ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。入り口から左側の通路を進んでいますが、通路の右側、つまり温室の中央部を見ていきましょう。手前にはアロエ、奥にはディディエレア科植物が沢山ありました。

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Aloe capitata var. quartziticola
マダガスカル原産のアロエ。まあまあのサイズ。花茎の跡がありますね。


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Erythrophysa aesculina
マダガスカル原産の乾燥地の灌木。

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幹肌はなかなか良い荒れ性。別にコーデックスという風ではありませんが、なぜかそんな扱いをされているような気がします。
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ムクロジ科植物ですが、遺伝子解析によりカエデ科やトチノキ科もムクロジ科に含まれることになりました。旧・ムクロジ科、要するにムクロジ亜科はリュウガンやレイシ、ランブータンなどを含む巨大なグループです。

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なかなか良いサイズのAlluaudiaですが、名前がわかりません。
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枝が繊細なのでA. proceraではないでしょう。A. humbertiiでしょうかね?

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トゥアールソテツ Cycas thouarsii
ケニア、タンザニア、モザンビーク、マダガスカル原産の大型の蘇鉄。分布がマダガスカルとアフリカ大陸の海を挟んだ両側というのは、種子が海流散布されているのでしょうか。海岸沿いにも生えて種子は水に浮くそうですがどうでしょうかね?

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根元から脇芽が出ていました。

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Lomatophyllum sp.
あまりロマトフィルム感が薄いのですが、ロマトフィルムとのこと。株立ちしているからでしょうか。ロマトフィルムは通常のアロエとは異なり、果実はジューシーな果肉を持ちます。しかし、近年の遺伝子解析によりロマトフィルムとされてきた種同士は必ずしも近縁ではないことが明らかとなりました。そのため、ロマトフィルム属はアロエ属に吸収されてしまいました。では、なぜロマトフィルムが漿果を持つのでしょうか。ロマトフィルムの分布するマダガスカル周辺の小島の環境に適応した収斂進化なのかも知れませんね。


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Aloe rauhii
マダガスカル原産の小型アロエ。美しい斑が入ります。ラウヒイはワシントン条約(CITES)の付属書Iに記載されている、国際的な取り引きが規制されている植物です。検索して出てくる画像はかなりバリエーションがあり、変異幅が大きいのか雑種が混じっているのかはわかりません。

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特徴的な幹を持つ灌木。ボトルツリーでしょうか?
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葉はあまりボトルツリーらしくありませんが、どうでしょうね?

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Aloe helenae
マダガスカル原産の高さ4mになる大型アロエ。長い葉が特徴と言いますが、それほどでもありませんね。



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いよいよ寒くなってきましたが、関東でも雪が降るとか降らないとか怪し気な感じではあります。2月は忙しく身動きが取れなさそうです。それはそうと、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia bongolavensis
ボンゴラベンシスはほぼ葉が落ちました。寒さに敏感なようです。あまり大きくせず、枝が密に混んだコンパクトな樹形にしたいのですが、上手くいくでしょうか?

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Euphorbia debilispina
去年のデビリスピナはなかなか良い生長具合でした。根上がり風に仕立てていますが、特に問題はないようです。

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Gymnocalycium pseudoquehlianum
プセウドクエフリアヌムはやや日焼け気味です。しかし、プセウドクエフリアヌムは由来不明のサボテンで、原産地なども不明です。正式に記載されておらず、おそらく園芸名のようなものでしょう。つまりは、nom. nud.です。G. artigasに似ているような気もします。

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Pachypodium windsorii
ウィンドゥソリイは乾かし気味なせいか葉がすべて落ちました。パキポディウムの実生は個体差が割りとあるため、様々な形の苗が出現します。この個体は下部から枝が出るタイプのようです。


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Astroloba foliolosa
小型タイプのフォリオロサです。アストロロバはアロエに近縁な面白い植物ですが、まったく人気がなく販売されることも稀です。最近はBBでも見かけませんね。


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1月に東京農業大学のバイオリウムに行って来ましたが、本日もバイオリウムの温室を記事にします。入って左の壁際にサボテンが地植えされていました。

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Dasylirion longissima
ダシリリオンはなぜか植物園では見かけませんが、バイオリウムのダシリリオンは良いサイズですね。ちなみに、「longissima」という種小名は誤りで、正確には「longissimum」ですね。しかし、このロンギシムムという名前はいわく付きで、本当にロンギシムムかどうかは確認しなければなりません。
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D. longissimumは葉の根元には鋸歯があり、全体的に葉縁に弱い鋸歯があります。根元はよく見えませんが、鋸歯は見受けられません。おそらくは、この植物はDasylirion quadrangratumであると考えられます。実はこの2種は標本がなかったことから混同されてきた歴史があり、海外でもD. quadrangratumはD. longissimumの名前で流通しています。そのため、海外からD. longissimumの種子や苗を取り寄せると、基本的にD. quadrangratumが届くことになります。

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キリンウチワ Pereskiopsis velutina
一見してサボテンに見えませんが、サボテンの仲間です。とはいえ、コノハサボテンではなく、なんとウチワサボテンの仲間です。ちなみに、名札に誤りがあり、「Peireskiopsis」となっていましたが、ただの誤記でしょう。さて、P. velutinaはP. diguetiiと同種とされ、現在はP. diguetiiが正しい学名です。

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Calibanus hookeri
非常に丈夫で日本でも屋外で放置されても平気です。ちなみに、カリバヌス属はベアウカルネア属に吸収されて今は存在しません。ということで、現在はBeaucarnea hookeriとなっています。過去にそのあたりを記事にしていますから、以下のリンクをご参照下さい。


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塊茎はひび割れています。生長は非常に遅いと聞きます。

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晃山 Leuchtenbeigia principis
晃山は1属1種の珍種です。サボテンらしからぬ形状から、「Agave cactus」なる呼び名もあるそうです。最近は割りと流通してきたようで、大型園芸店でもたまに見かけるようになりました。しかし、この晃山はトゲが暴れていて、実にワイルドですね。


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金鯱 Kroenleinia grusonii
大型温室ではお馴染みの金鯱です。なかなか良いサイズでした。金鯱は長らくEchinocactusでしたが、2014年に新属であるKroenleiniaとして独立しました。しかし、遺伝子解析による分子系統では、金鯱はFerocactusであることが確認されています。今後、名前が変更される可能性があります。

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すでに開花年齢のようです。
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生長点が潰れたのか、激しく分頭しています。

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ホホバ Simmondisia chinensis
ホホバは化粧品などに利用されるメキシコの乾燥地の灌木です。筑波実験植物園でも見ましたね。

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ホホバの葉。

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サボテンの骨格。柱サボテンは枯れてもこのような材が残るため、現地では建築にも使われていました。

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Euphorbia milii
ハナキリンが咲いていました。まあ、ミリイ系は一年中咲いていますけどね。


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Euphorbia milii var. longifolia
ミリイの変種です。「longifolia」、つまりは「長い葉」ですから、葉の形が違います。また、全体的に細長く育つ感じがします。ちなみに、変種ロンギフォリアは2020年にEuphorbia betrokanaとして独立種となりました。ミリイ系ハナキリンは皆よく似ているため、まとめられる傾向がありましたが、近年では徐々に再分類されているようです。

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変種ロンギフォリア=ヴェトロカナの花。

いよいよ多肉植物が増えてきました。なんとここからは、基本的にすべて多肉植物です。これはたまりませんね。というわけで続きます。


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高度に多肉質となる多肉植物と言えばサボテンやユーフォルビアが代表的ですが、現在はキョウチクトウ科に含まれることとなった旧・ガガイモ科植物もサボテン様の外見となるものがあります。現状、私はコレクションという意味合いではあまり興味がないのですが、その存在自体は気になります。というわけで、本日は旧・ガガイモ科の中からスタペリアを取り上げましょう。参照とするのは、Colin C. Walkerの2020年の記事、『Stapelia engleriana the "iceberg" species from southern Africa』です。著者が育てているStapelia englerianaについて解説しています。

Stapeliaについて
スタペリア属はアフリカに28種類があります。アンゴラ南部、ザンビア南部、モザンビークにも分布しますが、特にナミビアと南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエは多様性が高くなっています。広く分布する種もありますが、ほとんどは非常に限られた地域に自生します。
スタペリアの特徴は、多肉質な4稜の茎を持ち、普通は直立し、細かい毛が生えていますが稀に毛がないものもあります。スタペリアの花は直径2cmのS. similisから、巨大なS. giganteaまであります。S. giganteaの中には最大40cmに達する巨大な花を咲かせるものもあり、すべての顕花植物の中でも大きな部類です。

Stapelia englerianaの履歴
Stapelia englerianaは、ドイツのコレクターであるRudolf Schlecher(1872-1925)が、ベルリンのDahlemにある植物園・博物館で見つけた生きた植物に基づいて初めて記述されました。S. englerianaの名前は、当時の館長であるAdorf Englerに捧げたものです。Schlecherはアフリカを広く旅しましたが、野生のS. englerianaを採取していないようです。現在、S. englerianaは南アフリカの西ケープ州に広く分布していることが知られています。

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Stapelia engleriana
『The Flowering plants of South Africa』(1932)より。


Stapelia englerianaの特徴
S. englerianaは開花していない時でも、確実に判別出来る特徴的な種です。茎はかなり太く断面は短い結節のある4角形です。この植物に特有なのは、茎が匍匐性から根茎性であることです。この特徴は同じ旧・ガガイモ科のStapeliopsis saxatilisにのみ見られます。この特徴から、著者は「iceberg」(氷山)のスタペリアと表現しました。これは、植物の大部分が地下に隠されているという意味です。花もスタペリアの中では特有です。花は直径2cmと小型ですが、下向きの花の裂片が折り畳まれているため、ボタンのように見えます。このような特徴の花の花粉媒介者は何者で、どのように受粉するのか気になりますが、今のところ文献上では不明です。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
スタペリアと言えば、星型の奇妙な毒々しい花が特徴です。しかし、S. englerianaは花弁が反り返り、スタペリアの中でも独特の花を咲かせます。著者が言うように、この独特の形状は受粉に何らかの影響があるのでしょうか? そもそも、スタペリアの基本的な受粉様式も私は知らないので、少しずつ調べていきたいと思います。

最後にS. englerianaの名前の変遷に触れておきましょう。1905年に初めて命名された名前がStapelia engleriana Schltr.でした。1982年にはTromotriche engleriana (Schltr.) L. C. Leach、2017年にCeropegia engleriana (Schltr.) Bruynsという名前も提案されています。


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いつの間にやら2月になってしまいました。東京でも雪が降るかもなんて言っていましたが、結局は降りませんでした。2月が寒さの底でしょうから、多肉植物たちも今月を乗り越えればといったところですね。さて、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Adenia venenata
去年の11月のBBで入手しましたが、葉がない状態でした。真冬にも関わらず新しい葉が出てきました。アデニアは寒さに弱い傾向にありますから、今年は暖冬なのでしょう。


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Gasteria disticha
胡蝶蘭を育てていると、花茎から新しい個体が出来ることがあります。ガステリアでも同じことが起きたので、挿し木してみました。しかし、芽がまだ小さいうちに外してしまったのでなかなか根付きませんでしたが、ようやくしっかりしてきました。


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Euphorbia sipolisii
多肉質なユーフォルビアと言えばアフリカ原産ですが、シポリシイを含むSection Brasiliensisは南米原産です。あまり見かけないタイプのユーフォルビアですが、仲間を集めたくなりますね。

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Euphorbia columnaris
ソマリアもので希少なコルムナリスですが、難物としても有名です。通常は接ぎ木で維持されます。2022年4月のBBで入手してから3年間、自根で維持してきました。しかし、育った感じがあまりありませんが、しぼんだりもしていません。まあ気長に付き合っていきます。


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Gymnocalycium damsii var. torulosum VoS 03-040
陽に当てすぎて赤くなってしまいました。場所を移動して様子見していましたが、新しいトゲを出しているのでとりあえずは一安心です。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。まだ、全体の1/4も進んでいません。本日は入って左側の壁側に吊るされた着生サボテンを見ていきます。

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Rhipsalis sp.
着生サボテンのリプサリスの仲間が沢山吊るされていました。リプサリスはアメリカ大陸以外にも分布を広げた変わったサボテンです。実は着生サボテンに関してはあまりよく知らないため、リプサリスを含めて今度詳しく調べてみます。


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垂れ下がるリプサリス。ブラジルなどの密林では、リプサリスなどの着生サボテンが樹木に沢山着いてます。

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猿恋葦 Hatiora salicornoides
有名な着生サボテンの珍種です。サボテン要素があまりにも無くて驚きます。ちなみに、名札には「Hatiora sarcoinioides」とありますが、これは誤りで正しくは「Hatiora salicornoides」です。詳しくは知りませんが、誤った名前の方で流通しているそうです。


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リプサリスが沢山吊るされていましたが、名前がわかりません。外見的によく似た種が多いので、詳しくない私では残念ながら判別出来ません。

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リプサリスの小さな花。

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こちらには実がありました。リプサリスは実も見どころの1つです。

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こちらもリプサリス。多毛で特徴的です。Rhipsalis pilocarpaでしょうか。
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リプサリスにしては大型で美しい花です。

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Zamia furfuracea
フルフラケアが分頭しています。フルフラケアはなぜか誤ったZamia pumilaというまったくの別種の名前で呼ばれがちです。バイオリウムと神代植物公園は正しい名前でしたが、残念ながら新宿御苑では誤った名前でした。ちなみに、本物のZ. pumilaは行った植物園では見たことがありません。

 
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モクキリン(杢麒麟) Pereskia aculeata
ペレスキアはサボテン科植物の現存するもっとも起源的な属の1つです。しかし、2013年にペレスキアからLeuenbergeria属が分離され、こちらの属の方がより起源的であることが分かりました。
ペレスキアやレウエンベルゲリアと言った、いわゆるコノハサボテンの仲間はサボテンの進化を考える上でとても重要です。人気があるとは言い難いコノハサボテンですが、研究機関の付属施設としては教育的な意味合いもあり割りと大切な展示です。

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サボテン科植物には見えません。

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トックリラン Beaucarnea recurvata
トックリランは剪定されていました。背が高くなりますからね。仕方がありません。

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しかし、塊茎は樹皮が荒れ味がある形。そういえば、トックリランと言えば筑波実験植物園の群生展示が見事でした。

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大型のアガヴェ。まあ、流石にA. americanaではないでしょう。

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ちょうどアガヴェの花が終わったところでした。

さて、バイオリウムはまだ続きます。次回からはユーフォルビアやアロエ、ディディエレア科の多肉植物が登場します。


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本日は花キリンの花を接写してみました。種類によりますが、花キリンは冬でも花を咲かせ続けますからね。タイミング悪くまだ蕾のものもありましたが、とりあえず咲いているものだけです。

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Euphorbia gottlebei
ゴトレベイは冬の間はずっと咲き続けています。この混じり気なしの鮮烈な赤色は、原種の花キリンの中でも目を引きます。

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Euphorbia lophogona
ロフォゴナは外見のゴツさとは逆に、花は淡いピンク色でかわいらしい感じです。花も大型です。蕾が沢山出ていますから、まだまだ花を楽しめそうです。

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Euphorbia makayensis
マカイエンシスも目立たない花を咲かせ続けています。苞は小さいのですが、逆に腺体が非常に目立ちます。

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Euphorbia delphinensis
デルフィネンシスは非常に小さく目立たない花を咲かせます。一年中咲き続けるタイプのようです。日照が強いと赤味が強くなりますが、冬は赤味が抜けています。

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リップマンジャー
ミリイ系の園芸品種であるリップマンジャーです。超小型種で沢山の花を咲かせます。周年開花するタイプです。

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Euphorbia decaryi
デカリイも開花中。まあ周年開花するタイプですから、それほど有り難みはありません。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った記事です。なんと、まだ最初の角を曲がったところにいます。わずか数メートルの距離ですが、気になる植物が多すぎてなかなか進めません。

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Euphorbia geroldii 
トゲナシハナキリンのゲロルディイです。ハナキリン屈指の美しい花を咲かせますが、残念ながら花期ではありませんでした。マダガスカル原産。


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リュウビンタイがこんなところにもありました。

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名札がない蘇鉄。
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幹も立派。分岐しています。まあ、しかし写真だけを頼りに種別判定するのはなかなか厳しそうです。

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こちらはラフレシアの模型。

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ロウソクノキ Parmentiera cereifera
円柱状の黄色い果実からついた名前とのこと。新宿御苑でも植栽されていましたが、まだ花や果実は見たことがありません。パナマ原産。


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Ceratozamia hildae
一見して笹のように見えますが、メキシコ高地産の蘇鉄です。

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塊茎は平べったいタイプ。

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Bowenia serrulata
こちらはオーストラリア原産の希少蘇鉄。2回羽状複葉を持つ唯一の蘇鉄。ボウィエア属は2種からなる面白い蘇鉄です。

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葉は革質。
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塊茎は埋まり気味。

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見上げたらアナナスが大量に吊ってありました。

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何やらゲロルディイが大量に生えてますね。花期はさぞ華やかなことでしょう。

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Vanilla planifolia
プラニフォリアはもっとも一般名なヴァニラです。
ヴァニラはあちこちの温室で見かけていますが、未だに花は見たことがありません。中南米の原産。

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吊り鉢のアナナス。カラフルな蕾を伸ばしています。

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ミニ胡蝶蘭が開花中。

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Dendrobium nathanielis
風変わりなデンドロビウム。アッサムからマレー半島の原産。


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Haematoxylum campechianum
説明文にはロッドウッド、カンペシアボクとありましたが、他にもアカミノキ、ブラッドウッドという名前もあるようです。樹液はマヤ族が染料として利用してきました。色素成分のヘマトキシリンは、現代でも病理学や解剖学などで細胞核を染めるために利用されています。パナマ原産でマメ科ジャケツイバラ亜科。


さて、次回からは本格的に多肉植物ゾーンに入ります。というより、バイオリウムの温室はほとんど多肉植物と言っても良いぐらい多肉植物だらけです。ということで、まだまだ続きます。


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アロエはその多くの種が赤色〜黄色の花を咲かせます。それは鳥に対するアピールであり、実際にアロエの花には蜜を吸いに沢山の鳥が訪れます。つまり、アロエは鳥により花粉が運ばれて受粉する鳥媒花であるということです。しかし、小型のアロエの中には、地味で目立たない花を咲かせるものもあり、一見して鳥媒花には見えません。私の育てているAloe bowieaも緑色の小さな花をつけますから、とても気になっています。さて、アロエの受粉生物学はAloe feroxやAloe marlothiiなど大型のアロエを中心に行われており、小型アロエについてはまだまだ研究が不足しているように思われます。そこで、小型アロエの受粉生物学の嚆矢である、A. L. Hargreavesらの2008年の論文、『Aloe inconspicua: The first record of an exclusively insect-pollinated aloe』をご紹介しましょう。

アロエは花粉媒介者
アロエの多くは鳥媒花ですが、アロエの花には様々な昆虫が訪れます。もっとも一般的なのは蜂で、その一部は鳥媒花であるアロエの受粉にも貢献していますが、受粉には関係しない花粉泥棒もいます。これまでの研究では、ミツバチはアロエの花粉媒介者としては不十分であることが分かっています。しかし、過去の研究は鮮やかで大きな花を持つ「典型的」なアロエのみが対象とされてきました。
一部のアロエには、昆虫による受粉を示唆する形態学的な特徴があります。それは、Aloe albida、Aloe bowiea、Aloe minima、Aloe myriacantha、Aloe parviflora、Aloe saundersiae、Aloe inconspicua、Chortolirion angolense(=A. welwitschii)です。これらの種は高さ50cm 以下と小型で目立たず、長さ2cm未満の小さな淡い色の単花序をつけます。

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Aloe bowiea
ボウィエアの花は緑色で目立ちません。

Aloe inconspicuaの特徴
Aloe inconspicuaはKwaZulu-Natal州中部のいくつかの地域でのみ知られる小型のアロエです。高さ15cmになり、葉は多肉質ではありますが、周囲の草との区別は容易ではありません。花は高さ8〜12cmの単一の花序で、最大50個の白緑色の花が下から咲いていきます。花は雄蕊が長く、6つの葯が裂開するまで柱頭は開きません。また、花に香りはありません。

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Haworthiopsis limifolia var. glaucophylla
ハウォルチアやハウォルチオプシスの花は、小型で白色系です。


Aloe inconspicuaは自家不和合性か?
A. inconspicuaの自家不和合性の程度と、花粉媒介者への依存度を評価するため、花を布で遮断しました。実験は、①1m以上離れた植物の花粉による人工受粉、②自家花粉による人工受粉、③布で遮断し人工受粉なし(自然な自家受粉)の3群を行いました。
結果は③の人工受粉しない自家受粉では結実は見られませんでした。②の人工受粉による自家受粉ではわずか4%の結実率で、①の他家受粉では72%の結実率でした。また、自家受粉による果実には平均4個の種子がありましたが、他家受粉による果実には平均15個の種子が見られました。A. inconspicuaは大部分のアロエと同じく、自家不和合性であると考えられます。

