ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

2021年の新種の花キリンであるEuphorbia spannringiiとEuphorbia fuscocladaを最近ご紹介しました。参照したのはThomas Haevermans & Wilbert L. A. Hetterscheidの2021年の論文、『Taxonomic changes and new species in Malagasy Euphorbia (Euphorbiaceae)』です。論文中では13種の花キリンの新種の記載と、レクトタイプを1種、ネオタイプを2種、エピタイプを1種、さらには複数の異名(Synonym)を提案しています。さて、本日はその中からEuphorbia makayensisについて見ていきます


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Euphorbia makayensis
2023年の5月に開催された木更津Cactus & Succulentフェアにて購入しました。



新種・マカイエンシス
Euphorbia makayensis Haev. & Hett., sp. nov.
Euphorbia亜属Goniostema節に属し、E. psammiticolaおよびE. leandrianaに類似します。しかし、E. makayensisは、若いトゲの上の部分が非常に細く柔軟ですぐに消失する点において、類似の2種とは異なります。さらに、E. makayensisの花被片の先端は丸みを帯び内壁は滑らかですが、E. psammiticolaでは花被片の先端が鋭角で内壁には5列の針状毛が垂直に並ぶ点が異なります。また、E. makayensisは花序の花被片が最大8個ですが、E. leandrianaでは2〜32個です。


特徴
高さ50〜100cmの低木で、幹は多肉質で雌雄同株です。主茎は直径4cmまでで、樹皮は灰褐色で滑らかです。まばらに枝分かれし、枝は直径2〜3cmでトゲに覆われます。葉は落葉性で全縁、樹齢によりサイズが異なります。葉柄は短く(1mm)赤みを帯びています。
葉身は4〜10cm × 1〜3cmで倒披針形です。基部は細長く、先端は亜鋭形〜円形ですが尖端は尖ります。辺縁は赤みを帯び無毛です。一次脈および二次脈は表側で目立ち、主脈は葉裏に顕著です。葉は緑色かわずかに灰白色で、若い時は鮮やかな赤色を帯びる。
托葉刺(stipular spines)は単純で基部は膨らみ、あるいは葉の基部の下に1本の短い副刺(
accesory spines)があります。
花序は二叉花序で長さ約10cmで、1つの枝に3〜4個の花序が同時につきます。亜頂生で3回二叉に分岐し、花序あたり4〜8個のCyathiaが出来ます。花柄の表面には粘着性があり、鮮やかな赤みがかるピンク色です。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
花は咲き始めで苞が開ききっていないため、残念ながら記事には載せられませんでした。過去の写真は探す手間がかかりすぎるため断念しました。というわけで、花の写真はありません。悪しからず。


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7月も半ばですが、猛暑が続いています。多肉植物たちは元気ですが、一部の花キリンは水分不足で葉が丸まってしまいます。頻繁な水やりが必要なようです。


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Pachypodium densiflorum
デンシフロルムは相変わらずずっと咲いています。


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Euphorbia waringiae
ワリンギアエが開花しています。冬にハダニにやられましたが、ようやく復活しました。


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Euphorbia mlanjeana
ムランジェアナがぐんぐん育っています。



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Euphorbia gorgonis
ゴルゴニスの開花が始まりました。



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Copiapoa hypogaea
ヒポガエアも開花中。サボテンはタイミングが合わなくて、いつも蕾と花ガラばかり見ているので、花を見られてラッキーでした。


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Aloe saundersiae
サウンデルシアエが開花しました。

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あまり多肉質にならない小型アロエです。
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アロエには珍しい淡いピンク色。



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そろそろ植物園に行きたいところですが、この暑さですから温室はさぞしんどいだろうと躊躇するところです。しかし、屋外メインならまだ何とかということで、小石川植物園に行ってきました。通称・小石川植物園、正式には東京大学大学院理学系研究科附属植物園ですが、一般的には通称で通っていますし東京大学の案内も小石川植物園です。
開場する9時頃に入口に到着しましたが、朝から29℃と暑い1日でした。入口で500円の入場券を購入し、受付のおばちゃんらの行ってらっしゃいの声を聞きながら進みます。

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センジュラン(千寿蘭) Yucca aloifolia
まず目に入るのが、ユッカの大群落です。丈夫で冬の寒さにも強いため、庭にも植栽されます。


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キンポウラン(金宝蘭) Yucca aloifolia f. marginata
斑入りのセンジュラン。



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ソテツ(蘇鉄) Cycas revoluta
こちらは、「精子発見の蘇鉄」。裸子植物である蘇鉄に精子があることを、1896年に当時東京大学の助教授であった池野成一郎により世界で初めて発見しました。これは、世界的な業績です。

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覗き込むと花が見えました。


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染井吉野 Cerasus × yedoensis
立派な染井吉野がありました。染井吉野は桜の代表的な園芸品種です。染井吉野の寿命は短いと言われますが、街路樹とは異なり植物園では巨大化しますね。環境が良いからでしょうか。ちなみに、何故かCerasus属となっていますが、一般的にはPrunus属ですよね。
話は変わって、染井吉野と言えば韓国が起源を主張しています。しかし、染井吉野は江戸時代に作出された園芸品種なので、園芸品種が古来から韓国に生えていたという主張は無理があります。さらに言えば、論争は桜は1種しかないような雰囲気で主張されますが、実際には桜の仲間は世界中に広く分布し数百もの種類がありますから、起源を主張する意味はそもそもありません。それぞれの地域に異なる種が分布する。それだけです。


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Podocarpus sp.
名前は分かりませんが、優美な槙がありました。
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イヌマキ(犬槙、Podocarpus macrophyllus)やコウヤマキ(高野槙、Sciadopitys verticillata)とは明らかに異なります。海外の槙なのでしょう。この槙がある小道から西に入ります。


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中は鬱蒼としており、都会の喧騒は届きません。鳥の鳴き声と虫の音だけが響きます。アオキ(青木、Aucuba japonica)とシュロ(棕櫚、Trachycarpus fortunei)が沢山生えていますが、これらは鳥により運ばれた種子に由来するものでしょう。


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ウラシマソウのネームプレートがありますが、笹とイヌビワ(犬枇杷、Ficus erecta)に占拠されています。イヌビワはやはり鳥により運ばれて増えているようです。これは、ホソバイヌビワと呼ばれるタイプでしょうか。


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ゆっくりと森の中を進みます。


というわけで、小石川植物園に行ってきました。都内とは思えぬ広い森林があり、散策するのに最適ですね。温室をゴール地点と定め、ゆっくり1周していきます。小石川植物園の記事は続きます。


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本日はアデニアを特集しましょう。とは言っても、塊根性のアデニアは葉がないので、木立ち性のタイプだけです。まあ、アデニアは集め始めたばかりなので、小苗ばかりですけどね。


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Adenia isaloensis
いかにもなアデニアっぽい葉がかわいいです。そういえば、栽培品では縦長の塊根を見かけますが、野生個体は潰れたような形の丸々とした塊茎です。乾燥で枝は枯れて、主幹だけが太っていくのかも知れませんね。


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Adenia venenata
樹木性が高そうなヴェネナタです。野生個体の写真を見るとボテッとしたしずく型の塊茎となるようです。


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Adenia keramantus
カラマントゥスの葉は、あまりアデニア感がありませんね。
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幹が割れています。よく育っているようで嬉しいですね。


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Adenia olaboensis
オラボエンシスは葉が細かく切れ込んでかわいらしいですね。このサイズで樹皮がしっかり出来ていますから、アデニアには珍しくコルク層が発達するのかも知れません。


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Adenia fruticosa
フルティコサは急激にツルを伸ばしています。A. glaucaに少し似ていますね。


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Adenia stylosa
葉が赤みがかり美しいスティロサです。植え替え時に棚から落としてしまい、枝が折れてしまいました。


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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。温室にはいりましたが、数は少ないものの多肉植物もありました。


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シャボンロカイ Aloe saponaria
また、「蘆薈(ロカイ)」とは古い呼び名ですね。蘆薈とはアロエの古い呼び方ですが、シャボンロカイに関してはこれが標準和名なのでしょうか。「明鱗錦」という園芸名もあるようですね。さて、切り口を水に漬けると泡立つことから、「saponica(石鹸)」、「soap aloe」、「シャボンロカイ」というようです。海外では化粧品原料とされることもあるそうです。
学名に関してはA. maculataに含まれるとされがちなようですね。たしかに、A. saponaria var. latifoliaやA. saponaria var. luteostriataがA. maculata var. maculataの異名に、A. saponaria var. ficksburgensisがA. maculata subsp. ficksburgensisとなっています。しかし、A. saponica自体はA. microstigma subsp. microstigmaの異名となっています。同様にA. saponica var. minorやA. saponica var. obsburaもA. minorstigma subsp. minorstigmaの範疇に含まれるようです。



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Aloe africana(左)
背が高くなる大型のアロエ。「喜望峰蘆薈」の名前もあるようです。整然としていないややだらしない葉が特徴とのこと。南アフリカ原産。右のアロエはA. feroxとの雑種。


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Aloe ciliaris
ヤブ状に育つアロエの仲間というか、現在はAloiampelosとなっているキリアリスです。アロイアンペロスは現在7種類が認められていますが、手持ちに3種類あるのでアロイアンペロスのうち4種類見たことになります。そういえば、植物園でアロイアンペロスは新宿御苑でA. tenuiorを見たくらいですから、あまり植物園向きではないのかも知れません。まあ、地味ですし。南アフリカ原産。



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ホホバ Simmondsia chinensis
砂漠の灌木であるホホバ(jojoba)です。化粧品原料のホホバオイルがとれます。筑波実験植物園や東京農業大学バイオリウムにもありましたね。「chinensis」=「中国の」という名前ですが、米国南部からメキシコの原産。


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Stephania venosa
ステファニアのイモがゴロゴロと鉢に植わっていました。マラリアの治療などにも利用されるそうです。東南アジア地域、特に島嶼部に広く分布します。


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温室では巨大化しがちなブーゲンビリアです。
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つる植物ですが、見事な幹がありました。


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ムユウジュ(無憂樹) Saraca asoca
インドボダイジュとサラノキと合わせて仏陀三大聖樹の1つ。無憂樹は夢の島熱帯植物館でも見かけましたが、花は始めて見ました。ところで、Wikipediaでは無憂樹はS. asocaですがシノニム(異名)がS. indicaとありました。しかし、現在では2種は別種ということになっているようです。夢の島熱帯植物館の無憂樹はS.indicaでしたが、S. asocaもS. indicaも無憂樹ということになるのでしょうか?


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Ochna kirkii
「ミッキーマウスノキ」という名前でも知られる、オクナ科の樹木。上手い具合に実が付けば、それっぽく見えるのかも知れません。ケニア、タンザニア、モザンビーク原産。



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6月は何かと予定が被ったため割りと大人しくしていましたが、7月はあちこち出かけるつもりです。しかし、暑い日が続いています。熱中症に気を付けなければいけませんね。というわけで、植物園やら園芸店やらを見て回ります。それはそうと、本日も我が家の多肉植物の様子を少しご紹介しましょう。


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リアトリスが咲いています。


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Cycas debaoensis
デバオエンシスの葉が展開中です。くるくる巻いていてまるでシダのようです。



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Euphorbia geroldii
ゲロルディイは去年の春に購入しましたが、なかなか環境適応出来なかったのかあまり花は咲きませんでした。しかし、今年は暖かくなる前からずっと咲き続けています。



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Euphorbia heterodoxa
ヘテロドクサは冬に室内で日焼けしてしまったので、全体的に白っちゃけてギリギリ生きている感がありました。しかし、どうにか復活し新しい葉が出ています。



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Euphorbia begardii
プリムリフォリア系のベガルディイですが、葉はあまり出ずに花ばかり咲いています。プリムリフォリアは開花は一段落して葉を茂らせているのとは対照的です。


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Euphorbia guillauminiana
グイラウミニアナにいつの間にやら実が出来ていました。花は目立たないため開花していることにすら気が付きませんでした。
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よくよく見れば沢山花が咲いていました。


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Pachypodium densiflorum
デンシフロルムが次々と開花しています。




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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。いよいよ温室に入りましたが、シナモンの仲間(Cinnamomum)が沢山ありました。シナモンの仲間は食用だけではなく、肉桂として漢方薬とされますから、薬用植物園らしいと言えます。


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クミスクチン Orthosiphon aristatus
「ネコノヒゲ」の名前で園芸植物として栽培されます。「クミスクチン茶」の名前でお茶にされるそうです。南アジアから東南アジア、オセアニアまで広く分布します。



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イヌニッケイ Cinnamomum iners
広く東南アジアに分布するイヌニッケイですが、セイロンニッケイの代替品とされているようで、和名の「イヌ」にしろ、種小名の「iner」にしろ、何かしら劣ったニュアンスを帯びます。
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葉は細長く、シナモンに典型的な三行脈。
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結実していました。


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レンブ(蓮霧) Syzygium samarangense
愉快な形の食用となる果実をつける果樹です。まだ蕾のようですね。ハケのようなフトモモ科に典型的な花を咲かせるようです。


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セイロンニッケイ Cinnamomum verum
本家本元の「真のシナモン」。ちょうど、新しい葉が美しいですね。セイロン島の原産。


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マルバニッケイ(丸葉肉桂) Cinnamomum daphnoideis
九州から沖縄にかけて分布するCinnamomum。葉が丸くニッケイっぽくありませんが、三行脈があり全体的にシナモンの香りがします。



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ジャワケイヒ Cinnamomum burmanni
ジャワニッケイとも呼ぶようです。シナニッケイとともに経皮として漢方薬とされます。
シナモン、あるいは経皮と呼ばれるクスノキ科植物、つまりはCinnamomum属は、植物園巡りを始めてから注目している植物の1つです。上に出てきたイヌニッケイやセイロンニッケイ、マルバニッケイ、そしてジャワケイヒもCinnamomum属です。園内の有用植物区にはニッケイ(C. sieboldii)も植栽されていました。そのため、東京都薬用植物園は、沢山のCinnamomumがあり個人的に非常に愉しませてくれました。ちなみに、他の植物園では、板橋区立熱帯環境植物館でセイロンニッケイ、新宿御苑でシナニッケイ(C. cassia)、あと忘れてはならないのが公園によく植栽されているクスノキ(C. officinarum)ですね。いや、クスノキは2023年にCamphora属になったので除外しましょう。しかし、割りと短期間に6種類のシナモンを見ることが出来ましたが、シナモンに着目していたからこそだと思っています。


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ダンドク(檀特) canna indica
カンナの仲間であるダンドクが開花していました。C. coccineaともいわれますが、現在はC. indicaの異名となっています。ネームプレートにはC. indica var. rubraと表記されていましたが、現在C. indicaには変種は認められていないようです。


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ジャカランダ Jacaranda acutifolia
小さなジャカランダが咲いていました。「キリモドキ」という名前もあるようで、確かに少し桐の花穂に雰囲気が似ていますね。ジャカランダはノウゼンカズラ科で桐の仲間ではありませんが、ツルがないのであまりノウゼンカズラ感はありません。しかし、個々の花は確かにノウゼンカズラに似ていますね。




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とりあえず、通常の植え替えイベントは本日で終了します。後は購入品をその都度植え替えるくらいですかね。というわけで、今年の植え替えは今回で155鉢となりました。


