頑張って欲しいですね。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。入り口から左側の通路を進んでいますが、通路の右側、つまり温室の中央部を見ていきましょう。手前にはアロエ、奥にはディディエレア科植物が沢山ありました。

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Aloe capitata var. quartziticola
マダガスカル原産のアロエ。まあまあのサイズ。花茎の跡がありますね。


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Erythrophysa aesculina
マダガスカル原産の乾燥地の灌木。

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幹肌はなかなか良い荒れ性。別にコーデックスという風ではありませんが、なぜかそんな扱いをされているような気がします。
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ムクロジ科植物ですが、遺伝子解析によりカエデ科やトチノキ科もムクロジ科に含まれることになりました。旧・ムクロジ科、要するにムクロジ亜科はリュウガンやレイシ、ランブータンなどを含む巨大なグループです。

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なかなか良いサイズのAlluaudiaですが、名前がわかりません。
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枝が繊細なのでA. proceraではないでしょう。A. humbertiiでしょうかね?

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トゥアールソテツ Cycas thouarsii
ケニア、タンザニア、モザンビーク、マダガスカル原産の大型の蘇鉄。分布がマダガスカルとアフリカ大陸の海を挟んだ両側というのは、種子が海流散布されているのでしょうか。海岸沿いにも生えて種子は水に浮くそうですがどうでしょうかね?

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根元から脇芽が出ていました。

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Lomatophyllum sp.
あまりロマトフィルム感が薄いのですが、ロマトフィルムとのこと。株立ちしているからでしょうか。ロマトフィルムは通常のアロエとは異なり、果実はジューシーな果肉を持ちます。しかし、近年の遺伝子解析によりロマトフィルムとされてきた種同士は必ずしも近縁ではないことが明らかとなりました。そのため、ロマトフィルム属はアロエ属に吸収されてしまいました。では、なぜロマトフィルムが漿果を持つのでしょうか。ロマトフィルムの分布するマダガスカル周辺の小島の環境に適応した収斂進化なのかも知れませんね。


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Aloe rauhii
マダガスカル原産の小型アロエ。美しい斑が入ります。ラウヒイはワシントン条約(CITES)の付属書Iに記載されている、国際的な取り引きが規制されている植物です。検索して出てくる画像はかなりバリエーションがあり、変異幅が大きいのか雑種が混じっているのかはわかりません。

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特徴的な幹を持つ灌木。ボトルツリーでしょうか?
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葉はあまりボトルツリーらしくありませんが、どうでしょうね?

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Aloe helenae
マダガスカル原産の高さ4mになる大型アロエ。長い葉が特徴と言いますが、それほどでもありませんね。



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