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Aloe saundersiae
淡い色合いのサウンデルシアエの花。

花粉媒介者を探る
A. inconspicuaは開花より3日間咲き続けます。観察によると、採蜜性の鳥であるタイヨウチョウは訪花しませんでした。また、夕方に蛾を観察しましたが、やはりA. inconspicuaの花を訪れませんでした。観察期間中、A. inconspicuaの花を訪れたのは、ミツバチ(Amegilla fallax)がほとんどであり、稀に小型の蜂の訪花も観察されました。ミツバチや小型の蜂の体には大量の花粉の付着を観察しました。
観察結果からA. inconspicuaの有効な花粉媒介者はミツバチであると考えられます。A. inconspicuaが鳥媒花ではないことは、観察によるものだけではなく、花蜜量が平均0.097μLと極めて少量であることからもうかがえます。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
鳥媒花とされてきたアロエの中で、初めて虫媒花であるアロエの存在を証明した重要な論文です。アロエ類の進化を考えた場合、もっとも起源的なグループは樹木状のアロエであるAloidendronとされています。このAloidendronからAloiampelos、Kumara、Gonialoe、Aristaloeといったアロエ属から独立したグループとGasteriaは、おそらく鳥媒花でしょう。つまり、アロエ類の起源は鳥媒花であり、虫媒花はそこからの派生であると考えられます。虫媒花はHaworthia、Haworthiopsis、Tulista、Astroloba(A. rubrifloraは鳥媒花)ですが、アロエ属はその一部の種が虫媒花へ移行したのでしょう。分子系統的に見た場合、虫媒花へ移行したグループ同士は必ずしも近縁ではなく、それぞれ独立して進化したことがうかがえます。個人的な感想ですが、アロエ類の小型化が鳥媒花から虫媒花への移行をもたらしているような気がします。アロエ属は属内があまりに多様であるため、鳥媒花と虫媒花を内包しているのでしょう。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った話です。バイオリウムの温室はそれほどの規模ではないものの、密度が高く多肉植物の比率が高いこともあり、なかなか進みません。思わぬ貴重な植物を見ることが出来ました。

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バオバブ Adansonia za
妙な種小名ですが、
現地では「ザー」と呼ばれており種小名はそこから来ているそうです。この個体はなんと実生30年生とのこと。マダガスカル原産のバオバブ。

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バオバブの苗もありました。

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Kalanchoe beharensis
「仙女の舞」の名前で知られる大型のカランコエ。神代植物公園でも見ましたが、見上げる高さに育ちます。大きな葉は表面がフェルト状で、「Velvet Elephant Ear」(ベルベットの象の耳)と呼ばれています。

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Kalanchoe synsepala
匍匐茎を伸ばした先に仔植物が出来て移動していくため、「Working Kalanchoe」(歩くカランコエ)と呼ばれているそうです。
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ちょうど開花中。

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謎のカランコエも開花中。

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カンナの仲間。名札がないので種は不明。
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Canna paniculataだかCanna indicaだか分かりませんが、開花中でした。
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イガイガした実もなっていました。

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コンテリクラマゴケ Selaginella uncinata
「レインボーファン」と呼ばれますが、光の当たり具合によっては虹色に輝いて見えます。鬱蒼とした場所にあったので、こんな感じですが。中国、ベトナムの原産。

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Typhonodorum lindleyanum
巨大なマダガスカルのサトイモ科植物。一見してバショウの仲間に見えます。「elephant ear」と呼ばれる由来である大きな葉が特徴。自生地では水に浸かることもあるようです。
サトイモ科植物なので地下に芋が出来ますがかぶれるため、水にさらして非常食とするようです。この水でさらしてデンプンを回収する方法は、東南アジアのサゴヤシや日本の栃の実などでも知られており、非常に古い時代から存在する方法です。


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リュウビンタイ Angiopteris lygodiifolia
温室にはつきもののリュウビンタイもなかなかのサイズ。


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温室ではよく見るタコノキの仲間。


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装飾的な革質の葉を持つシダ。

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Kalanchoe millotii
毛に覆われたマダガスカル原産の小型カランコエ。

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Kalanchoe bracteata
マダガスカル原産のシルバーリーフ。「Silver Teaspoons」(銀の匙)とも呼ばれますが、他のカランコエも同じ名前で呼ばれているようです。

さて、バイオリウムはまだまだ続きます。入り口から左折して、まだ突き当たりまで至っていません。バイオリウムは個人的に面白い植物が多く、写真ばかりとっていて本当に進みません。


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なんとなくリミフォリアか集まりつつあります。まあ、意識的に集めたのではなく、いつの間にやら増えてしまいました。こうなったら、すべての変種やタイプを集めても良いかも知れません。現在、リミフォリアの5変種中、まだ3変種しかありませんから、何れ手持ちにない変種arcanaと変種giganteaを入手したいものですね。

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Haworthiopsis limifolia var. limifolia
まずは基本種の変種リミフォリアから。変種striataや変種stoloniferaを含みます。


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Haworthia limifolia var. stolonifera Resende, 1943
変種ストロニフェラは現在は変種リミフォリアに含まれます。ハウォルチオプシスとされなかったため、表記する時はハウォルチアのままが正しいのです。


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Haworthiopsis limifolia var. glaucophylla (M. B. Bayer) G. D. Rowley, 2016
変種グラウコフィラは結節がなくやや白みががる葉が特徴です。グラウコフィラがハウォルチア時代に命名されたのは2003年ですから、割と新しい変種です。2010年にはBreuerにより独立種とする見解もあったようです。


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Haworthia gideonii Breuer, 2010. nom inval.
ギデオニィは非公式名です。リミフォリア系ですが、リミフォリアの名前がついていません。小型でより暗色のタイプのリミフォリアなのでしょう。

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Haworthiopsis limifolia var. ubomboensis (I. Verd.) G. D. Rowley, 2013
スワジランドのリミフォリア。おそろしく姿が異なるせいか、1941年に記載された時には独立種としてでした。ちなみに、変種keithiiを含みます。


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先週、東京農業大学のバイオリウムに行って来ましたが、前回はバイオリウムに併設された博物館を見て回りました。今回からはいよいよバイオリウムに向かいます。

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眠そうなスナネズミの脇の出入り口からバイオリウムの温室に入るようです。やはり、外から直に入ることは出来ないようです。

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一度、外に出ますが、Cymbidiumの花茎が伸びていました。丈夫ですね。

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屋外に少しアガヴェが並んでいました。

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農大No.1
有名な「農大No.1」と命名されたアガヴェ。1970年にカクタス長田の長田清一氏が東京農業大学の育種研究所に導入したとのことです。当時、名前が不明だったことから、日本多肉植物の会が農大から出た当時一番良いアガヴェということで、「農大No.1」と命名されたようです。現在はAgave titanotaに比定されました。

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Agave filifera ssp.
フィリフェラは「白糸の王妃」という名前で知られる、フィラメントを出すタイプのアガヴェです。しかし、バイオリウムのHPからダウンロード出来る植物の目録を見ると、「姫滝の白糸」となっていますね。姫滝の白糸はどうやら交配種とされているようで、ssp.がついているのはそういう意味なのでしょう。


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笹の雪 Agave victoriae-reginae
笹の雪は基本的にアガヴェに興味がない私でも、溜め息が出るような美しい植物です。

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吹上 Agave stricta
ストリクタ名義の吹上ですが、ストリアタかも知れません。


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温室に入ると湿度が高くムワッとした感じでした。左側に水辺があり、その前には食虫植物が並んでいました。
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マダガスカルウツボカズラ
Nepenthes madagascariensis

おそろしく小さいウツボカズラの実生。2024年の春に播種したそうです。マダガスカリエンシスはウツボカズラの中では難しい部類のようです。しかし、このサイズでもちゃんと捕虫器が出来ていることに驚きました。

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ミミカキグサ Utricularia  bifida
ミミカキグサはタヌキモの仲間で、土中に袋がある食虫植物です。


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アシナガムシトリスミレ
Pinguicula moranensis
ムシトリスミレが開花中でした。
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葉がベタベタしており、虫がトラップされます。

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ヤツマタモウセンゴケ
Drosera binata var. multifida
非常に分岐するタイプのモウセンゴケ。


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Drosera paradoxa
こういうタイプのモウセンゴケは初めて見ました。


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アフリカナガバモウセンゴケ
Drosera capensis
こちらのモウセンゴケは白花タイプとのこと。


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ビカクシダが吊るされていました。

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パパイヤ Carica papaya
なんとなくパパイヤの鉢植えがありました。
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よく見ると開花中。

バイオリウムはまだ入り口です。私は左回りで見学することにしました。左折すると、左側は水辺で右側は乾燥地帯となっています。次回は多肉植物も登場します。


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2月はこれと言ったイベントは無さそうなので、本当は植物園に行きたいところですが、忙しいので遠出はかなり厳しそうです。しばらくは大人しくしています。まあ、そんなわけで本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia opuntioides
三稜のまま育つオプンチオイデスですが、正月明けから一輪だけ咲いています。よく見ると、まだ花が咲きそうですね。

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Tulista pumila ohkuwae GM 602
プミラの変種オウクワエです。プミラ系の中では最優美なタイプでしょうね。

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Adenia glauca
今冬のグラウカはなかなか葉が落ちません。しかし、そろそろ寒さも厳しくなってきましたから、落葉する頃合いですかね。

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Euphorbia paulianii
パウリアニイは葉が落ちません。茎の回転具合がはっきりしてきました。これからが楽しみな花キリンです。

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Pachypodium densiflorum
デンシフロルムはパラパラと葉は落ちるものの、まだ葉が残っています。そういえば、電気ストーブの後ろにデンシフロルムを置いていたら、真冬に開花して驚かされたこともありました。


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植物は自生地に住む人々と無関係に存在するのではなく、常に関わり合いながら存在してきました。特にその地域を象徴するような植物には、民族学的な関係の歴史や伝説があるものです。本日は「cardon」こと、Trichocereus atacamensisを取りあげます。一般に「cardon」と言えばメキシコに自生するPachycereus plingreiを指しますが、アルゼンチンのある地域では「cardon」と言えばTrichocereus atacamensisを指すということです。T. atacamensisの自生地における伝承をみてみます。ということで、参照とするのはMaria F. Barbarich & Marie E. Suarezの2018年の論文、『LOS GUARDIANES SILENCIOSOS DE LA QUEBRADA DE HUMAHUACA: ETNOBOTANICA DEL "CARDON" (TRCHOCEREUS ATACAMENSIS, CACTACEAE) ENTRE POBLADORES ORIGINARIOS EN DEPARTAMENTO TILCARA, JUJUY, ARGENTINA』です。

Humahuaca渓谷の自然と民族
「cardon」あるいは「pasacana」と呼ばれる柱サボテン、Trichocereus atacamensis(Echinopsis atacamensis)はアンデス地方の原産で、アルゼンチン北西部、ボリビア南西部、チリ北部を含むprepuna州に限定されます。アルゼンチンのJujuy州にあるHumahuaca渓谷では「cardon」は特徴的な要素で、東西の山脈により形成される南北に走る狭い回廊により構成されます。この地域は多様な民族があり、スペイン人が到着する数十年前にはインカ帝国の南端の一部でした。Humahuaca渓谷は草原と低木が優勢で、点在する低木と豊富な柱サボテンからなります。Jujuy州ではKolla族に属していると認識している人々は、先住民族の52.5%を占めています。

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Trichocereus pasacana
『The Cactaceae II』(1920)より。
T. pasacana=Leucostele atacamensis ssp. pasacana

Humahuaca渓谷のカルドン
Kolla族の協力者たちは、「cardon」という言葉を様々な意味で使用しました。「cardon」とはこの州に生息する直立あるいは燭台状の茎を持ち、大型の3種類の柱サボテンを指します。つまり、Trichocereus atacamensis、Trichocereus tarijensis 、Trichocereus terschekiiです。T. tarijensisは「cardon poco」、あるいは「poco」、「poco-poco」、T. terschekiiは「cardon de los valles」あるいは「pocoto」と呼ばれます。また、同様の生態や形態を持つ他の小型種を「cardonctions」と呼んでいます。逆にTrichocereus schickendgntziiやOreocereus trolliiは固有名詞がありません。地元住民は3種類のカルドンを明確に区別しています。T. atacamensisは直立しており、その大きさにより区別され、花が白いことからより優れているとされます。T. tarijensisはよりサイズが小さく赤い花を咲かせます。T. terschekiiは様々な場所で育ち、より多くの枝を持ちます。住民たちはT. atacamensisのトゲはより太く長いと述べています。また、標高や気候条件の違う産地ごとに特徴に違いが見られることを認識していました。

カルドンの物語
「cardon」には、人間の起源を持つという物語があります。その物語の大まかな概要は以下の如くです。Humahuaca族の王女とTukma(Tukman)の族長が恋に落ち、しかしそれはHumahuacaの社会には受け入れられませんでした。その時、族長は王女を探すために軍隊とともにHumahuaca渓谷にいました。しかし、呪いにより彼らは棒に変えられてしまい、その棒からcardonが芽生え聖地の守護者となり、その花の美しさは聖地の愛の美しさを表しています。
物語には複数のバリエーションがあり、呪いは王女の部族が族長に対して抱いていた憎しみから生じたという主張や、不適切な恋愛に対するPachamama (アンデスの古い神話の女神)からの罰であると主張する人もいます。また、これは呪いではなく、敵対した関係の中で、主人公たちを長命の植物に変えることにより、その愛を永続させることが出来たのだと信じている人もいます。さらに、改宗中に族長が王女を抱きしめたために、王女は花に族長はcardonの体になり、彼らの子供が渓谷のcardonになったという話もあります。族長が登場しない話もあります。それは、王女とその民が征服軍の脅威にさらされ、その土地から逃れPachamamaが、王女らをcardonに変えて守ったという話もあります。王女は年に1度だけ美しい花の姿で現れて世界を見つめます。


聖域の守護者
地元住民の語る物語の中でcardonは象徴的な役割を果たしています。太古の昔から今日に至るまで、その守護者としての役割は「antigales」など、神聖さを持つ場所で強調されます。「antigales」は先祖が住んでいた集落で、現在は遺跡がありその子孫たちにとって非常に重要です。この守護者としての主導的な神話や聖域だけにとどまりません。アルゼンチンからの独立のための戦いでcardonが重要であったと地元住民は誇らしげに語ります。

カルドンと自然
cardonはまだ幼植物の頃は、「churquis」(Prosopsis sp.、マメ科の樹木)や「airampos」(Opuntia spp.、ウチワサボテン)、または岩により守られます。逆にcardonは動物に隠れ場所を提供します。「choschori」(Octodontomys gliroides、マウンテン・デグー)のようなげっ歯類は巣穴を作り、果実を食べ、場合によっては茎も食べます。鳥も枝や枝と枝の間に巣を作ります。鳥はcardonの種子を運び、害虫を食べるため肯定的に捉えられています。家畜もcardonに関連しています。食糧や水が足りていない時には、ヤギやヒツジが小さなcardonを食べます。
cardon蛾(Cactoblastis bucyrus)は幼虫がcardonを食べる蛾で、過去20年で大幅に増加しています。都市化や大気汚染、農薬の使用の増加により鳥が減少によるものです。地元住民はcardonの健康状態は環境の状態を反映していると考えています。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
cardonは地元住民にとって馴染み深い植物であると同時に、自分たちの出自や信仰に関わる重要かつシンボリックな植物です。記事で紹介した他にも、異なるバージョンの物語もあり、大変興味深いフォークロアでした。多肉植物は人と関わりながら文化となっている例もありますから、今後も多肉植物との関わりについても調べてもいきたいと考えております。
最後に蛇足ですが、Trichocereus atacamensisの学名が変更されているようですから少し触れておきます。2012年にT. atacamensisは意外にもLeucosteleに移されました。さらに、2021年に亜種であるL. atacamensis ssp. pasacanaが命名されています。


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1月はこれと言ったイベントもありませんから、植物園に行こうかと考えていましたが、時期的に温室メインの植物園じゃないとあまり見るものがありません。近場はだいたい行ってしまい、後は千葉とか茨城、神奈川で、結構遠いので少し躊躇していました。しかし、※欄でバイオリウムをお勧めされたので、割と近いこともあり早速行ってみました。

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東京農業大学「食と農」の博物館へ到着。隣にバイオリウムがあります。ある意味話題の隈研吾氏のデザインとのこと。

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タイの闘鶏の巨大な像が目印。

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鶏像の隣にまずまず立派な蘇鉄(Cycas revoluta)。

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野良ユッカも見上げる高さに。

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隣にバイオリウムの温室がありますが、入り口がよく分かりません。博物館側から入るとみた。

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博物館の入り口前に鶏が飼育されていました。

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チャボはこじんまりとしていて可愛いですね。正式な名前は桂矮鶏というそうです。

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こちらは東天紅。日本三大長鳴鶏。

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入り口には𦥑が沢山。

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南極飯!という企画展示がありました。

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南極の動物の剥製。

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食品サンプル作りが沢山並んでいました。南極と言えば、岩波新書の『南極越冬記』(1958年刊)を思い出します。食は単純に栄養を摂取するだけではなく、日常の楽しみの1つとしても重要です。厳しく単調な生活では娯楽が少ないですからね。

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こちらはバー。

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南極に生える植物の標本もありました。

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ススキも南極では極小です。

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企画展示の裏手にも面白い展示がありました。『有用植物図説』という明治24年(1891年)の書物。このような貴重な資料も見ることが出来ます。
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単子葉類と茸。
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大根と蕪。

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タマムシの発色を再現したチタン製品とのこと。

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こちらは、東京農業大学で誕生した特別なマウスの標本。「かぐや」と命名されたので、竹から顔を出しています。母親の遺伝子だけで生まれてきたマウスですが、通常は出来ないことが分かり特別な方法を駆使しているそうです。

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2階に上がると、鶏の剥製が沢山。尾がとんでもなく長い尾長鶏。

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様々な卵。

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酒造も、日本の農耕に関する重要な文化の1つです。

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昔の古民家が再現されていました。他にも酒樽や美しい酒器なども展示されていました。

バイオリウムに行くと言っておきながら長々と博物館を見て回りましたが、次回からいよいよバイオリウムの温室に向かいます。


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いやはや、どうにも忙しく、特に2月からはバタバタしそうです。困るのは記事にする論文を探したり読んだりする時間がろくに取れそうもないことです。まあ、仕方がありませんね。というわけで、本日も我が家の多肉植物たちをご紹介しましょう。

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Ibervillea tenuisecta
メキシコ原産のウリ科植物。塊根が出来ます。

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冬でもつるを伸ばしています。

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Euphorbia heptagona
「エノプラ」の名前で販売される、いわゆる紅彩閣です。赤い新しいトゲが美しいですね。

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Euphorbia phillipsioides
いつの間にやら、フィリプシオイデスが開花直前です。蕾が沢山ついていますから、開花が楽しみです。


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Euphorbia fruticosa
フルティコサは開花してから長いですね。先始めは12月中頃でしたから、もう1ヶ月になります。


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Haworthiopsis sordida
ソルディダはこれでもだいぶ育ちました。これでも5cmくらいはあります。とはいえ、まだ貫禄はありませんね。



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昨日はアロエの命名について調査した、Estrela Figueiredo & Gideon F. Smithの2010年の論文、『What's in name: epithets in Aloe L. (Asphodelaceae) and what to call the next new species』をご紹介しました。その中では、末尾にアロエの種小名の一覧があり、名前の由来が記載されていました。ということで、せっかくですから我が家のアロエたちの由来をみてみました。

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Aloe tenuior Haw., 1825
=Aloiampelos tenuior (Haw.)
       Klopper & Gideon F. Sm. 2013
細い枝から。ラテン語の「tenuis」(細い)にちなむ。
藪状に育つアロエはアロイアンペロス属となりましたが、ヒョロヒョロと伸びるため茎は貧弱です。正に名前の通りです。


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Aloe gracilis Haw., 1825
=Aloiampelos gracilis (Haw.)
     Klopper & Gideon F. Sm. 2013

細い茎から。ラテン語の「gracilis」(細い)にちなむ。
やはりアロイアンペロスになったグリキリスですが、テヌイオルと同じく細い茎からの命名です。近縁種で同じ意味の名前は芸がありませんね。

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Aloe striatula var. caesia Reynolds, 1936
=Aloiampelos striatula var. caesia
   (Reynolds) Klopper & Gideon F. Sm. 2013

葉鞘に細い緑色の平行な線があることから。ラテン語の「striatus」(縞模様)にちなむ。

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Aloe albiflora Guillaumin, 1940
白い花が咲くことから。ラテン語の「albus」(白い)と「florus」(花が咲く)にちなむ。

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正に名前の通り白い花が咲くアロエです。アロエは暖色系が基本ですから、真白な花は珍しい部類です。