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十二の巻の結節が激しいタイプ。十二の巻は交配種ですから、様々な顔が現れます。ちなみに、2023年の春にコーナン港北インター店にて購入しました。
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根の状態は良さそうです。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。購入時に根が干からびて枯れていたり、アブラムシが新芽に湧いて新芽がやられたり紆余曲折ありましたが、今は子株も出て実に元気です。


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H. woolleyi GM 079
フィールドナンバーつきのウォオレイも植え替えます。ちなみに、2022年の秋に鶴仙園にて開催されたイベントで購入しました。
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根は弱いですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Euphorbia woodii
最近、流通し始めたタコものユーフォルビアのウォオディイ(ウーディー)です。ロクに枝もないほんの小さな実生でしたから、ずいぶんとよく育ちました。ちなみに、2023年の春にビッグバザールにて購入しました。

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根は非常に豊富でした。塊根も充実しています。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Gasteria disticha
ディスティカの花茎から高芽が出たので、2023年の9月に外して挿し木しました。なかなか生長しませんでしたが、最近ようやく良い葉が出てきました。
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根はよく発達しています。
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植え替え後。プレステラ75に植えました。


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Euphorbia magnifica
Monadenium magnificumの名前で入手しましたが、モナデニウム属がユーフォルビア属に編入されたため、現在はユーフォルビア属です。2022年の夏にシマムラ園芸で挿し木苗を購入しましたが、異様に小さな鉢に植えられており、ぎゅうぎゅうに詰まり固まった根鉢を崩せぬまま植え替えしました。しかし、2023年の冬に根腐れを起こしました。やはり、根鉢を崩さかったのが良くなかったようです。2024年の6月に生きている穂先を挿し木しましたが、果たして根は出ているでしょうか?
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根は豊富で非常に良好でした。なんと塊根が出来ています。購入時はあれほど根が豊富だったのに塊根はありませんでした。不思議ですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根は木質化し幹肌は荒れ性なので、なかなか面白そうです。塊根はまだ小さいので埋めておきますが、見られるようになったら露出させる予定です。



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梅雨というほど雨が降らない夏ですが、とにかく暑くて参ってしまいます。植物たちを見に行くだけで、滝のような汗をかいてしまいます。しかし、暑さの最中でも多肉植物たちは元気で、花を咲かせるものもあります。というわけで、我が家の多肉植物たちの様子を少しご紹介しましょう。


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Euphorbia moratii
モラティイが咲き始めました。
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なかなか絶妙な色合いですか、環境によって色合いは変わるようです。


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Haworthiopsis scabra
ダルマ型のスカブラですが、去年枯れた(と思ったので)放置していたら不思議なことに復活しました。真っ黒になって、カリカリに乾いて水を吸わなくなったわけですが、ここ1ヶ月でみるみるうちに緑色になり葉も膨らみました。


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Gasteria vlokii
ヴロキイは初開花ですかね。
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花は小型。しかし、赤みが強いですね。


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Gasteria ellaphieae
エラフィエアエも開花。
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花はやや膨らむ形。


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Aloe fleuretteana
フレウレテアナは日照を浴びて色付いています。
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いつの間にか花が咲いていました。


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天守閣 × Astrolista bicarinata
天守閣が開花しています。

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Astroloba skinneriとされがちな天守閣でしが、スキンネリではなくビカリナタが正しいようです。さらに言えば、Astroloba corrugata × Tulista pumilaの属間雑種なので、「× Astrolista」という交配属表記となります。
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花は先端が窄まる形



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5月に行ってきた東京都薬用植物園の続きです。長々と記事を続けてきましたが、いよいよ温室に入ります。

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温室の入口。


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クジャクサボテン Epiphyllum sp.
クジャクサボテンは属内交配種で、交配が繰り返された結果、由来がよく分からなくなっています。


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Paphiopedilum chamberlainianum
パフィオが咲いていました。現在はP. victoria-reginaと同種ということになっています。スマトラ島の原産。



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キンリョウヘン(金稜辺) Cymbidium floribundum
中国〜ベトナム原産のキンビディウム(シンビジューム)ですが、非常に古い時代に入ってきたようです。明治時代に流行があり、沢山の園芸品種が作られたそうです。


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Perilepta dyeriana
ウラムラサキと呼ばれるカラーリーフ。しかし、ウラムラサキという名前はキノコの和名で使用されているようですから、あまり相応しくないように思われます。ちなみに、現在の学名はStrobilanthes auriculata var. dyerianaとなっています。バングラデシュ、タイ、ミャンマーの原産。
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花も咲いていました。


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インドジャボク Rauvolfia serpentina
インドジャボクはインドの伝統医学であるアーユルヴェーダで利用されるキョウチクトウ科植物。
ちなみに、ネームプレートでは「Rauwolfia」となっていますが、正しくは「Rauvolfia」ですね。しかし、ウェブ上ではマチマチで、公益社団法人日本薬学会や近畿大学薬学部薬用植物園、東北大学薬学部附属薬用植物園などでは「Rauwolfia」、公共財団法人国際緑化推進センターや熊本大学薬学部植物園では「Rauvolfia」と意見が分かれています。これは、RauvolfiaがLeonhard Rauwolfに捧げられた名前だからかも知れません。しかし、Rauvolfiaの名前は古典ラテン語表記の「Leon. Rauvolfio」から来ているため、わざわざ現代語訳して「Rauwolfia」に直す必要はないようです。


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胡蝶蘭(Phalaenopsis)も咲いていました。


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クワッシア Quassia amara
クアッシアとも書かれます。スリナムニガキ、アメリカニガキという名前もあるようです。大変に苦い成分を含み、健胃薬とされます。

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花はとじた形で、先端から花蕊が突き出しています。


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ホウライアオキ Rauvolfia verticillata
ホウライアオキと言いますが、赤から黒色にかわる果実がアオキっぽいだけで、近縁ではありません。先ほど出てきたインドジャボクの仲間です。

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小さな花が咲いていました。



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2021年の新種の花キリンであるEuphorbia spannringiiを最近ご紹介しました。参照したのはThomas Haevermans & Wilbert L. A. Hetterscheidの2021年の論文、『Taxonomic changes and new species in Malagasy Euphorbia (Euphorbiaceae)』です。論文中では13種の花キリンの新種の記載と、レクトタイプを1種、ネオタイプを2種、エピタイプを1種、さらには複数の異名(Synonym)を提案しています。さて、本日はその中からEuphorbia fuscocladaについて見ていきます。


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Euphorbia fuscoclada Haev. & Hett.
2023年10月にタナベフラワーにて購入しました。


新種・フスコクラダ
Euphorbia fuscoclada Haev. & Hett., sp. nov.
Euphorbia亜属Goniostema節に属します。枝の直径が1.5 cmになるE. splendensより強健で、枝の直径は2.5cmになります。樹皮は光沢のある暗赤褐色で、枝の上部に短芽が発達しています。葉は無柄または半無柄です。対するE. splendensの樹皮は灰色で、短芽は欠如しているか極めて稀で、葉柄があり区別出来ます。


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深い紅色のトゲがあります。


特徴
高さ1m、直径2mまで生長する低く茂ったトゲのある植物で、雌雄同株です。主に主枝の基部から分岐し、上部はそれほど多く分岐しません。枝は半直立しますが、まれに直立して周囲の植物に支えられます。樹皮は半光沢から鈍く、暗褐色で古い部分は灰色がかってきます。葉は主枝の先端と短芽に集まり、無柄から準無柄です。主枝の先端の葉は1〜3cm × 2〜7cmで、広倒卵形から長楕円形です。トゲは目立たない列をなすかランダムで、長さ10〜15mmで頑丈、基部はわずかに膨らみ、若い時は暗黒褐色ですがすぐに灰色になります。花序は通常は枝先に単独でつき、長さ10cmほどになり、2〜4回二叉に分岐し、4〜16個の花を咲かせます。花軸は赤褐色です。


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幹は次第に灰色がかってきます。


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しかし、水に濡れると内部の鮮やかな暗赤褐色が透けて現れます。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。今回も花の特徴などは割愛しています。
さて、Euphorbia fuscocladaは割りと新しく命名された花キリンですが、命名からわずか2年で私が入手していますから、かなり流通が早いですね。しかも、現地球ではなく実生で、それなりの量が流通したようですから、既に栽培品が大量に栽培されているということでしょう。これは大変良いことです。なぜなら、実生由来の栽培品が大量に出回れば、密輸品などの現地球の価値も低下するため、密輸組織の旨味がなくなるため密輸そのものが減少するからです。密輸組織とは大げさなと思われるかも知れませんが、実際に国際的な密輸シンジケートが存在し、それらの組織はマフィアが絡んでいたりします。現地球を購入することで、間接的にマフィアに資金提供をしていることになりますからご注意下さい。



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そろそろ、植え替えもおしまいです。たぶん、次回でラストです。あとはイベントなどの購入品を、その都度植え替えるくらいですかね。というわけで、今年の植え替えは今回で150鉢となりました。


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謎の札落ちのオブツーサのようなものの鉢がパンパンです。放置系の多肉植物で、かなり丈夫です。
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根は浅いものの豊富です。
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植え替え後。そのままの鉢に植えました。次回は浅い盆栽鉢に植えたいですね。良さ気な鉢を買わないといけません。


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松の雪 Haworthiopsis attenuata cv.
微妙に斑入りの松の雪です。流石に松の雪錦と呼ぶのは憚られます。
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根はかなり多いですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Haworthiopsis scabra var. starkiana
スカブラの変種スタルキアナです。葉が短いダルマ型。

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根は半分くらい枯れていました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Haworthiopsis tessellata
あまり特徴がないノーマルな竜鱗です。長らく植え替えていないため、植え替えます。

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根は枯れがちでした。
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植え替え後。根が短いので盆栽鉢に植えました。こちらの方が過湿にならないので良いような気がします。


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Aloe polyphylla
なにやらずっと不調で、半日陰に移したせいか縦長に育っています。
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思ったより根は沢山ありますね。
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植え替え後。根が長いのでEG-135Lに植えました。調子を崩してからは半日陰に置いていましたが、調子が良さそうなので、徐々に日に慣らしていきます。



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本日は久しぶりに読んだ本の話をしましょう。本はまあそれなりに読んではきましたが、植物関連の本というとそれほどは出版されないため、なかなか良い本には巡り会えないものです。さて、前置きはこれくらいにして、本題に入りましょう。本日、ご紹介するのは、2024年に淡交社より出版された、湯浅浩史 / 著、『秘境、辺境、異文化 世界の絶景植物』です。


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絶景に生える植物
本書は著者が世界60カ国以上を廻り撮影した、絶景に生える植物と解説からなります。絶景ということで僻地になりがちではありますが、地元の人々には身近にあるものの我々には珍しい植物も沢山紹介されています。


僻地と言えば多肉植物
さて、私の興味の範囲は多肉植物に限らず植物全般ではありますが、一応はサボテンと多肉植物のブログということになっていますから、先ずはサボテンと多肉植物を取り上げましょう。
有名どころでは、マダガスカルのバオバブ(Adansonia)や、南アフリカの樹木アロエ(Aloidendron)を始めとするアロエ類、ソノラ砂漠の、弁慶柱(Carnegiea gigantea)、チリのCopiapoaやアタカマ柱(Leucostele atacamansis)、メキシコのバハ・カリフォルニア半島の観峰玉(Fouquieria columnaris)やPachycereusなどの素晴らしい自生地の写真があります。また、キューバのMelocactusやエチオピアのジャイアントロベリア(Lobelia bambuseti)、ボリビアのウユニ塩湖の中にある島に生えるパサカナ柱(Leucostele atacamensis subsp. pasacana)、オマーンの乳香樹(Boswellia)、キルギスのRosulariaなどややマニアックなもの、インドに自生する柱サボテン状のユーフォルビア(Euphorbia antiquorum)、ベネズエラのギアナ高地に自生する巨大なキク科植物Chimantaea、コロンビアの高地に生えるやはり巨大なキク科植物Espeletiaあたりは私も知らない多肉植物でした。
それなりに長く植物好きで色々調べてきたはずですが、未だに知らないことばかりです。そして何より写真が素晴らしいですね。まさに絶景ですが、それだけではなく自生地の環境や野生個体の本来的な姿は大変勉強になります。

多様な在り方
もちろん、絶景は多肉植物の独占事項ではなく、植物は実に様々な様体で現れ、我々の目を愉しませてくれます。例えば、ギリシャのミケーネ遺跡に咲く野生のシクラメン(Cyclamen)や、大樹の気根に呑み込まれるアンコール遺跡、ブータンのシャクナゲ、キルギスの花園など、実に多様です。
個人的には、5月は堀切菖蒲園に行ったこともあり、アルメニアのアイリスは実に興味が惹かれました。日本でアヤメ属(Iris)と言えば、カキツバタやアヤメ、ハナショウブが代表的ですから、水辺の植物といった感があります。しかし、アルメニアでは草原や石がゴロゴロしている乾いた土地に生える姿は、実に奇妙な感じがしてしまいます。しかも、驚くべきことに首都のはずれに自生しており、地元の人々にとっては当たり前の光景なのでしょう。
とまあ、このように実に様々な植物とその自生地での姿が素晴らしい写真により、提示されます。とにかく、世界中の植物の全く異なる在り方は、植物の多様性の高さを実感する契機です。そして、写真を眺めているだけで楽しい1冊でした。



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相変わらず、5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。ちまちまやっていたら、いつの間にやら7月になってしまいました。


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ハマナス(浜茄子) Rosa rugosa
ハマナスが咲いていました。ハマナシ(浜梨)とも呼ばれますが、いずれにせよ「浜」とあるように海岸植物です。Rosa属ですから野生バラの1種で、果実はローズヒップとして利用されます。



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アメリカシャクナゲ Kalmia latifolia
カルミアの和名がアメリカシャクナゲだとは知りませんでした。しかし、シャクナゲとつく以上はツツジ科というのはわかりやすいかも知れません。一見して何の仲間か分かりにくい外見ですからね。葉は有毒で呼吸麻痺などを引き起こすそうです。



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ウマノスズクサ(馬の鈴草) Aristolochia debilis
ウマノスズクサはかつては生薬とされていましたが、成分のアリストロキア酸が腎障害を引き起こすため、現在では使用されません。

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しかし、見た瞬間、これはジャコウアゲハが来ているのではないかと期待しました。ウマノスズクサはジャコウアゲハの食草ですからね。
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探すと卵が産み付けられていました。
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しばらく待つと蝶がやってきました。しかし、動きが速くヒラヒラした動きでなかな上手く撮影出来ません。これがベストショットでした。
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拡大すると何とか確認出来ます。ジャコウアゲハです。日照が強すぎて色が飛んでいますが、大型で美しい蝶です。ウマノスズクサが生える草地が開発などにより減少し、ジャコウアゲハも珍しい蝶となってしまいました。


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ムサシアブミ(武蔵鐙) Arisaema ringens
割りとポピュラーな天南星です。天南星は有毒植物とされますが、有毒成分はただのシュウ酸カルシウムです。サトイモ科ですから地下には芋が出来ますが、砕いて水に晒せばデンプンを回収出来ます。これはドングリのアク抜きと同じ手法ですから、縄文人も天南星を食べていたかも知れません。


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アムールテンナンショウ Arisaema amurense
中国、朝鮮半島、ロシア極東部に分布する天南星。緑色の仏炎苞が特徴なのかと思いましたが、赤褐色の模様が入るものもあり多様なようです。生薬とするらしいです。