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Aloe aristata Haw., 1825
=Aristaloe aristata (Haw.)
     Boatwr. & J. C. Manning, 2014
禾のような葉の尖端から。ラテン語の「aristatus」(禾のある)ちなむ。
アリスタタはアリスタロエ属となりました。アリスタロエは1属1種の単系属です。葉は柔らかくトゲは禾状となるため、実にハウォルチア的です。


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Aloe bowiea Schult. & Schult. f., 1829
南アフリカのイギリス人園芸家で植物収集家であるJames Bowie(1789-1869)に対する献名。A. bowieaはBowieが収集しました。
James Bowieについては過去に記事にしておりますので、そちらもご参照下さい。


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Aloe pratensis Baker, 1880
牧草地にも生えることから。ラテン語の「pratensis」(牧草地に生える)にちなむ。
別に牧草地にだけ生えるわけではないみたいです。日本で流通しているプラテンシスは何だか雑種っぽい感じがします。


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Aloe thompsoniae Groenew., 1936
1924年にこの植物を採取した南アフリカのSheila Thompson博士(1930年代に活躍)にちなむ。
こちらは誤りで、著者らは後にトンプソニアエの由来を調べた論文を書いています。トンプソニアエの名前はThompson博士ではなく、動植物の収集家であるThompson夫人にちなみます。なお、Sheila ThompsonはThompson夫人の娘。過去に記事にしていますから、そちらもご参照下さい。


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Aloe fleuretteana Rauh & Gerold, 2000
マダガスカルの森林計画部長Fleurette Andriantsjlavo夫人にちなむ。


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Aloe sladeniana Pole-Evans, 1920
=Gonialoe sladeniana (Pole-Evans)
     Boatwr. & J. C. Manning, 2014

このアロエを発見した探検隊の財政的な支援者であり、イギリスの博物学者のWilliam Percy Sladen(1849-1900)にちなむ。
ゴニアロエとなったスラデニアナです。


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Aloe florenceae Lavranos & T. A. McCoy, 2004
発見者であるAlfred Razafindratsiraの妻Florence Razafindratsiraちなむ。
Razafindratsiraのファームから新種のパキポディウムであるP. enigmaticumが見つかったことがあります。


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Aloe calcairophila Reynolds, 1960
石灰地を好むことから。フランス語の「calcaire」(石灰)とギリシャ語の「philos」(友人)にちなむ。
アロエといっても様々で、A. parvulaなど嫌石灰植物もありますが、石灰岩地に生えるアロエもあります。


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Aloe haworthioides Baker, 1887
近縁であるハウォルチアに似ているから。ギリシャ語の「-oides」(似ている)に由来する。
A. aristataと同じくハウォルチア・ライクなアロエです。非常に小型で華奢なアロエです。


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Aloe humilis (L.) Mill., 1771
低成長の生息地から。ラテン語の「humilis」(適度に低い)にちなむ。
フミリスの名前の意味はよく分かりません。humilis自体は低いという意味ですから、標高とか海抜が低いということでしょうか? ニュアンスがイマイチ掴めません。


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Aloe dichotoma Masson, 1776
=Aloidendron dichotomum (Masson)
     Klopper & Gideon F. Sm. 2013

枝分かれを表す。ラテン語の「dichotomus」(二分法、二股)にちなむ。
ディコトマはアロエから独立しアロイデンドロン属となりました。A. feroxなどの巨大アロエは単頭で数メートルになりますが、アロイデンドロンは枝分かれして樹木状となります。


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Aloe variegata L., 1753
=Gonialoe variegata (L.)
      Boatwr. & J. C. Manning, 2014
斑入りの葉から。ラテン語の「variegatus」(斑入り)にちなむ。
非常に命名の起源が古いヴァリエガタですが、ヨーロッパでもっとも古くから知られているアロエの1つです。


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Aloe peglerae Schönland, 1904
南アフリカの植物学者・博物学者、植物と昆虫の収集家であったAlice M. Pegler(1861-1929)にちなむ。
ペグレラエは薄い蜜を大量に分泌することが知られており、多くのアロエと同様に鳥媒花です。しかし、ペグレラエはあまり背が高くならないせいか、鳥だけではなくネズミも蜜を舐めにくるそうです。


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Aloe plicatilis (L.) Burm. f., 1768
=Kumara plicatilis (L.) G. D. Rowley, 2013

扇形のロゼットから。ラテン語の「plicatilis」(折り畳める)にちなむ。
アロエからクマラ属となったプリカティリスですが、その名前には複雑な歴史があります。一言で説明するのは難しいので、以下の記事をご参照下さい。


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Aloe fragilis Lavranos & Röösli, 1994
傷みやすいロゼットから。ラテン語の「fragilis」(壊れやすい)にちなむ。
これは何を意味するのかはよく分かりません。葉が少し傷みやすい感じはしますか、わざわざロゼットというからには違うのでしょう。フラギリスには微妙に茎がありやや伸びながら育つため、綺麗なロゼットを維持出来ないということでしょうか?


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Aloe descoingsii Reynolds, 1958
フランスの植物学者でマダガスカルの植物多様性の専門家であるBernard M. Descoings博士(1931-)にちなむ。
最小クラスのアロエ。


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Aloe spectabilis Reynolds, 1937
外見的特徴から。ラテン語の「spectabilis」(派手な)にちなむ。
言うほど派手には見えませんが、何をもって派手と命名されたのでしょうか。スペクタビリスは高さ5mと巨大に育つからか、あるいは沢山の花を咲かせるからかも知れません。


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Aloe erinacea D. S. Hardy, 1971
トゲのある外観から。ラテン語の「erinaceus」(ハリネズミ)にちなむ。
見たまんまですね。エリナケアのトゲは硬いものの、見た目ほど痛くないトゲです。そういえば、Gymnocalycium erinaceaも同じ由来ですが、あちらはギムノカリキウムにしてはということでしょうか。


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Aloe parvula A. Berger, 1908
サイズが小さいことから。ラテン語の「parvus」(小さい)にちなむ。
小型アロエではありますが、アロエの中で格別に小さいわけではありません。

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Aloe pseudoparvula J. -B. Castillon, 2004
Aloe parvulaに似ていることから。ギリシャ語の「pseudo-」(偽の)にちなむ。
この「偽の」という名前を嫌う人もいますが、そっくりさんであることが分かりやすくて分類学的には良い名前のように感じます。


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Aloe saundersiae (Reynolds) Reynolds, 1947
Katherine Saunders(1824-1901)に対する献名。Katherine Saundersは、南アフリカのイギリス人コレクターで植物画家、ローデシアとモザンビークを探検したCharles James Renault Saunders(1857-1935)の母。
サウンデルシアエあまり多肉質ではないアロエです。献名だと名前に対するコメントが難しいですね。


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Aloe ramosissima Pillans, 1939
=Aloidendron ramosissimum
    (Pillans) Klopper & Gideon F. Sm. 2013

枝分かれが多いことから。ラテン語の「ramosus」(枝分かれした)の最上級の名詞。
ディコトマと同じくアロイデンドロンとなったラモシシマは、分岐が低い位置から始まります。


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Aloe bakeri Scott Elliott, 1891
キュー王立植物園のイギリス人植物学者、John G. Baker(1834-1920)にちなむ。
バケリは野生絶滅種のアロエです。開発により生息地ごと消滅しました。


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Aloe davyana Schönland, 1905
イギリスの植物学者で南アフリカで活動したJoseph Burtt Davy(1870-1940)にちなむ。

新宿御苑にて。

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Aloe branddraaiensis Groenew., 1940
南アフリカMpumalanga州のBranddraaiにちなむ。
神代植物公園にて。


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Aloe dorotheae A. Berger, 1906
ロンドンのMiss Dorothy Westheadにちなむ。
神代植物公園にて。


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Aloe arborescens Mill., 1768
樹木のようになることから。ラテン語の「arbor」(樹木)にちなむ。
こちらは我が家のアロエではなく、夢の島熱帯植物館の入り口近くのキダチアロエです。キダチアロエは「医者いらず」などと呼ばれ、昔から日本でも流通しているアロエです。Aloe veraが流行するまでは、アロエと言えばキダチアロエでした。屋外でも育ちますので、街路樹の根元などで野良キダチアロエはたまに見かけます。

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サボテンや多肉植物だけではなく、生物の分類やすべての研究分野において、学名というものは非常に重要なものです。野放図に各々が命名してしまえば、いったい何について研究しているのか誰にも分からなくなってしまいます。それは、我々趣味家も同じです。サボテンや多肉植物は希少なものが多く、将来的にあるいはすでに原産地では絶滅してしまった植物も、趣味家により維持されているものも少なくありません。希少な植物であるという意識と、正確な名前を維持する努力は必要でしょう。
さて、私も学名の命名法とその安定については興味があり、かなりの数の関係する記事を書いてきました。しかし、学名の由来となるとさっぱりで、単純にラテン語で特徴を示したものは分かりやすいのですが、人名由来となるとさっぱり分かりません。命名者が由来を記述していてくれたら分かりやすいのですが、学者でもない親戚に献名されていたりしたらお手上げです。というわけで、本日は学名の話です。取り上げるのは、Estrela Figueiredo & Gideon F. Smithの2010年の論文、『What's in name: epithets in Aloe L. (Asphodelaceae) and what to call the next new species』です。アロエの名前の由来について調査しています。

Aloe succotrinaの場合
学名は植物の過去と現在の分類や記述者の情報を反映しています。多くの場合、形態や地理などの情報も名前から得ることが出来ます。もちろん、その植物に常に適した名前であるとは限りません。しかし、不適切であっても名前を破棄する理由にはならず、その名前は維持される必要があります。
名前が分類学上、さらには地理的な混乱を引き起こした典型的な例として、Aloe succotrinaが挙げられます。この名前は混乱した複雑な歴史があり、200年以上にわたり誤った(由来による)名前が使われてきました。「succo trina」はソコトラ島に生息することを指すと考えられて来ましたが、実際には南アフリカにのみ自生する固有種です。「succotrina」、あるいは「socotrina」という名前は異名は、ソコトラ島固有種であるAloe perryiの葉から作られる「socotrine aloes」という薬の原料と考えられてきたから、あるいは汁が乾くと黄色くなることから「succus」(樹液)と「citrinus」(レモンイエロー)を組み合わせた合成語かも知れません。いずれにせよ、何人もの著者がA. succotrinaを誤った種と結びつけてきました。


Aloeの命名の傾向
収集したアロエの学名は933種あり、これは255年(※2010年時点)の期間に渡り命名されたものです。1851〜1860年はアロエの命名は少なく、発表された名前は1つだけ(A. microstigma)でした。最近の期間(2001〜2008年)と第一次世界大戦(1901〜1910年)および第二次世界大戦(1931〜1940年)の前の数十年はもっとも多く発表され、約300の名前が命名されました。
種小名は338がラテン語で78がギリシャ語、6がラテン語とギリシャ語の合成語でした。もっとも頻繁に使用されたのは、7回使用された「major」で、33の名前が複数回使用されています。残りのほとんどは地名や人名から派生したラテン語化されたものでした。
傾向としては、形態を示した名前がもっとも多く使用されていました。しかし、近年では形態学的特徴が使用されることは少なくなっています。これは、ラテン語の知識が失われつつあり人名や地名に基づき簡単に命名されがちであることや、外見的な特徴を示す名前がすでに使用されているからかも知れません。

生息地による名前
地理的な命名は3番目に多く、増えている命名法です。アロエ研究はヨーロッパに送られた資料に基づいていたため、標本には原産地の情報が欠けていることがよくありました。そのため、18世紀に使用された地理的な命名では、「africana」や「abbyssinica」、「arabica」など漠然としたものでした。過去10年間には地理的な命名の45%がマダガスカルに関連した名前です。

様々な名前
次のカテゴリーは他の分類群との関係性や類似性、分類群のステータスに基づく名前です。このカテゴリーで始めに登場したのは、1753年に発表された「vera」で、「真のアロエ」、つまりは商業的に真のアロエという意味でした。

16種類のアロエはその美しさ優雅さから命名されています。「amoena」、「bella」、「bellatula」、「coccinna」、「decora」、「elegans」、「elegantissima」、「grata」、「insignis」、「jucunda」、「lepida」、「pulcherrima」、「pulchra」、「speciosa」、「spectabilis」があります。ただ、このカテゴリーで利用可能な形容詞が不足している可能性があり、過去10年間で1つしか命名されていません。

アロエのアフリカでの呼び方は豊富であるのに対し、それが学名になることはほとんどありません。そのような一般名に基づく学名は6つしかなく、しかもアフリカ大陸由来のものは1つ(Aloe eru)しかありません。


形態以外の特徴による命名は少なく、過去30年記録されていません。例として、味を示すものや薬用(officinalis)、食用(edulis、esculenta)、有毒(venenosa)、石鹸(sapnaria)などです。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
種小名は植物では外見的な特徴や採取地からとられることが多いような気がしていました。しかし、africanaだのasiaticaだの大雑把な名前が古い時代のものだと気が付かされました。あと、外見的は特徴は、まあ被りますから使える名前が減っていくのは仕方がありませんね。しかも、「小さい」の意で命名したのに、後にさらに小さい種が発見されたりしますから、学名は必ずしもその特徴を効果的に示しているとは言えません。命名時には有意味であっても、やがて識別のための記号と化してしまうのでしょう。
さて、明日は実際のアロエの名前とその意味を見てみましょう。


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去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の続きです。長く続いた記事も、本日が最終となります。建屋の周囲をぐるりと一回りして帰りました。

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巨大な切り株はマレーシアから運ばれてきたものだそうです。フタバガキ科の樹木をラワンと言いますが、日本ではラワンと言えば材の名前として流通していますね。「ショレア・アクミナティッシマ」と説明にありましたが、要するに「Shorea acuminatissima」のことです。2022年にRichetia属に移されました。

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椰子の根元に何かが絡みついています。いったい、何ものでしょうか? 気になりますね。

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2階のオーストラリア庭園から見えたカミヤツデらしき植物。

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薬草園は時期的に閑散としていましたが、アーモンド(Prunus dulcis)はまだ葉がありました。

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建物の裏に周ります。

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裏手の花壇に花が咲いていました。ウィンターセージ(Salvia semiatrata)でしょうか。メキシコの高山に生え、サボテンと一緒に生えるそうです。

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パンパスグラスがあったりします。

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海が一望出来るベンチがありました。船が沢山停留しています。

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1周回って正面に戻ってきました。立派なアコウ(Ficus superba)がありました。
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この寒い中、実が沢山ついています。
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太い幹からも直接実がなります。温室内のカカオと同じ幹生果ですね。幹生果は実に熱帯的ですが、アコウは南方系とはいえ紀伊半島以南まで自生します。
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ガジュマルやアコウなどのイチジク科植物の中には、気根を伸ばすものがあります。

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さて、反対側にもあった椰子に絡まる謎植物ですが、こちら側にもありました。
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すごい絡まりぶりです。
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実がなっていました。明らかにイチジク科植物ですが、近くにあるアコウかは分かりません。むしろ、椰子にもともと絡んだまま一緒に植栽されたような気もします。

というわけで、夢の島熱帯植物館へ行ってきた記録となります。熱帯植物を十二分に堪能しました。夢の島熱帯植物は、まず椰子が巨大でしたね。さらに、関連する植物が並んでいたりしますから、これは良い展示方法だと思いました。しかし、あらかじめ事前知識を必要としますから、詳しければより楽しむことが出来ます。冬でも加温温室のある植物園は暖かく緑に溢れています。皆様も植物園へ行ってみてはいかがでしょうか。


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本日は久しぶりに縞々バンドの硬葉系ハウォルチアを取り上げましょう。由来不明の「十二の巻」が代表的ですが、よく似たH. attenuataとH. fasciataは混同されますが、H. fasciataはあまり見かけません。しかし、このようなタイプのハウォルチア人気がありませんか、どうにも気になってついつい買ってしまうので、いつの間にやら増えてしまいました。

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十二の巻
由来がよく分からない十二の巻です。一般的にはH. fasciataとされていますが、実際にはH. attenuata系と推測されます。しかし、結節は明らかにH. attenuataの特徴を示しますが、葉の丸みはA. fasciataに似ていますね。園芸店や植物園でもH. fasciataの名前で十二の巻が販売・展示されているのは残念なことです。

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十二の巻
こちらは、ワイルドバンドの十二の巻。従来品とはバンドが異なるタイプが最近は沢山出回っています。

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特アルバ
特アルバは結節が目立つH. attenuataですが、ちゃんとH. attenuataとして販売されていますね。葉のシャープさはいかにもなH. attenuataです。

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スーパーゼブラ
スーパーゼブラは結節が密につまる選抜品種です。H. fasciataの名前で販売されますが、おそらくは十二の巻の選抜品種です。

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H. attenuata RIB 0060
こちらは野生から採取されたフィールドナンバーつきのH. attenuataです。野生個体は一般的に結節がつながりません。葉がシャープで、葉の内側にも結節があります。

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H. attenuata f. tanba
こちらはH. attenuataの矮性品種です。とはいえ、葉が太いため短く見えるだけで、意外と大きくなります。

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H. fasciata DMC 05265
こちらはフィールドナンバーつきの正真正銘のH. fasciataです。H. fasciataは葉の内側に結節がなく、H. attenuataよりも均整のとれた姿になります。割とレア。

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H. fasciata var. browniana
H. fasciataの変種ですが、画像検索で出てくる一般的なブロウニアナとはあまり似ていません。ブロウニアナの特徴はよく分かりませんが、結節がやや横長のような気がします。私の入手個体は結節が白くありませんが、結節が横長ですから一応特徴は一致しますね。

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H. fasciata fa. vanstaadensis
H. fasciataの矮性品種。こちらは全体的に小型。



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今年初の多肉植物のイベントはビッグバザールです。私にとってはもっとも寒い時期のイベントとなります。
さて、12日は天気が怪しく朝は非常に寒くなかなか布団から抜け出せませんでした。結局、五反田TOCに着いたのは10時半をまわっていましたが、流石に待機列は解消していたので、むしろちょうどよいくらいでしたね。

さて、今回のBBはどうだったでしょうか。特に目的を決めずに来たので、割りとぼんやり見て回りましたが、最近気になっているアデニアはあまりありませんでした。手持ちにあるので購入しませんでしたが、ガステリアが結構ありましたね。以前は滅多に見かけませんでしたが、多少は人気が出てきたのでしょうか? 傾向としては、エケベリアやアガヴェ、ハウォルチア、コーデックスが相変わらずメインです。小さなパキポディウム苗も沢山ありました。ユーフォルビアも非常に豊富で、私の手持ちにない種類ばかりでした。サボテンも以前と比べるとあちこちにありました。
そういえば、Echinoagaveが提案されていますが、前回のBBで上手く1株しかないA. albopilosaを入手しましたが、今回はどういうわけかあちらこちらで見かけましたね。とはいえ、すでに入手済ですから、今回は同じくEchinoagaveとされる吹上を探しました。吹上はおそらく5株ほどあったと思います。事前に配布された配置図が少し違うようでしたから店名はよく分かりませんでしたが、入って左側の窓際のブースで吹上を購入しました。ただの吹上ではなく、「姫吹上」とありました。姫とつくことからして、小型なのでしょう。まあ、そちらの方が私の好みですから良かったですね。次にラフレシアリサーチを覗いて、珍しいユーフォルビアを2つ購入。そういえば、珍しいことにラフレシアリサーチにEuphorbia antsoがありました。E. antsoを見たのはこれで2回目です。安かったのですが、欲しいかと聞かれるとただの灌木なので微妙な感じがします。温室に地植えとかならよさそうですけどね。

さて、そんなこんなで購入品です。名前はラベル表記のママです。

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白葉姫性吹上
吹上の矮性品種のようです。白葉とありますから、より白いタイプなのでしょう。
吹上については調べたのですが、よく分かりません。A. strictaあるいはA. striataとされますが、混同されているようです。日本ではほとんど問題視されていませんが、海外では結構議論になっているみたいですね。
海外のサイトでは、A. strictaの葉は黄緑色や緑色、灰緑色で断面は四角で丸みを帯びることもあり長さ35cm程度で鋭いトゲがあり、葉はやや湾曲しておりもっとも葉が密に詰まったアガヴェとのことです。A. striataの葉はやや平らで長さ60cm程度になり、尖端のトゲが長いようです。ただ、サイズなどには幅があり、花の特徴が最大の違いのようです。今度、詳しく調べてみることにしましょう。
さて、問題はまだあり、姫性とは何かです。矮性品種には昔からあるやや小型の「姫吹上」と非常に小型の「ナナ」がありますが、「ナナ」はA. stricta 'Nana'とされますが、特徴的にはA. striataのような気がします。「姫吹上」はよく分かりません。昔の吹上は大きかったとよく聞きますがこれは実はA. striataで、それより小型なA. strictaを姫吹上と命名したなんてことはないでしょうか? まあただの想像です。しかし、私の入手した個体は、A. striataっぽい雰囲気がありますが、まだ小さいため特徴は明らかではないかも知れません。


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Euphorbia mitriformis
何やら気になる外見のユーフォルビアでしたが、なんとソマリアものでした。要するに標高1000mを超える高地性です。なんとなく顔つきがE. phillipsiaeに少し似ていますね。


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怒竜頭 Euphorbia micracantha
とんでもない名前の塊根性ユーフォルビア。どうやら、2022年に飛竜(E. stellata)の亜種になったようです。飛竜の平たい枝に対し怒竜頭は角柱型の枝が出ます。しかし、名前を変更したBruynsは詳しい根拠もなく学名のリスト上で安易に名前を変更してきますから、どの程度正しいのかは分かりません。

というわけで2025年最初の多肉植物のイベント、新年のサボテン・多肉植物のビッグバザールでした。現状、1月2月は特にこれと言ったイベントは無さそうですから、どこか植物園に行くつもりです。次のイベントは3月のBBですかね? 