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ムギナデシコ Agrostemma githago
種子にサポニンが含まれており、食べると胃痛や嘔吐、下痢を引き起こすとのこと。しかし、ムギナデシコという名前は、バラモンジン(婆羅門参、Tragopogon porrifolius)を指すこともあり、あまり良い名前ではないかも知れません。ちなみに、ムギセンノウ(麦仙翁)という名前もありますが、ナデシコ科のムギセンノウと、キク科のバラモンジンならば、ムギセンノウの方がムギナデシコらしさがあるような気もします。地中海沿岸の原産。



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チョウジソウ(丁字草) Amsonia elliptica
青みがかる美しい花を咲かせます。園芸で栽培されるのは海外の種とのこと。準絶滅危惧種。有毒植物。


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スイレンはまだ早かったですね。


さて、長々と東京都薬用植物園の記事を続けて来ましたが、次回から温室に入ります。しかし、温室に至るまでに撮影しすぎて、スマホの過熱がピークに達してしまいました。温室内ではシャッター速度が低下してブレるは、本体の過熱で強制シャットダウンするはで散々でした。結局、いつもと比べると撮影は淡白にならざるを得ない感じではありましたが、まあそれなりにあります。というわけで続きます。



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本日は我が家の蘇鉄たちをご紹介します。何せ今は新葉が展開する蘇鉄がもっとも美しい時期ですからね。


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まずは、日本の蘇鉄(Cycas revoluta)から。フラッシュもほぼ終わりましたが、葉は数十枚出ました。
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葉が多いとサイズの割りにゴージャスに見えますね。


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お次は中国の蘇鉄であるCycas debaoensisです。去年購入して室内で冬越ししましたが、3月始め頃に葉がカリカリに乾いて枯れてしまいました。どういうわけか、妙に小さな鉢に植えられていたので、暖かくなってきて乾きすぎたようです。慌てて植え替えましたが、3カ月以上葉がないままでした。しかし、ようやく葉が出てきました。とりあえず、一安心です。


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Cycas sp. Thai Silverも新葉が出ましたが、フラッシュは何やら妙に早かったですね。冬越しで室内に入れましたが、強い植物用ランプを当てていたら、葉をやられてしまいました。しかし、葉は軟質なのでそもそも耐用年数はあまりなさそうです。そういえば、「Thai Silver」というあだ名で呼ばれていますが、これはCycas siamensisの「シルバーフォーム」と同じものなのでしょうか? よくわかりません。そもそもC. siamensisは遺伝的にもかなり幅があるようですから、姿もかなり多様なはずです。まあ、タイは蘇鉄の種類も多く自然交配も起きていますから、何らかの雑種なのかも知れませんけどね。


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Cycas cairnsiana
カイルンシアナはまだ動きはありません。去年入手しましたが、今年は葉が出ないかも知れません。


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Dioon eduleはフラッシュが始まったばかりです。エドゥレは非常に生長が遅い蘇鉄なので、葉は増えますが育っている実感はありません。


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Dioon spinulosumはフラッシュも終わりました。涼し気な葉が美しいですね。新しい葉は毎年大きくなっていきます。


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フロリダの固有種であるZamia integrifoliaも盛んに葉を出しています。そういえば、今年はインテグリフォリアについてアレコレ調べました。インテグリフォリアは最近では5変種に分けるのがスタンダードのようですが、論文を読むと遺伝子解析は行っていないため、まだ変わる余地はありそうです。


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メキシコの蘇鉄であるZamia furfuraceaです。葉が展開中です。既に開花年齢で2年連続で開花しています。今年はどうでしょうか? まあ、雌雄異株なので、受粉はしませんけどね。



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6月も終わってしまいますが、5月に行った東京都薬用植物園の記事です。ちまちま書いているので、なかなか終わりません。少しペースアップしないとこれは終わりませんね。


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セイヨウトチノキ(西洋栃木) Aesculus hippocastanum
いわゆる「マロニエ」。交配種のベニバナトチノキばかりで、交配親のセイヨウトチノキはあまり見かけません。西洋では樹皮や種子を収斂薬としたそうです。ヨーロッパ原産ですが意外と南方系で、バルカン半島やトルコに由来します。そういえば、「馬栗」とも言いますが、よくよく考えると不思議な名前でした。実が栗っぽいのはわかりますが、なぜ馬なのかというと、馬の疾患に利用されていたからということです。



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ガガイモ Metaplexis japonica
日本では旧・ガガイモ科を代表するガガイモですが、あまり知られていない植物でしょう。有毒で生薬となると言われていますが、食用ともされる不思議な植物です。旧・ガガイモ科植物には塊根性のものがありますが、ガガイモという名前の由来は塊根ではなく果実に由来するそうです。ちなみに、現在ではCynanthum rostellatumが正式な学名です。


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ウスベニアオイ Malva sylvestris
ゼニアオイかと思ったらウスベニアオイでした。とはいえ、ゼニアオイ(M. mauritiana)はウスベニアオイの変種(var. mauritiana)とされることもあるようです。しかし、現在ではゼニアオイはウスベニアオイに含まれるようです。花をハーブティーなどに利用することもあるそうです。


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ホソバタイセイ Isatis tinctoria
ウォード(word)と呼ばれるヨーロッパ南部原産の染料植物。藍が普及する前には、葉を発酵させて青色系の染料としていたそうです。成分のインディカンがインディゴに変化して発色します。

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一見して何の仲間がわかりませんが、アブラナ科植物とのこと。確かに花はそんな感じです。
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実が沢山ぶら下がっていて面白いですね。


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アルカネット Anchusa officinalis
古代エジプト時代から化粧品原料とされてきたそうです。根から紅色染料がとれます。染料として利用されるムラサキ(Lithospermum erythrorhizon)と同じムラサキ科。



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Lavandula stoechus subsp. pedunculata 'Avon view'
いわゆるフレンチラベンダー。花の先端に大きな花弁がつきます。昔からハーブとした利用されてきました。


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シナノキ(科の木) Tilia japonica
日本の固有種とされますが、中国南部にも分布するらしいシナノキです。樹皮の繊維を網や布としたそうです。
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蕾が膨らんでいますが、開花はまだでした。



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最近の購入品をまだ植え替えていなかったので、植え替えてしまいます。5月に開催された五反田のビッグバザールと、GWに行った池袋の鶴仙園で購入した多肉植物たちです。ちなみに、今年の植え替えは今回で145鉢となりました。


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Adenia fruticosa
今年の5月のビッグバザールの購入品です。排水は良さそうな用土ですが、根の状態が気になるので植え替えます。
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根は割りと貧弱でした。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。既に生長が始まっていますから、どう育つのか楽しみなアデニアです。


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Haworthia zantneriana
今年のGWに行った鶴仙園での購入品です。珍しく軟葉系を買いました。鉢から根がはみ出していますが、どんな感じでしょうか。このように化粧砂がある場合、中の用土が分からないので結構不安です。

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根はなかなか良さそうです。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。軟葉系とは思えないシャープな葉が堪りません。


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H. limifolia var. ubomboensis GGS 5739
どうやら、ISI 1339のことのようです。ちなみに、今年のGWにH. zantnerianaと一緒に鶴仙園にて購入しました。

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根は結構しっかりしています。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。


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Euphorbia trichadenia
トリカデニアはまだ小さい苗ですから、塊根はまだ植えておきたいところです。ちなみに、今年の5月のビッグバザールにて購入しました。

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塊根はまだ小さいですね。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。塊根は埋めて育てることにしました。


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Operuculicarya hyphaenoides
ヒファエノイデスの名前で入手したオペルクリカリアですが、なかなか怪し気なニオイがする一鉢です。ちなみに、2024年の夏にヨネヤマプランテイションのイベントで購入しました。
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ご覧の通り、ヒファエノイデスの特徴はありません。輸入種子がO. hyphaenoidesの名前で売られているのでしょう。では何かというと、これがわかりません。特徴的にはパキプスに近いものの異なりますから、おそらくパキプス系の雑種なのでしょう。もはやオペルクリカリアは純系なのか純系に似た特徴が出た雑種なのかすら分からない状況です。オペルクリカリアの価値そのものを下げるような現状はかなり疑問ですね。
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芋の育ち具合は良好です。
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植え替え後。どうせ塊根が巨大化するのでEG-135Lに植えました。


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5月に行った伊奈町制施行記公園のバラ園の記事の続きです。多肉植物の植え替えの時期なので、植え替えの記事ばかりでなかなかバラ園の記事が載せられませんでしたが、今回で最後です。なんだかんだで、1カ月も記事を引っ張る羽目に陥りました。


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Rokoko
1987年にドイツで作出されたCL系統のバラ。アーチから垂れる大輪。



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Lavaglut
1978年にドイツで作出されたF系統のバラ。

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深い赤は実に印象的。


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かざぐるま
2000年に京成バラ園で作出されたF系統のバラ。一重咲きですが、かわいらしいバラです。



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一面のバラ。


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Nostalgie
1995年にドイツで作出されたHT系統のバラ。絶妙な色合いが目を引きます。



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Novalis
2010年にドイツで作出されたHT系統のバラ。

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写りが悪いので、本来の淡い紫色ではありません。青や紫系統の撮影は難しいですね。


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タワー型のトレリスのバラが満開で美しいですね。


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花壇に小型の様々なバラが咲いています。


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恋いづな
2024年に京成バラ園で作出されたF系統のバラ。


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るる
2006年に京成バラ園で作出されたF系統のバラ。花弁の外面が白く房咲き。



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Tchin-Tchin
1978年にフランスで作出されたF系統のバラ。

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花束のようです。


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これだけボリュームがあると実に豪華です。


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というわけで、伊奈町制施行記念公園のバラ園でした。規模と種類ではかなりのもので、よく手入れされた良いバラ園でしたね。薔薇と言えば春と秋がシーズンですから、秋のバラ園も気になります。秋はどのバラ園に行こうか悩みます。


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なんだかんだであっという間に6月も終わってしまいそうです。そういえば、「本日の多肉植物」と言っていますが、違う日にバラバラに撮影したまとめ記事だったりするので、やや時期がズレていたりします。


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黄菖蒲が咲いています。


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花菖蒲も開花中。こちらは矮性品種で小輪です。


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Pachypodium makayenseは4月に植え替えましたが、やや根腐れ気味でした。冬に過湿にしてしまったようです。しかし、ようやく花が咲きました。
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中心が白いのが特徴です。


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Pachypodium densiflorumも元気に開花しています。今年は外に出すのが遅れたせいで、葉が出るのも花が咲くのも遅れました。


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H. scabra v. scabra JDV 95/17も開花しました。
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実に渋い。これは堪りませんね。
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花は膨らまず痩せた形です。


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Euphorbia sbapodaが咲いています。E. primulifolia系の花キリンです。


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Euphorbia neorubellaも沢山開花しています。葉や茎など全体的に赤みがあるため、花はあまり目立ちません。枝は下垂するため、ハンギングバスケット向きではありますが、塊根があるため難しいでしょうか。


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先日、堀切菖蒲園に行ってきましたが、本日はその続きというかオマケです。そういえば、日本ではアヤメ属(Iris Tourn ex. L., 1753)の植物と言えば、アヤメ(Iris sanguinea)、カキツバタ(Iris laevigata)、ハナショウブ(Iris ensata)を連想し、アヤメ属植物は水辺の植物をイメージしがちでしょう。しかし、ジャーマン・アイリス(Iris × germanica、I. pallida × I. variegata)などヨーロッパでは陸生のアヤメ属植物が一般的です。日本では陸生のアヤメ属植物で一般的なのはシャガ(Iris japonica)くらいなので余計にそう感じます。


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峨眉山の月(江戸系)


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250607093820350
五三の宝(江戸古花)


250607093841750
鎌田錦(江戸古花)


250607093926174
十二単衣(江戸古花)


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250607094043653
玉津島(肥後系)


250607094102956
小町娘(江戸古花)


250607094116458
紫衣の誉(江戸系)


250607094243887
綾瀬川(江戸系)


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250607094357655
長生殿(江戸系)


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なぜか、フェイジョア(Acca sellowiana)が植えてありました。果実はジュースなどに加工されて利用されます。南米原産の熱帯植物ですが、耐寒性が強く関東地方なら栽培可能です。
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ちょうど開花中でした。深紅の花柱と花糸がよく目立ちます。


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ピンク・フロスト(アメリカ作出)


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池もあり睡蓮なども栽培されていました。


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アサザらしき花が沢山咲いていました。小さい花ですが、よく見ると縮緬状のかわいらしい花です。


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池には沢山の睡蓮が咲いていました。こちらはピンクで花が丸いタイプ。


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こちらはより赤いタイプ。


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斑入りでシャープな花弁のタイプ。


堀切菖蒲園の記事は今回で終了します。とにかく大量の花菖蒲があり、写真は撮り切れないので気になったものだけです。そのせいか、やや変わりどころばかり撮影した気もします。



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最近、多肉植物のイベントでEuphorbia spannringiiという名前の花キリン苗が流通するようになりました。私は本格的に流通する前の先触れを、去年の秋にBBで入手しました。さて、私が驚いたのは、これが由来不明の塊根性花キリンである「フィッシュボーン」と呼ばれるものに見えたからです。葉の葉脈がはっきりと白く筋状となっており、名前の通り「魚の骨」のように見えます。しかし、いつの間にやら学名がついたのかと驚きましたが、どうやら2021年の論文によるものであることが分かりました。その論文は、Thomas Haevermans & Wilbert L. A. Hetterscheidの2021年の論文、『Taxonomic changes and new species in Malagasy Euphorbia (Euphorbiaceae)』です。論文中では13種の花キリンの新種の記載と、レクトタイプを1種、ネオタイプを2種、エピタイプを1種、さらには複数の異名(Synonym)を提案しています。さて、本日はその中からEuphorbia spannringiiについて見ていきます。


新種スパンリンギイ
★Euphorbia spannringii Haev. & Hett., sp. nov.
E. spannringiiは少なくとも10年前から栽培されており、「Fishbone euphorbia」とも呼ばれてきました。ホロタイプとパラタイプを作成するための植物が発見されるまで、野生個体は見つかっていませんでした。
E.spannringiiはEuphorbia亜属Goniostema節に属し、広範囲な明るく白い斑入りの葉により他の種と際立って異なります。このような斑入りの葉は、E. cremersiiやE. razafindratsira、E. moratiiの変異の範疇でも見られます。E. 
spannringiiは葉が亜皮質で短く、葉が細長く楕円形〜披針形であるE. cremersiiとは異なります。また、E. spannringiiは葉が直立し葉裏が白いのに対し、E. cremersiiは葉が頷き型で葉裏はくすんだ紅褐色です。E. moratiiは葉身が狭く尖りくすんだ紅褐色である点で異なります。


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Euphorbia spannrigii Haev. & Hett.
2024年9月に開催された、サボテン・多肉植物のビッグバザールにて購入しました。


特徴
葉身のみが地上から出ています。根は多肉質で房状の主根から、多肉質な枝を伸ばします。雌雄同株です。葉は落葉性で全縁、葉柄は細長く葉身のみが地上から出ます。葉柄は無毛で基部に翼があり、地下にある時は白く露出すると赤緑になります。
葉は45〜60mm × 15〜30mmで、倒披針形で基部は鈍形で先端は鋭形から鈍形で無毛です。葉縁は赤みを帯び平らかわずかに波打ちます。通常は一次脈と二次脈が白色で、時に二次脈の間に白斑が入ります。
花序は二叉に分かれ長さ10cm以下、1つの枝に同時に5個以下の花序がつきます。花柄から脇芽が出て蕾になることもあります。