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エケベリアやセダムなどの多肉植物はベンケイソウ科に含まれます。そんなベンケイソウ科を調べて見ると、聞いたことがない属がいくつかありました。うち、3属は2023年に新設された新属でした。1つは、エケベリアともパキフィツムともつかない不思議な植物を、新属ジェロニモア(Jeronimoa)として独立させました。ジェロニモアについてはすでに記事にしていますから、以下のリンクをご参照下さい。


というわけで、本日は2023年に新設された残りの2属について、Jose Antonio Vázquez-Garciaらの2023年の論文、『Chazaroa Y Quetzalcotilia, DOS GENEROS NEVOS SEGREGADOS RESPECTIVAMENTE DE Echeveria Y Graptopetalum (Crassulaceae, Saxifragales)』を見ていきます。

エケベリア属の分解
近年の分子研究はエケベリアが単系統ではないことを明らかにしています。これは、系統発生学的なアプローチを含む、再検討と再定義が必要です。Cruz-Ropez(2019)らは、Urbinia属を再確立し、
OccidentalesやPaniculatae、Valvataeなどのエケベリアの列(Series)がGraptopetalumとより近縁であることを示しました。このことは、Moran (1963)の観察を裏付けものです。E. valvataはValvata列を代表する種ですが、重花弁ではない弁つきの花弁と萼片を持つため、エケベリアとは区別されると主張しています。さらに、直立した萼片や孤立したCincino花序(※1)、密に重なり合う苞葉など、Pachyphytumに近縁です。
以上のことにより、系統発生学的、形態学的、地理的証拠に基づき、分子系統的に分離が高い支持を得ているクレード、さらに非常に特徴的な形態を示す2つの分類群を新属として分離することが適切であると考えています。

※1 ) 集散花序で、枝が同じ平面上に配置されず螺旋状となる。

新属チャザロア
Chazaroaはエケベリア属とは形態的に異なります。エケベリアの属内分類であるNudaeやSpicatae、Racemosae、Mucronataeは0か1個の小苞に囲まれ独立したCincinoを持つ芯花(※2)がありますが、Chazaroaは各花が2つの苞小節で囲まれた穂状花序または総状花序を持ちます。エケベリア属内分類のCiliataeは無毛のものがありますが、Chazaroaは有毛です。エケベリア属内分類のUrceolataeやLongistylaeは五角形の花冠の側面は平らか溝がありますが、Chazaroaは五角形あるいは円筒形の花冠の側面は少し丸みを帯びています。エケベリア属内分類のSecundaeやChloranthae、Pruinosae、Angulatae、Occidentales、Thyrsiflorae、Gibbifloraeとは花弁が弁状か非弁状かが異なります。
Chazaroaはリュウゼツランなどの研究者であるMiguel J. Chazaro-Basanezに献名されます。


※2 ) 花の中央部分。雌蘂と雄蕊を合わせた部分。

Chazaroaには以下の3種類が含まれます。
①Chazaroa calycosa
 =Echeveria calycosa
https://inaturalist.lu/taxa/1494950-Chazaroa-calycosa

②Chazaroa valvata
 =Echeveria valvata
https://inaturalist.lu/taxa/1494948-Chazaroa-valvata

③Chazaroa yalmanantlanensis
 =Echeveria yalmanantlanensis
https://www.inaturalist.org/taxa/1494949-Chazaroa-yalmanantlanensis

新属ケツァルコアトリア
Quetzalcoatliaはメキシコ西部に集中して分布し、全種が半径101km以内の範囲にあります。
Quetzalcoatliaは複雄性(通常は10雄花)であり、単雄性(5雄花、まれに4雄花、6雄花、8雄花)であるGraptopetalumとは異なります。また、Quetzalcoatliaは葉がピンク色か紫色であることが多いことなどが異なります。Quetzalcoatliaに含まれる3種類は、分子系統解析では高度に支持された系統群を示し、Graptopetalumとは弱く関連があります。


Quetzalcoatliaには以下の6種類が含まれます。
①Quetzalcoatlia glassii
 =Graptopetalum glassii
https://www.inaturalist.org/taxa/1496056-Quetzalcoatlia-glassii

②Quetzalcoatlia kristenii
 =Graptopetalum kristenii
https://www.inaturalist.org/taxa/1496057-Quetzalcoatlia-kristenii

③Quetzalcoatlia pentandra
 =Graptopetalum pentandrum
https://www.inaturalist.org/taxa/1496059-Quetzalcoatlia-pentandra

④Quetzalcoatlia rosanevadoensis
 =Graptopetalum rosanevadoense

⑤Quetzalcoatlia superba
 =Graptopetalum superbum
https://www.inaturalist.org/taxa/1496062-Quetzalcoatlia-superba

⑥Quetzalcoatlia trujilloi
 =Graptopetalum trujilloi
https://www.inaturalist.org/taxa/1496063-Quetzalcoatlia-trujilloi

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
EcheveriaからChazaroaを、GraptopetalumからQuetzalcoatliaを分離・独立させました。この論文にしろ、Jeronimoaにしろ2023年に同じグループによる研究です。いずれも論文内でエケベリアなどのベンケイソウ科植物の再編の必要性を指摘しています。これは、ベンケイソウ科植物の遺伝子を解析した複数の研究結果に基づいており、やはりエケベリアやセダムが単系統ではないという結果は共通しています。私も過去に記事にしていますから、以下のリンクをご参照下さい。



以上のようにベンケイソウ科植物の再編は必然ですが、著者らの新設した3属はその始まりなのかもしれません。しかし、本丸であるセダムの膨大な種の整理にはどれだけの時間が必要なのか分かりません。少しずつ整理されていくのでしょうか。また、何か進展がありましたら記事にしたいと思います。


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いよいよ、12日は五反田TOCでビッグバザールが開催されますね。行けたら覗いて来ます。ということで、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介します。

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Euphorbia resinifera
「白角キリン」と呼ばれるユーフォルビア。少し焦がしましたが、去年は元気でよく育ちました。
モロッコ原産ですが、花はミツバチの採蜜にとって非常に重要で、蜂蜜が特産品ということです。

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Euphorbia guillauminiana
去年のグイラウミニアナはなかなか良い生長具合でした。12月近くまで屋外で断水していたため葉は落ちましたが、室内に取り込んで水やりしたら葉が出てきました。とはいえ、これから寒くなるでしょうから、生長するほどではないでしょうね。


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Euphorbia imperatae cv.
インペラタエの斑入り品種。今までは剪定してきませんでしたが、今年は枝を切り詰める予定です。剪定を繰り返せば枝が増えて、花が沢山咲きますからね。そういえば、インペラタエは2021年にミリイの変種から独立しました。


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Gymnocalycium pungens
プンゲンスは良いトゲが出ています。プンゲンスはギムノの中でも、かなり刺さりやすいトゲを持ちます。ちなみに、プンゲンスは現在はG. schickendantzii ssp. schickendantziiの異名扱いとされています。


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Adenia goetzei
ゴエトゥゼイは冬でも元気につるを伸ばしています。どうやら巻きついたりしないタイプのつるのようです。


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2025年になってしまいましたが、去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の記事の続きです。イベントホールに置かれた大量の鉢植えを見学中です。

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インドセンダン Azadirachta indica
「ニームノキ」としかラベルにありませんでしたから、何かと思ったらどうやらインドセンダンのことでした。伝統医療に使用する「ニームオイル」を採取するなど、生活に利用されているそうです。

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クッカバラ
小型のセロームのようなフィロデンドロン。しかし、ラベルには「クッカバラ」とだけありましたが、実に奇妙な名前です。「クッカバラ」とは「Kookaburra」、つまり「ワライカワセミ」のことです。学名はPhilodendron Kookaburraと書かれがちですが、そのような学名のフィロデンドロンはありません。調べると、P. xanaduであるとも書かれていました。しかし、P. xanaduはブラジル原産で、オーストラリア原産のワライカワセミとイメージが合いません。オーストラリアで流行った的なことが書いてあるサイトもありましたが、ちょっと怪しく感じてしまいました。そもそも、「Philodendron Kookaburra」で検索しても日本語のサイトしかヒットしない時点で、日本で売る際に業者が勝手につけた名前のような気がします。

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ブシュカン Citrus medica 'Sarcodactylis'
いわゆる「仏手柑」で、人の手のような不思議な形の実がなる柑橘類です。ラベルにはシトロン(C. medica)の品種のように書かれていますが、現在はレモンの1種とされています。つまり、「Citrus × limon」です。レモンは交雑種で、C. maxima(ザボン) × C. medica(シトロン) × C. reticulata(マンダリンオレンジ)ということです。
そういえば、高知県では柚子やスダチのような小型の柑橘である「ぶしゅかん」があるそうで、ややこしいですね。こちらは区別のためにひらがな表記なのだとか。


241201102753924
ヒロハケンチャヤシ Howea forsteriana
キュー王立植物園のサイトでは、解説ではLord Howe島原産とあるのに、分布欄にはNorfolk島原産とありました。どちらが正しいのでしょうか。


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サトウヤシ Arenga pinnata
砂糖を採るために商業的に栽培される椰子ですが、プランテーションに向かないようです。東南アジアの原産。
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幹はやたらにゴツいですね。

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サンジャクバナナ Musa acuminata 'Dwarf Cavendish'
矮性バナナですが鉢栽培されています。そういえば、筑波実験植物園でサンジャクバナナの花を見ました。学名はマレーヤマバショウ(M. acuminata)の園芸品種です。現在流通しているバナナはほとんどが「Cavendish」ですが、正確にはサンジャ
クバナナはその矮性品種ということになります。以前の食用バナナの主流だった「Gros Michel」がパナマ病で壊滅的なダメージを受けたことにより、耐病性に優れていたためCavendishが選ばれました。次点で形やサイズ、運搬中に変色しないなど、必ずしも味で選ばれたわけではないため、CavendishはGros Michelより味が落ちるとされているようです。

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センニンカズラ
センニンカズラと呼ばれるものには2種類あり、葉色が明るく光沢があるPhilodendron bipennifoliumと、葉色が灰緑色で光沢が弱いPhilodendron panduriformeがあるとされているそうです。この個体はP. bipennifoliumということになるのでしょうか?


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タンクブロメリアが開花しています。Aechmeaでしょうか?

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コモチクジャクヤシ Caryota mitis
コモチクジャクヤシは特徴的な葉を持ちます。新宿御苑でも鉢植えのコモチクジャクヤシを見ましたが、やはり地植えの板橋区立熱帯環境植物館が素晴らしいですね。かなり巨大で2階の空中歩道から房なりの果実を見ることが出来ました。


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ラベルがないので名前が分かりませんが、毛に覆われた茎からするとワタゲカズラ(Philodendron squamiferum)でしょうか?

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美しいタンクブロメリアです。

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トックリラン Beaucarnea reculvata
温室ではよく見るトックリランです。地植えの方が迫力が出ますね。筑波実験植物園の群生展示は見事でした。
一般的にはNolina reculvataとされてきましたが、現在はBeaucarneaに統合されました。ちなみに、ラベルのNolina reculnataは誤記。


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タイヘイヨウグルミ Inocarpus fagifer
太平洋諸島に広く分布するマメ科植物。クルミの仲間ではありませんが、有毒な種子は加工することにより食用となります。


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今回で温室は終了です。後は夢の島熱帯植物館の周囲をぐるりと1周して帰りました。次回でラストです。


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新年明けて、多肉植物の初売りがチラホラ開催されたようですが、私用がありいずれも行けませんでした。どうやら、2025年の初イベントはビッグバザールになりそうです。
さて、本日も我が家の多肉植物を少しご紹介しましょう。


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Adenia keramanthus
樹木タイプのアデニアですが、新しい葉が出ています。

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Commiphora mildbraedii
ミルドブラエディイも葉を出しています。同時に3種類のコミフォラを入手しましたが、ミルドブラエディイだけ元気です。

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Euphorbia lophogora
ロフォゴナは一番花から二番花が出ています。花キリンではよく見る花茎の分岐方法です。花から花が出ているようで奇妙に見えますが、花弁に見えるものは苞なので、蕾に一番近い苞葉の脇芽と考えるならばそれほど不思議なことではありません。

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Aloe florenceae
フロレンケアエは葉が増えて、いよいよ美しい姿を見せてくれています。
2004年にマダガスカルで発見された小型アロエ。

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怪竜丸
怪竜丸は生育良好です。少し窮屈そうですね。怪竜丸はGymnocalycium basiatrumに比定されるギムノカリキウム。



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2024年は多肉植物関連の論文を、60本程度ご紹介しました。記事にした論文は必ずしも2024年の新しいものばかりではありませんが、いくつかは2024年出版のものもありました。さて、その中でも気になるニュースがいくつかありましたから、本日は少し振り返ってみました。

①1000年前のコミフォラ種子が発芽
イスラエルの砂漠の洞窟から、約1000年前の種子が発見され、播種したところ発芽しました。まだ開花していませんが、特徴や遺伝的にはコミフォラであることが分かりました。「Sheba」と仮に命名されましたが、聖書に記述がある薬用植物の「tsuori」である可能性を指摘しています。


②新属・エキノアガベの誕生
アガヴェ属の系統解析により、Paraagave、Paleoagave、Echinoagaveを分離する提案がなされています。


③新種のユーベルマニアの発見
ユーベルマニア属の分子系統解析により、Ubelmannia nudaが分離されました。ブラジルのGerais州の原産で、遺伝的にはU. pectiniferaに近縁です。半地下生など珍しい特徴を持ちます。

https://www.cactuspro.com/forum/read.php?1,921125


④新種の多肉植物たち
★中国の浙江省より新種であるSedum xunvenseが説明されました。S. formosanumに似ていますが、いくつかの特徴と遺伝的に独立していることが確認されています。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません

https://www.researchgate.net/figure/Sedum-xunvense-YL-Xu-P-Li-sp-nov-A-Habitat-B-Population-C-Habit-D-Habit_fig3_379892287

★メキシコのMichoacanより、Echeveria sotoiが説明されました。E. gibbifloraに似ていますが、茎は細く背が高くなり、葉はより細く紫がかる灰白色にはならないことや、花のいくつもの細かい特徴が異なります。

https://mexico.inaturalist.org/taxa/1523120-Echeveria-sotoi

★メキシコのMichoacanより、Echeveria coalcomanensisが説明されました。

★メキシコのJaliscoより、Echeveria cuevasiiとEcheveria vazqueziiが説明されました。E. cuevasiiは亜低木状で中型のロゼットなどSeries NudaeのE. flammigeraと特徴を共有していますが、短枝が少なく葉が長く花序あたりの花が多いなど異なる特徴があります。E. vazqueziiはE. marianaeやE. novogalicianaと似ていますが、大きく無毛のロゼット、短い花序、Series Gibbifloraeに典型的な複数の花序からなる円錐花序を持ちます。

https://inaturalist.ca/taxa/1557251-Echeveria-vazquezii

メキシコのJaliscoより、新種であるEchinoagave nievesiorumが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。

https://phytotaxa.mapress.com/pt/article/view/phytotaxa.647.2.2


★ブラジル北東部のCeara州からタキンガの新種、Tacinga mirimが説明されました。いままで、より大型のT. palmadoraと混同されてきました。

https://conexaoplaneta.com.br/blog/nova-especie-de-cacto-e-identificada-no-ceara/

★コロラド州西部からスクレロカクタスの新種、Sclerocactus dawsoniaeが説明されました。S. glaucusより小型でトゲが少なく、遺伝的にも異なります。

https://guatemala.inaturalist.org/taxa/1551384-Sclerocactus-dawsoniae

★メキシコのBajio地域からマミラリアの新種、Mammillaria ariasiiが説明されました。M. hahnianaに似ています。

https://www.inaturalist.org/taxa/1543654-Mammillaria-ariasii/browse_photos

★メキシコのSan Luis Potosi州からオプンチアの新種、Opuntia fortanelliが説明されました。

https://mexico.inaturalist.org/taxa/1538864-Opuntia-fortanelli


最後に
すべての多肉植物の論文をチェックしているわけではありませんから、あくまでも個人的な多肉植物ニュースに過ぎませんが、インパクトがあるものをチョイスしました。また、新種に関してはやはりすべてを把握しておらず、しかもアガヴェ、サボテン、エケベリア、セダムしかチェックしていません。しかし、それでも驚くべき発見がありました。近年の多肉植物の論文は遺伝子解析が基本となっており、以前より確実性が高くなっています。名前や分類がコロコロ変わる時代は終焉に近いのかも知れません。①は偶発的な発見でしたが、②は遺伝子解析による過去の分類の変更です。また、③は新種の発見ですが、④を見ただけで新種が発見され続けていることが分かります。これからも発見は続くでしょう。


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今日も去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の続きです。今回はイベントホールの鉢植えを堪能しました。

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リュウガン Dimocarpus longan
いわゆる「龍眼」で、果実は中華料理や漢方に利用されます。ちなみに、ラベルには「Euhoria longan」とありましたが、これは「Euphoria」の誤記ですね。さらに、Euphoria longanは現在はDimocarpus longanの異名とされています。

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果実が見られないのは残念。

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Macadamia integrifolia
マカダミアナッツの1種で、4種類あるマカダミアナッツの中でインテグリフォリアはもっとも一般的な種です。オーストラリア原産。

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インテグリフォリアは新宿御苑でも見かけましたが、果実を見たのは初めてです。

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Chamaedorea oblongata
幅が広く薄い美しい葉を持つ中米原産の椰子。ちょうど果実がなっていました。


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キンキジュ Pithecellobium dulce
「Pithecelebium dulce」とラベルにありましたが、これは誤記です。中南米の原産ですが、世界中の熱帯で栽培されます。「金亀樹」と書くらしいですね。

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見るからにマメ科の植物。豆は食用とのこと。
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通常は白花です。園芸品種でしょうか?

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パキラ Pachira
100均でもお馴染みのインテリア植物ですが、育つと普通に樹木として育ちます。ラベルには「パキラ」としかありませんでしたが、パキラ属は54種ありますから種の判別は困難です。ただし、日本で流通しているのはカイエンナッツ(P. aquatica)が一般的のようです。しかし、P. aquaticaとされて栽培される植物は、実際にはP. glabraであるという情報もあります。ここらへんはよく分かりませんね。
カイエンナッツの果実は食用とされることもありますが、有毒なソラニンが含まれており食用が禁止されている地域もあるようです。

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パキラと言えど育つと高さ20m程度にはなるので、幹も実に立派です。

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ソーセージノキ Kigelia africana
新宿御苑でも見かけましたが、5〜10kgにもなるソーセージ型の果実がぶら下がる奇妙な姿はまだ見たことがありません。熱帯アフリカに広く分布します。


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バンレイシ(シャカトウ) Annona squamosa
バンレイシの樹を見たのは初めてです。「釈迦頭」の由来となった特徴的な果実は、まだ見たことはありません。中米原産。

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幹はかなり立派でした。高さ3〜8mとなるようですから、すでに開花している株かも知れません。

イベントホールはまだ続きます。


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寒くなって来ましたが、日中は何だか暖かい感じですね。室内の多肉植物たちも割と生長しがちです。本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia opuntioides
オプンティオイデスが初開花しました。なぜか、特徴である扁平な形になりません。そういえば、オプンティオイデスは多肉ユーフォルビアには珍しくアンゴラ原産ですね。


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鳳頭
鳳頭は入手時はまだ特徴がはっきりしていませんでしたが、ようやくそれっぽくなって来ました。そういえば鳳頭や瑞昌玉、竜頭あたりはGymnocalycium quehlianumとされているらしいのですが、今はどうなっているかよく分かりません。しかし、G. stellatumやG. asteriasはG. quehlianumの異名とされているのは変わりないようです。


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武勲丸
武勲丸は実に扁平に育っています。そういえば、武勲丸やバッテリーはGymnocalycium ochoterenaeとされています。


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Aloe calcairophila
カルカイロフィラはだいぶ育ち、葉の枚数が増えて見栄えが良くなってきました。アロエには珍しく葉がロゼットにならず、二列性のまま育つ小型種。

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Agave albopilosa
新属である
Echinoagaveへの移動が提案されているアガヴェです。冬でも新しい葉が出ています。よく見ると葉縁に微細な鋸歯がありますね。尖端のトゲはやがて繊維が解けて毛の束のようになります。まだ小さいので特徴があらわれるのはいつの日になるでしょうか?