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まだ若い実生苗ですが、塊根が出来ています。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。花の詳細な特徴や、タイプの産地なども記載されていましたが、今回は割愛しました。
さて、マダガスカルでは未だに新種の多肉植物が見つかります。しかし、E. spannringiiのように先に未記載種として流通してから、後に新種として記載されるのは珍しいですね。マダガスカルは種が非常に多様化しており、分布が狭い地域に限定されがちです。そのため、原産地の特定は困難を極めます。開発により未調査地が消滅していることも珍しくありません。産地が特定され、正式に命名されたことは僥倖でした。


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梅雨入りしましたから、今年の植え替えもそろそろ一段落ですかね。ちなみに、今年の植え替えは今回で140鉢となりました。


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Euphorbia ankarensis
丈夫で良く開花する花キリンです。アンカレンシスの名前で入手しましたが、葉に毛がないのでE. denisianaのような気がします。2023年の夏に鶴仙園にて購入しました。
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かなり太い根もあり、充実しています。
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植え替え後。バランス的にプレステラ120からEG-135Lに植えました。


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Pachypodium bispinosum
ビスピノスムはあまり育ちは良いほうではありませんが、どうでしょうか。ちなみに、2021年の秋にシマムラ園芸にて購入しました。
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塊根はかなり太っていました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Astroloba foliolosa
フォリオロサはどうしても傾いてしまいます。毎度、こうなります。ちなみに、2022年の春に開催されたビッグバザールにて購入しました。
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困ったことに傾いた挙げ句、根が露出しています。
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根は割りと健全でした。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。流石に深植えしましたが、なんだか不安ですね。


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Tulista pumila
プミラは何やら色味が悪いですね。置き場所が悪く雨がかかってしまっていたようです。2022年の秋にコーナン港北インター店にて購入しました。
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根がありませんでした。しかし、本体までは腐っていないようで、短い根が出始めていました。
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植え替え後。萎びれた葉を取り除き、そのままのプレステラ90に植えました。


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Euphorbia milii cv.
小型の花キリンも植え替え。久しぶりですから相当根が詰まっているでしょう。まあ、現在は園芸的に流通しているミリイは実はスプレンデンスだという話らしいのですが、まだ当該論文を読んでいないのでよくわかりません。
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持て余していたプレステラ180があったのですが、ちょうど良さそうです。
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完全に根鉢が回っていますね。
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絡まる根をほぐしました。
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根茎と蘖を取り除きました。また、枝を大幅に整理しました。
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植え替え後。もっと枝を混ませてこんもりとさせたいですね。


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5月に行ってきた東京都薬用植物園の記事の続きです。ナンジャモンジャの木がちょうど満開でした。


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セイヨウオキナグサ Pulsatilla vulgaris
セイヨウオキナグサは花も美しいのですが、種子も面白い植物です。ヨーロッパに広く分布しますが、フィンランドやオランダでは絶滅しているようです。


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ヒトツバタゴ Chionanthus retusus
いわゆる「ナンジャモンジャの木」。海外の樹木のような気もしますが、実は日本から中国まで分布します。ヒトツバタゴ属は基本的に南方系なので、東アジアに生えるヒトツバタゴは珍しい部類です。
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日本にも産地があることは知りませんでした。


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オオツヅラフジ Sinomenium acutum
茎や根茎を「防已」と呼び漢方薬原料とするそうです。日本から中国、ネパール、タイまで広く分布します。


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オオアザミ Silybum marianum
ヨーロッパでは古くから肝臓病の治療に使われてきたそうです。地中海沿岸からインドまで広く分布します。

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いかにもなアザミの蕾。


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ギョリュウ(御柳) Tamarix chinensis
シルクロード関連の本を紐解けば、よく出てくる「タマリクス」とはこのギョリュウの仲間のことです。当然、乾燥地に生えるわけですから乾燥に強いわけですが、実は耐塩性もあります。なぜなら、雨が降っても海まで流入しない中央アジアでは、塩分が非常に高く塩析したりして「青菜に塩」の如く耐塩性のない植物には厳しい環境です。

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タマリクスを初めて見ることができて感動しました。何冊もシルクロード関連の本を読んできましたから、タマリクスの名前にはシルクロードのロマンの香りがします。


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シロバナムシヨケギク Tanacetum cinerariifolium
殺虫効果があり蚊取り線香の原料とされてきました。そのため、「除虫菊」と呼ばれてきました。アルバニア原産。



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ハシリドコロ Scopolia japonica
有毒なことで有名なハシリドコロです。漢方では莨菪根と呼ばれ、生薬は劇薬扱いのようです。初めて見ましたが、典型的なナス科植物で驚きました。勝手にアマドコロのような植物を想像していたが、よく考えたらおかしな話でしたね。ハシリドコロから作られる硫酸アトロピンは、地下鉄サリン事件で解毒剤として使われてある意味では有名になりました。芽吹きの姿がフキノトウに似ているため、間違いやすい毒草でもあります。



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ニガヨモギ Artemisia absinthium
昔から薬用植物として有名で、「アブサン」という蒸留酒の原料としても知られています。
北アフリカから地中海沿岸、ペルシャからロシア、飛地で中国まで広く分布します。



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6月に入りましたが、6月の花というと紫陽花か花菖蒲あたりになるようです。紫陽花はともかく、花菖蒲はあまり見かけないので見に行こうということになりました。千葉や茨城に巨大な菖蒲園があるようですが、かなり遠いため、近場の堀切菖蒲園へ行ってきました。北千住から浅草方面の東武線に乗り次の駅の牛田駅で京成関屋駅に乗り換えて、成田空港方面の電車に乗った次の駅が堀切菖蒲園駅です。

堀切菖蒲園は堀切菖蒲園駅から徒歩10分程度です。花菖蒲のシーズン中は駅からの道順が、矢印の書かれた看板で示されていますから、道に迷うこともありません。


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駅のホームにも提灯がかかっていました。


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駅から堀切菖蒲園まではこのような幟やぼんぼりがあります。


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歩道には花菖蒲のタイルが敷かれています。


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遊歩道にも花菖蒲。


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堀切菖蒲園へ到着。ちょっとしたお祭りで、入口の前には屋台が出ていました。


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花菖蒲ではなくて先ずは淡い色合いの紫陽花がお出迎え。


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見渡す限りの花菖蒲。
花菖蒲の学名はIris ensataですが、野生種であるノハナショウブ(I. ensata var. spontanea)を改良したものとされています。しかし、現在はI. ensataには変種はなく、ノハナショウブも園芸種の花菖蒲も同じ学名です。I. ensataはロシア沿岸から日本、中国、アッサムと野生種の分布は広大です。

撮影はそれほどしていないので、あくまでも極一部に過ぎません。私も花菖蒲の園芸品種に詳しくはないので、適当に見ていきましょう。


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御所遊(江戸古花)
花菖蒲の園芸品種は大きく分けて、江戸系、伊勢系、肥後系、長井系、外国系などに分けられるそうです。江戸系は変化に富み多様で、伊勢系は花弁が垂れ、肥後系はボリュームがあるそうです。長井系は山形県長井市にある古品種群とのことです。江戸古花は江戸時代に育成された品種で、主に江戸の堀切で栽培されました。



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初霜(江戸古花)


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名札を見るのを忘れました。


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寛政(江戸古花)


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長生殿(江戸古花)


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石橋(江戸古花)


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松葉重(江戸古花)


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見渡してもすべてが花菖蒲。


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万里の雫(江戸古花)


というわけで、堀切菖蒲園に行ってきました。これほど沢山の花菖蒲を見たのは初めてです。都内で行きやすく、管理がしっかりしていますから、おすすめします。通路は舗装されており、水辺の植物ですが泥濘むこともありません。道幅もあるため混雑しないのも良い点です。着物姿の人もちらほら来ていて、なかなか風情がありました。また、訪れたいと思います。


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最近は植え替えをバリバリやっているせいで植え替えの記事が多く、東京都薬用植物園やら伊奈町町制施行記念公園のバラ園の記事が渋滞していてなかなか終わりません。しかし、先日なんと花菖蒲を見に堀切菖蒲園に行ってきたため、さらに記事が渋滞しそうです。まあ、菖蒲園の記事はさらりと終わらせるつもりです。さて、そんなこんなでまたまた植え替えの記事です。ちなみに、今年の植え替えは今回で135鉢となりました。


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Euphorbia makayensis
マカイエンシスは購入時は高さ2cm程度でしたから、ずいぶんと立派になったものです。ちなみに、2023年の春に木更津C & Sフェアにて購入しました。

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根は繊細ですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Euphorbia sipolisii
シポリシイは南米原産のPencil-Stemのユーフォルビアです。何故かぐらつくので少し心配です。

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根はしっかりしていましたが、背丈に比べると少ないので、バランスが悪かっただけのようです。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。ぐらつかないように少し深植えしています。


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Euphorbia iharanae
イハラナエは勢いがよく、丈夫で生長が良いですね。近縁のE. humbertiiの繊細さとは真逆です。ちなみに、2023年の春にタナベフラワーのイベントにて購入しました。
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根の量は多いのですが、絡まったまま前回の植え替え前の鉢の形に固まっています。このままだと排水も悪くなりますし、根が広がらないのでよくほぐしました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Gymnocalycium gibbosum subsp. borthii
ボルティイは去年植え替えましたが、塊根がすっかりしぼんでいました。根をやられて水を吸っていないようでした。未だに地上部は膨らみません。様子を見てみましょう。ちなみに、2021年の冬に鶴仙園にて購入しました。

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根は少ないのですが、動いている根が沢山出ていました。これなら一安心です。
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植え替え後。塊根が縮んだので、プレステラ105からプレステラ90にサイズダウンしました。


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特守金魔天竜 Gymnocalycium mazanense
魔天竜の良型である
守金魔天竜にさらに「特」がついていますが、何せ実生なものでどう育つのかはわかりません。
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根はまあ普通です。
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植え替え後。プレステラ75に植えました。どう育つのか楽しみです。


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6月はこれと言った多肉植物のイベントはなさそうです。とは言え、植え替えばかりではつまりません。また、そぞろに植物園に行きたくなりました。というわけで、今年の植え替えは今回で130鉢となりました。


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Euphorbia f. rubrifolia
旧・フランコイシイ系のより葉が赤いタイプ。一般的にはE. francoisii var. crassicaulis f. rubrifoliaと言われているようです。室内から急に外に出したので、葉が日焼けして落ちてしまいました。ちなみに、2023年の春に開催された木更津C & Sフェアにて購入しました。

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塊根が太ってきました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根から出ていた細根を整理し、塊根を露出させました。


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Euphorbia crassicaulis
旧・フランコイシイ系のクラシカウリスは非常に勢いがあり、明らかに混んで来ました。ちなみに、2023年の春に鶴仙園にて購入しました。

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塊根が非常に発達しています。今の鉢では窮屈です。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ120 にサイズを上げました。塊根の生長が良く、これからが楽しみな花キリンです。


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Euphorbia boiteaui
E. decaryiの名前で売っている挿し木の花キリンです。二次的に塊根が出来ないか経過観察中です。ちなみに、2020年の冬にシマムラ園芸にて購入しました。

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根は非常に豊富です。挿し木苗は地下茎が出来やすいのですが、植え替えの度に取り除いています。約4年間の栽培ですが、見られるほどではないものの、塊根が太りつつあります。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Euphorbia guillemetii
グイレメティイは購入時、塊根を見せるために浅植えされていました。しかし、細根があまりに少ないので塊根は埋めてしまい、根の充実を見計らっていました。ちなみに、2023年の秋に木更津C & Sフェアにて購入しました。

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細根がよく発達しています。思惑が当たりました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根を露出させましたが、根がちゃんとしているため安心です。


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Euphorbia beharensis
実はE. guillemetiiはE. beharensisの異名とされているため、上の個体と同種ということになります。しかし、葉の形が異なるため気になっています。ちなみに、2023年の秋にビッグバザールで購入しました。

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挿し木苗でしたから、塊根は出来ないと踏んでいましたが、塊根が形成されています。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根はまだ若く木質化していないため、しばらくは埋めておきます。



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5月に行った伊奈町制施行記念公園のバラ園の記事の続きです。400種5000株のバラが咲き乱れていましたから、どこを歩いてもどこを見ても一面のバラの花でした。


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Candia Meidiland
2006年にフランスで作出された、S系統の花弁の裏が白いバラ。シンプルですが美しいですね。



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Summer Dream
1988年にアメリカで作出されたF系統のバラ。サイトにより1987年にイギリスで作出、あるいは1989年にアメリカで作出など、情報が混乱しています。



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Frau Holle
2006年にドイツで作出されたS系統のバラ。名前はグリム童話からでしょうか?



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Pashumina
2008年にドイツで作出されたS系統のバラ。花弁が非常に多く、房咲きで咲くと花束のようです。



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Alba Meidiland
1985年にフランスで作出されたS系統のバラ。小輪ですがポンポン咲きでかわいらしいですね。

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ものすごい蕾の数です。


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名前を見るのを忘れましたが、乱れ咲きです。


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Heritage
1984年にイギリスで作出されたS系統の強香バラ。



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ここは記念撮影スポットの1つみたいです。ちょうど満開で大変豪華でした。



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いつの間にら6月になってしまいました。そろそろ植え替えも終わりたいのですが、なかなか終わりません。ちなみに、今年の植え替えは今回で125鉢となりました。


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Pachypodium horombense
花が特徴的なホロンベンセですが、なかなか開花しません。ちなみに、2021年の秋に鶴仙園にて購入しました。
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根はまあまあですかね。
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植え替え後。そのままのプレステラ120に植えました。


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Euphorbia caput-medusae
どうしても日の方向を向いてしまうカプトメドゥサエです。ちなみに、2022年の冬にシマムラ園芸にて購入しました。

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根はちょっと少ない気もします。深植えで根域が狭いのかも知れません。
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植え替え後。やや朝植えしましたが、余計に傾く気もします。


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Euphorbia graniticola
グラニティコラの実生苗ですが、少し特徴が出てきました。ちなみに、2023年の春に開催された木更津C  & Sフェアにて購入しました。
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根の状態は良好です。勝手に増えているE. clandestinaのオマケつき。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。オマケも一緒に植えました。


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Euphorbia millotii
ミロティイはなかなか育ちも良く、将来が楽しみな花キリンです。ちなみに、2023年の秋にタナベフラワーにて購入しました。

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根は非常に豊富でした。実生のミロティイも元気。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。


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Gymnocalycium erinaceum WR 726B
フィールドナンバーつきのエリナケウムです。ちなみに、2021年の秋に鶴仙園にて購入しました。

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根はまあまあですかね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。よく育っています。


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今年の5月に東京都薬用植物園に行きましたが、その記事の続きです。薬用植物がメインですから、基本的に地味であまり見栄えしませんが、図鑑でしか見たことがないような植物が沢山見られます。


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ヒュウガトウキ(日向当帰) Angelica furcijuga
九州原産のセリ科植物。絶滅危惧II類(VU)。山人参と呼ばれ民間薬とされました。現在でもサプリメントなどにされているようですが、その効果は定かではありません。ちなみに、現在ヒュウガトウキはイヌトウキ(A. tenuisecta)の変種とされているようです。


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ニチニチソウ(日々草) Catharanthus roseus
(Vinca rosea)
花壇に植えられる園芸植物として一般的ですが、有毒植物でもあります。まさかのキョウチクトウ科でしたが、よく花を見ると確かにそんな感じですね。しかし、白血病や悪性リンパ腫などに利用する抗腫瘍剤の原料でもあります。マダガスカル原産というのも意外です。