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Fouquieria diguetii
ディグエティイは寒くなり、水を切り気味でも葉が良く出ています。Fouquieriaは苗のうちは水が切れるとすぐに葉が落ちてしまいますが、根が木質化してきたせいか葉が落ちませんね。


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さてさて、絶賛正月中ですが、何事もないかの如く、去年の12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きを記事にします。前回はメインの大温室が終わり、食虫植物の温室を廻ったところまででした。食虫植物温室の反対側のドアを開くと、屋外のオーストラリア庭園となっています。2階にありますから空中庭園ですね。

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池がありましたが、12月ですから少し淋しい感じかも知れません。

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ところが、まさかの屋外のサラセニア。サラセニアは寒さも平気そうです。

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ギョリュウバイ Leptospermum scoparium
寒い中、ギョリュウバイが咲いていました。ギョリュウバイはミツバチの蜜源として重要で、蜂蜜はマヌカハニーと呼ばれています。


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Banksia integrifolia
何気なくバンクシアがありました。屋外でも育つものなのですね。インテグリフォリアは神代植物公園の温室で見たことがありますが、ここの個体の方が立派です。
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葉はこんな感じ。
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葉裏は白。
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果実が出来ています。火事に会うと種子が飛び出す仕掛けです。オーストラリアの乾燥地は火事がつきものですからね。植物も適応した生態を持ちます。
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運良く花が咲いていました。初めてみましたね。ラッキーでした。

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1階に植えられた樹木の林冠がちょうど見えます。
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毛に覆われた蕾が見えます。たぶん、カミヤツデ(Tetrapanax papyrifer)ですよね。中国南部、台湾の原産。

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さて、建物に戻りイベントホールに到着しました。ここが終点です。鉢植えの植物が沢山並んでいました。

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2階から見下ろすと、何やら気になる植物があります。
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リュウケツジュ Dracaena draco
リュウケツジュは温室栽培すると、枝分かれしないで単幹になりがちです。しかし、珍しいことにこの高さで枝分かれしています。カナリア諸島原産。


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パラワンヤシ(マニラヤシ) Adonidia merrillii
スッキリした樹形の美しい椰子です。ボルネオ、フィリピンの原産。

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オオミノトケイソウ Passiflora quadrangularis
いわゆるパッションフルーツです。特徴的な花が見られなくて残念。ブラジル、コロンビア原産。

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タヒチモンビン Spondias dulcis
果実は食用です。ニューギニア周辺の原産。

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ちょうど実がありました。果実は緑色のうちに落ちて、その後に黄金色に熟すそうですから、まだ未熟ですね。どのような味なのでしょうか?

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斑入りのパキラが美しいですね。

さて、本日はここまでとしましょう。イベントホールの植物たちはまだ沢山ありました。続きます。


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新年明けましておめでとうございます。
本日は元旦ですが、いつも通り我が家の多肉植物を少しご紹介しましょう。ダシリリオンとハウォルチアをいくつか室内に取り込みました。


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大晦日まで野外に置いていたダシリリオンを取り込みたした。大丈夫そうな気もしますが、まだ若い苗なので一応です。しかし、ダシリリオンはこう見ると、本当に見分けがつきませんね。

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Dasylirion longissimum
国内でロンギシムムの名前で流通しているダシリリオンは、実はクアドラングラツムです。これは海外でも事情は概ね同じで、学術的にも混同されてきました。しかし、ロンギシムムは葉の根元にもトゲがあるということです。

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Dasylirion quadrangulatum
こちらはビッグバザールで購入したクアドラングラツム。上記のロンギシムムとされたダシリリオンと特徴的に同じです。

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Dasylirion berlandieri
ベルランディエリは葉が平らで強いトゲがややまばらにあります。


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Dasylirion serratifollum
セラティフォルムは葉が巻いて断面がC形になります。トゲも密につくようです。

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H. nigra BK 596
割りと一般的なニグラ。しかし、この渋さが好きなんですよね。


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H. beanii IB 284
ベアニイはH. viscosa var. viscosaのタイプ違いで、現在はvar. viscosaに含まれます。かなり大型で割りと滑らかな肌を持ちます。


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H. tessellata IB 6776
テセラタの大型のタイプ。実にワイルドな仕上がりです。


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H. scabra var. morrisiae VA 6451
スカブラ変種モリシアエ。明るい肌色と短葉が特徴的ですね。

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H. tuberculata var. subexpansa
H. scabra var. scabraに含まれます。しかし、素晴らしい結節が目を引きますね。


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H. koelmaniorum
コエルマニオルムは非常に充実しています。

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Aloiampelos
A. tenuior(左)とA. gracilis(右)も室内に取り込みました。A. striatulaは寒さに強いので外に出しっぱなしですが、この2種はよくわかりません。A. tenuiorは葉が薄いので霜にやられそうな気もします。


我がブログも丸3年が経過し、書いた記事はなんと1024記事になりました。今年も良い記事が書けるよう努めますので、皆様今年もよろしくお願い申し上げます。


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さて、今年も終わってしまいますが、年末恒例の振り返り企画です。2024年の読書を振り返ります。今年は本を読む時間かあまり取れず、ほぼ新刊で52冊しか読めませんでした。買った本が積読状態で積み上がっています。しかし、今年は非常に良い本が沢山ありました。少しご紹介しましょう。

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第一位: 『野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?』
朝日新聞取材チーム / 著、岩波ジュニア新書
近年、日本では熊が人里に頻繁に出没するようになり、大きな問題となっています。基本的に熊は殺処分されますが、一部の人たちから非難の声が上がっています。つまり、殺される熊が「かわいそう」だというのです。非難の声を聞いていると、大抵の意見があまりに無知であることに驚きます。何かを批判するならば、対象や問題点について詳しく調べることは当たり前のことです。私自身は熊の殺処分に反対するという意見に、必ずしも反対ではありません。しかし、現状のような無知と無責任からなる非難には、まったく同意しかねます。というわけで、本書の出番です。
本書は専門家が解決策を指南したものではなく、野生生物の保護問題についての基本的な問題と実情を取材したものです。読んで思うこととして、その解決は容易ではないということが分かります。そして、様々な視点があり、様々な思いがあります。ですから、安易な解決策ではなく、実情を知った上で読者が考えるための本と言えるでしょう。岩波ジュニア新書ですから、高校生でも読めるレベルの平易な文章です。本気で熊を救いたいと考えているならば、最低限このような本を読んで自身で考えてみても良いのはないでしょうか? 


第二位: 『特殊害虫から日本を救え』
宮竹貴久 / 著、集英社新書
日本には沢山の外来種が侵入しており、定着してしまったものもあります。外来種は生態系への影響が大きく、対策は後手に回りなかなか解決し難い難問です。本書はそんな外来生物の中でも、「特殊害虫」に焦点を当てた一冊です。特殊害虫とは農作物の外来性の害虫を指しており、我々の食生活に直接関わる問題です。
内容的には有名なウリミバエとミカンコミバエの根絶の話が中心となります。ノンフィクションの傑作である『害虫殲滅工場』(小林照幸 / 著、中央公論新社)を読んでいましたから概要はわかっていましたが、生態学などの学術的な論点も多くより濃厚でした。
さらに、本書ではサツマイモを加害するアリモドキゾウムシやイモゾウムシとの戦いについて解説されます。よりグローバル化した現代社会が進行している以上、新しい特殊害虫の侵入は防ぎようがありません。そして、特殊害虫の被害地域から個人間のやり取りで、宅配された野菜に特殊害虫がついているパターンが見出されたことは実に恐ろしいことです。この場合は検疫を簡単にすり抜けます。そして、まったく特殊害虫を警戒していない地域に広まるのです。これは、終わりのない果てなき戦いです。せっかく根絶しても再侵入する可能性があり、実際に起こってしまいました。我々の食生活を支える基盤は、実に危ういものであることが分かりました。


第三位: 『アメリカ黒人の歴史』
上杉忍 / 著、中公新書
本書は2013年に出版されたものの改訂版となります。私自身、三角貿易関連については何冊か読んでいたので、まったくの無知というわけではありませんでしたが、知らないことの方が多かったかも知れません。一応は簡単にアメリカの奴隷制についても理解しているつもりでしたが、詳細や実例となると分からないものです。
アメリカ合衆国史として読んでも面白く、歴史の進行と共にアメリカ合衆国の黒人の活動や生活、文化が語られていきます。奴隷制や奴隷制の廃止、公民権運動もまたアメリカ合衆国の歴史を彩る重大なピースであることは明白でしょう。
さて、本書の珍しいところは、「その後」があることです。公民権運動より後の揺り戻しや、黒人文化の浸透、さらにはBLM運動や黒人初のアメリカ合衆国大統領バラク・オバマの登場までと歴史は続きます。それでも、残念ながらまだ黒人を巡るアメリカ合衆国の差別はなくなったとはとても言えない状況です。これからも戦いは続くのでしょう。


第四位: 『テロルの昭和史』
保阪正康 / 著、講談社現代新書
昭和初期に立て続けにテロルが起きましたが、恐ろしいのはそれが糾弾の対象にならなかったことです。むしろ、美談として語られてしまう時代の空気感がありました。その空気感は二・二六事件につながり、そして戦争への道を突き進んで行くことになります。
このように、殺人やテロルを容認あるいは称賛することは、非常に危険なことです。しかし、極一部とはいえ、安倍元首相が殺害されたことを称賛する向きがあったことは実に残念です。それは、安倍元首相のシンパだからではなく、例えそれがどのような人物であれ殺人を称賛することは出来ないからです。もしも問題があるならば、政治家ならば選挙により落選させるべきで、違法行為があるならば司法により裁かれるべきでしょう。安易に殺人やテロルを容認してしまえば、歴史はやがて戦争に向かってしまう道を歩んでしまうのかも知れません。


第五位: 『アフリカ哲学全史』
河野哲也 / 著、ちくま新書
これは待ちに待った本です。個人的にアフリカの文化や歴史について興味があり、それなりに既存書を読んできました。しかし、それも少なく、思想・哲学については何も分からないままでした。しかし近年、ちくま新書で「世界哲学史」というシリーズが始まり、アフリカの哲学についても取り上げられており、感激したことを覚えています。どうやらその関連らしく、ついにアフリカ哲学について単独の本が出たという経緯です。400ページ超の労作ですが、あっという間に読み終わりました。しかし、なんと言っても巨大なアフリカすべてが範囲です。これでも足りないかも知れません。それでも「世界哲学史」という潮流が出来ていますから、これからもアフリカ哲学についての著作が出版されるでしょう。楽しみに待つことにします。

第六位: 『バトラー入門』
藤高和輝 / 著、ちくま新書
ジュディス・バトラーと言えばポストモダンの哲学者として扱われることが多く、私もそのイメージでした。とはいえ、バトラーを単独で扱う本はまあほとんどありません。しかし、稀有なことに本書はバトラーのフェミニズム理論に対する入門書です。フェミニズム理論の入門書も読んだことはありましたが、あくまでも摘んだ程度です。ですから、基本的な知識を得られただけでも良かったのですが、本書はフェミニズムの根本についての経緯と内容について丁寧に解説されており大変勉強になりました。

第七位: 『生命と非生命のあいだ』
小林憲正 / 著、講談社ブルーバックス
生命の誕生に関する本ですが、非常に興味があり地道にいくつかの本を読んできました。様々な仮説が提唱されてきましたが、それぞれ良し悪しがあり決め手がありませんでした。それらのまとめと、新たな仮説の紹介があり勉強になりました。新刊案内を書いていますから、以下のリンクをご参照下さい。



第八位: 『世界哲学のすすめ』
納富信留 / 著、ちくま新書
一般的に哲学と言えば西洋哲学ですが、当たり前ですが西洋以外にも哲学はあります。しかし、残念ながら西洋以外の地域には哲学はなく、ただの思想に過ぎないという憶見に囚われている人が多いようです。これは、西洋哲学が哲学の内容を規定しているのだから、西洋哲学の規定から外れていれば哲学ではないというトートロジーに過ぎません。いよいよアジア地域やアフリカなどの地域毎の哲学が求められています。ちくま新書の「世界哲学史」シリーズ含め、世界哲学が盛り上がってきました。上で「アフリカ哲学全史」も出版されましたから、ますますこれからが楽しみになりました。

第九位: 『冷戦史』
青野利彦 / 著、中公新書
冷戦終結よりもう30年経ちましたが、冷戦の終結とソ連崩壊は、私の生きている間に起きた最大級の歴史的事件でしょう。80年代始めくらいまで、ソ連は自由に取材できませんでしたから記者は毎回代わり映えしない政府の公式発表を転載するしかありませんでした。しかし、長いブレジネフ停滞を経て、短いアンドロポフとチェルネンコを経て、いよいよゴルバチョフの登場により「グラスノスチ」が始まります。ゴルバチョフの登場は劇的で、89年前後くらいにはソ連や冷戦に関する著作が星の数ほど出版されました。とまあ、冷戦史の本については少しずつ集めてきましたが、なんと今の時代に上下巻で出版されました。嬉しい限りです。


第十位: 『新版 メディアとテロリズム』
福田充 / 著、新潮新書
単純なメディア批判の本ではありません。安全保障やテロに対する国やメディアのあり方を、他国の制度や規則、実際の事件への対応まで絡めて詳しく解説しています。
戦後、軍国主義への反省から、安全保障やテロ対策に関する言説は、メディアや大学でもタブーとされ、議論することすら困難な状況であったようです。ですから、政府も何か起きても場当たり的な対応しか取れませんでした。近年、テロ対策関連の法案が採択されましたが、著者はその姿勢を評価しています。しかし、ニュースを見ていると批判が多く、やはり未だにテロ被害の当事者になるかも知れないと言う意識が、大多数の日本人には希薄なのだろうと私も思いました。

最後に
というわけで、今年読んだ本のベスト10でした。あくまでも私個人の興味の範囲の中ですから、まあそれほど意味はありませんけどね。2024年最後の多肉植物ブログの記事が、まさかの読書の振り返り記事となってしまいました。
さて、この1年は結構多肉植物漬けでしたね。来年も多肉植物を楽しめたら良いのですが、忙しくなりそうでイベントに行けるか心配です。ともあれ、ブログはなるべく頑張るつもりです。来年も我がブログを何とぞ宜しくお願い申し上げます。皆様、良いお年を。


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さあ、やって参りました。年末恒例の我がブログの閲覧者の国籍別ランキングの時間です。今年で3回目ですから、まあ恒例というほどではありませんが…。
これは、私が閲覧者の情報をハッキングしたわけではなく、Google Seach Consoleというブログの管理のためのソフトの機能の一部に過ぎません。しかし、このGoogle Seach Consoleですが、私はまったく上手く活用出来ておらず、この年末企画の時だけ利用しています。
それはともかく、早速どの国や地域(※Googleの分類による)が我がブログを閲覧しているのでしょうか? ちなみに、日本が圧倒的に多いのは当たり前なので今年はランキングから省きました。この1年間の国別のアクセスのランキングを見てみましょう。ちなみに、()内は去年の順位です。

世界ランキング
1位(1) 米国     5473   
2位(4) ロシア    2062
3位(7) イギリス   1763
4位(6) インド    1414
5位(5) ブラジル   1258
6位(2) 韓国     1062
7位(-) ドイツ       777
8位(3) 台湾       707
9位(-) シンガポール    611
10位(-) トルコ        556

というわけで、第一位はアメリカ合衆国でした。圧倒的ですね。実は3年連続1位だったりします。やはり、アメリカ合衆国は多肉植物強国なんですね。伝統的な多肉植物強国のヨーロッパ諸国は、今やアジア地域にすっかり押されていますね。東アジアはもちろんですが、今一番勢いがあるのは東南アジアで、タイやインドネシア、ベトナムなどは園芸市場が非常に活発で、新品種の開発は世界屈指かも知れません。今年はシンガポールが初めて9位にランクインしました。

アジア地域ランキング
1位(3)  インド          1414
2位(1)  韓国        1062
3位(2)  台湾       707
4位(12)   シンガポール   611
5位(8)  トルコ      556
6位(6)  ベトナム     523
7位(14)   サウジアラビア  359
8位(4)  タイ       321
9位(5)  インドネシア   285
10位(9)   オーストラリア  209
11位(11) マレーシア    184
12位(7)   フィリピン    173
13位(18) イスラエル    136
14位(19) カザフスタン   112
15位(10) 香港       111
16位(17) アラブ首長国連邦 106
17位(13) 中国         87
18位(-)    ウズベキスタン           71
18位(15) パキスタン                   71
20位(-)    ヨルダン        61


今年のアジア地域の閲覧者ランキングの第一位はインドでした。個人的にはインドに多肉植物のイメージはあまりないのですが、実は1位→3位→1位ですから、毎年上位なんですよね。基本的に上位陣の顔ぶれはあまり変わりませんが、シンガポールとサウジアラビアが躍進しています。

ヨーロッパ地域ランキング
1位(1)  ロシア      2062
2位(2)  イギリス     1763
3位(4)  ドイツ        777
4位(5)  イタリア       551
5位(7)  スペイン       538
6位(3)  フランス       536
7位(6)  ウクライナ      470
8位(8)  オランダ       311
9位(9)  ポーランド      283
10位(13) ルーマニア      279
11位(18) ベラルーシ      221
12位(11) チェキア(チェコ) 179
13位(9)   スウェーデン     160
14位(-)    ギリシャ       158
15位(16) ハンガリー      146
16位(14) ブルガリア      127
17位(-)    ポルトガル      124
18位(-)    アイルランド     122
19位(15) ベルギー       106
20位(20) セルビア         98


ヨーロッパ地域の閲覧者ランキングはロシアが3年連続1位ですね。ロシアはアジアのような気もしますが、歴史的な関係性ではヨーロッパの方が濃厚なのでヨーロッパに分類しました。イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダ、ポーランドあたりは毎年上位で安定しています。

アメリカ地域ランキング
1位(1)  アメリカ合衆国        5473
2位(2)  ブラジル           1258
3位(4)  メキシコ             372
4位(3)  カナダ              316
5位(5)  アルゼンチン           168
6位(9)  ペルー              124
6位(6)  コロンビア            124
8位(8)  チリ                  73
9位(11)   ベネズエラ               63
10位(10) エクアドル                  48
11位(12) ドミニカ             44
12位(-)    ホンジュラス     30
13位(14) トリニダード・トバゴ 26
14位(13) ボリビア                25
15位(15)    ジャマイカ            22
16位(7)   ウルグアイ            19
17位(-)    パナマ              17
17位(-)       パラグアイ            17
19位(-)       コスタリカ            16
20位(-)       バハマ              15

アメリカ地域も上位陣は毎年安定していますね。アメリカ合衆国とブラジルは毎年強いですね。今年はランキング初登場の国も結構ありますね。

アフリカ地域ランキング
1位(2)  エジプト     341
2位(-)   アルジェリア   257
3位(1)  南アフリカ    160
4位(3)  モロッコ     115
5位(5)  ケニア        72
6位(4)  チュニジア      61
7位(8)  エチオピア         45
8位(-)   セネガル          38
8位(-)   ナイジェリア        38
10位(-)    マダガスカル        29
11位(6)      タンザニア         25
12位(-)    アンゴラ             21
13位(-)    ウガンダ          18
14位(-)    コートジボワール      18
15位(-)    コンゴ共和国     16
16位(-)    ルワンダ          15
17位(7)   ガーナ           14
18位(-)    トーゴ              13
19位(-)    ガボン              12
19位(-)    ザンビア             12

アフリカ地域は毎年閲覧者は少ないのですが、今年は多いですね。毎年、閲覧者はどんどん増えています。そのうち、全体のベスト10にアフリカ勢も入ってくるかも知れません。今年は初登場の国が沢山あります。上位陣は強いのですが、アルジェリアが一気に2位になり驚きました。

最後に
というわけで、2024年のブログ国籍別閲覧者ランキングでした。2024年に我がブログを閲覧した国や地域は、なんと191にもなります。去年は178でしたから、着実に増えていますね。
さて、一応はランキング形式でご紹介しましたが、これはあくまでも我がブログの傾向に過ぎませんから、これを世界の多肉植物の盛衰を示しているというのは無理がある話です。しかし、近年のアジア地域の盛り上がりはたまたまではないでしょう。これからは、ますます特に東南アジアが伸びていくでしょうね。
最後にオマケとして、ちと変わった国や地域をいくつか取り上げてオシマイとします。閲覧者数1の国や地域では、サントメ・プリンシペやグリーンランド、西サハラ、マイヨット島、ターコス・カイコ諸島、マン島、ジャージー、マーシャル諸島、米領バージン諸島など、閲覧者数2の国や地域では、ガイアナやレソト、グアダループ、セントビンセント・グレナディーン、仏領ポリネシア、蘭領カリブあたりは珍しい感じがします。



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本日も多肉イベントの振り返り企画です。下半期もあちこち行きました。まあ、とはいえ鶴仙園、ヨネヤマプランテイション、ビッグバザールと定番は決まっていますが…。
今年は飛鳥山公園で開催されたJSSのイベントや、多肉植物のイベントではありませんが神田神保町古本まつりや世田谷ボロ市にも行けませんでした。困ったものですね。