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ライムギ Secale cereale
なぜ、薬用植物の区画にライ麦が栽培されているのか不思議でしたが、ライ麦に寄生する麦角が製剤原料という意味でした。麦角はついていませんが、納得です。麦角出来た麦は毒性が高く、食べてしまうと危険ですが、日本ではほとんど発生しないそうです。しかし、麦角からは様々な薬となる成分が分離されているのと同時に、幻覚剤である違法薬物LSDの原料でもあります。

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よく見ると雄しべが出ていました。要するにこれが開花の様子です。イネ科植物は風媒花なので、花粉媒介者を呼び寄せる必要がないため基本的に地味な花です。しかし、風媒花であるがゆえに大量の花粉をばらまく必要があるため、イネ科植物は花粉症の原因植物となります。


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ジギタリス Digitalis purpurea
「狐の手袋」の名前でも知られ、花壇に植えられるポピュラーな草花です。しかし、全体的に強い毒性がありますが、これは食べなければ問題はありません。

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頂点の花は開いて形がやや崩れがちです。
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こちらの頂点の花は奇形ですね。珍しいようにも見えますが、ちょっとした切っ掛けでこういうことは起きたりします。


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シュッコンアマ(宿根亜麻) Linum perenne
多年生の亜麻。ちらほら花が咲いていました。

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淡い青みがかるかわいらしい花でした。


250511100405909
ベニバナトチノキ(紅花栃木) Aesculus carnea
アカバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)の交配種。学名は交配種ですから、Aesculus × carneaとなっています。
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花色が濃く花穂も大きいですね。


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イチハツ(一初) Iris tectorum
中国原産のアヤメ科植物。根茎は有毒ですが、食中毒の時に吐剤や下剤として利用したこともあるそうです。日本への到来は室町時代と古く、茅葺き屋根の上に植える風習があったそうです。



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ソテツ類の新芽がふき始めています。ソテツは基本的に年に1回しか葉を出しませんから、特別な時期です。花キリンの美しい花とともに、我が家の多肉植物たちをご紹介しましょう。


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Dioon spinulosumの新葉が展開中です。遅ればせながら、D. eduleもフラッシュの気配があります。


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Euphorbia begardiiも開花が始まりました。咲き始めは淡い色合いですが、徐々にピンク色になります。


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Euphorbia gottlebeiも開花していますが、冬の間もずっと咲いていましたね。


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Euphorbia lophogonaも冬の間咲いていましたが、やはり咲き続けています。


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Euphorbia 'Groenefica'(E. groenewaldii × E. venefica)
交配系ユーフォルビアのグロエネフィカか開花しています。


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蘇鉄(Cycas revoluta)
「King Sago」、要するに日本の蘇鉄もフラッシュが始まりました。


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Haworthiopsis longiana
ロンギアナも開花しました。
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やたらに密に花がついていますね。


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Euphorbia fimbriata
E. mammillarisのタイプ違いとされるフィンブリアタですが、地味ではあるものの開花中。


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相変わらず多肉植物の植え替えの日々です。まあ、特に何もありません。ちなみに、今年の植え替えは今回で120鉢となりました。


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Euphorbia venefica
猛毒三兄弟のヴェネフィカを植え替えます。ちなみに、2023年の春の木更津C & Sフェアにて購入しました。
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根に問題は無さそうです。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。生長は実にゆっくりです。


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Euphorbia tortirama
トルティラマは、昨年よく枝を伸ばしました。ちなみに、2021年の冬に木更津C & Sフェアにて購入しました。

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根はかなり豊富です。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。


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Euphorbia clavigera
クラヴィゲラは生長が微妙です。日が強すぎるのかも知れません。ちなみに、2021年の冬に木更津C & Sフェアにて購入しました。

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根の形がおかしな感じなので、すごく植えにくくて困ります。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根が長いので、鉢底に当たってしまいます。仕方がないので露出させましたが、この形はバランスが悪いですね。


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Euphorbia bubalina
ブバリナはよく育っています。1年で倍のサイズになりました。ちなみに、2023年の春にヨネヤマプランテイションのイベントにて購入しました。
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根は凄まじい量です。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。


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Euphorbia paulianii
パウリアニイもよく育っています。去年だけでやはり倍近く生長しました。ちなみに、2023年の秋に木更津C & Sフェアにて購入しました。
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根は鉢の形になるくらい詰まっていました。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。次回の植え替えはEG-135Lでも良いかも知れません。



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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。お目当てのご禁制品(ケシ)の花はすでに見たわけですが、とにかく気になる植物が沢山あります。かつて図鑑でみたあの植物が…! という感動で写真を撮りまくりました。


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フジバカマ(藤袴) Eupatorium fortunei
よく聞く植物ですが初めて見ました。秋の七草で、ありふれた植物でしたが、草地の減少により現在は準絶滅危惧(NT)となってしまいました。全草を生薬とし、「蘭草」と呼んだそうです。
古い時代に中国から渡来した帰化植物とされてきましたが、現在では日本の固有種で中国の個体は帰化植物とみなされているようです。学名はE. fortuneiが一般的でしたが、現在はE. japonicumとされています。



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ラフマ(羅布麻) Apocynum venetum
中国では古くから葉をお茶代わりに用い、ラフマ茶、ヤンロン茶(燕龍茶)と呼んだそうです。ただし、根は有毒とのこと。かの「さまよえる湖」たるロプノール(羅布泊)に多く、繊維を採っていたことから「羅布麻」と呼ばれたようです。



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スイカズラ(吸葛) Lonicera japonica
ケシの檻の隣にありますが、非常に強い甘い香りを周囲に漂わせていました。葉や茎を忍冬、花を金銀花と呼んで漢方に利用するそうです。

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なるほど、「金銀花」という名前に納得しました。


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クコ(枸杞) Lycium chinense
漢方の原料植物。杏仁豆腐に乗っているのがクコの実です。



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セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
ヨーロッパでは果実を月経不順などに民間薬として利用してきたそうです。プリニウスの『博物誌』にも記載があるとのことで、その利用は恐ろしく古いようですね。


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リクチメン(陸地綿) Gossypium hirsutum
いわゆる「綿」で、もっとも一般的な綿です。アオイ科であるというのは知りませんでした。


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ノグルミ(野胡桃) Platycarya strobilacea
胡桃と言っても食用にはならない胡桃です。
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花穂が出ていました。
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古い実が付いていましたが、イガイガした形で一般的な胡桃のイメージとは異なりますね。


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イブキトラノオ Polygonum bistorta
根茎を「拳参」と呼んで民間薬として利用しているそうです。現在はBistorta officinalisとなっています。これは、旧・タデ属(Polygonum)が分割されたためです。園内には分割された属の植物もあり、ツルドクダミ(Reynoutria)がありましたね。


本日はここまでとしましょう。次回は製剤原料植物や海外の植物を見ていきます。



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5月に行った伊奈町制施行記念公園の記事の続きです。相変わらず写真をひたすらに並べます。


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Grafin Diana
2012年にドイツで作出されたHT系統のダマスクローズ。


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Cl. Yves Piaget
1988年にフランスで作出されたHT系統の強香バラ。ダマスク。


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Lavender Dream
1986年にオランダで作出されたS系統のバラ。花が多く華やかです。


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Maria Callas
1965年にフランスで作出されたHT系統の強香バラ。ダマスク。オペラ歌手のマリア・カラスに捧げられました。


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Friesia
1973年にドイツで作出されたF系統の強香バラ。



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Astrid Grafin von Hardenberg
2001年にドイツで作出されたS系統の強香バラ。深い紅色が印象的。



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紫雲
1984年に京成バラ園により作出されたHT系統のバラ。




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いつの間にやら6月になってしまいました。相変わらず植え替えに勤しんでいます。今のところ、これと言った多肉植物のイベントはなさそうなので、植物園や見頃な花を見に行ければと考えています。それはそうと、本日も植え替えをします。今回で植え替えは115鉢になりました。


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H. attenuata f. tanba
アテヌアタの矮性品種。鉢から溢れています。流石に植え替えた方が良いでしょう。ちなみに、2023年の春にタナベフラワーで開催されたイベントで購入しました。
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根は元気ですが短いですね。
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植え替え後。プレステラ90からプレステラ105に替えました。


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Euphorbia cap-saintemariensis
カプサイシンテマリエンシスはハダニがついて葉を落としましたが、最近ようやく復活しました。ちなみに、2023年の春のビッグバザールにて購入しました。
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塊根は思ったより太っていました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。塊根を出しました。


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Euphorbia pachypodioides
パキポディウムっぽい花キリンのパキポディオイデスも植え替えます。パキポディウオイデスは根が繊細で、割りと水切れを嫌います。葉が出てこないので、たぶん根がアカンのでしょうね。

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やはりというか、まあそうでしょうね。冬に過湿になったのでしょう。
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植え替え後。そうままのプレステラ90に植えました。まあ、特に問題はないでしょう。


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Gasteria nitida
生長は良い方ですが、花茎が萎びてしまったので、異変を感じて植え替えました。ちなみに、2023年の秋に木更津C & Sフェアにて購入しました。

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根がやられてました。急に具合が悪化したので心配です。
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植え替え後。プレステラ105に植えました。しばらくは殺菌剤を撒いて様子をみます。


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Pachypodium enigmaticum
エニグマティクムはなかなか難儀しています。2021年の秋にビッグバザールにて購入しました。

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いやあ、根が少ないですね。
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植え替え後。そうままのプレステラ105に植えました。生長はしていますが、何やら鈍くて敵いません。パキポディウムの中では大きいという花を見たいのですが、今の調子だとしばらくは難しいかも知れません。



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6月に入りすっかり暖かくなり、多肉植物も元気です。久しぶりに最近の多肉植物たちの様子を見てみましょう。


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野ざらしにしてある平鉢の士童たちも元気そうです。遮光もしていませんが、雑草が生えて自然と遮光されます。もう、10年以上植え替えていませんが、自然更新して代替わりを繰り返しています。見えにくいのですが、奥の方にもポツポツと生えています。しかし、冬の降霜で枯れるものもあり、あまり大きくはなりません。


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瑞昌玉が咲きましたが、何故か花色がいつもと異なります。瑞昌玉は底が赤いのですが、不思議です。室内で咲かせたからかも知れません。


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Pachypodium densiflorum
デンシフロルムは外に出すのが遅かったため、ようやく開花です。



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ガステリアがちらほら咲いています。


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Gasteria verrucosaが開花しました。
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花は先端の緑が強く、膨らみが小さいタイプ。


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Gasteria ellaphieae GM 300も開花。花茎が2本同時に出ました。
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やや先端が黄色い、やや膨らむタイプ。


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Gasteria carinataも開花。花茎が非常に長いですね。
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花は先端の緑が強いタイプ。


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オペルクリカリアに蟻が来ているので、何かと思ったらアブラムシが湧いていました。殺虫剤をかけましたが、アブラムシがついたのは初めてです。


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Euphorbia primurifoliaはずいぶん長く咲いています。しかし、花ばかり咲いて葉が出てきませんね。


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Euphorbia ramenaは調子がよく、開花し続けています。


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Zamia furfuraceaのフラッシュが始まりました。美しい黄金の産毛に覆われています。


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Dioon spinulosumもフラッシュの気配。



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ユーフォルビアは有毒で、傷つけると出てくる乳液は皮膚につくとかぶれたり、種類によっては水ぶくれが出来たりします。ところが、ユーフォルビアは様々な用途で利用されており、Euphorbia resiniferaなどは蜜蜂の蜜源植物として有名で、その蜂蜜はモロッコの特産品となっているそうです。しかし、同じアフリカの多肉質なユーフォルビアである矢毒キリン(Euphorbia virosa)は蜜にも毒があり、矢毒キリンの花蜜由来の蜂蜜は食べると口内や喉が焼けるように痛むと言いますから、毒性は種類によっても異なるのでしょう。


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Euphorbia resinifera


さて、本日はそんなユーフォルビアの蜜源植物としての側面にスポットライトを向けましょう。参照とするのは、Nihad Sahriらの2023年の論文、『Euphorbia honey: a comprehensive compile of its traditional use, quality parameters, authenticity, adulteration, and therapeutic merits』です。


蜂蜜とは何か
蜂蜜はセイヨウミツバチ(Apis mellifera)が生産する甘味料でありあるいは栄養補助食品として、さらには治療目的で世界中で消費・取り引きされています。その成分は、乾燥重量の約95%を占める主成分である炭水化物(ブドウ糖、果糖)を始め、ビタミン、酵素、有機酸、アミノ酸、タンパク質、VOC(揮発性有機化合物)、各種ポリフェノール、ミネラル、花粉などを含みます。蜂蜜は栄養価が高いだけではなく、抗酸化作用や抗菌作用、抗炎症作用、創傷治療作用、抗変異原性作用、抗発癌作用、酵素阻害能があります。蜂蜜の物理化学的パラメーターや化学成分、その期待出来る治療効果は、産地や蜜源植物の種類、収穫時期、処理工程、保存期間により異なります。


単花蜜と多花蜜
蜂蜜の分類の1つとして、単花蜜(モノフローラル)と多花蜜(マルチフローラル)があります。後者は複数の種類花蜜からなり、特定の種類の花蜜が優勢ではない蜂蜜を指します。単花蜜は単一の種類の花蜜が主成分であり、他の種類の花由来の花蜜はわずかです。多花蜜は一般的に入手出来ますが、単花蜜はその洗練された味や読独特の風味、健康効果、及び植物由来の特性により市場における需要が高まっています。


ユーフォルビアの蜂蜜
ユーフォルビアの蜂蜜は、種類によっては「Daghmous honey」、あるいは「Zakoum honey」とも呼ばれ、地中海地域で一般的な産物です。モロッコは養蜂業への関心の高さと、固有のユーフォルビアの存在により、ユーフォルビアの蜂蜜の最大の生産国となっています。
ユーフォルビアの蜂蜜はもっとも高価な蜂蜜の1つで、モロッコやレバノン、トルコでは貴重品とみなされています。ユーフォルビアの蜂蜜は、甘味料というより医薬品と認識されており、特に喘息や嚢胞、癌などの治療において用いられます。



蜂蜜の歴史
歴史的に蜂蜜は健康維持のための自然療法に用いられてきました。エジプトやギリシャ、ローマでは、多くの病気の治療に蜂蜜が使われたという記録が残されています。古代ギリシャで人気があった非発酵の葡萄と蜂蜜の飲料である「Oenomel」は、痛風や様々な神経疾患の治療に民間療法として時に用いられました。医学の父として有名なヒポクラテスは、「oxymel」(酢と蜂蜜)を鎮痛に、「hydromel」(水と蜂蜜)を喉ね渇きに、蜂蜜水を他の治療薬と混合して急性の発熱用いるといった、シンプルな食生活を推奨しました。また、局所的な消毒、避妊、喉の痛み、咳、脱毛症、創傷治癒、下剤、眼疾患にも用いました。蜂蜜には豊かな薬効の歴史があり、西洋医学だけではなく、アーユルヴェーダや中国医学でも認められています。


モロッコの蜂蜜
モロッコの民間療法では、特にユーフォルビアの蜂蜜が広く利用されています。モロッコはEuphorbia resiniferaとEuphorbia officinarum、Euphorbia regis-judaeの3種類の蜂蜜を生産しており、機能性食品あるいは栄養補助食品とみなされています。これらの蜂蜜は、力強く際立つ味と刺激的な風味、穏やかな苦味、喉に残る胡椒のような後味が特徴です。伝統医学により、喘息や気管支炎、嚢胞を伴う腎盂腎炎、癌などの治療に頻繁に使用されます。


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Euphorbia officinalum


花粉学
電子顕微鏡により花粉を分析することで、種間の差異を区別することが出来ます。単花蜜の主要な花粉比率に関する基準が確立されましたが、一般的に単一の植物種の花粉頻度が45%以上のものは単花由来であると考えられます。また、花粉粒の含有量には過小と過剰があり、柑橘類の蜂蜜は最低10%以上の花粉含有量が求められ、菜種の蜂蜜には45%以上の菜種花粉の含有が義務付けられています。同様にユーカリの蜂蜜は90%以上のユーカリ花粉が必要です。アルジェリアやモロッコなどの北アフリカ諸国における調査では、最低25%の花粉がEuphorbia spp.に由来することが報告されています。


蜂蜜の成分
蜂蜜の主成分は炭水化物であり、乾燥重量の約95%を占めています。蜂蜜に含まれる糖類の大部分は単糖類で、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)で糖含有量の約75%を占めます。さらに、イソマルトース、マルトース(麦芽糖)、ツラノースなどの二糖類が約10〜15%を占めます。また、エルロースやテアンデロース、マルトトリオースなどの糖類は極わずかです。ユーフォルビアの蜂蜜では、スクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)、ツラノース、トレハロース、メレジトースが検出されましたが、データは不均一でした。


最後に
以上が論文の簡単な要約です。
実は論文は非常に長く、様々な成分について検討しています。しかし、ユーフォルビアの蜂蜜については、まだデータが少ないようです。成分分析は品質や純正品であるかを見極める重要なファクターのようですから、これから分析が進んでいくのでしょう。
しかし、ユーフォルビアの蜂蜜は北アフリカの特産品であることは知っていましたが、その用途が薬用であることは初めて知りました。そして、苦味や胡椒のような後味などの表現を見ると、やはりユーフォルビアの蜂蜜は普通の蜂蜜ではないことが分かります。
成分分析では、含まれるフラボノイドの種類により産地などが分かると言いますが、ユーフォルビアの蜂蜜にも多種類のフラボノイドが含まれているようです。しかし、その成分や効果については、まだまだこれからといったところのようです。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。相変わらず漢方薬原料植物や民間薬原料植物の辺りを彷徨っています。気になる植物が多すぎて、なかなか抜け出せません。


250511093455122
カイケイジオウ Rehmannia glutinosa forma huechingensis
漢方では根を「地黄」と呼んで利用するそうです。いかにもなゴマノハグサ科植物の花。カイケイジオウは基本種のアカヤジオウ(R. glutinosa)の異名扱いのようです。


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ニッケイ(肉桂) Cinnamomum okinawaense
楠(C. officinarum)は割りとどこでも見られますが、ニッケイは見ませんね。シナモンの仲間ですが、根の樹皮を民間療法で利用するそうです。説明によると沖縄・徳之島の原産ですが、C. sieboldiiとして中国南部・インドシナ半島の原産とする説もあるそうです。
しかし、Wikipediaでは中国・インドシナ半島原産のC. loureiriiとされたものの、C. sieboldiiとして独立したとあります。この学名は江戸時代にシーボルトが日本で採取したニッケイの標本を元に命名されたものということです。

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一応、キュー王立植物園のデータベースを確認しましたが、現在の学名はC. sieboldiiのようです。C. okinawaenseは「配置がない名前」とのことで、南西諸島の植物とされてはいるものの、何を指しているかは不明のようです。ですから、C. okinawaenseはニッケイの異名とされていません。また、C. loureiriiは出てきませんでしたがベトナム原産のC. loureiroiという種はあります。どうやら、C. loureiriiは誤記でC.loureiroiが正しいそうです。


250511093720353
クララ Sophora flavescens
妙な外見と名前の植物ですが、マメ科と聞いて納得しました。近年、花木として流通しているニュージーランド原産の「リトルベイビー」と同じソフォラ属です。ただ、クララは樹木ではなく多年草です。「クララ」は「眩草(くららぐさ)」から来ており、根はクラクラするほど苦いことに由来するとのことです。漢方では「苦参」(くじん)と呼ばれるそうです。



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ハナスゲ Anemarrhena asphodeloides
中国原産で解熱などに利用される漢方原料。生薬としては「知母」と言うそうです。江戸時代に渡来した多年生です。
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複雑な花色の美しい花を咲かせますが、残念ながらまだ蕾でした。


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チャノキ Camellia sinensis
いわゆるお茶の木。実はちゃんとチャノキを見たのは初めてです。
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カメリア属、つまりは椿の仲間です。葉はそれほど椿感はありません。晩秋に椿に似た花を咲かせるそうです。


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ラシャカキグサ Dipsacus fullonum subsp. sativus
畑に植えられた野菜に見えますが、頭状果序で羅紗を起毛させるために利用した植物ということです。栽培種でオニナベナに由来すると考えられています。
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まだ蕾ですが、イガイガの頭状果序を予感させます。オニナベナのイガは直線的ですが、ラシャカキグサは鉤爪状とのこと。起毛させるのに便利な変異が選抜されてきたのでしょう。


250511095044445
ベンケイソウ Hylotelephium erythrostictum
(Sedum erythrostictum)
「景天」と呼ばれ腫れ物や虫刺されに外用する民間薬としての利用があったそうです。

EcheveriaやSedum、Kalanchoeなどの仲間はベンケイソウ科に分類されますが、ベンケイソウ科の由来である実際のベンケイソウ自体は見たことがありませんでした。


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オオベンケイソウ Sedum spectabile
ベンケイソウの名札はHylotelephium属なのに、オオベンケイソウはSedum属なのはやや謎ですが、現在はHylotelephiumです。


漢方薬原料植物はそろそろ終わりで、次は民間薬原料や製剤原料植物をメインに見ていきましょう。



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天候が不安定で、植え替えもなかなか進みません。本日は長年の疑問の解消と、新しいムーブメントの提案(?)をします。


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Fouquieriaを腰水しました。休眠状態でしたから、強引に目を覚まさせます。


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Fouquieria purpusii
腰水してからわずか1週間で、葉が生えそろいました。他のFouquieriaも葉を急激に伸ばしています。



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Fouquieria macdougalii


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Fouquieria diguetii


さて、ここからが本題です。20年くらい前に、突然生えてきた謎の実生があったのですが、見慣れない雰囲気があったので、掘り上げて鉢で栽培してみました。当時は画像検索なんてなくて、手ごろな図鑑にも記載がなかったため、正にナゾの草でした。ツル性で葉はやや厚みがあり、一見してウマノスズクサの仲間、あるいはガガイモ科植物に似ているような気がしましたが微妙に特徴が異なります。花が咲いたのですが、ミリ単位の放射状の小さい花でした。どう見てもウマノスズクサ属ではありません。それから時間が経ち画像検索することすら忘れていましたが、最近行った
東京都薬用植物園で長年の疑問が解消しました。まったく同じ特徴の植物が育てられていたのです。


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ツルドクダミ Reynoutria multiflora
ツルドクダミでした。いやはや、これはわかりません。そもそも、ドクダミに似ていると思ったことすらありませんでした。まあ、ドクダミとは全く近縁ではありませんから、そんなものでしょう。
特徴的には赤い塊根というか芋があります。しかし、十数年植え替えていませんから、中がどうなっているかわかりません。本日はこの「ナゾの草」改め「ツルドクダミ」を植え替えてみました。


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鉢はボロボロです。抜けないというか、完全に固まっています。


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ハンマーで叩いて割りました。朽ちかけの鉢でしたから、簡単に割れました。


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赤い根がありますが、そのほとんどは地下茎でしょう。これがめちゃくちゃに渦を巻くように絡み合っていました。ハサミで切断しながら少しずつ切り開いていきました。まあ、あまりにも絡んでいたので、作業には1時間以上かかってしまいました。しかも、鉢全体がアリの巣になっており、なかなかに難儀しました。


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地下にはこのような赤い芋が沢山出来ていました。20年ものと考えると小さい芋です。葉は邪魔なので捨てました。


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よく見ると古い芋に沢山の穴が空いています。しかも、穴からアリが出てくるわけですよ。これはあれですね。芋の中にもアリの巣が出来ていますね。芋があまり育たない理由はまあ分かりました。


250518172233743
これは、芋が出来かけている状態。芋はすべて殺虫剤を撒いてから、空いているプランターに植えました。


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多肉植物ではないような気もしますが、芋を育てたら塊根植物として通用しないかというのが、今回の企みです。以前、オシロイバナの塊根は割りと見栄えするという記事を挙げたことがありますが、ツルドクダミでもイケるのではないかと思うわけです。というわけで、プレステラに2つばかり植えてみました。


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赤みがあって面白い塊根になるような気がしますが、どうでしょうかね? 新たな塊根植物の火付け役になっちゃうかも知れませんねえ。いや、ないかな…


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この前、行ってきた伊奈町制施行記念公園のバラ園の記事の続きです。バラ園は広く3つに分かれており、自分がどこを歩いているのか早々に見失いました。まあ、とにかくバラの海で、これほどバラを見たのは初めてです。


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Sangria Night
2009年にアメリカで作出された半八重咲きのF系統のバラ。濃い紫は目立ちます。


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Knock Out
2000年にフランスで作出されたF系統の中輪房咲きのバラ。



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Apricot Drift
2009年にフランスで作出されたS系統のバラ。淡い独特のサーモンピンクが美しいですね。


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toi toi toi !
2014年にドイツで作出されたS系統の絞り咲きのバラ。
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複雑に絞りが入ります。


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Desiree
2019年にドイツで作出されたHT系統の強香バラ。


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Golden Border
1987年にフランスで作出されたF系統のバラ。
見渡す限り一面のバラの花に囲まれます。



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Laura
1981年にフランスで作出されたHT系統の、朱色がかる濃オレンジのバラ。非常に整った良い形の花です。


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2000年に京成バラ園で作出されたF系統のバラ。複雑に色が変わります。あまりバラ感はありませんが美しいですね。



というわけで、前回同様にただ写真を並べただけです。説明できるほどバラに詳しくないので、ご容赦の程を。ひたすら撮影しまくったので、まだ記事は続きます。



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さて、今年3回目となるビッグバザールが開催されました。例の如く五反田のTOCビルでの開催です。今回も開場時間より少し経ってからの参加となりました。

週間天気予報では雨でしたが、午前中は雨も降られずに済みました。さて、いつものように13階に到着すると、複数の行列があり慌てましたが片方はミキハウスのイベントだったようです。既に開場後ですから、ビッグバザールの列は短く10分程で入場出来ました。

しかし、今回のビッグバザールは過去最高レベルの混み具合で、かつ出店数が多く通路が狭いことが拍車をかけて身動きがとれない場合すらありました。一周するだけで1時間以上かかってしまいました。しかも、あまりに人が多く、ロクに見れないブースもありましたね。そんなこんなで、正直何があったかはよく覚えていません。まあ、あれだけの物量でしたから、大抵のものはあったのでしょう。私の好きなユーフォルビアは割りとありましたが、今回は食指が伸びませんでした。おそらく、珍しいものも結構あったのでしょう。一般的には見かけない珍しいタコものが何種類もあり、時代が変わったことを実感しました。今回もアデニアを探しましたが、結構大きい株がかなり安く販売されていましたが、育てたい派の自分としては断念せざるを得ませんでした。正直、予算的に3〜4株位は買えたのですがね。仕方がありません。
さてさて、というわけで今回の購入品です。まずは、カクタスブライトでアデニア苗を、そしてX-Plantでトリカデニアの実生苗を購入しました。最後にラフレシアリサーチで珍しいユーフォルビアを買うつもりがすっかり忘れてしまいました。


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Adenia fruticosa
南アフリカ、ジンバブエ原産のアデニア。


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Euphorbia trichadenia
トリカデニアはあまり苗を見かけないため、未だ未入手でした。小さい苗が入手出来てラッキーでした。

Dactylanthes亜節のユーフォルビアは珍しいですね。Dactylanthes亜節ではもっとも有名なE. globosaと似たような面白い花を咲かせますから、将来が楽しみです。


というわけで、3月以来の今年3回目のビッグバザールでした。しかし、今回はあまりの混雑に疲れてしまい、2周目を回る気力が湧きませんでした。いやはや、とにかく本当に疲れました。午後は所用があるため、昼前には切り上げました。しかし、ビッグバザールでこれだけ多様で色々入手可能ならば、わざわざ木更津まで行く必要がなさそうですね。今まではやや毛色が異なる部分がありましたが、今回のビッグバザールは本当になんでもありました。どうやら多肉植物ブームはさらに拡大中です。これからがさらに楽しみになりました。次回のビッグバザールを楽しみにしています。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。前回はあへん法で栽培が基本的に禁止されているケシと、園芸用に栽培が可能なケシについてでした。今回は「漢方薬原料植物区」に戻ります。「民間薬原料植物区」や「製薬原料植物区」もごちゃ混ぜで撮影していますから、たぶん色々混ざっていますから悪しからず。


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ツルドクダミ Polygonum multiflorum
(Fallopia multiflora)
見た瞬間、少し驚いたのですが、それは私的な話ですので、また別に記事にします。
それはそうとして、日本薬局方に記載されているカシュウ(何首烏)で、塊根を利用する漢方薬原料です。中国や台湾が原産地。

ドクダミはドクダミ属(Houttuynia)ですが、ツルドクダミはタデ属(Polygonum)ですから、他人の空似ということになります。()に書かれたFallopiaはソバカズラ属で、かつてはイタドリ(F. japonica)を含んでいました。しかし、イタドリは現在Reynoutria属とされています。そして、ツルドクダミもまた現在はReynoutria属とされているようです。


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チュウマオウ Ephedra intermedia
いわゆる麻黄で、様々な漢方薬に使用されます。風邪の初期症状の発熱や寒気、筋肉痛、咳などに効果があるとされています。
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ちょうど花が咲いていました。


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オオバナオケラ Atractylodes ovata
中国原産の漢方薬原料。塊根は白朮という名前で様々な漢方薬に利用されます。種としてはホソバオケラ(A. lancea)と同一種扱いのようです。


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シオン(紫苑) Aster tataricus
花は咲いていませんが、花を見ればアスターであることがわかります。漢方としては鎮咳・去痰作用があるとのこと。絶滅危惧II類。


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ミシマサイコ(三島柴胡) Bupleurum falcatum
一見してなんてことはない草ですが、妙な名前なので名前だけ頭に残っていました。やはり、漢方薬として利用されます。



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サンシュユ(山茱萸) Cornus officinalis
いかにもなミズキ科の葉ですね。中国や朝鮮半島の原産。
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実がなっていました。果肉部分を漢方として強壮や収斂に利用されるそうです。


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シャクヤク(芍薬) Paeonia lactiflora
芍薬は芍薬甘草湯で知られる通り、漢方薬として利用されます。
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美しい花は牡丹が終わった頃に咲き始めます。


というわけで、東京都薬用植物園をダラダラ歩いて撮影して回っています。普段はあまり見かけない植物との出会いは、今まで行ったすべての植物園に共通します。しかし、東京都薬用植物園では、ネームプレートの立った圃場に一年草を植えて育成しているところは、他の植物園とは異なる特徴です。薬用植物を展示するという目的なためでしょう。個人的には面白くてなかなか進めずやたらに時間がかかりました。さて、次回も圃場をぶらぶらします。