⑭多肉植物BIG即売会
横浜のヨネヤマプランテイションのイベントですが、今年2回目です。7月半ばに行きましたから、暑い最中ですね。4月のイベントはイマイチでしたが、今回はそれなりに充実していました。とはいえ、個人的にはマンネリ感があって、興味がある多肉植物はほぼ手持ちにあるわけです。
ここでは、Aloiampelos gracilisとEuphorbia brachyphyllaを購入しました。しかし、去年はアロイアンペロスはアロエ名義でしたが、ついにアロイアンペロスとして販売されるようになったのは感慨深いですね。



⑮コーナン港北インター店
前回同様、ヨネヤマプランテイションに行ったらコーナン港北インター店にも寄ります。特にこれと言ったものはありませんでしたが、「ブロウウインギアナム」というH. fasciataによく似た硬葉系ハウォルチアがありました。これは、H. fasciata var. brownianaですね。特徴的にはH. attenuataではありませんでした。


⑯鶴仙園
8月は暑いので外出は最低限としてましたが、所用があって外出したので鶴仙園にも寄って来ました。今年でなんと4回目の鶴仙園です。ビルが改装中で屋上に直行出来なくて、だいぶうろついてしまいました。
さて、ここでは面白いリミフォリアの変種であるH. limifolia var. ubomboensisを入手しました。



⑰9月のサボテン・多肉植物のビッグバザール
9月のビッグバザールは、前回に引き続き東京流通センターでの開催です。周囲に飲食店がほとんどないので、長い時間いる人は困るかも知れません。まあ、私はいつも1時間くらいの滞在で帰りますから、いつもお昼は上野あたりになります。
さて、今回のBBはアデニア満載でした。フィッシュボーンの実生苗も買いましたが、やはり今はアデニアに目が行きます。Babyleaf PlantsでA. Isaloensis、Succulent ConnectionでA. stenodactylaとA. goetzeiを入手しました。



⑱新宿御苑
9月末に新宿御苑に行きました。新宿御苑はそれほど広くありませんが、密度が高くて楽しい植物園でした。しかし、天気があまりよろしくなかったため、温室だけしか見れませんでした。広い園内も散策したいので、また来たいですね。


⑲そうか公園・夏祭りマルシェ
9月末に草加市の大型の自然公園であるそうか公園で開催されたマルシェに行きました。お目当ては多肉植物の出店ですが、Euphorbia alluaudii subsp. onchocladaを入手しました。


⑳多肉植物BIGフェア
10月には今年3回目のヨネヤマプランテイションのイベントに行って来ました。今回はいつもとラインナップが異なるようで、マンネリ化していた以前とはちょっと違いましたね。海外のソテツが結構あって気になりましたが、お値段的に断念しました。というのも、なんと翌日は木更津C & Sフェアが開催されるため、あまり散財するわけにはいかないからです。
というわけで、取り敢えずEuphorbia heterodoxaを購入。あと、コミフォラの実生苗が沢山並んでいたので3種類購入しました。コミフォラは興味がありましたが、現地球ばかりでしたから購入を見送ってきました。しかし、ついにコミフォラの実生苗まで流通し始めたようです。


㉑木更津Cactus & Succulentフェア
5月にあった木更津C & Sフェアには行けませんでしたが、10月のイベントは行けました。いやはや良かった良かった。しかし、前日は横浜、今日は木更津と移動が多い週末でした。
Babyleaf Plantsで少し毛深いAdenia karamanthusを購入。あとは、棒状のユーフォルビアを入手しました。


㉒多肉大集合!
たまたまですが、オザキフラワーパークのイベントを知ったので、先週末はイベントを連チャンしたにも関わらず見に行きました。それほど期待はしていませんでしたが、Cycas debaoensisという中国原産の珍しいソテツを購入しました。まあ、これは三度目の正直というやつで、BBとヨネヤマプランテイションで見かけていて買いませんでしたが、我慢の限界が来たのでウッカリ買ってしまいました。


㉔FEHN
11月に入りまたもや鶴仙園へ行って来ました。とはいえ、今回はPlant's Workとのコラボイベントで、沢山のハウォルチアが並びました。宝石のようなハウォルチアが並ぶ中、硬葉系のH. granulataやH. scabra var. lateganiaeを購入。本当は他にも気になるが沢山あったのですが、来週はBBなので控えました。


㉕11月のサボテン・多肉植物のビッグバザール
11月末のビッグバザールは五反田TOCに戻ってきました。相変わらずアデニアを探しましたが、Adenia stylosaとグランカクタスのAdenia venenataを入手。あと、まさかのラフレシアリサーチのCycas cairnsianaを発見。これだけでも満足でしたが、今年出た論文でAgaveからの分離が提案されている新属Echinoagaveを探しましたが、なんと珍しいAgave albopilosa=Echino albopilosaをカクタスブライトで発見。これだからビッグバザールは堪りませんね。


㉖夢の島熱帯植物館
11月のBBで今年のイベントは最後かなぁと思っていたので、12月はイベントがありませんでした。ということで、12月始めに夢の島熱帯植物館に行きました。今年3件目の植物園です。
夢の島では椰子の巨大さに驚かされましたが、意外にも食虫植物は今まで行った植物園の中では充実していましたね。しかし、年内に記事が終わらなかったのは遺憾でしたが、来年最後の記事で終わる予定です。



最後に
今年も多肉植物漬けの1年間でしたね。来年はどうするか考え中です。植物園巡りは続けるとして、イベントはどうでしょうか? そろそろ置く場所が怪しくなってきましたから、今まで考えなしだったわけですが、毎度バンバン買うわけにもいかなくなりそうです。とか言って、結局はあちこちフラフラとイベントに行ってしまいそうです。
そういえば、今年はアデニアに注目しており、今年は結局8種類のアデニアを入手しました。とはいえ、実は硬葉系ハウォルチアの方が買ってたりします。来年もアデニア探しは続けます。あと、数年来ユーフォルビアを見境なく買ってきましたが、最近はPencil-Stemのタイプが気になっています。今年もチョロチョロ買っていますね。というわけで、2024年の多肉植物のイベントでした。



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2024年ももう終わってしまいます。1年はあっという間でした。振り返れば、この1年は多肉植物のイベントに沢山行っていました。とはいえ、一時的に体調を崩したりもしましたが、全体的に忙しくなかなか時間が取れず、行けなかったイベントもいくつもありました。まあ、それでもずいぶん沢山のイベントに行きましたね。また、今年は積極的に植物園に行くつもりでいましたが、計画倒れであまり行けませんでした。
さて、年末ですから、この1年間の植物関連のイベントを振り返りたいと思います。まずは上半期、6月までを振り返ります。あと、イベントではありませんが、園芸店へ行った記事も追加しました。


①新年1月のサボテン・多肉植物のビッグバザール
2024年の正月明け早々にサボテン・多肉植物のビッグバザールが開催されました。BBの会場である五反田TOCが建て直すとか延期だとか、やっぱり建て直すと思いきや延期、結局は建て直しは中止と二転三転しまさしたね。
さて、新年一発目のイベントですか、相変わらずユーフォルビアというか花キリンを買ってしまいました。Euphorbia waringiaeという細長い葉を持つ見かけないタイプの花キリンです。まだ、国内ではほとんど流通していないのかも知れません。また、グランカクタスで魔天竜の小さな実生苗を買いました。


②サボテン・多肉植物プレミアムバザール
1月末にはサボテン・多肉植物プレミアムバザールが住友ビルの三角広場で開催されました。主催が同じなのでBBの延長戦みたいなものですね。1月始めのBBより冬型が多く、やや規模が小さいイベントでした。
なんだかんだでユーフォルビアを買いがちなので、新しく何かないかと探していたら、グランカクタスでAdenia olaboensisを見つけました。アデニアはA. glaucaが一般的で、後はA. globosaのデカい現地球しか見たことがなかったので嬉しかったですね。ここから、アデニア熱が始まってしまったわけです。あと、Baby Leaf PlantsでうっかりAloe fleuretteanaを買ってしまいました。アロエは少し買いすぎたので、買い控えようと誓ってきたはずなんですけどね。非常に美しいアロエだったもので…



③鶴仙園
2月に入って早々、鶴仙園へ。H. tessellata IB 6776というフィールドナンバーつきの素晴らしいテセラタを入手することが出来ました。あと、基本的にハウォルチアは硬葉系ばかりなのですが、軟葉系ではクロラカンタだけは渋くて好きなんです。ですから、H.
chloracantha var. denticuliferaを購入しました。


④世界らん展日本大賞
間を置かずに、世界らん展を見てきました。展示された蘭は素晴らしいの一言ですが、東京ドームからプリズムホールに移ったせいで、狭いは動線が悪いはで恐ろしいほどの混雑でした。正直、来年は行きたいとは思いません。


⑤3月のサボテン・多肉植物のビッグバザール
3月に入り今年2回目のビッグバザールへ。硬葉系ハウォルチアやらユーフォルビアもいくつか買いましたが、目玉はグランカクタスのEuphorbia mahabobokensisです。E. pyrifoliaグループの樹木状なのに花キリンではない珍しいユーフォルビアです。また、ラフレシアリサーチが珍しいことにFouquieria purpusiiの実生苗を沢山持ってきていたので買いました。しかし、その後はF. purpusiiの実生苗はチラホラ見かけるようになりましたね。


⑥JSS春の多肉市 in シマムラ園芸
3月末には埼玉のシマムラ園芸の第2ハウスで開催されたJSS春の園芸市が開催されました。NPO法人日本多肉植物の会の主催です。ここでは、H. scabra var. morrisiaeやフィールドナンバーつきのH. attenuataなどの素晴らしい硬葉系ハウォルチアを購入しました。


⑦多肉植物BIG即売会
4月始めには横浜のヨネヤマプランテイションで開催された多肉植物BIG即売会が開催されました。しかし、今回はどうも微妙で数も種類もイマイチでしたね。と言いつつ、多稜タイプのEuphorbia polygonaや黒竜を購入しています。


⑧コーナン港北インター店
ヨネヤマプランテイションのイベントの後、近くにあるコーナン港北インター店へ向かいました。ここでは、Euphorbia fimbriataやH. limifolia var. glaucophyllaを購入。イベントよりこちらの方が面白いものがありました。


⑨鶴仙園
4月半ばに今年2回目の鶴仙園へ。フィールドナンバーつきの素晴らしい硬葉葉ハウォルチア、H. beanii IB 284とギムノカリキウムの黒須玉を購入しました。


⑩コーナン草加松原店
コーナンが新しくオープンしたので、5月半ばに見に行きました。それほど園芸特化というわけではありませんでしたが、多肉植物はやや珍しいラインナップが並んでいました。記念にH. limifolia var. stoloniferaを購入しました。


⑪鶴仙園
残念ながら5月に開催された木更津C & Fフェアは仕事とバッティングして行けませんでした。代わりといってはなんですが、5月末に鶴仙園へ行って来ました。鶴仙園はすでに今年3回目。H. tuberculata var. subexpansaという素晴らしい硬葉系ハウォルチアと、花の形が良い花キリンのEuphorbia geroldiiを購入しました。


⑫6月のサボテン・多肉植物のビッグバザール
6月始めは今年3回目のビッグバザールへ行きました。五反田TOCビルのゴタゴタで、会場が東京流通センターに変更されて初めてのBBです。この回のBBは内容的にかなり多彩で、ついつい買いすぎてしまいました。
さて、相変わらずアデニアを探しましたが、デカいA. globosa以外ないようでしたが、ラフレシアリサーチのAdenia kirkiiの実生苗を購入。それ以外にも、Aloe pseudoparvulaやHaworthiopsis longiana、Euphorbia sepulta、Euphorbia suzannae-marnieraeと言ったやや珍しい多肉植物を購入。



⑬筑波実験植物園
6月末には筑波実験植物園へ行って来ました。ちょうど、「つくば夏の洋蘭展」が開催中で様々な蘭を見ることが出来ました。また、乾燥地の温室が素晴らしく、特に海外のソテツのコレクションは特筆に値します。撮影し過ぎてスマホが加熱してしまい、撮影スピードは落ちるは強制シャットダウンするはで大変でした。


イベントは続く
というわけで、2024年上半期の多肉植物関係のイベントやらでした。鶴仙園とBBに3回も行ってますね。しかし、まあ筑波実験植物園に行けたのがとても良かったです。植物園に行く行く言って上半期で1件なのは情ない話ですけどね。
明日の下半期に続きます。


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そろそろ、通常の記事は年内最後になります。後は2024年の振り返るとなります。ということで、年内最後の我が家の多肉植物たちの様子です。

241222134542940
Agave multifilifera
2022年4月の五反田BBでオマケでいただいたアガヴェです。1cmくらいの貧相な抜き苗でしたから、順調に生長しています。特徴であるフィラメントも出てきました。実は高地性でかなり寒さには強いみたいですが、まだ小さいので安全策で正月前に室内に入れました。

241222135639375
Euphorbia razafindratsirae
ラザフィンドゥラトゥシラエは葉は落ちましたが、花だけが咲いています。

241222141932773
紅彩ホリダ
紅彩ホリダが植物用ランプの光を浴びて、この寒さの中生長を開始しました。


241222135412266
Adenia venenata
この前の五反田BBで入手したヴェネナタですが、最初から落葉していました。しかし…

241222135341514
なんとなく新芽が出ているような気がします。

241222140329270
Aloe haworthioides
ハウォルチオイデスが開花しました。

241222140402580
アロエは鳥媒花が一般的ですが、これだけ小さな花ですから、虫媒花のような気もします。しかし、この花色は実に鳥媒花的です。不思議ですね。
241222140453373
名前の通りハウォルチアっぽいアロエです。太陽に透かすと綺麗ですね。

241222142045519
Gymnocalycium intertextum
インターテクスツムは今年も良いトゲを出しました。個体差が激しく、検索すると外見的にはまったく別種に見えるものばかりです。とはいえ、現在はG. ochoterenaeの1タイプ扱いです。



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さて、12月の始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。今回は食虫植物温室をご紹介します。

241201104002936
ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum
温室を出た通路に何やら鉢が並べてありますが、何気なく通り過ぎてしまいがちですが、全部ミラクルフルーツの鉢です。ミラクルフルーツの果実を食べると、レモン果汁などの酸味が甘味に感じるという不思議な植物です。

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探すとちょっとだけ実がなっていました。

241201114906169
右の扉はオーストラリア庭園ですが、先に左の扉にある食虫植物温室へ入ります。食虫植物については今年本を読んだので、興味深く見ました。その本はブックレビューを書きましたので、以下のリンクをご参照下さい。

食虫植物は貧栄養に対する適応で、昆虫などを捕獲して養分とする植物です。一応、定義がありますのでお示ししておきましょう。一般的には、①獲物の誘引、②獲物の捕獲、③獲物の分解、④養分の吸収、⑤養分の活用があるそうです。獲物を捕まえるだけでは駄目で、その養分を吸収してそれが生長に役立っている必要があります。というのも、例えば害虫対策にベタベタしている植物もあり、その場合は昆虫などがベタベタにくっついても分解されず、養分にはならないからです。定義を踏まえて見ていきましょう。

241201114921354
ハエトリグサ Dionaea spp.
ハエトリソウとかハエジゴクと呼ばれる食虫植物で、園芸店でも販売されることがあります。ハエトリグサの仲間は、食虫植物の定義のすべてを満たしています。捕虫器には1枚に3本の感覚毛があり、続けて2回触れると捕虫器が閉じます。空振りを防ぐ巧みな仕組みです。


241201114926587
温室内には食虫植物ではないTillandsiaやツツアナナスが沢山ありました。

241201114944222
沢山の種類の食虫植物が並びます。

241201115004211
サラセニア Sarracenia spp.
サラセニアはウツボカズラと同じ落とし穴型の食虫植物の代表的な例です。食虫植物の定義のすべてを満たしています。サラセニアは植物園ではお馴染みですが、野外に植えられることもあります。


241201115019211
ウツボカズラ Nepenthes spp.
ウツボカズラは代表的な食虫植物ですが、熱帯性で意外と育てにくい食虫植物です、ウツボカズラも食虫植物の定義のすべてを満たしています。
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小型の可愛らしいウツボカズラ。

241201115041513
Brocchinia spp.
ブロキニアは植物園でも見かけない落とし穴型の食虫植物です。パイナップル科のツツアナナスの仲間です。食虫植物の定義のうち、③獲物の分解だけは満たしていないとあります。しかし、他の生物により分解を受けるようで、すべての定義が満たされています。

241201115050578
筒状の葉の中心には水が溜まります。言わば食虫性のタンクブロメリアです。

241201115107347
ムシトリスミレの仲間 Pinguicula spp.
ベタつく葉で捕虫するトリモチ型の食虫植物。モウセンゴケのようには動きませんが、消化しやすいように葉を凹ませる程度は葉が動くようです。ムシトリスミレは食虫植物の定義のうち、①誘引は不明ですがそれ以外は満たしています。もしかしたら、知らないだけで未知の誘引物質が存在する可能性があるかもしれません。

241201115110318
花は非常に美しいですね。

241201115149595
ミミカキグサ Utricularia spp.
ミミカキグサはウトリクラリア属ですから、要するにタヌキモの仲間です。タヌキモは完全に水中性で、水中にある袋にミジンコなどを吸い込んで捕虫する吸い込み罠型です。タヌキモの仲間は食虫植物の程度のすべての定義を満たしています。ミミカキグサは土中に袋があるようです。

241201115203166
非常に小さい植物です。
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花がちらほら咲いていました。

241201115210364
モウセンゴケ Drosera spp.
モウセンゴケは粘液で捕虫するトリモチ型の食虫植物。獲物がかかると巻き込むように葉が動きます。モウセンゴケは食虫植物の定義をすべて満たしています。

241201115241350
奇妙な形の捕虫器。

植物園と言えど、展示イベントでもない限りはウツボカズラかあってもサラセニアくらいしか食虫植物はありません。ですから、常設でこれだけ豊富な食虫植物のコレクションを見ることは素晴らしいことですね。モウセンゴケやミミカキグサは十分珍しいのですが、ブロキニアには驚かされました。



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Euphorbia francoisiiと呼ばれる花キリンがありますが、現在はEuphorbia decaryiとされていま。しかし、Euphorbia decaryiという名前で流通している花キリンが他にあり、それはEuphorbia boiteauiとされているようです。このあたりの話は気にはなっていたのですが、当該論文は見つかったものの放置していました。というのも、論文がフランス語で書かれていたため、まったく読めなかったからです。一応、機械翻訳に掛けてはみましたが、専門用語や学名がどうもよろしくないようで、相当怪し気な文になってしまい記事にするのは断念しました。あれからだいぶ経ちますが、重い腰を上げて分からないなりにチャレンジしてみることにしました。
その論文はJean-Philippe Castillon & Jean-Bernard Castillonの2016年の論文、『A propos de quelques noms oublies dans le genere Euphorbia L. (Euphorbiaceae) a Madagascar』です。

誤りを正す
標本や元の情報にアクセスすることの難しさや、以前の植物学者により確立された結論への過信が後続により採用されてしまい、誤りが永続している場合があります。マダガスカルのユーフォルビアの場合、標本の古さと貧弱さ、既存の異名、元の説明の簡潔さ、さらに乾燥標本から分類群を認識することが難しいためより重大です。ユーフォルビアの改定は、Haevermans (2006)やHaevermansら(2009)により行われています。

Euphorbia subapodaの独立
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Euphorbia primulifolia Baker, 1881

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Euphorbia subapoda Baill., 1887
 =Euphorbia quartziticola Leandri, 1946

Denis(1921)はBaillonにより1887年に記載されたEuphorbia subapodaは、1881年に記載されたEuphorbia primulifoliaの異名とみなしました。それ以来、この主張に異議が唱えられることはありませんでした。Denisは2つの植物の花(Cyathophyll)の色や葉の形の違いには気がついていましたが、それをマダガスカルの産地による個体差と考えました。
Leandri(1946)はEuphorbia quartziticolaについて説明しましたが、それはBaillonの説明と完全に一致します。共に同じ丸く黄色いCyathophyllと、滑らかで多肉質な丸い葉を持ちます。葉が薄く縁が波打つ楕円形で白みがかるピンク色、三角形の
Cyathophyllを持つEuphorbia primulifoliaとは異なります。さらに、E. subapodaとE. quartziticolaはE. primulifoliaが生息しないItremoの珪岩山塊に由来します。したがって、DenisによりE. subapodaはE. primulifoliaの異名であるというのは誤りで、E. subapodaとE. quartziticolaは同義語であることを提案します。

Euphorbia decaryiとは何者か?
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★Euphorbia decaryi Guillaumin, 1934
 =Euphorbia francoisii Leandri, 1946

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★Euphorbia decaryi var. crassicaulis
   (Rauh) J.-P.Castillon & J.-B.Castillon, 2016
 =Euphorbia francoisii var. crassicaulis
      Rauh, 1996


Guillaumin(1934)はFort Dauphinに近いVinanibe砂丘で採取された断片サンプルに基づき、Euphorbia decaryiと命名されたユーフォルビアを説明しています。後に同種とされるサンプルを収集したMarnier-Lepostolle(1961)、Cremers(1984)、Rauh(1998)は、形態学的な変異に基づいて説明してきました。そのE. decaryiの特徴は、AndroyとMahafay高原の植物に典型的な、葉柄がなく、灰色の縁が波打つ1〜2cmの小さな太った葉を持ち、5角に角張った茎を持つとしています。これを仮にE. decaryi auct.と呼びます。
しかし、これらの特徴はGuillauminが説明したE. decaryiではないことが分かります。E. decaryiのタイプ標本は断片的ですが、茎の上部の毛に似た多数の托葉など、特定の特徴が見て取れます。RauhやCremersがE. decaryiを誤解していたことが明らかです。タイプ標本では小柄で細長い菱形の葉があり、E. decaryi auct.の葉とは異なります。
興味深いことに、Rauhは1987年と1998年に、「E. decaryiはTolanaro近郊のVinanibeという典型的な産地では二度と発見されていない。」と書いています。しかし、現在でもE. decaryiはVinanibeに広く生息していますが、それはLeandri(1946)によりE. francoisiiという名前で別種として再記述されたため認識されませんでした。E. francoisiiのタイプ標本は、Guillauminにより記述されたE. decaryiの特徴を示しています。つまり、托葉は茎の上部に多数あり、細く柔軟で茎の下部にはなく、葉には葉柄があります。これは明らかにE.
decaryiの特徴を示しており、E. francoisiiはE. decaryiの異名です。さらに、Rauh(1996)により記載されたE. francoisii var. crassicaulisをE. decaryiに移し、E. decaryi var. crassicaulisとすることを提案します。


実際にはEuphorbia boiteauiだった
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★Euphorbia boiteaui Leandri, 1946
 =Euphorbia decaryi auct.
      (≠Euphorbia decaryi Guillaumin)

★Euphorbia boiteaui var. ampanihyensis
      (Rauh & Buchloh) 
       J.-P.Castillon & J.-B.Castillon, 2016
 =Euphorbia decaryi var. ampanihyensis
      Rauh & Buchloh, 1984

★Euphorbia boiteaui var. spirosticha
    (Rauh & Buchloh) 
      J.-P.Castillon & J.-B.Castillon, 2016
 =Euphorbia decaryi var. 
spirosticha
      Rauh & Buchloh, 1986


E. decaryiという名前が広く使われている植物は、Leandri(1946)によりEuphorbia boiteauiという名前で記載されています。E. boiteauiのタイプ標本とLeandriの説明は、5つの角がある茎、トゲや葉柄のない葉、花序の特徴はE. decaryi auct.に完全に一致します。さらに、E. decaryi var. ampanihyensisとE. decaryi var. spirostichaをE. boiteauiの変種に移します。

変種robinsoniiの謎
★Euphorbia decaryi var. robinsonii Cremers, 1984

著者は意図的にEuphorbia decaryi var. robinsonii Cremersを移しませんでした。そのタイプ産地はTuleaに由来すると考えられていますが、それは近くにあるTulear地域なのか、以前はFort Dauphinを含んでいたTulear県を指しているのかが分かりません。Tulearのテーブル・マウンテン付近で行われた数多くの探索では、E. tulearensis以外のE. boiteauiグループのユーフォルビアを見つけることが出来ませんでした。E. decaryi var. robinsoniiを観察すると、茎の上部にあるトゲの束や丸いCyathophyll、細長い葉柄のある葉など、E. decaryi(=E. francoisii)によく似ています。したがって、著者らはE. decaryi var. robinsoniiの起源と正当性について懸念があり、これを「認識されていない」ものと考え、当面はE. decaryiの変種としておきます。

変種cap-saintemariensis
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★Euphorbia cap-saintemariensis Rauh, 1970
 =Euphorbia decaryi var. cap-saintemariensis
  (Rauh) Cremers, 1984

Euphorbia decaryi var. cap-saintemariens (Rauh) Cremersも移しませんでした。Cap Sainte-Marie産のこの植物の分類学的位置は不明です。Rauhにより独立種として記載されましたが、CremersはE. decaryiの変種としました。Cremersの組み合わせは不適切である一方、変種とする根拠は依然として有効であり、E. decaryi var. cap-saintemariensとなる可能性があります。しかし、この種は変種としてより独立種として広く引用されており、合理的な理由がないか限りRauhの記載した名前を保持することとします。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。一応はまあそれなりに訳せたような気がします。
さて、いくつかの論点がありますが、1つ目はE. subapodaのE. primulifoliaからの独立です。これは、Denisの主張が十分に検討されないまま基準になってしまった例ですが、それを著者らが再検討しました。ちなみに、E. primulifoliaと言えば、変種begardiiが2021年に独立種となっています。

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Euphorbia begardii (Cremers) Haev. & Hett., 2021
 =Euphorbia primlifolia var. begardii
       Cremers, 1984


次はE. physocladaの分布についての議論でしたが、今回は割愛しました。
次に今回私が気になっていたE. decaryiに関する話です。E. decaryiとE. francoisiiの名前が誤りであることは知っていましたが、その経緯や詳細な内容は知りませんでした。ですから、今回知ることが出来て良かったですね。また、
2021年のHaevermansらの論文では、Castillonらの今回の論文を受けてさらにE. decaryiグループについて考察を深めています。去年、記事にしましたから、以下のリンクをご覧下さい。

結局のところ、E. decaryiグループに関する著者らの主張は概ね認められています。しかし、後に上記リンクの論文にて、E. boiteaui var. spirostichaは独立種であるE. spirosticha (Rauh & Buchloh) Heav. & Hett., 2021とされています。

という訳で、長年の懸念だったCastillonらの論文を記事にすることが出来きてホッとしました。胸のつかえがとれたような気分です。そういえば、これが2024年最後の論文のご紹介記事となります。さて、来年も面白い論文をご紹介していきたいものですね。



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いよいよ年の瀬も押し迫って来ましたが、我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia hofstaetteri
ホフスタエテリが開花中です。赤い模様はまだ薄いですね。


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Euphorbia silenifolia
シレニフォリアは割と元気で、新しい葉を出しています。


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Haworthiopsis limifolia var. ubomboensis
スワジランド原産のリミフォリア。何だかリミフォリアに見えませんが、リミフォリアです。ストレスカラーが出て少し痩せてきたので、室内で様子を見ることにしました。


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魔天竜
鳥についばまれてしまいました。我が家のギムノは結構やられています。困ったものです。


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Adenia stylosa
11月の五反田BBで入手したアデニア。この怪し気な葉色がたまりませんね。



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12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きですが、いよいよメイン温室も最後です。後はイベントホールと室外にある小さな食虫植物温室、それと室外が少しありますね。

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ノヤシ Clinostigma savoryanum
小笠原諸島原産の椰子。和名のダサさからは想像出来ない優美な葉を持ちます。海外沿いではなく山地に生えるタイプ。


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シマムロ Juniperus taxifolia
小笠原諸島唯一自生する針葉樹。ビャクシンですね。


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オウギバショウ Ravenala madagascariensis
いわゆるタビビトノキ。今まで見た中でも最大級のサイズですが、これくらい育つと並んだ葉が美しいですね。マダガスカル原産。

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よく見ると花芽がでていました。

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Dombeya wallichii
マダガスカル原産のアオイ科植物。素晴らしい花を咲かせますが、残念ながら花はありませんでした。

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蕾は沢山ありました。

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花キリンも咲いていました。

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ミツヤヤシ Neodypsis decaryi
マダガスカル原産の椰子。2022年にChrysalidocarpus decaryiとされました。英名でも三角椰子(triangle palm)ですが、葉が120度の間隔で出るため茎の断面が三角形になるからだそうです。


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タチテンノウメ Osteomeles schweriniae
小笠原諸島のO. schweriniaeはvar. boninensisとされたこともありますが、現在はvar. schweriniaeに統一されてしまっているようです。しかし、中国と小笠原諸島はあまりにも地理的に距離がありすぎる気もします。


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ウチワヤシ Licuala grandis
その美しい葉で有名なウチワヤシです。今まで見たウチワヤシの中でも、この個体が最優美ですね。バヌアツ原産。


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オガサワラビロウ Livistona boninensis
小笠原諸島原産のビロウ。ビロウ(L. chinensis)の変種とされることもあります。オガサワラオオコウモリが花を食べにくると書いてありました。



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12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。いよいよメインの大温室も終盤です。いくつかの植物は小笠原諸島原産のものもありました。

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タイワンハマオモト Crinum asiaticum var. sinicum
巨大に育つハマオモト(ハマユウ)。var. sinicumは中国南部、台湾、南西諸島の原産。なお、ハマオモトは4変種あり、他に日本や朝鮮半島原産のvar. japonicum、東南アジアに広く分布するvar. asiaticum、オーストラリアやニューギニア原産のvar. pedunculatumがあります。

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タイミングよく開花中でした。そういえば、9月に行った新宿御苑でもタイワンハマオモトの花を見ています。

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マルハチ Sphaeropteris mertensiana
小笠原諸島原産のヘゴ。残念ながら枯れて幹だけでした。しかし、葉の落ちた跡が、丸に逆八の字という名前の由来が見れたのは良かったですね。一般的にはCyathea mertensianaとされますが、現在はヘゴ属ではなく亜属扱いだったSphaeropterisが属に昇格し、Sphaeropteris mertensianaとなっています。


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リュウビンタイモドキ Ptisana boninensis
温室にリュウビンタイはつきものですが、リュウビンタイモドキは初めて見ました。小笠原諸島の原産。

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リュウビンタイの仲間は塊根があります。

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ムニンヒメツバキ Schima wallichii
小笠原諸島原産。S. wallichiiとなっていますが、これはただのヒメツバキの学名ですね。とはいえ、ヒメツバキの仲間は分類が難しいようで、別種とするか否かは異論があるようです。ムニンヒメツバキはヒメツバキの亜種であるS. wallichii ssp. mertensianaとされたこともありますが、現在はS. mertensianaとして独立しています。

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葉はこんな感じ。花が見たいですね。

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タマリンド Tamarindus indica
果実は食用で世界中の熱帯で栽培されます。マダガスカル、コモロ諸島の原産。

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如何にもなマメ科の葉です。

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サポジラ Manilkara zapota
いわゆるチューインガムノキ。果実は食用となりますが、それよりかつては乳液を煮詰めてチューインガムの原料であるチクルガムを採取したことで有名です。


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バンジロウ Psidium guajava
いわゆるグァバですが、グァバはPsidium属全体の呼び名のようです。南米原産ですが、小笠原諸島に帰化しています。

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幹はサルスベリのように樹皮が剥がれています。

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マンゴー Mangifera indica
言わずとしれたマンゴーですが、アッサム、ヒマラヤ地域、ミャンマー、タイの原産とのことで、インドが栽培の中心のようです。日本では九州や沖縄で栽培されますが、小笠原諸島では帰化しています。


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バニラ Vanilla mexicana
ヴァニラはどうも相性が悪く、なかなか花を見ることが出来ません。板橋区立熱帯環境植物館や筑波実験植物園でも花は見られませんでした。
そういえば、ヴァニラは126種ありますが、もっとも一般的なのはV. planifoliaで、品質は劣るV. pomponaもバニラビーンズとして利用されるそうです。このメキシコバニラはどうでしょうか?


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モモタマナ Terminalia catappa
モモタマナは種子が海流で拡散されるタイプで、マダガスカルからオーストラリア、インド、南西諸島までと分布は広大です。日本では南方系のシクンシ科植物は珍しい部類です。



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今年の多肉植物のニュースはいくつかありますが、その重大な1つはEchinoagaveのAgaveからの独立の提案でしょう。最近、記事にしましたから、詳細は以下のリンクをご参照下さい。


さて、論文を読んだこともあり、早速11月の五反田BBでEchinoagaveとされた12種のアガヴェの1つ、Agave albopilosa=Echinoagave albopilosaを入手しました。調べて見ると、A. albopilosaは2007年に記載された割と新しい種だということです。では、何か情報はないかと調べて見たら、A. albopilosaの発見の経緯について書かれた記事を見つけました。それは、Joel Lobeの2011年のレポート、『
The True Story of Agave albopilosa』です。

メキシコへ
多くの多肉植物愛好家と同じく、著者も最近発見されたこの神秘的な植物=Agave albopilosaについて聞いていましたが、その場所は秘密にされていました。何人かの植物学者は見つける事が出来ましたが、正確な場所を教えてくれる人はいませんでした。それでも、著者は諦めませんでしたが、現地はハリケーンAlexにより道路は寸断され、橋は崩壊し、山は崩れ、洪水に見舞われていました。

自然の猛威
Huasteca渓谷への最初の訪問は失敗に終わりました。著者が到着した時には、ショベルカーが何台もの壊された車の残骸を運び始めていました。やがて雨が降り出し水位が上がってきたため、急いで引き返しました。車は滑り岩に接触しましたが、何とか通り抜ける事が出来ました。Monterreyから出るのはかなりの苦労でした。
滞在中、著者は渓谷を何度も訪れましたが、困難ばかりで何もありませんでした。崖を苦労して登るものの、Agave lechuguillaやHechtia texanaと共存する、トゲがあり激しい痛みを伴うCnidoscolus multilobus(トウダイグサ科)が自生し侵入不可能でした。石灰岩の割れ目には、Portulaca pilosaやEchinocereus reichenbachii、Mammillaria formosa、Mammillaria proliferaも見かけました。
頂上付近にはYucca rostrataの見事な群落が見えました。しかし、Agave albopilosaはありませんでした。危険な下り坂の途中では、渓谷の底にHesperaloe funiferaを見つけました。
翌日、最後の試みとして徒歩で下りました。切り立った崖の上に、Agave bracteosaやAgave victoria-regiaeなどの豊かな植生が見えました。谷にはAcanthocereus tetragonusやCylindropuntia kleiniaeを見かけました。また、Dasylirion berlandieriの赤みがかった茎は容易に判別出来ました。望遠鏡で観察したいくつかの植物は、おそらくAgave victoria-regiaeのAgave albopilosaに似た変形か、ただの交雑種でした。

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Echinoagave albopilosa
=Agave albopilosa
尖端の鉛筆の芯のようなトゲは、やがて裂けていきます。


予想外の発見者
Monterrey大学ではMarcela Goonzales Alvarez博士が生物学科の植物標本室を担当していますが、Agave albopilosaを生息地で見たことがなく、標本もありませんでした。発見者であるIsmael Cabralの記事によると、タイプ標本(Isotype)を寄贈しているはずです。Marcelaは植物標本室用の標本収集のために同行することになりましたが、A. albopilosaがHuasteca渓谷で発見されたこと以外の情報は知りませんでした。
彼女は生息地を知っているであろう研究者を紹介してくれました。その理由は、彼自身がAgave albopilosaの発見者だったからです。これには著者も当惑させられました。なぜなら、一般的に発見者とされるIsmael Cabralではなく、Agaveの分子遺伝子型判定法の発明者であるJorge Armando Verduzcoだからです。
誰もが
Ismael CabralがA. albopilosaを発見したと言いますが、VerduzcoはCabralが引用した文献には登場しません。なぜなら、Cabralは自分がA. albopilosaを発見したと言っているからです。Verduzcoを引用することは、Cabralが真の発見者ではないことを認めることになるからです。このようなことは、植物学や動物学の世界ではよく見られることで、最初の発見者になりたいということは、倫理的ではないかも知れませんが非常に人間的なことです。
Verduzcoは10年以上前に現地調査中にA. albopilosaに気が付きました。
Verduzcoはこの時、写真付きの短い記事を書き、正式な説明なしで「Victoria-montana」と名付けました。この時、若いCabralはMonterrey大学におり、博士論文に忙しくしていました。彼はVerduzcoに会い、A. albopilosaを見せてもらいました。

生長すると、尖端のトゲ部分が裂けて花が咲いたような見た目になります。(以下リンク)
http://www.llifle.com/Encyclopedia/SUCCULENTS/Family/Agavaceae/184/Agave_albopilosa

繁殖のすすめ
メキシコ人が密輸業者にすら知られている場所を秘密にしていることを不思議に思うかもしれません。さらに言えば、Agave albopilosaは主に手が届かない場所で育ち、繁殖力はかなり強く、差し迫った危険にさらされているわけではありません。いったい何が問題なのでしょうか?
A. albopilosaが知られてから10年以上経ちますが、コレクターが欲しがり入手するであろうことは当然です。なぜ、繁殖を試みなかったのでしょうか。その方が仮想的な保護より効果的です。もし、市場が密売人にとってそれほど儲かるのであれば、なぜオランダやチェコ、日本、ドイツの種苗業者のように温室を建て、種を蒔き、市場を満たさないのでしょうか。メキシコには種子や気候、土地、すべてが有利です。中国人はEchinocactus grusonii(=Kroenleinia grusonii)を幸運のサボテンと呼び、何百万本もの個体が市場に出回っています。E. grusoniiはメキシコからいつか消えるかもしれないサボテンですが、地球上から消えることはありません。万里の長城と同じように、中国には月から見えるくらい沢山のE. grusoniiがあるはずです。

最後に
以上が記事の簡単な要約です。
著者は謎めいた新種のアガヴェであるAgave albopilosaを探すために、メキシコを訪問しました。しかし、ハリケーンの到来により、著者が思わぬ苦労をする羽目になります。ハリケーンの影響と、詳細は自生地の秘匿により、結局著者はAgave albopilosaを見つけることができませんでした。
さて、この自生地の秘匿自体は、意味があることです。論文の情報を元に違法採取が行われることが明らかとなり、近年では詳細な自生地の情報は秘匿されることは珍しくありません。ただし、著者の言い分もよく分かります。CITESなどの保護政策は基本的に採取や国際的な取り引きの制限は行いますが、園芸市場における不足に対しては無力です。違法取り引きの原因は、市場において需要と供給のバランスが崩れ、飢餓感が生まれることにあります。そのことにより、違法取り引きに旨味が生まれるのです。積極的な流通が違法取り引きの旨味を潰すのは、Euphorbia susannaeなどでも確認済であり、ソテツ類では一般への流通により違法取り引きを減じる対策が進行中です。
元記事のタイトルにあるように、Agave albopilosaの記載者と発見者が実は異なるという趣旨でした。そのことはまあいいとして、気になるのは発見者のVerduzcoです。
Verduzcoはアガヴェの遺伝子についての専門家で、アガヴェには交配種が多く見られると考えているようです。Agave albopilosaも自然交雑種と考えているようですが、まだ証明されたわけではないようです。交雑種というとただの雑種のような気がしますが、実は植物にとっては進化の重要な要素の1つとされています。ウチワサボテンでは複数種が混じり合い新しい種が生まれており、これを網状進化と呼んでいるそうです。Agave albopilosaに関しては種子で繁殖していることからして、すでに独立種としての要件は満たしているのでしょう。


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いよいよ、夢の島熱帯植物館の温室も後半戦です。


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サラダノキ Pisonia grandis
Cabbage Tree、つまりキャベツノキと呼ばれるオシロイバナ科の樹木。マレーシア地域から太平洋諸島では葉や芽が食用となるそうです。葉はレタスのような味なんだそうです。
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明るい葉色は観賞用としても有用です。

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実に熱帯的な滝。

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Goeppertia crotalifera
旧・Calatheaとありましたが、Goeppertia crotaliferaという名前は調べても出てきませんね。キュー王立植物園のデータベースでも確認しましたが、Goeppertiaとされたことはないようです。現在の学名はCalathea crotalifera。中南米の原産。
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花はジグザグしていて面白いですね。

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ショクリョウバナナ Musa × paradisiaca
言わずとしれたバナナ。温室では定番です。
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まだ実は青いですね。

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ホウガンボク Couroupita guianensis
いわゆるホウガンノキで、巨大で堅牢な果実で知られています。花や果実が見られなかったのは残念ですが、初めてホウガンノキを見ることが出来て感動しました。中南米の原産ですが、硬い果実を破壊出来る動物がいないため、野生状態では増える事が出来ないと聞いた事があります。おそらく象などの南米では絶滅した大型哺乳類が関与していたのでしょう。

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パンノキ Artocarpus incisus
果実を煮たり焼いたりして食糧とすることで有名なパンノキです。Artocarpusはパラミツ(ジャックフルーツ)と同属でしたね。
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大きく特徴的な葉は、木陰をつくるため公園などにも植栽されるそうです。

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ドリアン Durio zibethiuns
強烈な臭いがする果実で有名なドリアンです。

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タコノキ Pandanus 
タコノキも温室ではお馴染みのメンバーです。しかし、このタコノキは今まで見た中では最大ですね。気根も多く実に立派です。
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よく見たら高い場所に果実がなっていました。

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アカタコノキ(ビヨウタコノキ) Pandanus utilis
マダガスカル原産のタコノキ。通路を防ぐためか、葉がカットされていました。
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青白い肌に赤い鋸歯が鮮烈です。筑波実験植物園の個体は背が高く、目線の高さに葉がなかったので気が付きませんでした。