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5月は春バラの最盛期なので、何処かに見に行こうと考えていました。都内にもバラの見どころはありますが、埼玉県内で探してみました。すると、伊奈町制施行記念公園のバラ園が良いらしいことが分かりました。なんでも、400種5000株のバラを見ることができる県内最大のバラ園とのことです。
土曜日は1日雨で当日も薄暗い曇天でしたが、日中は雨が降らないという天気予報を信じて行ってきました。


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大宮駅で埼玉新都市交通のニューシャトルに乗り換えます。改札前にはばらまつり関連の切符を販売していました。


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ニューシャトルの終点の内宿駅で下車します。
伊奈町はバラの町として売り出しているようです。駅前にもバラが植えられていました。


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マンホールがバラの絵柄です。


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水道のマンホールはカラーのバラが描かれています。


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会場に到着すると、何故か神輿がお出迎え。
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どうやら子供神輿をやるみたいで、地域のお祭り要素もあるようです。屋台も沢山出ていましたしね。


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まあ、とりあえずバラソフトを食べて一息つきます。バラ園はばらまつりの時期だけ入場料がかかります。


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満開のバラが絡まるウェルカムボードがまずお出迎え。記念撮影スポットです。


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バラのアーチもいくつもありました。
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非常に美しいですね。


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Novalis
2010年にドイツで作出されたHT系統の青バラ。まあ、青バラといわれるものは、大抵は淡い紫程度ですけどね。しかし、撮影すると何故かピンク色に写ってしまいます。実際にはもうちょっと青みがあります。


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Queen Elizabeth
エリザベス女王の戴冠に因んで名前を捧げた、1954年にアメリカで作出されたHT系統のバラ。



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Barock
1999年にドイツで作出されたCL系統のつるバラ。絶妙な色合いです。


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Blue Moon
実際には紫色のバラ。上手く撮影出来ません。1964年にドイツで作出されたHT系統の強香の大輪バラ。


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Oklahoma
1964年にアメリカで作出されたHT系統の大輪バラ。作出当時はもっとも黒みが強いバラと言われていたようです。しかし、やはり上手く撮影出来ていません。ダマスクの強い香りがあります。



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イナ姫
このバラ園のために作出されたバラ。房咲きで豪華ですね。



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黒真珠
1988年に京成バラ園で作出されたHT系統の黒薔薇。実際にはもっと深い色合いです。


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Hot Cocoa
2002年にアメリカで作出されたF系統のバラ。やや茶色がかり、目を引きます。これも、上手く色合いが再現出来ていません。



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Petit Trianon
2006年にフランスで作出されたF系統のバラ。近年、このような過剰な八重咲きのものが当たり前になりました。


というわけで、伊奈町制施行記念公園のバラ園に行ってきましたが、例によって記事は続きます。ただ撮ってきた写真を並べるだけになりますが、5000株ありますからなかなか写真を絞れなかったので長々と続けます。しばしお付き合い下さい。


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ゴールデンウィーク中に東京都薬用植物園に行ってきました。お目当ては5月が見頃のケシの花です。ケシと言ってもポピーではなく、あへん法で栽培が禁止されているアヘンやモルヒネの原料となる植物です。


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ケシを栽培している区画は、厳重な二重の檻の中にあり、監視カメラで監視されています。しかし、ケシの開花期だけは外の檻の一部が開放されます。


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檻越しに見るケシ畑。


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色とりどりのケシ(Papaver somniferum)が咲いていました。こちらは「トルコ種」とありました。蜜蜂が沢山来ていましたね。


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こちらは「一貫種」。一貫種は日本で作出されたアヘン収量が多いとされる品種。


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こちらは園芸種です。


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八重咲きの園芸種。


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こちらも八重咲きの園芸種。果実である芥子坊主が沢山見えます。芥子坊主を傷つけて出てくる乳液を集めて固めたものが生アヘンです。


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アツミゲシ Papavera setigerum
日本では渥美半島で初めて見つかった帰化植物。モルヒネやコデインといったアルカロイドを含み、栽培は禁止されています。しかし、繁殖力が強いため庭や畑地に生えてきて、たまにその駆除がニュースになります。


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東京都の運営ですから、違法な植物に対する啓蒙に力を入れているようで、見分け方のパネル展示がありました。説明によると、違法なケシの葉のあまり切れ込まず、葉柄が茎を抱き込み、ほとんど毛がありません。対する違法ではないケシは、葉は深く切れ込み、葉柄は茎を抱き込まず、剛毛があるとのこと。


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モンツキヒナゲシ Papaver commutatum
こちらは、檻の外にある違法ではない園芸で利用されるケシです。「ケシ比較植物」と書いてありましたから、わざわざ比較用に栽培されているということでしょう。
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「ポピー・レディバード」や「ピエロ」の名前で流通しているそうです。


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アイスランドポピー Papaver nudicaule
シベリアヒナゲシ。一般的なポピーです。当然、違法ではありません。学名は2021年にOreomecon nudic aulisとされているようです。


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ヒナゲシ Papaver rhoeas
別名、「虞美人草」とありました。違法ではありません。


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シャーレーポピー Papaver rhoeas 'Shirley'
ヒナゲシの園芸品種。違法ではありません。


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ハナビシソウ Eschscholzia californica
Papavera属ではありませんが、「カリフォルニアポピー」と呼ばれるケシ科植物です。違法ではありません。


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アザミゲシ Argemone mexicana
「メキシカンポピー」と呼ばれる熱帯アメリカ原産のケシ科植物。葉がアザミのように激しい切り込みます。違法ではありません。



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ナガミヒナゲシ Papaver dubium
ナガミヒナゲシはここ10年ほどで爆発的に増え、あっという間に帰化した外来種です。特定外来生物には指定されていませんが、厄介な植物です。花が綺麗なため、積極的に駆除されにくいような気がします。困ったものですね。


というわけで、あへん法で規制されたケシを見ることが出来ました。東京都薬用植物園は日本国内で唯一、違法ケシを見ることが出来る植物園なんだそうです。大変、貴重な体験でした。さて、次回は「漢方薬原料植物区」に戻り、「民間薬原料植物区」、「製剤原料植物区」も見ていきます。



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相変わらず多肉植物の植え替えをしていますが、本日は多肉植物の花をお届けします。

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Haworthia cooperi cv.
盆栽鉢に植えたコオペリ(クーペリ)が開花しています。周年屋外栽培ですが、非常に丈夫で霜が降りても平気です。
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みっちり詰まっていますが、あまり混みすぎると根腐れするため、たまに植え替える必要はありますが、基本的に放置栽培です。
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花は根元が膨らみ、全体的に赤みがかります。


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Gasteria nitida
ニティダが初めて開花しました。

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思ったより小さく地味な貧相な花でした。


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Gasteria baylissiana
バイリシアナが開花しました。丸みがあり鮮やかな色合いで美しいですね。


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「子持ちオーニソガラム」などの名前で知られる球根植物ですが、長い花茎が伸びています。学名は一般的にはOrnithogalum caudatumですが、実際にはO. bracteatumが正しく、2009年にはアルブカ属に移されAlbuca bracteataとなっています。
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まだ咲き始めです。
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耐寒性が強いので地植えしていますが、すごい勢いで増えます。
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このように子球根が親球根の球根表面に出来て、ある日ポロリと落ちて転がった先で増殖します。


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東京都下の小平市にある東京都薬用植物園に行ってきました。4月は忙しく植物園巡りは中断していましたが、ようやく再開します。
東京都薬用植物園は管轄が東京都保険医薬局なため、薬草や毒草、さらには御禁制品(ドラッグ)まで扱う特殊な植物園です。時期的に冬は何も生えてなさそうですから、暖かくなるのを待っていました。5月中旬は「あへん法」で栽培が禁止されているケシの花が見頃とのことで楽しみです。


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西武拝島線の東大和市駅から降りて直ぐに入口があります。


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入口には巨大な赤松がありました。黒松の方が一般的に植栽されますが、黒松は海岸沿いに生える植物なため、赤松が本来の植生です。しかし、黒松は枝ぶりや樹形、幹肌の荒れ模様が豪壮で良いため、植生されるのは大抵は黒松です。というわけで、赤松は市街地ではあまり見かけない樹木となりました。
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この赤さが赤松たる所以です。
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東京都薬用植物園では、このように成分や詳細な用途が書かれています。薬用植物園らしいですね。


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ナギイカダ Ruscus aculeatus
トイレの植え込みが、まさかのナギイカダです。ちょうど実がなっていました。地中海沿岸に自生し、明治初期に渡来したようです。



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アオノリュウゼツラン Agave americana
なんとなくアオノリュウゼツランがあります。



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キダチアロエ Aloe arborescens
キダチアロエは放置していても、いつの間にやら群生しがちです。


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クサノオウ Chelidonium majus var. asiaticum
クサノオウが開花しています。ケシ科の有毒植物。現在はC. asiaticumとして独立種になっているようです。

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花はアブラナに似ています。


さて、先ずは「漢方薬原料植物区」に向かいます。隣接する「有用樹木区」も一緒に見ていきます。


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フランスカイガンショウ Pinus pinaster
「海岸松」という意味のようです。
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葉が長く枝が繊細な松です。


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ヤマモモ Myrica rubra
まだ小さいですが、ヤマモモの実がなっていました。
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どうやら、漢方としての用途もあるようですね。


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アオツヅラフジ Cocculus trilobus
アオツヅラフジはブルームに覆われた青い実がなり、個人的には観賞に耐える植物だと思っています。漢方薬としては「木防已」と呼ばれますが、市場性はないそうです。
学名は2020年にNephroia orbiculataとなりました。日本の分類学ではCocculusは「アオツヅラフジ属」でしたが、その代表格たるアオツヅラフジが、別属となってしまったため今後どうなるのか気になります。


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アサクラザンショウ Zanthoxylum piperitum form. inerme
山椒のトゲがない品種。多肉植物でも「inermis」というトゲのない種類はありますね。
アサクラザンショウは、かの牧野富太郎が記載した植物ですが、現在サンショウに亜種・変種・品種は認められておりません。

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まだ若い実がなっていました。


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ブドウサンショウ
アサクラザンショウから派生した品種で、実が大きいとのこと。

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実はなっていましたが、まだ若いのでその違いは明らかではありません。


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ウド Aralia cordata
「うどの大木」と言いますが、ウドを見るのは初めてです。まあ、本当に大木にははなりません。

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若芽や根茎を食用にしますが、漢方としての利用もあるそうです。知りませんでした。


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フユアオイ(冬葵) Malva verticillata
見た感じはゼニアオイですが、フユアオイは初めて見ました。種子や葉を漢方として利用するそうです。
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花を見ると違いは一目瞭然ですね。


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カラスビシャク Pinellia ternata
カラスビシャクは畑地では割りとポピュラーな雑草です。「半夏」という名前で漢方として利用されるそうです。



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バショウ(芭蕉) Musa basjoo
中国原産と考えられているバショウですが、耐寒性があるため日本でもたまに庭に植栽されます。日本には江戸時代に入ってきたそうです。
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ちょうど花が咲いていました。小さなバナナがなっていますが、大きくはならず食用には向きません。生薬としての利用はあったようですね。


記事が長くなったので、続きは次回としましょう。しかし、この植物園は素晴らしいですね。気になる植物が多すぎて、なかなか進めません。「漢方薬原料植物区」で30分以上うろついてしまったため、このペースでは明らかに他を見る時間がなくなります。中断してケシを見に行きました。というわけで、次回はお楽しみのケシの様子を記事にします。



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天気予報も安定しませんが、夕方に雨上がりの後、なんとか植え替えをしている状況です。ちなみに、今年の植え替えは今回で109鉢になりました。


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Haworthia parksiana
我が家では珍しい軟葉系のパルクシアナを植え替えます。ちなみに、2023年の秋にタナベフラワーのイベントで購入しました。

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根は豊富です。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。実は最小クラスの葉を持つハウォルチアです。


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Haworthia chloracantha var. subglauca RIB 0099
個人的に気になっているクロラカンタ系のスブグラウカも植え替えます。ちなみに、2023年の秋にタナベフラワーのイベントで購入しました。

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地上部より地下の方が発達しています。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。しかし、フィールドナンバーつきのこのワイルドさがたまりませんね。


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星の林 Haworthia reinwardtii var. archibaldiae
「鷹の爪」系の星の林は、現在はHaworthiopsis reinwardtii var. reinwardtiiの異名扱いです。1937年に命名されましたが、Haworthiopsisに移行する提案はないので、Haworthiopsis reinwardtii var. archibaldiaeは誤り。nom. nud.です。ちなみに、2022年の秋にタナベフラワーのイベントで購入しました。
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根は絡まるくらいありました。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。非常に締まった良い形ですから、維持していきたいものです。


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H. coarcutata DMC 06356(IB 5850)
こちらは鷹の爪系ではなく、「九輪塔」系。ちなみに、2022年に鶴仙園にて購入しました。
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根はかなり豊富。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。一度、やや徒長してしまったことがあるのですが、今は良い葉が出ています。


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Euphorbia silenifolia
難物と言われることもあるシレニフォリアです。根が弱い印象ですが、どうでしょうか? ちなみに2021年にファーマーズ三郷店にて購入しました。
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根は大変良い感じでした。それにしても繊細な根ですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。去年くらいから、周年葉を落とさないで育てられるようになりました。生長は目に見える変化はないくらい遅いのですが、じっくり育てていきます。


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Euphorbia schoenlandii
いわゆる「闘牛角」。ちなみに、2021年の冬のビッグバザールにて購入しました。
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根は大変な勢いです。プレステラ120では小さく感じてしまいます。
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植え替え後。プレステラ120からEG-135Lに植えました。植え替えてから鉢が大きすぎることに気が付きましたが、プレステラ150でも合わないような気がします。なかなか難しいものです。


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Fouquieria purpusii
かなり寒くなるまで屋外に出しっぱなしだったので、すっかり葉が枯れたプルプシイです。あまり水やりをしていないので、まだ動いていません。雑草が蔓延っているので植え替えます。ちなみに、2024年の春のビッグバザールにて購入しました。
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根は良い感じです。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。生長は非常に良いので、これからが楽しみです。



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顕花植物の多くは、風媒花ではない限りは受粉に花粉媒介者を必要とします。植物と花粉媒介者との関係において、非常に特殊化した例として有名なのはイチジクとイチジクコバチでしょう。お互いに特殊化した関係性を持ち、これを絶対送粉共生と言います。イチジクコバチの例はよく植物関連の書籍でも取り上げられています。イチジク以外の例としては、コミカンソウとハナホソガや、ユッカとユッカガも稀に取り上げられることもあります。これらは非常に面白く気になっていたので、今回少し調べてみることにしました。
しかし、当ブログは広義には植物ブログであり、記事は必ずしも多肉植物に限らないわけですが、出来る限りは多肉植物を中心としておりますわけで、一応は多肉植物の範疇とされることもあるユッカについて取り上げげさせていただきます。まあ、イチジクとイチジクコバチについては、あまりに有名で今更ですからね。

さて、というわけで本日ご紹介するのは、Yaron Ziv & Judith L. Bronsteinの1996年の論文、『Infertile seeds of Yucca schottii: a beneficial role for the plant in the yucca-yucca moth mutualism?』です。