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先日開催された「草乱祭」を参加してきました。シマムラ園芸の第二温室で開催されたイベントです。去年も開催され、参加したもののアガヴェが主なこともありイベントでは何も購入しませんでした。今回もやはり何も買いませんでしたが、グルリと1周してシマムラ園芸の店舗も覗いて帰宅しました。まあ、相変わらずアガヴェ主体でしたが、流行りを受けてかビカクシダも目立ちましたね。エケベリアやサボテンの専門店もありましたし、ユーフォルビアなども割とあり、以前より結構ラインナップが多彩な感じがしました。しかし、店舗の方でも小さな実生の抜き苗を始めアガヴェが大量にあり、こっちでいいじゃんというところは以前と同じ感想でした。しかも、シマムラ園芸の方にも広いビカクシダ売場があり、やはりこっちでいいじゃないか感は否めませんね。
さて、本日も我が家の多肉植物たちを少しだけご紹介しましょう。


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紅彩ロリカ
E. heptagona(紅彩閣、いわゆるエノプラ)とE. loricataの交配種である紅彩ロリカが開花しています。緑の葉と赤いトゲのコントラストが美しいですね。


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Euphorbia lophogona
ロフォゴナは厚みがあるしっかりとした葉を持つ花キリンで、寒さに当てても葉をまったく落としませんでした。花が咲き始めましたが、野生の花キリンには珍しいピンク色の花は開花後にもっと濃くなります。


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Euphorbia ramena
ちとぶれました。ラメナは室内に取り込んでから咲き続けています。野生の花キリンにしては苞に丸みがあり、可愛らしい花です。


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Uncarina roeoesliana
ロエオエスリアナは早々と葉を落とし休眠モードです。ロングポットに植えましたが、根の勢いが良くぱんぱんに張っており、鉢がすっかり歪んでしまいました。来年の植え替えが楽しみです。



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本日も12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。温室の半分くらいまで来ましたが、ここから高台に登っていきます。

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ニッパヤシで葺いた「熱帯の家」。休憩所を兼ねています。この東屋の脇から高台に登ります。

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ショウジョウヤシ Cyrtostachys renda
非常に美しい緋色のヤシ。耐寒性がないため日本では温室に植えられています。筑波実験植物園でも見ましたが、間近で見たのは初めてです。タイ、Malaya、ボルネオ、スマトラ島の原産。
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若い稈の美しさは特筆に値します。

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名札はありませんでしたが、ニッケイ(シナモン)の仲間のような気がします。

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気根が垂れ下がる熱帯的な景観。

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ヤエヤマヤシ Satakentia liukiuensis
そびえ立つヤエヤマヤシ。八重山諸島の石垣島と西表島に自生するのヤシ。属名はヤシ研究家の佐竹利彦氏に対する献名とのこと。1属1種の珍種でもあります。

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ブーゲンビレアが高台の頂上で咲いていました。ここからは東屋まで降りていきます。

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ふと足元を見るとアロイドの鮮やかな花が咲いていたりします。

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ダイオウヤシ Roystonea regia
生長速度が早い大型のヤシ。見上げる高さです。優美な姿なため暖地では街路樹として植栽されるそうです。キューバ原産。

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アセロラ Malpighia emarginata
何気ない灌木がアセロラだったりします。中米周辺の原産。

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ユスラヤシ Archontophoenix alexandrae
こちらも大型のヤシ。オーストラリア原産。

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「熱帯の家」に帰ってきました。東南アジアのお面が飾ってあります。

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Goeppertia 'Gekko'
「月光」という名前のクズウコン科植物の園芸品種。大変美しい斑が入ります。ちょうど開花中でした。

折り返し地点まで来ました。まだ夢の島熱帯植物館の記事は続きます。


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いつの間にやら12月も半分過ぎてしまいますが、未だにFouquieriaを外に出しっぱなしでした。しかし、流石に紅葉してきたので室内に入れました。最近は0℃まで気温が下がる日も出てきました。氷点下になる前に取り込んだので、まあ良しとしましょう。ということで、本日は我が家のFouquieriaをご紹介します。

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Fouquieria purpusii
プルプシイは3倍以上の高さに育ちましたが、遮光を嫌って光の方へ曲がってしまいました。まあ、遮光はしなくても良いのかもしれませんが、ちょうど良い置き場がないので仕方がありません。
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根元から枝分かれしました。

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Fouquieria fasciculata
ファスキクラタはよく枝分かれし、生長も良好です。しかし、まったく幹が太りません。現状ではただひょろひょろ伸びるだけですね。

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Fouquieria splendens
スプレンデンスはどういうわけか、生長はイマイチでした。乾燥に弱く水切れすると直ぐに葉を落としてしまいます。あまり根が発達していないのかもしれません。

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Fouquieria diguetii
ディグエティイはまあまあ堅実に育ちました。ディグエティイは我が家のFouquieriaでは古参なのですが、その割に生長は緩やかでなかなか枝は伸びませんが、幹は太くなってきました。
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樹皮がいい感じに割れていますね。

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Fouquieria leonilae
小型種のレオニラエですが、完全に葉が落ちました。今年はよく生長しましたが、小型種だけあって枝が繊細です。
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幹が割れてきました。

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Fouquieria columnaris
コルムナリスはどうにも弱くて敵いません。葉が柔らかく繊細なせいか、ハダニやアザミウマの多重攻撃を受けてしまうは、少し乾くと葉が落ちるはで、育っている実感に乏しいのが現状です。

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Fouquieria ochoterenae
オコテレナエの枝は妙にゴツい感じがします。しかし、枝分かれかや片側から2本というのは、実に微妙ですね。

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Fouquieria formosa
フォルモサはひょろひょろと長く伸びていますが、とにかくめちゃくちゃ生長しました。

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Fouquieria macdougalii
ディグエティイに次ぐ古参のマクドウガリイですが、生長自体は良かったものの、ヨトウムシに葉をやられてしまいました。
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幹は良い太り具合。


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多肉植物ブームが続いていますが、明らかにその柱の1つはエケベリアでしょう。多肉植物のイベントでは必ず専門店が出店しますし、エケベリアのオンリーイベントも沢山開催されています。さて、そんな人気があるエケベリアですが、分類学的にはベンケイソウ科(Crassulaceae)に属します。ベンケイソウ科には人気のEcheveriaや、寄せ植えや花壇を賑わせるSedumやCrassula、Aeonium、Kalanchoe、Sempervivum、Graptopetalum、個性的なDudleyaやAdromischus、塊根塊茎好きにも愛されるCotyledonやTylecodonなど39属からなります。しかし、うち4属は近年出来た属のようで、私も聞いたことがない分類群でした。ということで、本日はそのうちの1つ、ジェロニモア属を取り上げましょう。参照とするのは、Jose Antonio Vázquez-Garciaらの2023年の論文、『Jeronimoa(Crassulaceae, Saxifragales), UN NUEVO GENERO ENDEMICO DE CUICATLAN, OAXACA, MEXICO Y SU, CORRESPONDIENTE COMBINATCION NUEVA, Jeronimoa cuicatecana: UN CASO DE CONVERGENCIA EVOLUTIVA CON Pachyphyum』です。

ベンケイソウ科の困難
ベンケイソウ科及びエケベリア属は、50を超える異なる染色体が関与する倍数体の存在や、形態学的な同型性のため、歴史的にその分類は困難でした。最近の分子研究によりエケベリア属が単系統ではないことが明らかとなっています。これらのグループは系統ゲノミクスを含む様々なアプローチで検討し再定義する必要があります。

謎めいた新種の記載
2004年にTehuacán-Cuicatlán生物圏保護区内で発見されたベンケイソウ科植物の新種の記載は、Echeveria lauiとの類似性とPachyphytum属との花序の類似性により著者らの注目を集めました。当初はEcheveria cuicatecanaとして記載されましたが、後にPachyphytum cuicatecanumとされました。しかし、分子系統によると、この種はPachyphytum属に属さず、形態学的な特徴はEcheveria属にも当てはまりません。

新属・Jeronimoa
著者らはPachyphytum cuicatecanumを新属であるJeronimoaに移します。垂れ下がる花茎や花冠に付く萼片などPachyphytum属との高度な進化的収斂を示します。ただし、Pachyphytumには花弁の内側に付属物がありますが、Jeronimoaでは膨らみだけです。Echeveriaとの違いは外観的なものと、萼片が多肉質で押すと花冠を覆うことが挙げられます。また、花筒がありません。新属に移されたPachyphytum cuicatecanumの学名は以下の通りです。
Jeronimoa cuicatecana (J. Reyes, Joel Pérez & Brachet) B. Vázquez, Islas &  Rosales, comb. nov.

系統分類学
Jeronimoaはその形態に基づき、花序が完全に対応していないものの、主に茎や葉の多肉性によりSeries Purinosae内のEcheveria属に分類されました。Jeronimoa cuicatecanaの注目すべき点は、葉や苞により簡単に繁殖でき、似ているE. lauiではできません。 Cruzら(2019)の分子系統により、Series PuinosaeはClade IVに属することが判明しました。しかし、JeronimoaはClade IVではなく、Clade IIIに属することが明らかとなりました。

            ┏Clade IV
        ┏┫
    ┏┫┗Clade III
    ┃┃
┏┫┗━Clade II
┃┃
┫┗━━Clade I

┗━━━Outgroup

Outgroup: Dudleya、Lenophyllum、Sedum①、Villadia

Clade I: Pachyphytum

Clade II: Urbiniae

Clade III: Chloranthae、Ciliatae、Echeveria①、Racemosea、spicatae、Thompsonella、Thyrsiflorae、Jeronimoa

Clade IV: Angulatae、Cremnophila、Echeveria②、Gibbiflorae、Graptopetalum、Occidentales、Paniculatae、Pruinosae、Reidmorania、Secundae、Sedum②、Tacitus、Urbiniae、Valvatae

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
エケベリアあるいはパキフィツムとされた新種を新属ジェロニモアとして分離・独立させました。形態学的にはパキフィツムですが、遺伝的にはパキフィツムとは近縁ではありません。どちらかと言えばエケベリアに近縁なのでしょう。
しかし、分子系統を見ていただければ分かりますが、セダムやエケベリアは異なる枝に出現します。エケベリアは単系統ではないということがさらっと述べられていますが、事はさらに重大です。膨大な種類があるセダムが単系統ではなく、あちこちのグループで進化した「セダム的」な外見の種をセダム属としていた事が判明したのです。セダム属は膨大な種類がありますから、今後のベンケイソウ科植物の分類は、非常に困難なものとなるでしょう。おそらく、細分化される流れのような気がしますが、どう分けたら良いのかかなりの難問です。まあ、すべてが明らかとなるのはだいぶ先の話でしょう。
それはそうと、冒頭で4つの新属があると述べましたが、ジェロニモア以外の新属についても調べていますから、そのうち記事にする予定です。



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いよいよ寒さも厳しくなってきました。しかし、室内に取り込んだ多肉植物たちは、これから花期をむかえるものもあります。今日はユーフォルビアの様子を見てみましょう。

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Euphorbia 'Groenefica'
Euphorbia veneficaとEuphorbia groenewaldiiの交配種。非常に丈夫でよく開花します。そういえば、E. veneficaの影響か、普通はオマケ程度のユーフォルビアの葉が多肉質になります。

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Euphorbia multifolia
ムルティフォリアは調子が良さそうです。入手から2年でだいぶ育ちましたが、我が家に来てからはまだ未開花でした。
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よく見ると花芽が出来ています。初めて花を拝めますね。

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Euphorbia graniticola
グラニティコラの実生苗ですが、3稜になりました。左の個体は枝分かれしています。

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Euphorbia woodii
ウォオディイ(ウーディー)がようやくタコモノらしくなってきました。ウォオディイは遮光なしでいけますが、同じタコモノと言っても種類により遮光具合は変えた方が良さそうです。

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Euphorbia fruticosa
どうにもフルティコサは調子が出ません。一般に流通しているフルティコサはトゲが非常に弱い'inermis'というタイプのようで、本来の強いトゲは出ません。しかし、このフルティコサは本来の強刺タイプなのですが、10%の遮光ですっかり徒長してしまいました。トゲも貧弱です。去年、'inermis'タイプのフルティコサを日焼けで枯らしているので、無遮光は怖いのですが来年は基本的に無遮光でいきます。また枯らすかも。


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12月始めに訪れた、夢の島熱帯植物館の続きです。今回は温室の中央付近まで進みます。

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ココヤシ Cocos nucifera
そびえ立つ巨大なココヤシ。日本人が想像する椰子の実はココヤシの実ですよね。熱帯地域で広く栽培され、様々な用途に使われます。
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よく見たら1つだけ実がなっていました。あれが落ちてきて当たったら只では済まなそうですね。

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パラミツ Artocarpus heterophyllus
巨大な果実を直接幹から生やすことで有名なジャックフルーツです。一抱えもある巨大な果実には未だに出会えていません。
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葉は思いの外、厚みがありしっかりしていて濃色。

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アレカヤシ Dypsis lutescens
一般的には「アレカヤシ」ですが、コガネタケヤシ(ヤマドリヤシ)と言った方が正しいようです。昔はアレカ属とされたこともあるためアレカヤシと呼ばれたのでしょう。現在の学名はChrysalidocarpus lutescensです。

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ビンロウ Areca catechu
いわゆる檳榔樹です。南方の習慣で、ビンロウの実を石灰とともに噛む光景はテレビなどでもお馴染みです。
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ちょうど花を見ることが出来ました。

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キンマ Piper betle
ビンロウの根元を這うつる植物があったのですが、この葉の感じにピンときました。これはピペル、つまりコショウの仲間です。ビンロウと来てピペルときたら、当然キンマなわけです。ビンロウの実はキンマの葉に包んで一緒に噛みます。キンマの葉は結構苦いそうです。このように用途で組み合わせて植えられているのは楽しいですね。

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ゴレンシ Averrhoa carambola
いわゆるスターフルーツですが、要するにでかいカタバミの仲間です。
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艷やかな実が鈴なりになっていました。

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ビワモドキ Dillenia indica
美しい葉が特徴のビワモドキです。印象的な花を咲かせますが、まだ見たことはありません。板橋区立熱帯環境植物館で初めて見ましたが、ビワモドキ科は日本には自生しないため、これも貴重な体験です。

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セイロンマンリョウ Ardisia elliptica
マンリョウ(万両)やカラタチバナ(=百両)と同じヤブコウジ属ですが、高さ5mにもなります。インド洋あたりの原産のようですが、移植されると増えすぎてしまうようで、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されています。

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カカオ Theobroma cacao
カカオの実がちょうど沢山なっていました。熱帯の樹木によく見られる、幹から直接開花して果実をつける幹生果です。そういえば、新宿御苑でも着果していましたね。
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よいサイズのカカオ。
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熟成しきった実と若い緑色の実。

いよいよ、夢の島熱帯植物館の温室も半分くらいまで進みました。ここからは、順路を外れ高台に登っていきます。


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「本日の多肉植物」という記事を2023年の11月26日から始めましたが、なんと今日で100回なりました。だから何だということはありませんが、ある種の節目ですかね。調べたら書いた記事数は1000を超えていました。思ったより書いていましたね。とはいえ、本日も何事もないかのように、我が家の多肉植物たちをご紹介しましょう。

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Euphorbia silenifolia
シレニフォリアが初めて開花しました。
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しかし、貧弱な花です。オベサのように小さい花でも花茎か短いならまだしも、わざわざ花茎を長く伸ばしてこの目立たなさは何やら不思議です。

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Euphorbia fimbriata
フィンブリアタはE. mammillaris(鱗宝)の異名で、太さなどが違うと言われていますが、おそらくは
ただのタイプ違いに過ぎないのでしょう。ちなみに、鱗宝の斑入りは「白樺キリン」とか「ミルクトロン」などという名前でよく見かけます。

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Euphorbia polygona var. noorsveldensis
かつてはE. horrida var. noorsveldensisとされていましたが、E. horridaがE. polygona var. horridaとされたことから、E. polygona var. noorsveldensisとなりました。しかし、近年ホリダ系はすべてポリゴナとされたため、ホリダ系の変種horridaも変種noorsveldensisもすべてEuphorbia polygona扱いとなっています。

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Euphorbia polygona
白粉が少ない多稜タイプのポリゴナ。やや尖端がすぼまり気味です。10%の遮光でも徒長してしまうようで困ったものです。

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Euphorbia makallensis
マカレンシスはまだ生長が続いているようです。自生地ではマット状に群生して広がるといいますが、何年育てたらそうなるのでしょうね。


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去年の11月に2010年以降に発見されたエケベリアの新種についての記事を書きました。あれから1年経ちました。去年記事を書いた後に発表されたものや、私の論文検索に漏れがありましたので追記もしました。追記した部分は【追記】と表記しています。また、去年の記事は誤記が散見されたため、修正しております。

実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのようなものは、最近になって再び研究されて整理され始めています。ここ10年ちょいの多肉植物の新種については、サボテン、アロエ、アガベ、セダムについて最近記事にしてまとめて来ました。本日はエケベリアの近年の新種について見てみましょう。論文を軽く漁っただけなので、すべての新種を網羅してはいないかも知れません。

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Echeveria whitei
『Addisonia』(1925年)より。

2011年
★メキシコのMichoacanより、新種のEcheveria purhepechaが記載されました。

2012年
【追記】メキシコのSinaloaより、新種のEcheveria julianaが記載されました。

2013年
★メキシコ西部のSierra de Manantlanより、新種のEcheveria yalmanantlanensisが記載されました。石灰岩の山塊Cerro de Grandeの固有種です。【追記】2023年に新属であるChazaroa属が提唱され、Chazaroa yalmanantlanensisに変更されました。

2014年
★メキシコのColima火山より、新種であるEcheveria muniziiが記載されました。E. fulgensに似ています。
★メキシコ西部Colimaの石灰岩地より、新種であるEcheveria cerrograndensisが記載されました。E. fulgensと近縁と考えられます。
★メキシコのJaliscoより、新種のEcheveria marianaeが記載されました。E. novogaliciana、E. dactyliferaに似ています。

2015年
★メキシコのJaliscoより、Echeveria rulfianaが記載されました。

2016年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria pistioidesが記載されました。
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria coruanaが記載されました。


2018年
【追記】ペルーのLimaで、新種であるEcheveria deltoideaEcheveria fruticosaが記載されました。E. deltoideaはE. chiclensisと似ていますが、葉がより大きく幅広で平らな点が異なります。E. fruticosaは直立あるいは横臥する目立つ地上茎を持ちます。

2019年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria michihuacanaが記載されました。
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria xochipalensisが記載されました。
★メキシコのNevado de Colima火山より、新種であるEcheveria sonianevadensisが記載されました。


2020年
★エクアドルとペルーの国境より、既存種より2種の新種が分離されました。1つはEcheveria quitensisとされてきた中から、Echeveria cojitambensisが分離されました。もう1つはEcheveria cuencaensisと混同されてきたEcheveria tabaconasensisが分離されました。
★メキシコのSinaloaより、新種であるEcheveria coppiiが記載されました。

2021年
★ペルーのTayacaja州より、新種であるEcheveria incaicaが記載されました。E. oreophilaに似ています。
★ペルーのCastrovirreyna州より、新種のEcheveria ostolazaeが記載されました。
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria islasiaeが記載されました。
★メキシコのDurangoより、新種であるEcheveria kristeniiが記載されました。E. dactyliferaおよびE. novogalicianaに似ています。


2022年
★メキシコのOaxacaのMixteca Atla山地より、新種であるEcheveria andreaeが記載されました。

2023年
Echeveria pringlei var. parvaを独特させ、Echeveria flammigeraを代替名として記載しました。

2024年
【追記】メキシコのMichoacanより、Echeveria sotoiが説明されました。E. gibbifloraに似ていますが、茎は細く背が高くなり、葉はより細く紫がかる灰白色にはならないことや、花のいくつもの細かい特徴が異なります。
【追記】メキシコのMichoacanより、Echeveria coalcomanensisが説明されました。
【追記】メキシコのJaliscoより、Echeveria cuevasiiEcheveria vazqueziiが説明されました。E. cuevasiiは亜低木状で中型のロゼットなどSeries NudaeのE. flammigeraと特徴を共有していますが、短枝が少なく葉が長く花序あたりの花が多いなど異なる特徴があります。E. vazqueziiはE. marianaeやE. novogalicianaと似ていますが、大きく無毛のロゼット、短い花序、Series Gibbifloraeに典型的な複数の花序からなる円錐花序を持ちます。


以上がエケベリアの新種たちです。意外と新種は見つかっていますし、これからも見つかる可能性が高そうです。エケベリアの分布の中心はメキシコのようですが、エクアドルでも新種が見つかっていますね。もしかしたら、メキシコ以外では調査が遅れているだけで、これからまだまだ新種が見つかるかも知れません。また、今は何と言っても遺伝子解析の時代です。エケベリアは形態学的によく似た種類が多いため、混同されている種類もありそうですから、遺伝子解析により大幅に改訂されてしまうかも知れません。これからのエケベリア研究は目が離せませんね。


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