ユッカ・スコッティイ
Yucca schottiiはアリゾナ州の山岳地帯、標高1200〜2400mに自生する森林植物で、オーク林の低地から松林に生えます。Y. schottiiは多年生かつ多結実性で、花序は6月中旬頃に芽が出現し、花茎は12〜14日で急激に伸びて開花します。受粉後は25〜30日で果実は生長しますが、種子の成熟にはさらに1ヶ月かかります。

ユッカ蛾
Y. schottiiにはTegeticula yuccasellaとParategeticula polleniferaという2種類の蛾が共生しています。T. yuccasellaはほぼすべてのユッカと共生しますが、P. polleniferaはY. schottiiとY. elephantipesのみと共生します。
この研究が行われた場所では、T. yuccasellaが圧倒的に多く見られます。T. 
yuccasellaはユッカの開花期にユッカの近くの地中にある蛹から羽化し、ユッカの花の中で交尾をします。雌は開花したばかりの花で花粉を集めてから、別の花に行き子房に産卵し、集めた花粉を柱頭に付けます。
幼虫は6つある子房の房の1つで生育し、近くの種子を食べます。約4週間後に幼虫は果実から出て地中に繭を作り、翌年の夏まで地中に留まります

相利共生のベネフィット
ある種が単独で存在するよりも、他種と共存する方が利益が高い場合、その2種間の関係性は相利共生であるとみなされます。2種が完全に相互に依存し合う場合を絶対相利共生と言い、典型的な例としてユッカとユッカ蛾の関係性が挙げられます。
相利共生を維持するためには、互いが互いに対して報奨を与える必要があります。通常はエネルギーと栄養素の分配が必要であるため、何らかのコストを伴います。純コストと利益のバランスが、それぞれの純利益を決定します。よって、相利共生の関係性を評価するためには、それぞれの種のコストと利益を調べる必要があります。
コストをかけて花蜜を生産することにより、利益として花粉媒介者に花粉の散布と運搬を行う一般的な相利共生では、コストと利益が比較的無関係です。しかし、ユッカとユッカ蛾の関係性では、ユッカの種子がユッカ蛾の幼虫の食糧となるため、コストと利益は密接に関係しています。ユッカ蛾による受粉により生産される種子は増えますが、一方で幼虫が食べる種子が多いほど種子は減少します。これは、相利共生者間の根本的な葛藤を示しています。


調査
著者らはアリゾナ州ツーソンで、Y. schottiiのユッカ蛾の幼虫の脱出口のある果実を集めました。果実を解剖し、6つある小室の配置を調べました。つまり、ユッカ蛾に食害された種子と食害されなかった種子、受粉した種子(稔性種子)と受粉していない種子(不妊種子、infertile seeds)です。受粉した種子は厚みがあり黒く、受粉していない種子は薄くて白いため容易に区別がつきます。食害された種子は穴が空いています。また、他の昆虫の影響により枯れたり虫癭が出来た小室は解析から除外されました。採取した年によっては甲虫による食害が盛んだったため、ほとんどのデータを除外せざるを得ませんでした。さらに、見られたのはほとんどがT. yuccasellaであり、P. polleniferaは極わずかで、しかも甲虫による食害との区別が難しく正確に評価出来ませんでした。

稔性種子と不妊種子

ユッカ蛾の幼虫は別の小室に移動することは稀(約2%)であったため、データは小室ごとに分析しました。
ユッカ蛾が寄生と不妊種子は関係があるか調査しました。幼虫がいる小室といない小室で、不妊種子の割合を比較しました。結果、1992年の調査では有意差は見られず、1993年の調査では有意差が見られました。よって、ユッカ蛾の寄生により、不妊種子の割合は寄生されていない種子と同程度か、あるいはより多く見られるということです。
次にユッカ蛾の幼虫が、稔性種子と不妊種子のどちらを好むかを調査しましたが、不妊種子を好む傾向は見られませんでした。また、幼虫による不妊種子への損傷が稔性種子より大きいか調査しましたが、稔性種子をより多く食害しました。


不妊種子の意義
不妊種子の存在は、ユッカ蛾の幼虫が食べる種子の数を減らすのでしょうか。幼虫が稔性種子を好む、あるいは不妊種子を避ける場合、食害される種子の数は不妊種子の存在により左右される可能性があります。
幼虫に食害された種子の総数は、不妊種子が増えるほど減少しましたが、稔性種子が増えても減少しませんでした。このことから、不妊種子は幼虫の食害を阻害し、食害される種子の数を制限する役割があることが分かります。ただし、食害は減少しますが阻止しているわけではありません。
この、相利共生の根底にある「パートナーシップの葛藤」、つまりはパートナーが課すコストを削減すると、相利共生者の方がより利益を得られる可能性があり、この相互作用を安定化させるのかも知れません。こうした形質は、特に資源が限定され、消費により相利共生者の利益が減少する可能性がある場合には不可欠です。不妊種子の存在は食害される稔性種子を減らすことにより、Y. schottiiに有利かも知れません。

不妊種子の発生原因
不妊種子の発生原因はよく分かっていません。3つの仮説があります。Riley(1892)はユッカ蛾の産卵管が胚珠を傷つけたり、種子の発育を妨げることで、産卵部位の果実が狭窄する可能性を示唆しました。実際に狭窄部の両側に不妊種子が頻繁に見られましたが、全体的に見られる不妊種子とは明確に異なります。次に、Powell(1984)とAddicott(1986)は、花粉の輸送が不十分だと胚珠が発育しない可能性を述べています。しかし、Powell(1984)によると、ユッカ蛾の密度が高い場合でも不妊種子があるため、花粉が受粉の制限要因ではないのかも知れません。最後にもっとも可能性が高いAddicott(1986)の指摘で、種子の発育に必要な資源が不足するため発育が阻害される可能性です。

相利共生と進化
著者らは不妊種子がユッカ蛾の食害を避けるために進化したと主張しているわけではありません。しかし、不妊種子の発生原因が何であれ、不妊種子が散在することがユッカにとって有利になる可能性があります。さらに言えば、有益な効果を発揮するために、不妊種子が発生するならば無秩序に散在するように進化した可能性もあります。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
ユッカとユッカ蛾の関係についての内容ですが、相利共生における互いのコストと利益について深掘りしています。相利共生は一見して互いに協力関係を結んでいるように見えますが、進化論的に見るならばこれはたまたま互いに利益になるから偶然そうなっているだけでしょう。ですから、互いに相手を出し抜こうとし、最大限自身に有利な関係性を指向するのです。もちろん、片方が有利になり過ぎれば関係性が破綻してしまう可能性もあるでしょうし、場合によっては相手に従属を強いるかも知れません。共生関係は平和に見えますが、実は互いに競争があるかも知れません。このような視点から見れば、また世界が違った姿で見えることでしょう。非常に面白い論文でした。


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最近は天気が不安定で、出掛けるにしろ植え替えをするにせよ困ります。なかなか、植え替えが進みません。ちなみに、今年の植え替えは今回で102鉢になりました。

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H. glauca var. herrei RIB 0217
フィールドナンバーつきのヘレイを植え替えます。葉が短いタイプのヘレイです。ちなみに、2022年の夏に鶴仙園にて購入しました。
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根の発達はまあまあ。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。よく育っています。このような青白いタイプは流行っても良さそうな気もしますが、硬葉系自体が人気がないので無理かも知れません。


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H. limifolia
一般的なリミフォリアです。ちなみに、2023年の春にタナベフラワーにて購入しました。
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根の量は豊富です。
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植え替え後。子株が出ていますから、プレステラ90からプレステラ105に替えました。リミフォリア系は渋くて好きなハウォルチアです。


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H. fasciata fa. vanstaadensis
ファスキアタの矮性品種ヴァンスタアデンシスも植え替えます。ちなみに、2022年の夏のビッグバザールにて購入しました。

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太い根が割りとあります。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。株としてかなり充実しています。


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スーパーゼブラ
「十二の巻」の選抜品種と思われるスーパーゼブラも植え替えます。一般的にはH. fasciataと書かれがちです。ちなみに、2023年の冬に世田谷ボロ市にて購入しました。
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根はまあまあ。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。非常に美しいハウォルチアですね。


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特アルバ
明らかにH. attenuata系である特アルバです。ちなみに、2022年の冬にヨネヤマプランテイションにて購入しました。
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根は少な目。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。


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Commiphora aff. orbiqularis
コミフォラも植え替え。ちなみに、2024年の秋に木更津C & Sフェアにて購入しました。
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根は割りとありました。
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植え替え後。プレステラ90に植えました。しかし、コミフォラは始めたばかりなので、イマイチ育て方がわかりません。乾燥地の植物と言っても灌木ですから、多肉植物や塊根植物と異なり水が好きなような気もします。育てながら探っていきます。


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Fouquieria fasciculata
ファスキクラタは去年植え替えましたが、ちょうど良いサイズの鉢がなかったのでそのままの鉢に植えた経緯があります。ゆえに、根はかなり詰まっているでしょう。ちなみに、2023年の春のビッグバザールにて購入しました。

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根はかなりの量です。しかし、丸々2年育てていますが、枝ばかり伸びて幹がまったく太りません。
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植え替え後。EG-135Lに植えました。そろそろ太ってきて欲しいところです。


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ゴールデンウィーク最終日、朝から晩まで多肉植物の植え替えをする予定でしたが、残念ながら朝から晩まで雨模様でした。植え替えが出来なかったので、急遽出掛けることにしましたが、あまり遠出は面倒なので、行き慣れた池袋の鶴仙園に行ってまいりました。鶴仙園は去年の11月のイベント以来、実に久しぶりです。

さて、11時くらいに到着しましたが、雨模様のせいか空いていてじっくり見ることが出来ました。まあ、しかし隣から謎の爆音が響いており、妙にうるさくはありました。
さて、売り場に入るとアガヴェコーナーがあり、最近流通し始めたAgave albopilosaが並んでいました。さらに、珍しいところではAloe florenceaeなんかもありましたね。やはり、最近流通し始めたEuphorbia cap-saintemariensisなんかもありました。サボテンの部屋では弁慶柱の苗がいくつかあり目を引きました。しかし、弁慶柱なんか手に負えなくなるのは確実ですよね。いつかは地植えする必要が生じ、植物園のような背の高い温室は一般人には厳しい気がします。まあ、育つのが遅いと言いますから、生きている間には問題にはならないのかも知れませんが…
ユーフォルビアも割りとあり、立派で高額な塊根も並んでいました。気になったのは、カクタス長田のE. lugardiaeです。小型でよく分岐し、細かい節だらけの奇妙なサボテン様ユーフォルビアでした。しかし、本来のE. lugardiaeは旧・モナデニウムで、リチェイのようなぶつぶつしたのっぺりしたあの感じなんですよね。一体、何者なのでしょうか。
まあ、このように一巡したわけですが、私が鶴仙園に行くと結局ハウォルチアを買ってしまいます。今回もハウォルチアを買ってしまいました。と言うわけで購入品です。

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H. limifolia v. ubomboensis GGS 5739
またもや、ウボンボエンシスを買ってしまいました。前にもやはり鶴仙園で購入していますが、なんとフィールドナンバーつきですよ。調べて見ると以下の如くでした。

Field number: ISI 1339
Collector: International Succulent Introductions (previously International Succulent Institute)
Species: Haworthia limifolia v. ubomboensi
Locality: Ubombo Mountains, near Stegi, Swaziland
Altitude:
Date:
Notes: Rooted offsets of plants from G.G.Smith5739

フィールドナンバーのGGSは聞き覚えがないと思っていたら、Gerald Graham Smithのことでした。しかし、「G.G.Smith5739」は標本ナンバーでありフィールドナンバーではないような気もします。G.G.Smithの採取した個体の子孫が「ISI 1339」ですから、フィールドナンバーで呼ぶならこちらが正しいのでしょう。

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Haworthia zantneriana
妙に気になるハウォルチアです。というか軟葉系ハウォルチアに見えません。しかし、H. parksiana やH. chrolacanthaあたりの軟葉系ハウォルチアに見えない連中は大好物です。調べて見ると、案の定H. chloracantha var. zantnerianaとする意見もあったようです。

というわけで、ゴールデンウィークに久しぶりに鶴仙園を見てきました。売り場が広くなり、扱う鉢数もかなり増えていました。相変わらずハウォルチアばかり買ってしまいますが、やはり普段イベントでも見かけない珍品揃いなので、ついつい目がいってしまうのは仕方のないことですよね。そういえば、そろそろバラの季節になります。どこか近場で行けるところがないか調べてみます。


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ゴールデンウィークも過ぎましたが、休み中にようやく多肉植物をすべて外に出すことが出来ました。今回は冬の間も屋外に出しっぱなしの多肉植物を少し植え替えることにしました。本来は連休中に一気に植え替えるつもりでしたが、出かけたり雨が降ったため、それほどこなせません。というわけで、今年の植え替えは今回で95鉢になりました。


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オペルクリカリアの葉が、直射日光を浴びてストレスカラーで色づいています。


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臥牛 Gasteria nitida var. armstrongii
格安で入手した臥牛を植え替えます。ちなみに、2023年の夏にコーナン港北インター店にて購入しました。
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根はかなり強いですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。だいぶ貫禄が出てきました。


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Astroloba rubriflora
Poellnitziaとして入手したルブリフロラです。現在はアストロロバですが、白い花を咲かせるアストロロバの中で唯一赤い花を咲かせるため、別属とされてきました。ちなみに、2022年の春に鶴仙園にて購入しました。

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根はすでに動いています。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。入手時からするとかなり育っていますが、まだ花を咲かせていません。今年は見られるでしょうか。


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Haworthiosis glauca var. herrei
長葉タイプのヘレイですが、下葉が枯れて顔色が良くありません。ちなみに、2022年の夏にコーナン港北インター店にて購入しました。

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根腐れではなさそうですが、根は枯れていました。茎も枯れてしまっています。
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よく見ると新しい根が出ています。
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植え替え後。プレステラ75に植えました。しっかりと根を張るまでは様子見します。


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Tulista pumila var. sparsa
かなり締まった良い形の変種スパルサです。ちなみに、2022年の秋に鶴仙園にて購入しました。

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根はよく動いています。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。


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Tulista pumila
こちらのプミラは徒長してしまいました。仕立て直す必要がありますが、ぐらつくためとりあえず植え替えます。ちなみに、2021年の冬に木更津C&Sフェアにて購入しました。

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頭が重いだけで、根には問題はなさそうです。
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植え替え後。そのままのプレステラ120に、グラつかないように深植えしました。いつ切り戻すか悩みどころです。


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Haworthiopsis reinwardtii f. kaffirdriftensis
「鷹の爪」系のカフィルドゥリフテンシスも植え替えます。片方は何故か倒れてしまいます。ちなみに、2022年の春に鶴仙園にて購入しました。

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両方とも根は微妙。何故か縦ではなく横方向に根が出ています。植えにくいですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。やや深植えしています。


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Gasteria acinacifolia
アキナキフォリアも植え替えます。ちなみに、2023年の春にビッグバザールにて購入しました。

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根は浅く張っていました。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Gasteria pillansii
ピランシイも植え替え。ちなみに、2022年の夏にコーナン港北インター店にて購入しました。

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根はまあまあ。
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植え替え後。そのままのプレステラ90に植えました。


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Astroloba hallii n.n.
「ハリー」の名前で流通しているアストロロバ。おそらく、ペンタゴナ系のA. spiralisなのでしょう。ちなみに、2022年の春のビッグバザールにて購入しました

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根はかなり強いですね。
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植え替え後。そのままのプレステラ105に植えました。最近は割りと見かけるようになりました。



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